2019-08-15

[NHS]通勤経路上のファーストフードレストランは肥満に「貢献している」
Fast food restaurants on commuter routes 'contributing' to obesity
Thursday 8 August 2019
https://www.nhs.uk/news/obesity/fast-food-restaurants-commuter-routes-contributing-obesity/
「通勤経路上のファーストフード店は肥満危機を加速させているかもしれない」とThe Guardianは報道する。
米国の研究者は、ニューオーリンズ州の小学校で働く710名の女性を対象に通勤途中にあるファーストフードレストランの数と過体重あるいは肥満になる可能性を関連づけた。
研究は通勤経路上と家及び職場の近所 にある食料品店、スーパーマーケット及び「フルサービスの」レストランも同様に調べた。
研究者は家の近所にファーストフードレストランの数が多いと肥満度指数(BMI)が高くなる傾向の関連性を発見した。
研究者は、これは労働者が帰宅すると、疲れすぎあるいは忙しすぎて料理ができないため、代わりに家に帰る途中、ファーストフード店で食事をするという事実に落ち着くだろうと推測した。
ファーストフードレストランは多くの場合、高カロリーの食事を提供する傾向がある。しかし、研究の性質上、これが当てはまるかどうかわからない。参加者は食事やライフスタイルの習慣について質問されなかったため、BMI高値の原因はわからない。
研究は、すべての労働者が車通勤で職場へ往復し毎日同じ経路を使った場合を含む多くの推測をした。結果は公共交通機関で通勤するあるいは徒歩や自転車で通勤する人が多い場所には当てはまらないかもしれない。米国の1つの地域の学校勤務者の研究がより広範囲の人に当てはまるとも想定できなかった。
疲れる1日の仕事終わりに、不健康なスナックを買い、あるいは料理の持ち帰りをしたくなる。最近多くの飲食店や持ち帰りの店が健康的なものを提供するようになっているのはよい話である。
外食時、より健康的な選択をすることに関する助言は以下。(https://www.nhs.uk/live-well/eat-well/healthy-eating-out-tips/

[EU]査察
-ポルトガル―マグロ種由来水産物
Portugal―Fishery products derived from tuna species
02/08/2019
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4162
2018年10月15~26日にポルトガルで実施した、マグロ種の水産物が、食品衛生、添加物、表示に関してEU条件を順守して生産されていることを確認するための査察。ポルトガルでは、水産物の公的管理を担当する2つの指定管轄機関がEU規則の関連条項に基づく統一した管理システムを開発し、一般に適切に実行されている。だが、管理中に特定された欠陥のを効果的にフォローアップすることが難しく、管理頻度の遵守、認可システムの実行、缶詰の水産物の無機スズ検査の欠如など、いくつかの欠点が見つかった。最近管理のフォローアップ失敗を是正するための措置が導入されたが、その効果を評価するには早すぎる。タイセイヨウクロマグロを含む水産物は、新鮮さでは優良水準だった。

-イタリア―マグロ種由来水産物
Italy―Fishery products derived from tuna species
31/07/2019
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4159
2019年1月29日~2月8日までイタリアで実施した、マグロ種の水産物が、食品衛生、添加物、表示に関してEU条件を順守して生産されていることを確認するための査察。イタリアの管轄機関は、生産チェーン全体を網羅し文書化された手順に支えられた水産物の公的管理システムを開発した。これにマグロ種由来水産物をカバーする特定の内容が含まれている。特にヒスタミン検査に関しては世界的に満足で(9未満のサンプルの自主己管理)、ハザード分析と重要管理点(HACCP)計画は完全に正確でないが、最新の状態に保たれていると考えることができる。

[EFSA]食品及び飼料用のノンコーディングRNA (ncRNA)ベース遺伝子組換え植物のリスク評価を支援するためのncRNAについてのベースライン情報の文献レビュー
Literature review of baseline information on non‐coding RNA (ncRNA) to support the risk assessment of ncRNA‐based genetically modified plants for food and feed
7 August 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1688
この報告書はncRNAベース遺伝子組換え(GM)植物の食品及び飼料のリスク評価を支援できるncRNA 及びRNA 干渉(RNAi)の関連科学的情報をレビューするEFSAの調達結果(NP/EFSA/GMO/2016/01)である。情報は、経口摂取後のncRNAsの安定性と分解性、食品や飼料からヒトと動物の器官や組織への消化管や他のバリアを通したncRNAsの移行、消化管、免疫系あるいは生物全体への潜在的な影響などを含むキーワードや重要な質問をもとに検索された。文献調査や研究選択に用いられた戦略が完全に説明され、検索された資料数が報告された。この報告書はヒトと動物の外因性ncRNAsのキネティクスを議論する4つの部分に分かれている。摂取されたncRNAsに焦点をあてた(Part 1)、消化管へのncRNAsの潜在的な影響(Part 2)、全身性への影響(Part 3)、免疫系への影響について(Part 4)。この報告書は、いくつかの植物ncRNAs (例えば miRNAs や siRNAs)は他のncRNAと比べて、特有の化学的特性(3’末端の2’‐O‐メチル化)により高い安定性を示すと提唱している。しかしながら、摂取された、もしくは投与されたncRNAは、あらゆる生物学的効果を発揮するために、十分な量で意図した対象組織や機能場所に到達するために、多くの細胞外バリアや細胞バリアを克服しなければならない。化学的な修飾などをされていないncRNAsは、消化管や体液中で非常に低い安定性を示し、一般に主要な生物学的影響を誘発しないことが文献データから示された。この報告書は、植物由来食品及び食事のRNA内容の概要も提供し、ヒトと動物の体液中の食事外因性のRNAの存在とその影響に関する論争についても議論している。最後に、この科学的文献のギャップが強調され、助言が出された。

[EFSA]パブリックコメント募集:食品と飼料中の塩素化パラフィン
Public consultation: chlorinated paraffins in food and feed
6 August 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/public-consultation-chlorinated-paraffins-food-and-feed
EFSAは、食品と飼料中の塩素化パラフィンの存在に関するヒトと動物の健康リスクについての科学的意見に関係者からのフィードバックを求めている。
塩素化パラフィンは様々な目的で1930年代以降生産されており、潤滑油やゴム業界で難燃剤の添加物として、とりわけプラスチックと密閉剤に使用されている。
塩素化パラフィンは製品使用や不適切な処分で環境中に放出されることがあり、それにより食品や飼料を汚染する可能性もある。
この科学的意見案では魚の摂取による塩素化パラフィンへのヒトでの暴露量を推定し、それに関連した健康リスクを評価している。飼料の汚染実態データが入手できなかったため、家畜種、ウマ及びペット動物へのリスク評価はできなかった。この科学的意見案へのコメント提出期限は2019年9月17日。
・食品及び飼料中の塩素化パラフィンに関するEFSAの意見案についてのパブリックコメント募集
Public consultation on the draft EFSA opinion on Chlorinated Paraffins in feed and food
6 August 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/consultations/call/public-consultation-draft-efsa-opinion-0

[EFSA]意見等

-柑橘類のアセキノシルの既存MRLs改訂
Modification of the existing maximum residue levels for acequinocyl in citrus fruits
EFSA Journal 2019;17(8):5746  6 August 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5746
妥当性が確認された定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgで検討中の作物のアセキノシルの残留物を管理するのに利用可能な執行のための分析法が得られた。リスク評価結果に基づき、報告された農業規範によるアセキノシルの使用から生じる残留物の短期及び長期摂取は消費者の健康リスクになりそうもない。


-雌豚繁殖用飼料添加物としてのRONOZYME®WX CT/L (エンド‐1,4‐β‐キシラナーゼ)の安全性と有効性
Safety and efficacy of RONOZYME®WX CT/L (endo‐1,4‐β‐xylanase) as a feed additive for sows for reproduction
EFSA Journal 2019;17(8):5790 12 August 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5790

-豚肥育用及びマイナー豚種育成用の飼料添加物としての3‐フィターゼ FLF1000の安全性と有効性
Safety and efficacy of 3‐phytase FLF1000 as a feed additive for pigs for fattening and minor porcine species for growing
EFSA Journal 2019;17(8):5791 12 August 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5791

-遺伝子組換えトウモロコシMON 87427 × MON 87460 × MON 89034 × MIR162 × NK603及びそのサブコンビネーションの食品及び飼料としての使用評価
Assessment of genetically modified maize MON 87427 × MON 87460 × MON 89034 × MIR162 × NK603 and subcombinations, for food and feed uses, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA‐GMO‐NL‐2016‐134)
EFSA Journal 2019;17(8):5774 8 August 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5774
この5イベントスタックトウモロコシの成長可能な穀粒が偶然放出されても、環境安全上の懸念は生じない。この5イベントスタックトウモロコシは、ヒトと動物の健康と環境への潜在的な影響に関して、非GM比較対照品種や調べた非GM参照品種と同様に安全である。

-鶏肥育用Maxiban® G160 (ナラシン及びナイカルバジン)の最大含有量に関する認可条件の改訂
Modification of the terms of authorisation regarding the maximum inclusion level of Maxiban® G160 (narasin and nicarbazin) for chickens for fattening
EFSA Journal 2019;17(8):5786  8 August 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5786
欧州委員会の要請を受けて、動物の飼料に使用される添加物及び製剤あるいは物質に関するパネル(FEEDAP)はMaxiban® G160の最大含有量に関する認可条件の改訂提案についての科学的意見を出すよう求められた。FEEDAPパネルは対象種に用量70 + 70 mg/kg 飼料でMaxiban® G160の安全性を結論できない。Maxiban® G160を最大提案量で鶏肥育用の餌に使用すると、わずかに腎臓でMRLを超える以外は、退薬0日間でナラシン及び 4,4’‐ジニトロカルバニリド (DNC)の有効な最大残留基準(MRLs)に従っている。退薬1日間でDNC MRLsの遵守は全ての細胞で見られた。入手可能なデータに基づき、FEEDAPパネルは、DNCにより陸生生物に確認されたリスクによると環境へのMaxiban® G160の安全性を結論できない。さらに、DNCの高い持続性や疎水性は、生物蓄積リスクがありうることを示しているが、二次中毒リスクは確認されなかった。DNCが何年にもわたり土壌に蓄積される可能性は、野外試験のモニタリングで調査する必要がある。FEEDAPパネルは40 + 40 mgナラシン + ナイカルバジン/kg 飼料の用量として提出されたデータに基づき、鶏肥育用Maxiban® G160の有効性に関する結論を出す立場ではなかった。

-全ての動物種用サイレージ添加物としてのBacillus licheniformis DSM 32457株の安全性と有効性
Safety and efficacy of Bacillus licheniformis DSM 32457 as a silage additive for all animal species
EFSA Journal 2019;17(8):5787  8 August 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5787

-全ての動物種用大腸菌(NITE BP‐02526株)で発酵して生産したl‐ヒスチジン塩酸塩一水和物の安全性と有効性
Safety and efficacy of l‐histidine monohydrochloride monohydrate produced by fermentation with Escherichia coli (NITE BP‐02526) for all animal species
EFSA Journal 2019;17(8):5785  8 August 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5785

-SIGMAプロジェクトにおけるデータ分析及び報告ツールの概要
Overview of data analysis and reporting tools in the context of the SIGMA project
7 August 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1690
SIGMAプロジェクトは、特別な動物の病気及び集団データをEFSAに提出するための加盟国の負担軽減を目指し、技術面での開発と実行の支援を目的としている。この文書では、SIGMAプロジェクトのワークパッケージ7 (WP7)の目標4の一部として実施されてきたもので、アウトブレイク/サーベイランス活動のデータ分析用ツールと報告ツールの詳細情報を収集するための行動に焦点を当て、EU加盟国内で導入されている又は利用可能な作業を報告している。EU規則を満たすためにグラフ図、図表、表、完全報告書を作成するためのインタラクティブなウェブツールとしての導入に適したものにするという主な機能とともに、元からあるツールをEFSAのダッシュボードに統合することの技術的実現可能性が評価された。

[EU]RASFF Week32-2019
警報通知(Alert Notifications)
トルコ産擦ったペパーミントのピロリジジンアルカロイド(17183 µg/kg)、ブルガリア産ゼリー食品サプリメントの未承認物質タダラフィル、スペイン産解凍真空パックメカジキロインの水銀(2.2 mg/kg)、ウクライナ産ピーナッツハルヴァのアフラトキシン(B1 = 1.9 µg/kg)、台湾産食品サプリメントの亜硫酸塩(22 mg/kg)非表示、スペイン産朝食用ハチミツ入り8穀粥のアトロピン(2.2 µg/kg)及びスコポラミン(2.7 µg/kg)、
注意喚起情報(information for attention)
インド産ココナッツオイルのアフラトキシン(B1 = 8; Tot. = 10 µg/kg)、ベトナム産冷凍キハダマグロロインの亜硝酸塩、英国産亜塩素酸ナトリウム溶液の未承認食品添加物亜塩素酸ナトリウム、ウクライナ産天然ミネラルベースの食品サプリメントの鉛(26.7 mg/kg)、英国産食品サプリメントの未承認新規食品成分カミメボウキ(ホーリーバジル)、チュニジア産タイの水銀(0.83 mg/kg)、スペイン産冷凍アオザメ切り身の水銀(1.40 mg/kg)、インド産飼料用酸化マンガンの鉛高含有(>500 mg/kg)、トルコ産オレガノのピロリジジンアルカロイド(7590 µg/kg)、リトアニア産原料中国産食品サプリメントの未承認物質ホルデニン、スリナメ産ゴーヤの未承認物質カルボフラン(0.0084 mg/kg)、
フォローアップ用情報(information for follow-up)
ドイツ産飼料用豚ヘモグロビンに反芻動物のDNAの存在、中国産ベルギー経由食事セットからのメラミンの溶出(8 mg/kg)、オーストリア産補完飼料の未承認飼料添加物カンナビジオール(CBD)、英国産補完飼料の未承認飼料添加物カンナビジオール(CBD)、ポーランド産食品サプリメントの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、スイス産食品サプリメントの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、
通関拒否通知(Border Rejections)
インド産チリペッパーの未承認物質トリシクラゾール(0.06 mg/kg)、トルコ産クロームメッキ鉄の焼き網からのニッケルの溶出(0.7 mg/kg)、中国産乾燥海藻のヨウ素高含有(171 mg/kg)、香港産ディナーセットからのホルムアルデヒドの溶出(24.6 mg/kg)、パキスタン産チリペッパーの未承認物質メタミドホス(0.38 mg/kg)及びアセフェート(0.45 mg/kg)、ベトナム産冷凍マグロのヒスタミン(457 mg/kg;437 mg/kg)、米国産アーモンドのアフラトキシン(B1 = 13.2; Tot. = 15.2 µg/kg)、中国産台所用調理セットからの高濃度の総溶出量(10.1 mg/dm²)、米国産殻を採ったピーナッツのアフラトキシン(B1 = 7.5; Tot. = 8.6 µg/kg)、トルコ産ペッパーのメソミル(0.180 µg/kg)、エジプト産パプリカのクロルピリホス(0.67 mg/kg)及び未承認物質プロパルギット(1.1 mg/kg)、中国産殻付きピーナッツのアフラトキシン(B1 = 3.1 µg/kg)、トルコ産パプリカのクロルピリホス(0.091 mg/kg)、

[CFIA]食品安全検査公報
2019-08-07 Food Safety Testing Bulletin
http://www.inspection.gc.ca/food/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/2019-08-07/eng/1563945264974/1563945265255
クミンとパプリカ中の非表示のピーナッツ及びグルテン―2015年9月1日~2015年11月31日
Undeclared Peanut and Gluten in Cumin and Paprika – September 1, 2015 to November 31, 2015
http://www.inspection.gc.ca/food/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/2019-08-07/undeclared-peanut-and-gluten-in-cumin-and-paprika/eng/1562216221165/1562216221431
ターゲット調査は潜在的な食品ハザードについての情報を提供し、カナダ食品検査庁(CFIA)の定期的な監視計画を強化する。これらの調査は食品供給の安全性に関する根拠を提供し、潜在的な新興ハザードを確認し、制限されるか存在しない食品分野の新たな情報やデータに寄与する。より高いリスクの可能性のある分野の調査に焦点を当てるためにCFIAがよく利用する。調査は傾向を確認するのにも役立ち、企業がカナダの規制にどのように従っているかについての情報も提供する。
食物アレルギーは全年齢の人々に影響を及ぼす可能性があるが、特に子供によくありうる。食物アレルゲンは、アレルギーのある人には重大な、あるいは命にかかわる健康リスクを示すことがある。さらにアレルゲンとは見なされていないが、表示されていないグルテンがセリアック病やグルテン過敏症の人たちに慢性的な健康問題の一因となることがある。原料成分に存在するため、あるいは交差汚染により食品生産チェーンで偶然入り込むことがあるため、アレルゲンとグルテンは食品中に見つかることがある。発生源にかかわらず、企業は、該当する特定のカナダの規則に従うか、合理的に可能な限り低くアレルゲンの量を保つことで、生産された食品はヒトが摂取するのに安全だと保証しなければならない。
この調査の主な目的は、クミン及びパプリカ製品の表示されていないピーナッツとグルテンの存在と量に関するベースライン情報を得ることである。この調査で299のサンプルが検査され、そのサンプルのおよそ19% (57)に表示されていないグルテンおよび/またはピーナッツが含まれることが分かった。挽いた/粉末にしたクミン製品に最大の陽性結果が見つかった。
見つかった量がアレルギーのある人に健康リスクを引き起こすかどうか確定するために、37の陽性結果がCFIAの食品安全及びリコール室(OFSR)に送付された。CFIAが取ったフォローアップ行動の範囲は、健康リスク評価が決めた汚染の重大さと健康上の懸念に基づいている。表示されていないグルテンを含む挽いた/粉末にしたクミンの1サンプルだけが、健康上のリスクとみなされリコールされた。

-冷菓中の非表示のアレルゲン及びグルテン―2015年4月1日~2016年3月31日
Undeclared Allergens and Gluten in Frozen Desserts – April 1, 2015 to March 31, 2016
http://www.inspection.gc.ca/food/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/2019-08-07/allergens-and-gluten-in-frozen-desserts/eng/1562217918909/1562217919190
この調査の主な目的は、冷菓の表示されていないアレルゲンとグルテンの存在や量に関するベースライン情報を得ることである。598のサンプルがこの調査で検査され、そのサンプルのうちの10サンプルに乳タンパク質β-ラクトグロブリン(BLG)、カゼイン、グルテン、ダイズ、アーモンドなどの表示されていないアレルゲンが含まれることが分かった。乳製品以外の冷菓の乳アレルゲンの存在に最大の陽性結果が示された。
見つかった量がアレルギーのある人に健康リスクを引き起こすかどうか確定するために、これらの10のサンプルのうち9サンプルがCFIAの食品安全およびリコール室(OFSR)に送付された。CFIAが取ったフォローアップ行動の範囲は、健康リスク評価が決めた汚染の重大さと健康上の懸念に基づいている。表示されていない乳を含む乳製品以外の冷菓1つと、表示されていないアーモンドを含む乳製品冷菓1つが健康リスクとみなされ、リコールされた。

[USDA]USDAは収量の多い除草剤耐性遺伝子組換え大豆の規制解除を発表
USDA Announces Deregulation of Increased Yield, Herbicide-Resistant GE Soybean
Aug 8, 2019
https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/stakeholder-info/sa_by_date/2019/sa-08/ge-soybean
Verdeca, LLC社の開発したGE大豆は農業作物の害虫リスクにならず環境に意味のある影響は与えない
収量増加グルホシネートアンモニウム耐性HB4大豆

-USDAは油組成の異なる除草剤耐性遺伝子組換えキャノーラの規制解除を発表
USDA Announces Deregulation of Altered Oil Profile and Herbicide-Resistant GE Canola
Aug 8, 2019
https://www.aphis.usda.gov/aphis/ourfocus/biotechnology/brs-news-and-information/2019_brs_news/basf_canola_080619
BASF Plant Science社の開発したDHAとEPAが多くイミダゾリノン除草剤に耐性の品種

[EPA]EPAは消費者に正確なリスク情報を提供し、製品の虚偽表示を止めるために対応する
EPA Takes Action to Provide Accurate Risk Information to Consumers, Stop False Labeling on Products
08/08/2019
https://www.epa.gov/newsreleases/epa-takes-action-provide-accurate-risk-information-consumers-stop-false-labeling
EPAはグリホサートの登録者に対して製品の表示を明確にするためのガイダンスを発表している。EPAはグリホサートが発がん性であると主張する表示-連邦殺虫剤抗真菌剤殺鼠剤法(FIFRA)表示規定を満たさない虚偽の主張-をもう認めない。カリフォルニア州の批判の多いProposition 65がグリホサートのような製品にこの誤解を招く表示を要求し人々に自分たちの直面するリスクについての間違った情報を与えてきた。この対応は消費者がEPAの包括的評価に基づく正確な情報を与えられることを確実にする。
Andrew Wheeler EPA長官は「EPAがその製品はがんリスクとはならないと知っているのに製品に不正確な表示を要求するのは無責任である。我々はカリフォルニアの間違った計画が連邦の方針に影響するのを許さないだろう。連邦規制機関は消費者に正確で科学に基づいたリスク情報を伝えることが重要である。EPAのグリホサート登録者への通知は、連邦農薬表示で共有されている情報が正確で誤解を招くものではないことを確実にするための重要なステップである」という。
4月にEPAはグリホサートのレビュープロセスで次の段階に進んだ。EPAは、これまで通り、グリホサートは発がん性はないと結論し、現行の表示で指示されている通りに使用すればグリホサートに公衆衛生のリスクはないことを見出した。コレラの知見は他の多くの国や他の連邦機関の科学的レビューの結論と同じである。
2018年226日にカリフォルニア西部地域連邦地方裁判所がカリフォルニアに対して州のグリホサートの発がん性警告要求に、一部はそれが虚偽又は誤解を招くものだとして仮差し止め命令を出している。この仮差し止め命令に控訴はされておらず有効である。
カリフォルニアがProposition 65リストにグリホサートを載せたのはIARCの分類が根拠である。EPAの独立した評価はIARCが検討したものより包括的で妥当なもので、その結果EPAはグリホサートに発がん性はありそうにないと結論した。このEPAのがん分類は他の多くの国際専門家や規制機関の分類と一致している。
現在Proposition 65の警告を表示しているグリホサート製品の登録業者は90日以内にその警告文を排除した改訂表示案を提出しなければならない。

[MFDS]輸入禁止の中国産豚肉が直販に?...穴のあいた検疫(アジア経済7.22日付報道の説明 
輸入流通安全課 2019-07-23
https://www.mfds.go.kr/brd/m_100/view.do?seq=43075
2019年7月22日アジア経済 <輸入禁止中国産豚肉直販に?…穴のあいた検疫> 報道について次のように説明します。
1. 記事内容
□ 海外個人輸入代行業者が、中国産の豚肉を含むソーセージや干肉を購入代行可能であると回答
○ 海外直販サイトで購入しようとする商品を知らせ費用を支払えば通関と検疫関連事務を引き受けて処理してくれる
□ 海外から入って来る手荷物の場合、X-線と探知犬で検索を進めているが、完壁に検疫で摘発するとは断言してない
2. 同報道内容に対する政府の立場
□ 農林畜産食品部は、アフリカ豚コレラ(ASF)の国内流入を遮断するためにASF発生国の豚肉及び豚肉加工品の輸入を禁止しており、海外旅行客の入国時に携帯したり、インターネットを通じた海外購入も禁止している。
□ 輸入食品などのインターネット個人輸入代行業者は「輸入食品安全管理特別法」によって、食品医薬品安全処(以下「食薬処」)に申告しなければならず、同法施行規則(第25条)による営業者の遵守事項を必ず守るように管理している。
○ また、食薬処では、インターネット購買代行業者に、アフリカ豚コレラ発生国から豚肉及びソーセージ、ジャーキーなど豚肉が含まれた製品の購入禁止とともに海外からの輸入が禁止されている成分(原料)の状況などを定期的に案内・告知している。
□ 一方、農食品部は、海外からの国際郵便物または特急託送貨物を通じて入る可能性のある畜産物の流入を遮断するために、国内到着後、税関のX線検出と検疫探知犬を投入しており、 疑わしい郵便物・貨物に対しては、開封検査を実施して不法畜産物が含まれている場合、全量廃棄措置している。
□ 輸入者(代行業者)は、郵便物または託送品で畜産食品を搬入した場合は、直ちに検疫機関に申告しなければならず、申告をしない場合は、過料処分を受ける可能性があるので注意が必要。
  * 託送品 : 荷主が直接商品を配送するのではなく運送業者などに委託して送付した物品
□ 今後も農食品部は食薬処・関税庁など関係省庁と協力して、検疫に死角がないように、違法搬入畜産物の検索と取り締まりを強化し、ASFなど家畜伝染病が我が国に流入しないように国境検疫に総力を傾ける計画である。
(法を守らない不届きものがいたということをもって政府の責任と報道するのが韓国メディアの常態。)

[MFDS]日本産輸入食品の放射能検査の結果
輸入検査課 
2019-07-19
https://www.mfds.go.kr/brd/m_100/view.do?seq=43074
2019.7.12〜2019.7.18

[MFDS]米国産の小麦や小麦粉で未承認遺伝子組換えの小麦は不検出 
輸入検査課 2019-07-17
https://www.mfds.go.kr/brd/m_100/view.do?seq=43073
□ 食品医薬品安全処は、7月12日、米国ワシントン州で未承認遺伝子組換え小麦(MON 71300)が発見されたという情報があり、即時米国産小麦と小麦粉に対する輸入申告受理を保留して、輸入された製品に対しては暫定流通販売を中止した後、回収‧検査を実施した。
○ 回収した84小麦と小麦粉製品の両方で未承認遺伝子組換え小麦は検出されず、該当製品の暫定流通販売中断措置を解除して、今後輸入される米国産小麦と小麦粉に対しては、毎輸入時に未承認遺伝子組み換え小麦(MON 71300)混入可否を検査するようにした。
○ 今回発見された未承認遺伝子組換え小麦は、米国内で商業的に栽培されておらず国内流入可能性は非常に低いと見られるが、食薬処は予防安全管理次元で関連措置をした。

[MFDS]食品医薬品安全処、国外試験・検査機関対象の新規試験法、制度などを盛り込んだ英文ニュースレターの発刊 
検査制度課 2019-07-24
https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=43599
食品医薬品安全処は、食薬処が指定した国外試験・検査機関を対象に食品‧医薬品などの分野の試験‧検査ポリシーと新しいニュースなどを盛り込んだ「英文ニュースレター」を7月24日発刊・配布すると発表した。

[MFDS]ベンゾピレンの基準を超過した輸入乾燥スモーク魚肉の回収措置 
輸入流通安全課 2019-07-18
https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=43589
「カツオ節粉末」から、ベンゾピレンが基準(10.0 ㎍/kg以下)を超えて検出(24.7 ㎍/kg)され、該当製品を販売中止及び回収措置する。
(鰹節を乾燥スモーク魚肉に分類するのが適切だと思う?)

[MFDS](関係省庁合同)農薬のポジティブリスト制度の全面施行以降に上半期農産物の不適合減少 
有害物質基準課 2019-07-17
https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=43587
政府は今年上半期、すべての農産物に農薬許可物質リスト管理制度(Positive List System)を全面施行した結果、国内農産物の安全性が向上したと発表した。
〇 ポジティブリスト制度は、農産物別に国内‧外登録された農薬について残留許容基準を設定して管理し、そのほか残留許容基準がない農薬は不検出レベルの一律基準(0.01mg/kg)を適用する制度 (参考1,2)
  - 食の安全性を強化するために、去る2016年からナッツ種実類などに優先導入し、今年1月1日からはすべての農産物に拡大適用した。
    * 農薬許可物質リスト管理制度の導入計画を発表(2011.10.) →ナッツ種実類及び熱帯果物優先導入(告示2015.10, 施行2016.12.) →農薬許可物質リスト管理制度の全面拡大(告示2018.2, 施行2019.1.)
□ ポジティブリスト制度施行で農産物不適合率が増加するだろうという当初の懸念とは異なり、2019年上半期の国内農産物不適合率は、ポジティブリスト制度施行前の昨年同期間に比べて減少し、輸入農産物不適合率は増加した (参考3)。
〇 上半期の国内生産・流通した農産物の不適合率は1.2%で、前年同期間の1.5%に比べて0.3%p減少した。
    * 農産物不適合件数/調査件数(割合) : (2018.上)514件/35,515件(1.5%)→(2019.上)420件/36,180件(1.2%)
  これは、残留農薬管理が強化されて、現場で登録された農薬を安全使用基準に合わせて使用するなど、正しい農薬使用の文化が拡散されたためであると分析される。
〇 一方、輸入農産物の不適合率は安全管理が強化され、昨年の同期間に比べて0.3%増加(0.7%→1.0%)し、バジルなどハーブ類に不適合が集中する傾向を示した。
〇 参考に、5月末までに農薬の生産量と出荷量も前年同期間に比べて、それぞれ18%と12%減少*した。
    * 農薬生産量/出荷量 : (2018.5月)10,635トン/13,099トン→(2019.5月)8,758トン/11,486トン
  ポジティブリスト制度施行で登録された農薬を使用する農家の努力が農薬出荷量の減少につながったと分析される。
□ 一方、政府は下半期の安定運営のために利害関係者を対象に、教育‧相談、説明会などを推進(参考4)してコミュニケーションを強化し、農薬の追加登録及び残留許容基準設定、同時分析検査項目も拡大して行く計画。
〇 不適合懸念品目を中心に教育・相談を強化し、農薬許可物質リスト管理制度相談窓口と農業者団体などを通じて現場の意見を集約し継続的に問題点を解消していく。
  農業団体は、農薬を正しく使う運動を展開し、農薬販売店は農薬販売時に適用農産物案内と顧客別の処方農薬情報管理をし、農薬許可物質リスト管理制度定着に重要な役割を果たす(参考5)。
   〇 また、国内・外の利害関係者を対象に説明会、懇談会、討論会などを開催し、ポジティブリスト制度の進捗状況を共有し、  輸入農産物に必要な農薬残留許容基準を用意するために業者別の無料相談も継続的に推進。
〇 また、追加登録の需要が多い小面積の作物用剤、除草剤などの農薬を上半期1千余個の登録に追加して、来年初まで4千余個に増やす予定。
    * 農薬登録(累計) : (2017) 16,349個→(2018)23,367個→(2019.上)24,433個
〇 参考に、下半期からは農薬の同時分析検査可能項目を370種から473種に拡大し、すべての農薬の販売情報記録と保存を義務化する「農薬安全管理の販売記録制*」を施行(2019.7.1.)している。
    * 農薬購入者の名前・住所・連絡先、農薬品目名(商標名)、包装単位、販売日付、販売量、使用対象の農作物名と義務記録及び3年間保存(50㎖以下小包を除外)

[MFDS]食品医薬品安全処、輸入食品情報の国民のオンライン需要調査 
インテリジェント輸入食品統合システム構築TFチーム 2019-07-17
https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=43585
□ 食品医薬品安全処は、国民が日常生活の中で活用可能な輸入食品情報を発掘するために、7月22日から8月4日までの2週間「輸入食品情報、国民オンライン需要調査」を実施する。
〇 今回の需要調査は食薬処が提供する輸入食品情報に加え、詳細情報及びシステム機能の改善など貴重な意見を集めてニーズ中心のカスタマイズコンテンツを開発・提供するために設けた。 
  - 参考に、輸入食品情報については、食品安全情報ポータルである「食品安全性国」と営業者を対象に運営されている「輸入食品検査システムの電子請願窓口(以下「電子請願窓口」)」で提供している。
〇 また、今回の公募では、輸入食品などの関連営業者* 及び一般消費者誰でも参加することができ、斬新なアイデア提案者を選定してプレゼントを贈呈する予定。
    〇 併せて、需要調査及び公募の結果は「電子請願窓口」システムに反映して「輸入食品安全情報ポータル(仮称)」に拡大改編することにより、輸入食品の情報提供をさらに活性化する計画

[MFDS]食品医薬品安全処、国民が体感する食・医薬を積極的に行政の活性化に始動

 革新行政官2019-07-16
https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=43584
□ 食品医薬品安全処は、国民が体感できる食品‧医薬品分野の積極行政*ベストプラクティスを発掘・拡散するために、7月15日から食薬処ホームページ(www.mfds.go.kr)を通じて積極的に行政の優れた公務員の推薦を受けつける。
〇 今回の積極的行政のベストプラクティスの発掘は、国民誰でも参加することができ▲規制の改善▲苦情または紛争解決▲公共サービスの質の向上▲新しいポリシーの発掘‧推進▲行政効率の向上などの積極的ベストプラクティスと積極的に業務を遂行した公務員が推薦対象。

[MFDS]バイオ食品添加物の活性化のための審査規定改訂 
添加物基準課 2019-07-10
https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=43574
□ 食品医薬品安全処は、国際的に安全性が立証された微生物を使う場合には、審査提出資料を簡素化することを主な内容とする「食品添加物の基準及び規格」告示改正案を7月10日の行政予告とする。
〇 今回の改正案は、バイオ技術の発展で微生物を利用した様々なバイオ食品添加物が開発されているだけに、安全性の審査に必要な資料の提出範囲を明確にして営業者利便を高める一方、バイオ食品添加物の開発の活性化のために用意した。
□ 改正案の主な内容は、▲バイオ食品添加物の製造に安全に使用できる微生物のリスト新設及び製造微生物の安全性確認のための提出資料の明確化▲食品添加物に直接摂取禁止条項の新設などが含まれる。
〇 国際的に安全性が立証されて、食品添加物の製造に広く使用されている微生物のリストを新設し、該当微生物で製造された食品添加物に対しては、該当菌株の安全性資料一部を免除するようにしました。
  - また、製造微生物の安全性確認のために提出しなければならない資料の種類を明確に規定して請願人が審査に必要な資料をあらかじめ予測することができるようにした。 
〇 一方、食品製造・加工時にのみ使用されるべき食品添加物をそのまま直接摂取する誤用の事例*が発生しないように、食品添加物それ自体では直接摂取しないように一般的な使用基準を新設した。
     * 例)食品製造時濾過、脱色などに利用されている活性炭を解毒剤、腸炎の治療目的のために販売

[MFDS]医療専門家まで動員した虚偽・誇大広告の点検強化 
サイバー調査団 2019-07-10
https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=43573
□ インターネットショッピングモールで、医療専門家の名前で虚偽・誇大広告した食品及び健康機能食品販売業者などが当局に摘発された。
□ 食品医薬品安全処長は、歯科医や漢方医などを動員して虚偽・誇大広告をして161のインターネットサイトで健康機能食品などを販売してきた販売業者36ヶ所(9製品)を摘発した。
〇 今回の点検は医師、歯科医、漢方医などが製品開発に参加したと広告する41(健康機能食品14個、食品27個)の製品と、この製品を販売するオンラインショッピングモールなど1,213サイトを対象にしたものである。
□ 主な違反の種類は、▲健康機能食品自主広告基準違反(56件)▲健康機能食品誤認・混同(84件)▲体験記の利用など、消費者欺瞞(20件)▲他社誹謗(1件)などであり、主な違反事例は以下のとおり。
〇 (自主広告審議違反)○○歯科医が作ったという錠剤製品は、「歯茎の健康」・特別な7種の副原料を使用したと広告、△△△漢方医が作ったというダイエット製品は「私の体に合うダイエット、体脂肪は減らし若さは増やし、他製品に比べて薬物副作用がない最上のダイエット」と自律広告審議内容と異なり審議結果に従わずに広告して摘発された。
〇 (健康機能食品として誤認・混同)「免疫力・血液循環に良い」「免疫力に優れ」等健康機能食品と誤認される可能性のある広告を摘発された。
〇 (消費者欺瞞)体重が落ちたというSNS体験事例をショッピングモールに広告、専門家△△△漢方医が推奨すると広告して摘発された。
〇 (他社誹謗)ある製品は、「鹿の角の含量が0.1%の他業者とは違って4.23%」と、他の業者の製品を間接的に誹謗したり、他の業者の製品より優秀であると誤認されるおそれがある広告として摘発された。
□ 食薬処は虚偽・誇大広告で摘発された36販売業者は、行政処分などの措置を地方自治体に通知し、161販売サイトに対しては、放送通信審議委員会などにブロックを要請する一方、 医療の専門家が出てくる広告は、消費者が製品の購入を決めるのに大きく影響を及ぼすので、ホームショッピング・インターネットショッピングモールなどに医者・歯科医・漢方医・教授などと記載された虚偽・誇大広告する製品に対しては点検をさらに強化する計画であると付け加えた。
添付1. 摘発メーカーの現況
    2. 摘発事例例示

[MFDS]食品の安全性公共データ活用事例集の初発刊
 統合食品情報サービス課 2019-07-10
https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=43572
□ 食品医薬品安全処は、11日「食品安全性国」で開放している回収情報、食品の栄養成分DBなどの公共データの活用事例を集めた事例集を発刊・配布すると発表した。
○ 今回の事例集は、政府の公共データと民間の斬新なアイデアを組み合わせたモバイルアプリまたはウェブサービスなどを整理したもので、民間分野で食品の安全性、公共データを活用するのに役立てるために設けた。
○ 主な内容は、▲データ活用サービスの案内▲公共データ(Open-API)利用状況▲公共データ活用ガイド▲食品安全情報優秀活用事例など。

[MFDS]安全性評価のための動物代替試験法ガイドラインの発刊 
特殊毒性課 2019-07-10
https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=43571
食品医薬品安全処食品医薬品安全評価院は、最近、経済協力開発機構(OECD)で承認された皮膚感作動物代替試験法の国内導入のための「化粧品の動物代替試験法ガイドライン」を発刊した。
   ※ 皮膚感作性試験 : 皮膚が繰り返しさらされたとき紅斑、浮腫などの免疫学的過敏反応を誘発するかを評価する試験
〇 今回の試験法は、人体の皮膚の角質細胞でARE-Nrf2の調節を受ける特定の酵素(ルシフェラーゼ)の発現を測定することで皮膚感作反応を起こすかどうかを評価する方法である。
食薬処は、化粧品の安全性評価に必要な動物代替試験法を‘07から設けてきており、現在までに19のガイドラインを制定した。 
〇 また、今年10月には、国内の非臨床試験実施機関を始め、産業界と学界を対象に「一緒に動物代替試験法の教育ワークショップ」を開催し、動物代替試験法に対する理解を助ける計画である。
<添付> 食薬処化粧品動物代替試験法ガイドライン現況

[FSANZ]食品基準通知
Notification Circular 90–19             
15 August 2019
http://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular9019.aspx
新規申請と提案
ステビオール配糖体であるレバウジオシドEのGM酵母系統Pichia pastoris由来酵素による産生

[HK]違反

-ドリアンのサンプルに着色剤クルクミンが検出された
Durian sample detected with colouring matter curcumin
Friday, August 9, 2019
https://www.cfs.gov.hk/english/press/20190809_7574.html
食物環境衛生署及び食品安全センターは、ドリアンの皮のサンプルに着色剤クルクミンが検出されたと発表した。

-メカジキのサシミに基準値超過の水銀が検出された
Swordfish sashimi sample detected with mercury exceeding legal limit
Friday, August 9, 2019
https://www.cfs.gov.hk/english/press/20190809_7572.html
食物環境衛生署及び食品安全センターは、定期的な食品サーベイランスプログラムにおいて、メカジキのサシミに基準値0.5ppmを超える2.28ppmの水銀を検出したと発表した。

-CFSは日本産凍結卵白の違法輸入に関して追跡する
CFS follows up on illegal import of frozen liquid egg white from Japan
Friday, August 9, 2019
https://www.cfs.gov.hk/english/press/20190809_7571.html
食物環境衛生署及び食品安全センターは日本の茨城県からの冷凍卵白が関連する食品安全規定に違反し、香港に不正に輸入されたと発表した。放射能証明書の添付がなかった。

-ゴーヤのサンプルに基準値超過の残留農薬
Pesticide residue exceeds legal limit in bitter gourd sample
Monday August 12, 2019
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190812_7577.html
食品安全センターが検査したところ、ゴーヤのサンプルにおいて、シハロトリンが最大残留基準値0.05ppmのところ、0.12ppm検出であった。

[TGA]安全性警告
-Hong Kong Tianli Biological – power tablet
9 August 2019
https://www.tga.gov.au/alert/hong-kong-tianli-biological-power-tablet
製品は表示されない成分シルデナフィルを含む。製品写真あり。

-Bali Mojo capsules
9 August 2019
https://www.tga.gov.au/alert/bali-mojo-capsules
製品は表示されない成分タダラフィルを含む。製品写真あり。

[ODS] ファクトシート更新
-ビタミンD
Vitamin D
Fact Sheet for Health Professionals
August 7, 2019
https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminD-HealthProfessional/
植物性のミルク代用品は強化牛乳と同程度のビタミンDが強化されると付け加えられた。
https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminD-HealthProfessional/#change

[ヘルスカナダ] 助言:未承認の製品は深刻な健康リスクを引き起こす可能性がある
Unauthorized products may pose serious health risks
August 12, 2019
http://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2019/70685a-eng.php#images-images
ヘルスカナダは深刻な健康リスクを引き起こす可能性がある未承認の健康製品に関して市民に助言している。製品はフリバンセリン、シルデナフィル及びタダラフィルを含む。

[MPI] リコール
-TDM Meats ブランドのニュージーランドビーフジャーキー
TDM Meats brand New Zealand Beef Jerky
8 August 2019
https://www.mpi.govt.nz/food-safety/food-recalls/recalled-food-products/tdm-meats-brand-new-zealand-beef-jerky/
New Zealand Co LtdのTDM Meatsは管理不備のため自社ブランドニュージーランドビーフジャーキーすべての風味、サイズの製品を回収している。

-Woolworthsブランドのクランチナチュラルアーモンド
Woolworths brand Crunchy Natural Almonds
8 August 2019
https://www.mpi.govt.nz/food-safety/food-recalls/recalled-food-products/woolworths-brand-crunchy-natural-almonds/
Woolworths New Zealand Ltdは検査によりアフラトキシンが許容濃度を超えたことが確認されたためWoolworthsブランドのクランチナチュラルアーモンドの一部を回収している。

[FDA]FDAはMiracle Mineral Solution(ミラクルミネラルソリューション)の危険で死に至る可能性のある副作用について消費者に警告する
FDA warns consumers about the dangerous and potentially life threating side effects of Miracle Mineral Solution
August 12, 2019
https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-warns-consumers-about-dangerous-and-potentially-life-threating-side-effects-miracle-mineral
FDAは最新の報告された健康被害の増加により、医療用としてオンラインで販売されている製品を購入及び消費しないよう消費者に警告している。FDAは2010年以降、Miracle or Master Mineral Solution(ミラクルまたはマスターミネラルソリューション)、Miracle Mineral Supplement(ミラクルミネラルサプリメント)、MMS、二酸化塩素(CD)プロトコル、浄水溶液(WPS)、その他同様の製品の危険性を警告している。
FDAは最近これらの製品を飲んだ後で激しい嘔吐、重症の下痢、脱水による命に関わる低血圧、急性肝不全を経験した人々の新しい報告を受け取っている。MMS製品の安全性や有効性を支持する科学的根拠をFDAは知らない。
これら製品を飲み込んだ後に有害健康影響を経験した人は直ちに医師に診てもらうこと。有害健康影響は誰でもFDAのMedWatchを介して報告すべき。

-危険:Miracle Mineral Solution(ミラクルミネラルソリューション)あるいは同様の製品を飲まないこと
Danger: Don’t Drink Miracle Mineral Solution or Similar Products
08/12/2019
https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/danger-dont-drink-miracle-mineral-solution-or-similar-products
FDAはMiracle Mineral Solution(ミラクルミネラルソリューション)のような亜塩素酸ナトリウム製品を飲まないよう警告する。これらの製品は体調不良を引き起こす可能性がある。

[EU]新規食品統合リスト
Union list of novel foods
https://ec.europa.eu/food/safety/novel_food/authorisations/union-list-novel-foods_en

新規食品状態についての意見募集プロセス
Consultation process on novel food status
https://ec.europa.eu/food/safety/novel_food/consultation-process_en
(たとえばVPPやIPPの量が多いカゼイン加水分解物は食品に使用される場合新規食品である、という提案
https://ec.europa.eu/food/sites/food/files/safety/docs/novel-food_consult-status_casein-hydrolysate.pdf)

[NTP]ニュースレター
NTP Update August 2019
https://ntp.niehs.nih.gov/update/index.html
Linda Birnbaum博士退職
毒性病理学会年次会合
ソーシャルメディアでのQ & A :Reddit Ask Me Anything (AMA)プラットフォームで大気汚染と妊娠について専門家が答える

-SDラットの強制経口投与によるパーフルオロアルキルスルホン酸の毒性試験
Toxicity Studies of Perfluoroalkyl Sulfonates Administered by Gavage to Sprague Dawley (Hsd:Sprague Dawley SD) Rats
August 2019
https://ntp.niehs.nih.gov/results/pubs/shortterm/reports/abstracts/tox096/index.html
パーフルオロブタンスルホン酸 [PFBS]、パーフルオロヘキサンスルホン酸カリウム塩 [PFHxSK]およびパーフルオロオクタンスルホン酸[PFOS]、および4つのカルボン酸塩(↓)の28日間試験。用量はPFBS が0 ~ 1,000 mg/kg/day 、PFHxSK 雄が0 ~10 mg/kg/day , PFHxSK 雌が0 to 50 mg/kg/day,およびPFOSが 0 ~ 5 mg/kg/day。
PPARαアゴニストWyeth 14,643を定量比較のために使用。

-SDラットの強制経口投与によるパーフルオロアルキルカルボン酸塩の毒性試験
Toxicity Studies of Perfluoroalkyl Carboxylates Administered by Gavage to Hsd: Sprague Dawley SD Rats
August 2019
https://ntp.niehs.nih.gov/results/pubs/shortterm/reports/abstracts/tox097/index.html
パーフルオロヘキサン酸 [PFHxA], パーフルオロオクタン酸 [PFOA], パーフルオロノナン酸[PFNA], パーフルオロデカン酸[PFDA]

-毒性試験代替法に関する科学助言委員会会合
Upcoming Scientific Advisory Committee on Alternative Toxicological Methods Meetings
https://ntp.niehs.nih.gov/events/sacatm/index.cfm
September 19–20, 2019

SMC UK
-雪にみつかったマイクロプラスチックへの専門家の反応
expert reaction to microplastics found in snow
August 14, 2019
https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-microplastics-found-in-snow/
Science Advancesに発表された研究が北極や欧州の都市の雪のマイクロプラスチックの量を報告している
生態学水文学センター大気化学と影響部長Stefan Reis博士
この研究はマイクロプラスチックが環境中にどう分布するかについての基本的経路の理解における「ミッシングリンク」の可能性を強調する
英国国立海洋学センターマイクロプラスチック研究チームリーダーRichard Lampitt教授
この論文はマイクロプラスチック粒子の雪への広範な分布について重要な知見を提供する。濃度と性質の大きな変動が風などの他の要因とあまり関連がないことはマイクロプラスチック輸送プロセスについてあまりわかっていないことを強調する

-植物ベースの食事と肉ベースの食事の環境影響を調べた研究への専門家の反応
expert reaction to study looking at environmental impacts of plant-based and meat-based diets
August 8, 2019
https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-environmental-impacts-of-plant-based-and-meat-based-diets/
Scientific Reportsに発表された研究が、食事の環境影響を報告し、肉を植物の代用品に置き換えることでアメリカ人は栄養を満たしながら35-50%の耕作地を減らせると結論した
Warwick大学公衆衛生准教授Oyinlola Oyebode博士
この研究は食生活を肉から植物代用品に変更することの利益についての増加する根拠に適合する。肉を蛋白質量で同等の植物に置き換えた食生活は平均的アメリカ人の食事とは16の他の栄養素で異なるがビタミンB12が減ることを除き健康に利点がある。
もとのプレスリリースは論文の統計とは一致しなかったが後に修正された。更新されたプレスリリースでも別の間違ったメッセージがあり、そうしたエラーは他にも間違いがあるのではないかと思わせる。著者らはモデル食ではアメリカ人のタンパク質摂取量にあわせたが、それほど必要としない可能性が高い。またその国で育てられるものが違うので、地域が違うと推奨食生活の内容も違う可能性がある。
Kew王立植物園持続可能な家畜生産システム研究者Mark Lee博士
この研究は肉を減らすことが環境に利益があるだろうという根拠を増やす。家畜を育て肉を作ることは資源を多く使い環境破壊につながる。この研究はアメリカ人の全てが豚鶏牛を全て植物にするというモデル計算で、著者らはそうすべきとは言っていない。
私は我々は肉を完全に排除すべきだとは思わないが減らすことに大きな利益があるという圧倒的根拠がある
London School of Hygiene & Tropical Medicineグローバルヘルスのための食料と栄養教授Alan Dangour教授
本日発表されたIPCCの報告書でも食生活の選択が環境に大きな影響を与えることを同定した。肉を減らすことが重要であることは明白である。この論文は環境影響を同定したが残念ながら多くの間違いがあり(例えば植物蛋白の主要摂取源として梨、ピーマン、イチゴを挙げている)現時点では注意して扱うべき
Rothamsted 研究所 North Wyke持続可能な農業科学部長畜産科学者Michael Lee教授
この論文は持続可能な農業における畜産の役割という複雑な問題を完全排除と過剰に単純化している。著者のアプローチは畜産が全て持続不可能で植物生産は環境に悪影響がないと想定しているがそれは事実ではない
Bristol大学獣医科学科持続可能な畜産システムと食糧安全保障上級講師Rothamsted 研究所研究者Taro Takahashi博士
我々が現在肉を食べすぎであるという最終的なメッセージには同意するものの、採用されているロジックには疑問がある。仮想的な全て植物由来の食生活の影響と現在の食生活を比べるより、肉も含めて最善の食生活を探るほうがいいと私は思う。さらにプレスリリースで一般向けにコミュニケーションを行う際に著者が選んだ情報の正確性に疑問がある

-気候変動と土地についてのIPCC特別報告書への専門家の反応
expert reaction to the IPCC Special Report on Climate Change and Land
August 8, 2019
https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-the-ipcc-special-report-on-climate-change-and-land/
関心の高さを示す30人以上の専門家のコメント。

(今後の農業食料政策は気候変動を考慮するのが必須になるのだろう。)

SMC NZ
-遺伝子編集規制-専門家の反応
Gene editing regulations – Expert Reaction
Published: 13 August 2019
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2019/08/13/gene-editing-regulations-expert-reaction/
Royal Society Te Apārangiの設置した専門家委員会によると、ゲノム編集をとりまく規制は全面的に見直す時である
委員会の知見は先の報告に続くもので遺伝子技術に対して、一部は他のものより受け容れやすいかもしれないと、微妙な見方を要請している
Waikato大学准教授Maui Hudson
この報告は現在のニュージーランドの規制の矛盾について良く検討している
Auckland生物科学上級講師Hilary Sheppard博士
歴史的に遺伝子を変えることには感情的で極端に分かれる問題だった。しかしゲノム編集が社会にもたらす利益から、我々の立場を再考する必要がある。リスクに応じた規制ができるような枠組みが必要である。
この報告の主な知見は:1)遺伝子修飾についてより繊細な定義が必要、2)シンプルでリスクの大きさに基づいた、国際規制と整合する矛盾のない規制が必要、3)賢明な決定を支援できる地域全体が参加できる能力を構築することに関与
現在の規制は技術の進歩からはるかに遅れている。例えば実験室で患者さんから同意を得て細胞の病気の原因となる突然変異を治すと、「新しい生物」を作ったことになる。普通の人に存在する小さな変異でも。こうして修正した細胞は実験室から出せないので何らかの規制上の対応が必要である。一方で放射線照射で突然変異を無作為に入れた細胞は「新規生物」ではないので変異が多くても実験室の外に出せる。

-IPCC気候変動と土地報告-専門家の反応
IPCC Climate Change and Land report – Expert reaction
Published: 09 August 2019
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2019/08/09/ipcc-climate-change-and-land-report-expert-reaction/
IPCCの最新報告は土地の使用が気候変動とどう関連するのかについてのもの
気候変動と持続可能な土地管理、食糧安全保障、砂漠化、土地の流出(洪水や干ばつ含む)、土地の利用に関連する温室効果ガスの発生と貯蔵の相互作用を検討。
ニュージーランド農業温室効果ガス研究センター副所長Andy Reisinger博士
この報告は課題に直面しているのがニュージーランドだけではないことを示す。重要なメッセージは、食料生産だけではなくフードシステムやエネルギーシステム全体にわたって総合的に対応する必要があるということ。十分な食べものを生産しつつ排出を削減する方法が必要。
Lincoln大学Anita Wreford准教授
我々は食料とエネルギーと水と健康と福祉を土地に依存しているが、既に圧力をかけていて気候変動でその圧力が悪化している。お互いに矛盾しない、注意深くデザインされた政策が必要であることを強調する
Canterbury大学政策科学ち国際関係准教授Bronwyn Hayward博士
この報告は我々の全ての行動が気候に影響することを再確認する。ニュージーランド人にとって喫緊で大きな助言は伝統的に肉と乳製品の多い食生活をより植物を多く変えることである
NIWA主任科学者-大気Mike Harvey博士
世界的にはフードシステムは温室効果ガスの総量の1/4に相当するがニュージーランドでは大体半分である。ただし増加はなく、農業の効率は改善している
(以下数人略)

その他
-霊芝サプリメントレビュー
コンシューマーラボ
Reishi Mushroom Supplements Review
Initial Posting: 8/10/19  
https://www.consumerlab.com/reviews/reishi_mushroom_supplements_review/reishi/
1,3-β-D-グルカンの量が一回あたり数ミリグラムから250 mg以上まで多様
注意すべきこととして、ポリサッカライドを多く含むと表示してあってもその中身は穀物に含まれるアルファグルカンが大部分でベータグルカンとは限らない

-Natureニュース
肉を食べる量を減らせ:国連気候変動報告は人の食生活の変更を呼びかける
Eat less meat: UN climate-change report calls for change to human diet
Quirin Schiermeier
Nature 572, 291-292 (2019)
アマゾンの森林破壊が加速する中で世界の土地使用と農業についての報告書が発表された
8月8日にIPCCが特別報告書を発表した。
IPCCの影響・適応・脆弱性ワーキンググループの共同議長で生態学者のHans-Otto Pörtnerは、「我々は人々に何を食べろと言うつもりはない。ただ多くの豊かな国の人達が、肉を食べる量を減らして、政府が適切なインセンティブを作ったら、気候にも健康にも有益だろう」という。
(肉いっぱい食べている欧米人が消費量の少ない国にご高説を述べるの、なんか釈然としない)

-情報を与えられた上での選択をするための重要な考え
Key concepts for making informed choices
Nature 572, 303-306 (2019)
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02407-9
Andrew D. Oxmanと24人の研究者の同盟が、以下の考え方を使って人々に主張や比較を批判的に考えることを教えるように強く求める-そうすればもっと良い決定ができる
誰もが主張をするが、残念ながら多くの場合人々はその主張の信頼性を批判的に考えることに失敗する。学校では若い人達に十分教えていないので根拠の評価に多くの人が苦労する。その結果としてあまり良くない選択をするかもしれない。
この欠陥に対応するため、ここに主張の信頼性を評価するための一連の基本原則を示す

インフォームドチョイスのための重要なコンセプト
主張(クレーム)
効果についての主張は公平な比較による根拠で支持されていなければならない。そうでない主張は必ずしも間違いではないがそれを信じる根拠が不十分である。
主張は介入が安全、有効、あるいは確実と想定してはならない
・介入には利益と同様害がある
・大きな、劇的な効果は滅多にない
・介入の影響について確信できることはまずない
一見理論的な想定は主張の根拠としては不十分である
・介入の作用機序について信じるだけでは効果があるあるいは効果の大きさの信頼できる予測にはならない
・介入によっておこったことが介入が原因ではないかもしれない
・データが多ければ多いほどよいわけではない
・一つの研究の結果を単独で検討すると間違うことがある
・広く行われていることや長い間行われていることが必ずしも利益があったり安全だとは限らない
・新しい、あるいは印象的な技術を使った介入が既存のものより良いとは限らない
・介入が増えると利益が増えるとは限らず、害をおこすかもしれない
情報源への信頼だけでは主張を信じる根拠にならない
・利益相反は誤解をまねく主張につながる可能性がある
・個人的経験や逸話はほとんどの場合信頼できない
・専門家や権威、セレブやその他有名人の意見はそれだけでは信頼の根拠にはならない
・ピアレビューや雑誌への出版はその比較が公平であることを保証しない
比較
研究は公平な比較をしなければならず、系統的誤差(バイアス)やランダムエラー(偶然)を最小限にするようデザインされなければならない
(以下続くけれど略)

異なる分野への適応例など、リソースは著者らのウェブサイトへ
That's a claim!
Guides for thinking critically about claims.
https://thatsaclaim.org/
農業、教育、環境、健康、管理、社会福祉、言語療法、
経済、国際開発、栄養、地球の健康などはまだこれから
例えば農業
https://thatsaclaim.org/agricultural/
ポスターがダウンロードできる
一つづつ潰していくという使い方ができるかも

-Natureキャリアコラム
政策決定者に科学を伝える:成功のための6つの戦略
Communicating science to policymakers: six strategies for success
Hannah Safford & Austin Brown
12 August 2019
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02372-3
科学者は政治家やその他政策決定者にどう意志決定するかについての情報の伝え方を改善できる
科学者がどんなに一生懸命働いても、実行力のある人に気がつかれなければその影響はいつも内輪の学者仲間に限られる。政策決定者との効果的コミュニケーションにはシンプルな戦略が役にたつ
1. リーチすべき人を知る 職位が上の方がいいわけではない
2. 明確で行動に移せる助言をする
3. あなたの仕事をパッケージし直す 論文フォーマットはそのままでは使えない
4. 良い文書を。 
5. 機会を捉えよ
6. 継続的に、より強く関与 協力者を増やせ

-ニュースを一目で
News at a glance
Science  09 Aug 2019:Vol. 365, Issue 6453, pp. 524-525
・ブラジルの森林破壊監視機関の所長が大統領の見解に反対して解雇された
・中国がパリ合意に予定より早く到達する
・NIHがオープンサイエンスのためのデータホームを提供
・絶滅危惧種のセミクジラの死亡急増 北大西洋
・YouTubeには気候変動陰謀論の動画が蔓延

-バイオエネルギーは気候変動の万能薬ではない、パネルが警告
Bioenergy not a climate cure-all, panel warns
Erik Stokstad
Science  09 Aug 2019:Vol. 365, Issue 6453, pp. 527-528
IPCCの特別報告書でBECCS(炭素捕獲と貯蔵を伴うバイオエネルギー)について、このやりかたを大規模に行うと膨大な土地を必要とし食糧安全保障を脅かし食糧価格の急増を招く。また東南アジアのバイオディーゼル用パームオイル生産のように生物多様性にも悪影響、乾燥地帯では水不足を招く、という

-コーヒーの化学:ごく普通ではない
Coffee chemistry: Not your average joe
Christopher H. Hendon
Science  09 Aug 2019:Vol. 365, Issue 6453, pp. 553
世界バリスタ選手権では、コーヒー以外の成分としてアルコールは禁止されている。我々はシャトー・ド・サントネイ・ピノ・ノワールワインのフレーバーを持ち込むために濃縮ワインエキスにエタノールが含まれないことをHPLC-MSで証明した。しかし審判はそれでも許容できないしエタノールが含まれるかどうかは一部でしかないと言う。そこで今度はアルコール以外の成分を混ぜてピノ濃縮物を作ろうとした。その結果4つの成分でワインに類似したものができた:色の濃いブドウの皮の水抽出物、クランベリー、ザクロ、そして白いフレーク状のクルミの皮の二回洗浄物。このレシピは成功しBest Signature Beverage賞をもらった。コーヒーと化学は完璧なペアである。
(何故化学者はコーヒーが好きなのか)

-書評:科学がいかしていた時代
When science was groovy
W. Patrick McCray, David Kaiser
Science  09 Aug 2019:Vol. 365, Issue 6453, pp. 550-551
(抜粋)
50年前の1969年8月15-18日に開催された有名なミュージックフェスティバル、WoodstockはAquarian exposition(水瓶座博覧会:人類の意識が次の次元へ)として宣伝された。これは占星学由来でミュージカルHairで有名になりアメリカのポップミュージックグループThe 5th Dimensionが“Aquarius/Let the Sunshine In,”で「平和がこの惑星を導き/愛が星を導く」と歌った。多くの人、特にカウンターカルチャー関連の人達、伝統的な科学ではなくより「神秘的なクリスタルのような天啓(mystic crystal revelation)」により導かれるニューエイジの夜明けを歓迎した。
しかしその時代はアポロの時代でもあり、Woodstockの一ヶ月前にアメリカ人宇宙飛行士の月面歩行を何百万人もの人達が見ていた。それを可能にしたのはヒッピーの神秘主義ではなく、新素材やデジタルコンピュータであった。
それから半世紀、水瓶座とアポロの両方が同時発生した時代は科学史家の課題となっている。
科学は大きく進展したがカウンターカルチャーも消えてはいない。現在の流行のいくつかは当時のカウンターカルチャーが根源にある-例えば「職人の作った」「オーガニック」食品、ヨガ、菜食主義、自宅出産、助産師。
ウッドストックとアポロ月面着陸の双子の誕生日に、この重複をよく理解しよう。

-現代のホメオパシー:その馬鹿馬鹿しさと矛盾
Modern Homeopathy: Its Absurdities and Inconsistencies (1894)
William W . Browning, A.B., LL.B., M.D.
This page was posted on July 30, 2019.
https://www.homeowatch.org/history/browning.html
1894年に出版され医師や患者に配られた小冊子の内容をウェブに掲載。
科学としての医学がまだ未熟だった時代であるがホメオパシーが如何にナンセンスかについてはきちんと批判している。
(なのにいまだに蔓延っているというのがどれだけ人間はこの手の偽りを信じたいのかを示す。)

-狭心症に鍼、の研究
Study on Acupuncture for Angina
Steven Novella  on July 31, 2019
https://sciencebasedmedicine.org/study-on-acupuncture-for-angina/
また鍼の研究がポジティブな結果だったと主張する、しかしその方法論には欠陥が多く結果は疑わしい
見慣れたいつものサイクルがおこった-新しい鍼の研究が、何かに鍼が効くと主張する。メディアがそれにすぐ騙される。提唱者が効果が証明されたと言う。しかし懐疑者が深刻な欠陥を指摘し、何も証明していないことを明らかにする。残念ながらこのサイクルの結果鍼が医学に浸透する。
(以下長い記事。問題の論文は以下。JAMAグループの雑誌。
Acupuncture as Adjunctive Therapy for Chronic Stable Angina
A Randomized Clinical Trial
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2739058

 

2019-08-08

[FSAI] アイルランド食品事業者の懸念事項トップには食品安全性と人材

Food Safety and Staffing Among Top Concerns for Food Businesses in Ireland

Monday, 29 July 2019

https://www.fsai.ie/news_centre/press_releases/industry_survey_29072019.html

FSAIは本日、食品規制の観点から、食品アレルゲン及び成分表示がアイルランド食品事業者にとって最大の懸念事項であるという全国的な意識調査研究を公表した。研究は食品安全及び現在の食品業界の運営環境に関し、様々な食品業界の上級管理職の懸念を調査した。アイルランドの食品安全規則に対し、食品事業者の10分の7以上がますます信頼しているとし、ほぼ4分の373%)がアイルランド産食品は5年前より安全になったと述べている。

信頼は上昇しているものの食品業界はアレルゲンや成分表示、食品衛生及び食品取扱要件、その他ホルモン剤、農薬、抗生物質及び添加物の使用を含めた食品安全を幅広く懸念する。

・アレルゲンや成分表示はアイルランドの食品事業者の食品安全懸念のトップで、半数以上(53%)3大懸念事項の1つとしてあげている。

・食品衛生及び取扱要件(36%)及び食品中の発がん性化学物質(30%)もまた調査において高い順位の懸念事項であった。

・業界内の食品安全対策への信頼は高いが、約5分の1 (18%)は追加の食品安全規則や施行を求めている。

・食品事業者の約3分の1(31%)は、食品安全の十分な情報がないと感じている。

FSAICEODr Pamela Byrneはこの調査で明らかになった食品安全問題に取り組むことを食品業界に呼び掛けた。

FSAIは、食品安全の情報が十分でないと感じる食品事業者に、追加のガイダンスや教育のためにFSAIに連絡することを勧める。食品事業者の大多数は食品が食べて安全なものと保証する責任を認識しているが、10分の1強がこれをFSAIの責任とし、食品事業者の責任とは考えていないことは許容できない。アレルゲン情報を提供しない、食品衛生基準を守らない結果はとても深刻なので、FSIAは食品視察団と共に継続的に企業の対策に取り組んでいる。」

経済の段階的回復と正規雇用への移行で失業が減少し、食品業界の人材が減少し、アイルランド食品事業者の約10分の769%)が、熟練職人の雇用を深刻な問題と考えている。

ブレグジット(EU離脱)は食品業界にとって2番目に最も大きな将来に対する懸念であり、3分の2以上(67%)が未知の影響を懸念する。特にブレグジットの点で、食品事業者は供給コスト、関税及び為替レートの上昇に関して懸念する。

・事業者の約10分の8 (78%)はブレグジットによる供給コストの上昇の可能性を考える。

・事業者の約4分の3(74%)は関税によるコストの上昇を危惧する。

・大多数(68%)は不安定な為替レートが事業に影響を与えるだろうと心配している。

Dr Byrneは「研究は熟練技術をもつ人材や規制及び税の上昇が脅威とみなされていること示す。またブレグジットの最終的な影響はすぐにはっきりせず、食品事業主に懸念がある。」と述べる。

Dr Byrneは食品安全規則とFSAIの組織に対する信頼を歓迎し、「FSAIは欧州の食品安全規制機関の第一人者の一つで、食品事業者に素早く対応し、懸念を理解し、コンプライアンスに関する助言をする。FSAIは、食品安全規則が守られ、アイルランド食品が世界で最も安全であるために食品事業者とともに取り組み続ける。FSAIは食品業界に関する様々な問題が、食品の安全を保証する妨げにならないよう取り組む。」と述べた。

 

[ODS] ファクトシート更新

-プロバイオティクス

Probiotics

Fact Sheet for Consumers

August 7, 2019

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Probiotics-Consumer/

新規追加、あとで

 

-ビタミンD

Vitamin D

Fact Sheet for Consumers

August 7, 2019

https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminD-Consumer/

植物性のミルク代用品はしばしばビタミンDが強化されると付け加えられた。

https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminD-Consumer/#change

 

-

Copper

Fact Sheet for Consumers

August 7, 2019

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Copper-Consumer/

新規追加 あとで

 

[BfR]「栄養とヒト健康分野におけるゲノム編集」BfR消費者会議が2019810日から始まる

The BfR "Genome Editing in the Field of Nutrition and Human Health" Consumer

Conference starts on 10th August 2019

29 July 2019

https://www.bfr.bund.de/cm/349/the-bfr-genome-editing-in-the-field-of-nutrition-and-human-health-consumer-conference-starts-on-10th-august-2019.pdf

2017年のフォーカスグループインタビューで、ほとんどの人はゲノム編集を聞いたことが無いが利益よりリスクのほうが大きいと考えていた。従って公平で関係者ではない主催者による情報提供が必須である

 

論文

-超高齢者のがん:米国で最も早く増加している年齢集団

Cancer in the oldest old: The fastest growing age group in the US

7-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/acs-cit080219.php

報告書は検診率の高さ、手術による治療の少なさ、生存率の悪さを発見

85才以上の成人のがんを調べた報告がCA: A Cancer Journal for Cliniciansに発表された。有病率や死亡率の傾向としては65-84才と同様であるが、検診が予期せず高率で生存率は悪い。

85才以上の男性では前立腺がんと肺がんが死因のトップでがんによる死亡の約40%を占める。女性では肺がんが19%で次いで乳がん13%。三番目は男女両方で直腸結腸がん。

85才以上の年齢集団では一般的にがん検診は薦められていないにも関わらず検診率が非常に高かった。女性は1/3がマンモグラムを、18%が子宮頸がん検診を受けている。半分以上が便検査を受け男性は30%近くがPSA検査を受けている

 

-植物ベースの食品を多く食べることは心臓の健康の良さと関連するかもしれない

Eating more plant-based foods may be linked to better heart health

7-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/aha-emp080219.php

Journal of the American Heart Associationに発表された、10000人以上の中年米国成人を1987年から2016年までモニターした研究。参加者の食生活を植物由来食品と動物由来食品の割合で分類した。最も多く植物食品を食べる集団は最も少ない群に比べて心血管系疾患リスクが16%低く、心血管系疾患で死亡するリスクは32%低く、全原因での死亡は25%低かった。この研究は一般人での植物由来食品の割合を検討した最初のもののひとつである。

観察研究であり因果関係を意味しない

もと論文オープンアクセス

PlantBased Diets Are Associated With a Lower Risk of Incident Cardiovascular Disease, Cardiovascular Disease Mortality, and AllCause Mortality in a General Population of MiddleAged Adults

https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.119.012865

(データがわりとしっかり記述されているので参考になる。植物ベースの食事を評価するために使った指標は4種類あってそれぞれに5分割して各群の特徴を記述してある。植物の割合が多い人ほど女性が多く黒人が少なく教育レベルが高く肥満や過体重が少なく喫煙率が低く飲酒量が少なく糖尿病や高血圧が少なく高脂血症薬を使用していて炭水化物摂取が多く脂肪摂取は少なく食物繊維摂取量は多い、など。この交絡を全て正確に調整できる?ちなみに計算上のエネルギー摂取量は1500-1700kcalなので1000kcalくらいはどこかにいっている、食事頻度調査はこんなもの。こういうものだとわかったうえで僅かな有意差がついたからああしろこうしろと主張するのが正当なのか、ということは考える必要がある。人の行動を制限するような強い主張にはそれにみあった強い根拠が必要。)

 

-気候変動は有害なメチル水銀へのヒト暴露を増やす可能性がある

Climate change likely to increase human exposure to toxic methylmercury

7-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/hjap-ccl080519.php

nature。海水温の              の上昇と水銀排出量の20%削減でタラの水銀は10%増加、アブラツノザメは20%増加と予測

 

-幹細胞研究所の風下に大穴

Natureワールドビュー

Wind-down of stem-cell institute leaves a void

07 August 2019 Jeanne F. Loring

https://www.nature.com/articles/d41586-019-02346-5

治療法の厳密な試験のために資金提供されているが、危険な可能性のあるニセの市場が意図せず活性化された

過去10年ほど、カリフォルニアの幹細胞研究者らは世界から羨ましがられていた。2004年のGeorge W. Bush大統領によるヒト胚性幹細胞研究への資金提供で、再生医療に30億ドルの税金が認められた。このことでカリフォルニアはこの分野の革新の中心になることが約束された。それからほぼ全ての研究費がカリフォルニア再生医療研究所(CIRM)から出された、しかし長くはなかった。6月にCIRMは新規研究費申請はもう受け付けないと発表した。資金は無くなり、研究者には幹細胞を使った治療法を開発するためのリソースは少なくなる。そしてその同じ月に、我々幹細胞研究者のうちの何人かが根拠のない幹細胞治療を行っていること、そして連邦当局から告訴されているお金儲けのためのクリニックから資金提供を受けていることがドキュメンタリーシリーズで特集された。我々はそのシリーズについて、そのクリニックが送った大量の宣伝メールで知り、映像製作会社は我々の要請に応じてインタビューの痕跡を削除した。

このことはCIRMの残した諸刃の遺産を明らかにする。CIRMは基礎科学を可能にし幹細胞療法の厳密な評価のノウハウを確立するのに役立った。しかし同時に意図せず規制されていない金儲けのためにいろいろな組織由来の細胞がどんな病気でも治せると宣伝する病院をたくさん作ることになった。

CIRMの意図は立派だったが、一般向けに希望をあまりにも高めすぎた。有権者の支持を得るためにキャッチーな宣伝文句を使った。スローガンの一つは「幹細胞で命を救おう」だった。効果的宣伝のために期待できることを大きく取り上げ欠点は軽視した。これまでFDACIRMの支援による治療法は一つも認可していない。しかしこのおかげで利益を得たのが700以上のあらゆる病気を治すと宣伝する幹細胞クリニックである。

私や同僚(幹細胞療法関連ベンチャーを創立している)は我々がこうした悪いやつらと一緒くたにされることに恐怖を感じる。彼らは人々を騙してリスクに晒している。彼らはあたかも科学コミュニティの一員であるかのように見せかけて人々を混乱させ、「幹細胞」は「ヘビの油(ニセ薬)」と同じ意味になった。

(以下略)

 

その他

-製造業者に不健康な食品の過剰なカロリーを減らすために課税を要求

Action on Sugar

Call for a Levy on Manufacturers to Reduce Excessive Calories in Unhealthy Food

7 August 2019

http://www.actiononsugar.org/news-centre/press-releases/2019/call-for-a-levy-on-manufacturers-to-reduce-excessive-calories-in-unhealthyfood-.html

砂糖税の導入に成功したので次は「カロリー税」を求める

 

-ベテランBBCスター:肥満の人は医療と地球を救うため死んでもらおう

Veteran BBC star: Let obese people die to save health care and planet

Aug 07, 2019

https://startsat60.com/discover/news/bbc-michael-buerk-let-fat-people-die-save-nhs-money

BBCのベテランプレゼンターMichael Buerk73才)が、英国のNHSのお金を節約し人口増えすぎを止めるために太った人は死ぬまで放置しようと主張。Radio Timesに今週語ったとSunが報道した。

(肥満を病気として治療することに反対、ということらしいが)

 

Michael Buerkの肥満騒動を減量専門家が擁護:「飢饉の時には誰も肥満にならない」

Michael Buerk obesity row defended by weight loss expert: ‘No one is fat in a famine’

Rishma DosaniWednesday 7 Aug 2019

https://metro.co.uk/2019/08/07/michael-buerk-obesity-row-defended-weight-loss-expert-no-one-fat-famine-10531983

Michael Buerk の肥満発言に多くのファンがショックを受けたが、Good Morning Britainの過熱した議論の中で減量専門家Steve Millerが彼のコメントを擁護した。「言葉の選び方はもっとよくできたかもしれないが、でもあなたが肥満ならそれはあなたの選択である」と述べた

(他の人は遺伝子のせい、環境が悪い等主張。こういうのを見ると何故東アジアの女の子達は太らないのかのほうが不思議)

 

-何故活性炭歯磨きはあなたが思うほど良くはないのか

Why charcoal toothpaste may not be as good as you think

By Rachel Clun August 7, 2019

https://www.theage.com.au/national/why-charcoal-toothpaste-may-not-be-as-good-as-you-think-20190806-p52ed5.html

最近活性炭練り歯磨きが人気だが、歯科医はそれは害のほうが大きいかもしれないと警告する

Norah Ayad博士によるとソーシャルメディアで急速に活性炭・ハーブ・重曹歯磨きが流行している。特に問題のない歯だった人が突然治療を必要とすることがあって、理由を聞いたところ10人以上が歯磨きを変えたという。オーストラリア歯科医師会の広報担当歯科医Mikaela Chinotti博士は活性炭は磨きの多くにはフッ素が入っておらずBritish Dental Journalによると一部は発がん物質が含まれる。しばしば歯を白くすると宣伝されている重曹と活性炭の歯磨きは研磨剤の作用があり汚れを落とすがエナメルも傷つける

(日本でも一部で見られる。フッ素や界面活性剤等をやたらと危険視する人達が何故重曹だけは万能扱いする)

 

-科学者が栄養革命を打ち出す

クイーンズランド大学ニュース

Scientists serve up a nutrition revolution

7 August 2019

https://www.uq.edu.au/news/article/2019/08/scientists-serve-nutrition-revolution

科学者グループが栄養を国の研究優先課題にするようもとめる。国の栄養委員会の座長のクイーンズランド大学のMike Gidley教授が、オーストラリア人がより生産的生活を送るためには栄養が重要である、という。

現在生物学が革新の最中で、人体には細菌やほかの微生物がヒトの細胞より多く含まれ、腸内細菌が食品や免疫系とどう相互作用しているのかは今後5-10年たたないとわからないだろう。このことは人体を全体的システムとして理解しようとしている栄養科学にとって大きな課題である。さらに人々の食べているものや栄養状態をより良く測定しようとするアプリやツールが多くの企業によって開発されている。これらはオーストラリア人が実際に何を食べているのかをより良く把握できる可能性がある。そしてソーシャルメディアに投稿されている不正確な情報に対抗する専門職能コミュニケーションとともに「信頼できる声」を確立する必要がある

(チョコで健康とか言っている我が国のなんとかよりはるかにまっとう)

 

-「マイクロバイオーム」が美の新しいバズワード

Why your 'microbiome' is the new buzzword for beauty

By Annie Brown August 8, 2019

https://www.smh.com.au/lifestyle/beauty/why-your-microbiome-is-the-new-buzzword-for-beauty-20190807-p52els.html

2019年の美のバズワードの一つが「マイクロバイオーム」

(まだよくわかっていないのに皮膚の微生物を増やす化粧品、とか不穏)

 

-コンポスト可能とされるChipotle Sweetgreenの食器はがんと関連する「永遠の化学物質」を含む

The bowls at Chipotle and Sweetgreen are supposed to be compostable. They contain cancer-linked “forever chemicals.”

August 5th, 2019 by Joe Fassler 

https://newfoodeconomy.org/pfas-forever-chemicals-sweetgreen-chipotle-compostable-biodegradable-bowls/

New Food Economyの検査で企業の秘密が明らかになった。繊維のみで作った食器にはPFASが含まれる

(環境に優しいと意識高い人向けに宣伝しているので。客観的科学的にリスクを評価しないで雰囲気だけでやっていると行き詰まるよね。何が「恐怖の○○」として突如流行するかわからないので)

 

-SMC UK

魚の毒素蓄積、乱獲、気候変動を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at toxin accumulation in fish, and overfishing and climate change

August 7, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-toxin-accumulation-in-fish-and-overfishing-and-climate-change/

natureに発表された研究が海水温の上昇と乱獲による餌の変化が一部の食用魚のメチル水銀蓄積をもたらすかもしれないと報告

栄養と消化管の健康の独立コンサルタントElizabeth Lund博士

魚のメチル水銀は懸念材料となる可能性はあるが現在の根拠は魚を食べることの利益のほうがリスクを上回ることを指摘している。ただし妊娠女性や授乳中の女性はある種の魚を避けるようにという現行の助言を守るように。この論文の主要ポイントは現行規制を緩和すべきではないように見える。

オーストラリアメルボルンRMIT大学化学准教授Oliver Jones博士

排出する水銀が減ると魚の水銀も減ると思うかもしれないが、この新しい研究によると間違っている。魚の食べるものが水銀の多いものになれば水銀は増える。これは賢い研究だが限界もある。Maine湾の過去のデータを使っているため他の海域にはあてはまらないかもしれない。モデルにたくさんの推定あるいは外挿データを使っていて結果にはエラーがあるだろう。

Ulster大学ヒト栄養名誉教授Sean Strain教授

この論文は質が良さそうで結果はありそうである。しかしこれはモデルからの予想であって実際の測定ではない。

1970年代から2000年代の大西洋タラの組織中メチル水銀の23%増加がヒト健康の強であるという主張には異議がある。メチル水銀が神経毒素であることは確かでそれは水俣病で強調されたが、自然界にある範囲の濃度で子どもから成人に至るまで続く神経認知欠損に関連するという主張には異論がある。

Ulster大学ヒト栄養上級講師Emeir McSorley博士

私達が関与したセイシェル子ども発達研究では、妊娠中に魚から多くのメチル水銀に暴露されることの影響を調べた。セイシェルの母親達は西洋諸国の母親達より10-100倍のメチル水銀に暴露されているが一貫してメチル水銀と神経発達に有害な関連はみつかっていない。実際最もメチル水銀濃度の高い母親のこどもたちのほうが一部の試験成績は良かった。これらの結果から私達は魚を食べることの利益はリスクを上回ると解釈した。

プレスリリースでは述べていないが水銀は火山活動にも由来し、従ってメチル水銀は人間の活動に関わらず環境中に存在しこれからも存在し続ける。水俣条約に従うことは賢明であるがタラのようなもともと水銀濃度の低い魚の水銀が少し増えたからといってヒト摂取のリスクになると主張するのは賢明ではないだろう

Plymouth大学環境毒性学教授Awadhesh Jha教授

この研究は興味深い知見を提供する。この研究は過去のデータを用いてモデル計算したもので現実世界にあてはめることには限界がある。今後の実験で妥当性が評価できるだろう

気温上昇の影響についてはますます世界的重要性が増している。

Southampton大学海洋生態学准教授Clive Trueman博士

この研究は興味深いシミュレーションで良く記述されている。しかしプレスリリースは誤解を招く、魚の水銀が実際に増えたのではなくモデルで増えると予想されているだけである。生態系は複雑で動物がそれにどう対応するのかについては限られた知見しかない。この研究にはたくさんの想定があり、それらは明確に記述されているが結果は実測値ではない。研究は興味深いもののプレスリリースはあまりよろしくない。モデル予想であることを明確にしていない。

MRC毒性学ユニット上級科学者Andy Smith教授

世界的な規制により人間活動に由来する水銀は近年減っている。魚のメチル水銀はヒトの神経認知発達欠損と関連することが示唆されている。この研究は不完全なデータを使ったモデルで魚のメチル水銀が増加すると予測する。これが消費者に直ちに影響するかどうかはわからないが、環境中水銀を減らす努力の重要性を強調する。

 

 

2019-08-07

[NHS]子供の「Fussy eating(偏食)」は「摂食障害のリスクを増加させる」-しかし、その増加はとても小さいものである

'Fussy eating' in children 'increases risk of eating disorders' – but increase is very low

Tuesday 6 August 2019

https://www.nhs.uk/news/pregnancy-and-child/fussy-eating-in-children-increases-risk-of-eating-disorders-but-increase-is-very-low/

「食事に関して、食べ過ぎる子、少しずつ食べる子あるいは食の好みにこだわりがある子はティーンエージャーで摂食障害になる可能性が高いかもしれない」とMail Onlineは報道する。そのウェブサイトのニュースは、英国の両親と子供を調査する長期的な研究プロジェクトのデータに基づいた最新の研究についての報道である。

研究者は両親に子供の食事のパターンを記録するよう求めた;特に少食、過食あるいはfussy eating(偏食)(新しいものを試すことを嫌がり、特定の食品のみを食べたがる子供と定義する)を調査した。

その後研究者はこれらのパターンと10代で報告される摂食障害と関連があるかを16歳の時点で調べた。

研究者は特定の子供の食事習慣のリスク増加を発見したが、まず第一に、子供の摂食障害発症のリスクはわずか1%であった。偏食の子と過食の子は1-2%リスクが高くなっただけであった。常に少食だった少女は特に拒食症のリスクがわずかに高くなった(6%)。しかし、これらすべては非常に低いリスクである。

両親や保護者はこの話に過剰に心配になるべきでなく、子供のうちは食事が乱れることはよくあることである。

 

[Codex]コーデックスは分析・サンプリング法を先導する

Codex leading the way in methods of analysis and sampling

17/07/2019

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1202156/

 コーデックス分析・サンプリング法部会(CCMAS)は、コーデックス規格に用いられている分析法に簡単にアクセスできるワンストップショップを作成するため、基幹文書を更新中である。分析・サンプリング法規格(CXS234)は、コーデックス規格への適合性を保証するために必要な分析法を提供することで、他の多くの規格をサポートしている。このCXS234の新しい全体構造が2019年7月のコーデックス総会(CAC42)で採択され、CXS234をコーデックスの分析法に関する単一の参照規格にしようという新しい取り組みが始まる。

分析法は規格の分析条項を確認する

例としてバターの乳脂肪を取り上げる。コーデックスオブザーバーの国際酪農連盟(IDF)の科学・規格プログラムマネージャー、Aurélie Dubois-Lozier氏は次のように説明する。「バターのコーデックス規格(CXS279)の規定では、バターの乳脂肪含有量は最低80%m/mでなければならないとしている。」CXS234は、この要件を検証するために国際標準化機構(ISO)とIDFから1つずつ、2つの方法を推奨している。「このようにタイプI又はタイプIIとして分類された分析法は、貿易紛争の際に使用されることを想定した参照法である。」と彼女は述べた。

ブラジルとウルグアイ(作業部会の共同議長国)は、CXS234に記載されている情報を他の規格に調和させ、コーデックス食品規格に記された分析条項についての適合性を評価するための分析法に関する単一の参照規格となるようCXS234の見直しを実施した。

米国石油化学者協会(AOCS)の技術サービス担当ディレクターでコーデックスオブザーバーであるScott Bloomer氏は、この作業がなぜ必要なのかを説明した。「CXS234には15の品目カテゴリーがあり、カテゴリー内の一部の分析法は特別な目的があって更新されてきたかもしれないが、およそ20年間、カテゴリー全体としての見直しはされていない。」AOCSはCXS234の油脂カテゴリーを見直す作業を引き受けた。油脂カテゴリーには7つの品目と約96の分析法が含まれていた。世界中から多くの科学者のボランティアによる助けを借りて、各分析法が、それぞれの目的に適しており、正しくリストに記載され、同等とされた分析法が真に同等であり、タイプが正しく分類されているようにするために見直しを行った。

適切であり続ける

「社会が変化しても適切であり続ける努力が必要だ」とBloomer氏は言う。CXS234の見直し作業を行うことで、各規格と、そしてその規格について検証するための分析法が、本当に正しく、指定された品目と分析条項を適切に検査できるものとなるだろう。

CCMASは、オブザーバーによる労力と専門知識が非常に重要となるコーデックスのシステムを明確に体現している。AOCSなどの規格開発機関(SDO)は、分析化学に関する世界トップクラスの専門家や、油脂の分析などさまざまな特殊分野の専門家など、多くの優秀な人材とつながっている。Dubois-Lozier氏は、「IDFは、乳製品、分析法、規格化の専門家を通じてCXS234の見直しに貢献することを優先事項とした。これはCXS234に記された分析法の正確さと適用性を確実にし、そうすることで、乳製品に関するコーデックス規格を補完する信頼できるツールとなる。」と述べた。

CCMASの議長であるハンガリー国立食品安全局の食品安全研究所所長Attila Nagy氏は、「CXS234の改定が部会の最も重要な作業となった」と述べた。データベース化が計画されており、「改定によって、品目、分析条項及びその他のデータについての新しい構造がつくられ、簡素化された。政府や検査機関は、分析作業に最も適した最新の分析法を見つけられるようになるだろう」と述べた。

ワンストップショップ

コーデックス規格に適合しているかの確認には、コーデックスが推奨する分析法が特に重要となる。コーデックス事務局のVerna Carolissen氏は以下のように述べた。「分析法(規格)を最新かつ適切で、簡単にアクセスできる状態に保つことが重要である。これを我々は、分析法に関するワンストップショップというかたちで達成しようとしている。そしてこれは、コーデックスのメンバーとSDOの支援と献身があって初めて可能となるものであり、この作業を支援する新しいガイダンスによって合意はより容易になるはずである。」

今日までの進歩が、共同作業の価値を示しており、いかにメンバー国の深い関与がコーデックス作業における革新的な取り組み、例えば品目グループに関連して分析法の更新を容易にする作業パッケージの開発など、につながるかを表している。

コーデックス事務局は、規格改定作業と、今後の政府及びその他の利害関係者による規格採用の両方を補佐するこの革新のプロセスを支援している。「コーデックス規格が現在と将来のニーズを満たす」ことを確保するという点でCCMASの作業が先導し、「やるべきことは、まだ沢山ある」とCarolissen氏は述べた。

 

[BfR]一部の抹茶に高濃度アルミニウム

High aluminium levels in some matcha tea samples

25 July 2019

https://www.bfr.bund.de/cm/349/high-aluminium-levels-in-some-matcha-tea-samples%20.pdf

 抹茶で高濃度のアルミニウムが検出され始め、BfRは抹茶を定期的に消費するヒトの健康リスクを評価した。過去5年間にドイツ国内のみで抹茶関連の165製品が記録され、その中には茶(39%)だけでなく、その粉末を使用したスムージーやアイスティー、ビスケット、ケーキ、シリアルなどの製品も含まれる。

 アルミニウムは抹茶を含めて茶で何度も検出されている。アルミニウムは地殻に含まれる最も一般的な金属で、土壌を介して植物に存在する。消費者は、加工・未加工食品、食品包装材、化粧品など他からもアルミニウムを摂取しているが、ヒトでの主な経口暴露源は飲料水を含む食品である。アルミニウムを多量に長期的に摂取すると神経系、生殖能、骨の発達に障害を与える可能性がある。EFSA(2008)は耐容週間摂取量を1 mg/kg体重と導出している。

 ドイツでの抹茶や茶粉末の摂取量に関する利用可能なデータがないため、抹茶の消費量にしては過剰推定ではあるが、健康評価には緑茶の消費量を用いた。総合的に、影響を受ける緑茶及び抹茶の消費者の割合は非常に少ない。

 ドイツ連邦政府のモニタリング機関から、BfRは3つの抹茶中のアルミニウム濃度データとして1743、1775、2350 mg/kgを提供された。5つのシナリオを設定して暴露評価を実施した。緑茶の摂取量データを利用して、他の摂取源がないとした場合に、アルミニウム濃度が測定されたうちの最大である抹茶を定期的に長期間摂取する成人ではTWIを超える可能性がある。

 全ての摂取源からのアルミニウム摂取量に関する現在入手可能なデータに基づくと、一部の集団では長期的にEFSAが導出したTWI(1 mg/kg体重)の2倍以上になる可能性がある。その上さらに、消費者にとってのこの状況を考えると、茶のような一つの食品を定期的に(毎日)摂取することによる追加のアルミニウム摂取は、定期的摂取でそれだけでもTWIの相当な割合を占める、あるいは明確に超過するので、毒性学的観点から許容できない。入手可能なデータに不足があるため、健康リスク評価には大きな不確実性があり、さらなる研究が必要である。

 最後に、非常に数少ない検体による評価であり、抹茶の通常のアルミニウム濃度での健康リスクや、食品としての抹茶の総合的な健康評価に関する結論は出せないことを強調している。

BfRリスクプロファイル

一部の抹茶に高濃度アルミニウム(Opinion No. 027/2019)

‒            影響を受けるグループ:一般集団

‒            生涯を通じてアルミニウム含有抹茶を毎日摂取することにより健康障害を受ける可能性:5段階のうち三番目(可能性がある:Possible)

‒            その健康障害の重篤度:重篤化は希

‒            利用可能なデータの信頼性:3段階のうち一番下(低い、多数の重要なデータがない又は一貫性がない)

‒            消費者によるコントロールの可能性:4段階の下から二番目(避けることでコントロール可能)

 

[BfR]トウアズキ、トウゴマとその仲間―エキゾチックなお土産は有毒な植物の種子を含む可能性がある

Jequirity bean, castor oil plant & Co. – exotic souvenirs can contain poisonous plant seeds

BfR Communication No. 024/2019 of 3 July 2019

https://www.bfr.bund.de/cm/349/jequirity-bean-castor-oil-plant-%26-co-exotic-souvenirs-can-contain-poisonous-plant-seeds.pdf

美と危険が同時に―この表現は多くの有毒植物の種子に当てはまる。色鮮やかで魅力的な外見のおかげで、種子が、ジュエリー製造の装飾や、楽器やおもちゃの飾りとして使われることもある。そのような製品はいくつかの国の商店街やお土産市場で見つけられ、ドイツ人観光客にも人気がある。素敵な記念品を探す休日の行楽客は、種子由来健康リスクに気付いていないことが多い。

一例に、国により多くの他の名前を持つ「トウアズキ」がある。その種子には世界で最も強力な植物毒の一つ、アブリンが含まれる。75 μg (マイクログラム)、種子たった一つで、成人に重度の中毒を引き起こすのに十分なアブリンが含まれている。子供では75 μg~150 μgの用量で死に至ることがあり、乳児の致死量はかなり低い。嘔吐、下痢、痙攣を伴う重度の胃炎、かなりの脱水症状を伴う腎臓及び循環障害、中枢神経系の麻痺、数時間から2日間後に死亡することすらある。

この種子を丸ごと飲み込んでも、頑丈な外殻のおかげで中毒リスクは低い。だが、ジュエリーを作るために穴をあけられたり、誤って口の中で噛んだりして殻が破損していたら、植物毒素が放出されることがある。トウアズキを他の食用の種子と間違えるリスクもある。例えば、あるドイツ人観光客は、トウアズキを含むことが判明したカラフルなペッパーミックスをチュニジアから持ってきた。

別の有毒な植物成分の例は「トウゴマ」である。紅葉するため装飾用の観賞植物として公園や庭でよくみられる。ここでは、「奇跡の木」や「キリストの手のひら」としても知られるこの植物の全ての部分に強力な毒リシンが含まれ、中毒の兆候はアブリンと似ている。この植物の豆のような形をした種子は球状のとげのある実にあり、高濃度のリシンを含んでいる。それらはジュエリー製造にも使用され、特に子供がうっかりナッツと間違えることがある。

経口摂取後の致死量は1 mg/kg体重(およそ5~10粒のトウゴマの種子に相当する)の範囲と推定されている。数個(3~5粒)のトウゴマを噛んで摂取しただけで、子どもでは致命的な中毒を起こす可能性がある。

マメ科植物の実に由来する装飾用「天然ビーズ」の範囲は広く、オルモシア(ワイルーロ)、タンキリマメ、テキサスマウンテンローレル、レッドサンダルウッドなどの他の植物の種子にも当てはまる。いくつかの植物では、現在、含まれる成分の毒性影響に関する情報はほとんどない(例:アルカロイド)。

この理由から、BfRは、エキゾチックな国々において植物種子で装飾された製品を購入する際に、あるいはペッパーミックスの場合のように、誤って食用成分を含むと信じているものに特別な注意を払うよう、特に観光客に助言している。

(カラー写真あり)

 

[BfR]マイクロプラスチック:事実、研究、未解決の問題

Microplastics: Facts, research and open questions

FAQ to the BfR of 5 June  2019

https://www.bfr.bund.de/en/microplastics__facts__research_and_open_questions-192775.html

(以前のQ&Aへの追加部分のみ)

食品を介したマイクロプラスチック粒子の摂取を通じて健康障害は起こりうるのか?

 最新の入手可能な知見によると、食品中のプラスチック粒子にヒトへの健康リスクがあるのか評価されていない。BfRで実施した多様なモデル粒子を用いたマイクロ粒子の経口摂取に関する初期の独自試験では、小腸組織への傷害は見られなかった。データが不足しているため、小腸壁へのマイクロプラスチックの影響の総合的な評価ではなく、その後のリスク評価もできていない。

 マイクロプラスチックの知見については、今後数年間のうちに著しく増え、起こりうる健康リスクのより良い評価が可能になるだろうと予想される。

 そして、1 mmより小さいマイクロプラスチック粒子は腸管を通って完全に排泄されることも推測されてきた。より小さな粒子の体内での全身分布については、これまでほとんど知られていない。EFSAによると、150 µm未満(1 µmは0.001 mm)の粒子は基本的に小腸壁を通過できるが、1.5 µm未満の粒子のみが体内に分布する可能性がある。入手可能な試験では、齧歯類において0.04~0.3%と小腸での吸収は少ないことが示されている。体内での全身分布についてはほとんどわかっていない。ヒトへのマイクロプラスチックの影響に関する公表資料は現在ない。

マイクロプラスチックはその他の望まれない物質の輸送担体となりうるか?

 物質がマイクロプラスチックに吸着することが報告されている。例えば、ポリ塩化ビフェニル類(PCB)や多環芳香族炭化水素(PAH)は、物理学的な表面特性によりマイクロプラスチックと作用しうる。物質が吸着したマイクロプラスチック粒子の摂取がヒト暴露に実際に寄与するのかはまだ研究されていない。粒子に結合した汚染物質が再び放出されるのかどうか、それともそれら汚染物質は粒子と永遠に結合したままなのかは、どちらも十分に研究されていない。

 EFSAのモデル計算によると、二枚貝に含まれる汚染マイクロプラスチック粒子の摂取を介したPCBとPAHの一日摂取量は、他の摂取経路に比べて、PCBではたったの0.006%、PAHは0.004%未満である。極端なシナリオとして、7 µgマイクロプラスチック/kg二枚貝を含む二枚貝を毎日225 g摂取し(900粒子相当)、高濃度のPCBとPAHが消費者に完全に移行されるという状況を仮定した。

 

[FDA]FDAはがんやアルツハイマー病、オピオイド離脱症状、痛み、ペット不安症の治療を根拠なく謳った未承認カンナビジオール製品の販売業者に警告する

FDA warns company marketing unapproved cannabidiol products with unsubstantiated claims to treat cancer, Alzheimer’s disease, opioid withdrawal, pain and pet anxiety

July 23, 2019

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-warns-company-marketing-unapproved-cannabidiol-products-unsubstantiated-claims-treat-cancer

 本日FDAは、がんやアルツハイマー病、オピオイド離脱症状、痛み、ペット不安症、その他の状態や疾病を治療する製品であると根拠なく謳った未承認のカンナビジオール(CBD)含有製品をオンライン上で違法に販売したとして、マサチューセッツ州ウェイクフィールドのCuraleaf Inc.に対して警告文書を送付したことを報告する。FDAは、当該業者に対して改善の方法について15営業日内に返答するよう要請している。

 大麻及び大麻由来成分、特にCBDを含む製品への関心が高まり、FDAはこれまでも、そして今後も、CBD由来製品の規則を策定するために組織全体で協力的に取り組み続けていく。FDAは高レベルの内部作業グループを設立し、さまざまなCBD製品の合法販売についての道筋を探索している。特に安全性に関する情報の収集と評価の作業が重要だと考えている。

 CBD製品は、オイルドロップ、カプセル、シロップ、茶、局所ローションやクリームといった多様な形態があり、オンラインを介して販売されるため米国全土で購入できる状況である。FDAは1つの処方薬を承認したが、それ以外に承認したCBD製品はない。CBD製品の根拠のない宣伝は、消費者を適切な診療、治療、支援などの重要な医療処置から遠ざけることになるだろう。FDAは、ペットを飼う人達に向けても、CBD製品について警告し、ペットの適切な治療については獣医師に相談することを勧める。承認された動物向け大麻及び大麻由来成分はない。

 

[ODS]The Scoop 消費者向けニュースレター- 2019 夏

The Scoop - Summer 2019

https://ods.od.nih.gov/News/The_Scoop_-_Summer_2019.aspx

スクープは何?ダイエタリーサプリメントに関するQ&A

  1. 私の17才の娘がベジタリアンになることを決心した。私は彼女が鉄不足になるのではないかと心配している。彼女は鉄サプリメントを摂取すべきなのか?
  2. そのことを決めるには、かかりつけの医療関係者に聞くのが最善である。10代の少女にとって鉄の一日推奨量は15 mgである。肉や家禽類、水産物、そして豆類やナッツ、野菜などに鉄が多く含まれている。他に、多くの鉄強化パン、シリアル、その他の穀類製品には鉄が添加されている。ベジタリアンは食品から十分な鉄を摂取することができる。しかし、植物性の食品に含まれている鉄の型は体に吸収されにくい。そのため、ベジタリアンは、そうでない人達のおおよそ2倍量の鉄を摂取する必要がある。
  3. ビタミンB6はPMSの症状を緩和するか?
  4. ビタミンB6は月経前症候群(PMS)に役立つかもしれないが、科学者達は確信していない。いくつかの研究は、ビタミンB6のサプリメント(一日に約80 mg)を摂取することがPMSの症状を緩和させるだろうことを示している。しかし、そのことを確認するにはより多くの研究が必要である。そして重要なこととして、サプリメントでビタミンB6を過剰に、成人なら一日に100 mg以上、摂取すると重度の神経系障害や他の問題を生じる可能性がある。
  5. 私の息子はADHDであり、医薬品は使用したくないと考えている。役立つサプリメントはあるのか?
  6. 多くの親が、ダイエタリーサプリメントが子供達の注意欠陥・多動性障害(ADHD)に役立つのかどうか知りたがっている。残念ながら、ほとんどのサプリメントは役立たず、いくつかのサプリメントは危険でさえある。もしダイエタリーサプリメントのような自然療法を考えているなら、関係機関の情報を見たり、医療関係者に相談しよう。

 ビタミンとミネラルはADHD向けの最も一般的なサプリメントである。もし息子さんが欠乏症であれば、医療関係者は食事の変更や特定のダイエタリーサプリメントの摂取を勧めるかもしれないが、必要でない摂取や過剰な摂取には有害となる可能性があることを覚えておこう。

ニュース

           カンナビジオール(CBD)やその他の大麻由来化合物を含む製品の人気が急上昇している。だが、それらの有効性や安全性、品質、規制についての疑問にはまだ答えがでていない。違法製品もあり、有害な作用を引き起こす可能性さえある。FDAが消費者向け情報を更新した。https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/what-you-need-know-and-what-were-working-find-out-about-products-containing-cannabis-or-cannabis

           NIH助成研究はビタミンDサプリメントが2型糖尿病を予防しないことを発見した。2型糖尿病の発症リスクが高い米国成人2,423名を対象にした研究。https://www.nih.gov/news-events/news-releases/nih-funded-trial-finds-vitamin-d-does-not-prevent-type-2-diabetes-people-high-risk

 

[ヘルスカナダ]情報更新:ヘルスカナダはアプリコットカーネルの摂取のリスクに関して国民に再度注意を喚起する

Information Update - Health Canada reminds Canadians about the risks of consuming apricot kernels

July 25, 2019

https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2019/70545a-eng.php

 ヘルスカナダはアプリコットカーネルの摂取によるシアン化物中毒のリスクに関して市民に再度注意を呼び掛ける。

 アプリコットカーネルには食べるとシアン化物が遊離するアミグダリンを天然に含む。ヒトの体は、少量のシアン化物なら排泄できるが、多量の場合にはシアン化物中毒になり、死亡する可能性もある。ヘルスカナダは国民をシアン化物中毒のリスクから保護するために、カナダ国内で食品として販売されるアプリコットカーネルに含まれる抽出可能なシアン化物の総量について最大基準値(20 ppm)を設定した。この最大基準値は、食品中の汚染物質及び混入物質のリストに加えられ、2020年1月25日に発効となる。発効日以前は、子供には決して食べさせてはならず、成人は一日に3粒未満にすること、そして砕いて他の食品と混合すること、という助言を継続する。

*Notice of Modification to the List of Contaminants and Other Adulterating Substances in Foods to Add a Maximum Level for Cyanide in Apricot Kernels

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/public-involvement-partnerships/modification-permitted-maximum-level-cyanide-apricot-kernels.html

 

[HK] 法令違反サンプル結果。ミニ上海菜サンプルの一つに基準値超過の残留農薬

Pesticide residue exceeds legal limit in baby Shanghai greens sample

Tuesday August 6, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190806_7568.html

食品安全センターが検査したところ、ミニ上海菜サンプルにおいて、クロルピリホスが最大残留基準値0.1ppmのところ、0.34ppm検出であった。

 

[FDA]警告文書

-Atlantic Bakery Ltd. d.b.a. Old School Bakery

Jul 12, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/atlantic-bakery-ltd-dba-old-school-bakery-580244-07122019

食品CGMP規則違反、製造、包装または衛生管理、不純品の問題。

 

-Sinu Co., Ltd

Jul 24, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/sinu-co-ltd-585410-07242019

水産食品HACCP、食品CGMP規則違反、不純品、衛生管理の問題。

 

-Premium Production LLC

Jul 29, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/premium-production-llc-579705-07292019

ダイエタリーサプリメントのCGMP違反、不純品の問題。

 

-U.F.S. Industries, Inc. d.b.a. Sally Sherman Foods  

Jul 30, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/ufs-industries-inc-dba-sally-sherman-foods-580946-07302019

水産食品HACCP、食品CGMP規則違反、不純品、衛生管理の問題。

 

[FAO]気候変動に直面してアフリカの食糧安全保障にはより大きなレジリエンス(回復力)が必要

Greater resilience needed for African food security in the face of climate change

6 August 2019

http://www.fao.org/news/story/en/item/1204149/icode/

FAOや世界銀行等が協賛しルワンダ政府がホストを務めたアフリカ食糧安全保障リーダーシップ対話。

農家は常にイノベーターでなければならない。情報、技術、投資が必要で、革新の対話に参加すべきである。

(変化を拒否し農家を蚊帳の外におくEUがアフリカに影響力をもっているのが現状)

 

[FSSAI]メディアから

FSSAIの包装中へのおもちゃ指令の後、Nagpurの子どもがおもちゃを飲み込んで病気になった

After FSSAI’s toy in pack directive, Nagpur kid ingests toy, falls il  

05-08-2019

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Toy_FNB_05_08_2019.pdf

FSSAIが食品事業者に対して食品包装の中におもちゃを含めないように助言した直後に、Nagpur市の子どもが贈り物としてもらった食品パッケージの中に入っていたおもちゃを飲み込んで病気になった。この報告を受けてFDA Maharashtraは食品事業者に、さらなる指示があるまでその製品の製造を中止するよう求めた。問題の製品はRock and Roll -Taggy Corn Rings。

(どういういれかただったのかわからないけれどスナックの袋の中に入れるのはさすがにダメだろう。チョコエッグは微妙。食玩は間違えないと思うけど)

 

論文

-母子の健康と栄養:PLOS Medicine特集号の第一週

Maternal and child health and nutrition: Week 1 of the PLOS Medicine Special Issue

6-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/p-mac073019.php

妊娠中に糖尿病、貧血、過体重だと女性の出産関連合併症リスクが高く、子どもが大きくなってからの健康にも影響する。数週間続く特集。

 

-USPSTFは症状のない成人への膵臓がん検診についてはまだ薦めない

USPSTF still recommends against screening for pancreatic cancer in asymptomatic adults

6-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/jn-usr080119.php

JAMA.2004年の助言を再確認

 

-ハンバーガーはそれほどアメリカ産ではないってどういう意味?

What do you mean the hamburger isn't all that American?

6-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/icft-wd080119.php

科学者とグラフィックデザイナーが協力して魅力的で情報が伝えられる、驚くようなビジュアルで研究のコミュニケーションを強化する

食品と農業分野の研究室にグラフィックデザイナーとメディアコンテンツクリエーターを協力させてコミュニケーションの強化を試みた。Nature Communications Biologyに発表。

https://www.nature.com/articles/s42003-019-0516-1

グラフィクスは以下から

https://datadryad.org/resource/doi:10.5061/dryad.7j5d5t0

 

-食事由来コリンは認知症リスク低下に関連

Dietary choline associates with reduced risk of dementia

6-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/uoef-dca080619.php

American Journal of Clinical Nutritionに発表された、フィンランドの約2500人の42-60才の男性を1984-1989年以降平均22年フォローした研究。ホスファチジルコリンの摂取量が最も多い男性は最も低い男性より28%認知症リスクが低かった。ホスファチジルコリンの主な摂取源は肉と卵。

 

-情動的支援をする動物の流行傾向

The growing trend of emotional support animals

6-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/uonm-tgt080619.php

研究者らは認証のための標準評価を提案

食品小売店にイヌ、飛行機の客室にネコ、コーヒーショップにトリ-情動サポート動物(ESAs)とよばれるコンパニオン生物が、これまで動物がいなかった場所にますます増えている。情動疾患や精神疾患と診断されている人の情動援助のために「認証された」動物を提供することが増えている一環である。米国心理学会のProfessional Psychology: Research and Practiceの論文で、Jeffrey Younggrenらがガイドラインを提案している。

(効果についてで、食品衛生とか感染症の考慮はされてない、盲導犬並に認めるとなると大変そう・・だって鳥なんかあちこちにおとしものする)

 

その他

-米国の科学者への信頼は軍と同程度

Natureニュース

US trust in scientists is now on par with the military

06 August 2019

Heidi Ledford

https://www.nature.com/articles/d41586-019-02389-8

研究者への信頼は増加している可能性があるが、研究不正や利益相反への懸念は残る

Pew Research Centerが行った4000人以上の調査結果が8月2日に発表された。

(グラフ有り。軍、宗教指導者、ニュースメディア、政治家が比較対象。)

 

-人間対地球:人新世を定義するためのクエスト

Natureニュース特集

Humans versus Earth: the quest to define the Anthropocene

06 August 2019  Meera Subramanian

https://www.nature.com/articles/d41586-019-02381-2

研究者らは新しい地質学的時代を指定できるかもしれない核の破片や水銀汚染、その他人類の活動の足跡を探っている

カナダのCrawford湖は小さいのに深いため水が完全に混ざることが無く泥の層が約1000年の過去を反映したものになっている。世界には他にも人新世の始まりの指標になる可能性があるとして研究されている場所がある。人新世はまだ公式に認められていない地質学的年代である。

 

-赤肉と鳥肉摂取と乳がんリスクを調べた研究への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to study looking at red meat and poultry consumption and breast cancer risk

August 7, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-red-meat-and-poultry-consumption-and-breast-cancer-risk/

International Journal of Cancerに発表された研究で、赤肉摂取は女性の乳がんリスクを増やすかもしれないが、家禽肉は保護的に働くかもしれないと報告する

Royal Marsden NHS財団トラスト腫瘍学コンサルタント栄養士Clare Shaw博士

この研究は質が高いものの、プレスリリースにはいくつか保留したい-そして論文にはいくつかの限界があるため報道には注意すべきである。

プレスリリースはたくさんの他の要因-飲酒、運動、喫煙-について正確に述べていない、論文では言及しているのに。これらの要因を考慮すると赤肉と乳がんリスクに有意な関連はなくなる。さらにこの研究の参加女性は全て近親者ががんである。このことはのべるべきである。この研究は関連であって因果関係ではない。また食事についての質問は最初に一回だけでありその後7年は評価されていない。

Cambridge大学がん疫学教授Paul Pharoah教授

関連は因果関係ではないことを思い出すのはいつだって重要である。著者らはプレスリリースと論文で因果関係を仄めかす言葉を使っているが、因果関係は確立されていない。

このような弱い関連は僅かなバイアスで簡単に生じる。あるいは交絡でも。赤肉の摂取量を減らす理由はたくさんあるが、この研究は食生活を変える理由にはならない。

King’s College Londonがん疫学准教授Mieke Van Hemelrijck博士

この研究では赤肉摂取と乳がんリスクの関連を示しているがこのリスクは相対リスクであることに注意。つまり23%のリスク増と言っているが絶対リスクは小さい。さらに姉妹が乳がんの女性の研究である-従って一般人にあてはまるのかはわからない。そして観察研究なので因果関係は主張できない

 

(オーストラリアSMCからのコメントは以下に

Poultry protection: Eating chicken may defend against breast cancer

Wed 7 Aug 2019

https://www.scimex.org/newsfeed/poultry-protection-eating-chicken-may-defend-against-breast-cancer

プレスリリースのタイトルは「赤肉を鳥肉に代えれば乳がんリスクが減るかも」なので因果関係を主張

Substituting poultry for red meat may reduce breast cancer risk

7-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/w-spf080619.php

これは出版社からのプレスリリース、著者はNIEHSのDale P. Sandler博士でこのシスタースタディでこんな発表もしている

Association Between Organic Food Consumption and Breast Cancer Risk: Findings from the Sister Study (P18-038-19)

https://academic.oup.com/cdn/article/3/Supplement_1/nzz039.P18-038-19/5517295

わりと雑に因果関係を主張する人達のようだがNIEHSの疫学部門の主任。)