2019-02-12

[EFSA]意見等

-スピノサドのMRLレビュー後の確証データの評価

Evaluation of confirmatory data following the Article 12 MRL review for spinosad

EFSA Journal 2018;17(2):5592 4 February 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5592

アーティチョーク、顕花アブラナの残留物試験に関するデータのギャップと加工商品の残留物の性質については十分対処された。家禽に関する新しい飼料試験が要請通り提出されているが、代謝試験から得られた仮の変換率に置き換えたり、家禽の肝臓と卵のリスク評価の変換率(CF)を導出したりするには不十分だった。最近EFSAが導出した急性参照値(ARfD)を考慮して、スピノサドの消費者リスク評価が改訂された。ホウレンソウには消費者摂取の懸念が確認されたため、既存のMRLを下げるよう助言した。この申請で評価された残りの商品(アーティチョーク、顕花アブラナ、家禽由来製品)には、消費者の摂取の懸念は確認されなかった。MRLsが以前に設定されているが現在評価の対象外の商品には、短期摂取量に懸念があるため、MRLsのレビューを助言した。

 

-イマザモックスのMRLレビュー後の確証データの評価

Evaluation of confirmatory data following the Article 12 MRL review for imazamox

EFSA Journal 2019;17(2):5584  1 February 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5584

申請者はデータのギャップを扱うためにコメに関する新しい残留試験を提出したが、試験数が十分ではなかったため、データのギャップは一部しか対処されなかった。代謝試験と分析施行手段に関する残されたデータのギャップはイマザモックスの認可更新の枠組みで扱われてきた。植物作物の新しい施行とリスク評価残留物定義が得られ、イマザモックスの毒性参照値が改訂された。消費者の摂取の懸念は確認されなかった。さらにEFSAは、ピアレビューの枠組みで導出された新しい残留物定義を考慮して、イマザモックスの全ての既存のEUのMRLsをレビューするよう助言した。

 

-飼料添加物として使用するBacillus subtilisの遺伝子組換え株が生産したビタミンB2がヒトに引き起すリスクについてのEFSAの声明

EFSA statement on the risk posed to humans by a vitamin B2 produced by a genetically modified strain of Bacillus subtilis used as a feed additive

31 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5615

2018年10月2日に、ベルギーの国家機関が食品及び飼料に関する緊急警報システム(RASFF)を通して、飼料添加物として使用されるビタミンB2に遺伝子組換えDNAが検出されたと通知した。欧州委員会は、この飼料添加物の遺伝子組換え原材料の存在がヒトに引き起こす、特に抗菌剤耐性(AMR)に関するリスクについてEFSAからの科学的助言を要請した。EFSAは添加物と飼料両方のAMR遺伝子の存在に関してRASFFの分析データを評価した。添加物と飼料のサンプルは遺伝子組換え枯草菌のDNAの存在に陽性反応を示した。その結果、完全長のクロラムフェニコール耐性遺伝子と適合するが、その存在を立証しなかった。他のAMR遺伝子や枯草菌の生きた細胞の存在に関する情報は得られなかった。この声明では、飼料添加物のAMR遺伝子の存在がヒトの健康に有害影響をもたらすイベントを示すリスク評価経路を規定している。証拠に基づくリスク推定のためには、全てのイベントの発生可能性データが必要である。全てのイベントは理論的に可能だが、それぞれ起こる確率を推定できる科学的なデータはない。その上、添加物や飼料のビタミンB2に完全長のAMR遺伝子の存在の証拠はなく、そのためAMR遺伝子導入の最初の段階が実行されるかどうかは明らかではない。飼料添加物にAMR遺伝子の断片が単独で存在することはリスクではない。完全長のAMR遺伝子が飼料添加物に存在するなら、フードチェーン経由で病原菌の伝染、および/または薬剤耐性菌/遺伝子の環境への広まりに関連するリスクとなる可能性があり、AMR決定要因の環境への蓄積に寄与する可能性がある。

 

[EU]RASFF Week06-2019

警報通知(Alert Notifications

スペイン産チルドメカジキロインの水銀(1.3 mg/kg)、オーストリア産オランダ製造食品サプリメントの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD) (44200 mg/kg)、英国産食品サプリメントの未承認物質オロチン酸マグネシウム(高摂取量: 500 mg/日)、米国産ドッグフードのビタミンD高含有、

注意喚起情報(information for attention

タイ産冷凍調理済マグロロインのヒスタミン(359 mg/kg)、ウズベキスタン産有機ビターアプリコットカーネルのシアン化合物高含有(1834.8 mg/kg)、インド産バスマティ米のチアメトキサム(0.043 mg/kg)及び未承認物質トリシクラゾール(0.11 mg/kg)、アルゼンチン産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 5.6 µg/kg;B1 = 2.59 µg/kg)、米国産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 10; Tot. = 11 µg/kg)、米国産食品サプリメントの未承認新規食品成分アグマチン硫酸、2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、セルビア産食品サプリメントの未承認物質金属マグネシウム(粒子)、米国産缶入りドッグフードのビタミンD高含有、

フォローアップ用情報(information for follow-up

スペイン産食品サプリメントの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、産出国不明ルーマニア経由食品サプリメントの着色料エリスロシン(E127)の非表示及び未承認使用(1.68 mg/kg)及び未承認新規食品成分ゼオライト、中国産竹製カップからのホルムアルデヒドの溶出(1.3~24.7 mg/kg)、インド産オランダ経由未承認新規食品ビンロウの実(ビンロウジ)、オランダ産貝殻餌鱗状餌の未承認飼料添加物アンプロリウム(0.2 ~ 7.4 µg/kg)、台湾産缶入りコーヒー飲料のステアロイル-2-乳酸ナトリウム(E481)未承認、米国産コーラ味炭酸飲料の安息香酸(E210)高含有(386 mg/l)、英国産舌下オイルスプレーの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、ベトナム産オランダ経由冷凍全形赤いティラピアの未承認物質アジスロマイシン(21 µg/kg)、

通関拒否通知(Border Rejections

イラン産トルコ経由殻なしピスタチオナッツのアフラトキシン(B1 = 46.87; Tot. = 56.11 µg/kg)、台湾産テフロンコート底抜き可能型の内部コーティング剥離及び高濃度の総溶出量(58 mg/dm²)、インド産バスマティ米の未承認物質アセフェート(0.042 mg/kg)及びトリシクラゾール(0.105 mg/kg)、インド産チリペッパーのクロロタロニル(0.04 mg/kg)及び未承認物質ジクロルボス(0.13 mg/kg)、トルコ産ペッパーのアセタミプリド(0.640 mg/kg)、トルコ産マンダリンのエスフェンバレレート(0.438 mg/kg)、トルコ産生鮮オレンジのエスフェンバレレート(0.161 mg/kg)、エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン(B1 = 23.1; Tot. = 25.6 µg/kg)、フィリピン産インスタント麺の着色料タートラジン(E102)の未承認使用、トルコ産乾燥アプリコットの亜硫酸塩高含有(2228 mg/kg)、ジョージア産ヘーゼルナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 19.2; Tot. = 28.8 µg/kg)、タイ産米国経由メラミンボウルからのホルムアルデヒドの溶出(18.3 mg/kg;22,6 mg/kg)、アルゼンチン産湯がいたピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 4.4; Tot. = 5.1 µg/kg)、ドミニカ共和国産ペッパーのメソミル(0.050 mg/kg)及び未承認物質フィプロニル(0.051 mg/kg)、インドネシア産ナツメグのアフラトキシン(Tot. = 16.4 µg/kg)、米国産トルコで加工したピスタチオのアフラトキシン(B1 = 17.75 µg/kg)、中国産メラミン製台所用品からのホルムアルデヒドの溶出(25 mg/kg)、ドミニカ共和国産ペッパーのメソミル(0.17 mg/kg; 0.21 mg/kg)・クロロタロニル(0.16 mg/kg)及び未承認物質チオジカルブ(0.038 mg/kg;0.032 mg/kg)、ベトナム産冷凍レッドチリペッパーのキナルホス(0.043 mg/kg)・未承認物質プロフェノホス(0.099 mg/kg)・カルベンダジム(0.31 mg/kg)・ペルメトリン(0.48 mg/kg)・クロルフェナピル(0.26 mg/kg)及びトリシクラゾール(0.061 mg/kg)、パキスタン産チリペッパーの未承認物質メタミドホス(0.07 mg/kg)、トルコ産干しブドウのオクラトキシンA (19.3 µg/kg;19.1 µg/kg)、セネガル産ピーナッツペーストのアフラトキシン(B1 = 23; Tot. = 34 µg/kg)、トルコ産乾燥アプリコットの亜硫酸塩高含有(2573 mg/kg)、セネガル産ピーナッツパウダーのアフラトキシン(B1 = 47; Tot. = 81 µg/kg)、トルコ産サルタナレーズンのオクラトキシンA (20 µg/kg;22 µg/kg)、

 

[EU]パブリックコメント募集

食品と接触する物質の評価

Evaluation of Food Contact Materials (FCM)

https://ec.europa.eu/info/law/better-regulation/initiatives/ares-2017-5809429/public-consultation_en

2019年2月11日から5月6日まで

現在の規制が目的に適っているかどうか、評価は一貫していて妥当かどうか、などを尋ねている

 

[EU]ニセ医薬品:患者の安全性を強化するための新しい規則

Falsified medicines: new rules to enhance patients' safety

Brussels, 8 February 2019

http://europa.eu/rapid/press-release_IP-19-872_en.htm

医薬品の偽装はEUの公衆衛生にとってあまりにも長い間重大な脅威であり続けている。明日から、安全性のための新しい規則がEUで販売される処方薬に適用される。

これからは、異境は処方薬の箱に二次元バーコードと異物混入防止装置をつける。オンラインを含む薬局と病院は患者に提供する前に医薬品の真正性をチェックする

(ネットで買う薬やサプリはにせ物と思え、ということ)

 

[ProMED]アルコール中毒 インド:(ウッタルプラデシ)致死

Alcohol poisoning - India: (UP) fatal

2019-02-10

http://www.promedmail.org/post/6307741

[1]Date: Thu 7 Feb 2019 Source: India Today [edited]

Kushinagar地方Tarya Sujanで有毒リキュールを飲んだあと男性2人が死亡。家族は違法酒の取引がこの地域では行われていて地元警察も知っているという。

[2]Date: Sun 10 Feb 2019 Source: India Today [edited]

違法リキュールの摂取による死亡の件で、これまで約175人が逮捕、患者数は297人が登録されている。死者数は日曜日(2019年2月9日)までに92人に登っている。さらにSaharanpurの約10人の警察官が停職。

(解説にはメタノールの説明があるが実際何が原因かは記事からは不明)

 

[CDC]CDC食品安全性警告:未殺菌ミルクからのブルセラ症暴露

CDC Food Safety Alert: Brucellosis exposures from raw milk

February 11, 2019

https://www.cdc.gov/media/releases/2019/s0211-brucellosis-raw-milk.html

ペンシルバニアのQuarryvilleのMiller’s Biodiversity Farmの未殺菌ミルク摂取に関連した19州でのRB51ブルセラ系統への暴露について調査中

(RB51保有牛が見つかったので出荷先を追跡)

Raw (Unpasteurized) Milk

https://www.cdc.gov/features/rawmilk/index.html

(問題の農場はアーミッシュらしい。未殺菌でジャンクでないとか化学物質やナチュラルでないものは使わないとか未殺菌A2ミルクとかも宣伝していてまあそういうところ)

 

[CDC]2018年は中高生490万人がタバコ製品を使用

4.9 million middle and high school students used tobacco products in 2018

February 11, 2019

https://www.cdc.gov/media/releases/2019/p0211-youth-tobacco-use-increased.html

過去の進捗が消え去った

(JUULのマーケティングの勝利。こういうのはまさに悪魔だけどこうなる前に分かりそうなものだが?)

 

[FDA]若者のタバコ製品使用の増加を示す新しいデータとFDAの若者の電子タバコ使用の流行に直面した現在の対応についてのScott GottliebF DA長官の声明

Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D., on new data demonstrating rising youth use of tobacco products and the agency’s ongoing actions to confront the epidemic of youth e-cigarette use

February 11, 2019

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm631112.htm

CDCが本日2018全国若者タバコ調査の追加データを発表した。昨秋公表した初期の結果、若者の電子タバコ使用が蔓延している、の厳しい再確認となった。これは大きな公衆衛生上の課題である。

 

[FDA]FDAの監視の現代化と改革によるダイエタリーサプリメントの規制を強化する新しい努力についてのScott GottliebF DA長官の声明

Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D., on the agency’s new efforts to strengthen regulation of dietary supplements by modernizing and reforming FDA’s oversight

February 11, 2019

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm631065.htm

 

-FDAはアルツハイマー病を治療することを宣伝して製品を違法に販売している17企業に対応

FDA takes action against 17 companies for illegally selling products claiming to treat Alzheimer’s disease

February 11, 2019

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm631064.htm

 

-いわゆるアルツハイマーの治療法とされるものの偽りの約束に注意

Watch Out for False Promises About So-Called Alzheimer’s Cures

02/11/2019 

https://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm631046.htm

(あとで)

 

[FTC]FTCとFDAはアルツハイマー病を治療できる、パーキンソン病、心疾患、がんなどのその他の重大な疾患を緩和あるいは治癒すると宣伝しているダイエタリーサプリメントを販売している企業に警告文書を送った

FTC and FDA Send Warning Letters to Companies Selling Dietary Supplements Claiming to Treat Alzheimer’s Disease and Remediate or Cure Other Serious Illnesses Such as Parkinson’s, Heart Disease, and Cancer

February 11, 2019

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/02/ftc-fda-send-warning-letters-companies-selling-dietary

ダイエタリーサプリメントやその他の健康関連商品の広告が事実であることを確保するための努力の一環として、FTCはFDAと協力して3つの警告文書を送付した。

(メラトニンサプリメントがアルツハイマー治療に使われる、臨床研究で示されている、といった類)

 

-消費者向けブログ

FTCとFDAはサプリメントの販売業者に警告文書を発行

FTC & FDA issue warning letters to supplement sellers

February 11, 2019 by Colleen Tressler

https://www.consumer.ftc.gov/blog/2019/02/ftc-fda-issue-warning-letters-supplement-sellers

重大な病気の治療や予防を宣伝する広告は多いが、残念ながらこれらの製品はしばしま証明されておらず役にたたない。広告の中にはアルツハイマーや認知症のような治療法のない病気に偽りの約束をするものもある。今週FTCとFDAはアルツハイマー病などの治療を宣伝する企業に警告文書を送付した。これらはウェブサイトやソーシャルメディアプラットフォームで販売され「ダイエタリーサプリメント」やナチュラルレメディと呼ばれている。しかしこれらは必ずしも安全であることを意味しない。何にでも効くと宣伝する製品はしばしば何にも効かない。あなたが信じたくても、疑うべきである。そして「科学的革新」「古代のレメディ」「魔法の治療法」を宣伝するものは避けるべき。

 

[FTC]FTCは詐欺的宣伝をしていた「減量」サプリメントをDirect AlternativesとOriginal Organics社から購入した消費者に約350万ドル返金中

FTC Returns Almost $3.5 Million to Consumers Who Bought Deceptively Marketed “Weight-Loss” Supplements from Direct Alternatives and Original Organics, LLC

February 11, 2019

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/02/ftc-returns-almost-35-million-consumers-who-bought-deceptively

FTCは総額約350万ドルの、104612の小切手を郵送中である。

 

[FSANZ]食品基準告知

Notification Circular 73–19              

12 February 2019

http://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular7319.aspx

レバウジオシドDの酵素による新しい製造方法の認可申請への評価に意見募集

 

論文

-強力な食用大麻は心血管系疾患患者に主要な認識されていないリスクになりうる

Potent marijuana edibles can pose a major unrecognized risk to patients with cardiovascular disease

11-Feb-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-02/e-pme020619.php

Canadian Journal of Cardiologyの報告とエディトリアルで大麻が最も安全な娯楽用薬物だという認識に疑問を呈示している。大麻キャンディ(THC 90 mg入り棒付きキャンディ )を痛みの緩和と睡眠補助目的に摂取した冠動脈疾患のある70才男性の症例。大麻による不安と幻覚で交感神経が刺激され頻脈、高血圧が誘発され心臓発作をおこした。

 

-研究者らが肥満に寄与する初期の家庭と家族の要因を同定

Researchers identify early home and family factors that contribute to obesity

11-Feb-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-02/mali-rie021119.php

Childhood Obesityに発表された1000人の若者を5、10、15、21才で評価した研究。リスク要因としては家族のストレス、父親がいない、母親が鬱、運動しない、など。

(母親を説教するのは的はずれであることを示唆するけれど?)

 

-懸念のあるくっつかない化合物が米国の飲料水によくみつかる、連邦研究が示唆

Science

Worrisome nonstick chemicals are common in U.S. drinking water, federal study suggests

By Natasha Gilbert Feb. 8, 2019

http://www.sciencemag.org/news/2019/02/worrisome-nonstick-chemicals-are-common-us-drinking-water-federal-study-suggests

ここ数週間、ワシントンのEPAが飲料水をPFASから守るかどうか躊躇っている。その間EPAの科学者がこれまで思っていた以上に飲料水中に広がっていることを発見した。

EPAは飲料水中PFAS濃度の国家基準を決めるよう圧力をかけられているがまだ対応していない。そして基準は作らないだろうという報告書が議論になっている。その一方で多くの地域で水の検査が進んだ。EPAの科学者と米国地質調査所(USGS)の科学者が今月初めにひっそり発表した研究ではこの化合物は広く検出されている。14のPFASのうちのいくつかの組み合わせが調べた50の飲料水検体の全てで検出された。2016年の感度の低い試験法での同様の研究では3%未満だったのに比べて大幅増加である。研究者らは25の水処理施設の処理前と後の検体を採取し、EPAの助言レベルであるPFOA 70 ng/Lを超えていたのは1検体のみだった。他に3つのPFASが70 ng/Lを超過していたがそれらについては助言濃度は設定されていない

問題の論文

Per- and polyfluoroalkyl substances in source and treated drinking waters of the United States

  1. Scott Boone et al.,

Science of The Total Environment

Volume 653, 25 February 2019, Pages 359-369

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S004896971834141X#ec0005

分析はLC/MS/MSでLCMRLは0.032-0.56 ng/L

1ng/L前後の検出が多く、水処理前後であまりかわらず

(検出感度を上げたら検出率増えるのは当然なのでは?1ngで危険だと騒ぐような人たちは撥水スプレーとか使ってた時代にはどうなってたんだろう?)

 

その他

-Tim Caulfieldはカナダの疑似科学の強敵になったか?

Has Tim Caulfield become the Canadian nemesis of pseudoscience?

Jana G. Pruden EDMONTON Published December 31, 2018

https://www.theglobeandmail.com/life/article-has-tim-caulfield-become-the-canadian-nemesis-of-pseudoscience/

何冊かのベストセラー本を書いているアルバータ大学Tim Caulfield教授は北米で最も有名な、健康とウェルネスに関する疑似科学への懐疑主義者である。彼の活動を紹介する記事

もう長い間嘘であることがわかっている理論-地球が平らだというような-ですら復活する兆しをみせ、疑似科学や根拠のない治療法のマーケティングがこれまでになく複雑になる環境の中で、Caulfield教授の戦いは膨大で勝ち目がないように思えるかもしれない。しかし彼はやってのける。それはタバコとの戦いのようなものだという。広範なキャンペーンはいつか潮目を変える。

「この問題に対処するのにたった一つの方針や戦略が役にたつことはないだろう。全てのツールを使う必要がある。根絶することは決してできないだろうが、事態をほんの少し良くすることはできる」

 

-何故私達は母親を反ワクチン恐怖扇動から守っているのか

Why we’re protecting mums from anti-vax scaremongering

Feb 7, 2019

https://letsmush.com/protecting-mums-anti-vax-scaremongering/

私達は反ワクチンの軍隊にはノーという立場を明確にしたい

(母親向けのアプリMushが反ワクチンの投稿は排除すると宣言)

 

-英国初の完全菜食「チーズ」は顧客を誤解させている、乳業界が苦情

UK's first vegan "cheese" monger is misleading customers, dairy industry complains

By Helena Horton   11 February 2019 •

https://www.telegraph.co.uk/news/2019/02/11/uks-first-vegan-cheese-monger-misleading-customers-dairy-industry/

植物ベースの製品を「チーズ」と呼ぶことは「誤解を招く」と乳業業界がLa Fauxmagerie社に対応

 

-反ワクチン「ホットスポット」ではしかのアウトブレイクがおこって予防接種が500%急増

Measles vaccinations spike 500% after outbreak hits anti-vaxxer ‘hotspot’

February 11, 2019

https://globalnews.ca/news/4948647/measles-vaccinations-spike-outbreak-anti-vaxxer-hotspot/

ワシントンがはしかのアウトブレイクで公衆衛生上の緊急事態を宣言してから1か月、予防接種の劇的増加が報告された。ワシントン州クラーク郡では1月以降50例のはしか症例が発生しそのうち47人が予防接種をしていない。2017-2018年の幼稚園に入るのに必要な予防接種を「個人的あるいは宗教的理由で」免除しているのは約7%、そのほかに医学的理由での免除が1.2%いる。

しかし緊急事態宣言後、予防接種を受ける数が急増した。(グラフ有り)

(要するにワクチン躊躇の大半は適切な情報を与えられていないだけということ-被害が出て反ワクチン活動家の言うことが嘘だってわかった)

 

-フィリピンでははしかのアウトブレイクで70人死亡、ワクチンへの恐怖を煽ったことが非難されている

Measles outbreak in Philippines kills 70, with vaccine fearmongering blamed

Tue 12 Feb 2019

https://www.theguardian.com/world/2019/feb/12/measles-outbreak-in-philippines-kills-70-with-vaccine-fear-mongering-blamed

フィリピンでははしか危機の最中で過去一ヶ月で少なくとも70人が死亡。1月の報告症例は4302例で昨年同期の122%。昨年はフィリピンでのはしか症例が前年の500%増とWHOが報告したばかり。昨年のデング熱ワクチンスキャンダルで子どもの予防接種率が下がったため。

 

-SMC UK

高度加工食品摂取と死亡を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at ultraprocessed food consumption and death

February 11, 2019

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-ultraprocessed-food-consumption-and-death/

JAMA Internal Medicineに発表された研究が高度加工食品摂取が増えることと全死亡率の高さに関連があるようだと示した

食品科学技術研究所科学委員会委員長Julian Cooper教授

この研究は「超加工食品」という、極めて曖昧で混乱する用語を用いていて相当な弱点があるためさらなる検討が必要である。

食品製造業者が作るスナックやデザートや一部の肉製品は消費者に安全で長持ちする便利な選択肢を提供する。それは配送・販売時に商品を守るため放送されている。認可された食品添加物は食品の状態を守り廃棄を減らし栄養を保つために保存や酸度を維持、抗酸化などの多様な機能を果たす。色素、甘味料、乳化剤、安定剤は製品の品質と食経験を向上させる

NHS栄養士、登録栄養士Catherine Collins RD FBDA

これはフランスのNutriNet-Santéオンライン健康調査を行っているグループからのもう一つの論文で、「高度加工食品」からのカロリー摂取量が多いと全原因による死亡率が高いとほのめかす。

理論的には我々英国人にも興味があるだろう、彼らの定義を使うと我々の摂取カロリーの半分は「超加工」食品由来と考えられるから。

ここでのNutriNet-Santé参加者のうちの44500人のサブグループのうち7年間での死亡は602人(1.4%)で、著者らは10%超加工食品が増えると14%死亡リスクが増えることに関連するという。死因のうち食事やライフスタイルが関連することがわかっているがん(219)や心血管系疾患(34)は半分以下である。半分以上の死因はわからず、食事との関連は証明できない。

恣意的に定義された「超加工食品」を最も多く摂取しているのは所得が最も少なく、一人暮らし、男性、喫煙者、肥満、運動が少ない層でこれらは全て食事とは関係のない独立した死亡予測因子である。

「超加工」食品摂取の多さは総脂肪、飽和脂肪、砂糖、塩、エネルギー摂取量の増加及びタンパク質、ビタミン、ミネラルの摂取量の少なさと関連する。しかし実際の栄養価が報告されていないので食事が不適切なのか欠乏しているのかはわからない。しかし研究に参加する前の既往の健康問題と最初の一年の死亡を除外すると、「超加工」食品と死亡率の関連の有意さは消失する。

専門家として私はこのNutriNet-Santé研究の栄養面について三つの懸念がある。最初に、現在27万人ほどが参加している自主参加研究である。参加登録の薦めは「模範的市民運動」として宣伝された。この選択バイアスは食事評価の正確性に問題をおこす可能性がある。

食事に関しては、「ニュートリノート(栄養の世界を開拓する航海者)」と呼ばれている参加者は栄養と健康に関する5つのオンラインアンケートに答えてそれを毎年繰り返す。食事調査は自分で選んだ3日分を記録する。一食分の量はオンラインで写真を使って推定し、研究者が「超加工」を分類する。これは記述エラーがおきやすい。1年も間があいている44500ものサブグループのメンバーの食事日記が、日常的な食生活を完全に代表するものであるかどうかを確認するのは信じられないほど困難である。参加者が、記録したいと思う日を選べるのであればなおさらである。

二つ目は食品のNOVA分類が栄養ではなく加工の程度や目的によることである。彼らの定義では「超加工」は、食品の成分が5つ以上だったら、及び/又はEU認可食品添加物を使うあるいはホエイタンパク質のような食品抽出物を使っていたら、そうである。しかし食品の栄養はレシピや加工だけでは判断できない。例えば家で作ったパンやビスケットは超加工ではないが、たとえ全く同じ組成でも店で買えば超加工になる。この分類には栄養学的根拠はない。

三番目に、著者らはアクリルアミドや可塑剤や添加物や人工甘味料などのようなものに言及しているがIARCやEFSAは「アクリルアミドのヒト発がん性については根拠不十分」とし人工甘味料はEFSAが安全だとしている。

最後に、食品を一緒くたに「超加工」とまとめるのは役にたたない。たとえ同じ530kcalであっても、ミルクチョコレート100gと電子レンジディナーの栄養は同じではない。栄養士が食品の加工ではなく中身に基づいて健康的な食生活を薦める。しかしこの研究は世界的に加工度の高い食品を多く摂ると全体的にエネルギーが多く肥満リスクが増えることを確認している

ケンブリッジ大学MRC疫学ユニットNita Forouhi教授

高度に加工された食品に反対する事例は増加していてこれはそれに加わる。これは限界があることがよく知られている観察研究で、著者はいくつかの試みをしているが重要な欠点は残ったままである。

この研究は決定的か?ノー。加工のタイプや誤分類の程度を明確にし関連のメカニズムを知る必要がある。重要なポイントは、高度に加工された食品を食べることは社会の不平等を反映しているということである。

Quadramバイオサイエンス研究所栄養研究者で名誉フェローIan Johnson博士

この調査からしっかりした結論を出すのは極めて難しい

著者らは食品添加物の有害影響の可能性を議論しているが、実際の摂取量についてのデータをもっていないので単なる想像でしかない。

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

英国は欧州19ヶ国中最も多く超加工食品を購入していて、総カロリーの半分以上である。一方フランスは最も少なく、総摂取カロリーの14%である。もしこの研究の結果が英国にあてはまるなら、英国のほうがもっと重要になるだろう。しかし実際には必ずしもあてはまらない。

この研究の性質上、食品が健康に与える影響についての理解が進歩することはない。発見された関連はいずれにせよ小さい。

(長いが省略)

(注:論文が指標にしているのは摂取カロリーあたりではなく重量での割合。だから炭酸飲料とかが偏って大きな割合を占める。というか炭酸飲料を多く飲むことと健康影響の関連はわかっているのでそれを意図的に他の加工食品にも濡れ衣を着せるために使っているのではないかと疑うレベル)

 

-SMC NZ

車での喫煙禁止-ニュースから

Car smoking ban – In the News

11 February 2019

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2019/02/11/car-smoking-ban-in-the-news/

Jenny Salesa保健副大臣が子どもがいるときに車の中でタバコや電子タバコを吸うことは禁止されるだろうと発表

この禁止は全ての乗り物に当てはめられる

 

山火事はますますよくあることになるだろう-ニュースから

Wildfires could become more common – In the News

Published: 12 February 2019

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2019/02/12/wildfires-could-become-more-common-in-the-news/

気候変動により、最近のNelson近くの森林数百ヘクタールを焼いた火事のようなものはさらによくあるようになるだろう