[TGA]安全性警告

Chapter Plus+ By Backslimカプセル

Chapter Plus+ By Backslim Capsules

31 October 2018

http://www.tga.gov.au/alert/chapter-plus-backslim-capsules

TGA検査により、Chapter Plus+ By Backslimカプセルに表示されない成分シブトラミンを検出した。製品写真あり。

 

-Li Da Weight Loss Capsulesカプセル

Li Da Weight Loss Capsules

31 October 2018

http://www.tga.gov.au/alert/li-da-weight-loss-capsules

TGA検査により、Li Da Weight Lossカプセルに表示されない成分シブトラミンを検出した。製品写真あり。

 

-Sherb Detox カプセル

Sherb Detox capsules

30 October 2018

http://www.tga.gov.au/alert/sherb-detox-capsules

TGA検査により、Sherb Detoxカプセルに表示されない成分ビサコジルを検出した。製品写真あり。

 

-You Slim'xs カプセル

You Slim'xs capsules

30 October 2018

http://www.tga.gov.au/alert/you-slimxs-capsules

TGA検査により、You Slim'xsカプセルに表示されない成分シブトラミンを検出した。製品写真あり。

 

-Mutant YK-11 カプセル

Mutant YK-11 カプセル

29 October 2018

http://www.tga.gov.au/alert/mutant-yk-11-capsules

TGA検査により、Mutant YK-11 カプセルに表示されない成分タダラフィルを検出した。製品写真あり。

 

-Big Penis U.S.A タブレット

Big Penis U.S.A tablets

29 October 2018

http://www.tga.gov.au/alert/big-penis-usa-tablets

TGA検査により、Big Penis U.S.A タブレットに表示されない成分シルデナフィル及びクロラムフェニコールを検出した。製品写真あり。

 

-BFB Be Fast Blockカプセル

BFB Be Fast Block Capsuless

29 October 2018

http://www.tga.gov.au/alert/bfb-be-fast-block-capsules

TGA検査により、BFB Be Fast Block カプセルに表示されない成分クレンブテロールを検出した。製品写真あり。

 

[FDA]警告文書

-Gold Star Distrbution., Inc. 10/19/18

October 19, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm624404.htm

食品のCGMP違反、製造、包装及び衛生管理、不純品の問題。

 

-Lakeview Dairy, LLC 10/19/18

October 19, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm624415.htm

動物組織に違法医薬品の残留、不純品の問題。牛の腎臓から1.508ppmのデスフロイルセフチオフルが検出される。

 

-Casa Pablo's Salsa LLC 10/16/18

October 16, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm624186.htm

酸性化食品基準、CGMP違反、Emergency Permit Control法、不正表示、不純品の問題。

 

-Circle G Farm & Feed Lots Inc 10/16/18

October 16, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm624026.htm

動物組織に違法医薬品の残留、不純品の問題。牛の肝臓から4.785ppmのスルファメタジンが検出される。

 

-Original Living Coconut, LLC 10/10/18

October 10, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm624202.htm

食品ラベル表示、不正表示の問題。

 

[NHS] 完全菜食主義(ビーガン)の食事が「よりよい2型糖尿病管理の役に立つ」

Vegan diet 'helps people better manage type 2 diabetes'

Wednesday October 31 2018

https://www.nhs.uk/news/diabetes/vegan-diet-helps-people-better-manage-type-2-diabetes/

ビーガンになることは「有意に心の健康を改善し、糖尿病を減らし、さらに体重を減らすことができる」とDaily Mirrorは報道する。

研究者は2型糖尿病の成人に対する野菜中心の食事の影響を調べる11の研究結果をまとめた。

研究者は精神健康、生活の質、糖尿病管理及び体重減少の改善のエビデンスを発見したと述べた。しかし、研究者のレビューに含まれた研究はかなり小規模で、全部で433人の参加者しかいなかった。これはエビデンスの強さに疑問を投げかける。対象研究の3つしか精神健康あるいは生活の質を調べていなかった。

ビーガンあるいは野菜中心の食事は人気になりつつある。ビーガンの食事は食事から乳製品や卵を含めすべての動物性食品を除外する一方、野菜中心の食事は1日のカロリーの10%あるいはそれ以下は動物性食品から摂取するものとして定義した。多くの野菜中心の食事は肉や高脂肪乳製品を含む食事よりもカロリーは低いようで、報告された体重減少や改善された糖尿病管理を説明できるだろう。

健康的な食事は糖尿病管理を改善しそうであるが、この研究は、糖尿病患者にとってビーガンの食事がほかの健康的な食事より優れているということを説得力をもって示すものではない。また、食事の質を改善するためにビーガンになる必要はない。

健康的な食事と2型糖尿病についてはこちらで詳しく読むことができる。(https://www.nhs.uk/conditions/type-2-diabetes/food-and-keeping-active/

 

[ヘルスカナダ]Operation Pangea XIの一環として、ヘルスカナダはオンライン上で未承認の健康製品を購入することの危険性に関して市民に再喚起する

Operation Pangea XI reinforces the dangers of buying unauthorized health products online

October 23, 2018

http://www.healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2018/68114a-eng.php

関連リンク多数

 

[ヘルスカナダ]ラドン対応月間

Radon Action Month – November 2018

2018-11-01

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2018/10/radon-action-month--november-2018.html

11月は全国ラドン対応月間。カナダでは毎年3200人以上がラドンによる肺がんで死亡している。ラドンは目に見えず臭いもしないので検査キットで調べること。

 

[EFSA]評価等

-遺伝子組換えクロコウジカビ(NZYMMC系統)由来食品酵素α‐アミラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme α‐amylase from a genetically modified Aspergillus niger (strain NZYMMC)

EFSA Journal 2018;16(10):5451 31 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5451

食品酵素α-アミラーゼ(4‐α‐d‐グルカン グルカノヒドロラーゼ; EC 3.2.1.1)Novozymes A/S社によるクロコウジカビの遺伝子組換え系統で生産されている。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品酵素には生産生物の生きた細胞や組換えDNAはない。このα-アミラーゼはグルコースシロップ生産、アルコール飲料(蒸留)工程、焼成工程の加工デンプンに使用されることを意図している。総有機固形物(TOS)の残留量は、グルコースシロップの生産中に用いられる蒸留や精製工程で取り除かれ、その結果、食事暴露は産出されなかった。焼成工程には、提案された最大使用量に基づき、食事酵素–TOSへの食事暴露は欧州人では最大3.784 mg TOS/kg 体重/ 日と推定された。遺伝毒性試験では安全上の懸念が生じなかった。全身毒性は齧歯類の90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは最大用量1,400 mg TOS/kg 体重 (bw)/ 日を無毒性量(NOAEL)とした。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似点が調査され、2件の一致が見つかった。パネルは、意図した使用状況下で、この食品酵素に対する食事暴露におけるアレルギー感作と誘発反応のリスクは除外できないが、そのような反応が起こる可能性は低いだろうと考えた。提出されたデータ、グルコースシロップの生産中のTOSの除去、導出された焼成工程の暴露マージンに基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用状況下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-遺伝子組換えクロコウジカビ( NZYMBW系統)由来食品酵素グルカン1,4‐α‐グルコシダーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme glucan 1,4‐α‐glucosidase from a genetically modified Aspergillus niger (strain NZYMBW)

EFSA Journal 2018;16(10):5446  31 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5446

食品酵素グルカン1,4‐α‐グルコシダーゼ(EC 3.2.1.3)Novozymes A/S社により遺伝子組換えクロコウジカビ系統NZYMBWで生産されている。この遺伝子組換えは安全性の懸念は生じない。この食品酵素には生産生物の生きた細胞や組換えDNAはない。グルカン1,4‐α‐グルコシダーゼ食品酵素は蒸留アルコール製造やグルコースシロップの生産の加工デンプンに使用されることを意図している。総有機固形物(TOS)の残留量は、グルコースシロップの生産中に用いられる蒸留や精製工程で取り除かれる(99%近く)。その結果、食事暴露は算出されていない。遺伝毒性試験では安全上の懸念を生じなかった。全身毒性は齧歯類の90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは最大用量1,244 mg TOS/kg 体重 (bw)/ 日を無毒性量(NOAEL)とした。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似点が調査され、1つの一致が見つかった。パネルは、意図した使用状況下で、この食品酵素に対する食事暴露におけるアレルギー感作と誘発反応のリスクは除外できないが、そのような反応が起こる可能性は低いだろうと考えた。提出されたデータと意図した食品生産工程中のTOSの除去に基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用状況下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-新しい毒性情報を受けたイマザリルの既存MRLsの改訂レビュー

Updated review of the existing maximum residue levels for imazalil according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005 following new toxicological information

EFSA Journal 2018;16(10):5453 30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5453

EFSAは欧州委員会からの委託を受けて、この代謝物質の毒性について提出された追加情報R014821 FK772 FK284を考慮して、201795日に発表されたイマザリルの既存最大残留基準(MRLs)のレビューに関する理由付き意見の改訂を提出した。EFSAは、代謝物質R014821(イマザリルの収穫後散布で生じることが予期される)の毒性学的性質の評価が最終化できなかったため、柑橘類、リンゴ、ナシ、ジャガイモ、バナナ、メロンの、報告された収穫後の使用のMRL提案を導出できなかった。リスク管理者は、この代謝物質R014821の遺伝毒性の可能性を除外できないと認識すべきである。これらすべての商品には、信頼できる食事リスク評価を行うことで得られる、リスク評価の残留物の決断を下せなかった。その他の商品には、可能であれば代わりとなる優良農業規範(GAPs)を検討したが、規制の枠組みが必要とする情報が不足していた。そのため、消費者への明らかなリスクは見つからなかったが、消費者リスク評価は暗示的なものに留まり、EFSAが導出したいくつかのMRL提案にはなお、リスク管理者のさらなる検討が必要である。収穫後の散布を伴うGAPsが取り下げられれば、家畜の暴露が誘因値を超えることは予想されなかったので、動物由来商品のMRLは提案しない。しかしながら情報やデータ(特に代謝物質FK772 FK284の毒性に関する)不足も確認されたため家畜製品の執行とリスク評価のための残留物の定義提案ができなかった。

 

-メチオカルブの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance methiocarb

EFSA Journal 2018;16(10):5429 30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5429

殺虫剤やトウモロコシの鳥の忌避剤としての代表的用途を評価した。情報不足と懸念が確認された。

 

-ジメトエートの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance dimethoate

EFSA Journal 2018;16(10):5454  30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5454

小麦とサトウダイコンの殺虫剤としての代表的用途を評価した。情報不足と懸念が確認された。

 

-筋肉機能と身体能力に関する健康強調表示の科学的要件についてのガイダンス案についてのパブリックコメント募集結果

Outcome of a public consultation on the draft guidance on the scientific requirements for health claims related to muscle function and physical performance

30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1495

パブリックコメント募集は2018716日から92日まで開かれていた。EFSA3団体からコメントを受け取った。この報告書はパブリックコメント募集の結果をまとめ、受け取ったコメントの要約や対処法が含まれている。ガイダンスは2018927日のNDA本会議で議論採択され、EFSA Journalで発表される。

 

-筋肉機能と身体能力に関する健康強調表示の科学的要件に関するガイダンス

Guidance on the scientific requirements for health claims related to muscle function and physical performance

EFSA Journal 2018;16(10):5434  30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5434

EFSAは栄養、新規食品、食品アレルギーに関するパネル(NDA)に、2012年に発表された身体能力に関する健康強調表示の科学的要件についてのガイダンスを改訂するよう要請している。このガイダンス案は2018716日から92日までパブリックコメントを募集していた。健康強調表示評価で得た経験に照らして適切にさらなる改訂をする予定である。

 

-鶏肥育用および離乳子豚用飼料添加物としてのBergazym® P100 (エンド‐1,4‐β‐キシラナーゼ)の有効性

Efficacy of Bergazym® P100 (endo1,4‐β‐xylanase) as a feed additive for chickens for fattening and weaned piglets

EFSA Journal 2018;16(10):5457  30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5457

この添加物はコーティングされた顆粒状で、鶏肥育用 (機能グループ:消化増強剤)や、1,500 EPU/kg飼料の用量で離乳子豚用の畜産添加物としての使用を意図している。以前のFEEDAP パネルの評価でこの生産系統及びこの添加物は完全に性質決定された。その評価で、FEEDAPパネルは、この添加物が鶏肥育用、離乳子豚用、豚肥育用に安全であり、飼料添加物としてのこの製品の使用は、これを与えられた動物由来食品の消費者や環境に懸念は生じないと結論した。パネルはこの添加物の有効性を評価し、1,500 EPU/kg 飼料で豚肥育用に有効である可能性があると結論した。しかし、パネルは鶏肥育用と離乳子豚用のこの添加物の有効性に関してはデータや情報が不十分で結論できなかった。申請者はこの添加物の有効性を支持する入手可能な情報を補足するために補足情報を現在提出している。新しく提出された有効性試験と説明で、パネルはこの添加物が1,500 EPU/kg 飼料で鶏肥育用と離乳子豚用に有効である可能性があると結論した。

 

-全ての動物種用サイレージ添加物としてのLactobacillus hilgardii CNCM I4785Lactobacillus buchneri CNCM I4323/NCIMB 40788の安全性と有効性

Safety and efficacy of Lactobacillus hilgardii CNCM I4785 and Lactobacillus buchneri CNCM I4323/NCIMB 40788 as a silage additive for all animal species

EFSA Journal 2018;16(10):5455  30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5455

以前の意見で、この系統の独自性は明確に設定され、抗生物質耐性の懸念は検出されなかった。そのため、この系統のサイレージ添加物としての使用は家畜種、処理されたサイレージを与えられた動物由来製品の消費者、環境に安全だと考えられている。以前の申請では、同じ濃度で合わせて両法の系統を使用した3つの研究が、穀物トウモロコシ全部分の各種乾燥物質含有量のサンプルで行われた。同じ試験がこの申請で提出されている。パネルは、1.5 × 108 CFU of 各活性物質/ kg 新鮮なかいばでのLactobacillus hilgardii CNCM I4785 Lactobacillus buchneri NCIMB 40788/CNCM I4323 は、3 x 108 CFU 全乳酸菌/kgかいばと等しく、サイレージの好気性安定性を著しく改善するという以前の結論を繰り返した。

 

-全ての動物種用飼料香料として使用する際のHumulus lupulus L. flos(ホップの球花)の超臨界二酸化炭素抽出物の安全性と有効性

Safety and efficacy of a super critical carbon dioxide extract of Humulus lupulus L. flos when used as a feed flavouring for all animal species

EFSA Journal 2018;16(10):5462 30 October 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5462

この添加物は40%のベータ酸と0.2%未満のアルファ酸を含むよう規定されている。既知の懸念物質■■■■■は検出されなかった。最大適用量50 mg 添加物/kg 完全飼料で全ての動物種用官能的添加物としての使用を意図している。耐容試験はすべての動物種の申請の根拠として、離乳子豚、鶏肥育用、乳牛、魚で提供された。だが、FEEDAPパネルは、この添加物が最大提案適用量で離乳子豚用、豚肥育用、マイナー育成用豚種にのみ安全だと結論できた。動物の栄養に提案された使用量で、この添加物の使用に消費者の安全性の懸念は確認されなかった。この添加物は水が存在すると皮膚と目腐食性である。この添加物は呼吸と皮膚の感作性光剤の可能性がある。動物生産にこの添加物を使用しても陸生動物や新鮮な水環境にリスクを引き起こすことは予期されない。収穫されたホップとその抽出物は香料食品として認可されており、飼料の機能は食品と基本的に同じなので、有効性の論証はこれ以上必要ないと考えられる。

 

[NTP]携帯電話に使われている高周波の毒性およびがん原性試験についてのNTPテクニカルレポート発表

NTP Technical Reports on the Toxicology and Carcinogenesis Studies of Radio Frequency Radiation Used by Cell Phones are now available

マウス

NTP TECHNICAL REPORT ON THE TOXICOLOGY AND CARCINOGENESIS STUDIES IN B6C3F1/N MICE EXPOSED TO WHOLE-BODY RADIO FREQUENCY RADIATION AT A FREQUENCY (1,900 MHz) AND MODULATIONS (GSM AND CDMA) USED BY CELL PHONES

November 2018

https://www.niehs.nih.gov/ntp-temp/tr596_508.pdf

ラット

NTP TECHNICAL REPORT ON THE TOXICOLOGY AND CARCINOGENESIS STUDIES IN Hsd:SPRAGUE DAWLEY SD RATS EXPOSED TO WHOLE-BODY RADIO FREQUENCY RADIATION AT A FREQUENCY (900 MHz) AND MODULATIONS (GSM AND CDMA) USED BY CELL PHONES

https://www.niehs.nih.gov/ntp-temp/tr595_508.pdf

 

-プレスリリース

高周波への高暴露は雄ラットのがんと関連

High Exposure to Radio Frequency Radiation Associated With Cancer in Male Rats

Thursday, November 1,

https://www.niehs.nih.gov/news/newsroom/releases/2018/november1/index.cfm

NTPは本日発表した最終報告書で、2G3G携帯電話に使われている高周波(RFR)に高度に暴露された雄のラットはがん性心臓腫瘍を発症する明確な根拠があると結論した。また雄ラットでは脳と副腎の腫瘍にも幾分かの根拠がある。雌ラットおよび雌雄マウスでは根拠は曖昧(equivocal)だった。最終報告書は2月に発表された案を外部専門家委員会がレビューしたNTPのコンセンサスである。

NTPの上級科学者John Bucher博士は「この研究で使用された暴露量はヒトが携帯電話を使った場合のものとは直接比較できない」という。「NTPの試験では、ラットとマウスは全身がRFR暴露されている。一方ヒトでは多くの場合携帯電話をもつ場所に近い特定の局所組織が暴露される。さらに暴露された量と時間はヒトが経験するより大きい」

この試験で使用された最低用量が現在携帯電話の使用者に認められている最大局所組織暴露と同程度である。通常の携帯電話の使用でそのような量に暴露されることは滅多にない。この試験での最大暴露量は最大許容レベルの4倍大きい。

Bucherは「我々はRFR暴露と雄ラットの腫瘍の関連は事実であると信じ、外部専門家も合意した」という。

NTPのこの3000万ドルを使った試験は完了まで10年以上かかり、2Gおよび3G携帯電話に使用されている変調のRFRに暴露された動物の健康影響についてのこれまでで最も包括的な評価である。2G3Gは研究計画時の標準的なもので今でも電話や携帯メールに使われている。

この研究の毒性学主任のMichael Wyde博士は「この研究の大きな強みは動物が受けるRFRの量を正確にコントロールできたことである。それはしばしば質問票に依存するヒトでの携帯電話使用を研究するときには不可能である」という。また暴露群の雄ラットで寿命が長くなるという予期せぬ結果についても注意した。「これはしばしば高齢ラットの死因となる慢性腎疾患の減少により説明できるかもしれない」とWyde博士は言う。

動物はこの実験のために特別にデザインして建設されたチャンバーで飼った。RFR暴露はラットでは胎児期から、マウスでは生後5-6週から始めて最大2年間、あるいは自然な生涯のほとんどの時間だった。RFR暴露は間欠的に、10分オン10分オフで毎日合計9時間だった。ラットのRFRレベルは1.5-6ワット/kg、マウスでは2.5-10ワット/kgであった。

この研究ではWi-Fi 5Gで使用されているRFRは調べていない。

5Gは新興技術でまだ定義されていない。現在の知見からは調べたものと劇的に違う可能性がある」

将来の研究のために、NTPは新しい通信技術を何年もかけてではなく数週間や数ヶ月で評価することを容易にするより小さなRFR暴露チャンバーを建設している。それらの研究ではRFRの影響の可能性として測定可能な生理的指標やバイオマーカーに焦点をあわせるだろう。それらにはがんより早く検出できる暴露された組織のDNA傷害のような指標も含まれるだろう。

FDAが携帯電話のRFRNTPの研究対象に指定したのは広く使われていて長期健康影響についての知見が乏しかったからである。NTPはこの結果をFDAと連邦通信委員会に提供し、彼らがRFRの影響についての新しい研究を監視し続けるなかでこの情報をレビューするだろう。

 

-記者会見の音声と議事録、ファクトシート等あり

Cell Phone Radio Frequency Radiation Studies

https://www.niehs.nih.gov/health/materials/cell_phone_radiofrequency_radiation_studies_508.pdf

 

 

[FDA]NTPの高周波暴露報告書についてのFDAの医療機器・放射線保健センター(CDRH)長Jeffrey Shuren医師法務博士の声明

Statement from Jeffrey Shuren, M.D., J.D., Director of the FDA’s Center for Devices and Radiological Health on the National Toxicology Program’s report on radiofrequency energy exposure

November 1, 2018

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm624809.htm

FDAは携帯電話を含む放射線を出す電子機器が一般使用に安全であることを確保する任務がある。携帯電話からの放射については連邦通信委員会(FCC)が暴露基準を設定している。ラジオ周波数エネルギー暴露の最も包括的な評価には何十年にもわたる何百という研究をもとにしている。新しい情報が入手できたら評価を行って継続的に検討している。我々は最近NTPの試験について精査し、その最終報告書の無線周波数エネルギー暴露された齧歯類での発がん性に「明確な根拠」という件については合意しない。

NTPの研究では、齧歯類を極めて高用量の無線周波数に全身暴露させた。これはこの種のハザード同定研究ではよく使われる方法で、現在の携帯電話の安全基準より相当多い暴露量である。このようなことをするのは動物組織への無線周波数エネルギーの影響について既にわかっていることに貢献する意図がある。実際影響が観察され始めるのはFCCの定めた安全基準の50倍以上高いところからのみである。

NTPも声明でこの点を指摘し、「これらの知見はヒトの携帯電話の使用に直接当てはめるべきではない」と言っている。我々もこれらの知見はヒトの携帯電話の使用に適用すべきではないと合意する。

NTP3月にこの研究についてのピアレビュー会議を行ったがFDAは参加しておらず、オブザーバーとして招かれた。15人のピアレビューワーが評価し投票により雄のラットの心臓の悪性神経鞘腫を幾分かのsome根拠から明確なclear根拠に、雄ラットの脳の悪性神経膠腫副腎の良性腫瘍を曖昧equivocalな根拠から幾分かのsome根拠へと引き上げた。投票は新しいデータや知見が見つかったという意味ではないことに注意が必要である。

さらに我々が先に指摘したように、この研究にはいくつか普通でない知見がある;暴露されたラットが何の暴露もされていないラットより長生きした;最高用量で暴露された雄のラットのみが心臓の神経鞘腫の数で統計学的有意になったがこの腫瘍はヒトでは極めて希である。また真の用量反応関連はない。将来ヒトの疫学研究を検討する場合には研究者らは知見の全てを検討する必要がある。

科学者としては我々は新しい研究を歓迎する。このような動物実験は議論に貢献するが、この研究はヒトでの携帯電話の安全性を評価するためにデザインされたものではないことを忘れてはならない。従ってこの研究からヒトの携帯電話の使用に関するリスクについては結論できない。またデータを総合的に検討しなければならず、単一の研究結果で結論するのではなく全体の完全な根拠の文脈で評価する。

我々のこの問題に関する評価に基づき、入手可能な科学的根拠は現在の無線周波数エネルギー暴露基準のもとでの暴露によりヒトで健康影響があるということを支持しないままである。

 

 関連

-SMC UK

携帯電話とラットの研究への専門家の反応

expert reaction to study on mobile phones and rats

November 1, 2018

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-on-mobile-phones-and-rats/

NTPの報告について

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

NTPがこの問題を研究したのは良いことだ。しかしこれらの知見は人間が携帯電話を使うことによる健康リスクについて現実的な懸念の理由にはならない。この問題についてはこれまで多くの研究があり、そのほとんどがヒト健康リスクについて何の根拠も発見しておらず、一部は非常に多く使うヒトの小さなリスクに関する限定的根拠しかない。NTPの結果がそれを変えるとは思わないしNTPのデザインはそのようなリスクを調査するためのものでもない。彼らが調べているのは別のものである。それはヒトでない動物(ラットやマウス)を19時間生涯にわたって全身に無線周波数にあてた結果である。それはほとんどの人の携帯電話の使い方ではない。

この結果は何か我々にとって役にたつだろうか?これを根拠に携帯電話の使用を止めようとは思わない。

 

-SMC NZ

Mobile phone cancer link in rats – Expert Reaction

Published: 02 November 2018

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2018/11/02/mobile-phone-cancer-link-in-rats-expert-reaction/

Massey大学工学先端技術学部上級講師(通信工学とネットワーク)Faraz Hasan博士

このNIEHSの研究は生きた生物へのワイヤレス通信の身体的影響についての幾分かの有用性がある。最悪シナリオのようだ。FDAはこの知見にいくつかの矛盾点を指摘している。放射線の生物影響を調べるには長期間の研究が必要であるが、一方技術の進歩は目覚ましく、長期試験の結果が出た頃には既に違う技術を使用している。NTPが新しい技術を評価するための試験に要する時間を短くしようとしていることは歓迎する。NTPの試験は2/3Gネットワークについてのものだがニュージーランドでは2020年から5Gを展開し始める。5Gではさらに暴露量が増えるだろう、一つは中継基地が増えることと二つ目は政府が3つの別々のネットワークを展開する予定であるため。

オーストラリアSMC

Wollongong大学心理学部保健心理学教授でオーストラリア無線周波生物影響研究センター前所長Rodney Croft

NTPの研究はこれまでの研究と同様、電磁波とがんの関連、あるいは携帯電話の使用が健康に有害であるという根拠を提供しない。NTPのプレスリリースを解釈する時に考慮すべき重要な点がたくさんある。

・無線周波数暴露動物が対照群より有意に長生き

・暴露量は携帯電話の使用状況とは異なる(実験条件はラットの体温を0.5℃以上上げるほどの強さ、しかし携帯電話で体温が上がることはない)

・雄ラットでしか見られず、雌ラットでも、雌雄マウスでもみられない

・統計学的有意差が無く単なる偶然である可能性がある

西オーストラリア大学世界及び集団の健康学部非常勤教授、がんの原因と予防相談医Bruce Armstrong

この研究が加えたものはほんの少しで、現時点ではIARCの分類「ヒト発がん性の可能性がある」が正しいままだと思う

 

 

論文

-マイクロバイオーム管理委員会は世界中の糞便検体を貯蔵する

Microbiome conservancy stores global fecal samples

Tania Rabesandratana

Science  02 Nov 2018: Vol. 362, Issue 6414, pp. 510-511

世界中の異なる人々の腸内細菌を同定し保管しようとする世界マイクロバイオーム管理委員会Global Microbiome Conservancy (GMC)の活動について

予算は2012年までに34ヶ国の人々の検体を集めることを支援する予定。これまで北米から集めた検体中に新しい属は5つしか見つかっていないがアフリカや北極由来の検体からは既に55の未知の属がみつかっている。また9月にドイツで開催されたシンポジウムでは一人の人間の中でいわゆる遺伝子の水平移動が機能を変えるのに十分な頻度でおこっていることの予備的根拠を発見したと発表している

 

-米国への移民は個人のマイクロバイオームが変わる

Immigration to the United States changes a person's microbiome

1-Nov-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-11/cp-itt102518.php

Cell。移民や難民が米国に着くとほとんどすぐに(6-9か月で)もともとあった微生物叢が欧米型に変わる。

 

-我々は皆「健康的な加齢」を望む、しかしそれは実際どんなもの?新しい報告は答えを探す

We all want 'healthy aging,' but what is it, really? New report looks for answers

1-Nov-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-11/ags-waw110118.php

Journal of the American Geriatrics Societyに発表された米国老年医学会による定義

 

-ファーマーズマーケット出店者には食品安全向上のための訓練が必要

Farmers market vendors need training to improve food-safety practices

1-Nov-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-11/ps-fmv102918.php

Food Protection Trendsに発表されたペンシルベニアの産直市場の評価結果。覆面での直接観察、州の衛生担当者の観察、出店者の自主申告調査を評価した。その結果研究者と衛生担当者、自己評価の間に差があることがわかった。研究者と衛生担当者の評価は同じようなものだったが自己評価は大きく異なり、教育訓練が役にたつだろう。多くの場合自己申告では高評価だが実際にはできていない。特によく見られたのは包装されていない(すぐ食べる)食品とお金を同じ手袋で扱っていること。

 

 

その他

危険なほど高濃度の赤潮がブリティッシュコロンビア沿岸の二枚貝に見つかった

Dangerously high levels of Red Tide found in bivalve shellfish on B.C. coast

November 1, 2018

https://globalnews.ca/news/4621644/red-tide-danger-bivalve-shellfish-bc-coast/

サンシャインコーストのほとんどの海域の牡蠣、あさり、ホタテ、イガイ、ナミガイの収穫禁止。

閉鎖の閾値は80 ppmだが検出されたのは1300ppmと極めて高い