論文
-米国の柑橘類の未来はGM食品の消費者受容にかかっている
Future of US citrus may hinge on consumer acceptance of genetically modified food
13-Feb-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-02/uoia-fou021319.php
針の頭ほどの小さな昆虫が、柑橘グリーニング病という治療できない細菌感染をおこして米国の数十億ドルの産業を脅かしている。柑橘類を救うために、業界と研究者が協力している。一つの方法として病気に強いGMを作ることがあるが消費者が買うかどうかわからない。そこで意識調査を行ったところ1050人中約半分はGMにポジティブで37%が中立、ネガティブは14%だった。受容する人たちは、若い白人男性、学士以上の学歴、お金持ち。ネガティブの人の64%は女性で高齢で教育レベルが低い。Science Communicationに発表。
(それしか無くなったら普通に買うと思うんだけど)
-研究者らは母乳のマイクロバイオームへの授乳と搾乳の影響を比較
Researchers compare the effect of breastfeeding versus pumping on human milk microbiome
13-Feb-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-02/cp-rct020719.php
Cell Host & Microbeに発表された研究で、直接授乳する場合と搾乳した場合の乳中微生物を比較した。微生物は人により大きく異なり、搾乳した場合には環境(ポンプ)由来微生物が、直接授乳の場合には口の中の微生物が乳中にみつかる
-飲酒と乳がんの関連は、最もリスクのある女性で無視されている
Link between alcohol consumption and breast cancer ignored by women most at risk
13-Feb-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-02/fu-lba021219.php
オーストラリアの中年女性は飲酒のがんリスクをあまり知らない。体重や精神衛生への影響のほうがよく知っている
-DDT暴露は54才までの全ての女性の乳がんリスクと関連
DDT exposure tied to breast cancer risk for all women through age 54
13-Feb-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-02/cums-det021219.php
JNCI。子ども健康発達研究の60年にわたる研究で暴露から診断まで40年かかることを発見
この研究では15528人の女性を約60年追跡した最初のDDT暴露、妊娠中のDDT濃度、乳がんと診断された年齢を調べた。DDT濃度は1959-67年に採取した保存血液で調べた。1970-2010年の間に50-54才の女性で153例の乳がんを同定した。そして乳がんでない対照とマッチさせた
-Xanaxやその他の精神科用処方薬の英国での販売はダークネットを介して増加している
UK sales of Xanax and other prescription psychiatric drugs increasing via the darknet
13-Feb-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-02/uok-uso021319.php
鎮静剤、興奮剤、オピオイド依存用製品のダークネット経由での販売を介して医師の処方に寄らない薬物使用を推定した。International Journal of Drug Policy
(シルクロードとかcryptomarketsとかデジタルトレースとか)
その他
-セロリジュース:健康トニックかまた別の健康熱狂に過ぎないか?
Celery juice: health tonic or just another wellness fad?
Morwenna Ferrier Wed 13 Feb 2019 14.56 GMT
https://www.theguardian.com/food/2019/feb/13/celery-juice-health-tonic-or-just-another-wellness-fad
ウェルネス業界はしばらく「グリーンジュース」がブームだったが最近固形物に流行が移ってきていた。しかし米国ではセロリジュースが人気で10月以降ケールの4倍売れていた。それが英国にも来た。この世界的セロリジュースムーブメントのクリエーターと称するのはたくさんの本を書いているAnthony Williams。セロリジュースは彼が発明したわけではないが、何にでも効くものとして生まれ変わらせた
-ホワイトハウス報道官の妻が反ワクチン演説
Wife of White House communications chief goes on anti-vaccine tirade
Thu 14 Feb 2019
https://www.theguardian.com/us-news/2019/feb/13/darla-shine-vaccines-anti-vaxxer-measles
Bill Shineの妻Darla Shineが北西部でのはしかのアウトブレイクについてツイッターで陰謀論を広める。子どもの頃にはしかにかかると健康になってがんにならなくなる、はしかが流行するのは良いことといった内容。Darla Shineはもとテレビプロデューサー。ツイートが批判されると左派が中傷しているという。彼女が炎上するのはこれが初めてではない
-SMC NZ
ビタミンC、がん、感染-専門家のQ & A
Vitamin C, cancer and infection – Expert Q&A
Published: 14 February 2019
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2019/02/14/vitamin-c-cancer-and-infection-expert-qa/
今週オークランドでがんと感染におけるビタミンCの役割について議論する会合がある
このビタミンCシンポジウムのオーガナイザーの一人とSMCがQ & Aを準備した。
オタゴ大学フリーラジカル研究センターMargreet Vissers教授
何故ヒトはビタミンを合成できないのか?この意味は?
感染や敗血症予防あるいは治療補助にビタミンCはどう使われてきたのか?どのような作用で、有効だという根拠はあるのか?
(ICUでの有用性を示唆)
がん治療にビタミンCというのはニュースの見出しになり疑われもしてきた。その研究と使用の歴史は?現在の状況は?
ビタミンCを使いたい患者への助言は?
(まだ根拠がない)
ビタミンCについて調べられている他の使用法は?
大麻は鬱、不安、自殺と関連-専門家の反応
Cannabis link to depression, anxiety and suicide – Expert Reaction
Published: 14 February 2019
新しいレビューが青少年の時期に大麻を使うことと大鬱、不安、自殺リスクの関連について調べた。個別のリスクは中程度から低い、だが、若者の使用率を考えると影響のある人は多い
医療用大麻研究共同体メンバー、オタゴ大学精神医学部Giles Newton-Howes准教授
これは重要で興味深いレビューである。研究者が発見したのは明確で、極めて大きな、十代での大麻の使用と成人の鬱の関連である。自殺企図との関連も見つかっている。因果関係を証明したものではないが発達中の脳に大麻が害を与える可能性についてのさらなる根拠である
(以下数人分コメント有り、略。関心が高い)
-投資家はほんの僅かな発表記録しかない医療ベンチャーに数十億ドルを賭ける
Natureニュース
Investors bet billions on health-care start-ups with paltry publication records
13 February 2019
https://www.nature.com/articles/d41586-019-00564-5
企業はピアレビューのある科学を発表することなく「ユニコーン企業」の価値を得ることができる
10億ドル以上の価値を与えられたバイオベンチャー企業約50を解析したところ、投資家は論文を気にしていないようだ。スタンフォード大学のJohn Ioannidisらの解析では企業が市場から得た評価とその企業の発表論文数には関連がない、これは懸念材料である。8社は全く論文がない。そして47企業の出した論文中半分はたった2社、23andMe とAdaptive Biotechnologiesによる。
(バイオベンチャーって国内でも研究成果ではなく宣伝でお金集めてるよね)
-科学と決定を超えて:問題作成から用量反応評価まで
Beyond Science and Decisions: From Problem Formulation to Dose-Response Assessment
https://tera.org/Alliance%20for%20Risk/ARA_Dose-Response.htm
議題
February 26 & 27, 2019
https://tera.org/Alliance%20for%20Risk/TCE2018/Beyond_Science2018_Agenda.pdf
Data Derive Extrapolation Factors for Developmental Toxicity: A Case Study with PFOA
PFOA
-ヒンドゥー国粋主義者は古代インドには飛行機、幹細胞技術、インターネットがあったと主張
Scienceニュース
Hindu nationalists claim that ancient Indians had airplanes, stem cell technology, and the internet
By Sanjay KumarFeb. 13, 2019
政府が資金を出した1月のインド科学会議で最も議論を集めたのはインドが急速に進歩している宇宙探索やITではなく、マハーバーラタの叙事詩であった。100人の子どもを産んだという古代インドの女性の話は先進的生殖補助技術の根拠だと科学者である大学の副学長が主張する。そのような主張をする科学者は一人だけではない。2014年にModi大統領になってから、かつて疑似科学だったものがヒンドゥー国粋主義により増加してきた。西洋の科学が台頭するよりずっと前に古代のインドには核兵器や宇宙工学やインターネットがあったと「専門家」が主張する
抵抗する動きもあるが弱い。