[IARC]IARCモノグラフ前文更新を助言する委員会の会合

Meeting of Advisory Group to Recommend an Update to the Preamble to the IARC Monographs

13/11/2018

http://www.iarc.fr/

20181112-14日に会合。前回の改訂は2006

 

[BfR]鉛の銃弾あるいは鉛以外の銃弾で狩った赤鹿の可食部の鉛濃度の比較

Comparison of lead levels in edible parts of red deer hunted with lead or non-lead ammunition

https://www.bfr.bund.de/en/comparison_of_lead_levels_in_edible_parts_of_red_deer_hunted_with_lead_or_non_lead_ammunition-207797.html

Science of The Total Environment

Published: online 5 November 2018, print: 25 February 2019

Volume 653,

Pages 315-326

DOI: 10.1016/j.scitotenv.2018.10.393

 

-耐性菌:生野菜やサラダは健康リスクとなるか?

Resistant bacteria: can raw vegetables and salad pose a health risk?

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2018/40/resistant_bacteria__can_raw_vegetables_and_salad_pose_a_health_risk_-207788.html

Blau K,et al.,  2018: The transferable resistome of produce. mBio 9:e01300-18

 

[FSSAI]メディアコーナー

インドのミルクのうちヒト消費用に安全でないのはたった10%、とFSSAIがいう

Only 10% of milk in India unsafe for human consumption, says FSSAI

https://fssai.gov.in/dam/jcr:9a6f1e7d-df0b-43e0-996f-b954c0c00d96/FSSAI_News_Milk_DownEarth_14_11_2018.pdf

火曜日にFSSAIは全国ミルクの質調査National Milk Quality Survey, 2018を発表し、インドで販売されているミルクは概ね安全だと言う。6432検体を採取し系統的に調査を行い、9.9%にあたる638検体が異物混入であった。48.9%の検体は基準を守っていないがヒトが食べられないのは9.9%だけだった。

 

[CFIA]CFIAクロニクル-2018年秋

The CFIA Chronicle – Fall 2018

2018-11-13

http://www.inspection.gc.ca/about-the-cfia/the-cfia-chronicle/fall-2018/message-from-the-president-and-executive-vice-pres/eng/1541518941979/1541518942302

米国メキシコカナダ協定(USMCA)に関してPaul Glover長官とFrance Pégeot執行副長官からのメッセージ

 

[WHO]ヒトの全ての病気のうち、60%は動物が起源-「ワンヘルス」が抗生物質の効果を維持する唯一の方法

Of all human diseases, 60% originate in animals – “One Health” is the only way to keep antibiotics working

12-11-2018

http://www.euro.who.int/en/health-topics/disease-prevention/antimicrobial-resistance/news/news/2018/11/of-all-human-diseases,-60-originate-in-animals-one-health-is-the-only-way-to-keep-antibiotics-working

2018年世界抗生物質啓発週間によせて

 

その他

-恐ろしい木の病気が拡大しイタリアのオリーブの危機が深まる

Natureニュース

Italy’s olive crisis intensifies as deadly tree disease spreads

13 November 2018  Alison Abbott

https://www.nature.com/articles/d41586-018-07389-8

蔓延した細菌を止めるための封じ込め対策はしばしば遅い

病気の発生が確認されてから何年も経っているが、病原体の封じ込め対策への反対のためイタリア南部の価値あるオリーブの森への恐ろしい細菌の拡大は止まらない。

Puglia地域当局は何ヶ月も何もしなかったがようやくXylella fastidiosaの拡散を止める努力を再開した。しかし科学者は遅いという。イタリアは2015年に緊急事態宣言をしているが、検疫の努力は環境保護主義者や農家の反対で止められていた。5月には欧州委員会が事態を更新し感染地域を20km北側にうつした。イタリアの無策は訴えられる可能性もある。

細菌が2013年に初めてPugliaで同定されたとき、EUは厳しい規制をしイタリア政府もそれに合意した。しかし当所の封じ込め計画は感染した木を破棄することを要求したため環境保護主義者と一部の農家が反対し、科学者を攻撃した。政治家は機嫌をとろうと右往左往し裁判によって封じ込め対策はしばしば阻止された。感染がわかっている木は今でも立ったままである。

この長期にわたる問題はいまやイタリア議会でも盛んに議論されている。6月には一部の議員がXylella対策の科学的根拠を疑問だと主張して科学者が大衆を間違った方向に導いたと言う。この提案は支持されていないがそのような反科学活動家が国会レベルで活躍していることに植物遺伝学者のMichele Morganteは不安を感じる

 

-「副腎サポート」サプリメントは使用しないように

Wellness Tip  Don't Take 'Adrenal Support' Supplements

by Wellness Letter 

Published November 14, 2018

http://www.berkeleywellness.com/supplements/other-supplements/article/dont-take-adrenal-support-supplements

気分、精気、身体的パフォーマンス、集中力をあげ、体重管理に役立つと宣伝されている「副腎サポート」サプリメントを使用しないように。これらはしばしば表示されていない副腎皮質ステロイドや甲状腺ホルモンを含む。

これらのサプリメント中ホルモンは人体に予想できない影響を与えるだけではなく、ホルモン検査の結果に影響しホルモン関連疾患の診断を誤らせる

Over-the-Counter “Adrenal Support” Supplements Contain Thyroid and Steroid-Based Adrenal Hormones

Halis Kaan Akturk et al.,

Mayo clinic proceedings March 2018Volume 93, Issue3, Pages 284–290

https://www.mayoclinicproceedings.org/article/S0025-6196(17)30835-2/abstract

 

-どうかもっと!がんインチキRobert O. Youngの犠牲者が1500万ドルの和解金を勝ち取った

More, please! A victim of cancer quack Robert O. Young wins a $105 million settlement

David Gorski  on November 5, 2018

https://sciencebasedmedicine.org/more-please-a-victim-of-cancer-quack-robert-o-young-wins-a-105-million-settlement/

がんは酸の過剰によるので「血液をアルカリ性に」すれば予防や治療できると主張するナチュロパスRobert O. Youngに対して、先週乳がんをYoungに治療されている間に治療不可能なものに進行した女性が裁判で1500万ドルを勝ち取った

(もう何年も前から犠牲者が出ていたのに訴えてはいなかった)

 

-低炭水化物ダイエットと体重維持を調べた研究への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to study looking at low carbohydrate diets and weight maintenance

November 14, 2018

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-low-carbohydrate-diets-and-weight-maintenance/

BMJに発表された研究が食事中炭水化物を減らすことがエネルギーの支出を増やし肥満治療の成功を向上させるかもしれない

King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授

この研究は肥満又は過体重のヒトを、炭水化物45%のエネルギー制限食で体重を12%減らしたあとに3種類の炭水化物量の異なる食事に割り付けた。炭水化物量は204060%20週間フォローし、体重は一定で変化は1kg未満で試験食間に差はなかった。

従ってプレスリリースの主張-低炭水化物食で3年で10kg痩せる、は研究結果からは言えない放射性同位元素を使って測定した総エネルギー支出は、低炭水化物食のほうが高炭水化物食より一日あたり209 kcal高いというもので、もしこの差が20週続いたら体重は3-4kg減るはずだがそうはなっていない。また二次アウトカムである休息時エネルギー支出にも差はなかった。従って低炭水化物食のエネルギー支出が高い理由は不明でアーチファクトである可能性がある

グラスゴー大学代謝医学教授Naveed Sattar教授

一見重要な知見のようだが結果の解釈が極めて不正確なようなので要注意である。著者らは研究の食事をコントロールしたと示唆しているが体重変化に差がないことを考えると摂取した量と同じくらい燃やしたことを意味する。真の問題は体重変化であって、我々は既により大規模でより長期の試験で、低炭水化物だろうが低脂肪だろうが、減量法を続けられるのであれば広い意味での体重減少は同程度であることを知っている。この研究は代用指標を報告していて、真の目標は体重である。従って簡単に言うとこの研究では何も変わらない。低炭水化物の方が良いという根拠にはならない。

Exeter大学糖尿病と肥満上級講師Katarina Kos博士

三つの食事で基礎代謝は変わらないことに注目。食事のカロリーを変えずに体重が減ることを期待するのは現実的ではない

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

各食事のタンパク質由来カロリーは同様であるが低炭水化物では脂肪が多い。そうした違いが観察された違いの一部を説明するかもしれない。従ってさらなる研究が必要であるとプレスリリースで言っている