[EU]RASFF Week45-2018

警報通知(Alert Notifications

ドイツ産はちみつ漬けナッツのアフラトキシン(B1 = 12.7; Tot. = 17.7 µg/kg)、ベルギー産魚用プロテインミックスのダイオキシン(2.43 ng/kg)、オーストリア産有機チアシードのアフラトキシン(B1 = 70.4; Tot. = 79.3 µg/kg)、ベルギー産フランスで包装された精製微粒子状プロポリスカプセルのベンゾ(a)ピレン(45.8 µg/kg)及び多環芳香族炭化水素(PAH4の合計:195 µg/kg)、ポーランド産原料インド産藍の水銀(14.2 mg/kg)、トルコ産クワのオクラトキシンA (47 µg/kg)、米国産食品サプリメントの未承認物質ヨヒンビン及び未承認新規食品成分イカリソウ、オランダ及び英国産食品サプリメントの鉛(10.2 mg/kg)及び成分として使用されたクエン酸亜鉛、エクアドル産黄色いドラゴンフルーツのクロロタロニル(0052 mg/kg)・アゾキシストロビン(0.030 mg/kg)および未承認物質カルボフラン(0.026 mg/kg)・イプロジオン(0.099 mg/kg)・フィプロニル(0.020 mg/kg)、

注意喚起情報(information for attention

米国産食品サプリメントのカフェインとシネフリン高含有(300 mg)及び未承認新規食品成分ヨヒンビン皮抽出物、コソボ産乾燥きのこのデルタメトリン(4.1 mg/kg)、シリア産アラブ首長国連邦経由酢漬けのカブの未承認着色料ローダミンB (存在mg/kg)、2,4-ジニトロフェノール(DNP)のオンライン販売、スペイン産真空パックメカジキロインの水銀(1.3 mg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up

中国産英国経由装飾したメラミン皿からのホルムアルデヒドの溶出(33.76; 34.43 mg/kg)、

通関拒否通知(Border Rejections

ロシア産食品サプリメントの未承認照射、ベトナム産冷凍ナマズの未承認物質ロイコマカライトグリーン(40.44 µg/kg)、アルゼンチン産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 7.7; Tot. = 17 µg/kg;B1 = 56 µg/kg;B1 = 15; Tot. = 20 µg/kg;B1 = 26; Tot. = 31 µg/kg;B1 = 16; Tot. = 31 µg/kg)、トルコ産乾燥アプリコットの亜硫酸塩高含有(2377 mg/kg)、トルコ産乾燥イチジクのオクラトキシンA (10.7 µg/kg)、ジョージア産ヘーゼルナッツのアフラトキシン(Tot. = 13.4 µg/kg)、中国産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 120; Tot. = 140 µg/kg)、南アフリカ産生鮮グレープフルーツの未承認物質ジスルホトン(0.32 mg/kg)、オーストラリア産ベトナム経由アーモンドミールのアフラトキシン(B1 = 16; Tot. = 21 µg/kg)、トルコ産レーズンのオクラトキシンA (22 µg/kg)、チリ産乾燥レーズンの亜硫酸塩高含有(2926 mg/kg)、ドミニカ共和国産ササゲのクロルピリホス(0.1 mg/kg)及び未承認物質カルボフラン(0.04 mg/kg)、インド産殻をとったピーナッツのアフラトキシン(B1 = 68 µg/kg)、中国産シリコーン製ヘラからの着色料の溶出、

 

[EU]査察報告

スペイン―動物以外に由来する一次生産の食品

Spain―Food of non-animal origin-primary production

30/10/2018

http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4051

2018年5月22日~6月1日までスペインで実施された査察。この査察では、特に微生物学的なリスクの同定に関する公的管理システムや、非動物由来食品の一次生産、とりわけ発芽用のスプラウトや種子の微生物学的汚染を防ぐための手段に関連した、EU法やスペインの複数年次国家管理計画に従って実施される公的管理を確認することを目的としている。2016年以降、非動物由来食品の一次生産やスプラウト生産施設の認可のための登録システムがある。公的管理やサンプリングのリスクに基づいた管理システムも適切である。だが、法令違反や施行手段のフォローアップに関して欠点が確認された。

 

[EFSA]意見

-防カビ剤や殺菌剤として植物保護製品に使用されるプロポリス抽出物(プロポリスの水溶性抽出物と名付けて容認された)の基本物質申請についての加盟国とEFSAの意見募集結果

Outcome of the consultation with Member States and EFSA on the basic substance application for propolis extract (admissibility accepted when named water‐soluble extract of propolis) for use in plant protection as fungicide and bactericide

9 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1494

皮が食べられない果物の防カビ剤や殺菌剤としての植物保護製品の、収穫後処理用基本物質としてのプロポリス抽出物の認可申請の提出を受けて、欧州委員会が評価を求めた。EFSAがまとめた協議結果の概要と個別に受け取ったコメントについてのEFSAの科学的見解を提示している。

(基本的な物性情報不十分で有効性も提示されず安全性データも不足。皮膚感作性があり遺伝毒性の懸念と内分泌活性がある)

 

-アクティブな食品と接触する材料に使用される、アクティブ成分架橋ポリアクリル酸ナトリウムの安全性評価

Safety assessment of the active substance polyacrylic acid, sodium salt, cross‐linked, for use in active food contact materials

EFSA Journal 2018;16(11):5448 8 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5448

食品と接触する物質、酵素、加工助剤に関するEFSAのパネル(CEP)は、肉、家禽、シーフード、生鮮果物と野菜などの生鮮食品や冷凍食品の包装に液体吸収体として使用されるFCM物質No 1015、架橋ポリアクリル酸ナトリウムの安全性を評価した。架橋ポリアクリル酸ナトリウムが食品と直接接触せず、吸収能力を超えない状態でパッドに入れて使用し、その後移行が予期されなければ、包装された食品の摂取による暴露は予期されない。非架橋ポリマーや架橋ポリマーは遺伝毒性の懸念を生じない。パネルはこの架橋ポリアクリル酸ナトリウムの使用は生鮮食品や冷凍食品の包装に吸収パッドで使用しても安全上の懸念を生じないと結論した。この吸収パッドはこの有効成分の吸収能力を超えず、食品と直接接触しない状況でのみ使用すべきである。

 

[FDA]機関間食品安全解析協力からの2016食品由来疾患源についての新しい報告書の発表

Release of a New Report on the Sources of Foodborne Illnesses for 2016 from the Interagency Food Safety Analytics Collaboration

November 9, 2018

https://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm625291.htm

サルモネラ、大腸菌、リステリア、カンピロバクターの感染源になった食品についての報告

(微生物だけど、野菜果物は結構感染源になっていることに注意。普通に売られていない未殺菌ミルクが感染源として大きく出ていることにも注目。健康のためにとか消費者の選ぶ権利とかいって宣伝されているものが公衆衛生を脅かす例。)

 

[PHE]健康保護報告書

HPR volume 12 issue 40: news (9 November)

https://www.gov.uk/government/publications/health-protection-report-volume-12-2018/hpr-volume-12-issue-40-news-9-november

・欧州におけるAMRの公衆衛生負担

Lancet Infectious Diseasesに発表されたDALYによる評価。欧州ではイタリアとギリシャが最も影響が大きく英国は10万人あたり約80DALYが抗生物質耐性感染によるものと推定され30ヶ国中13番目

・年次健康安全統計

労働環境での事故や病気、自己申告による健康状態の悪さに関する年次統制。過去のアスベスト暴露が職業由来呼吸器疾患による12000の死亡のうちの約40%を占める。HSEの推定では、1980年以前のアスベスト暴露による中皮腫が原因の死亡は2017-2018の2500がピークで2018-2019からは減少し始めるだろう。

 

[CDC]米国成人の喫煙は過去最低:2017年は14%

Cigarette Smoking Among U.S. Adults Lowest Ever Recorded: 14% in 2017

Thursday, November 8

https://www.cdc.gov/media/releases/2018/p1108-cigarette-smoking-adults.html

しかし成人の5人に1人はまだ何らかの形のタバコ製品を使っている

MMWR.

11月15日は禁煙の日(Great American Smokeout)

 

[FAO]抗菌剤耐性-あなたが知っておくべきこと

Antimicrobial resistance – What you need to know

http://www.fao.org/fao-stories/article/en/c/1056781/

食糧農業分野におけるAMR対策の課題について

 

[論文]論文

-GBD 2017:脆弱な世界

GBD 2017: a fragile world

THE LANCET Editorial|Volume 392,ISSUE 10159, P1683, November 10, 2018

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)32858-7/fulltext

Lancetが10年以上前に最初の世界疾病負担研究を発表してから、データの質や量の改良を繰り返してきた。こうした推定をますます研ぎ澄ますことによって、メッセージは再確認された:年ごとに世界はより健康的になった。しかしGBD 2017の結果を注意深くみると、この心地よい徐々に改善する傾向は打ち砕かれる。

紛争とテロが死因として最も早く増加している二つの要因で、オピオイド依存が前代未聞のスケールに流行している

(今週号オープンアクセスの関連文献多数

Nov 10, 2018   Volume 392 |  Number10159 |  p1683-2138

e14-e18

https://www.thelancet.com/journals/lancet/issue/vol392no10159/PIIS0140-6736(18)X0048-8

 

-主導的研究者達が広く使われている殺虫剤の禁止を要請

Leading researchers call for a ban on widely used insecticides

9-Nov-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-11/uoc--lrc110218.php

有機リンの使用は減ったが初期の脳の発達へのリスクは高すぎる

PLOS Medicineに発表されたカリフォルニア大学環境健康科学センターとDavis MIND研究所の研究者らによる主張。「妊婦が極微量の有機リン農薬に暴露されると子どものIQ低下、学習記憶注意の困難に関連する。クロルピリホスのみが注目されているがこの化合物群丸ごと全部が関連する」とIrva Hertz-Picciotto教授は言う。

(雑な主張だと思うけれど神経系に作用するというキーワードがそうさせるんだろう。ナス科アルカロイドとかニコチンはどうしようか)

 

その他

-無知の傲慢さ:何故活動家のマニフェストは明らかに間違っているのか

The Arrogance of Ignorance: Why the Activist Manifesto is Manifestly Wrong

Posted by RiskMonger on November 4, 2018

https://risk-monger.com/2018/11/04/why-the-activist-manifesto-is-manifestly-wrong/

EUの農薬リスク評価を完全に変えるべきとする「市民」団体のマニフェストが発表されている。100以上のNGOと活動家大学人一ダースほどが署名して自分たちを「科学のための市民」と自称し企業を排除に彼らに力を与えよと要求している。

Citizens for Science in Pesticide Regulation

A European Coalition

https://citizens4pesticidereform.eu/

そのマニフェストの内容についての長い批判

(企業のお金が少しでも使われた研究は全て排除せよという。企業と関係のある個人も排除性よと。オーガニック企業も企業なんだがそれはいいらしい。とにかく合成農薬は全て排除したいらしい。あらゆる生き物に安全でなければ使えないと言っているのでそれでは農薬にならないだろう)

 

-銅をベースにした天然農薬の健康と環境への危険性がフランスのオーガニックワイン生産者を分断する

Health and environmental dangers of copper-based natural pesticides spark division among French organic winemakers

Mickaël Bosredon | 20 Minutes | November 8, 2018

https://geneticliteracyproject.org/2018/11/08/health-and-environmental-dangers-of-copper-based-natural-pesticides-sparks-division-among-french-organic-winemakers/

(フランス語の記事をGLPが英語にして掲載したもの)

ボルドーのワイン専門家評議会CIVB副会長Bernard Fargesが10月15日に「2019年にオーガニック農法から転向する」だろうと発表した。理由は?2018年には嵐と病気に見舞われてワイン生産者は非常に大変だった。2017年は低温に苦しんだ。

有機は最早持続可能な解決法ではない

彼は20 Minutesに対して語った「私は決めなければならなかった。そして中間はない。オーガニックかそうでないかしかない。オーガニックの問題?究極的にはたった一つの単語に煮詰まる:銅である。オーガニックで使用できる唯一の農薬である。オーガニックの管理法の多くが銅を使う。」

銅は今でもたくさんの問題があるが、土壌に蓄積していく、とBasil Tesseronはいう。銅は重金属なので蒸発することはなく土のなかに溜まっていく。

銅の使用削減にむけて

欧州は銅製品の使用規制を決め、禁止する可能性もある。いわゆるナチュラル製品が必ずしもベストではない。天然由来の農薬である銅は議論対象である。過剰量の銅はほとんどの植物や微生物に有害である

一方オーガニック農業地域連盟会長のSylvie Dulongは有機部門が永遠に攻撃されているという。彼女は使用する量の銅は全く問題ではないと確信していて、確かに土壌に残存するが合成化学物質の有害影響に比べたら無いに等しいという。

(ものすごい認知の歪み。)

 

-慢性的大麻の使用は脳に重大な影響を与える可能性がある、専門家が言う

Chronic pot use may have serious effects on the brain, experts say

Nov. 12, 2018

https://www.nbcnews.com/health/mental-health/chronic-pot-use-may-have-serious-effects-brain-experts-say-n924441

写真はカナダで娯楽用大麻が合法化された10月17日に合同大麻喫煙を楽しむ女性

(あるかなきかの農薬のリスクを相当なコストをかけて減らしてきた一方でこんな明確なリスクの増加を見ると馬鹿馬鹿しくなるよ)

 

-オメガ3とビタミンDは大規模試験で心臓発作やがんの予防に失敗、そのことはサプリメントが「時間の無駄」であることを示す

Omega 3 and vitamin D fail to protect against heart attacks or cancer in major trial which show supplements a 'waste of time'

https://www.independent.co.uk/news/health/vitamin-d-omega-3-fish-oil-cancer-heart-attack-stroke-death-harvard-a8627136.html

専門家はサプリメントの最大の効果は使用者に「非常に高価な尿」を与えることだろうと警告

 

-子どもを狂犬病の犬の唾液で治療したビクトリアのナチュロパスが免許を返却

Victoria naturopath who treated child with rabies-infected saliva surrenders licence

November 11, 2018

https://vancouversun.com/news/local-news/victoria-naturopath-who-treated-child-with-rabies-infected-saliva-surrenders-licence

Dr. Anke Zimmermannは免許を自主返却し少なくとも5年は再申請しないことに合意

しかし規制されていないナチュロパスとして継続する

(それでビジネスが成り立ってしまうあたりが社会の問題なわけで。日本だとインチキ整体とか。公的資格もないヒトたちに健康を任せるのは怖くないのか?)

 

-製品レビュー 魚油とオメガ3および7サプリメントレビュー(オキアミ、藻、イカ、シーバックソーン(サジー))

コンシューマーラボ

Fish Oil and Omega-3 and -7 Supplements Review (Including Krill, Algae, Calamari, and Sea Buckthorn)

11/10/18   

https://www.consumerlab.com/reviews/fish_oil_supplements_review/omega3/

28製品を表示と内容があっているかどうか、汚染物質が含まれるかどうかを調べた

(ドコサペンタエン酸(DPA)とオメガ7脂肪酸(パルミトレイン酸)が差別化?で流行の兆しがあるらしい)