2019-01-21

[EFSA]特集:EFSAでの社会科学の突破口となるコミュニケーション方法論

Feature: Communications methodology a breakthrough for social science at EFSA

16 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/190116-0

EFSAの科学的不確実性を伝えるための新しいアプローチは、社会科学者、自然科学者、コミュニケーターの専門家が集結して可能になった。不確実性の国民の理解についての社会調査での専門家の知見や、食品安全性の視点からこれを適用する力は、この新しいコミュニケーション方法論の開発において極めて重要である。

科学的評価における不確実性のコミュニケーションについてのEFSAのガイダンスは、欧州全域の様々な受け取り手に対して、食品の安全性評価の不確実性に関する情報を調整するための構造的アプローチを提供している。主にEFSAの科学コミュニケーター向けで、科学的評価における不確実性分析についての、より技術的な2018年のEFSA科学委員会のガイダンスと対になっている。

これによりEFSAは作業の中で、複雑な科学の話題についてのコミュニケーション強化と、特に公衆に関心のある分野で評価の文脈を説明すること両方のために、社会科学を統合することになる。私達は「社会科学」と「自然科学」の間で連携するEFSAのこの画期的な出来事とその重要性を、このガイダンスの著者4人に尋ねた。

ガイダンス:実践的助言、今後の研究

Laura Maxim氏は不確実性と科学方針についての社会学研究者である。「私の知る限り、これは史上初の不確実性を伝える実用的なガイダンスである。他の公的機関や学界が以前に提案した一般概念を超えて、EFSAのコミュニケーターが直面する現状に対する具体的な解決策を提供している」と彼女は述べた。

消費者行動を専門とする心理学の教授であるMichael Siegrist氏は、注意点とともにこの点に同意した。「根拠に基づいて不確実性のコミュニケーションを考案する私達の試みは、重要な成果である。だが、私達が直面した実際問題の多くには十分な根拠が得られなかった。今後の研究でこれらの問題のいくつかには十分対処できるだろう。」

Laura Maxim氏は自身の学術的活動での経験ももとになっているであろう。「このガイダンスで見てきたように、EFSAの経験や実用的なニーズは、さらなる優れた研究のニーズを作り出す可能性がある。このことが研究者たち、特に私を刺激している」と彼女は付け加えた。

EFSAの「自然科学」評価者との結びつき

Andy Hart氏はEFSAで数年間評価者として携わった経験のある、不確実性分析の方法論とツールを専門とする生物学者である。「よくデザインされた社会科学の研究は、不確実性の表現のような潜在的に複雑な科学的概念を、国民がどのように理解するかについての貴重な情報を提供できるということを、この作業で確認した」と彼は述べた。

EFSAは科学委員会のガイダンスを使用するために、評価者―外部の専門家と職員―に対する教育を提供している。「不確実性のコミュニケーションが議論される今後のコースでは、私達のレビューで得られた知見が含まれ、参考文献として助言することになる」と彼は加えた。

「全ての学術的な科学者グループのように、自然科学者との相互作用はバリアを取り除いた。時間は限られているので、誰もが理解できる方法でその知見を開示し共有しなければならない。相互にわかりやすい方法で書くよう強いられた結果、このガイダンスの読み手にはより分かりやすいコミュニケーションとなっている」とLaura Maxim氏は述べた。

レギュラトリーサイエンスに「社会科学」を入れること

EFSAでは社会科学に未来はある?Michael Siegrist氏はそのように考えている。「今日の社会に関する全問題をほぼ解決するために、社会科学者と自然科学者の間に緊密な協力が必要である。私達はヒトの意思決定方法についての洞察力や、人々が十分な情報に基づいて判断を下すために情報がどのように提示されるべきかを提供できる。」

Andy Hart氏は同意した。「社会科学の根拠や経験は、食事の助言などの活動に対して国民がどのように反応したかを評価するための本質的要素である。」EFSAが緊密に協働しているEUや国の政策決定者の責任と照らし合わせ、彼は付け加えた。「これは様々なリスク管理選択肢に影響を与えるかもしれない。」

ガイダンスの利用―コミュニケーターはどう思う?

Anthony Smith氏はEFSAのコミュニケーションユニットでコンテンツ制作に取り組んでいる。彼は述べた。「私達のコミュニケーションは私達の科学評価者の作業に追随するものである。それらは段階的アプローチに従っているので、私達も作業の実践において変化を組み込むのに時間をかけるつもりである。

たとえ社会メディアや新しいテクノロジーが変わっても、私達が科学を伝える方法を根本的に変えることはない。だがそれは、結論や基礎となる科学的根拠における私達科学者の信頼の透明性をさらに高めることのできる、革新的で実践的なツールである。」

 

-科学的不確実性の伝達:透明性を高めるために調整されたアプローチ

Communicating scientific uncertainty: a tailored approach for increased transparency

16 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/190116

表現やコミュニケーションの形式をその必要性に適合させると、様々な受け取り手が科学的不確実性をよりよく理解できる。EFSAの不確実性のコミュニケーションに対象を絞った新しいアプローチは、伝える側が科学的助言の透明性をさらに高めるのに役立つ。

主に科学コミュニケーター向けのこのガイダンスは、2018年の科学的評価における不確実性分析に関するEFSA科学委員会の技術的ガイダンスと対になっている。EFSAは評価者とコミュニケーターのためのこの2つのガイダンス文書を段階的に実施している。

意思決定者のためのさらなる明瞭性

EFSAのコミュニケーション・関与・協力部門の議長であるBarbara Gallani氏は、「EFSAの不確実性分析への統一したアプローチや、この不確実性のコミュニケーションも、EU食品安全性システムの意思決定者向けの科学的助言の一貫性と明瞭性を改善している。特に、私達が開発したこのコミュニケーションアプローチは、科学の専門家が、評価方法や、評価と潜在的なリスクついての結論に使用されその基本となる科学的根拠の信頼性の表現方法への理解を高めることを目的としている」と述べた。

このガイダンスの作成方法

不確実性のコミュニケーションについてのガイダンスは、不確実性の情報を提供するコミュニケーター用の革新的で実用的なツールで、社会調査と経験に基づいている。

EFSAでは初めて、社会学や心理学など社会科学分野の専門家が自然科学や科学コミュニケーター出身の評価者と共に作業し、EFSAの公式出版物の作成に貢献した」とGallani氏は述べた。

不確実性の情報についての人々の理解や気付きに関する根拠や利用方法は、研究発表から引用された。パブリックコメント募集に対する感謝を明らかにした研究もあった。

EFSAの科学的評価の例にこの知見を適用して、専門家は、一般的で具体的な状況での多数の実用的な注意や、従事するコミュニケーターへの助言を明らかにした。この情報は、食品安全性問題の科学リテラシーや熟知度などの基準によってグループ分けされた、様々な受け取り手のために三段階になっている(例えば、専門家用、知識のある人用、入門用)

パートナーや関係者との作業

このガイダンス文書は欧州委員会やEU加盟国のパートナーとの対話から恩恵を受けている。リスク管理者とコミュニケーターには開発中に定期的に情報が与えられ、ワークショップやパブリックコメント募集を通して最終版まで貢献した。NGOs、消費者協会、食品管理者などの関係者グループも参加した。

Gallani氏は、「改善を通して、私達はコミュニケーションアプローチを含む科学的方法論を作成した。私達の目標は依然として欧州とその国民のためにEUの食品安全性システムを管理するパートナーを支援することである」と結論した。

 

EFSAのガイダンス文書:科学的評価における不確実性のコミュニケーション

EFSA Guidance document: communication of uncertainty in scientific assessments

EFSA Journal 2019;17(1):5520  16 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5520

 

FAQ

Frequently asked questions

https://www.efsa.europa.eu/en/topics/topic/uncertainty-scientific-assessments#field_collection_item-4060

 

・技術的報告書:科学的評価における不確実性のコミュニケーションについてのガイダンス文書案に関するパブリックコメント募集

Technical report: public consultation on the draft Guidance document on communication of uncertainty in scientific assessments

16 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1540

EFSAの戦略2020の最初の戦略目標「安全な食品のための信頼される科学」は、科学的評価の実施における一般人と関係者が従事する優先順位付けである。不確実性のコミュニケーションについてのガイダンス文書案では、201854日から624日までウェブ上でパブリックコメントを受け取った。EFSAは学界、国家機関、非政府組織、コミュニケーターを含む24の関連団体から212件のコメントを受け取った。この報告書は受け取った個々のコメントを一覧表にし、「科学的評価における不確実性のコミュニケーションについてのガイダンス」を最終化する工程でそのコメントがどのように考慮されるかを詳細に説明している。

 

[EFSA]EFSAはオープンアクセスプラットフォームのデータを共有

EFSA to share data on open-access platform

17 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/190117

EFSAは、EU規模のモニタリング計画や調査及びそのリスク評価の多くに使用する科学的データを公開するために委託による完全オープンデータの組織化に向けて大きく前進している。

本日発表する報告書で、EFSAは次の分野で収集したデータをどのように共有するかを提示している。食品摂取習慣、食品中の残留農薬、食品中の化学汚染物質及び添加物、食品由来疾病のアウトブレイク、薬剤耐性。

このデータは、食品及び飼料の安全性リスク評価の根拠の透明性、再現性、再利用性を改善するために設けられた、EFSAのキュレートされたオープンな貯蔵所である、知識の交差点(Knowledge Junction)から利用できる。この最初の一連のデータは今年発表予定である。

Knowledge JunctionZenodoプラットフォーム上のコミュニティで、ウェブブラウザを持つ誰もがアクセスできる。

EFSAの根拠管理ユニット長であるMary Gilsenan氏は述べた。「このデータを自由に入手できるようにすることは、私達が使用する非常に多くのデータを提供する加盟国やEFSA自身にとって非常に画期的な出来事である。私達が特定の科学的情報を発表する際に、初めて、この評価に使用するすべてのデータを同時に入手できるようにする。タイムリーで、比較可能で、相互運用可能で、利用しやすい、データ発表プロセスを私達に与えてくれる。」

EFSAの重要戦略目標の1つ―根拠ベースを拡大し、そのデータへのアクセスを最大にする―ことと一致するのと同様に、その動きはデータと情報の一般公開を促進する、より広いEUの取り組みの一部である。

Gilsenan氏は付け加えた、「オープンデータは透明性、説明責任、根拠に基づく意思決定のための成功のカギである。必要に応じたデータから率先した既定のデータアプローチへの移行は、EFSAと全ての関係者にとって積極的な対策である。」

この報告書はEU加盟国の専門家と機関との緊密な協議でEFSAのデータの専門家が起草した。

個々の国々が政府のデータに公的にアクセスを提供する手段のレビューを含んでいる。食品と飼料の安全性組織は異なるアプローチをとっているが、食品安全性データの利用の可能性は年々増加している。

「私達はこの報告書が欧州全土の食品の安全性でオープンデータ政策の採用を刺激するのに役に立つことを願っている。オープンデータへのアクセスは、消費者が健康的な選択をし、食品安全性監視システムを強化し、食品生産部門の革新を後押しするのに役立つ可能性がある。」とGilsenan氏は述べた。

 

-報告書:EUが連携するモニタリング計画及び調査の科学的データの発表

Report: Publication of scientific data from EU-coordinated monitoring programmes and surveys

17 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1544

 

-エディトリアル:EFSAのデータの未来

Editorial: The future of data in EFSA

EFSA Journal 2019;17(1):e17011  17 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e17011

 

 

[EFSA]意見等

-Streptomyces murinus(NZYMGA)由来食品酵素グルコースイソメラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme glucose isomerase from Streptomyces murinus (strain NZYMGA)

EFSA Journal 2019;17(1):5547 11 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5547

この食品酵素はNovozymes A/S社が非遺伝子組換えStreptomyces murinus NZYMGA株で生産したグルコースイソメラーゼ(d‐キシロース アルドース‐ケトース‐イソメラーゼ; EC 5.3.1.5)である。このグルコースイソメラーゼは、高フルクトースシロップの生産にグルコース異性化の固定化型でのみ使用することを意図している。全有機固形物の残留量は固定化酵素を使用する高フルクトースシロップの生産中に適用される精製工程で除去される。そのため、食事暴露は算出されなかった。遺伝毒性試験は安全上の懸念を生じなかった。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似性が調査されたが、一致は見つからなかった。パネルは、意図した使用状況下で、アレルギー感作リスクや食事暴露による誘発反応は除外できなかったが、このような反応が起こる可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、高フルクトースシロップ生産中の全有機固形物の固定化プロセスと除去について、パネルはこの食品酵素は意図した使用状況下で安全性の懸念を生じないと結論した。 

 

[EU]RASFF Week03-2019

警報通知(Alert Notifications

中国産ドイツ経由イチョウ葉粉末の多環芳香族炭化水素(71.62 µg/kg)、韓国産オランダ経由乾燥ワカメのヨウ素高含有(300 mg/kg)、ルーマニア産オランダ経由飼料用トウモロコシにブタクサの種高含有(最大 200 mg/kg)、中国産スペイン経由竹製マグからのホルムアルデヒドの溶出(470 mg/kg)、中国産竹の蓋つき容器からのホルムアルデヒドの溶出(>30 mg/kg)

注意喚起情報(information for attention

2,4-ジニトロフェノール(DNP)のオンライン販売、米国産食品サプリメントの未承認物質ヨヒンビン、中国産ソースパン(sauciere)からの鉛の溶出(3.78 mg/l)、ブラジル産スイカのフルアジホップ-p (0.34 mg/kg)、米国産食品サプリメントの摂取によるニコチン酸の過剰摂取リスク(30 mg) 及び未承認新規食品成分デンドロビウム・ノビルとヨヒンベ樹皮抽出物、米国産食品サプリメントのカフェイン高含有・摂取によるニコチン酸の過剰摂取リスク及び未承認新規食品成分ヨヒンベ樹皮抽出物、中国産食品サプリメントの未承認物質シルデナフィル及びタダラフィル、中国産梨のクロルピリホス(0.066 mg/kg)、セネガル産メカジキロインの水銀(1.9 mg/kg)

フォローアップ用情報(information for follow-up

中国産竹製カップからのホルムアルデヒドの溶出(218.84 mg/kg)、シリア産酢漬けのカブの着色料エリスロシン(E127)の未承認使用、フィリピン産英国経由食用ケーキデコレーションの着色料エリスロシン(E127) (19 mg/kg)の非表示及び未承認使用、

通関拒否通知(Border Rejections

トルコ産レーズンペーストのオクラトキシンA (13.02 µg/kg)、トルコ産ザクロのプロクロラズ(1.153 mg/kg)及びイマザリル(0.624 mg/kg)、インド産鳥餌用ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 65.9; Tot. = 79.5 µg/kg)、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 13.1 µg/kg)、オーストラリア産ベトナム経由アーモンドのアフラトキシン(B1 = 24.2; Tot. = 37.5 / B1 = 12.7; Tot. = 17.5 µg/kg)、中国産子供用竹製テーブルウエアセットからのホルムアルデヒドの溶出(22.8 mg/kg)、トルコ産煎ってコーティングされたピーナッツのアフラトキシン(B1 = 13.7 µg/kg)、インドネシア産煎った殻付きピーナッツのアフラトキシン(B1 = 9.4; Tot. = 9.8 µg/kg)、トルコ産煎ったピスタチオのアフラトキシン(B1 = 15.08; Tot. = 16.23 µg/kg)、インド産グリーンチリペッパーの未承認物質メタミドホス(0.16 mg/kg)及びアセフェート(0.23 mg/kg)、ドミニカ共和国産ペッパーのオキサミル(0.097 mg/kg)及び未承認物質フィプロニル(0.028 mg/kg)、米国産トルコ経由生のピスタチオ穀粒のアフラトキシン(B1 = 23.42; Tot. = 25.73 µg/kg)

 

[NTP]ニュースレター

UPDATE Newsletter

January 2019

https://ntp.niehs.nih.gov/update/index.html

NTP 40周年

ニューヨークのLove Canal での化学物質投棄公衆衛生危機に対応して197811月に作られた。初期は発がん物質報告書(RoC)を作ることが任務の一つ。それから拡大していった

 

-ワークショップ:がんに集まる

Workshop: Converging on Cancer

https://ntp.niehs.nih.gov/events/webinars-workshops/2019/coc/index.html

2019429-30

環境暴露とがんの生物学の相互作用をどうやって評価するか、がテーマ

 

[HK] 法令違反

-菜心のサンプルの残留農薬が基準値超過

Pesticide residue exceeds legal limit in Choisum sample

Tuesday Jan 15, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190115_7299.html

食品安全センターが検査したところ、菜心のサンプルにおいて、アセタミプリドが最大残留基準1.2 ppmのところ、4.87 ppm検出であった。

 

-包装クッキーが栄養表示規則に違反している

Cookies not in compliance with nutrition label rules

Wednesday, January 16, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190116_7301.html

食品安全センターが検査したところ、香港のJenny BakeryブランドのJenny Bakery Cookiesにおいて、トランス脂肪が0.8g/100gという申告のところ、1.6g/100gであった。

 

-包装パルミエが栄養表示規則に違反している

Prepackaged butterfly pastry not in compliance with nutrition label rules

Thursday, January 17, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190117_7302.html

食品安全センターが検査したところ、中国のTai Cheong Bakeryブランドの蝴蝶酥のトランス脂肪が0g/100gという申告のところ、0.66g/100gであった。

 

[TGA]電子タバコリキッドに関連する深刻な健康被害に関する市民への警告

A warning to consumers about the serious health risks relating to e-cigarette liquid

15 January 2019

http://www.tga.gov.au/media-release/warning-consumers-about-serious-health-risks-relating-e-cigarette-liquid

TGAは市民に電子タバコリキッド購入のリスクの可能性を警告している。これは、オーストラリアで販売される電子タバコリキッドの「ニコチンフリー」とされている液体の中に、ニコチンやその他の微量の化学物質を含む、明らかにされていない有害な可能性のある成分が検出された研究による助言である。

 

[Codex]コーデックスはスパイス無しの食品が考えられないところで品質基準を設定

Codex sets quality standards where food without spices is unthinkable

18/01/2019

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1177325/

コーデックススパイスと料理用ハーブ部会Codex Committee on Spices and Culinary Herbs (CCSCH)がインドのケララ州Thiruvananthapuramで会合。

 

[FSANZ]FSANZ隔年関係者フォーラム

FSANZ biennial stakeholder forum - 5 March 2019             

http://www.foodstandards.gov.au/Pages/First-Biennial-Stakeholder-Forum.aspx

テーマは「目的に適った-現在と将来の食品規制」

 

論文

-新しい技術は遺伝子組換え植物のかつてない詳細を知ることを可能にする

New technologies enable better-than-ever details on genetically modified plants

18-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/si-nte011519.php

Salkの研究者らは新しい遺伝子を挿入した時に分子レベルで何がおこっているのかを正確に研究するために最新のDNA配列決定技術を用いた。PLOS Geneticsに発表。

 

-世界貿易センター対応者は頭部と頸部のがんリスクが増加

World Trade Center responders at increased risk for head and neck cancers

17-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/ru-wtc011619.php

International Journal of Cancer。最も増えたのはしばしばHPV感染を伴う口腔咽頭のがん。

 

-ソフトドリンク+ハードワーク+暑い天気=腎疾患リスクの可能性

Soft drinks + hard work + hot weather = possible kidney disease risk

17-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/aps-sd011619.php

American Journal of Physiology--Regulatory, Integrative and Comparative Physiologyに発表された研究。健康な成人を実験室で暑い日(35℃)の農作業を模した条件にしてカフェイン入りソフトドリンクと水のどちらかを16オンス(450ml)飲んでもらった。ソフトドリンク群で血中クレアチニン濃度が高く糸球体濾過速度が低かった

 

-何百万人ものアメリカ人が飲料水の高い硝酸濃度に暴露されている

Millions of Americans exposed to elevated nitrate levels in drinking water

17-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/ssi-moa011719.php

Environmental Healthに発表されたSilent Spring研究所とEWGの共同研究。公共水の硝酸濃度データを集めて5 ppm以上のところを危険であると警告。EPAの飲料水基準は10ppm(日本も)。農地の近くや小さなシステムが濃度が高い傾向にある。

(こういう勝手に低く設定したレベルで危険だと騒ぐ環境運動、止めてくれないかな。この程度の硝酸なんか野菜少し食べればすぐ超える)

 

-サラダ、炭酸飲料、社会経済状態:シアトルの健康の社会的決定因子の地図作製

Salad, soda and socioeconomic status: Mapping a social determinant of health in Seattle

17-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/uow-ssa011719.php

Social Science and Medicine - Population Healthに発表された研究。サラダを食べる人と炭酸飲料を飲む人は地価により地理的に劇的に分離している。

(だから地価の高いところに住めば健康になる、と言える?)

 

-The Lancetエディトリアル

2019年:栄養の年

2019: the year for nutrition

Volume 393, ISSUE 10168, P200, January 19, 2019

 

人新世の食品:持続可能なフードシステムのための健康的食事についてのEAT-Lancet任務Food in the Anthropocene: the EAT-Lancet Commission on healthy diets for sustainable food systems

Food in the Anthropocene: the EAT–Lancet Commission on healthy diets from sustainable food systems

Commissions from the Lancet journals

https://www.thelancet.com/commissions/EAT

健康的な参照食、を提案している. 2500kcal/dの場合

全粒穀物で総エネルギーの0-60%相当、232g

芋類 50g

野菜300gそのうち緑100赤や黄色100

果物200g

乳製品 全乳250相当

タンパク源としては赤肉77家禽2913魚介28g

100

木の実25

油脂50そのうち40が不飽和

添加される糖31

(乳製品と肉を大幅に減らせということになる。酒は多分ゼロかな?)

 

-生命倫理学者がメリットがあることが証明されていない消費者向け「神経技術」の監視を呼びかける

Bioethicists call for oversight of consumer 'neurotechnologies' with unproven benefits

17-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/uops-bcf011719.php

2020年には30億ドル市場になると予想されているこれら製品の研究と監視を提案

Scienceに発表

(脳波測定装置や診断アプリなど)

 

-少なくとも半分の保護者が子どもに根拠に基づかない風邪予防法を試みている

At least half of parents try non-evidence-based cold prevention methods for kids

21-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/mm-u-al1011619.php

多くの親は科学的根拠のない民間伝承を信じたりビタミンやサプリメントを使ったりしている、ミシガン大学医学部の調査。

よい知らせはほぼ全ての親が(99%)風邪予防には個人の衛生(手を洗う、口や鼻を触らない、他人と道具や飲み物を共有しない、など)が含まれると言っていること。

それでも51%は市販のビタミン剤やサプリメントを風邪予防目的で子どもに与えている。71%は「濡れた髪で外に出ない」「屋内で過ごす」などの伝承で子どもを守ろうとしている。

 

2019-01-16

[EFSA]意見等

-ネコ用Lantharenol® (炭酸ランタン八水和物)の認可改訂申請の評価

Assessment of the application for renewal of authorisation of Lantharenol® (lanthanum carbonate octahydrate) for cats

EFSA Journal 2019;17(1):5542 11 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5542

Lantharenol®は炭酸ランタン八水和物を含む飼料添加物である。これは現在ネコ用畜産添加物(尿からのリン排泄の削減)として認可されている。2007年に動物用飼料に使用する添加物及び製剤又は物質に関するパネル(FEEDAP)は、ネコ用飼料添加物としてのLantharenol®の安全性と有効性に関する意見を承認した。申請者はこの添加物が認可状況に従っていることを説明するデータを提出している。市販後モニタリング計画の結果を含む入手可能な証拠は、最大認可濃度7.5 g/kg 完全飼料でキャットフードへのLantharenol®の使用はネコに安全だと確認した。FEEDAPパネルは特定の市販後モニタリング計画の継続の必要はないと考えている。

 

-イヌ用飼料添加物としてのラクトバチルスロイテリ菌NBF‐1 (DSM 32203)の安全性と有効性

Safety and efficacy of Lactobacillus reuteri NBF‐1 (DSM 32203) as a feed additive for dogs

EFSA Journal 2019;17(1):5524 11 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5524

欧州委員会の要請を受けて、動物用飼料に使用する添加物及び製剤又は物質に関するパネル(FEEDAP)は、最大用量6 × 109コロニー形成単位(CFU)/動物及び日でイヌ用飼料に使用する際のラクトバチルスロイテリ菌 NBF‐1の安全性と有効性に関する科学的意見を出すよう求められた。この添加物はラクトバチルスロイテリ菌DSM 32203株の生きた細胞の製剤である。この種は対象種や環境への安全性を確立する安全性推定(QPS)アプローチに適切だと考えられており、QPSアプローチの条件を満たしている。他の構成要素からの懸念がなく、ラクトバチルスロイテリ菌 NBF‐1は対象動物と環境に安全だと考えられる。FEEDAPパネルはイヌ用のラクトバチルスロイテリ菌 NBF‐1の有効性に関する結論を出す立場ではない。

 

-ウサギ肥育用飼料添加物としてのHOSTAZYM® X (エンド‐1,4‐β‐キシラナーゼ)の安全性と有効性

Safety and efficacy of HOSTAZYM® X (endo‐1,4‐beta‐xylanase) as a feed additive for rabbits for fattening

EFSA Journal 2019;17(1):5529 11 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5529

欧州委員会の要請を受けて、動物用飼料に使用する添加物及び製剤又は物質に関するパネル(FEEDAP)は、ウサギ肥育用飼料添加物としてのHOSTAZYM® Xの安全性と有効性に関する科学的意見を出すよう求められた。HOSTAZYM® XはTrichoderma citrinovirideの株で生産されたエンド‐1,4‐β‐キシラナーゼを含み、液体及び固体製剤で入手できる。これは鶏肥育用、七面鳥肥育用、産卵鶏用、マイナー家禽種肥育用及び産卵用、離乳子豚用、豚肥育用、鯉用の飼料添加物として認可されている。FEEDAPパネルはこの添加物の新しい用途は消費者、使用者、環境の安全性に関する以前の結論を変えないと考えた。消費者の安全性の懸念はなく、環境へのリスクはこの添加物の使用から予想されない。ウサギ肥育用に投与される際のこの添加物の安全性を支えるためにラットの亜慢性経口毒性試験が提出された。毒性データからウサギに導出された最大安全摂取量を考慮して、FEEDAPパネルはこの添加物は推奨使用量でウサギ肥育用に安全だと結論した。証拠不十分により、パネルはウサギ肥育用のこの添加物の有効性を結論できなかった。

 

-ネコ用飼料添加物としてのラクトバチルスロイテリ菌 NBF‐2 (DSM 32264)の安全性と有効性

Safety and efficacy of Lactobacillus reuteri NBF‐2 (DSM 32264) as a feed additive for cats

EFSA Journal 2019;17(1):5526 11 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5526

欧州委員会の要請を受けて、動物用飼料に使用する添加物及び製剤又は物質に関するパネル(FEEDAP)は、最大用量6 × 109コロニー形成単位(CFU)/動物及び日でネコ用飼料に使用する際のラクトバチルスロイテリ菌 NBF‐2の安全性と有効性に関する科学的意見を出すよう求められた。この添加物はラクトバチルスロイテリ菌DSM 32264株の生きた細胞の製剤である。この種は対象種や環境への安全性を確立する安全性推定(QPS)アプローチに適切だと考えられており、QPSアプローチの条件を満たしている。他の構成要素からの懸念がなく、ラクトバチルスロイテリ菌 NBF‐2は対象動物と環境に安全だと考えられる。FEEDAPパネルはネコ用のラクトバチルスロイテリ菌 NBF‐2の有効性に関する結論を出す立場ではない。

 

-全ての動物用に出芽酵母 NCYC R397で生産したセレノメチオニンの認可更新申請の評価

Assessment of the application for renewal of authorisation of selenomethionine produced by Saccharomyces cerevisiae NCYC R397 for all animal species

EFSA Journal 2019;17(1):5539  11 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5539

動物用飼料に使用する添加物及び製剤又は物質に関するパネル(FEEDAP)は、全ての動物用に出芽酵母 NCYC R397(Alkosel®)で生産したセレンの有機的形態の認可更新申請についての科学的意見を出すよう求められた。FEEDAPパネルはこの添加物の安全性と有効性に関して2つの意見を(2007年と2016年に)出した。この添加物は有機セレン、主にセレノメチオニン(63%)として記述されている。最初は2007年に2,000–2,400 mg Se/kg (有機セレンの97–99 %)で認可され、2017年には2,000–3,500 mg Se/kgのセレン範囲を導入するためにさらに改正された。その上、2013年には最初に認可された規則は飼料の添加物からの最大補完セレン量(0.2 mg Se  Alkosel®由来/kg feed)を導入するために改訂された。提出された証拠は現在市販されているこの添加物が認可状況に従っていることを示している。対象種、消費者、環境に安全な以前の結論を再考する新たな証拠は見つからなかった。特に、Alkosel®由来0.2 mg/kg 飼料の最大セレン補完量を超えず、その上飼料中の最大総セレン量0.5 mg/kgに違反しない限り、動物の栄養へのAlkosel®の使用は消費者へのリスクを引き起こさない。

 

[EFSA]EU-FORAフェローシッププログラム:第3期申請は1月31日まで

EU-FORA Fellowship Programme: apply for third round by 31 January

14 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/190114

EUの科学的評価の知的能力や知見コミュニティを形成する主要戦略である、EFSAの欧州食品リスク評価(EU-FORA) フェローシッププログラムの次期フェローや受け入れ側になるための申請はまだ可能である。

EU-FOR AはEU及びEFTA各国出身の若手から中堅科学者に、食品安全性リスク評価における知見や実地体験を広げる機会を与えることを目的としている。

その仕組みは?

フェローは自国以外の欧州の食品安全性リスク評価機関で12カ月間「実践による学習」を行う。その周期の最後に参加証明書が与えられ、フェローとしての研究の科学報告書がEFSA Journalの特集として発表される。

フェローはパルマ、ウィーン、ベルリン、アテネで行われる食品リスク評価履修4単位も受けとる。調達要請はこの教育プログラムの更新や配信を開始している。フェローへの教育提供に興味があれば、ここでさらなる情報が入手できる。

新着情報

この要請時点で、条項36の定める機関で働いていない、または現在職がない科学者たちは申請できない。受け入れ側になることに興味のある機関はEU-FORAの次の2周期 (2019-2020年と2020-2021年)の1つ、または両方に申請する選択肢がある。

このプログラムについてのさらなる情報や、フェローや受け入れ機関の申請方法は、EFSAのウェブサイトを見て下さい。過去と現在の参加者がEU-FOR Aについて言うべきことをさらに知るために、短い動画をご覧ください。

めったにないこの機会を逃さないで!申請は2019年1月31日まで。

 

[EU]RASFF Week02-2019

警報通知(Alert Notifications

インド製造ブルガリア経由食品サプリメントのオクラトキシンA(54.81 µg/kg)、チェコ共和国産有機ライ麦のオクラトキシンA (6.4 µg/kg)、パナマ産冷凍マグロの水銀(1.2 mg/kg)、コロンビア産マグロロインの水銀(1.5 mg/kg)、イタリア産チルド生ソーセージの鉛(4.6 mg/kg)、スペイン産冷凍ヨシキリザメ切り身の水銀(1.5 mg/kg)、フランス産ガラス瓶入りグリーンオリーブの亜硫酸塩非表示(28.7 mg/kg)、韓国産オランダ経由乾燥海藻のヨウ素高含有(3557; 3725 mg/kg)、

注意喚起情報(information for attention

英国産ホタテ貝(queen scallops)のカドミウム(1.3 mg/kg)、2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、ロシア産アプリコットカーネルクリームのシアン化合物高含有(51 mg/kg)、スペイン産メカジキの水銀(1.424 mg/kg)、タイ産未承認遺伝子組換えパパイヤ、フランス産缶入りピエモンテツナサラダの亜硫酸塩非表示、

フォローアップ用情報(information for follow-up

英国産オレンジシュガーペーストの着色料キノリンイエロー(E104) (426.9 mg/kg)および着色料ポンソー4R/コチニールレッドA(E124) (357 mg/kg) 高含有、ポーランド産食品サプリメントの未承認照射、スウェーデン産フリーカ(freekeh)のミネラルオイル(MOSH: 8777.6, MOAH: 37.7 mg/kg)、イタリア産スパークリングワインの亜硫酸塩高含有(500 ~ 600 mg/l)、ベトナム産チリソースの着色料サンセットイエローFCF(E110) (180 mg/kg)及び着色料ポンソー4R/コチニールレッドA(E124) (7 mg/kg)の未承認使用、チェコ共和国産ポピーシード粉のモルヒネ高含有(15.5 mg/kg)、ベトナム産緑茶の未承認物質アントラキノン(0.025 mg/kg)、

通関拒否通知(Border Rejections

アルゼンチン産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 5.7; Tot. = 9.9 µg/kg;B1 = 30; Tot. = 53 µg/kg;B1 = 9; Tot. = 11 µg/kg)、ベトナム産アーモンドのアフラトキシン(B1 = >24; Tot. = >24 µg/kg;B1 = 24; Tot. = 24 µg/kg)、オーストラリア産ベトナム製造アーモンドのアフラトキシン(B1 = 17.2; Tot. = 21.7 µg/kg;B1 = 22.7; Tot. = >24 µg/kg;B1 = 22.8 µg/kg;B1 = >24; Tot. = >24 µg/kg;B1 = >24; Tot. = >24 µg/kg;Tot. = 24 µg/kg;B1 = 15.7; Tot. = 24 µg/kg)、パキスタン産生鮮ペッパーのクロロタロニル(0.11 mg/kg)・テブコナゾール(0.51 mg/kg)・トリフロキシストロビン(0.21 mg/kg)およびクロラントラニリプロール(0.09 mg/kg)、中国産緑茶の未承認物質トルフェンピラド(0.021 mg/kg)、ベトナム産冷凍ナマズの未承認物質ロイコマラカイトグリーン(40.44 µg/kg)、インド産チリの未承認物質モノクロトホス(0.29 mg/kg)、

 

 

[FSS] 食品安全キャンペーンはスコットランド市民に対して、「キッチン犯罪」有罪ではないかどうか確認するよう求める

Food safety campaign asks the Scottish public to check whether they’re guilty of ‘Kitchen Crimes’

15 January 2019

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/campaign-asks-scottish-public-to-check-if-guilty-kitchen-crimes

FSSはスコットランド市民が食品安全の優良規範を実行し、キッチンが食品「犯罪現場」とならないよう注意を促している。「キッチン犯罪」食品安全マーケティング運動は家庭で必ずしも守られておらず、食中毒を引き起こす可能性のある20の推奨する食品安全行動を強調している。

 

[HK]違反

-包装ビスケットが栄養表示規則に違反している

Prepackaged biscuit not in compliance with nutrition label rules

Tuesday, January 15, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190115_7298.html

食品安全センターが検査したところ、フランスのLUブランドのLU Sweet Dry Biscuit - Palmitoにおいて、ナトリウムが378mg/100gという申告のところ、570mg/100gであった。

 

-包装クッキーが栄養表示規則に違反している

Prepackaged cookies not in compliance with nutrition label rules

Friday, January 11, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190111_7292.html

食品安全センターが検査したところ、香港のRegal SupremeブランドのSupreme Savor (Butter Cookies (8pcs) + Oat & Cranberries Cookies (8pcs))において、ナトリウムが75mg/100gという申告のところ、160mg/100gであった。

 

-クッキーが栄養表示規則に違反している

Cookies not in compliance with nutrition label rules

Friday, January 11, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190111_7293.html

食品安全センターが検査したところ、香港のCrostiniブランドのCrostini Classic Cranberry Hazelnut Cookiesにおいて、ナトリウムが19mg/100gという申告のところ、29mg/100gであった。

 

[TGA]安全性警告:Germany Black Ant 2000mg錠剤(Zhansheng Weige Chaoyue Xilishi)

15 January 2019

http://www.tga.gov.au/alert/germany-black-ant-2000mg-tablets-zhansheng-weige-chaoyue-xilishi

TGA検査により、Germany Black Ant 2000mg錠剤に表示されない成分シルデナフィルを検出した。製品写真あり。

 

[HK]台湾政府より‐台湾の「AAA 奶精」 、「玫瑰奶精」及び「荷蘭奶精」を製造する原料である「榮達奶精(NON DAIRY CREAMER SPD20,有効期限2017年7月27日)」の期限切れ使用かつこれらの製品の消費期限の改ざんの調査に関する通知を発表した

The authority of Taiwan – A notice regarding the investigation of using expired  「榮達奶精(NON DAIRY CREAMER SPD20,有效日期 106年7月27日,下稱榮達奶精)」as an ingredient to make the products of 「AAA 奶精」 , 「玫瑰奶精」and「荷蘭奶精」and changed the expiry dates of these products in Taiwan

11 January 2019 7 

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20190111_1.pdf

 

[DEFRA]政府は大気汚染対策として世界を主導する計画を発表

Government launches world leading plan to tackle air pollution

14 January 2019

https://www.gov.uk/government/news/government-launches-world-leading-plan-to-tackle-air-pollution

大気汚染は英国の公衆衛生にとって最大の脅威の一つである。粒子状物質への暴露を減らすために野心的な長期目標を設定する

自動車、家庭の暖房、農業由来の汚染対策。

(排出アンモニアの88%は農業由来で、施肥等改革

SMC UK

expert reaction to Defra’s clean air strategy

January 14, 2019

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-defras-clean-air-strategy-2/

 

[DEFRA]食品廃棄を減らす:根本的変化をもたらす資金提供開始

Cutting food waste: game-changing fund opens

Published 11 January 2019

https://www.gov.uk/government/news/cutting-food-waste-game-changing-fund-opens

食品事業の食品廃棄を持続可能に減らす資金提供開始

政府は食品の再配布団体に、食品廃棄を減らすための数百万ポンドの予備的計画の一環として最初の500万ポンドの資金提供への応募を呼びかけた。

 

[EU]新興健康環境問題についてのSCHEERの声明(2018)

SCHEER statement on emerging health and environmental issues(2018)

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/scheer/docs/scheer_s_002.pdf

食品以外の分野でSCHEERのメンバーが将来の健康や環境に問題になる可能性があると同定した項目。新規性、影響範囲の大きさ、影響の深刻さ、緊急性(変化の速度)、これまでの研究が乏しい、時間とともに重要性が増す、ものを「新興emerging」としている

14項目について優先順位スコア(*(不確実)、1,2,3)付け、3が高い

  1. パーソナルコミュニケーションと聴く装置 1

2.バーチャルリアリティ                                              3

3.電子タバコと慢性疾患                                              3

4.電磁場増加の野生生物への影響                                3

5.リサイクル素材中の化合物-循環経済の問題           3

6.排水や地表水中の医薬品や違法薬物                         3

7.物質の移動性Mobility:化学物質規制の新しい尺度  3

8.飲料水処理と化合物の相互作用およびその健康影響 2

9.パー及びポリフッ素化有機化合物                             2-3

10.新規RNA農薬及び遺伝子編集                                3

11.DIY合成生物学、バイオハッキング                        3

12.環境中マイクロ及びナノプラスチック                    *

13.建材や建築廃棄物由来のナノ粒子                           3

14.環境要因とヒトマイクロバイオーム                       2

 

[EU]新興問題とSCHEER の役割についての立場表明文(2018)

position paper on emerging issues and the role of the SCHEER(2018)

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/scheer/docs/scheer_s_001.pdf

 

[NASEM]世界の肥満の流行の現状と対応:ワークショップの概要

Current Status and Response to the Global Obesity Pandemic: Proceedings of a Workshop–in Brief

January 11, 2019

http://nationalacademies.org/hmd/Reports/2019/Current-Status-and-Response-to-Global-Obesity-Pandemic-Proceedings.aspx

(アジアの話も少し入っている。アジアの一部でBMIが25以下でも糖尿病が多くなるのは筋肉が少なくて内臓脂肪が多いせいではないかとか)

 

論文

-食品として昆虫を養殖するのは環境に優しいのでさあ準備しよう、と科学者が言う

Let's prepare now so farming insects as food is environmentally friendly, say scientists

14-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/cp-lpn011019.php

Trends in Ecology & Evolution

 

-研究:「ポストノーマル」科学は普通でないコミュニケーション戦略を必要とする

Study: 'Post-normal' science requires unorthodox communication strategies

14-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/uow-s011019.php

ジーンドライブでマラリアと戦うことはハイリスクで成果も多い技術で科学ジャーナリストにとっては課題となっている、と「ポストノーマル」科学技術の実りある現実的議論を促進しようとする新しい報告は言う。ポストノーマル科学はコストやベネフィットや安全性を評価するのにこれまでの専門性では十分ではない技術を指す新語である。PNAS.

困難の一部は科学の速度が速く規制について議論する時間がなく社会の能力が置いていかれること。さらにソーシャルメディアの時代にニュースの見出しはそれが恐がらせるものであろうと期待させるものであろうと正確であろうと不正確であろうと直ちに世界中で沸騰してしまうこと。

(いろいろ略)

ジーンドライブや他のポストノーマル技術については、「我々は「意味のある対話を促進する必要がある」と言うのを止める必要がある。我々は現場に出て実践する必要がある」

 

-遺伝子組換え食品反対者は自分たちが思っているよりよく知らない、研究が発見

Genetically modified food opponents know less than they think, research finds

14-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/uoca-gmf011019.php

Nature Human Behaviourに発表された新しい研究によると、GM食品反対の最も過激な意見を持っているヒトは自分たちがGM食品の科学について最もよく知っていると考えているが実際には最も知らない。マーケティングと心理学の研究者らが米国と欧州の2000人以上の成人にGM食品についての意見を尋ねた。この研究の回答者の90%以上が何らかのレベルでGM食品に反対だった。重要な知見は、GMに反対であればあるほど自分は詳しいと考えているが、実際の知識試験での成績は低いということである。「この結果は倒錯しているが、これまでの過激思想の心理学についての研究とは一致している」、と主著者のPhil Fernbachはいう。「過激な見解はしばしば人々が複雑な問題を実際以上によく理解できると感じることに由来する」。この現象の帰結は、重要な科学的問題について最もよく知らない人たちは、新しい知識を探さないために知らないままに留まる可能性がある、ということである。「人々のマインドを変えるにはまず最初に彼らが自分が知らないことを認識する必要がある」と共著者のNicholas Lightはいう。

 

-イタリアの研究機関長が政府の「反科学的立場」により辞任

Head of Italian research institute resigns over “anti-scientific position” of government

Talha Burki

The Lancet World Report|Volume 393, ISSUE 10167, P115, January 12, 2019

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(19)30077-7/fulltext

昨年Walter Ricciardi はIstituto Superiore di Sanità (ISS)の長を辞任した。1月に日刊紙Corriere della Seraにその理由を説明している。イタリア政府のメンバーは「非科学的、率直に言って反科学的立場」を支持していて彼はその非科学を非難した。ISSは感染症やワクチンや公衆衛生やがんの研究をしていて、Ricciardi は2014年からコミッショナー、後にプレジデントを務めているが2018年6月に新政府になってから政府の姿勢が変わった。保健大臣との個人的関係は良かったものの政府との関係は上手くいかず、共有できない立場に保証を与えるくらいならやめた方がいいと考えた。

Ricciardiの任期はイタリアでのはしかの急増した時期でそれから政府は予防接種の義務化に動いたが新政府は予防接種を危険だと言う。そして感染症は移民のせいだという。それには根拠がない。

 

-カナダは新たに開いた大麻小売り市場を拡大する

Canada to widen its newly opened retail cannabis market

Paul Webster

The Lancet World Report|Volume 393, ISSUE 10167, P116, January 12, 2019

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(19)30075-3/fulltext

(食用大麻の件

違法製品の取り締まりをしないことで実質的にやり放題になるのではないかという懸念がある、一方税収増が極めて魅力的

このページに写真掲載してあるチョコチップクッキーを食品ではありませんと言って売り、食品ですといって食べさせて常習者を増やしたい)

 

その他

-オーストラリア薬学会 補完医薬品についての意見表明

Pharmaceutical Society of Australia

Complementary medicines Position statement

October 2018

https://my.psa.org.au/servlet/fileField?entityId=ka17F0000000zFwQAI&field=PDF_File_Member_Content__Body__s

ホメオパシーについては特に有用であるという根拠がないことを明言

薬剤師は消費者が安全で有効な医薬品を入手できるよう確保するために基本的役割を果たす。補完医薬品には、通常医療の補完として一部の症状の管理に役立つ可能性はあるが、薬剤師は消費者が最良の入手可能な情報を提供されていることを確実にしなければならない

 

-至適フッ素添加水を飲むことによる健康への有害影響の根拠のレビュー

オンタリオ公衆衛生局

Evidence review for adverse health effects of drinking optimally fluoridated water (2010-2017)

October 2018

https://www.dentalwatch.org/fl/ca_evidence_review_2017.pdf

重要メッセージ

・既存文献からは、至適フッ素添加水を飲むことによる健康への有害影響は軽い歯のフッ素症(一般的に気がつかない歯の白いスポット)のみである

・至適フッ素添加水を使って乳児用ミルクを調整するとそれが子どもの主要食品である場合には軽い歯のフッ素症になる可能性が増えるかもしれない。予防したければ時々フッ素濃度の低い水を使う

・軽い歯のフッ素症を予防したければフッ素入り練り歯磨きやフッ素サプリメントのような他のフッ素源への初期暴露を監視すること

・フッ素暴露と健康影響には用量反応相関があるため、適切なトレードオフが達成できるよう(利益を最大化し有害影響を最小化する)至適濃度でのフッ素添加を検討することが重要。

 

-「デトックス」を約束する製品は詐欺。そう、全てが。

Products that promise “detox” are a sham. Yes, all of them.

By Julia Belluz and Christophe Haubursin  Updated Jan 2, 2019,

https://www.vox.com/2016/9/13/12894190/detox-cleanse-products-scam

我々を騙してきた長い歴史があるけれど。

このアイディアは我々が作られてすぐのエデンの園まで遡る-毒リンゴを食べてから、この原罪をあがなうために、我々はデトックスという考えの餌食になってきた。

(以下略)

2019-01-11

[NSW] リコール:生アプリコットカーネル

Recall: Raw Apricot Kernels

11 January 2019

http://www.foodauthority.nsw.gov.au/news/recallsandadvisories/product-recall-raw-aprioct-kernels

Tamex Import Export社はトルコ産の生アプリコットカーネルがバイオトキシン(シアン化水素酸)に汚染されているとして回収措置。製品写真あり。

 

[HK] 銀杏―毒性のある種子をもつ生きた化石

The Ginkgo – A Living Fossil with Poisonous Seeds

19 Dec 2018

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_149_01.html

衛生署衛生防護センターが201811月に銀杏の実の毒に関する症例を発表した。市民に調理していない銀杏の実は摂取しないよう、また銀杏の実の一日摂取量を制限するよう注意を呼び掛けた。

 

[HK] 法令違反 包装ゼリーが栄養表示規則に違反している

Prepackaged jelly not in compliance with nutrition label rules

Thursday, January 10, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190110_7291.html

食品安全センターが検査したところ、日本のORIHIROブランドのORIHIRO KONNYAKU JELLY STANDING LITCHI 130gにおいて、砂糖が0g/130gという申告のところ、5.8g/100gであった。

 

[NHS]「ケトダイエット」に関する血圧の警告はヒトには当てはまらない可能性がある

Blood pressure warnings about the 'keto diet' may not apply to humans

Wednesday January 9 2019

https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/blood-pressure-warnings-about-keto-diet-may-not-apply-humans/

「はやりのケトダイエットはあなたにとってよくないものか」Mail Onlineは問う。

見出しは人気上昇中のケトダイエットに言及する。この食事は高脂肪食品と低炭水化物食品を食べることを含む。

身体は一般的にエネルギーのために炭水化物を使用するのだが、この食事はエネルギー供給源の代用として、身体に脂肪を燃やすことを「強制する」ことを目的とするものである。これは減量を促進する手助けとなり得る。

研究者はラットのひとつのグループに高脂肪食を与え、もうひとつのグループに通常の食事を与えた。4週間後、研究者は高脂肪食のラットは、通常食のラットと比較して、血圧が約20%上昇することを発見した。しかし、主にラードと齧歯動物の餌(あるいは食事)から成り、比較して使用された通常食よりも高カロリーであったため、研究で使用された高脂肪食を「ケトンダイエット」と言うのは正確でない。この研究はそのようなヒトの食事の影響の可能性に関してほとんどなにもわからない。

この研究(ダール食塩感受性あるいはDSSのラット)で使用されるラットは食事に反応して血圧上昇を示すように特別に育てられ、さらに高脂肪食に対する4週間の反応は「DSSラットに特異なように思われる」と研究者は語った。

健康的な食事となると、減量だけが問題ではない。バランスの取れた食事が、骨を強化することから腎臓を健康に維持するのを助けることに及び、さまざまな効果をもたらす。

減量する必要があり、かつ流行のダイエットからの健康問題の可能性を避けたいならば、NHSの減量ガイド(https://www.nhs.uk/live-well/healthy-weight/)を読んでいただきたい。

 

[FSAI] 哺乳瓶で安全に与えるー搾乳した母乳あるいは調製粉乳

Bottle Feeding Safely - Expressed Breast Milk or Formula

9/1/2019

https://www.fsai.ie/faq/bottle_feeding_safely.html

洗浄殺菌した器具を使用し、搾乳した母乳を安全に保管することが重要である。FSAIは、ウェブサイトやソーシャルメディアのような規制のないソースから母乳をシェアしないよう強く求めている。また、調製粉乳を与える場合の安全な調合や保管の仕方を知る必要性を訴えている。

 

[FSAI] PME Tiger Lilly オレンジシュガーペーストが高濃度のキノリンイエローE104及びポンソー4R E124のため回収

Withdrawal of PME Tiger Lilly Orange Sugar Paste Due to High Levels of Quinoline Yellow E104 and Ponceau 4R E124

Thursday, 10 January 2019

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/pme_tiger_lilly_orange_sugarpaste.html

PME Tiger Lilly オレンジシュガーペーストは、キノリンイエロー(E104)及びポンソー4RE124)の両方の濃度が食品添加に関するAnnex II of Regulation (EC) 1333/2008の食品カテゴリーに制定された最大許容濃度以上なので、販売撤収されている。製品写真あり。

 

[FDA]リコール。Happy Together, Inc.は表示されないシルデナフィルとタダラフィルのため製品を全国的に自主回収

Happy Together, Inc. Issues Voluntary Nationwide Recall of Product Due to Presence of Undeclared Sildenafil and Tadalafil

January 8, 2019

https://www.fda.gov/Safety/Recalls/ucm629353.htm

FDAの検査により、Happy Together, Inc.Rhino 5k カプセルにシルデナフィルとタダラフィルが含まれるとして自主回収。製品写真あり。

 

[DEFRA]日本が英国の牛肉と羊肉に市場を開放

Japan opens market to British beef and lamb

Published 10 January 2019

https://www.gov.uk/government/news/japan-opens-market-to-british-beef-and-lamb

20年にわたる長い禁止を解除した。

BSEから20年。)

 

[IARC]新しいIARC長官Elisabete Weiderpass博士就任

New IARC Director, Dr Elisabete Weiderpass, takes office

9 January 2019

https://www.iarc.fr/news-events/new-iarc-director-dr-elisabete-weiderpass-takes-office/

 

[NYC]栄養:砂糖入り飲料

Nutrition: Sugary Drinks

https://www1.nyc.gov/site/doh/health/health-topics/sugary-drinks.page

201917日付で「タバコと炭酸飲料:健康に悪いのはどっち?」という動画を公開している

Which One? | Cigarettes and Soda: Which One is the Health Hazard?

飲料企業は砂糖入り飲料は健康的食生活をしたり運動したりしていれば問題ないと考えさせるように膨大な宣伝費を使っているが、たとえ一本でも1日の推奨カロリーを超える

水を飲もう。ジュースは丸ごとの果物に代えよう。

(砂糖税賛成派は甘味料もジュースもダメで水のみが正解で砂糖はタバコ扱い。)

 

[EU]EUニュースレターから

Health-EU newsletter 227 - Focus

陸上でのオイルやガスの探索や開発は必然的に健康リスクを伴うことを幾分かの根拠が示すが、データは不十分である

Some evidence indicates that onshore oil and gas exploration and exploitation entails health risks, but data is insufficient

https://ec.europa.eu/health/health-eu-newsletter-227-focus_en

SCHEERのメンバーでオイルとガスの専門委員会の座長を務めたPeter Hoet教授による解説。

(評価書の内容についてはともかく、「この作業を始めて驚いたのはこれまで長く探索や開発が行われてきたEUの地域の人たちの健康や環境の両方について科学的評価や監視があまりにも少ないことである。特に米国では同様の活動について多数の研究が行われてきたことを考えると」と書いている。関心があるとデータが増えて有害性を示すものも増える。有害だと名指しされているモノやコトの中には単に研究データが多いだけ、というものもある。典型的なのが「食品」と「食品添加物」で、添加物は安全性試験のデータがあるので毒性がわかって危険だと宣伝されている、食品はデータがないために安全だとみなされている。見えない部分を想像するのは難しい)

 

[EU]査察報告

ハンガリー―農薬の持続可能な利用

HungarySustainable use of pesticides

08/01/2019

http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4080

20183514日にハンガリーで実施した、農薬の持続可能な利用を達成するための手段の実践を評価するための査察。ハンガリーはEC指令2009/128/ECの要求の実践を目的とした行動をとっている。加盟国国家行動計画の評価やアンケートへのハンガリーの返答で保健衛生・食の安全総局が確認した弱点を対処し、満足のいく説明が提出された。2013-2017年の最初の国家行動計画(NAP)は、指令の要求を満たしていない。さらに、NAPは指令に求められている5年間以内のレビューをしていなかった。総合的病害虫管理の原則の実践を評価するためのシステムが設定されているが、この公的管理は職業的利用者が使用する植物保護製品のわずかな割合しかカバーしていない。

 

[EFSA]意見等

-遺伝子組換えTrichoderma reesei (DPNzb48)由来食品酵素α-アミラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme alphaamylase from a genetically modified Trichoderma reesei (strain DPNzb48)

EFSA Journal 2019;17(1):5553  9 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5553

この食品酵素α-アミラーゼ(4‐α‐d‐グルカン グルカノヒドロラーゼ; EC 3.2.1.1)は、 Danisco US Inc.社がTrichoderma reeseiの遺伝子組換え株で生産している。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品酵素には生産生物の生きた細胞や組換えDNAはない。このα-アミラーゼは蒸留アルコール生産や醸造工程で使用することを意図している。全有機固形物(TOS)の残留量は蒸留で取り除かれる。その結果、この利用の食事暴露は計算されなかった。醸造工程に推奨される最大使用量とEFSAの包括的欧州食品摂取量データベースからの個別のデータに基づき、この食品酵素への食事暴露―TOSは欧州人で最大1.701 mg TOS/kg 体重 (bw) / 日と推定された。この食品酵素の遺伝毒性検査は遺伝毒性の懸念を示さなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは最大用量230 mg TOS/kg bw/日を無毒性量(NOAEL)とした。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似性が調べられ、1件の一致が見つかった。パネルは意図した使用状況で食品酵素へのアレルギー感作やこの食事暴露上の誘発反応のリスクは除外できないが、その可能性は低いと考えた。蒸留中に食品酵素の残留物が除去されることから、パネルは蒸留アルコール生産中のこの酵素の使用は安全だと結論した。醸造工程で使用する際には、提出されたデータから算出された暴露マージンは(少なくとも)135となるが、安全性の問題は確認されなかった。

 

-クロマフェノジドの既存MRLsレビュー

Review of the existing maximum residue levels for chromafenozide according to Article 12 Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2019;17(1):5533  8 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5533

加盟国が出した情報を検討したが、EUでは現在クロマフェノジドはEUの使用も輸入トレランスも認可されていない。その上、コーデックス委員会はMRLsを設定していない。そのためクロマフェノジド残留物が植物や動物商品に生じることは予想されず、消費者リスク評価は求められていない。それにもかかわらず、EFSAは入手可能な情報から、起こりうる違法な利用に対して施行するためのマーカー残留物定義と定量限界(LOQ)を提案した。

 

-セダキサンの既存MRLsレビュー

Review of the existing maximum residue levels for sedaxane according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2019;17(1):5544  8 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5544

コーデックス委員会や欧州加盟国機関によりMRLsが設定された。入手可能なデータ評価に基づき、MRL提案が出され消費者リスク評価が行われた。

 

-トリアゾキシドの既存MRLsレビュー

Review of the existing maximum residue levels for triazoxide according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2019;17(1):5525 8 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5525

規制の枠組みに要求された全ての情報が提示され、消費者へのリスクは確認されなかった。

 

論文

-専門家が如何にコカコーラが中国の肥満科学と政策を形作ってきたかを顕わにする

Expert reveals how Coca-Cola shaped obesity science and policy in China

9-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/b-erh010719.php

The BMJに発表されたハーバード大学の研究。中国で肥満が増えていること、中国はコークの世界で三番目の売り上げの多い国であること、ILSI40年前に米国でコークの社長が作ったものでILSI中国が中国CDCと同じ建物に入っていること、から中国の肥満政策が砂糖禁止や広告禁止をしないで運動推進になっているのはコークの影響だと主張

(日本も砂糖税なんてやってないけどそれはどこの「陰謀」なのかな?中国の肥満はコーラのせいなの?自分たちだけが正しくてそれが実施されないのは悪のせいなのかぁ。じゃあどうして肥満研究論文が増えれば増えるほど肥満が増えるの?)

 

-The Lancet:食物繊維と全粒穀物の摂取量の多さが非伝染性疾患リスクの減少と関連

The Lancet: High intake of dietary fiber and whole grains associated with reduced risk of non-communicable diseases

10-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/tl-pss011019.php

Lancetに発表された一連の系統的レビューとメタ解析で1日に少なくとも25-29g以上の食物繊維を食べることのメリットが明らかになった。

 

-欧州の心血管系疾患と栄養:たくさんの早期死亡が防げる

Cardiovascular diseases and nutrition in Europe: A lot of premature deaths preventable

10-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/mh-cda011019.php

2016年に欧州で心血管系疾患で死亡した430万人のうち210万人は栄養状態が貧しいことの結果である。EU28ヶ国で約90万、ロシアが60万でウクライナが25万。European Journal of Epidemiologyに発表されたGBDのデータを用いた研究。

食事要因による死亡が多いのはドイツ、イタリア、英国、フランス。少ないのはイスラエル、スペイン。国別の特徴ではスウェーデンとノルウェーはナッツや種子の摂取量の少なさが、中央及び東欧では全粒穀物の摂取量の少なさが最大のリスク。アルコールについては考慮していない

 

-マイクロプラスチックはどのくらい危険なのか?

How dangerous is microplastic?

10-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/tuom-hdi011019.php

ミュンヘン工科大学のNatalia Ivleva博士のインタビュー

マイクロプラスチックとは何?

なぜ心配する必要がある?-将来濃度が増えると影響が出てくるかもしれないので

何故マイクロプラスチック汚染の影響がわかっていないのか?-そもそも同定できていない

マイクロプラスチック粒子の同定と検出にはどんな方法が使われている?

あなたの研究の次のステップは?

将来的に全てのプラスチック生産を禁止すべき?-絶対ノー

 

-がん統計2019

Cancer statistics, 2019

Rebecca L.et al.,

: 08 January 2019

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.3322/caac.21551

オープンアクセス

米国がん学会が毎年発表している新たながんの症例数や死亡推定で、過去10年間、がんの有病率は女性では変化無く男性では年2%減少しているが死亡率は毎年1.4および1.8%減っている。全体として1991年から2016年までにがん死亡率は27%減った。人種による死亡率の差が縮小しているものの社会経済状態による差が拡大した

 

 

Science

-エディトリアル 原子力のみなおし

A fresh look at nuclear energy

John Parsons et al.,

Science  11 Jan 2019: Vol. 363, Issue 6423, pp. 105

IPCCの地球温暖化に関する報告書のとおり、もう時間がない。原子力は欧米では既に低炭素エネルギーの主要源で世界でも二番目のものである。既存の原子炉の寿命延長が最も安価な方法である。再生可能エネルギーと原子力は相補的。新しい原子炉を検討しよう。

 

-船は望まない魚を船外に捨てること禁止

Ships banned from throwing unwanted fish overboard

Erik Stokstad

Science  11 Jan 2019:Vol. 363, Issue 6423, pp. 112-113

漁船は望んでいない魚は船外に捨てていて世界的には20%が捨てられている。その多くは死ぬ。EUでは11日からそれが違法になった。科学者はこの方針によりより選択的な漁業方法をとるようになり最終的には資源を増やすと信じているが短期的には業界は困難になり水産データに不具合がおこるだろう。「これはEUの水産政策の最も劇的な変化の一つである」

 

-日本のIWC脱退はクジラにとって良いかも

Japan's exit from whaling group may benefit whales

Dennis Normile

Science  11 Jan 2019:Vol. 363, Issue 6423, pp. 110-111

20181226日の日本のIWI脱退と近海での商業捕鯨再開発表は世界中の批判を浴びたが一部の保全関係者は非難している人たちはポイントを外していると言う。最も重要なことは日本が調査捕鯨の名目での公海での捕鯨を止めることである、とドイツ海洋集団評価の専門家Justin Cookeはいう。クジラ肉の需要が減っていることを考えると、日本の近海で今以上獲ることはありそうにない。国際動物福祉財団の捕鯨専門家Patrick Ramageも同意する。「これはクジラにとってよいニュースである-そしてIWCにとっても。捕鯨に関して食べる食べないで争うことを止めて保全に集中できるからだ」

2018年のブラジルでの会合で日本は商業捕鯨再開のための新しい計画を提案した。それは持続可能な方法だという。IWCはミンククジラは明確に絶滅危惧ではないと認めている。しかし争点は最早保全には無く、反対国は「この荘厳な(majestic)ほ乳類の血を流すことが単純に非人道的」だとして却下した。このことが日本の12月の発表につながった。

日本の商業捕鯨は市場が行方を決めるだろう。ビジネスとして成り立つことを信じる人もいれば疑う人もいる。大手水産企業は興味がないと言っている。ニッチ市場のためのニッチな操業をしつつ徐々に関心が薄れるノルウェーのようになるのではないかとCookeはいう。

(いつものことだけれど国内メディアがまともに伝えない日本の複雑な問題をDennis Normileはきっちり伝える)

 

Nature

-エディトリアル  クジラを救おう、再び

Save the whales, again    p133

10 January 2019 (Vol. 565 No. 7738)

https://www.nature.com/articles/d41586-019-00076-2

日本の突然の国際捕鯨委員会(IWC)脱退は、科学をより重視した新たな鯨類保護をスタートさせる良い機会である。

過去50年で南氷洋のシロナガスクジラは400から2300に、ザトウクジラは7000から97000に増えた。1994年にIWCの科学委員会はある種のクジラについては持続可能な漁が可能であるとし、そのため商業捕鯨再開に期待を抱かせた。しかし捕鯨反対諸国は捕鯨の監視と検証無しには認めないとし、そのこと自体は理解できるが25年経ってもその制度の議論の途中であることは理解に苦しむ。より独立した科学機関がこの行き詰まりを打開する方法を示唆できるだろう。

 

-インドの科学者が学会での非科学的主張に抗議

Indian scientists protest against unscientific claims made at conference

09 January 2019 T.V. Padma

https://www.nature.com/articles/d41586-019-00073-5

インド科学学会が奇妙な信仰の発表の場として使われたのが4年で二回目

16日、研究者のグループがIndian Science Congressの非科学的主張、例えば古代のヒンドゥー人が幹細胞を発明した、に抗議行動を行った。抗議に応えて学会オーガナイザーは来年からスピーカーに要旨の提出を求めるという。

大学の副総長の化学者が古代インドの詩を引用して体外受精と幹細胞を知っていた根拠だと発表した。Natureが取材したが返事がない

 

-ニュース特集

息子を助け臨床試験を修正するためのある父の戦い

A father’s fight to help his sons — and fix clinical trials

09 January 2019

https://www.nature.com/articles/d41586-019-00035-x

息子に除草剤を与えるためのNick Sireauの戦いは希な遺伝病に苦しむ何千人もの人たちを助ける可能性がある

アルカプトン尿症(AKU)にニチシロンが使える、という話

除草剤として開発され魚とラットでの毒性で断念されたがI高チロシン血症治療薬として臨床試験無しに認可された。その後AKUにも有効なはずなので米国で小規模臨床試験が行われたが不運にも失敗し、さらなる臨床試験を行うためにNick Sireauは資金集めに奮闘した

2019年に欧州試験が終了する予定

 

食物繊維は慢性疾患リスクを下げる-専門家の反応

SMC NZ

Fibre lowers chronic diseases risk – Expert Reaction

Published: 11 January 2019

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2019/01/11/fibre-lowers-chronic-diseases-risk-expert-reaction/

オタゴ大学の研究者らがThe Lancetに発表した系統的レビューは、食物繊維や全粒穀物の多い食事をしている人々は一連の慢性的で食事に関連した病気の率が少ないことを発見

SMCは専門家のコメントを集めた

オークランド工科大学栄養教授Elaine Rush博士

この研究は疾患と死亡を減らすのに全粒植物をもっと食べるべきだという相当な根拠を呈示する。肉や乳製品などの動物由来食品は食物繊維を含まない。ニュージーランド人にとって手頃な価格で簡単に入手できるよく食べられる全粒穀物は、全粒小麦、粒コーン(缶詰)、玄米、オート麦などがある。また野菜や果物や豆類ももっと食べる必要がある。1日に25-29gの食物繊維を食べる例は以下のようなものである。

(略)

オークランド大学栄養疫学者Kathryn Bradbury博士

この結果は、観察研究から食物繊維を多く摂ることが疾患リスクの低さと関連することについては良い根拠があることを示す。この知見は世界でも大腸がんの多い国であるニュージーランド人にとって意味がある。また近年低炭水化物ダイエットや原始人ダイエットが流行しているが食物繊維の重要さを思い出させる。

 

SMC UK

ケンブリッジ大学MRC疫学ユニットNita Forouhi教授

この研究は重大に受け止める必要があり、英国政府の130gの食物繊維を摂るようにという助言は極めて正しいことを再確認する。しかし平均摂取量は遥かに少ない。

このけんきゅうは総炭水化物摂取については調べていないが、低炭水化物ダイエットが人気になっている中で食物繊維を摂らないことのコストを考えるべきだと示す。

グラスゴー大学代謝医学教授Naveed Sattar教授

これは食物繊維の価値を強調する重要な論文であると思う。しかし栄養研究のほとんどはそうだが、ほとんどの根拠は観察研究によるもので避けられないバイアスには注意が必要である。どちらかといえばこの報告の方向性は事実だろうと思うし著者の結論「食物繊維摂取量を増やすことと精製穀物を全粒穀物に置き換えることを薦めることは健康に利益があるだろう」に合意する

King’s College London栄養学教授Kevin Whelan教授

国の助言はこの知見に一致しているが、問題は多くの英国人がそれだけ食べていないということである。この研究は食物繊維の総量だけではなく繊維の質についても検討している。例えば全粒穀物には有意な健康影響があるが、低グリセミック指数の効果はそれほど説得力はない。

 

その他

-巨大乳業がアメリカの学校給食をミルクで溢れさせようとしている

Big Dairy Is About to Flood America’s School Lunches With Milk

By Peter Robison and Lydia Mulvany

https://www.bloomberg.com/news/features/2019-01-09/big-dairy-is-about-to-flood-america-s-school-lunches-with-milk

農務省がオバマ時代の学校栄養基準を投げ捨てて乳業産業を救う。脂肪と砂糖と塩を増やす

(典型的な陰謀論。オバマ時代の学校栄養基準があまりにも厳しく、例えばミルクはスキムミルク、チーズは塩が多いからダメ、になっていたので、美味しくないのでこどもたちが食べなくなった、それでもう少し緩和しようという話が乳業会とUSDAの陰謀というストーリーになっている。そこに牛乳有害論がくっついている)

 

-食べ物に大麻。食品中CBDは?

Marijuana brings on the munchies. What about CBD in food?

Jan 09, 2019 by Cara Rosenbloom  The Washington Post|

https://www.thespec.com/living-story/9116550-marijuana-brings-on-the-munchies-what-about-cbd-in-food-/

栄養士として、私はいつも新年の今後の食の流行を予想するメールをたくさん受け取る。今年は何人かの専門家がカンナビジオールを含む食品や飲料が増えると予想した。CBDFDAが一部のてんかん治療に認可している。しかし空腹への影響は?CBD入り食品の流行は体重を増やす?摂食障害や鬱などの体重管理に困難のある人にとってどう影響する?私は専門家に聞いてみた。

THCと違ってCBDは空腹感を刺激しないが別のやり方で食欲を増す可能性はある。吐き気を緩和し神経系や消化管を宥めることでもっと食べられるようにする可能性がある

 

-我々の健康的食生活への強迫観念はコントロール不能?

Is our obsession with healthy eating out of control?

By Jenai Engelhard January 10, 2019

https://www.bostonglobe.com/magazine/2019/01/10/the-dark-side-dietary-dogma/tysBcIb3M2qwn42obPOmQI/story.html

絶食から原始人や肉だけダイエットまで、我々の食べ方はますます極端になっている。しかし極端な食生活は必ずしも健康につながらない