2018-12-20

[EU]査察

-管理団体-ケニアで運営する認証管理団体が適用するオーガニック製品基準及び管理手段

Control BodyOrganic production standards and control measures applied by a recognised Control Body operating in Kenya

22/11/2018

http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4068

201841325日にケニアで実施した、管理団体(CB)が適用するオーガニック生産基準と管理手段を評価するための査察。管理団体には適切なよい管理システムの要素があるが、査察中に、不十分なリスク評価、管理計画、サンプリングに関連して非常に多くの欠点が確認された。管理者の管理実績はサンプリングと同様に効果がない。この管理システムは、管理団体基準に必要な資格をすべて満たした製品だけがオーガニックとして認定されていることを保証できない。

 

[EFSA]意見等

-ヘキサン抽出によるヒマワリ粕のダイオキシン類及びPCBsの解毒工程を評価するための科学的支援

Scientific assistance to assess the detoxification process for dioxins and PCBs in sunflower cake by hexane extraction

EFSA Journal 2018;16(12):5398 19 December 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5398

緊急時のヘキサン抽出によるヒマワリ粕からダイオキシン類及びPCBsの解毒工程について、EFSAは欧州委員会に科学的支援を要請された。この工程はDL- NDL-PCBsと同様にダイオキシン類(PCDDs PCDFs)を除去するためにヒマワリ粕からヒマワリ油のヘキサン抽出を伴う。申請者が提出したデータから、この工程の有効性、残留溶媒がないことに関して、またこの工程がこの製品の性質や特性に有害影響を与えないことを論証する情報について評価した。提出されたデータによると、この工程は元のヒマワリ粕よりPCDD/Fs DL-PCBsNDL-PCBs (6 指標の PCBs)の約90%低い濃度を含有するヒマワリミールを生産するのに効果的である。この工程を用いてこれらの汚染物質を現在のEUの最大量に合わせることは可能だとデータは示している。危険物質(すなわちヘキサン)は最終製品に残りそうもない。ヒマワリ粕からオイルを抽出することでヒマワリミールが作られ、それには元のヒマワリ粕とは異なる栄養素と栄養価が含まれている。だが使用や食事に含まれる量に特別な制限はない。原油は、この油の加工から生じる副産物と同様に、技術的目的にしか利用できないと申請者は説明した。ヘキサンの処分や再利用に関する情報は出されていない。EFSAは、ヒマワリミールを作るために溶媒抽出手段でヒマワリ粕からPCDD/Fs PCBsを取り除くために提案した解毒工程は、EU委員会規則の許容基準を満たすと結論した。

 

-確証データを踏まえたメソトリオンの農薬リスク評価についての加盟国、申請者、EFSAのパブリックコメント募集結果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for mesotrione in light of confirmatory data

19 December 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1527

英国が協議過程の結果をまとめ、EFSAの科学的見解と個別に受け取ったコメントへの結論を提示した。

 

-全ての動物種の飲料水に使用するビタミンB2(リボフラビン5’-リン酸エステルモノナトリウム塩)の安全性と有効性

Safety and efficacy of vitamin B2 (riboflavin 5′‐phosphate ester monosodium salt) for all animal species when used in water for drinking

EFSA Journal 2018;16(12):5531  18 December 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5531

この添加物はAshbya gossypiiで生産したリボフラビン源から得られる。この生産株の独自性や特性、遺伝子組換え微生物であるかどうかについての情報は出されていない。従って適切な情報がなく、この生産株の安全性評価を行うことはできない。リボフラビン5’-リン酸エステルモノナトリウム塩「それ自体」は対象種、消費者、環境に安全だと考えられている。

 

-ペンシクロンの既存MRLsレビュー

Review of the existing maximum residue levels for pencycuron according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2018;16(12):5518  17 December 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5518

さらなる検討が必要で、消費者暴露の削減方法も考慮すべきである。

 

[FDA]FDAは栄養とサプリメントの成分表示の技術的改訂に統一の法令遵守日を発表

FDA Issues Uniform Compliance Date, Technical Amendments on Nutrition and Supplement Facts Labeling Rules

December 19, 2018

https://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm628766.htm

2019年と2020年に発表された食品表示規制については202211日を統一法令遵守日とする

 

[HK]違反

-マスタード漬けのサンプルに超過保存料が検出され、食品表示規則に違反

Pickled mustard sample detected with excessive preservative and in breach of food labelling regulations

Tuesday, December 18, 2018

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20181218_7267.html

食品安全センター及び食物環境衛生署は、中国産マスタード漬けのサンプルに基準値超過の二酸化硫黄の保存料が検出され、食品ラベルに保存料の表示がないことが分かったと発表した。検査において、438ppmの二酸化硫黄を検出した。

 

-包装オート麦ラップサンド生地のサンプルに許可されない保存料が検出された

Prepackaged oat wrap sample detected with non-permitted preservative

Tuesday, December 18, 2018

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20181213_7262.html

食品安全センター及び食物環境衛生署は、オーストラリア産のオート麦ラップサンド生地のサンプルに、パン類製品に添加されることが許可されていない保存料であるソルビン酸を含み、かつ食品ラベルに表示がなく食品表示規則に違反していることが分かったと発表した。検査において、2,090ppmのソルビン酸を検出した。

 

[TGA]安全性警告:Beefit カプセル

Beefit カプセル

19 December 2018

http://www.tga.gov.au/alert/beefit-capsules

TGA検査により、Beefit カプセルに表示されない成分シブトラミンを検出した。製品写真あり。

 

[FSA] Lactalis McLelland Ltdは加熱したときガラス容器が割れる可能性があるため、Seriously Melting Potを回収措置

Lactalis UK recalls Seriously Melting Pot because the glass pot may break when heated

19 December 2018

https://www.food.gov.uk/news-alerts/alert/fsa-prin-69-2018

Lactalis McLelland Ltdは加熱したときガラス容器が割れる可能性があるため、Seriously Melting Pot2製品を回収措置。安全性リスクの可能性のため。

 

[RIVM]オランダの空気の質は2017年あまり改善していない

Dutch air quality shows little improvement in 2017

12/19/2018

https://www.rivm.nl/en/news/dutch-air-quality-shows-little-improvement-in-2017

2017年の二酸化窒素と粒子状物質の濃度は多くの場所で欧州規制値以下だった。公衆衛生の観点からはこれらの濃度をさらに減らすことが重要である。

 

論文

-糖尿病の標準治療

Standards of Medical Care in Diabetes—2019

Diabetes Care January 01 2019; volume 42 issue Supplement 1

http://care.diabetesjournals.org/content/42/Supplement_1

米国糖尿病学会が米国心臓病学会と歩調を合わせて更新

栄養療法あるいは食生活については

糖尿病の全ての人にとって炭水化物、タンパク質、脂質由来カロリーの理想的割合というものはない。個人ごとに現在の食生活や好み、目標によってベストなパターンを決めるべき。特定の栄養素に注目するのではなく、栄養の多い食品を含む健康的食生活パターンを強調すべき。多様な食生活パターンが許容できるが栄養全体の評価や健康上の目標を検討して協力して個人向けの食事をつくるには栄養士との相談が必須。

(このへんは食事ガイドラインと共通。特定の食品や栄養素を良いとか悪いとか言うのは専門家ではない)

 

-酵母に人工甘味料を作らせる

Getting yeast to make artificial sweets

19-Dec-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-12/acs-gyt121918.php

ACS Synthetic Biologyに酵母を使ってステビアを大量に作らせる方法が発表された

 

-ナトリウム摂取量の多さが中国の心疾患による死亡増加に寄与するかもしれない

High sodium intake may contribute to increased heart-disease deaths in China

19-Dec-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-12/aha-hsi121318.php

Journal of the American Heart Associationに発表された山東保健省ナトリウムと高血圧対策Shandong-Ministry of Health Action on Sodium and Hypertension (SMASH)計画のデータを用いた研究

 

-研究者らがあなたの家の中の空気をきれいにできる屋内植物を開発

Researchers develop a new houseplant that can clean your home's air

19-Dec-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-12/uow-rda121418.php

ワシントン大学の研究者らがポトスを遺伝子改変して空気中のクロロホルムとベンゼンを除去できるようにした。Environmental Science & Technologyに発表。

人間などのほ乳類の肝臓にある酵素シトクロムP450 2E1の遺伝子の合成バージョンを作成してポトスで発現できるように導入した。ポトスは花を咲かせないので花粉でGM植物が拡散することはない

(こういうGMは消費者に受け容れやすい?それともグリーンピースが臓器をもつ植物のようなグロテスクな画像を作って反対運動をするだろうか?今のところ観賞用植物については反対運動の標的になってはいないけれど。)

 

-乳児の時にミルクシリアル飲料を与えられると5才の時の過体重リスクが2

Twofold overweight risk for five-year-olds given milk cereal drinks in infancy

19-Dec-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-12/uog-tor121918.php

Acta Paediatricaに発表されたスウェーデンのHalland郡でのHalland 健康成長研究の1870人の子どものデータ。5才の過体重は11.6%、肥満は2.3%だったが、こどもが12か月の時点で毎日ミルクシリアル飲料を与えられていた場合には肥満又は過体重のリスクが1.94倍。スウェーデンでは6か月以降ミルクシリアル飲料を1日に1-5回飲む。この研究では12か月の時点では85%が毎日ミルクシリアル飲料を飲んでいた。ミルクシリアル飲料はミルクと小麦粉からなる飲料でおかゆに近く通常ビタミンやミネラルが添加されている。世界中に類似の製品は存在するもののそこまで普及してはいない。

(こういうものらしいんだけど。ちゃんと育つように栄養を与えたかったのだろう。子育て周辺の文化ってほんといろいろ。意味があるのか単なる慣習なのか見分けるのは難しい

https://www.littlefarmer.se/en/products/

 

その他

-全国青少年薬物トレンド2018

National Adolescent Drug Trends in 2018

December 17, 2018

http://www.monitoringthefuture.org//pressreleases/18drugpr.pdf

電子タバコの使用急増。米国

 

-EUのグリホサートと硫酸銅の矛盾する扱いを検討する

Examining the EU’s contradictory treatment of glyphosate and copper sulfate pesticides

December 19, 2018

Andrew Porterfield | Genetic Literacy Project

https://geneticliteracyproject.org/2018/12/19/examining-the-eus-contradictory-treatment-of-glyphosate-and-copper-sulfate-pesticides/

EUの政治は傍観者にとってしばしば困惑するものである。除草剤グリホサートと防カビ剤硫酸銅の両方にEU5年の認可を与えたがその扱いには類似点がある。

グリホサート戦争

(略)

硫酸銅

有機農業で使えるたった一つの抗真菌ツールで、INRAEFSAがヒトと環境の両方に有害影響があり懸念となると評価してきた。ECHAも発がん性と明言している。しかし有機農業ロビー団体が認可継続を勝ち取った。

硫酸銅の毒性が強いためいくつかのワイン業者はオーガニックを止めて慣行栽培に切り替え始めている。一部のワイン製造業者はゲノム編集で硫酸銅の毒性に耐えられるブドウを検討している。オーガニックコミュニティはこの問題について分裂し始めた。

雑誌Wine SpectatorCharles Philipponnatは「ナチュラルが良くて合成が悪い?あまりにも単純化しすぎだ。目標は我々の子供たちに負の影響を残さないでいいワインを作ることだ」と語っている。

(長い記事抜粋。銅なんて難分解性どころではないのに)

 

-市はみんなが虫歯になって水にフッ素添加を復活

City Put Fluoride Back In Their Water After Everybody Got Tooth Decay

By James Felton 19 Dec 2018

https://www.iflscience.com/health-and-medicine/city-put-fluoride-back-in-their-water-after-everybody-got-tooth-decay/

カナダのオンタリオのWindsor市は50年の間水道水にフッ素を添加していた。しかし2013年に添加を止めることを決めた。それから、市の発表した口腔の健康報告書2018によると緊急治療を要する子どもの虫歯が51%増えた。そして先週、市議会はフッ素添加をもとにもどすことを8-3で決めた