2019-01-16

[EFSA]意見等

-ネコ用Lantharenol® (炭酸ランタン八水和物)の認可改訂申請の評価

Assessment of the application for renewal of authorisation of Lantharenol® (lanthanum carbonate octahydrate) for cats

EFSA Journal 2019;17(1):5542 11 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5542

Lantharenol®は炭酸ランタン八水和物を含む飼料添加物である。これは現在ネコ用畜産添加物(尿からのリン排泄の削減)として認可されている。2007年に動物用飼料に使用する添加物及び製剤又は物質に関するパネル(FEEDAP)は、ネコ用飼料添加物としてのLantharenol®の安全性と有効性に関する意見を承認した。申請者はこの添加物が認可状況に従っていることを説明するデータを提出している。市販後モニタリング計画の結果を含む入手可能な証拠は、最大認可濃度7.5 g/kg 完全飼料でキャットフードへのLantharenol®の使用はネコに安全だと確認した。FEEDAPパネルは特定の市販後モニタリング計画の継続の必要はないと考えている。

 

-イヌ用飼料添加物としてのラクトバチルスロイテリ菌NBF‐1 (DSM 32203)の安全性と有効性

Safety and efficacy of Lactobacillus reuteri NBF‐1 (DSM 32203) as a feed additive for dogs

EFSA Journal 2019;17(1):5524 11 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5524

欧州委員会の要請を受けて、動物用飼料に使用する添加物及び製剤又は物質に関するパネル(FEEDAP)は、最大用量6 × 109コロニー形成単位(CFU)/動物及び日でイヌ用飼料に使用する際のラクトバチルスロイテリ菌 NBF‐1の安全性と有効性に関する科学的意見を出すよう求められた。この添加物はラクトバチルスロイテリ菌DSM 32203株の生きた細胞の製剤である。この種は対象種や環境への安全性を確立する安全性推定(QPS)アプローチに適切だと考えられており、QPSアプローチの条件を満たしている。他の構成要素からの懸念がなく、ラクトバチルスロイテリ菌 NBF‐1は対象動物と環境に安全だと考えられる。FEEDAPパネルはイヌ用のラクトバチルスロイテリ菌 NBF‐1の有効性に関する結論を出す立場ではない。

 

-ウサギ肥育用飼料添加物としてのHOSTAZYM® X (エンド‐1,4‐β‐キシラナーゼ)の安全性と有効性

Safety and efficacy of HOSTAZYM® X (endo‐1,4‐beta‐xylanase) as a feed additive for rabbits for fattening

EFSA Journal 2019;17(1):5529 11 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5529

欧州委員会の要請を受けて、動物用飼料に使用する添加物及び製剤又は物質に関するパネル(FEEDAP)は、ウサギ肥育用飼料添加物としてのHOSTAZYM® Xの安全性と有効性に関する科学的意見を出すよう求められた。HOSTAZYM® XはTrichoderma citrinovirideの株で生産されたエンド‐1,4‐β‐キシラナーゼを含み、液体及び固体製剤で入手できる。これは鶏肥育用、七面鳥肥育用、産卵鶏用、マイナー家禽種肥育用及び産卵用、離乳子豚用、豚肥育用、鯉用の飼料添加物として認可されている。FEEDAPパネルはこの添加物の新しい用途は消費者、使用者、環境の安全性に関する以前の結論を変えないと考えた。消費者の安全性の懸念はなく、環境へのリスクはこの添加物の使用から予想されない。ウサギ肥育用に投与される際のこの添加物の安全性を支えるためにラットの亜慢性経口毒性試験が提出された。毒性データからウサギに導出された最大安全摂取量を考慮して、FEEDAPパネルはこの添加物は推奨使用量でウサギ肥育用に安全だと結論した。証拠不十分により、パネルはウサギ肥育用のこの添加物の有効性を結論できなかった。

 

-ネコ用飼料添加物としてのラクトバチルスロイテリ菌 NBF‐2 (DSM 32264)の安全性と有効性

Safety and efficacy of Lactobacillus reuteri NBF‐2 (DSM 32264) as a feed additive for cats

EFSA Journal 2019;17(1):5526 11 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5526

欧州委員会の要請を受けて、動物用飼料に使用する添加物及び製剤又は物質に関するパネル(FEEDAP)は、最大用量6 × 109コロニー形成単位(CFU)/動物及び日でネコ用飼料に使用する際のラクトバチルスロイテリ菌 NBF‐2の安全性と有効性に関する科学的意見を出すよう求められた。この添加物はラクトバチルスロイテリ菌DSM 32264株の生きた細胞の製剤である。この種は対象種や環境への安全性を確立する安全性推定(QPS)アプローチに適切だと考えられており、QPSアプローチの条件を満たしている。他の構成要素からの懸念がなく、ラクトバチルスロイテリ菌 NBF‐2は対象動物と環境に安全だと考えられる。FEEDAPパネルはネコ用のラクトバチルスロイテリ菌 NBF‐2の有効性に関する結論を出す立場ではない。

 

-全ての動物用に出芽酵母 NCYC R397で生産したセレノメチオニンの認可更新申請の評価

Assessment of the application for renewal of authorisation of selenomethionine produced by Saccharomyces cerevisiae NCYC R397 for all animal species

EFSA Journal 2019;17(1):5539  11 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5539

動物用飼料に使用する添加物及び製剤又は物質に関するパネル(FEEDAP)は、全ての動物用に出芽酵母 NCYC R397(Alkosel®)で生産したセレンの有機的形態の認可更新申請についての科学的意見を出すよう求められた。FEEDAPパネルはこの添加物の安全性と有効性に関して2つの意見を(2007年と2016年に)出した。この添加物は有機セレン、主にセレノメチオニン(63%)として記述されている。最初は2007年に2,000–2,400 mg Se/kg (有機セレンの97–99 %)で認可され、2017年には2,000–3,500 mg Se/kgのセレン範囲を導入するためにさらに改正された。その上、2013年には最初に認可された規則は飼料の添加物からの最大補完セレン量(0.2 mg Se  Alkosel®由来/kg feed)を導入するために改訂された。提出された証拠は現在市販されているこの添加物が認可状況に従っていることを示している。対象種、消費者、環境に安全な以前の結論を再考する新たな証拠は見つからなかった。特に、Alkosel®由来0.2 mg/kg 飼料の最大セレン補完量を超えず、その上飼料中の最大総セレン量0.5 mg/kgに違反しない限り、動物の栄養へのAlkosel®の使用は消費者へのリスクを引き起こさない。

 

[EFSA]EU-FORAフェローシッププログラム:第3期申請は1月31日まで

EU-FORA Fellowship Programme: apply for third round by 31 January

14 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/190114

EUの科学的評価の知的能力や知見コミュニティを形成する主要戦略である、EFSAの欧州食品リスク評価(EU-FORA) フェローシッププログラムの次期フェローや受け入れ側になるための申請はまだ可能である。

EU-FOR AはEU及びEFTA各国出身の若手から中堅科学者に、食品安全性リスク評価における知見や実地体験を広げる機会を与えることを目的としている。

その仕組みは?

フェローは自国以外の欧州の食品安全性リスク評価機関で12カ月間「実践による学習」を行う。その周期の最後に参加証明書が与えられ、フェローとしての研究の科学報告書がEFSA Journalの特集として発表される。

フェローはパルマ、ウィーン、ベルリン、アテネで行われる食品リスク評価履修4単位も受けとる。調達要請はこの教育プログラムの更新や配信を開始している。フェローへの教育提供に興味があれば、ここでさらなる情報が入手できる。

新着情報

この要請時点で、条項36の定める機関で働いていない、または現在職がない科学者たちは申請できない。受け入れ側になることに興味のある機関はEU-FORAの次の2周期 (2019-2020年と2020-2021年)の1つ、または両方に申請する選択肢がある。

このプログラムについてのさらなる情報や、フェローや受け入れ機関の申請方法は、EFSAのウェブサイトを見て下さい。過去と現在の参加者がEU-FOR Aについて言うべきことをさらに知るために、短い動画をご覧ください。

めったにないこの機会を逃さないで!申請は2019年1月31日まで。

 

[EU]RASFF Week02-2019

警報通知(Alert Notifications

インド製造ブルガリア経由食品サプリメントのオクラトキシンA(54.81 µg/kg)、チェコ共和国産有機ライ麦のオクラトキシンA (6.4 µg/kg)、パナマ産冷凍マグロの水銀(1.2 mg/kg)、コロンビア産マグロロインの水銀(1.5 mg/kg)、イタリア産チルド生ソーセージの鉛(4.6 mg/kg)、スペイン産冷凍ヨシキリザメ切り身の水銀(1.5 mg/kg)、フランス産ガラス瓶入りグリーンオリーブの亜硫酸塩非表示(28.7 mg/kg)、韓国産オランダ経由乾燥海藻のヨウ素高含有(3557; 3725 mg/kg)、

注意喚起情報(information for attention

英国産ホタテ貝(queen scallops)のカドミウム(1.3 mg/kg)、2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、ロシア産アプリコットカーネルクリームのシアン化合物高含有(51 mg/kg)、スペイン産メカジキの水銀(1.424 mg/kg)、タイ産未承認遺伝子組換えパパイヤ、フランス産缶入りピエモンテツナサラダの亜硫酸塩非表示、

フォローアップ用情報(information for follow-up

英国産オレンジシュガーペーストの着色料キノリンイエロー(E104) (426.9 mg/kg)および着色料ポンソー4R/コチニールレッドA(E124) (357 mg/kg) 高含有、ポーランド産食品サプリメントの未承認照射、スウェーデン産フリーカ(freekeh)のミネラルオイル(MOSH: 8777.6, MOAH: 37.7 mg/kg)、イタリア産スパークリングワインの亜硫酸塩高含有(500 ~ 600 mg/l)、ベトナム産チリソースの着色料サンセットイエローFCF(E110) (180 mg/kg)及び着色料ポンソー4R/コチニールレッドA(E124) (7 mg/kg)の未承認使用、チェコ共和国産ポピーシード粉のモルヒネ高含有(15.5 mg/kg)、ベトナム産緑茶の未承認物質アントラキノン(0.025 mg/kg)、

通関拒否通知(Border Rejections

アルゼンチン産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 5.7; Tot. = 9.9 µg/kg;B1 = 30; Tot. = 53 µg/kg;B1 = 9; Tot. = 11 µg/kg)、ベトナム産アーモンドのアフラトキシン(B1 = >24; Tot. = >24 µg/kg;B1 = 24; Tot. = 24 µg/kg)、オーストラリア産ベトナム製造アーモンドのアフラトキシン(B1 = 17.2; Tot. = 21.7 µg/kg;B1 = 22.7; Tot. = >24 µg/kg;B1 = 22.8 µg/kg;B1 = >24; Tot. = >24 µg/kg;B1 = >24; Tot. = >24 µg/kg;Tot. = 24 µg/kg;B1 = 15.7; Tot. = 24 µg/kg)、パキスタン産生鮮ペッパーのクロロタロニル(0.11 mg/kg)・テブコナゾール(0.51 mg/kg)・トリフロキシストロビン(0.21 mg/kg)およびクロラントラニリプロール(0.09 mg/kg)、中国産緑茶の未承認物質トルフェンピラド(0.021 mg/kg)、ベトナム産冷凍ナマズの未承認物質ロイコマラカイトグリーン(40.44 µg/kg)、インド産チリの未承認物質モノクロトホス(0.29 mg/kg)、

 

 

[FSS] 食品安全キャンペーンはスコットランド市民に対して、「キッチン犯罪」有罪ではないかどうか確認するよう求める

Food safety campaign asks the Scottish public to check whether they’re guilty of ‘Kitchen Crimes’

15 January 2019

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/campaign-asks-scottish-public-to-check-if-guilty-kitchen-crimes

FSSはスコットランド市民が食品安全の優良規範を実行し、キッチンが食品「犯罪現場」とならないよう注意を促している。「キッチン犯罪」食品安全マーケティング運動は家庭で必ずしも守られておらず、食中毒を引き起こす可能性のある20の推奨する食品安全行動を強調している。

 

[HK]違反

-包装ビスケットが栄養表示規則に違反している

Prepackaged biscuit not in compliance with nutrition label rules

Tuesday, January 15, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190115_7298.html

食品安全センターが検査したところ、フランスのLUブランドのLU Sweet Dry Biscuit - Palmitoにおいて、ナトリウムが378mg/100gという申告のところ、570mg/100gであった。

 

-包装クッキーが栄養表示規則に違反している

Prepackaged cookies not in compliance with nutrition label rules

Friday, January 11, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190111_7292.html

食品安全センターが検査したところ、香港のRegal SupremeブランドのSupreme Savor (Butter Cookies (8pcs) + Oat & Cranberries Cookies (8pcs))において、ナトリウムが75mg/100gという申告のところ、160mg/100gであった。

 

-クッキーが栄養表示規則に違反している

Cookies not in compliance with nutrition label rules

Friday, January 11, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190111_7293.html

食品安全センターが検査したところ、香港のCrostiniブランドのCrostini Classic Cranberry Hazelnut Cookiesにおいて、ナトリウムが19mg/100gという申告のところ、29mg/100gであった。

 

[TGA]安全性警告:Germany Black Ant 2000mg錠剤(Zhansheng Weige Chaoyue Xilishi)

15 January 2019

http://www.tga.gov.au/alert/germany-black-ant-2000mg-tablets-zhansheng-weige-chaoyue-xilishi

TGA検査により、Germany Black Ant 2000mg錠剤に表示されない成分シルデナフィルを検出した。製品写真あり。

 

[HK]台湾政府より‐台湾の「AAA 奶精」 、「玫瑰奶精」及び「荷蘭奶精」を製造する原料である「榮達奶精(NON DAIRY CREAMER SPD20,有効期限2017年7月27日)」の期限切れ使用かつこれらの製品の消費期限の改ざんの調査に関する通知を発表した

The authority of Taiwan – A notice regarding the investigation of using expired  「榮達奶精(NON DAIRY CREAMER SPD20,有效日期 106年7月27日,下稱榮達奶精)」as an ingredient to make the products of 「AAA 奶精」 , 「玫瑰奶精」and「荷蘭奶精」and changed the expiry dates of these products in Taiwan

11 January 2019 7 

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20190111_1.pdf

 

[DEFRA]政府は大気汚染対策として世界を主導する計画を発表

Government launches world leading plan to tackle air pollution

14 January 2019

https://www.gov.uk/government/news/government-launches-world-leading-plan-to-tackle-air-pollution

大気汚染は英国の公衆衛生にとって最大の脅威の一つである。粒子状物質への暴露を減らすために野心的な長期目標を設定する

自動車、家庭の暖房、農業由来の汚染対策。

(排出アンモニアの88%は農業由来で、施肥等改革

SMC UK

expert reaction to Defra’s clean air strategy

January 14, 2019

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-defras-clean-air-strategy-2/

 

[DEFRA]食品廃棄を減らす:根本的変化をもたらす資金提供開始

Cutting food waste: game-changing fund opens

Published 11 January 2019

https://www.gov.uk/government/news/cutting-food-waste-game-changing-fund-opens

食品事業の食品廃棄を持続可能に減らす資金提供開始

政府は食品の再配布団体に、食品廃棄を減らすための数百万ポンドの予備的計画の一環として最初の500万ポンドの資金提供への応募を呼びかけた。

 

[EU]新興健康環境問題についてのSCHEERの声明(2018)

SCHEER statement on emerging health and environmental issues(2018)

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/scheer/docs/scheer_s_002.pdf

食品以外の分野でSCHEERのメンバーが将来の健康や環境に問題になる可能性があると同定した項目。新規性、影響範囲の大きさ、影響の深刻さ、緊急性(変化の速度)、これまでの研究が乏しい、時間とともに重要性が増す、ものを「新興emerging」としている

14項目について優先順位スコア(*(不確実)、1,2,3)付け、3が高い

  1. パーソナルコミュニケーションと聴く装置 1

2.バーチャルリアリティ                                              3

3.電子タバコと慢性疾患                                              3

4.電磁場増加の野生生物への影響                                3

5.リサイクル素材中の化合物-循環経済の問題           3

6.排水や地表水中の医薬品や違法薬物                         3

7.物質の移動性Mobility:化学物質規制の新しい尺度  3

8.飲料水処理と化合物の相互作用およびその健康影響 2

9.パー及びポリフッ素化有機化合物                             2-3

10.新規RNA農薬及び遺伝子編集                                3

11.DIY合成生物学、バイオハッキング                        3

12.環境中マイクロ及びナノプラスチック                    *

13.建材や建築廃棄物由来のナノ粒子                           3

14.環境要因とヒトマイクロバイオーム                       2

 

[EU]新興問題とSCHEER の役割についての立場表明文(2018)

position paper on emerging issues and the role of the SCHEER(2018)

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/scheer/docs/scheer_s_001.pdf

 

[NASEM]世界の肥満の流行の現状と対応:ワークショップの概要

Current Status and Response to the Global Obesity Pandemic: Proceedings of a Workshop–in Brief

January 11, 2019

http://nationalacademies.org/hmd/Reports/2019/Current-Status-and-Response-to-Global-Obesity-Pandemic-Proceedings.aspx

(アジアの話も少し入っている。アジアの一部でBMIが25以下でも糖尿病が多くなるのは筋肉が少なくて内臓脂肪が多いせいではないかとか)

 

論文

-食品として昆虫を養殖するのは環境に優しいのでさあ準備しよう、と科学者が言う

Let's prepare now so farming insects as food is environmentally friendly, say scientists

14-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/cp-lpn011019.php

Trends in Ecology & Evolution

 

-研究:「ポストノーマル」科学は普通でないコミュニケーション戦略を必要とする

Study: 'Post-normal' science requires unorthodox communication strategies

14-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/uow-s011019.php

ジーンドライブでマラリアと戦うことはハイリスクで成果も多い技術で科学ジャーナリストにとっては課題となっている、と「ポストノーマル」科学技術の実りある現実的議論を促進しようとする新しい報告は言う。ポストノーマル科学はコストやベネフィットや安全性を評価するのにこれまでの専門性では十分ではない技術を指す新語である。PNAS.

困難の一部は科学の速度が速く規制について議論する時間がなく社会の能力が置いていかれること。さらにソーシャルメディアの時代にニュースの見出しはそれが恐がらせるものであろうと期待させるものであろうと正確であろうと不正確であろうと直ちに世界中で沸騰してしまうこと。

(いろいろ略)

ジーンドライブや他のポストノーマル技術については、「我々は「意味のある対話を促進する必要がある」と言うのを止める必要がある。我々は現場に出て実践する必要がある」

 

-遺伝子組換え食品反対者は自分たちが思っているよりよく知らない、研究が発見

Genetically modified food opponents know less than they think, research finds

14-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/uoca-gmf011019.php

Nature Human Behaviourに発表された新しい研究によると、GM食品反対の最も過激な意見を持っているヒトは自分たちがGM食品の科学について最もよく知っていると考えているが実際には最も知らない。マーケティングと心理学の研究者らが米国と欧州の2000人以上の成人にGM食品についての意見を尋ねた。この研究の回答者の90%以上が何らかのレベルでGM食品に反対だった。重要な知見は、GMに反対であればあるほど自分は詳しいと考えているが、実際の知識試験での成績は低いということである。「この結果は倒錯しているが、これまでの過激思想の心理学についての研究とは一致している」、と主著者のPhil Fernbachはいう。「過激な見解はしばしば人々が複雑な問題を実際以上によく理解できると感じることに由来する」。この現象の帰結は、重要な科学的問題について最もよく知らない人たちは、新しい知識を探さないために知らないままに留まる可能性がある、ということである。「人々のマインドを変えるにはまず最初に彼らが自分が知らないことを認識する必要がある」と共著者のNicholas Lightはいう。

 

-イタリアの研究機関長が政府の「反科学的立場」により辞任

Head of Italian research institute resigns over “anti-scientific position” of government

Talha Burki

The Lancet World Report|Volume 393, ISSUE 10167, P115, January 12, 2019

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(19)30077-7/fulltext

昨年Walter Ricciardi はIstituto Superiore di Sanità (ISS)の長を辞任した。1月に日刊紙Corriere della Seraにその理由を説明している。イタリア政府のメンバーは「非科学的、率直に言って反科学的立場」を支持していて彼はその非科学を非難した。ISSは感染症やワクチンや公衆衛生やがんの研究をしていて、Ricciardi は2014年からコミッショナー、後にプレジデントを務めているが2018年6月に新政府になってから政府の姿勢が変わった。保健大臣との個人的関係は良かったものの政府との関係は上手くいかず、共有できない立場に保証を与えるくらいならやめた方がいいと考えた。

Ricciardiの任期はイタリアでのはしかの急増した時期でそれから政府は予防接種の義務化に動いたが新政府は予防接種を危険だと言う。そして感染症は移民のせいだという。それには根拠がない。

 

-カナダは新たに開いた大麻小売り市場を拡大する

Canada to widen its newly opened retail cannabis market

Paul Webster

The Lancet World Report|Volume 393, ISSUE 10167, P116, January 12, 2019

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(19)30075-3/fulltext

(食用大麻の件

違法製品の取り締まりをしないことで実質的にやり放題になるのではないかという懸念がある、一方税収増が極めて魅力的

このページに写真掲載してあるチョコチップクッキーを食品ではありませんと言って売り、食品ですといって食べさせて常習者を増やしたい)

 

その他

-オーストラリア薬学会 補完医薬品についての意見表明

Pharmaceutical Society of Australia

Complementary medicines Position statement

October 2018

https://my.psa.org.au/servlet/fileField?entityId=ka17F0000000zFwQAI&field=PDF_File_Member_Content__Body__s

ホメオパシーについては特に有用であるという根拠がないことを明言

薬剤師は消費者が安全で有効な医薬品を入手できるよう確保するために基本的役割を果たす。補完医薬品には、通常医療の補完として一部の症状の管理に役立つ可能性はあるが、薬剤師は消費者が最良の入手可能な情報を提供されていることを確実にしなければならない

 

-至適フッ素添加水を飲むことによる健康への有害影響の根拠のレビュー

オンタリオ公衆衛生局

Evidence review for adverse health effects of drinking optimally fluoridated water (2010-2017)

October 2018

https://www.dentalwatch.org/fl/ca_evidence_review_2017.pdf

重要メッセージ

・既存文献からは、至適フッ素添加水を飲むことによる健康への有害影響は軽い歯のフッ素症(一般的に気がつかない歯の白いスポット)のみである

・至適フッ素添加水を使って乳児用ミルクを調整するとそれが子どもの主要食品である場合には軽い歯のフッ素症になる可能性が増えるかもしれない。予防したければ時々フッ素濃度の低い水を使う

・軽い歯のフッ素症を予防したければフッ素入り練り歯磨きやフッ素サプリメントのような他のフッ素源への初期暴露を監視すること

・フッ素暴露と健康影響には用量反応相関があるため、適切なトレードオフが達成できるよう(利益を最大化し有害影響を最小化する)至適濃度でのフッ素添加を検討することが重要。

 

-「デトックス」を約束する製品は詐欺。そう、全てが。

Products that promise “detox” are a sham. Yes, all of them.

By Julia Belluz and Christophe Haubursin  Updated Jan 2, 2019,

https://www.vox.com/2016/9/13/12894190/detox-cleanse-products-scam

我々を騙してきた長い歴史があるけれど。

このアイディアは我々が作られてすぐのエデンの園まで遡る-毒リンゴを食べてから、この原罪をあがなうために、我々はデトックスという考えの餌食になってきた。

(以下略)