[EFSA]意見等

-食品添加物としての脂肪酸のプロパン-1,2-ジオールエステル(E 477)の再評価

Re‐evaluation of propane‐1,2‐diol esters of fatty acids (E 477) as a food additive

EFSA Journal 2018;16(12):5497 6 December 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5497

EFSAの食品添加物及び香料に関するパネル(FAF)は、食品添加物として使用する際のプロパン-1,2-ジオールエステル(E 477)の安全性を再評価する科学的意見を出した。食品科学委員会(SCF)は、1974年に国連食糧農業機関/世界保健機関合同食品添加物専門家委員会(JECFA)が設定した、プロパン-1,2-ジオールと表される、許容一日摂取量(ADI) 5 mg/kg 体重 (bw) /日を1978年に承認した。調べた最大用量でラットとイヌの短期研究で有害影響は観察されなかった。パネルはE 477は遺伝毒性の懸念を生じないと考えた。パネルには脂肪酸のプロパン-1,2-ジオールエステルでの急性毒性、発がん性、生殖毒性、発達毒性試験は入手できなかった。パネルは、脂肪酸のプロパン-1,2-ジオールエステルの有害影響の可能性は、以前に食品添加物として再評価し、ADI 25 mg/kg bw /日が設定されたプロパン-1,2-ジオールによるものだと考えた。全体的な代謝と毒性のデータベースを検討して、パネルは、プロパン-1,2-ジオールと表される、脂肪酸のプロパン-1,2-ジオールエステル(E 477)の以前に設定されたADI、25 mg/kg bw/日を確認した。これはE 477のADI 、80 mg/kg bw /日に相当し、EU仕様書に記述されている最大量31%の遊離および結合プロパン-1,2-ジオールの濃度に基づいている。パネルは、詳細非ブランドロイヤルシナリオからの暴露推定量はどの年齢集団でもE 477 のADIを超過しなかったため、E 477に報告された使用量で安全上の懸念は生じないと結論した。だが、パネルはE 477、E 1520 、E 405などプロパン-1,2-ジオール暴露源となる食品添加物のグループADI設定の実現可能性を探る意向である。さらにパネルはこれらの食品添加物の使用から生じるプロパン-1,2-ジオールへの複合暴露評価を行うことも検討している。パネルはE 477のEU仕様書をいくつか改訂するよう助言した。

 

-食品サプリメントに栄養目的で追加されるマグネシウム源としてのクエン酸リンゴ酸マグネシウム

Magnesium citrate malate as a source of magnesium added for nutritional purposes to food supplements

EFSA Journal 2018;16(12):5484 6 December 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5484

MgCMはマグネシウムカチオンとクエン酸とリンゴ酸アニオンから成る混合塩で、12–15%のマグネシウムを含有している。MgCMは最大300–540 mg/日マグネシウムを提供する食品サプリメントへの使用を提案されている。提出されたデータから、生産工程は製品仕様書に従うMgCMを作り提案された保存可能期間を通して安定していることが実証されている。提供されたヒトの研究からMgCM由来マグネシウムは生物学的に利用可能だと実証されている。しかしながら、本来のあるいは他のマグネシウム源と比較した生物学的利用能の程度は、データがないことから設定できない。MgCMは生物学的に利用できるマグネシウム供給源だが、その生物学的利用能の範囲は設定できないとパネルは結論した。パネルは、提案されたMgCMの最大使用量、既存の栄養サプリメント、水、食品や飲料への添加における既存のマグネシウムの耐容上限摂取量(250 mg/日) は超過していると指摘した。

 

-ベンチマーク用量モデル化についてのRIVMとの共同プロジェクト

Joint project on Benchmark Dose modelling with RIVM

3 December 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1497

BMDモデル化のソフトウェアパッケージであるPROAST用のウェブアプリは、毒性学者やリスク評価者のためにBMDアプローチの利用をかなり簡単にするために開発された。

さらに、毒性学的研究に最も頻繁に生じるタイプのデータのためにのモデル平均化がソフトウェアに含まれた。PROASTウェブアプリは現在、非連続と連続データの両方に、結合したデータセット(各種サブグループ用の用量‐反応データ)に、子どもに影響する可能性のある発達データにも、モデルの平均化を適用できる。PROASTウェブアプリは、一般的に毒性学者やリスク評価者に非常に使い勝手が良く、BMDアプローチの受容と広範な利用を奨励すると考えられている。このツールのモデル平均化を広範囲に実施することで、概してBMD分析による結果がよりハーモナイズされ、またリスク評価のRPs(参照点)がより統一されていくだろう。

 

-遺伝子組換えTrichoderma reesei (DP‐Nzd22株)由来食品酵素エンド‐1,4‐β‐キシラナーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme endo‐1,4‐β‐xylanase from a genetically modified Trichoderma reesei (strain DP‐Nzd22)

EFSA Journal 2018;16(11):5479 30 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5479

この食品酵素エンド‐1,4‐β‐キシラナーゼ(EC 3.2.1.8)は遺伝子組換えTrichoderma reesei (DP‐Nzd22株)で生産された。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品酵素には生産生物の生きた細胞や組換えDNAはない。このエンド‐1,4‐β‐キシラナーゼは蒸留アルコール生産、焼成、醸造での使用を意図している。総固形有機物量(TOS)の残留量は蒸留アルコールの生産中に除去されるため、食事暴露は算出されなかった。焼成や醸造工程では、提案された最大使用量に基づき、この食品酵素への食事暴露-TOSは欧州人で最大0.416 mg TOS/kg 体重 (bw)/ 日と推定された。遺伝毒性試験では安全上の懸念を生じなかった。全身毒性は齧歯類の90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは1,000 mg TOS/kg bw /日を無毒性量とした。無毒性量と食事暴露を比較すると十分高い暴露マージンとなった(少なくとも2,400)。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似性が調査されたが一致しなかった。意図した状況下で、この食品酵素に対するアレルギー感作のリスクや食事暴露による誘発反応は除外できないが、そのような反応が起こる可能性は低いとパネルは考えた。提出されたデータ、蒸留アルコール生産中のTOSの除去、焼成や醸造工程用に導出した暴露マージンに基づき、パネルはこの食品酵素は意図した使用状況下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-使用後のPETを食品と接触する物質へリサイクルするために使用されるRecyPET Hungária テクノロジーに基づく‘RecyPET Hungária’プロセスの安全性評価

Safety assessment of the process ‘RecyPET Hungária’, based on RecyPET Hungária technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2018;16(11):5481 30 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5481

RecyPET Hungáriaプロセスは十分記述されておらず、申請者は適切に行われた負荷試験や他の適切な証拠によって、リサイクルプロセスRecyPET Hungáriaが、ヒトの健康へのリスクを引き起こさない濃度までこのPET材料の汚染物質を減らせることを論証していない。

 

-鳥類と哺乳動物のリスク評価に使用される食品についての生態学的データの推定(特定焦点生物種、農薬処理区画で食品を集めるために過ごす時間、食事の組成)、残留量および残留物減少データ収集

Data collection for the estimation of ecological data (specific focal species, time spent in treated areas collecting food, composition of diet), residue level and residue decline on food items to be used in the risk assessment for birds and mammals

29 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1513

この研究は、鳥類と哺乳動物の植物保護製品のリスク評価に使用される生態学的データ及び残留データの統一したデータベースを開発する目的で実施された。データの主な供給源は、有効成分の承認、製品の認可、体系的な文献レビューから検索された追加情報関連で提出された情報である。このデータは3つのエクセルデータベース(鳥類、哺乳動物、残留研究)に分けてまとめられた。鳥類と哺乳動物のリスク評価の生態学的情報は、焦点生物種の決定、農薬処理生息地で得た動物の日々の食事の割合の概算(PT)、処理地域で得た食事の組成の評価(PD) に用いられるデータで構成されている。集めた情報は、農薬処理後の(最初の)残留量と、残留物の減少 (報告された半減期または DT50 とDT90)に焦点をあてた。

 

-EFSA第24回科学会議―リスク評価におけるオミクス:最新技術と次の段階

EFSA Scientific Colloquium 24 – 'omics in risk assessment: state of the art and next steps

27 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1512

近年、ゲノミクス、トランスクリプトミクス、プロテオミクス、メタボロミクスの革新的な手段の開発は、科学的研究を新しく適用する可能性を広げ、膨大な量の分析データを利用できるようになった。オミックスデータの解明と統一により、有機体の機能状態やストレス要因など、外的因子の影響についての貴重な情報を提供できている。リスク評価のオミクスについての欧州食品安全機関(EFSA)第24回科学会議:最新技術と次の段階では、EFSAのリスク評価のアプローチ内で特定のオミクスツールで作られたデータセットを統一する機会を模索した。議論では、微生物株の特性評価におけるゲノミクス、GM植物の比較評価のためのメタボロミクス、毒性学的及び環境リスク評価へのオミクスの利用に焦点を当てた。会議から、オミックステクノロジーは、特に今やこの技術がほとんど成熟し安定しているので、食品及び飼料製品や環境のリスク評価の面で追加することが貴重だとわかった。だが、オミクステクノロジーが日常的にリスク評価に利用できる前に、国立及び国際機関と共に、データ収集、処理、説明、保管、キュレーションのための一貫性のある報告の枠組みを作成する必要がある。化学的な環境リスク評価のオミックスデータセットとして、現在の毒性学的あるいは環境リスク評価アプローチと一緒にオミクステクノロジーを利用するには、リスク評価における独立したツールとしてこのデータセットを実施する前に、信頼と助言の強化が必要である。リスク評価でのオミックスデータセットの利用にあたり信頼を高めるために、テストケースを行う必要がある。

 

[EFSA ]News

-食事摂取基準値:双方向ツールが稼働

Dietary reference values: interactive tool goes live

29 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/181129-1

EFSAは栄養士や他の医療従事者がEFSAの食事摂取基準値を用いて素早く簡単に計算できる双方向ツールを開始した。

このDRV Finderは年齢集団や栄養素から検索し、使用者はEFSAが近年発表した32のDRVsの意見から必要とする正確な情報を引き出し、結びつけることができる。

水、脂肪、炭水化物、食物繊維、タンパク質、熱量、14種のビタミン、13種のミネラルのDRVsがこの意見に含まれている。

EFSAの栄養ユニットのAgnès de Sesmaisons Lecarré氏は述べた、「医療従事者や当局は消費者が健康的な食品の選択を行いやすくするためにDRVsを使用する。私達は彼らにこのDRV Finderが基本的作業を行う際の貴重なツールだと知ってもらいたいと願っている。」

 

-食品中シアン化物に二つ目の意見―草案に意見をどうぞ

Second cyanide in food opinion – have your say on draft

27 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/181127

EFSAは生のアプリコットカーネルのシアン発生配糖体由来の急性健康リスクに関する2016年の科学的意見へのフォローアップへのパブリックコメントを募集している。シアン発生配糖体といわれる天然に生じる化合物はごくわずか食品に存在し、食後にシアン化合物に変わることがある。

この新しい意見で専門家は、そのような食品(アーモンドやマジパンなどのアーモンドを基にした製品)の摂取は健康上の懸念を起こしそうもないと結論した。パブリックコメントは2019年1月25日まで募集している。

パブリックコメント:生のアプリコットカーネル以外の食品中のシアン発生配糖体の存在に関する健康リスクの評価についての科学的意見案

Public consultation: draft Scientific Opinion on evaluation of the health risks related to the presence of cyanogenic glycosides in foods other than raw apricot kernels

https://www.efsa.europa.eu/en/consultations/call/181127

(キャッサバ、アーモンド、ソルガム、タケノコ、亜麻の実のことであって枇杷の種は入ってない)

 

-農薬:累積リスク評価の新たな期限

Pesticides: new deadline for cumulative risk assessments

5 December 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/181205

EFSAは食品中の複合農薬の残留物がヒトに引き起こすリスクに関して2つのパイロット評価の完成に新たな期限を設定した。評価はもともと今年末までに発表する予定だったが、関係者からのフィードバックを受けて延期した。

ヒトの神経系と甲状腺システムに関する農薬の累積効果の完全リスク評価予定は、2019年6月になった。

評価で使う農薬累積評価グループ(CAGs)をどうやって設定するのかについてのパブリックコメント募集で受け取った意見に対応するために期限が延長された。

さらに、欧州委員会とEU加盟国は、評価の中でEFSAに検討するよう求めた、累積暴露のリスク管理に関する一連の想定に同意した。この展開は、EFSAとこの計画のパートナーであるオランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)がこの評価の暴露分野をやり直すことを意味している。

この新しい評価には、EFSAが最近行った研究により、残留濃度についての食品加工の影響に関する情報や摂取データがより正確に利用できるようになる。

2019年6月に発表されたる累積リスク評価には不確実性分析も含み、それは科学的知見の限界や評価の際に用いられた想定がどのように結果に影響するのかを関係者が理解するのに役立つだろう

累積評価グループ(CAGs)とは?

パイロット暴露評価で評価されるべき物質は農薬をグループに分類する方法論を用いて同定された。

CAGs方法論は、同じ作用機序を持たない場合でも、同じ特異的効果をおこす農薬は一緒に累積毒性を引き起こす可能性があるという想定に基づいている。

 

[EU]RASFF Week49-2018

警報通知(Alert Notifications)

ベルギー産チルド馬肉のカドミウム(0.35 mg/kg)、スイス産グラノーラ紫色のミューズリーミックスのデオキシニバレノール(DON) (15.28 mg/kg)及びゼアラレノン(16.45 mg/kg)、スペイン産メカジキの水銀(1.7 mg/kg)、2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、オランダ産ピーナッツバターのアフラトキシン(B1 = 6.3; Tot. = 12.1 µg/kg)、ドイツ産アレルギー対応した乳児用粉ミルクのミネラル高含有、ドイツ産煎った塩味ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 28; Tot. = 30 µg/kg)、イタリア産生きたイガイのジノフィシス(129 µg/kg)、ドイツ産亜塩素酸ナトリウム水溶液の未承認食品添加物亜塩素酸ナトリウム(25%)、原料ドイツ産ハンガリーで加工した乾燥イチョウの葉の多環芳香族炭化水素(284.62 µg/kg)、インド産有機ビターアプリコットカーネルのシアン化合物高含有(2225 mg/kg)、英国産グルテンフリーオートフレークのデオキシニバレノール(DON) (1461 µg/kg;948; 1078.7; 948 µg/kg)、スイス産原料トルコ産煎って刻んだヘーゼルナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 15.0; Tot. = 16.9 µg/kg)、ハンガリー産食品サプリメントの亜鉛の高摂取量(30 mg/日)、韓国産乾燥してあぶった海藻のヨウ素高含有(72.51 mg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

フランス産チルドヨーロッパイチョウガニの亜硫酸塩非表示(133 mg/kg)、米国産食品サプリメントの未承認物質ヨヒンビン、2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、スペイン産解凍メカジキロインの水銀(1.6 mg/kg)、イタリア産ベビーホウレンソウの硝酸塩高含有(4347.3 mg/kg)、米国産食品サプリメントの未承認新規食品成分フーディア、産出国不明おしゃぶりの揮発性有機化合物(1.2 %)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

トルコ産チェコ共和国経由乾燥アプリコットの亜硫酸塩高含有(2341 mg/kg)、中国産竹製ボウルからのホルムアルデヒドの溶出(98.83; 107.42 mg/kg)、イタリア産焼いたキノコ入りガラス瓶の蓋からのエポキシ化大豆油(ESBO)の溶出(110 mg/kg)、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産乾燥アプリコットの亜硫酸塩高含有(2335 mg/kg)、中国産殻付きピーナッツのアフラトキシン(B1 = 4 µg/kg)、ボリビア産殻をむいたブラジルナッツのアフラトキシン(B1 = 9.75; Tot. = 17.81 µg/kg)、アルゼンチン産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 8.9; Tot. = 24 µg/kg)、アフガニスタン産ピスタチオ穀粒のアフラトキシン(B1 = 22.4; Tot. = 25.1 µg/kg)、トリニダードトバゴ産チーズスナックの着色料タートラジン(E102)(存在)及び着色料サンセットイエローFCF(E110)(存在)の未承認使用、アルゼンチン産殻をむいたピーナッツのアフラトキシン(B1 = 14.7; Tot. = 16.9 µg/kg)、トルコ産ザクロのクロルピリホス(0.239 mg/kg)、トルコ産ペッパーのクロルピリホス(0.084 mg/kg;0.095 mg/kg)、インド産米の未承認物質アセフェート(0.014 mg/kg)・カルベンダジム(0.011 mg/kg)及びトリシクラゾール(0.38 mg/kg

 

[EU]査察報告

-ドイツ-オーガニック製品の残留農薬管理

Germany-pesticide residue controls in organic production

15/11/2018

http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=3584

2015年9月7~11日にドイツで実施された、オーガニック製品の残留農薬管理を評価するための査察。当局(CAs)と管理団体(CBs)で責任を分担し、定期的にコミュニケーションをとっている。EUレベルでサンプリングを5 %とする法律が施行される前に、ドイツではすでに2013 年と 2014年にCBsが実施済みである。オーガニック業者でのサンプリングはリスクに基づいている。だが、サンプリングについてのガイダンス不足、ラボの統一選定基準、オーガニック製品の残留農薬を許容する明確な決定基準について欠点が見つかり、CBsとラボの実績に影響を与えている。デザインされた査察の範囲内でラボの必要条件がなく、この理由のため、国やEUのレファレンスラボの活動は十分利用されていない。

 

-カザフスタン―水産物

Kazakhstan―fishery products

14/11/2018

http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4060

2018年4月24日~5月4日までカザフスタンで実施した、EU輸出用水産物の生産状況の公的管理システムを評価するための査察。特に、モデルとなる健康証明書に含まれる健康証明の保証と前回2014年の査察の修正行動を確認した。公的管理システムには水産物生産チェーンの全ての段階が含まれ、EU健康証明書は法と手順に基づき必要な保証を提供している。製品上の公的管理は、感覚刺激検査や非ダイオキシン様PCBsの分析を除き、EUの要求をほぼカバーしている。管理の実施に関しては、日常管理で欠点を見過ごし、記録されていない。監視行動は机上のみで現場検証されておらず、その修正行動も行われていない。管理担当者の知見のギャップも弊害をもたらす影響がある。前回の査察の修正行動については、2つの助言だけ完全に効果的に実行されていることが明らかになった。

 

-ポルトガル―食品と接触する物質

Portugal―Food contact materials

13/11/2018

http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4062

2018年4月26日~5月4日までポルトガルで実施された査察。2017 – 2018年の間に加盟国に訪問する計画のシリーズの7回目である。このシリーズの目的は、食品と接触する物質に関する公的管理システムを評価することである。この査察から、食品と接触する物質を担当する中央管轄機関や国立基準研究所が指定してきたことや、当局が食品と接触する物質チェーンに関わる企業管理者の大部分を認識していることが分かった。公的管理は、検査官が法令順守の申請に形式的検証の要件を満たすための手順とチェックリストに支えられている。その上、国の施行手段のシステムは適切である。これらすべての要素が公的管理を実行するための良好な基盤を提供している。検査官は、法令順守宣言が存在することや、これらの宣言が完全だとある程度評価できるが、教育を受けていなかったり、企業管理者のリスク評価を立証するために適切に支援されていないため、CAsはFCMが法の要求の全てを満たすことを確認できていない。このように、法律に従わない、あるいは潜在的に健康リスクのある製品が市場に出ることがある。

 

-ペルー―水産物

Peru―fishery products

13/11/2018

http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4059

2018年4月30日~5月11日までペルーで実施した、EU輸出用のペルーの水産物の製造状況がEU規則に従っていることを確認するための査察。前回2009年の査察の助言への修正行動も確認された。管轄機関は法的効力と資源を得て公的管理システムを実施し、健康証明書に必要な保証を提供できている。だが、魚油製造施設や冷凍容器など施設や設備の認可および表記載に欠点がある。魚油以外の他の水産物には原料の適格基準が確認されないため、輸出健康証明書の信頼性は疑問視されている。

 

[EU]委員会はEUにおけるオイルやガスの探査による健康リスクについての最終意見を発表

Commission publishes Final Opinion on Health Risks of Oil and Gas Exploration in the EU

https://ec.europa.eu/newsroom/sante/newsletter-specific-archive-issue.cfm?archtype=specific&newsletter_service_id=327&newsletter_issue_id=12200&page=1&fullDate=Fri%2012%20Oct%202018&lang=default

SCHEERがEUにおける陸上での油やガスの探査による公衆衛生影響やリスクについての最終意見を発表した。結論としては既存の疫学研究は陸上での油やガスの探査が一般人に対して健康リスクになることについて弱から中程度の根拠がある。また周辺地域に住む人にある種のがんや害のある出産結果が増える可能性があることも示した

Final Opinion on onshore oil and gas

https://ec.europa.eu/health/scientific_committees/consultations/public_consultations/scheer_consultation_07_en

 

[ODS] 更新

-鉄

Iron

Fact Sheet for Health Professionals 

Updated: December 7, 2018

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Iron-HealthProfessional/

消費者向けファクトシート更新:December 7, 2018

Table3の改訂。乳幼児の鉄の1日摂取上限が40mgと明確にしたが、乳幼児用調製粉乳や食品の鉄含有量に基づいているわけではない。

 

-葉酸

Folate

Fact Sheet for Consumers 

Updated: December 7, 2018

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Folate-Consumer/

消費者向けファクトシート更新:December 7, 2018

このファクトシートは包括的に再考され、広く改訂された。

 

[HK]違反

-食品安全センターはソウギョのサンプルに微量のマラカイトグリーンを検出する

CFS finds traces of malachite green in grass carp samples

Wednesday, December 5, 2018

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20181205_7247.html

食品安全センター及び食物環境衛生署は、定期的な食品サーベイランスプログラムにおいて、ソウギョサンプルに微量の3.8ppbのマラカイトグリーンを検出したと発表した。

 

-乾燥えびのサンプルに基準値超過の保存料が検出された

Dried shrimp sample detected with excessive preservative

Wednesday, December 5, 2018

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20181205_7249.html

食品安全センター及び食物環境衛生署は、定期的な食品サーベイランスプログラムを行い、基準値30ppmのところ44ppmの保存料である二酸化硫黄が乾燥えびに検出されたとした。

 

-包装ナツメヤシのサンプルが食品表示規則に違反

Prepackaged date sample in breach of food labelling regulations 

Monday, December 10, 2018

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20181210_7254.html

食品安全センター及び食物環境衛生署は、特定の包装ナツメヤシが食品表示規則に違反し、製造者の食品ラベルに表示のない保存料である二酸化硫黄を含むことが分かったと発表した。検査において、基準値内の230ppmのカドミウムを検出した。

 

-台湾政府より‐ 日本から台湾に輸入された「フジッコ 海藻料理 めひじき」に台湾の基準に違反する量の重金属である無機ヒ素が検出された 。

The authority of Taiwan – Reported that a batch of “FUJICCO 富 士 海藻料理羊栖菜(4902553032414 KAISOU RYOURI MEHIJIKI)” imported from Japan to Taiwan was found to contain a heavy metal, inorganic Arsenic ( 無機砷), at a level which is not complying with the Taiwan standard.

7 December 2018 

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20181207_1.pdf

 

[HSA] マホガニー(スカイフルーツ)の種子を摂取後、肝臓を損傷したケースの報告更新

HSA Updates on Reports of Liver Injury After Consumption of Mahogany Seeds (Sky Fruit)

11 DECEMBER 2018

https://www.hsa.gov.sg/content/hsa/en/News_Events/Press_Releases/2018/mahoganyseedsskyfruit.html

HASはマホガニーSwietenia macrophylla種子あるいは「スカイフルーツ」「向天果」の摂取後肝臓を損傷したケースが7件報告されていると市民に注意を呼び掛けている。

(PDFに製品の写真有り)

 

[MPI] Countdown ブランドのアジの切り身

Countdown brand Trevally Fillets

4 December 2018

https://www.mpi.govt.nz/food-safety/food-recalls/recalled-food-products/countdown-brand-trevally-fillets/

Woolworths NZ Ltdは製品が高濃度のヒスタミンを含むため、Countdown ブランドのアジの切り身の一部を回収措置。製品写真あり。

 

[MPI] 北島海岸のバイオトキシン警告

Shellfish biotoxin alert for the Bay of Islands in Northland

06 Dec 2018

https://www.mpi.govt.nz/news-and-resources/media-releases/shellfish-biotoxin-alert-for-the-bay-of-islands-in-northland/

MPIはCape Brett北部からCape Wiwikiの線内の島の湾内全体における貝の捕獲に対する公衆衛生警告を発表した。https://www.mpi.govt.nz/travel-and-recreation/fishing/shellfish-biotoxin-alerts/#northland

 

[ヘルスカナダ] 助言:未承認の製品は深刻な健康被害をもたらす可能性がある

Unauthorized products may pose serious health risks

December 10, 2018

https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2018/68576a-eng.php

ヘルスカナダは未承認の健康製品は深刻な健康被害をもたらす可能性があるとして市民に注意を呼び掛けている。以下に、ヘルスカナダが発見した未承認の健康製品である精力剤、減量、活力製品あるいは「poppers」として販売されているもの、危険成分を含むものが更新されている。Cardarine、ジメチルアミラミン(DMAA)、ラウオルフィア、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)が検出された。製品写真あり。https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2018/68576a-eng.php#tab1

 

[FDA]警告文書

-Welter Farms Inc 11/27/18

November 27, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm627401.htm

食品の製造、包装及び衛生管理、不純物の問題。牛の肝臓に0.756ppm、筋肉組織に0.533のスルファメタジンが検出される。

 

-Jelliffe Dairy Farm 11/19/18

November 19th, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm626729.htm

動物組織に違法医薬品の残留、不純物の問題。牛の腎臓から10.9ppmのネオマイシンが検出される。

 

-American Botanical Pharmacy 10/30/18

October 30, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm627164.htm

未承認の医薬品、不正表示の医薬品、ダイエタリーサプリメント不正表示の問題。

 

-Alle Processing Corp. 10/26/18

October 26, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm627374.htm

低酸性缶詰食品法、不純品の問題。

 

[FDA]リコール

J.M. Smucker Companyは低濃度のチアミン(ビタミンB1)の可能性のため9Lives® Protein Plus® Wetの缶詰キャットフードの一部の自主回収を発表

The J.M. Smucker Company Issues Voluntary Recall of Specific Lots of 9Lives® Protein Plus® Wet, Canned Cat Food Due to Low Levels of Thiamine (Vitamin B1)

December 7, 2018

https://www.fda.gov/Safety/Recalls/ucm628058.htm

J.M. Smucker Companyは低濃度のチアミン(ビタミンB1)の可能性のため9Lives® Protein Plus® Wetの缶詰キャットフードの一部の自主回収を発表。製品写真あり。

 

[Codex]抗菌剤耐性について前進するためにコーデックス専門委員会が招集される

Codex task force convenes to forge ahead on antimicrobial resistance

07/12/2018

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1173886/

抗菌剤耐性についての特別コーデックス政府横断専門委員会(TFAMR)が韓国で第6回の会合を始めた

 

 

論文

-バーベキュー肉のベンゾ[a]ピレンによるがんリスク評価の確率論的アプローチ:人口集団への情報提供

Probabilistic approach for assessing cancer risk due to benzo[a]pyrene in barbecued meat: Informing advice for population groups.

Jakobsen LS et al., PLoS One. 2018 Nov 8;13(11):

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30408084

デンマーク食事摂取量調査、食品中濃度、バーベキュー回数に関する消費行動調査、動物実験での用量反応データを用いた二次元モンテカルロでバーベキュー肉のベンゾ[a]ピレンによる平均生涯余剰がんリスクは6.8 × 10-5 (95% 不確実性区間 2.6 × 10-7 - 7.0 × 10-4)と推定

 

-持久力が乏しい遺伝子を持っていると思うだけで身体が変わる

Scienceニュース

Just thinking you have poor endurance genes changes your body

By Jocelyn KaiserDec. 10, 2018 ,

http://www.sciencemag.org/news/2018/12/just-thinking-you-have-poor-endurance-genes-changes-your-body

レースに勝ちたいあるいは厳しいダイエットを続けたいと思うなら、あらゆるコーチは「気力で乗り越えろ」と言うだろう。しかしこのメッセージが医学コミュニティに刺さることは滅多にない-そこでは能力やリスクは心の持ちようよりは遺伝子や環境によると考えられている。しかしプラセボ反応の新形態を調べる研究で、心理学者がある種の身体的性質の遺伝的リスクが高いあるいは低いと話すだけで、実際の遺伝的変異とは関係なく人体の機能に影響することを発見した。この結果は医療の提供者や消費者向け遺伝子検査企業にとっては驚くべきことだろう。「心理学的試験からは、遺伝的リスク情報がこのような形で機能することはそれほど驚くべきことではない」と行動研究者のSusan Perskyは言う。

研究では参加者を騙すことについての倫理的承認を得た上でカリフォルニアのStanford大学の心理学者Alia CrumのラボのBradley Turnwaldと共同研究者らによって行われた。116人の若者あるいは中年の人が「パーソナライズド医療研究」と呼ぶものに参加した。彼らは運動能力に影響する遺伝子を検査してトレッドミル試験を行った。一週間後に検査結果を伝えられたがそれは実際のデータではなく無作為に割りあてられた。一部の人には疲れやすいCREB1遺伝子型だと言い、別のグループには持久力が高い型だと言った。そして再びトレッドミル試験をした。その結果持久力がない遺伝子だと言われた人は成績が悪かった-実際にはそうでないほうの変異を持っていても。最初の試験結果に比べて、平均で人体の二酸化炭素排出効率は悪く肺機能は低下した。一方持久力が高い方の遺伝子をもっていると言われた群は実際の変異とは関係なく平均でより長く走った。Nature Human Behaviorに発表。

さらに二番目の107人で満腹感に影響する遺伝子FTOの変異についても調べた。参加者は少量の食事をしてどのくらいお腹一杯になったかをランク付けする。無作為にFTO遺伝子が空腹感を感じやすいあるいはすぐお腹が一杯になるバージョンだと話した後、また同じ食事をする。空腹バージョンだと言われた方に変化は無かったが満腹バージョンだと言われた方は空腹感が少なく血中満腹ホルモン濃度が高かった。

どちらの遺伝子でも、身体の反応の変化は研究者らが実際に遺伝子の異なるバージョンで報告している差より大きかった。つまり態度のほうが遺伝子同様あるいはそれより大きくリスクを変える可能性がある。

このようなプラセボ応答は遺伝子検査に深刻な影響を与える可能性がある、特に市販の製品については。スタンフォードのチームは人々の遺伝子検査を止めるべきだとまでは言わないが、リスクについて知るだけで帰結に影響する可能性があることに留意すべきだという。この結果は肥満リスクが高いと考えるだけで身体がより肥満しやすくなる可能性があることを示唆する。

 (これは遺伝子研究で報告している関連や影響の強さがプラセボ(あるいはノセボ)レベル以下であることによるもので、市販の遺伝子検査はもともとただの占いだから。本物の遺伝病は気力ではどうにもならない。占いは呪いでもあるので悪いことを予想する占いにお金を払うのは悪手。そして食品や食品添加物の悪口ばかり探していると悪影響が出る-それって人生損してないか?)