2020-02-05

[BfR]「竹製品(bambooware)」として販売されているコーヒー持ち帰りカップのようなメラミンホルムアルデヒド樹脂でできた充填容器は熱い食品に有害物質を溶出する可能性がある

Fillable articles made from melamine formaldehyde resin, such as coffee-to-go cups sold as ‘bambooware’, may leak harmful substances into hot foods 

25 November 2020

https://www.bfr.bund.de/cm/349/fillable-articles-made-from-melamine-formaldehyde-resin.pdf

BfR意見書No 046/2019 2020年11月15日発行

メラミンホルムアルデヒド樹脂(MFR)として知られているプラスチックは、特に破損に強く、そのため食器製品の製造によく使用される。最近、竹繊維のような代替材がこのプラスチックの増量剤として使用が増加しつつある。このようにして製造された製品はしばしば「竹製品(bambooware)」と表され、市販されている。

BfRは、例えばコーヒー、茶あるいはベビーフードのような熱い液体食品を食べる場合、再利用できるコーヒー持ち帰り用カップ、子供用カップや皿のような、MFRの食品用容器を日常的に使用することが健康にとってリスクとなるかどうか評価した。長期的かつ大量のメラミンの定期的な摂取は尿路結石を生成し、腎臓に損傷を与えることがある。動物実験において、長期的な高濃度のホルムアルデヒド摂取により胃の炎症が観察された。

 BfRの今回の健康リスク評価は、ドイツ食品監視局により提供されたデータ及び独自の試験データに基づく。EU規則No10/2011に記された、疑似溶媒3%酢酸、70℃、2時間の試験データである。概して、データはマグ、カップ及びボール皿の366検体(「従来型」MFR 138検体、「竹製品」228検体)からのホルムアルデヒド溶出と、291検体(「従来型」MFR 111検体、「竹製品」180検体)からのメラミン溶出に関して使用できた。評価は「従来型」MFR食器製品と「竹製品」で区別された。BfRにはここで考慮されるサンプルがドイツ市販の典型的に利用されるMFR食器製品を正確に反映するかどうかの確認情報はない。

BfRのリスク評価は、1週間に5日間、再利用できるコーヒー持ち帰り用カップから成人がコーヒーを消費するという仮定に基づいた。幼児はMFR製のカップ、マグあるいはボール皿から茶、乳製品飲料あるいはベビーフードを毎日食べると仮定された。これらの仮定は摂取量調査の結果に基づく。

健康リスクの可能性を評価するために、BfRはメラミンとホルムアルデヒドそれぞれの予測される1日の暴露量を、健康に基づくガイダンス値である、いわゆる耐容1日摂取量(TDI)と比較した。TDIは人が一生涯にわたり摂取しても健康に対する有害な影響が現れないと推定される1日当たり摂取できる物質の量と定義する。

メラミンにおいて、BfRは2010年欧州食品安全機関(EFSA)が導出したTDI 0.2 mg/kg体重/日を使用した。ホルムアルデヒドについては、BfRが0.6 mg/kg体重/日というTDIを導きだした。しかし、成人における食品接触物質からのホルムアルデヒド摂取は、このTDI値の20%を超えるべきでないということに注意することが重要である。これは食品の種類によってはホルムアルデヒドが自然に発生するためである。加えて、BfRはホルムアルデヒド摂取による健康リスクの可能性は、単に1日の総摂取量だけでなく、食品のホルムアルデヒド濃度にも左右されると考える。それに応じ、BfRはTDIに加え、食品接触物質によるホルムアルデヒド移行から生ずる食品中の最大耐容ホルムアルデヒド濃度も導き出した。

結果:大まかに「竹製品」の4つに1つは、ホルムアルデヒドの溶出量が成人においてTDIの最大30倍以上、子供において最大120倍以上である暴露量になった。また、食品(食品模擬物質)中の最大耐容濃度は、このグループの食器製品サンプルからのホルムアルデヒド溶出(最大約90倍超)は有意に超過した。調査された他の残りの「竹製品」のホルムアルデヒド溶出は大幅に低かった。それでもやはり、「従来型」MFR食器製品からの溶出と比較すると平均で約30%高かった。もし、消費者が非常に頻繁にこれらの材質で作られた食品用容器を使用するならば、1日のホルムアルデヒド暴露量はTDIよりも約3倍近く高い可能性がある。食品(食品模擬物質)中の最大耐容ホルムアルデヒド濃度は、「従来型」MFR食器製品では12%、「竹製品」では27%超過した。

メラミンに関して、「竹製品」からの平均溶出は「従来型」MFR食器製品からの平均溶出より2倍以上高い。成人にとっては、測定されたメラミン溶出では健康リスクを引き起こさない。しかし、幼児がMFRの食器製品、特に「竹製品」から非常に頻繁に熱い食品を食べるならば、彼らの1日の暴露量はTDIの最大3倍になる可能性がある。そのため、消費者が熱い液体食品をMFR食器製品に入れ、日常的にこれらの食品を食べる場合、BfRは可能性ある健康リスクの増加を考慮する。長期的に非常に高いホルムアルデヒド溶出で「竹製品」を日常的に使用した場合、 BfRは健康リスクの増加の可能性があると考える。

非常に類似した食器製品において反復試験したが、繰り返しによってメラミンの溶出が増加することも示された。これらの結果は、熱い液体の接触により、材質が劣化し、損傷することを示す。BfRの意見書では、そのためMFRは、例えば再利用できるコーヒー持ち帰り用マグあるいはカップでも同様に、熱い液体食品との接触における繰り返しの使用に一般的に適さないとする。これに応じ、BfRはMFR食器製品からの熱い食品や飲料の摂取をしないよう推奨する(公表済みの意見書opinion no. 012/2011)。この推奨は「従来型」MFRと特に「竹製品」の食器製品両方に当てはまる。

再度であるが、BfRはすべてのMFR製食器はオーブンレンジ使用に不適切であると指摘する。しかし、MFR食器製品は高温でのみ、健康に関連する濃度のメラミンやホルムアルデヒドの溶出が発生するので、常温では食品を安全に消費するために使用できる。

消費者の健康が適切に守られていることを保証するため、BfRは欧州プラスチック規則(Regulation (EU) No 10/2011)で設定された特定移行限度量(SML)のホルムアルデヒド量を食品1kgあたり15mgから6.0mgへ引き下げることを推奨もしている。

BfRリスクプロファイル

(Opinion no. 046/2019)

  1. 影響を受ける集団:一般集団、子供
  2. 毎日消費することによる健康障害の可能性:可能性がある(possible)・ありそうだ(likely)(5段階の上から2・3番目)
  3. 毎日消費することによる健康障害の重篤度:中程度・不可逆的(4段階の上から2番目)
  4. 利用可能なデータの信頼性:中程度(いくつかの重要なデータが不足又は一貫性がない)
  5. 消費者が自分でコントロール可能か:予防的措置や避けることでコントロール可能

 

[NHS] 研究は一般的な食品の組み合わせは認知症のリスクを減らすと示す

Study claims a common food compound could lower dementia risk

Monday 3 February 2020

https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/study-claims-common-food-compound-could-lower-dementia-risk/

「たくさんのケールを食べながら、お茶や赤ワインを飲むことはアルツハイマー疾患の「リスクを削減するだろう」とMail Onlineは報道する。

この話が馴染みのあるもののように思えるならば、その通りである。数十年にわたり、科学者は、お茶、赤ワイン、果物及び緑の野菜に含まれるフラボノールと呼ばれる化学物質の効果の可能性について調査してきた。

果物や野菜のような食品は、心疾患、脳卒中及び特定の種類のがんを減らすことができるという有力なエビデンスがあるので、健康的な食事の重要な一部であるということが分かっている。しかし、フラボノールをサプリメントとして別に摂取しただけで健康効果が再現できるかはわかっていない。

従来の研究で、赤ワインについてのエビデンスは一貫性がないとわかった。

さらに、可能性ある恩恵はすべて、推奨以上のアルコールを飲んだ場合のリスクを上回るものではない。

この研究は米国の平均年齢81歳の921人の食生活を調べ、その後年に一度健康診断をし、6年間追跡した。研究期間中、約24%がアルツハイマー疾患を発症した。研究者は、フラボノールの最も豊富な食生活をした人は、フラボノールの摂取が最も少ない食生活の人と比較し、アルツハイマー疾患発症が40%低いことを発見した。

研究は他の健康やライフスタイルの要因あるいは他の食品中の栄養素が影響している可能性があるので、特にフラボノールが疾患リスクに寄与するかどうか証明はできない。しかし、これにもかかわらず、我々がこれまでわかっていること―たくさん果物や野菜を食べることは認知症予防に役立つ可能性があるということ、に説得力を与える。認知症のリスクを減らす可能性がある他のことは、活動的であること、喫煙しないこと、及び過度にアルコールを飲みすぎないこと(見出しに反するが)である。

 

[NHS] 新たなレビューによると、赤肉や加工肉は「再びメニューに載らない」

Red meat and processed food 'not back on the menu' according to new review

Tuesday 4 February 2020

https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/red-meat-and-processed-food-not-back-on-the-menu-according-to-new-review/

Mail Onlineは週に2度豚肉や牛肉を食べると心疾患のリスクが7%上昇すると述べ、「赤肉は実に体に悪い」と報道する。一方Sunは週に2度鶏肉を食べることは、リスクを上昇させると助言する。

ソーセージやベーコンなどの加工肉の多い食生活からの健康リスクは確立されているように思われた。世界保健機構(WHO)は、加工していない赤肉(例えば牛肉)は、おそらく発がん性がある(probably causing cancer)に分類されるが、加工肉は、発がん性がある(cancer-causing)に分類されると述べる。同様に、高塩分、高飽和脂肪の食事は循環器疾患(CVD)と関連し、赤肉及び加工肉の高摂取の人はしばしばこのグループにも分類される。

しかし、これらの知見のいくつかは、「赤肉と加工肉はおそらく健康に有害でないだろう」という報告がされた論争のある2019年発表(当時取り上げた)のレビュー後、少なくともメディアのいくつかにおいて、疑いがかけられた。

今回、最新の研究は6つの米国研究からの知見をまとめた。その研究は、食品アンケートに答えた後、約20年間追跡調査された約30,000人の中年成人を含んだ。1週間に2食分の加工肉を食べた人は、全く食べなかった人と比較してCVDの発症リスクが7%上昇した。

1週間に赤肉あるいは鶏肉を2食分食べた人は、リスクが3%から4%上昇した。

しかし、絶対的には、1週間に2食分食べることはCVDの個人のリスクのベースラインを約1から2%上昇させるだろう。個人にとってこれらはとてもわずかなリスク上昇であるが、これらの食品は人気があるので、集団レベルでは影響があるだろう。魚の消費とCVDリスクの関連は発見されなかった。

この関連には追加の研究を必要とするが、この知見は加工肉を最小限の消費にし、塩分や飽和脂肪を抑える、健康的なバランスのとれた食生活についての理解をさらに裏付けるものである。

 

[HK]新型コロナウイルスの予防に関する食品安全助言とよくある質問

Food Safety Advice on Prevention of Novel Coronavirus and FAQs

Tuesday, February 4, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/whatsnew/files/Food_Safety_Advice_on_Prevention_of_Novel_Coronavirus_20200204_4.pdf

食品安全センター及び食物環境衛生署は、WHOの新型コロナウイルスに関する健康と食品安全の推奨に基づき、市民へ注意を呼び掛ける。

 

[HK]違反

-アスパラガスのサンプルに基準値超過のカドミウムが検出された

Asparagus sample detected with cadmium exceeding legal limit

Tuesday, February 4, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20200204_7816.html

食品安全センター及び食物環境衛生署は、アスパラガスのサンプルから0.2ppmのカドミウムが検出されたと発表した。

 

-包装オートミールサンプルが食品表示規則に違反

Prepackaged oatmeal sample not in compliance with food label rules

Monday, February 3, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20200203_7812.html

食品安全センター及び食物環境衛生署は、包装オートミールサンプルに申告のない甘味料ステビオール配糖体を検出した。

 

-缶入り炭酸飲料サンプルが食品表示規則に違反

Canned carbonated drink sample not in compliance with food label rules

Monday, February 3, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20200203_7813.html

食品安全センター及び食物環境衛生署は、英国産缶入り炭酸飲料サンプル3種(Volvic Tangy Lemon & Grapefruit、Volvic Zesty Lemon & Lime、Volvic Citrusy Lemon & Orange)に申告のない甘味料ステビオール配糖体を検出した。

 

[NSW] リコール:Dineamic Soy Ginger Beef Hokkien Noodles

Recall: Dineamic Soy Ginger Beef Hokkien Noodles

3 Feb 2020

https://www.foodauthority.nsw.gov.au/news/recalls/dineamic-soy-ginger-beef-hokkien-noodles

Dineamic Australia Pty Ltd 社は、表示違反(グルテン含有の表示に関して)のためSoy and Ginger Beef Hokkien Noodlesを回収措置。製品写真あり。

 

[ヘルスカナダ] リコール: Ironkidsオメガ-3グミ (2020-01-24)

Ironkids Omega-3 Gummies (2020-01-24)

January 24, 2020

https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2020/72277r-eng.php

グミ中の溶けないゼラチン粒子のため、回収措置。

 

[FSAI]コロナウィルスと食品安全

Coronavirus and Food Safety

4/2/2020

https://www.fsai.ie/faq/coronavirus.html

新型のコロナウィルスと食品の取り扱いに関して

 

[FSAI]有害生物管理

Pest Control

3/2/2020

https://www.fsai.ie/faq/pest_control.html

食品事業における有害生物管理に関して

 

[FDA] VQIP 申請ポータルの開設

VQIP Application Portal is Now Open

February 3, 2020

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/vqip-application-portal-now-open

FDAは任意適格輸入業者プログラム(VQIP)の申請ポータルを2020年1月1日より開設した。受益期間は2020年10月1日から2021年9月30日である。

https://www.fda.gov/food/importing-food-products-united-states/voluntary-qualified-importer-program-vqip

 

[FDA] FDAは栄養成分表示及びサプリメント表示に関する小規模事業者コンプライアンスガイドを発表する

FDA Releases Small Entity Compliance Guide on the Nutrition and Supplement Facts Labels

February 3, 2020

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-releases-small-entity-compliance-guide-nutrition-and-supplement-facts-labels

FDAは本日、包装食品製造業者が “Food Labeling: Revision of the Nutrition and Supplement Facts Labels”(食品表示:栄養成分及びサプリメント表示改訂)の最終規則の基準を遵守できるよう小規模事業者コンプライアンスガイド(SECG)を発表した。

 

[FDA] 小規模事業者コンプライアンスガイド:栄養成分表示及びサプリメント表示の改訂

Small Entity Compliance Guide: Revision of the Nutrition and Supplement Facts Labels

02/03/2020

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/small-entity-compliance-guide-revision-nutrition-and-supplement-facts-labels

FDAは栄養成分表示及びサプリメント表示の改訂を含む、“Food Labeling: Revision of the Nutrition and Supplement Facts Labels”(食品表示:栄養成分及びサプリメント表示改訂)と題した最終規則を発表した。

 

[FDA]リコール。Cargillはモネンシン濃度上昇のため、肉牛用飼料のNutrebeef® Transition Pelletの自主回収を行う

Cargill Conducts Voluntary Recall of a Single Lot of Nutrebeef® Transition Pellet Due to Elevated Levels of Monesin

February 04, 2020

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/cargill-conducts-voluntary-recall-single-lot-nutrebeefr-transition-pellet-due-elevated-levels

Cargillはモネンシン濃度上昇のためNutrebeef® Transition Pelletの自主回収を行う。

 

[FDA]警告文書

- Marco Pharma International LLC

January 10, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/marco-pharma-international-llc-585324-01102020

ダイエタリーサプリメントCGMP違反、不正表示、不良品の問題。

 

- Evig LLC dba Balance of Nature

August 20, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/evig-llc-dba-balance-nature-580888-08202019

未承認の医薬品、ダイエタリーサプリメントの不正表示、不良品の問題。

製品は野菜や果物の粉末やカプセル。表示やウェブサイトでの宣伝のほかにYouTubeチャンネルでの宣伝も根拠にして病気の予防や治療効果を謳っているので未承認医薬品であるとしている

 

[WHO]2019-nCoV状況報告

Novel Coronavirus (2019-nCoV) situation reports

https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/situation-reports

Situation report - 13

https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/situation-reports/20200202-sitrep-13-ncov-v3.pdf?sfvrsn=195f4010_6

2020年2月2日の報告のテクニカルフォーカス

2019-nCoV 「インフォデミック(Infodemic情報の氾濫)」の管理

2019-nCoVアウトブレイクとその対応には大量の「インフォデミック(情報の氾濫)」が伴っている-情報の過剰-一部は正確で一部はそうではなく-それは人々に信頼できる情報源と必要な信頼できるガイドをみつけることを困難にしている

タイムリーで信頼できる情報への需要の高さから、WHOテクニカルリスクコミュニケーションとソーシャルメディアチームは嘘や噂を追跡して反応している

 

[TGA]緊急時にあなたの医薬品を管理する

Managing your medicines in an emergency

4 February 2020

https://www.tga.gov.au/blogs/tga-topics/managing-your-medicines-emergency

山火事、洪水、自然災害時の必要な医薬品確保について

緊急時サバイバル計画には医薬品も含めること

 

[BfR]新型コロナウイルスは食品やおもちゃを介して伝染る?

Can the new type of coronavirus be transmitted via food and toys?

BfR FAQ dated 3 February 2020

https://www.bfr.bund.de/en/can_the_new_type_of_coronavirus_be_transmitted_via_food_and_toys_-244090.html

FAQ

 

[IARC]IARCは世界がんデーの20周年に新しい世界がん報告を発表

IARC launches new World Cancer Report on 20th anniversary of World Cancer Day

4 February 2020

https://www.iarc.fr/news-events/iarc-launches-new-world-cancer-report-on-20th-anniversary-of-world-cancer-day/

新しい報告は予防に焦点を置き現在入手可能な関連研究の最も包括的な概要を提供する

 

World Cancer Report: Cancer Research for Cancer Prevention

http://publications.iarc.fr/586

目次からがんの原因のところだけ抜粋

2.有害環境を含むがんの原因

2.1 タバコ 巨大な、そして増え続ける世界中のがんの原因

2.2 感染症 失われてきた予防の機会

2.3 飲酒  がんの主要な原因

2.4 日光と紫外線 多くの国で皮膚がんの発生に影響

2.5 イオン化放射線とラジオ周波数電磁場 特定のリスクがさらに明確に

2.6 食事と栄養 どの要因が重要なのか理解する

(最大の要因は太ること、といいつつ加工食品が悪いと言いたげ。伝統的塩漬け魚と塩の多い漬物を加工食品の例にするあたり、牽強付会)

2.7 運動と運動不足、肥満 確立されている変えることのできるリスク要因

2.8 食品中発がん物質 多様な文脈で懸念され続けている

(アフラトキシン、アリストロキア酸、フモニシンと赤肉加工肉が取り上げられている)

2.9 空気、水、土壌、食品の汚染 特定のリスクのキャラクタライゼーションが課題

(水のヒ素、ダイオキシン類はこの項目。「農薬とがん」という特別項目がある。IARCモノグラフを引用しながらも農薬の疫学研究の大きな課題は暴露評価と記述)

2.10 職業 監視の継続が必要

2.11 医薬品 現在の注目はホルモン剤

 

(ここ数年でがん予防における予防接種の存在感がとても大きくなった)

 

[USDA]AMSは全国生命工学(BE)食品開示基準のための試験法に意見募集

AMS Seeks Comment on Instructions on Testing Methods for the National Bioengineered Food Disclosure Standard

January 31, 2020

https://www.ams.usda.gov/content/ams-seeks-comment-instructions-testing-methods-national-bioengineered-food-disclosure

2018年12月21日に発表された最終規則では、AMSが改変遺伝子が存在しないことを立証するための許容できる試験法に関する説明を提供することになっていた。

案は以下から

https://www.ams.usda.gov/rules-regulations/be/validation-process

意見は2020年3月4日まで受け付け

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 111–20

5 February 2020

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular111%E2%80%9320.aspx

意見募集

・ハイリスク園芸部門の一次生産加工要件

(具体的にはすぐ食べられるもの、最小限の加工をした野菜や果物、生鮮葉物野菜、メロン、ベリー類、スプラウト)

 

[EU]欧州のがんに打ち勝つ計画

Europe’s Beating Cancer Plan

https://ec.europa.eu/info/law/better-regulation/initiatives/ares-2020-693786_en

ロードマップに対する意見募集2020年2月4日から2020年3月3日まで

ROADMAP

file:///C:/Users/uneyama/Downloads/PART-2020-50051V1.pdf

・保健政策が治療に重点を置いている

がんの40%が予防できる可能性があるのに医療予算の平均3%しか予防に使われていない。予防接種などの医療対策、健康的食生活や運動、禁煙あるいは禁酒のようなライフスタイル、大気や水の汚染などの環境対策等予防対策はよくわかっているのに。

・知識不足と優良規範の実践

個人のがんリスクを上げる要因としてわかっているものもあるがまだわからないものもある。さらなる研究が必要だが臨床と研究の協力とデータ共有にまだ可能性が大きい

・予防、治療、ケアの不均衡なアクセス

・医療モデルやスキルが適切でない

医療システムはもともと短期の感染症を対象にデザインされている

・患者やサバイバーは烙印や差別を経験している

 

論文

-企業と関連のある研究は屋内日焼けにより好意的、スタンフォードの研究者らが言う

Industry-linked studies more favorable to indoor tanning, Stanford researchers say

4-FEB-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/sm-ism013120.php

業界から資金提供を受けている研究はそうでない研究より有意にリスクを小さくして考えられる利益を強調している。BMJ

 

-歯医者のオピオイド処方の半分以上が痛み管理ガイドライン超過

More than half of dental prescriptions for opioids exceed pain-management guidelines

4-FEB-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/osu-mth020320.php

American Journal of Preventive Medicineに発表された米国の歯科医の処方についての研究。米国で処方される全てのオピオイドの10%が歯科医による

 

-研究は妊娠女性の大麻使用状況を描く

Study paints picture of marijuana use in pregnant women

4-FEB-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/wsu-spp020320.php

Journal of Addiction Medicineに発表された米国の研究

 

-合成キノコ毒

Synthetic mushroom toxin

4-FEB-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/w-smt020420.php

アマニチンの新規合成経路がAngewandte Chemieに発表された

 

-Nature

エディトリアル

全てのコロナウイルス研究者へ呼びかけ:共有し公開性を維持しよう

Calling all coronavirus researchers: keep sharing, stay open

04 FEBRUARY 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00307-x

・アウトブレイクに関係する全てのピアレビューされた研究論文は直ちにオープンアクセスにするか少なくともアウトブレイク期間中は自由に閲覧できるようにする

・アウトブレイクに関係する研究知見は論文投稿後直ちにWHOに共有

 

Natureワールドビュー

人々は優しくない科学を信頼しないだろう

People will not trust unkind science

04 FEBRUARY 2020 Gail Cardew

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00269-0

不親切で攻撃的な研究労働文化が人々の科学者とその専門性への尊敬を脅かす、とGail Cardewは言う

 

その他

-英国全域に嘔吐症状が拡大しているため獣医が犬のオーナーに警告

Vets warning to dog owners as vomiting condition spreads throughout the UK

4th February

https://www.gazetteseries.co.uk/news/18208100.vets-warning-dog-owners-vomiting-condition-spreads-throughout-uk/

ひどい嘔吐を伴う胃腸炎が英国全体でみられているため、獣医が犬のオーナーに注意を呼びかける

吐く頻度と持続期間が極めて普通でない。事例によっては12時間以内に5回以上5日間続いた。下痢を伴う場合もある

 

-カナダ:カナダでコロナウイルスよりあなたを殺す可能性の高い5つのこと

CANADA: Five things more likely to kill you in Canada than coronavirus

https://www.sootoday.com/around-ontario/canada-five-things-more-likely-to-kill-you-in-canada-than-coronavirus-2070097

新型コロナウイルスが国際的な公衆衛生上の緊急事態になっても、カナダの人々にとってのリスクは低いままである。怖がるのはとても人間的なことではあるが、パニックになるべきではない。トロント大学の統計学教授Jeffrey S. Rosenthalは、あなたがすべきなのは運動と良い食生活、という。カナダであなたを殺す可能性が高いのは、がん、心血管系疾患、交通事故を含む事故、インフルエンザ、そして自殺である。

予期せぬ危険が起こったときには必要以上に恐れるものだが、インフルエンザの予防接種を受け、手を洗い、肉は冷蔵し、食べ物の調理は慎重にし、車の運転にはシートベルトをして運動することの方が大事。

2020-02-04

[EFSA]パルマスクール「One Health」今すぐ登録

Register now for the Parma School 2020 ‘One Health’

3 February 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/news/register-now-parma-school-2020-one-health

2020年6月9-11日にパルマで開催される、パルマスクール「One Health」の登録を現在受け付けている。

ヒトや動物の健康及び環境は堅く結びついていると認識するこのOne Healthの概念は、世界的に重要なテーマであり、この集中講座の焦点である。

この講座は博士課程の学生、若い博士課程修了後の研究者、One Healthの知見と理解を深めたい科学者に公開されている。

この3日間の講座はケーススタディと共に理論に焦点を当てる。欧州委員会、国立機関、欧州及び国際機関、学界の専門家が講義する。

参加者は世界中の専門家や同僚と知見やネットワークを深める機会がある。

入場料は無料だが、参加者は宿泊施設や旅行の手配をする必要がある。

このパルマスクール2020は、ピアチェンツァのサクロ・クオーレ・カトリック大学と協力してEFSAとパルマの大学の食品栄養高等研究院が主催する。

 

申込期限は2020年3月31日。全プログラムと申請の詳細はこちらで入手可。

https://events.efsa.europa.eu/summerschool2020

登録は150人限定なので、できるだけ早く申請書を提出してください。

 

[EFSA]意見等

-コンポーネントベースのアプローチを用いた複数の化学物質のヒトのリスク評価:水平視点

Human risk assessment of multiple chemicals using component‐based approaches: A horizontal perspective

30 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1759

この技術報告書は、コンポーネントベースのアプローチを用いた複数の化学物質(すなわち規制化合物や汚染物質)への複合暴露の、ヒトのリスク評価のためのEFSAのMIXTOXガイダンス文書を実施する。がん以外の影響のある規制化合物や汚染物質のための低層リスク評価方法論は、入手可能な統一方法、ツール、データ源を用いて説明されている。暴露評価のための暴露指標は、以前のEFSAの意見や入手可能なツールによる監視データから集め、算出することができた(EFSAの残留農薬情報、加盟国からの発生データ、EFSAの包括的摂取データベース、JECFAや JMPRのモノグラフなど)。暴露指標の報告の統一は95パーセンタイルの上限及び下限の利用が提案された。ハザード評価は、がん以外の影響のある規制製品や汚染物質について、すべての化合物の健康影響に基づくガイダンス値(HBGV)として参照値が入手でき、保守的な評価と仮定された。このOpenFoodToxデータベースが、急性参照用量(AfRD)や許容または耐容一日摂取量(ADI, TDI)のような、急性及び慢性影響のHBGVsを提供するシンプルなオープンソースツールとして提案されている。リスクキャラクタリゼーションには、複合毒性の用量加算のデフォルト解釈を用いた低層統一アプローチとして、ハザードインデックス(HI)が適用されている。HIはハザードと暴露指標の比率の合計として導出されている。このリスク評価の知見をまとめたEFSAの MIXTOX報告表が提出されている。がん以外の影響では、1未満の値のHIは懸念が低いと解釈され、一方1以上のHIはリスク評価を改善する必要性、またはリスク管理の再検討のいずれかを提案する。アプローチを改善するためのオプションには、暴露基準、リスク基準、特定の毒性学的影響に基づくグループ化、トキシコキネティクスデータの利用、生理学的動態モデルが含まれる。

 

-フェナザキンの既存MRLsのレビュー

Review of the existing maximum residue levels for fenazaquin according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2020;18(1):5955 30 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5955

さらなる検討が必要。

 

-スピネトラムの既存MRLsのレビュー

Review of the existing maximum residue levels for spinetoram according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2020;18(1):5997 30 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5997

さらなる検討が必要で、消費者暴露の削減手段も検討する必要がある。

 

-テルブチラジンの既存MRLsのレビュー

Review of the existing maximum residue levels for terbuthylazine according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2020;18(1):5980  30 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5980

さらなる検討が必要。

 

-食品と接触する物質に使用する1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ビス(2-エチルヘキシル)の安全性評価

Safety assessment of the substance bis(2‐ethylhexyl)cyclohexane‐1,4‐dicarboxylate, for use in food contact materials

EFSA Journal 2020;18(1):5973  29 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5973

食品と接触する物質、酵素及び加工助剤に関するEFSAのパネル(CEP)は、室温あるいはそれ以下(冷蔵庫と冷凍庫)での水性、酸性、低アルコール食品との接触で最大25% w/wまでのポリ(塩化ビニル) (PVC)フィルムの可塑剤として使用することを目的とした、食品と接触する物質(FCM)No 1079、添加物1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHCH)の安全性を評価した。このフィルムは食品の再加熱での使用は意図していない。検査した条件で、この物質は25% w/w DEHCHで製造したPVCフィルムのサンプルから最大0.034 mg/kg溶出した。報告されたin vitro 及び in vivo遺伝毒性試験に基づき、パネルはこの物質は遺伝毒性の懸念を生じないと結論した。提供されたトキシコキネティクス試験に基づき、ヒトではこの物質の蓄積の可能性に関する不確実性があるとパネルは結論した。反復投与毒性試験で、検査した最大用量1,000 mg/kg体重/日まで有害影響は観察されなかった。それにもかかわらず、これらのデータはヒトに蓄積する可能性の不確実性を取り除いていない。そのためCEFパネルは、室温かそれ以下で長期-保管について疑似試料A(10% エタノール) と B (3% 酢酸)を用いて食品と接触する物質のポリ(塩化ビニル) (PVC)に使用しても、この物質1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ビス(2-エチルヘキシル)は消費者の安全上の懸念ではないと結論した。この物質の溶出は0.050 mg/kg 食品を超えてはならない。

 

-新規食品の申請及び伝統食品の通知の安全性評価のための準備作業でEFSAを支える体系的な文献検索

Systematic literature search to assist EFSA in the preparatory work for the safety assessment of Novel Food applications and Traditional Food notifications

28 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1774

このプロジェクトの主な目的は、欧州委員会から受け取った新規食品/伝統食品の申請に関する文献について、事前に定義された採用/除外基準に基づいた、体系的な文献検索およびタイトルや要約でのスクリーニングを行うための検索戦略と標準的な作業手順書を開発することである。さらに、キーワードとやその重み付け、タイトルと要約の格付け及び評価のための2つのモジュールが開発された。関連性により文献の格付けに使われるキーワードや重み付けのリストが、新規食品/伝統食品の各区分、すなわち、植物、昆虫、菌類、藻類、化学物質用に開発された。このプロジェクト中に36の新規食品/伝統食品の要請を受け取り、評価工程をまとめた各要求に詳細な検索手順を開発することでうまく処理された。

 

-第三国の伝統食品としてのコーヒーの葉(アラビアコーヒーの木および/または ロブスタコーヒーの木)由来浸出液の通知に関する技術報告書

Technical Report on the notification of infusion from coffee leaves (Coffea arabica L. and/or Coffea canephora Pierre ex A. Froehner) as a traditional food from a third country pursuant to Article 14 of Regulation (EU) 2015/2283

3 February 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1783

EFSAはこのTFの組成に関する入手可能なデータや使用歴は安全上の懸念を生じないと考えた。入手可能なデータを検討し、EFSAは、要請されたTF[すなわちコーヒーの葉 (アラビアコーヒーの木および/または ロブスタコーヒーの木)の浸出液]のEU内での市販の安全に対する異議を提起しない。

 

-鳥類と哺乳類のリスク評価に関する既存のガイダンスについてのパブリックコメント募集結果

Outcome of the Public Consultation on the existing Guidance on the risk assessment for birds and mammals

31 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1786

全部で410のコメントを受け取った。

 

-特定の油糧種子のフルジオキソニルの既存MRLsの改訂

Modification of the existing maximum residue levels for fludioxonil in certain oilseeds

EFSA Journal 2020;18(1):5994  31 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5994

妥当性が確認された定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgで検討中の植物本体のフルジオキソニルの残留物を管理するのに利用可能な執行のための分析法が得られた。EFSAが行った慢性リスク評価から、報告された農業規範によるフルジオキソニルの使用から生じる残留物の摂取は消費者の健康リスクになりそうもないと結論した。このリスク評価残留物定義に含まれる特定の代謝産物に関する実験データが評価対象の油糧種子では入手できないため、このリスク評価は追加の標準的でない不確実性の影響を受けている。

 

-香料グループ評価73改訂5 (FGE.73Rev5)に関する科学的意見: JECFAが第59回、63回、86回会合で評価した脂環式アルコール類、アルデヒド類、酸類及び関連するエステル類と、FGE.12Rev5で評価した構造的に関連する物質の考察

Scientific Opinion on Flavouring Group Evaluation 73, Revision 5 (FGE.73Rev5): consideration of alicyclic alcohols, aldehydes, acids and related esters evaluated by JECFA (59th, 63rd and 86th meeting) and structurally related to substances evaluated in FGE.12Rev5

EFSA Journal 2020;18(1):5970  31 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5970

食品添加物と香料に関するEFSAのパネルは委員会規則(EC)No 1565/2000で概説される手順を用いて香料グループ評価73 (FGE.73)に割り当てられた24の香料物質を評価するよう要請された。23物質はすでにFGE.73改訂4で検討されている。残りの物質ミルテナール[FL‐no: 05.106]はFGE.208Rev3で遺伝毒性については明らかにされており、このFGE.73 Rev5で検討される。この物質は、構造活性相関、現在の使用からの摂取量、毒性学的懸念の閾値(TTC)、代謝と毒性についての入手可能なデータの情報をまとめた段階的アプローチで評価された。パネルは、24物質のどれも、「Maximised Survey‐derived Daily Intake」(MSDI)法を基にして推定された食事摂取量で安全上の懸念は生じないと結論した。香料物質の安全性評価に加えて商材の仕様書も検討され、23物質は適切だと分かった。 [FL‐no: 09.278]については立体異性組成が指定されていない。2物質[FL‐no: 09.034, and 09.712]では、改変型理論的添加最大一日摂取量(mTAMDI)推定量はその構造クラス(I)のTTCを超えている。手順を通して評価された17物質の通常使用量や最大使用量は入手できなかった。そのため、これらの19物質は、その暴露評価を精細化し安全性評価を最終化するために、使用や使用量に関するより詳細なデータを提出する必要がある。

 

-新規食品としてのYarrowia lipolyticaのセレン強化バイオマスの安全性

Safety of selenium‐enriched biomass of Yarrowia lipolytica as a novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2020;18(1):5992  31 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5992

欧州委員会の要請を受けて、栄養、新規食品及び食品アレルゲンに関するEFSAのパネル(NDA)は、新規食品(NF)としてのYarrowia lipolytica(酵母)のセレン強化バイオマスに関する意見を出すよう求められた。このNFはY. lipolyticaの乾燥し加熱殺菌したセレン強化バイオマスである。この酵母種は天然に広く存在し、環境中や食品に見られ、2018年に生産目的で、この酵母のバイオマスに基づく食品や飼料を含む安全性適格推定(QPS)ステータスを付与されている。この生産工程、亜セレン酸ナトリウム存在下での発酵は、この酵母の加熱殺菌段階を含み、NFには生きたY. lipolyticaがいない。このNFの最大総セレン含有量は200 μg Se/gで、主に有機セレン化合物として存在する。申請者はこのNFを食品サプリメントとして使用することを提案した。申請者が提案した対象集団は3歳以上の一般人で、最大提案使用量は3~9歳は0.2 g/日、それ以上は1 g/日である。パネルはこの酵素バイオマスは提案した使用量で安全上の懸念はないと考えた。パネルはまた、このNFが提供するセレンは他の食事源からのセレン同様安全だと考えた。だがパネルは、申請者が提案した使用量では、このNFの摂取量は、バックグラウンドのセレンの多い食事と組み合わせると、7~9歳の子供を除く全ての対象集団のセレンのULを超える総セレン摂取量となると注意した。なおパネルは、新たなデータはセレンのULの再評価を必要とすると考えている。

 

-MenaQ7®と動脈の弾性の維持:健康強調表示の評価

MenaQ7® and maintenance of the elastic properties of the arteries: evaluation of a health claim pursuant to Article 13(5) of Regulation (EC) No 1924/2006

EFSA Journal 2020;18(1):5949  31 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5949

因果関係は立証されていない。

 

[EU]査察報告

-フランス-飼料添加物、その成分とトレーサビリティ

France 2019-6629―Feed additives, their ingredients and traceability

28/11/2019

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4214

2019年3月26日~4月5日までフランスで実施した、飼料添加物とその製品の成分の公的管理を確認するための査察。フランスでは、公的飼料管理計画は一般によく行われる検査でリスクに基づいており、ほとんどの場合、関連する法的条件の履行を適切に検証できる。管理システムには、運営者への次回の検査の事前通知の提供、運営者のHACCP計画の適合性の不十分な検証、運営者による最終サンプル準備とサンプルの保持などの欠点が含まれる。施行に関しては、違法の検出後の積極的なフォローアップや、確認された欠点が運営者に改善されているという確証を必ずしも含んでいない。EUで認可されていない飼料添加物/プレミックスの輸出に関する機関の認識不足が、公的管理システムの効果を弱めている。

 

-ポーランド―家禽肉とその由来製品

Poland 2019-6671―Poultry meat and products derived therefrom

22/11/2019

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4212

2019年3月25日~4月5日までポーランドで実施した、家禽肉とその由来製品の生産と販売がEU規則に従って適切に実行されているかどうか評価するための査察。家禽肉とその由来製品の公的管理はリスクに基づいて組織され、包括的な手順文書やガイダンスを用いて実行されている。家禽施設の食品企業管理者の認証の公的管理は適切で、条件に合った保証を提供している。だが、特に訪れた8つのうちの2つの施設では、主に構造や衛生条件に関する欠点が査察チームに注意された。以前の査察の報告書の助言への是正手段は、それ以外の点では適切に実行されている。

 

[EU]RASFF Week05-2020

警報通知(Alert Notifications)

フランス産精製リンゴジュースのパツリン(123, 162, 130 µg/kg)、シンガポール産ごま油のベンゾ(a)ピレン(3.2; 5.3; 6.1 µg/kg)及び多環芳香族炭化水素( PAH4の合計: 12.8; 14.6; 32 µg/kg)、スペイン産アーモンド入りイチジクパンのオクラトキシンA (114 µg/kg)、ドイツ産細かくしたオレガノのピロリジジンアルカロイド(133870 µg/kg)、ロシア産茶色の亜麻仁のブタクサの種子高含有(416 mg/kg)、スペイン産食品サプリメントの鉛高含有(4.6 mg/kg)、カメルーン産パイナップルのエテホン(3.8 mg/kg)、中国産オランダ経由製氷皿からのローダミンBの溶出、オランダ産ドイツ経由食品サプリメントのクルクミンの高摂取量(最大 1000 mg/日)、カナダ産スペイン経由食品サプリメントの未承認物質ゾピクロン、

注意喚起情報(information for attention)

2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

オーストリア産食品サプリメントの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (81.6 mg/kg)及び未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、産出国不明CBD製品の未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、ドイツ産酵素の禁止物質クロラムフェニコール(32 µg/kg)、アイルランド産冷凍ノルウェーロブスターの亜硫酸塩高含有(255.3 mg/kg)、英国産オランダ経由食品着色料の着色料アマランス(E123)非表示及び不十分な表示(消費者による使用説明書)、スイス産フルーツ&ナッツミックスの亜硫酸塩高含有(33 mg/kg)、アラブ首長国連邦産ベジタブルギーのグリシジルエステル(1346 µg/kg)、英国産CBD口腔スプレーの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、

通関拒否通知(Border Rejections)

イラン産ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 39; Tot. = 42.12 µg/kg)、ジョージア産ヘーゼルナッツ粗挽きのアフラトキシン(B1 = 18.4; Tot. = 35.2 µg/kg)、イラン産ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 8.0; Tot. = 10 µg/kg;B1 = 16.7 µg/kg;B1 = 21.3 µg/kg)、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 11.3 µg/kg;B1 = 8.9 µg/kg)、トルコ産ヘーゼルナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 17; Tot. = 20.3 µg/kg)、セネガル産ピーナッツバターのアフラトキシン(B1 = 8.3; Tot. = 9.2 µg/kg)、米国産トルコから発送したピスタチオ穀粒のアフラトキシン(B1 = 17; Tot. = 19 µg/kg)、米国産飼料用殻を取ったピーナッツのアフラトキシン(B1 = 25.2 µg/kg)、トルコ産乾燥アプリコットの亜硫酸塩高含有(2866 mg/kg)、ウズベキスタン産乾燥アプリコットの亜硫酸塩高含有(5563 mg/kg)、トルコ産ザクロのクロルピリホス(0.094 mg/kg)、

 

[FDA] FDAは違法な販売を含め、いくつかの違反のあるニコチン含有のつまようじ製造業者に警告する

FDA In Brief: FDA Warns Maker of Nicotine-Containing Toothpicks of Several Violations, Including Illegal Sales

January 31, 2020

https://www.fda.gov/news-events/fda-brief/fda-brief-fda-warns-maker-nicotine-containing-toothpicks-several-violations-including-illegal-sales

 

[FDA]警告文書

- Smart Toothpicks, LLC

January 31, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/smart-toothpicks-llc-597094-01312020

家族喫煙防止タバコ規制法、不正表示、不良品の問題。

 

[CFIA]食品回収措置警告‐Natrel and Tim Hortons brand 2% milkは殺菌剤混入のため安全でない可能性があるとして回収措置

Food Recall Warning - Natrel and Tim Hortons brand 2% milk recalled due to sanitizer

January 29, 2020

https://www.inspection.gc.ca/food-recall-warnings-and-allergy-alerts/2020-01-29/eng/1580501736114/1580501741597

 

[FSA] ラベルを確認しよう

Check the label

23 January 2020

https://www.food.gov.uk/safety-hygiene/check-the-label

カロリー、脂質、飽和脂肪、糖類、及び塩分含有に関する情報を得るための包装済み食品の栄養表示の利用の仕方

 

[FSA] 英国は2020年1月31日にEUを離脱する

The UK leaves the EU on 31 January 2020

31 January 2020

https://www.food.gov.uk/business-guidance/the-uk-leaves-the-eu-on-31-january-2020

2020年1月31日EU離脱後、食品事業は同様の法要件であり、2020年末日まで移行期間である。

 

[FSA] より安全な食品、よりよい事業

Safer food, better business

29 January 2020

https://www.food.gov.uk/business-guidance/safer-food-better-business

中小企業向けの食品安全管理手続き及び食品衛生規則に関して。

 

[ANSES]プレスリリース

-フランスにおける5Gの展開:ANSESは健康リスクを評価

5G deployment in France: ANSES takes action to assess the health risks

26/01/2020

https://www.anses.fr/en/content/5g-deployment-france-anses-takes-action-assess-health-risks

 

-ANSESは生理用カップとタンポンの追加評価の結果を発表

ANSES publishes the results of its additional assessment of menstrual cups and tampons

20/01/2020

https://www.anses.fr/en/content/anses-publishes-results-its-additional-assessment-menstrual-cups-and-tampons

毒素性ショック症候群(TSS)リスクについてのより良い情報提供の必要性を確認

TSSは細菌毒素によって引き起こされるので衛生上のきまりを守って使用すること

 

-使い捨ておむつ:赤ちゃんの健康に有害な化合物の欧州全体での制限に関する関係者意見募集

Disposable nappies: consultation with stakeholders regarding the Europe-wide restriction of chemicals that are harmful to babies' health

15/01/2020

https://www.anses.fr/en/content/disposable-nappies-consultation-stakeholders-regarding-europe-wide-restriction-chemicals-are

おむつの多環芳香族炭化水素、ダイオキシン類、フラン類、PCB類、ホルムアルデヒドの禁止あるいは規制値の設定を提案

 

 

[EU]英国のEU離脱に関連する通知

Brexit notices

https://ec.europa.eu/info/brexit/brexit-preparedness/preparedness-notices_en#sante

随時更新中

 

[NTP]NTP科学助言委員会会合予定

Upcoming NTP Board of Scientific Counselors Meetings

https://ntp.niehs.nih.gov/events/bsc/index.cfm#20200221

次回2020年2月21日の議題掲載

「バーチャルヒューマン」ハザード評価、ナノプラスチック/マイクロプラスチック、妊娠高血圧と環境暴露、パーおよびポリフルオロアルキル化合物のNTP試験、など

 

[RIVM]循環経済の中で懸念の高い物質とつきあう

Coping with substances of high concern in a circular economy

03-02-2020

https://www.rivm.nl/publicaties/omgaan-met-zeer-zorgwekkende-stoffen-in-circulaire-economie

本文オランダ語

2050年までにオランダ政府は完全循環経済を達成することを望んでいる。それは資源を可能な限り捨てないで継続的に再利用する。安全な循環経済では、リサイクルされるものの中の有害物質によるヒトや環境へのリスクは無視できるものとなる。例えば発がん物質のような懸念の高い物質は、社会にとって必須で代替品のない場合にのみ使われる。懸念のある物質は生産・使用・再使用の際に放出されてはならない。

RIVMは循環経済は懸念の高い物質と安全に、使用を監視しながら付き合うための機会になると信じる。それは簡単ではない。RIVMは安全な移行を達成するために必要なものを調べ、3つの課題を同定した。一つは懸念の高い物質を含め、全ての生産チェーンで使用される物質についての情報共有が必須である。二つ目は全ての生産チェーンの関係者が製品の安全な再使用確保しなければならない。最後に、全ての関係者が責任がある。

(地球全体では物質は完全循環なのでフードチェーンと同じ)

 

[FSANZ]新型コロナウイルスと食品安全

Novel Coronavirus and Food Safety

(January 2020)

https://www.foodstandards.gov.au/consumer/safety/Pages/NOVEL-CORONAVIRUS-AND-FOOD-SAFETY.aspx

 

[WHO]WHOはがんから700万人を救うステップの概要を記す

WHO outlines steps to save 7 million lives from cancer

4 February 2020

https://www.who.int/news-room/detail/04-02-2020-who-outlines-steps-to-save-7-million-lives-from-cancer

 

-2月4日は世界がんデー

https://www.worldcancerday.org/

 

[WHO]新型コロナウイルス(2019-nCoV)

Novel coronavirus (2019-nCoV)

https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019

最新情報はここで確認

(嘘情報の中にニンニクを食べる、ごま油を塗ると予防になるか?というのがある。当然予防するという根拠はない

 

[Codex]コロナウイルス/中国でのコーデックス食品添加物部会会合延期

Coronavirus / Codex Committee on Food Additives meeting in China postponed

03/02/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1259432/

2020年3月2-6日の予定が延期。6月22-26日を探る

2020年3月30日から4月4日の予定だった残留農薬部会については事態の推移を見守りつつできるだけ早く発表する

 

論文

-計画されている水力発電ダムは熱帯の魚を脅かす

Planned hydropower dams threaten fish in the tropics

3-FEB-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/run-phd012920.php

PNAS

 

-オクラホマ大学の研究が大気のメタン濃度動態に水田の足跡を発見

OU study finds the fingerprint of paddy rice in atmospheric methane concentration dynamics

3-FEB-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/uoo-osf020320.php

Nature Communications

 

-肉はあなたに良くない

Meat isn't good for you

3-FEB-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/nu-mig013020.php

赤肉と加工肉を食べることは心疾患と死亡リスクを上げる

JAMA Internal Medicineに発表されたメタ解析

 

-農業地域の住人は有害エアロゾルを吸入する危険がある

Agricultural area residents in danger of inhaling toxic aerosols

3-FEB-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/uoc--aar013120.php

Environmental Science & Technologyに発表されたカリフォルニアSalton Sea地域の土壌のセレン濃度の高さについての報告

 

-薬物誘発性肝障害:最近の文献からの注目

Drug-Induced Liver Injury: Highlights of the Recent Literature.

Real M, et al.

Drug Saf. 2019 Mar;42(3):365-387.

 

-地中海Microcosmus(ホヤの仲間)摂取に関連する小脳症候群:フランスの症例シリーズ

Cerebellar syndrome associated with ingestion of Mediterranean Microcosmus: a French case series.

Schmitt C, et al.

Clin Toxicol (Phila). 2019 Mar;57(3):221-223

(普通にスーパーなどで販売されているがどうやら毒らしい)

 

-ペルシア湾のシーフードの多環芳香族炭化水素と有害な可能性のある元素の存在、栄養移行、慢性摂取リスク評価

Polycyclic aromatic hydrocarbons and potentially toxic elements in seafood from the Persian Gulf: presence, trophic transfer, and chronic intake risk assessment.

Akhbarizadeh R, et al.

Environ Geochem Health. 2019 Dec;41(6):2803-2820.

(魚よりエビカニの濃度が高い)

 

-プロバイオティクスは安全?重症心不全の子どものビフィドバクテリウム菌血症

Are probiotics safe? Bifidobacterium bacteremia in a child with severe heart failure.

Pruccoli G,  et al.

Infez Med. 2019 Jun 1;27(2):175-178

抗生物質による下痢を予防しようとしてプロバイオティクスを使用していて菌血症になった、イタリアからの症例報告

 

-「ナチュラル」な甲状腺ストーム!

A 'Natural' thyroid storm!

Mohebbi MR, Chen AT.

J Clin Pharm Ther. 2019 Oct;44(5):813-814.

市販の牛甲状腺サプリメント使用後の甲状腺機能亢進症の症例報告

 

-若い健康な男性患者のクラトム摂取後の心停止:この「リーガルハイ」物質は最初考えられていたより危険?

Cardiac arrest in a young healthy male patient secondary to kratom ingestion: is this 'legal high' substance more dangerous than initially thought ?

Abdullah HMA, Haq I, Lamfers R.

BMJ Case Rep. 2019 Jul 19;12(7).

 

-若い女性のプレワークアウトサプリメント誘発心虚血

PRE-WORKOUT SUPPLEMENT INDUCED CARDIAC ISCHAEMIA IN A YOUNG FEMALE.

Wang SSY.

J Sports Sci. 2020 Jan;38(2):187-191.

オーストラリアの33才主婦の症例報告。サプリメントはAlpha Lean-7

 

-牛乳過剰摂取による重症鉄欠乏性貧血と全身浮腫

Severe iron deficiency anemia and anasarca edema due to excessive cow`s milk intake.

Mantadakis E, et al.,

Turk J Pediatr. 2019;61(1):102-106.

13ヶ月の子ども(牛乳のせいというより適切な離乳ができていないため)

 

-WHO紀要

Bulletin of the World Health Organization

Volume 98, Number 2, February 2020, 77-148

https://www.who.int/bulletin/volumes/98/2/en/

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ特集号

 

-THE LANCET

全ての子どもたちと青少年のための健康的で持続可能な未来

Creating a healthy and sustainable future for all children & adolescents

https://info.thelancet.com/infocus-child-adolescent-health

現在成長中の子どもたちは気候緊急事態によりかつてない健康と生活の脅威に直面している。移民、紛争の増加、高所得国ですらも社会の安全網や貧困削減から遠ざかる政治の動き、子どもや若者に不健康な食品を食べさせようとする商業利用の継続、アルコールとタバコへの暴露、は、もし我々が全ての人のための持続可能で健康な未来を深刻に考えるなら、2020年には子どもと青少年に特別な注目が必要であることを意味する

2020年のLancetの子どもと青少年の健康キャンペーンに参加を。

 

2019-nCoVリソースセンター

2019-nCoV Resource Centre

https://www.thelancet.com/coronavirus?dgcid=etoc-edschoice_email_tlcoronavirus20

 

エディトリアル

子宮頸がんを根絶する

Eliminating cervical cancer

EDITORIAL| VOLUME 395, ISSUE 10221, P312, FEBRUARY 01, 2020

2020年は子宮頸がんにとって重要な年になるだろう、そして2月4日の世界がんデーはその根絶予想を反映する良い時期である。WHOは子宮頸がん根絶という極めて野心的な計画を掲げている:15才までの少女の90%に完全な予防接種をし、女性の70%が35才と45才で検診を受け、90%の患者が治療を受ける。The Lancetの二つの論文がどうやってこの目標を達成するかを示している

 

オーストラリアのアンフェタミン依存

Amphetamine dependence in Australia

Chris McCall

WORLD REPORT| VOLUME 395, ISSUE 10221, P325-326, FEBRUARY 01, 2020

オーストラリアは世界で最も推定アンフェタミン依存率が高い。しかしどう対応するのがベストなのかはわからない。Chris McCallが報告する

生涯使用率は概ね変わらず2016年は6.3%で過去12ヶ月の使用は1.4%。しかし定期的使用者の使用頻度は増加しているようだ。医師はオーストラリアのアンフェタミン関連死が急増しているという

(以下略。大麻合法化を検討している国にはそれぞれ薬物問題が背景にあるので日本には当てはまらない)

 

-Natureニュース

中国との関係でのハーバードの化学主任の逮捕は研究者にショックを与える

Harvard chemistry chief’s arrest over China links shocks researchers

03 FEBRUARY 2020  Nidhi Subbaraman

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00291-2

ナノ科学者Charles Lieberが中国のThousand Talents Plan(千人計画)への関与について嘘をついていたとされる

武漢工科大学から数万ドルを受け取ってそこで研究室を率いることに合意していたのに米国政府には関与していないと答えていた、というのが容疑

(アメリカここしばらくこの手の中国関係ニュース多い)

 

Nature書評

事実の崩壊:不確実性が兵器になるとき

Truth decay: when uncertainty is weaponized

03 FEBRUARY 2020  Felicity Lawrence

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00273-4

タバコから食品、燃料まで、企業は否定、偽り、疑いで毀損する

2017年の米国大統領選ではKellyanne Conwayが虚偽の主張を擁護するために「オルタナティブファクト(別の事実)」というフレーズを使った。多くのコメンテーターが我々はオーウェルの言う「二重思考」の新しい時代に入ったと嘆いた。

疫学者でもと安全性規制担当者David Michaelsの「 疑いの勝利The Triumph of Doubt」は企業集団による否定を厳しく批判的に記述する。望ましくないニュースは自動的にフェイクニュースにされる。独立した情報源からの不都合な根拠は-気候変動や化石燃料や大気汚染やディーゼル排気などの-ジャンクサイエンスとレッテルを貼られる。しかし事実の崩壊は現在のポピュリスト政治家だけのものではない

(以下長い記事。そうなんだけど企業だけが事実をゆがめているというのも素朴すぎる。環境や健康のためだといえばどんな嘘でもいいわけでもないので。砂糖の悪を砂糖業界がインテリジェントを駆使して隠蔽したというような主張は言い過ぎだと思う)

 

コロンビアの科学大臣のがんについての主張が議論を呼ぶ

Colombian science minister’s cancer claims spark controversy

03 FEBRUARY 2020 Emiliano Rodríguez Mega

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00235-w

コロンビアの新科学機関のリーダーMabel Torresが、がんを治す真菌抽出物を作ったという

先月コロンビアに初めて科学技術革新省ができたことをコロンビアの科学者は祝福した。しかしそのわずか数週間後に、Mabel Torresが大臣に任命されてそれは怒りと当惑に変わった。彼女は科学コミュニティでは無名のEl Chocó工科大学の真菌学者である。主な業績は中国伝統薬として使われている霊芝の分類に関するものがほとんどの21論文しかない。しかし最大の問題は霊芝ががんに効くと主張していることである。臨床試験の届け出も倫理委員会での承認もなく行った約40人のがん患者で寛解を認めたと主張し、論文も出していない。新聞のインタビューで「私は反逆行為として論文にしないことを決めた。私のメッセージは、他のタイプの知識の価値を認め始めたというものである」

議論が続く中、コロンビアの副大統領Marta Lucía RamírezはTorresは科学大臣のままであると言った

 

その他

-インド政府はコロナウイルス予防にホメオパシーを勧めて批判される

Indian government slammed for recommending homeopathy for coronavirus prevention

Published Thursday, January 30, 2020

https://www.ctvnews.ca/health/indian-government-slammed-for-recommending-homeopathy-for-coronavirus-prevention-1.4790833

2020年1月29日の政府のツイッターアカウントでこの新しいウイルスの予防と管理にAYUSH省による代替医療を勧めた。

 

AYUSH省プレスリリース(政府公式)

コロナウイルスへの助言

コロナウイルス感染予防にはホメオパシー 症状の管理にはユナニ

Advisory for Corona virus

Homoeopathy for Prevention of Corona virus Infections

Unani Medicines useful in symptomatic management of Corona Virus infection

https://pib.gov.in/PressReleasePage.aspx?PRID=1600895

(AYUSH省はもともとそういうところ。そういえば中国は中国伝統医学を政治的に推進してはいても緊急時には使わないあたり、わかってる感がある。インドは真剣にビリーバー)

 

-疑似科学的治療法による病気から保護する会

Association to Protect the Sick from Pseudoscientific Therapies (スペイン語でAPETP)

https://www.apetp.com/

インチキ治療法被害者などが作った市民団体

主な標的はホメオパシー

 

-コロナウイルスに関するナンセンスが出回っている

Nonsense About the Coronavirus Goes Viral

Joe Schwarcz PhD | 31 Jan 2020

https://mcgill.ca/oss/article/health-pseudoscience/nonsense-about-coronavirus-goes-viral

私はコロナウイルス流行に関する議論を疑似科学的ナンセンスで汚したくない。しかし全てのニュースでいつものように(たとえ深刻なものでも),インチキを主張する者が活躍し始めている

それは武漢の女性とされるヒトがコウモリを食べる動画から始まった。それは人種差別を含ませて,中国人のゲテモノ食い習慣が世界をリスクに晒したのだと推論される。実際にはその童画は武漢とは関係なく、新しいものでもない。それはテレビの旅番組の一部で太平洋の島国でのものである。いつものようにそのナンセンスな話は山火事のようにインターネットに広がった。コウモリはヒトや動物に糞を介してウイルスを伝達することがある。動物を処理する施設で床をきれいにするために大量の水を使う場合を「ウェットマーケット」と呼ぶ・そのような場所では微生物が生存し労働者が汚染される

またソーシャルメディアでは馬鹿馬鹿しい「治療」や「予防法」も出回っている。Jim Humbleの「ミラクルミネラル溶液(MMS)」やホメオパシーなどである。他に銀の台所用品を使う、などがあった。コロナウイルスの恐怖が続く限りこれらの馬鹿げた主張も続くだろう。このウイルスは生物兵器では無く、ヒーリングクリスタルやオレガノオイルやコロナビールで治療できない。そしてあなたはコロナウイルスに感染するよりインフルエンザに感染する可能性の方がはるかに高い。だから手を洗おう。

 

-SMC NZ

新型コロナウイルスのNZ上陸に備える-専門家の反応

Bracing for novel coronavirus on NZ shores – Expert Reaction

Published: 04 February 2020

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2020/02/04/bracing-for-novel-coronavirus-on-nz-shores-expert-reaction/

ニュージーランド政府はWHOの助言に反して中国大陸からの旅行客の入国を制限している

(今はわからないことが多いので、と。NZはもともと入管厳しい。)

 

-UC Berkeleyがコロナウイルスへの反中国人外国人嫌悪を「正常な反応」と言って謝罪する羽目に

UC Berkeley had to apologize for saying anti-Chinese xenophobia is a 'normal reaction' to the coronavirus

Lauren Frias Jan 31, 2020,

https://www.businessinsider.com/uc-berkeley-called-out-anti-chinese-xenophobia-normal-reaction-coronavirus-2020-1

投稿はその後削除され、大学の健康センターは謝罪を発表。この投稿は世界中のアジアの人々が感じている反中国人種差別がますます広がっていることの例と感じられる

 

-製品レビュー:エルダーベリーサプリメントレビュー

コンシューマーラボ

Elderberry Supplements Review

2/1/20

https://www.consumerlab.com/reviews/elderberry-supplements-reviewed/elderberry/

アントシアニン類の量は製品によって2000倍違う-一回あたり0.03mgから69.3mgまで。そしてどの量なら宣伝されている効果があるのかもわからない

 

-SMC UK

加工肉、非加工赤肉、鳥肉、魚の摂取とCVDと全原因での死亡の関連についての論文への専門家の反応

expert reaction to paper on association between processed meat, unprocessed red meat, poultry, or fish consumption with CVD and all-cause mortality

FEBRUARY 3, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-paper-on-association-between-processed-meat-unprocessed-red-meat-poultry-or-fish-consumption-with-cvd-and-all-cause-mortality/

JAMA Internal Medicineに発表された研究が、加工肉、非加工赤肉、鳥肉の摂取量が多いことと心血管系疾患(CVD)リスクのわずかな増加に有意な関連があるが魚はない、と報告

Aston大学医学部上級講師で登録栄養士Duane Mellor博士

この研究は肉がいいのか悪いのかの議論にさらなるデータを加える。この研究では6つの研究を結合させて解析した。人々の報告はどれだけ食べたものを覚えているかにより、食品の調査は1回しかしていないので最大30年以上の間に食習慣が変わったとしても捕まえられない。この研究の強みは肉を食べることの絶対リスクの差が1%以下を調べたことで、個人の健康にとってはわずかな影響しかない。またこの研究では赤肉一食分を120gと定義していて、それは世界中の政府が現在推奨している量より多い(英国では70g)。もしこの研究が70gを基準にしていたら、昨年発表された、推奨量の肉を食べることはおそらく安全、という研究結果と同じようなものになっただろう。

食品に関する矛盾したメッセージを読み解くのは人々にとっては難しい。この場合では、推奨量までの赤肉をほどほどに食べることは安全であろう。しかしながら持続可能性と健康を気にしてこの研究に沿って1日70gより少なく食べるのは賢明であろう。しかしもしさらに肉を減らすなら鉄の摂取源を探す必要がある。このような研究は以前のものと一見矛盾しているようだが、よく見ると全体的なメッセージは変わっていない。

Reading大学栄養と食品科学教授Gunter Kuhnle教授

この研究は多様な集団での6つの観察研究に基づくよくできたもので重要な限界は食事評価が1回だけであることである。結果は興味深いが驚くようなものではない。肉とCVDリスク増加に関連があり、魚ではない。興味深いことに魚に保護作用はない。影響は有意で偶然である可能性は少ないが絶対リスクの増加は極めて小さい。30年にわたって週に2回追加で肉を食べても(一回あたり110g)2%以下である。それは個人にとってはあまり意味が無い可能性が高い。しかし集団レベルではより重要である

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

(数値についての長い説明略)

2019年の研究と今回の研究の結論が違う理由の主な部分は誰に向けて述べたのかであろう。個人向けか公衆衛生のためか。

(アメリカ人限定のデータを解析。アメリカ人は肉だけで無く食べる量減らした方がいいんじゃないかと)

2020-01-31

[HK]ニュースレターから

-食用油脂のエルカ酸

Erucic Acid in Edible Fats and Oils

Last revision date: 16 Jan 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_162_02.html

前号では生産工程で食用油脂に形成される可能性のある汚染物質の1つであるベンゾ[a]ピレン(B[a]P)を調べた。今回は、油に安全上の懸念を引き起こす可能性もある、天然に生じる化学物質、エルカ酸に焦点を当てる。

図表3 キャノーラ油は菜種植物の自然交配で開発された植物から作られていて、エルカ酸の量はとても少ない。

エルカ酸とは、その安全上の懸念とは?

食用油脂は、飽和脂肪酸から一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸まで、様々な脂肪酸から作られている。エルカ酸は、オメガ9位に二重結合を1つ持つ22炭素鎖長一価不飽和脂肪酸の一種である。

エルカ酸はアブラナ科(Brassicaceae)種の油を多く含む種子に天然に生じる。主に菜種油やカラシ油にある。エルカ酸は天然の菜種やカラシの種子の総脂肪酸の約30 – 60%を占める可能性がある。海洋動物油にも報告されている。

心臓病のリスクを減らす可能性のある他の一価不飽和脂肪酸とは異なり、過剰なエルカ酸が含まれる油を使った食事暴露は、心臓を主な標的器官とした健康有害影響となる可能性が実験動物研究で示されている。実験動物における最も一般的な影響は、心筋の収縮力を低下させる可能性のある、心筋繊維に脂質が蓄積する心筋リピドーシスである。とはいえ、エルカ酸の食事暴露が心筋リピドーシスと相関しているという証拠は、今のところまだヒトでは立証されていない。

国民の健康を守るために、食品中のエルカ酸の量はすでに適切に現地の法定要件で管理されている。現在香港では、全ての油脂及び油脂が添加された食品は、総脂肪酸の5%以上の濃度のエルカ酸を含んではいけない。

低エルカ酸菜種油

菜種中のエルカ酸濃度の高さに関連した潜在的な安全上の懸念に応えて、低エルカ酸品種を生産する努力がなされている。

今日では、菜種油、カラシ油、キャノーラ油など、エルカ酸の少ない菜種油が市販されている。それらはBrassica napus L.種、 Brassica rapa L. 種、Brassica juncea L. 種、由来栽培品種の低エルカ酸採油原料から作られている。コーデックスによると、これらの油に含まれるエルカ酸は総脂肪酸の2%未満である。

キャノーラ油

「キャノーラ」という言葉は「低酸性カナダ油 (Canadian oil, low acid)」に由来する。菜種植物(花は黄色で4つの花弁を持つ)の従来の交配育種により望ましくない性質がなくなるよう作られた。1970年代にカナダで商標登録されていたが、現在では、キャノーラは油のエルカ酸が2%未満の食用菜種品種の一般的な用語として国際的に認められ、使用されている。(図表3参照)

事実、低エルカ酸菜種油は飽和脂肪酸含有量が少なく、不飽和脂肪酸の割合が高い。私達の食事の、より健康的な油の1つだと考えられる。

 

-日本のラーメン―高ナトリウムの罠?

Japanese Ramen – A High SodiumTrap?

Last revision date: 15 Jan 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_162_04.html

日本のラーメンはレストランや家庭ですぐに出される人気料理である。最新の日本の研究では、ラーメン店の普及は日本の都道府県の脳卒中死亡率と関連すると報告された。実際、ラーメンの調理にはしょうゆや塩分が豊富な他の調味料が良く使用されている。

高ナトリウム摂取は高血圧などの有害影響に寄与する。私達のセンターの研究で、ラーメンに含まれるナトリウムは鉢1杯につきおよそ2000- 4000mgだと明らかになった。このナトリウム含有量の約半分はスープに由来する。スープと一緒に麺1杯を食べると、世界保健機関の推奨するナトリウムの最大一日摂取量(すなわち 2000mg/日)を超えるナトリウム摂取量になる可能性がある。

改良製品や塩分控えめ製品を選ぶことで顧客はナトリウム含有量を減らすことができる。麺をスープにつけすぎないように、またスープを飲まないようにして、できるだけ早く麺を食べるよう勧める。

(リンク先はアジアンスタイルスープ麵のナトリウムとエネルギーの調査結果)

 

[ヘルスカナダ]ヘルスカナダは食用アプリコットカーネルに関連するリスクを軽減するための新たなシアン化合物上限を設定する

Health Canada sets new cyanide limit to mitigate risks associated with eating apricot kernels

January 24, 2020

https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2020/72195a-eng.php

カナダで販売される食用アプリコットカーネルの抽出可能なシアン化合物総量の最大濃度(ML)を20ppmに設定した。

製品:アプリコットカーネル

論点:ヘルスカナダはカナダで販売される食用アプリコットカーネルの抽出可能なシアン化合物総量の最大濃度(ML)を20ppmに設定した。2020年1月25日現在、MLを超えるアプリコットカーネルはカナダでの販売を許可されていない。

すべきこと:特定の食品がMLを満たしているかどうか疑問に感じるカナダ人は、製造業者や販売業者に直接連絡した方が良い。2020年1月25日以前にアプリコットカーネルを購入したカナダ人は、成人は粉末や他の食品と混ぜた物も含めて1日3個以下、子供は1つも食べてはならない。シアン中毒に関連した症状を経験したカナダ人は、すぐに医師の診察を受ける必要がある。

 

オタワ―昨年7月に発表されたように、ヘルスカナダは食品としてカナダで販売されているアプリコットカーネルの抽出可能なシアン化合物総量の最大量を20ppmに設定している。

ヘルスカナダとカナダ食品検査庁は、MLが発効すると、MLを満たさないアプリコットカーネルは店舗での販売や他の食品への使用はできないと企業に通知している。

小売店は2020年1月25日までに法令を満たさない製品を取り下げて処分しなければならない。特定の食品がMLを満たしているかどうか疑問に感じるカナダ人は、製造業者や販売業者に直接連絡した方が良い。

2020年1月25日以前にアプリコットカーネルを購入したカナダ人は、成人は粉末や他の食品と混ぜた物も含めて1日3個以下、子供は1つも食べてはならない。

シアン中毒に関連した症状を経験したカナダ人はすぐに医師の診察を受ける必要がある。症状には、衰弱、混乱、不安、情緒不安定、頭痛、吐き気、呼吸困難、息切れ、意識消失、発作、心肺停止などが含まれる。

カナダ人はカナダ食品検査庁に食品の安全性や表示に関する懸念を報告することを奨励されている。

 

[NHS] 新たなエビデンスが妊娠中に飲酒しないよう勧める助言を裏付けする

New evidence supports advice not to drink alcohol in pregnancy

Wednesday 29 January 2020

https://www.nhs.uk/news/pregnancy-and-child/new-evidence-supports-advice-not-drink-alcohol-pregnancy/

「妊娠中の飲酒は胎児の脳機能不全に確実につながる、と研究は確認する」とMail Onlineは報道する。

英国の主席医務官は現在、胎児へのリスクを最小限にするため、妊娠中はいかなる時期も飲酒しないよう女性に助言する。新たな研究レビューにより、妊娠中の飲酒は後に子供の思考能力に影響をあたえ、低体重を引き起こす可能性があることを示唆するいくつかのエビデンスを発見した。

しかし、研究者はこのレビューに含まれる研究は、バイアスがある可能性があり、結果は慎重に扱うべきであると述べた。このレビューは妊娠中の安全な低量のアルコール摂取量があるかどうかの問いに答えていない。

英国政府の妊娠中のアルコールに関する助言は変わらない。この研究によるエビデンスはアルコールが胎児に有害な可能性があるという懸念に追加され、最も安全な選択肢は妊娠中いかなる時期も飲酒しないことである。

妊娠中のアルコールに関して以下。(https://www.nhs.uk/conditions/pregnancy-and-baby/alcohol-medicines-drugs-pregnant/

 

[EU]ファクトシート:化粧品中ナノ物質の安全性評価についてのSCCSガイダンス

The SCCS Guidance on the safety assessment of nanomaterials in cosmetics

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/docs/citizens_guidance_nano_en.pdf

2019年10月に発行されたガイダンスに基づくファクトシート

 

[BfR]新型コロナウイルスによる呼吸器疾患(2019-nCoV):食品の摂取や消費者製品を介したウイルス伝染はありそうにない

Respiratory tract disorders due to new type of coronavirus (2019-nCoV): Virus transmission through the consumption of food products or contact with consumer goods is unlikely

30.01.2020

https://www.bfr.bund.de/cm/349/respiratory-tract-disorders-due-to-new-type-of-coronavirus.pdf

普通の衛生的取り扱いの勧め

肉はしっかり加熱

 

[BfR]MEAL研究

The BfR MEAL Study: What´s in your food

http://www.bfr-meal-studie.de/en/meal-homepage.html

・食品のコールドショック:液体窒素がホモジナイゼーションを促進する

クマのグミとマグロとブロッコリの共通点は?これらは前処理しないとMEAL研究用の均一な検体にならない。そこで液体窒素でマイナス196度に冷やす。それにより含まれる物質の量を変えること無く均一にできる。

またミキサーでのホモジナイゼーションの間に一定量の熱が発生するがそれが研究結果に影響しないようここでも液体窒素が使われる。またある種のビタミンのような不安定で分解しやすい成分を調べるにも液体窒素で7日以内の保管という方法がとられる

 

[FSS]FSSの食品犯罪への取り組み方

How Food Standards Scotland is tackling food crime

29 January 2020

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/how-food-standards-scotland-is-tackling-food-crime

FSSのスコットランド食品犯罪及び事件担当のRon McNaughtonは食品犯罪への取り組みに関してパートナーとの協力の重要性及びその他の人々の関わり方について述べる。

 

[SFA]食品施設への衛生に関する助言

Sanitation and Hygiene Advisory for Food Establishments

29 January 2020

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/advisory-to-food-establishments_final.pdf

シンガポール国家環境庁(NEA)及びシンガポール食品庁(SFA)は、武漢のウィルス感染リスクを最小限にするため、食品衛生管理に関する予防措置を強く求める。

(食品施設向けの食品衛生を徹底するようにという通知。

 

[ODS] ファクトシート更新

-プロバイオティクス

Probiotics

Fact Sheet for Health Professionals

January 29, 2020

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Probiotics-HealthProfessional/

安全性の項目に、プロバイオティクス使用と菌血症のリスクについての情報追加。

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Probiotics-HealthProfessional/#change

 

[FDA] ゲーム大会の日にどう食品安全に取り組むか

How are you tackling food safety on game day?

https://www.fda.gov/food/buy-store-serve-safe-food/serving-safe-buffets

ビュッフェなどに関する基本的な食品安全に関する注意の再喚起。

 

[FSA] Lidl GBは高濃度のピロリジジンアルカロイドのため、Kania Oreganoを回収措置

Lidl GB recalls Kania Oregano because of the possible presence of high levels of pyrrolizidine alkaloids

28 January 2020

https://www.food.gov.uk/news-alerts/alert/fsa-prin-04-2020

(濃度記載なし。スパイス瓶に入った7.5gの製品で,肝疾患につながる可能性があると)

 

[ODS]2020 ODS 演習

2020 ODS Practicum

January 28, 2020

https://odspracticum.od.nih.gov/

2020年6月10–12に、Mary Frances Piccianoダイエタリーサプリメント研究演習が行われる。健康分野の専門家向け

 

[FDA]警告文書

- Cerreta Candy Company, Inc.

January 21, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/cerreta-candy-company-inc-593983-01212020

食品CGMP規則違反、製造、包装または保管に関する衛生管理、不良品の問題。

ペパーミントスノーミント、シナモンハニーピーナッツバターなどの製品の原材料全てのハザード評価が行われていないので違反(環境中微生物、重金属、残留動物用医薬品や食品添加物)。原料などの仕入れにリスクに基づいたサプライチェーン計画が実施されていない,アレルゲン管理等。

(具体的に細かく指摘されている。ここまでやらないと輸出はできないよ、という参考になる。)

 

- Wave Miami LLC

January 13, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/wave-miami-llc-590422-01132020

未承認の医薬品、不良品の問題。ダイエタリーサプリメントとして販売していた“Lipro Dietary Capsule”にタダラフィルを含む。

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 110–20

31 January 2020

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular110%E2%80%9320.aspx

新規申請と提案

・加工助剤としてのGM Trichoderma reesei 由来グルコアミラーゼ

・加工助剤としてのアルファアミラーゼ Alpha-amylase as a processing aid (enzyme

・収量が多く除草剤に耐性のトウモロコシ系統DP202216由来食品

 

[FAO]FAOはアフリカの角での急増するサバクトビバッタとの戦いへの緊急支援を呼びかける

FAO appeals for urgent support to fight worsening Desert Locust upsurge in the Horn of Africa

30 January 2020

http://www.fao.org/news/story/en/item/1259082/icode/

 

-アフリカの角で新世代のサバクトビバッタが交配を始め,警告

Alarm over Desert Locusts increases as new generation of the destructive pests starts breeding in Horn of Africa

29 January 2020

http://www.fao.org/news/story/en/item/1258877/icode/

 

[RIVM]動物飼料中有害物質の移行モデルをオンラインに

Transfer models for harmful substances in animal feed online now

01/28/2020

https://www.rivm.nl/en/news/transfer-models-for-harmful-substances-in-animal-feed-online-now

feed-food transfer models

https://www.feedfoodtransfer.nl/en

乳牛のアフラトキシンとダイオキシン、産卵鶏のダイオキシン、豚のカドミウムとダイオキシン

 

[RIVM]葉酸と妊娠、2008年からのオランダのデータ

Folic acid and pregnancy, data in the Netherlands from 2008

28-01-2020

https://www.rivm.nl/publicaties/foliumzuur-rondom-zwangerschap-gegevens-in-nederland-vanaf-2008-technische-rapportage

本文オランダ語、要約のみ英語

女性は妊娠4週間前から葉酸を摂るよう助言されているが、2012-2016の食品摂取調査では約1/3から1/4の妊娠可能年齢の女性の葉酸摂取量は適切ではない。情報提供で葉酸サプリメントを摂るようになる女性が増えるように見える。先天障害は2014から2016年の間に減ったがこの理由は明確ではない

 

[IARC]IARC隔年報告2018-2019

IARC Biennial Report 2018–2019

28 January 2020

https://www.iarc.fr/news-events/iarc-biennial-report-2018-2019/

 

[Codex]コロナウイルス/コーデックスは中国での添加物と農薬の会合について事態を監視している

Coronavirus / Codex monitoring situation for additives and pesticide meetings in China

29/01/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1259068/

(さて)

 

[Codex]EFSA/コミュニケーションと共通の土台が一緒に働くのに重要

EFSA / communication and common ground key to working together

28/01/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1258887/

 

[FSSAI]メディアコーナー

Doon食品安全部はレストランやオンライン食品配達業者に従業員が薬物を配達していないことを確実にするよう頼む

Doon food safety dept issues notices to restaurants, online food delivery cos, asks them to ensure their personnel aren’t delivering drugs  

28-01-2020

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Doon_TOI_28_01_2020.pdf

Dehradun地方食品医薬品局はホテルやレストラン、オンライン食品配達事業者に、配達人が違法麻薬配達に関与しないよう確認するよう通知を出した。またオンライン食品配達チェーンは、「禁止薬物を配達していた場合直ちに対応できるよう」配達協力者をFSSAIに登録しなければならないと加えた

(なんだそれ)

 

[WHO]2019-nCoVのアウトブレイクに関するIHR(2005)緊急委員会の第二回会合についての声明

Statement on the second meeting of the International Health Regulations (2005) Emergency Committee regarding the outbreak of novel coronavirus (2019-nCoV)

30 January 2020 Statement

https://www.who.int/news-room/detail/30-01-2020-statement-on-the-second-meeting-of-the-international-health-regulations-(2005)-emergency-committee-regarding-the-outbreak-of-novel-coronavirus-(2019-ncov)

 

[USDA]抗酸化物質の詰まった玄米品種

ARS

Brown Rice Variety Packs Antioxidant Punch

By Jan Suszkiw January 28, 2020

https://www.ars.usda.gov/news-events/news/research-news/2020/brown-rice-variety-packs-antioxidant-punch/

ARSの科学者が特徴のあるGEDrew玄米にアルファトコフェロール、トコトリエノール、ガンマオリザノールが多いことを報告。GEDrewは10年以上前に行われたコメの交配計画での突然変異の産物。胚が大きい

(アメリカのコメの研究センターの成果の紹介。)

 

論文

-発酵大豆製品が死亡リスクの低さに関連

Fermented soy products linked to lower risk of death

29-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/b-fsp012720.php

BMJに発表されたがん研究センターの研究

大豆食品、発酵性大豆食品の摂取量と死亡リスクの関連

―多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告―

https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8438.html

(男女どちらも一番摂取量の少ない群が他の集団と違うように見える。用量相関はあまりなさそうなので、食べない群になにかがあるのでは

大豆食べる量が少ない人は喫煙・飲酒率が高くコーヒーも多く飲む。高血圧は逆に大豆製品多く食べる方が多い。塩かな。全体的に一日あたりの納豆を食べる量(g)より味噌を食べる量のほうが多いのが気になる。降圧剤がなかったら全然違う結果になる気がする)

 

-The Lancet:子宮頸がんは最も影響のある国々から根絶可能で2120年までに6200万人の女性の命が救える

The Lancet: Cervical cancer could be eliminated in countries worst affected by the disease, and 62 million women's lives could be saved by 2120

30-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/tl-pss013020.php

 

妊娠中の飲酒: #DRYMESTERのみが安全なアプローチ

Drinking alcohol during pregnancy: #DRYMESTER the only safe approach

28-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/uob-dad012720.php

International Journal of Epidemiologyに発表されたレビューによると妊娠中の飲酒は子どもの認知機能低下につながる。この知見は英国医務主任の#DRYMESTERガイドライン、つまり妊娠中は飲酒しない、を再確認する

 

-亜鉛トローチは風邪の期間を短縮しない

Zinc lozenges did not shorten the duration of colds

28-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/uoh-zld012820.php

BMJ Openに発表された酢酸亜鉛トローチのRCT。ヘルシンキで88人に、風邪の症状が出始めたらすぐに1日6つの亜鉛トローチ(総亜鉛量78mg)を5日間。5日間の回復はプラセボと差が無く、治療終了後はむしろトローチ群のほうが回復が遅かった。主な苦情は味が悪いこと

(亜鉛トローチや気付け薬は文化依存なんだろう。)

 

-あなたの水には何が入っている?

What's in your water?

28-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/jhu-wiy012820.php

飲料水の新しい有毒殺菌副生成物を同定

Environmental Science & Technology。水に塩素を入れてそれからアミノ酸N-α-アセチル-リジンを加えて1日後に質量分析。2-ブテン-1,4-ジアール (BDA) とクロロ-2-ブテン-1,4-ジアール を同定。これらはこれまで塩素を入れた水から検出されたことはない。実際の水道水での評価は行っていない。他にフェノール類と塩素の反応物も同定

(検出された濃度の記載は無く現実の水道水で測定していないのに「発がん性」で「塩素殺菌に疑問」と主張)

 

-Nature

コメント

排出-「いつものような」物語は誤解を招く

Emissions – the ‘business as usual’ story is misleading

29 JANUARY 2020

Zeke Hausfather & Glen P. Peters

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00177-3

気候温暖化における最悪シナリオを最もありそうなこととして話すのは止めよう。より現実的なベースラインで話す方がより良い政策につながる

(大げさに言うのが当然になってしまうとコミュニケーションは難しくなり落とし所が見つかりにくくなる。科学者がプレスリリースでそういう癖をつけるのは良くない)

 

英国がEU離脱した:それは科学者にとって何を意味する?

Brexit is happening: what does it mean for science?

29 JANUARY 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00215-0

 

ニュース一覧

サバクトビバッタの警告、科学的厳密性、そしてリスクの高い病気の実験を巡る議論

Locust alarm, scientific rigour and a debate over risky disease experiments

29 JANUARY 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00172-8

 

Natureニュース

社会科学者はオンラインのおしゃべりから知見を集めるためにボットと戦う

Social scientists battle bots to glean insights from online chatter

28 JANUARY 2020  Heidi Ledford

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00141-1

ソーシャルメディアの自動投稿生成は研究を混乱させる可能性がある

ソーシャルメディアのボットがますます洗練されてきている

これまでソーシャルメディアのボットは選挙に影響を与えデマを拡散して公衆衛生に害を与えると批判されてきたが、一部の社会科学者は新たな非難を加えた:ボットはソーシャルメディアの情報を使った人の健康や行動研究にも干渉する

 

エッセイ

Isaac Asimov:偉大なる説明者の100周年

Isaac Asimov: centenary of the great explainer

David Leslie

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00176-4

Isaac Asimov:ロシア生まれの化学者でサイエンスフィクションの巨像(1920–92)

約500冊の本を出版した

 

-Science

ニュースを一目で

News at a glance

Science  31 Jan 2020:Vol. 367, Issue 6477, pp. 490-491

・ブラジルの大学の規制機関CAPESのトップに創造論提唱者Benedito Guimarães Aguiar Netoが任命されたため,ブラジルの科学者が憤慨している。Aguiar Netoは最近インテリジェントデザイン論をブラジルの基礎教育カリキュラムに「進化論の対抗理論として」導入すべきだと言っている。大統領Jair Bolsonaroがキリスト教福音主義者からの強い支持を歓迎している

・WHOの電子タバコの立場に強い憤り

先週WHOが発表した電子タバコへの警告に対して英国の公衆衛生専門家が強く反対。英国はタバコより安全な禁煙用として規制下で使用しているのに対し米国CDCは肺疾患の流行を受けて「若者は全ての電子タバコを吸うべきではない」と助言していてWHOはCDCに同調した

 

新型コロナウイルスの脅威が科学者を奮い立たせる

New coronavirus threat galvanizes scientists

Science  31 Jan 2020:Vol. 367, Issue 6477, pp. 492-493

Jon Cohen

https://science.sciencemag.org/content/367/6477/492

どこから来た?既存の医薬品は効く?ワクチン開発が間に合う?

 

ミツバチのための微生物叢特効薬

A microbiome silver bullet for honey bees

Robert J. Paxton

Science  31 Jan 2020:Vol. 367, Issue 6477, pp. 504-506

セイヨウミツバチの重大なストレス要因である病原体への対策として,ミツバチの腸内細菌を遺伝子組換えしてRNA干渉による防御力を与えることが効果的で安価で長く続く解決法になる可能性があると今週のSciecenに報告された。

 

組換え細菌がミツバチを病原体から守る

Bacteria engineered to protect bees from pests and pathogens

30-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/uota-bet012320.php

テキサス大学オースチン校の科学者らがScienceにCCDのような恐ろしい傾向からミツバチを守る新しい戦略を開発した。ミツバチの腸内の細菌をVarroaダニ と deformed wing ウイルスから守る医薬品を作る化学工場にする

(この発見への反応を見れば真の目的がミツバチをまもれなのか農薬反対なのかわかるんじゃないかな)

 

その他

-クロムはその輝きを失った?

Has Chromium Lost Its Luster?

by WELLNESS LETTER  Published January 28, 2020

https://www.berkeleywellness.com/supplements/minerals/article/has-chromium-lost-its-luster

クロムは必須微量ミネラルで、細胞がインスリンに適切に反応するのに役立つ。多くの食品には少量から中程度の量のクロムが含まれる。代謝に重要な働きをすることからクロム、特にピコリン酸クロムは人気のサプリメントになり販売業者はたくさんの健康効果を謳っている。クロムの人体での作用機序はあまりよくわかっておらず健康にとって最適の必要量は明確ではない。そのため推奨食事許容量(RDAs)は設定されておらず適切摂取量の成人20-35 microg/dのみが設定されている。米国ではクロム欠乏は希である。しかし人々のクロムの状態を診断するのは困難である。何故なら血液、尿、毛髪のクロムは体内のクロム貯蔵量を反映せず、信頼できる生化学的指標もないからである。

クロムサプリメントは純粋なクロムではなくいくつかの形態で販売されている。ピコリン酸クロムの他、塩化クロム、ニコチン酸クロム、高クロム酵母など。ピコリン酸とニコチン酸の形態が他のものより吸収率が良いようだ。ほとんどのマルチビタミン/ミネラル錠剤は20-180マイクログラムのクロムを含む

糖尿病にクロム?

他のクロム研究

(文献紹介)

基本

最も安全で最良のクロム摂取方法は食品からである。クロムサプリメントの研究の多くは小規模・短期間でその結果も矛盾するためサプリメントに利益があるのかどうかわからないのでクロムサプリメントは勧めない。あなたが糖尿病でクロムサプリメントを使用しているなら、血糖コントロールに影響する可能性があるので医師に相談すること。

 

-気付け薬は効果がある?

Do Smelling Salts Work?

by LAURIE SALOMAN  Published January 27, 2020

https://www.berkeleywellness.com/self-care/over-counter-products/article/do-smelling-salts-work

Q: おばあさんが棚に気付け薬を常備していた。それは本当に役に立つ?

A: アンモニア吸入剤、別名気付け薬は気を失いそうな人あるいは気絶した人をおこすのに昔から使われてきた。炭酸アンモニウムは有害でその匂いを嗅ぐと鼻を通るときに刺激性が強く吸入反射を引き起こす。この反射が呼吸を速くし心拍数を上げる。それが意識を取り戻すきっかけになるのだろう。

しかし近年アスリートが試合の前の活気づけに使うことが見られるようになってきた。効果があるという根拠はない。さらに心配なのは頭部損傷などの結果として放心状態になっている選手にトレーナーが使っていることである。これは選手の適切な診断を妨げる可能性があり傷害の深刻さを隠す可能性がある。さらに傷害を負った選手がアンモニアを嗅ぐことで頭部を急激に動かして傷害が悪化するかもしれない。

FDAは気付け薬を失神治療用に認めている。とはいえその医療での使用は限られている。さらに高用量の炭酸アンモニウムの吸入は呼吸障害や重症肺傷害を引き起こす可能性がある

 

-BBC特集  

ビーガン食はあなたの知能にどう影響するか

How a vegan diet could affect your intelligence

By Zaria Gorvett 28th January 2020

https://www.bbc.com/future/article/20200127-how-a-vegan-diet-could-affect-your-intelligence

ビーガン食は重要な脳の栄養のいくつかが少ないあるいは全くない。これらの欠点がビーガンの思考能力に影響しているのか?

 

何故ビーガンジャンクフードは健康にはむしろ悪いかもしれないのか

Why vegan junk food may be even worse for your health

By William Park 30th January 2020

(肉へのこだわりがすごい・・)

 

-ヒトと農業のゲノム編集:規制と目録

GLP

Human and Agriculture Gene Editing:Regulations and Index

https://crispr-gene-editing-regs-tracker.geneticliteracyproject.org/

世界中のゲノム編集関連応用分野の規制や開発中のもののリスト

地域ごとおよび時系列

 

SMC

NZ

-新型コロナウイルスと国境審査-専門家の反応

Novel coronavirus and border screening – Expert Reaction

Published: 30 January 2020

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2020/01/30/novel-coronavirus-and-border-screening-expert-reaction/

 

UK

-フラボノールとアルツハイマー病を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at flavonols and Alzheimer’s disease

JANUARY 29, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-flavonols-and-alzheimers-disease/

Neurologyに発表された研究が抗酸化フラボノールはアルツハイマー病リスクの低さと関連するかもしれないと報告する

Glasgow大学公衆衛生栄養講師Ada Garcia博士

この研究は高齢の,特に女性で約一杯の紅茶に含まれる量の15mgのフラボノールを含む食品を食べていると自主申告した場合、6年間のアルツハイマー発症リスクが約44%少なかったことを示す。しかしオメガ3やビタミンEや葉酸やルテインなどの影響を考慮するとフラボノイドの保護作用は消失した。この種の研究は情報源にはなるが公衆衛生助言をする前に慎重に検討する必要がある。

特定の栄養素に注目するのではなく、多様な野菜や果物,油分の多い魚、種子、豆、ナッツなどを含む健康的な食事パターンが慢性疾患予防のための良いアプローチである。一般の人はこの研究を間違って解釈し「抗酸化物質」のような単語を認知症予防の特効薬のように考えるかもしれないのでこのことは重要である。単離されたフラボノールやフラボノールの多い食品を摂取してもそれだけで疾患リスクを減らすことはなく、高用量では健康に悪影響がある可能性もあることを忘れずに。

UK認知症研究所部長Bart De Strooper教授

食品と健康の関係は常に注目される。この種の研究は関連のみを記述するもので,関連は必ずしも因果関係を示す、ものではない。多くの研究が再現されない。従って一般的にこのような知見は誇大宣伝すべきでない

UK認知症研究所部長Adrian Ivinson博士

アルツハイマー学会研究部長James Pickett博士

Kings College London栄養科学講師Ana Rodriguez-Mateos博士

この研究のフラボノールの摂取量は5-15mg/dととても少ない。英国人の推定フラボノイド摂取量は500-1000mg/dでフラボノールの臨床試験で使われる典型的な量は100-700mg/dである

Edinburgh大学脳科学発見センター副部長UK認知症研究所プログラム主任Tara Spires-Jones教授

Reading大学栄養と食品科学教授Gunter Kuhnle教授

フラボノールとフラボノイドにはたくさんの誤解がある。何より最初にそれらは人体では抗酸化物質として作用しない。二つ目はそれら化合物はたくさんありそれぞれ作用が異なる

NHS栄養士Catherine Collins氏

Aston大学医学部上級講師で登録栄養士Duane Mellor博士

UCL遺伝学研究所名誉教授David Curtis教授

アルツハイマー研究UK研究部長James Connell博士

(同様のコメント等略、全員同じようなことを言っているのにこの手の研究の誇大報道が続く)

 

-作物を保護するために遺伝子組換え蛾を野外放出した研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at field release of genetically engineered moth for crop protection

JANUARY 29, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-field-release-of-genetically-engineered-moth-for-crop-protection/

Frontiers in Bioengineering and Biotechnologyに発表された研究が作物保護のためのGM蛾の使用について報告する

Oxford大学数理生物学教授Michael Bonsall教授

この研究は自己増殖しないコナガと野生の蛾を野外で比較した。この研究はしっかりしたものでGM蛾の放出でコナガの集団が減ったことを示すが、この仕事の現実的なベネフィットの一つはこうした技術が化学/生物農薬のような他の管理手段への耐性管理にも使えることを理解することである。GM放出を介して化学/生物農薬への感受性を再導入できる。これは多数の管理手段をもてるので現代農業にとって極めて有用である

(Oxitec)