[EFSA]意見等
-植物のIn vivo 及び in vitroランダム突然変異誘発技術
In vivo and in vitro random mutagenesis techniques in plants
EFSA Journal 2021;19(11):6611 11 November 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6611
(科学的意見)
突然変異は次の世代に伝わる可能性のある遺伝物質の変化である。突然変異は自然の中で自然発生的に生じ、進化の根本となる原動力の1つである。植物では、in vivo 及びin vitroランダム突然変異誘発は突然変異の頻度を高めるために物理的化学的突然変異原の適用により、それにより重要な農学的特性のある品種の選択を加速している。欧州委員会は、in vivo とin vitroランダム突然変異誘発技術が異なる技術と考えられるかどうか結論できるよう、EFSAにin vivo とin vitroランダム突然変異誘発技術や突然変異の種類や含まれるメカニズムのより詳細な記述を提出するよう要請した。欧州委員会の要請に対処するために、in vivo と in vitro両方で植物に使用されるランダム突然変異誘発技術、そのような技術によって生成される突然変異の種類、それらの突然変異の形成の根本となる分子メカニズムに関する情報を集めるために文献検索が実施された。GMOパネルは、ほとんどの物理的化学的突然変異誘発技術はin vivoと in vitro両方で適用されていると結論した；突然変異の過程や修復メカニズムは細胞レベルで作用するため、突然変異原がin vivo あるいは in vitroでの適用に違いはない、特定の突然変異源によって生じるた突然変異の種類は、in vivoと in vitroどちらが適用されたかにかかわらず同じだと予想されている。実際、既定の植物種でin vivoとin vitro両方のランダム突然変異を用いて同じ突然変異や生成された特性が得られる可能性があり、その結果生じた突然変異は区別できない。そのため、GMOパネルは、in vitro あるいはin vivo アプローチによって得た植物を区別することは正当化できないと結論した。
-ホスホン酸カリウムの使用から生じる柑橘類の果物中のホセチル/ホスホン酸の既存MRLsの改訂
Modification of the existing maximum residue levels for fosetyl/phosphonic acid in citrus fruits resulting from the use of potassium phosphonates
EFSA Journal 2021;19(11):6926 10 November 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6926
(理由付き意見)
-テンサイの根とバナナのフルジオキソニルの輸入トレランス設定
Setting of import tolerances for fludioxonil in sugar beet roots and bananas
EFSA Journal 2021;19(11):6919 10 November 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6919
(理由付き意見)
-スピロジクロフェンの既存MRLsのレビュー
Review of the existing maximum residue levels for spirodiclofen according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005
EFSA Journal 2021;19(11):6908 10 November 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6908
(理由付き意見)
更なる検討が必要。
-認可更新のための全ての動物種用Levilactobacillus brevis (以前は Lactobacillus brevis) DSM 12835 EU株からなる飼料添加物の評価(Lactosan GmbH & Co KG)
Assessment of the feed additive consisting of Levilactobacillus brevis (formerly Lactobacillus brevis) DSM 12835 EU for all animal species for the renewal of its authorisation (Lactosan GmbH & Co KG)
EFSA Journal 2021;19(11):6900 8 November 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6900
(科学的意見)
-生後16週間未満の乳児用食品の食品添加物としての脂肪酸のモノ-及びジグリセリド(E 471)の再評価と、全ての人口グループの食品に使用される食品添加物としての再評価のフォローアップに関する意見
Opinion on the re‐evaluation of mono‐ and diglycerides of fatty acids (E 471) as food additive in foods for infants below 16 weeks of age and follow‐up of their re‐evaluation as food additives for uses in foods for all population groups
EFSA Journal 2021;19(11):6885 8 November 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6885
(科学的意見)
脂肪酸のモノ-及びジグリセリド(E 471)は、以前の食品添加物及び食品に添加される栄養源に関するEFSAのパネル(ANS)が2017年に再評価した。この評価のフォローアップとして、食品添加物及び香料に関するパネルは、食品分類13.1.1(乳児用調整乳)及び13.1.5.1(特別医療用目的の乳児用食品と乳児用特別調整乳)に属する生後16週間未満の乳児用食品の食品添加物として利用される脂肪酸のモノ-及びジグリセリド(E 471)を評価するよう要請された。さらにFAFパネルは、一般用食品に使用される際の、2017年の食品添加物の再評価中にすでに確認されている問題に対処するよう要請された。パネルは、調べた最大量で、また市販後データにより、入手可能な動物実験による有害影響の兆候はないと考えた。母乳によるモノ-及びジグリセリドの合計への一日暴露量と、乳児用調整乳中のE 471の使用から生じたものとを比較した。パネルは、結果として生じた暴露は同等とした。概して、パネルは、E 471がFC 13.1.1および 13.1.5.1の食品添加物として、またEC規則No 1333/2008附則IIIにより使用される際に、安全上の懸念の理由はないと結論した。有害元素と不純物のリスク評価から、ヒ素、鉛、カドミウム、水銀の現在の最大限度を下げ、E 471のEU仕様書のグリシジルエステル類、3-モノクロロプロパンジオール、エルカ酸の限度を含む必要性が明確に示された。
-認可更新のためのすべての動物種用Lacticaseibacillus paracasei (以前はLactobacillus paracasei) DSM 16245株からなる飼料添加物の評価(Lactosan GmbH & Co KG)
Assessment of the feed additive consisting of Lacticaseibacillus paracasei (formerly Lactobacillus paracasei) DSM 16245 for all animal species for the renewal of its authorisation (Lactosan GmbH & Co KG)
EFSA Journal 2021;19(11):6902 8 November 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6902
(科学的意見)
-産卵鶏、マイナー家禽種および全ての鳥種用Bacillus subtilis LMG S‐27588株 (Beltherm MP/ML)で生産したエンド‐1,4‐β‐キシラナーゼからなる飼料添加物の安全性と有効性(Puratos NV)
Safety and efficacy of a feed additive consisting of endo‐1,4‐β‐xylanase produced by Bacillus subtilis LMG S‐27588 (Beltherm MP/ML) for laying hens, minor poultry species and all avian species (Puratos NV)
EFSA Journal 2021;19(11):6906 8 November 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6906
(科学的意見)
-認可更新のための全ての動物種用Lacticaseibacillus rhamnosus (以前は Lactobacillus rhamnosus) NCIMB 30121株からなる飼料添加物の安全性と有効性(Lactosan GmbH & Co. KG)
Safety and efficacy of a feed additive consisting of Lacticaseibacillus rhamnosus (formerly Lactobacillus rhamnosus) NCIMB 30121 for all animal species for the renewal of its authorisation (Lactosan GmbH & Co. KG)
EFSA Journal 2021;19(11):6901 8 November 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6901
(科学的意見)
-離乳子豚用安息香酸ナトリウム(Protural®)からなる飼料添加物の認可更新及び他の発育するイノシシ科への使用拡大のための評価(Taminco Finland Oy)
Assessment of the feed additive consisting of sodium benzoate (Protural®) for weaned piglets for the renewal of its authorisation and the extension of use to other growing Suidae (Taminco Finland Oy)
EFSA Journal 2021;19(11):6899 8 November 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6899
(科学的意見)
-全ての動物種に使用するためのCitrus limon (L.) Osbeck (レモン抽出物)の水性抽出物からなる飼料添加物の安全性と有効性(Nor‐Feed SAS)
Safety and efficacy of a feed additive consisting of an aqueous extract of Citrus limon (L.) Osbeck (lemon extract) for use in all animal species (Nor‐Feed SAS)
EFSA Journal 2021;19(11):6893 8 November 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6893
(科学的意見)
-子豚(哺乳および離乳)、豚肥育、子豚のための雌豚用、鑑賞魚、イヌ、全ての鳥種用Bacillus velezensis DSM 15544 株(Calsporin®)からなる飼料添加物の安全性と有効性(Asahi Biocycle Co.)
Safety and efficacy of a feed additive consisting of Bacillus velezensis DSM 15544 (Calsporin®) for piglets (suckling and weaned), pigs for fattening, sows in order to have benefit in piglets, ornamental fish, dogs and all avian species (Asahi Biocycle Co.)
EFSA Journal 2021;19(11):6903 8 November 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6903
(科学的意見)
-全ての動物種用アミノ酸水和物の鉄(II)キレートからなる飼料添加物の安全性と有効性
Safety and efficacy of a feed additive consisting of iron (II) chelate of amino acids hydrate for all animal species
EFSA Journal 2021;19(11):6894 5 November 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6894
(科学的意見)
-EFSAの専門家会議からのニュース速報：飼料添加物(FEEDAP)
Breaking news from EFSA’s expert meetings: Feed additives (FEEDAP)
2021/11/11
https://www.youtube.com/watch?v=0cV3nmIfAEY
YouTube動画
[HK]ナッツのサンプルが栄養表示規則に違反
Nuts sample not in compliance with nutrition label rules
Tuesday November 9, 2021
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20211109_8969.html
ベトナム産ナッツが炭水化物33 g/100 g含有という表示のところ、16.7 g/100 g検出であった。
[SFA] 企業とその取締役食肉・魚類衛生法に関し複数の違反があり、告発される
Company and director charged for multiple offences under the Wholesome Meat and Fish Act
10 November 2021
2019年7月、シンガポール食品庁（SFA）はオンラインスーパーの敷地内で、ラベルのない冷凍肉、魚及びシーフード製品を発見した。同社と取締役が、製品の賞味期限の不表示、改ざんラベル製品の販売、無許可の食品加工室の運営、改ざん等の違反で起訴された。
[FSA] 気候変動が食生活に与える影響と規制当局の責任とは？- Susan Jebb教授
How climate change will impact on diet and what is the regulatory responsibility? - Professor Susan Jebb
10 November 2021
「Global Conference for Food Safety and Sustainability（食品安全と持続可能性のための国際会議）」でFSAのSusan Jebb教授が講演し、規制当局、食品及び飼料の科学者、消費者団体、専門家、学識経験者がフードシステムの気候変動への対応について議論した。
[FSA]Food and You 2: 第1-2 回主要な調査結果報告が発表された
Food and You 2: Wales Wave 1-2 Key Findings report published
10 November 2021
https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/food-and-you-2-wales-wave-1-2-key-findings-report-published
英国食品基準庁（FSA） は本日 Food and You 2の第1-2 回主要な調査結果報告を表した。
（FSAの認知度93%信頼81%ととても高い）
[FDA]FDAは消費者がますますオンラインで食品を購入するようになり、食品安全保護の強化に努める
FDA Works to Strengthen Food Safety Protections as Consumers Increasingly Order Foods Online
11/09/2021
オンラインで食品を購入することが増えたことに関しての課題や対応について、食品政策・対応担当副長官Frank Yiannas及び食品安全・応用栄養センターの食品安全局マルチ食品担当Andreas Kellerが話す。
（適切な温度管理や意図的異物混入予防のために何ができるか？等）
[FDA]警告文書
-Lewiston Feed & Produce Company
SEPTEMBER 15, 2021
適正製造規範(CGMP)、医療用飼料、不純品の問題。製品に高濃度のモネンシンを含む。
-Quicksilver Scientific
OCTOBER 13, 2021
未承認の医薬品、不正表示の問題。ダイエタリーサプリメント成分を含む。
-Fitsum Ghebremichael Amare
OCTOBER 20, 2021
「外国供給業者検証プログラム（FSVP）」違反の問題。
-Bartlett Cooperative Association Bartlett Feed Mill
OCTOBER 20, 2021
CGMP、医療用飼料、不純品、動物飼料の不正表示の問題。製品に高濃度のモネンシンを含む。
[MHRA]命を救うアドレナリン自己注射が公共の場所で入手可能に
Life-saving adrenaline auto-injectors could become available in public places
11 November 2021
ヒト医薬品に関する委員会が本日発表した報告書によって、命に関わるアレルギー反応に苦しむ人が、レストランや娯楽施設のような公共の場所で、アドレナリン注射が入手できるようになるのに一歩近づいた。
公共の場でアドレナリン自己注射(AAIs)がより広く入手できるようになる前に規制の変更とパブリックコメントが必要だろう。本日の報告書は安全で有効なAAIsのための助言を概説している。MHRAはこれらの助言を進めている。
[RIVM]報告書
-シガリロ（細い葉巻）、加熱タバコ、ニコチンパウチの認知は比較的低い
Awareness and use of cigarillos, heated tobacco and nicotine pouches relatively low
11/11/2021
成人のうちこれらの製品のどれか一つをよく知っているのは半分以下で使ったことがあるのは14%以下。13-17才の若い人では知っているのは12%使ったことがあるのは1%未満
これらの製品は健康に悪影響がある可能性があり、RIVMはタバコへの規制をこれらに拡大することを勧める
-高等教育中の学生の薬物使用
Substance use among students in higher education
11-11-2021
2021年春に28000人の学生を調査。
重度薬物使用者は、賃貸に住んでいる男性に多く、大学に通っていない同様の人や全集団に比べて学生の方がアルコールと薬物を多く使う、特に大麻とXTC.
注目された知見には薬物使用が多い学生は返すべき学生ローンが多い傾向があること
リタリンのような集中力を上げるとされる薬物を過去12ヶ月に少なくとも一回使用したと回答したのは20人に1人。
-高等教育中の学生の精神衛生
Mental health of students in higher education
11-11-2021
同じ研究のメンタルヘルス調査
コロナ危機以前から既に学生のメンタルヘルスには懸念があったが、この調査がおこなわれた時期のコロナウイルス拡散対策はこの研究結果に影響を与え、既存の懸念が増加した。
[CDC]世界の麻疹対策の進歩がCOVID-19パンデミックで脅かされている
Global Progress Against Measles Threatened Amidst COVID-19 Pandemic
November 10, 2021
https://www.cdc.gov/media/releases/2021/s1110-measles-progress.html
20年で最大のワクチン未接種の子どもの増加と疾患サーベイランスの重大なギャップが麻疹アウトブレイクリスクを増やして生命をリスクに晒している：WHO, CDC
[CDC]ターメリックスパイスに関連する子どもの鉛中毒—ラスベガス、2019年
Childhood Lead Poisoning Associated with Turmeric Spices — Las Vegas, 2019
Kappel M et al.,
MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2021;70:1584–1585.
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/mm7045a4.htm?s_cid=mm7045a4_w
2019年3月、南ネバダ保健区疫学及び疾患サーベイランス事務所に地元の小児科医から2才の男の子の血中鉛濃度48 μg/dL（参照値<5 μg/dL）の報告があった。小児科医は明らかな鉛暴露源がわからないこと、別の家に住むいとこの9ヶ月の女の子も血中鉛濃度11 μg/dLと高いことを報告した。どちらの親もアフガニスタンからの移民で、子どもたちはアメリカ生まれ。標準質問表では最初暴露源が不明だった。XRFアナライザーで自宅の食器、挽き肉器、ターメリックスパイス、コメ調味料が鉛ハザードと同定され、認証検査機関での検査の結果、ターメリック2000mg/kg、コメ調味料0.6mg/kgが確認された。またアフガニスタンのターメリックから15000mg/kg、地元マーケットのものから3000mg/kgの鉛が検出された。他の家族の鉛濃度も調べたところ高く、どちらにも鉛を含むターメリックの使用を止めるよう助言した。その後血中濃度は低下している
ターメリックの鉛汚染は、意図的に重量を増やすあるいは色を加えるために加えられている場合がある。
[IARC]プレスリリース
-がん予防ヨーロッパががん予防についての多言語学習プログラムの第二部を発表
Cancer Prevention Europe launches second part of multilingual learning programme on cancer prevention
11 November 2021
-IARCがん予防ハンドブック18巻 子宮頸がん検診法の評価
IARC Handbooks of Cancer Prevention Volume 18:
Evaluation of cervical cancer screening methods
10 November 2021
https://iarc.who.int/wp-content/uploads/2021/11/pr305_E.pdf
[FAO]世界の食料輸入額は2021年は過去最高
World food import bill to reach a record high in 2021
11/11/2021
https://www.fao.org/newsroom/detail/world-food-import-bill-record-high-2021/en
Food Outlook
論文
-栄養強化調整乳は後の学業成績への利益は無いことを研究が発見
Study finds no benefit of enriched formula milks on later academic performance
10-NOV-2021
https://www.eurekalert.org/news-releases/934195
赤ちゃんの時に普通のミルクを飲んでいても特別のミルクでも学校での試験結果は同じ
BMJ
長鎖多価不飽和脂肪酸、鉄、マクロ栄養素、sn-2パルミチン酸あるいはヌクレオチドが強化されているものを使った試験のレビュー
-植物ベースの代用食品摂取が英国で10年で2倍になったかも、この種のものでは初めての解析が示唆
Plant-based alternative food consumption may have doubled in UK over ten years suggests first analysis of its kind
11-NOV-2021
https://www.eurekalert.org/news-releases/934599
Science of the Total Environmentに発表された、2008-2011と2017-2019の食事調査の比較。最も増えたのは植物ベースのミルク
（単に豆乳やアーモンドミルクのようなものがブームになっただけのような）
-SCIENCE VOLUME 374|ISSUE 6569|12 NOV 2021
表紙はタイガーロックフィッシュ（メバルの仲間）、116年も生きる。11年から200年以上の寿命をもつこの魚の仲間、88種のゲノム解析で寿命の遺伝的基礎が明らかに
ニュースを一目で
News at a glance
796-798
・ブラジルの科学者がトップ賞を冷たくあしらう
先週ブラジルで最も名誉ある科学賞を受賞した21人の科学者が、その賞をJair Bolsonaro大統領が彼の政治的見解に一致しないとして二人の研究者に取り消した数日後に放棄した。
・HIVワクチンが子宮頸癌を撃退
英国、スウェーデンの状況紹介
エピジェネティックスの政治学
THE POLITICS OF EPIGENETICS
ABRIL SALDAÑA-TEJEDA p. 829
Sarah S. Richardson 著The Maternal Imprintの書評
生殖と遺伝の分野で、いわゆる「母親の影響」に関して、科学と社会が相互に影響し合って形作られる様を描いている
Richardsonによると19世紀末にドイツの生物学者August Weismannが遺伝には父親と母親が同等に寄与していると述べてそれまでの母親の感情と経験が子どもに伝えられるという信念（母親による刷り込み）に異議を唱えた。1930年代までには母親の刷り込み説は一般的に非科学的と考えられるようになったが、より柔軟な、「母親の影響」に取って代わった。そして再び胎児の環境がセンターステージに立った。1960年代から70年代は出生体重が研究によく使われて、母体はあらゆる種類の社会的病の媒介とみなされた。Richardsonは胎児期プログラミングとDNAメチル化研究を批判的に探る。限られたデータを根拠に妊娠中の経験が子どもに世代を超えて伝わると主張するエピジェネティック研究の限界を指摘する。終章では、科学的に母体に将来の健康な人類のための膨大な任務を課すことへの社会的政治的意味を描く。この本は科学が政治の一環であることを思い出させる認識論的挑発であり、女性に我々全ての将来の責任をかぶせるのではなく女性に力を与える知識を生み出すことへの招待である。
お金によるインセンティブはCOVID-19ワクチン接種を増やした
Monetary incentives increase COVID-19 vaccinations
POL CAMPOS-MERCADE et al.,pp. 879-882
スウェーデンで、24米ドル相当のお金を払うことで、ベースラインの71.6%から4.2%ワクチン接種率が上がった。一方行動上のナッジはするつもり、ということを増やしたが実際のワクチン接種率には有意な影響は無かった。
展望
現金によるインセンティブ、倫理、そしてCOVID-19予防接種
Cash incentives, ethics, and COVID-19 vaccination
NANCY S. JECKER pp. 819-820
現金は予防接種率を上げるのに効果があるという研究がいくつか報告されている。
お金を払うことはできる、しかしそれをすべきなのか？
実用性、市民としての責任、公平性、搾取、自律性。
注意深く進めよ
その他
-SMC NZ
デルタのデマの大洪水
The Delta disinformation deluge – In the News
12 November 2021
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/11/12/the-delta-disinformation-deluge-in-the-news/
新しい報告書によると、ニュージーランドではデルタのアウトブレイクによりデマのアウトブレイクもおこった
大規模反ワクチン、反ロックダウン抗議のおこなわれた火曜日にこのワーキングペーパーが発表された。その前にSMCはこの報告書の著者らによる説明会をおこなった。
この研究は、8月にレベル4ロックダウンに入るとCovid-19特異的デマが急増したことを発見した。
報道へのリンク
報告書
Mis- and disinformation in Aotearoa New Zealand
9 November 2021
https://www.tepunahamatatini.ac.nz/2021/11/09/mis-and-disinformation/
特徴はマオリのモチーフやシンボルの濫用
-Exxonは藻類ベースの燃料に緑色の金を見る。疑う人はグリーンウォッシュをみる
Exxon Sees Green Gold in Algae-Based Fuels. Skeptics See Greenwashing.
By Christopher M. Matthews | The Wall Street Journal Updated Oct. 3, 2021
Exxon Mobil社はもう長い間藻類を輸送用燃料に変えようとしてきたが人目を引くための広報活動に過ぎなかった。この石油大企業は間違っていたという。
遺伝子組換えを使って小さな藻類で燃料を作るまでもうすぐ、とExxonは言う。政府が補助金を出し10年以内に市販できると言う。
しかし疑う人は多い。ほぼ全ての他の石油企業が、過去十年に膨大な投資をしてほとんど成果が無かった。
（会員のみ。2009年から研究開発していてまだ実用化は見えないと）
