2019-2-20

[EU]査察報告

ベルギー―加工動物性タンパク質

07/02/2019

http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4089

Belgium―Processed animal proteins

2018年9月10~19日にベルギーで実施した、関連企業管理者が加工動物性タンパク質(PAP)の衛生状態、トレーサビリティ、売買の必要条件を実行していることを確認するための査察。公的管理システムは、包括的な施設リスト、様々な連邦機関及び地方機関の中や機関間の管理の行き届いた協力やコミュニケーションに支えられている。管理者と製品は高水準の公的管理でEUの必要条件を満たす良い基盤を提供している。にもかかわらず、査察チームが検査した多くの事例で様々な管轄機関がPAPの輸出の法的要件を実行しておらず、PAPの輸入やEU内の取引に関するトレーサビリティ、有機肥料/土壌改良剤などの欠点で管理システムの効果が弱められている。

 

[EU]RASFF Week07-2019

警報通知(Alert Notifications)

中国産竹製ボウルからのホルムアルデヒド(191 mg/kg)及びメラミン(7.2 mg/kg)の溶出、インドネシア産食品サプリメントの未承認物質シルデナフィル(8 mg/kg)及びタダラフィル(222.3 mg/kg)、ナイジェリア産パーム油の未承認着色料スーダン4 (1698 µg/kg)、インドネシア産すりおろしたココナッツの亜硫酸塩非表示(22 mg/kg)、ブラジル産スイカのフルアジホップ-p (0.78 mg/kg)、フランス産飼料用白キビにブタクサの種子高含有(0.08 %)、中国産乾燥海藻のヨウ素高含有(20620 mg/kg)、シリア産酢漬けのカブの未承認着色料ローダミンB (> 2000 µg/kg)、ベルギー産有機ムーズリのアフラトキシン(B1 = 5.7; Tot. = 8.8 µg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、イタリア産チルド鹿肉サラミの鉛(0.912 mg/kg)、米国産茹でピーナッツのアフラトキシン(B1 = 6.7; Tot. = 7.7 µg/kg;B1 = 7.6; Tot. = 8.5 µg/kg;B1 = 4.9; Tot. = 5.6 µg/kg;B1 = 36; Tot. = 40 µg/kg)、アルゼンチン産茹でピーナッツのアフラトキシン(B1 = 23; Tot. = 26 µg/kg ;B1 = 4.1; Tot. = 8.8 µg/kg;B1 = 2.7 µg/kg;B1 = 18; Tot. = 60 µg/kg)、トルコ産オレガノのピロリジジンアルカロイド(6660 µg/kg)、英国産二酸化塩素溶液の未承認食品添加物二酸化塩素(E926)、ベトナム産ジュースベース飲料のピロ亜硫酸ナトリウム(E223)(表示上のスペルミス)・ジェランガム(E418)未承認及び着色料アゾルビン(E122)と着色料ブリリアントブルーFCF(E133)非表示、シリア産クルドの漬物の未承認着色料ローダミンB及び着色料アゾルビン(E122)の未承認使用、インド産アムラ(Phyllanthus emblica)の未承認物質モノクロトホス(0.18 mg/kg)及びトリアゾホス(0.04 mg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

ベトナム産英国経由ジュースベース飲料のピロ亜硫酸ナトリウム(E223)(表示上のスペルミス)・ジェランガム(E418)未承認及び着色料アマランス(E123)の未承認使用、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産ザクロのプロクロラズ(0.78 mg/kg;1.064 mg/kg ;1.236 mg/kg)及びイマザリル(0.19 mg/kg;0.532 mg/kg)、トルコ産ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 10.63; Tot. = 11.20 µg/kg)、中国産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 8.7; Tot. = 21 µg/kg)、中国産クコの実の未承認物質カルボフラン(0.71 mg/kg)、トルコ産ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 40; Tot. = 49 µg/kg)、アルゼンチン産ピーナツのアフラトキシン(B1 = 17; Tot. = 37 µg/kg;B1 = 10; Tot. = 15 µg/kg)、トルコ産ヘーゼルナッツのアフラトキシン(B1 = 21; Tot. = 22 µg/kg)、ウズベキスタン産乾燥アプリコットの亜硫酸塩高含有(2301 mg/kg)、インド産冷凍バナメイエビの禁止物質ニトロフラン(代謝物質)フラゾリドン(AOZ) (26 µg/kg)、トルコ産ザクロのクロルピリホス(0.06 mg/kg)及びプロクロラズ(1.253 mg/kg)、台湾産麺の着色料タートラジン(E102)の未承認使用、エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン(B1 = 33.5; Tot. = 36.9 µg/kg)、パラグアイ産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 11; Tot. = 13 µg/kg)、トルコ産煎った塩味殻付きピスタチオのアフラトキシン(B1 = 16.93; Tot. = 19.09 µg/kg)、中国産液体キャンディスプレーの高水準の酸性度(pH 1.6)、中国産香港経由ベビースプーンとフォークセットからのニッケルの溶出(41.9; 55.7 mg/kg)、中国産香港経由茶の未承認物質アントラキノン(0.093 mg/kg)、タイ産ネコ用缶入りマグロの水銀(0.7 mg/kg)、中国産大豆ドリンク粉末のエチレンジアミン四酢酸カルシウムニナトリウム(E385) (CDEDTA)高含有、中国産メラミン製台所用品からのホルムアルデヒドの溶出(17; 16; 30 mg/kg)、トルコ産マンドリンのエスフェンバレレート(0.328 mg/kg)

 

[FSAI]食品安全に関する消費者保護のための新しい国のロードマップ

New National Roadmap for Consumer Protection in Relation to Food Safety

Tuesday, 5 February 2019

https://www.fsai.ie/news_centre/press_releases/fsai_strategy_05022019.html

FSAIが本日、今後5年の展望と新戦略を打ち出し、また食品安全に対する消費者の考え方を理解する手がかりとなる新しい研究を公開し、20周年を記念した。FSAIの新しい「戦略2019-2023」は、アイルランド国内外の食品に関して消費者をさらに保護するため、達成度の基準のある明確なロードマップを設定した。ロードマップは、連携の強化と、食品関連の消費者の安全性を保護するためのより進んだ国家の方針に最良の科学とエビデンスを活用することにより、アイルランド食品事業者における法令遵守の向上を具体化する。この戦略はダブリンのScience Galleryで主催されたステークホルダーのイベントで、20周年記念式典の一環として新しいパートナーシップの発表と同時に公式に立ち上げられた。

FSAIはまた食品安全と衛生、買い物の習慣と外食、及び食品と食品業界に対する懸念に関する全国的な消費者の考え方の研究による知見も公表した。全体として、食品は5年前と同等にまたはより安全であると答えた人が10人中9人(89%)で、アイルランドの食品の安全性には信頼性がある。しかし、消費者自身は自分たちが家庭で食品の取り扱いに関する危険なやり方を示していることを認めた。10人中7人(72%)が「使用」期限を過ぎた食品を使ったことがあると言っており、ほぼ半分のアイルランドの市民(45%)が「使用」期限にあまり注意を払わない。ほぼ半数の市民(49%)がラップをかけずに食品を冷蔵庫に保管しており、10人中6人を少し上回る人(62%)は翌2、3日中に食べるために、料理の残り物を一晩冷蔵庫から出しておく。

10人中8人(84%)はスーパーマーケットからインスタントのあるいは加工調理済みの食品を購入すると答え、そのうち3分の1以上(36%)は少なくとも週に1度あるいはそれ以上の頻度で購入しており、インスタント食品への依存性は高まりつつあるように思える。10人中1人以上が少なくとも毎週ファーストフードチェーンあるいは独立した持ち帰りの店を利用する(それぞれ16%及び17%)。

*FSAI Strategy 2019-2023

https://www.fsai.ie/strategy/

<FSAI新戦略の中心となる4つの目標>

・法令執行と法令遵守(Enforcement and compliance)

・科学、専門知識及びエビデンス(Science, expertise and evidence)

・コミュニケーション及びエンゲージメント(Communication and engagement)

・組織的な卓越性(Organisational excellence)

 

[FSAI]食肉製品中の亜硝酸塩の使用と除去

Use and Removal of Nitrite in Meat Products

5/2/2019

https://www.fsai.ie/faq/use_and_removal_of_nitrite.html

(Q&A形式)

硝酸塩、亜硝酸塩とは何か?

亜硝酸塩は食肉製品においてどんな役割を果たすか?

硝酸塩/亜硝酸塩の使用に関する法律は何か?

硝酸塩/亜硝酸塩の表示に関する法律は何か?

食肉製品から亜硝酸塩/硝酸塩を除去したい場合、何について考慮すべきか?

亜硝酸と硝酸のナトリウムまたはカリウムの代わりに亜硝酸塩/硝酸塩の供給源である成分を使用できるか?

 保存または着色という意図された技術的目的のために最終食品に使用される場合、亜硝酸塩/硝酸塩の供給源でもある成分を使用することはできない。 そのような使用は食品添加物の意図的な使用と考えられるだろう。

硝酸塩および亜硝酸塩の使用は、改訂規則 (EC) No. 1333/2008 のAnnex II part Eに規定されている使用条件および規則 (EC) No. 231/2012のAnnexの純度基準を含む食品添加物法を遵守しなければならない。植物抽出物や発酵野菜ブロスのような亜硝酸塩/硝酸塩の供給源でもある成分の使用は、食品添加物に関する欧州委員会の作業部会やEUの食物連鎖および動物の健康に関する常任委員会で何度も議論されてきた。 こうした場で、欧州委員会およびすべての加盟国は、最終食品の保存または着色という意図された技術的目的のために使用される場合、そのような行為は食品添加物の意図的な使用であると合意した。

保存または着色の目的で、植物抽出物/発酵ブロスなどの他の成分を介して食品に添加された亜硝酸塩は、現在これらの抽出物は保存料として承認されておらず、その使用は規則(EC)No. 231/2012に規定された現在の純度基準にも適合しないため、規則 (EU) No. 1333/2008では今のところ認められない。

これら2つの常任委員会の決定に関するさらなる情報は、以下のリンク先を参照:

 2018年9月、技術的機能を果たすことができる成分が豊富な野菜抽出物の使用について、さらなる意見が出された。これらの意見とは:

2006年および2010年の声明の正当性の再確認(訳注:食品添加物に該当するという判断)。

両声明の適用範囲は、高濃度の硝酸塩/亜硝酸塩を含む(発酵/非発酵)抽出物だけに限るのではなく、食品に添加された場合に、食品において技術的機能を果たすことができる成分(またはその前駆体)濃度となる全ての植物抽出物に普遍的に適用されるべきものである。

添加された食品において技術的機能(例えば防腐剤、抗酸化剤、安定剤(色安定剤)など)を発揮する抽出物を使用することは、食品添加物としての意図的な使用とみなされるとした。 加えて、いくつかの植物抽出物は香料および添加物としての機能の両方を果たすことができる。 香料が食品添加物としての技術的機能を有する場合は、食品添加物法が適用されるものとする。 この場合、抽出物は香料としての使用を主張できない。

したがって、そのような使用は食品添加物の定義を満たすとみなされ、それゆえ食品添加物法で定められた条件(関連規格を含む)を遵守し、食品添加物の表示規定に従わなければならない。

亜硝酸塩が除去された食肉製品の食品ラベルに「ナチュラル」という言葉を使用する場合の制限は何か? 

「ナチュラル」という言葉は、食品業界でマーケティング用語として使用されることが多く、現在、食品を規制する法律では定義されていない。 しかし、食品事業者は一般的な食品法により、食品の表示、宣伝、プレゼン、およびいずれのメディア用の情報も消費者に誤解を与えないようにすることを確保する義務が課せられている。

より具体的には、法律は、使用された表示および方法が、実際には他のすべての類似食品が同様の特徴を持っているのにその食品が特別な特徴を持っていると示唆することで消費者を誤解させるようなものであってはならない、と定めている。 食品事業者は、自分たちの製品に関して行ったいかなる強調表示も立証できなければならない。

したがって、消費者を誤解させず、それによって表示法に違反しないために、「ナチュラル」という言葉の使用は、食品という背景で大多数の消費者が一般的に理解するだろう言葉の意味に沿ったものでなければならず、また他のすべての類似食品が同じ特性を持っている時に、その食品が異なることを示唆するためにこの言葉を使用してはならない。

 FSAIは、「ナチュラル」という用語を含む食品マーケティング用語の使用に関するガイダンス文書を作成した。

The Use of Food Marketing Terms

https://www.fsai.ie/publications_food_marketing_terms/

成分表示に「ナチュラル」という言葉を使用できるか? 

香料に関する法律では、食品に使用される香料に関して「ナチュラル」という言葉を使用するための要件が定められている。 一般的な成分については、上記のようにナチュラルという言葉の定義はない。しかしながら、食品の表示は、使用された表示および方法が、実際には他のすべての類似食品が同様の特徴を持っているのにその食品が特別な特徴を持っていると示唆することで消費者を誤解させるようなものであってはならない、と定めている。 他の食品中の類似成分と比較してその成分が特別な特徴を持たない場合、「ナチュラル」という言葉は、法律で特に許可されている場合(例えば、「天然香料(ナチュラルフレーバー)」)を除き使用されるべきではない。

亜硝酸塩を除去した製品は安全か?

その食品における新しい保存システムの完全な検証が行われない限り、安全性は当然のこととは言えない。 硝酸塩は伝統的に食肉製品において有害な細菌、ボツリヌス菌(Cl. Botulinum)によるボツリヌス中毒の発生を防ぐために使用されてきた。 亜硝酸塩の除去は、ボツリヌス菌成長を阻むハードルの除去に相当すると考えられる。 食品の安全性を維持するためには、亜硝酸塩に代わって別の同様のハードルを使用するか、そうでなければ残りのハードルの「高さ」を高めてボツリヌス菌の増殖を防ぐ必要がある。 例えば、食品の安全性を回復させるために、消費期限を短くする、塩の量を増やす(そうやって水分活性を高める:Aw)、pHを下げる、および/あるいは別の防腐剤を加える必要があるかもしれない。 実際には、食品を一貫して安全に製造できるようにするためには、製品の成分を見直し、消費期限を検証し、HACCPシステムを再調整する必要がある。

ボツリヌス中毒とは何か?

亜硝酸塩はどのようにボツリヌス中毒を防ぐのか?

食肉製品から亜硝酸と硝酸ナトリウムまたはカリウムを除去し、それを亜硝酸塩/硝酸塩の供給源でもある代替成分で置き換えた場合、製品が安全で正しく表示されていると所管官庁に認めてもらうには何をしなければならないか?

 

[FDA]公的警告およびリコール通知を発行するプロセスを強化するための新しいステップに関するFDA長官Scott Gottlieb, M.D.の声明

Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D., on new steps to strengthen the agency’s process for issuing public warnings and notifications of recalls

February 7, 2019

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm630906.htm

 FDAは、自主的リコールに関する公衆への警告(公的警告:public warning)の発令およびリコール通知のためのプロセスを強化および近代化するための新しい措置を講じている。FDAは2018年1月、公的警告およびリコール通知の強化に関するガイダンス案を発表し、昨年にかけて、リコールされた食品の小売情報が開示される状況を説明したガイダンス案も発表した。そして2018年11月に、食品の義務的リコール規定に関する一般的な質問に対する回答を提供することを目的として、食品に関する義務的リコールガイダンスを完成させた。これらは昨年、消費者が自身とその家族を守るためにさらに情報で武装できるようにとFDAが行った一連の政策ステップである。

 本日公表のガイダンス最終版では、企業が自主的リコールについて公的警告を行うべき状況の概要、企業がそのような警告を行う際の一般的な期限および公的警告に含めるべき情報について説明し、また企業の警告が不十分であるとみなされる場合に、FDAが自ら公的警告を発する措置をとるであろう状況について説明する。また、場合によっては最終的な健康ハザード評価が完了する前に、FDAが監視する全てのリコールのWebリストである「FDA’s Enforcement Report」への掲示に至る場合のFDAの方針について説明する。ガイダンス最終版で概説されている推奨事項はすでに実施されている。このガイダンスの案に従って、すでに多くの製品に関するアラートまたは消費者警告を発行した。また2018年4月には最初の義務的リコール命令が発行されている。そして昨年の夏には、サルモネラ感染のアウトブレイクに関連したカットメロンのリコール中に、州別の詳細な小売流通情報を発表した。

 リコールが増えているように感じる人もいるかもしれない。 実際には、2018会計年度については、合計7,420回のリコールがあり、そのうち831回が最も高いリスクとして分類された。この数字は5年ぶりの低い値であるが、それでもリコール通知が増えたように見えるのは、FDAによるリコール通知が目立つようになったためである。FDAは、リコールやその他の安全上の問題について、より頻繁に、そして多くの場合、ソーシャルメディアを介して直接消費者に詳細情報を提供している。新しい技術によって、製品に関する問題を検出し追跡するFDAの能力は向上し続けている。 FDAはまた消費者への情報提供方法の改善についても新技術をどう利用できるかを評価している。消費者は、自分たちの健康に対する潜在的なリスクについて、より頻繁なコミュニケーションが続くと期待してよい。 FDAはプロセスの改善、教育、そして意識向上の機会を模索し続ける。 そして常にあらゆるリコール、あらゆる問題から学ぶことを心がけ、将来のリコールを防ぎ、また市場から製品を回収するため企業と迅速に協力できるようにする。

 

[FDA]FDAの監視の現代化と改革によるダイエタリーサプリメントの規制を強化する新しい取り組みについてのScott GottliebF DA長官の声明

Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D., on the agency’s new efforts to strengthen regulation of dietary supplements by modernizing and reforming FDA’s oversight

February 11, 2019

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm631065.htm

 アメリカ人消費者の4人のうち3人が習慣的にダイエタリーサプリメントを摂取している。高齢者になると、その割合は5人のうち4人に増える。子どもでも3人に1人がサプリメントを摂取しており、親が与える場合もあるが、10代でよくあるように自分から摂取することもある。

 本日、FDAはダイエタリーサプリメント規則の最も重要な近代化の一つを実行に移すことを目標とした行政を前進させるための新規計画を発表する。ダイエタリーサプリメント健康教育法(DSHEA)が連邦議会を通過してから25年が経過した。サプリメント産業はさらに大規模化し、その成長とともに危険な製品の販売、未承認製品の製造、誤解を招く強調表示の使用などを行う団体も存在するようになった。FDAの最大目標の一つは、消費者が合法のサプリメントを利用できるようにしつつ、一方で消費者を安全でない違法な製品から守るという我々の重大な責任も遂行し、法の要件に従うことが出来ないあるいは従うつもりがない人達についても責任をもつという、正しいバランスを保つことである。

 FDAでは、ダイエタリーサプリメントの監視を近代化できるようにするため組織構造や手続き等を検討するための部横断的なダイエタリーサプリメント作業部会をFDA内に設置するよう指示した。さらに3年前にはダイエタリーサプリメントプログラム部(Office of Dietary Supplement Programs)も設立している。

 ダイエタリーサプリメントに関する優先事項は第一に安全性確保、第二に製品の信頼性の維持、第三に情報を与えられた上での意志決定である。今後数ヶ月間、FDAはこれら優先事項の実現に向けた計画に踏み出して行く。段階は次の通り。

 まず、原料が違法で危険の可能性がありダイエタリーサプリメントとして販売すべきではないという懸念が生じた場合に、より迅速に情報を共有できる新しい方法を開発する。その新規ツールで消費者は問題の製品の購入や使用を避けることができ、事業者は販売を避けることができる。

 二つ目に、FDAの規制的枠組みを、イノベーションを促進しつつ製品の安全性を十分に評価できる柔軟なものにする必要がある。これは、新規のダイエタリー成分(new dietary ingredient:NDI)通知の提出を促すための重要な道筋である。NDI通知は、消費者の手に届く前にFDAがNDIの安全性を評価できる唯一の機会であり、資料の透明性やリスクベースであることを促進する。FDAが成分の安全性を完全にレビューできるようにするため、NDI通知の準備のためのガイダンスの作成を継続するとともに、NDIに関するコンプライアンスの方針の更新も計画している。

 三つ目として、FDAが規制している他の製品と同様に、公衆衛生と安全性を保護するという主目標を達成するために、産業界と密接に作業を続けていくことが重要である。

 四つ目として、FDAは引き続き公衆衛生を保護するための対応を行う。本日、FDAはアルツハイマー病や、糖尿病やがんを含む多くの重篤疾患の予防や治療を未認可で謳っていた製品を、未承認新規医薬品として違法に販売しているとみなし、12の警告文書と5つのオンライン助言文書を関連事業者に送付した。消費者を守るための重要な要素として新たな執行戦略もたてる。既に、サプリメントと称する製品が医薬品成分などの違法成分を含む場合に執行措置をより効果的にとれるようにするための内部プロセスを作っている。

 最後に、FDAは、DSHEAの近代化のためにさらなる段階の必要性を話し合う公開討論会に参加する。関係者の意見を聴き、既存のリソースや機関を利用出来るよう働きかけていく。未来に向けてDSHEAを近代化させる機会になるとFDAは信じている。

-FDAはアルツハイマー病を治療することを宣伝して製品を違法に販売している17企業に対応

FDA takes action against 17 companies for illegally selling products claiming to treat Alzheimer’s disease

February 11, 2019

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm631064.htm

 本日FDAは、ダイエタリーサプリメントとして、アルツハイマー病や他の多くの重篤疾患や健康状態の予防及び治療等を謳って未承認新規医薬品を含む製品や誤解を招く製品5 8以上を違法販売していた国内外の企業に向けて、12の警告文書と5つのオンライン助言文書を送付した。当該製品は連邦食品医薬品化粧品法(FD&C Act)に違反している。ウェブやソーシャルメディアで販売され、FDAによるレビューは実施されておらず、安全性も有効性も証明されていない。製品の剤型は錠剤、カプセル、オイルと様々である。アルツハイマー病は不運なことに治ることのない疾患である。未認可の医薬品表示は、消費者に治療ができるかのように誤解させるだけでなく、さらに悪いことには詐欺的な治療が重篤な疾患や致命的な状況を引き起こす場合もある。健康詐欺集団は脆弱な集団を餌食とし、浪費させ、適切な医学的治療を遅らせてしまう。

 企業には、文書の受理から15日以内に、違反に関する指摘事項への是正措置についてFDAへ返答するよう要請している。是正されない場合には直ちに差押えや販売禁止措置などの法的措置を行うだろう。

 FDAは過去5年間に、アルツハイマー病に関連した80以上の違法製品の販売業者に対して40以上の警告文書を送付している。企業は販売中止等を行うが、簡単に新しいウェブサイトに移動して、安全でない未承認製品の販売が続けられている。

 

-いわゆるアルツハイマーの治療法とされるものの偽りの約束に注意

Watch Out for False Promises About So-Called Alzheimer’s Cures

02/11/2019

https://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm631046.htm

 アルツハイマー病や記憶喪失を含む関連の認知症についてはご存知だろう。高齢者がそうなるように、多くの人々が深刻な認知の問題などに直面している。そのような人々を餌食にして、アルツハイマー病の予防や治療、遅延、あるいは治すとさえ未認可で謳っている製品を売りつけようとする多数の販売者がいる。主にインターネット上で販売され、ダイエタリーサプリメントとして誤った表示がなされている。これらの詐欺製品は、患者に何の影響も与えない場合もあるし、最悪の場合は危険が及ぶだけでなく必要な医薬品との相互作用を生じたり効きを悪くする可能性さえある。

アルツハイマー病治療についての未承認強調表示に気をつけよう

 深刻な健康の問題に直面すると、最も理性的な人でも怪しい謳い文句を信じてしまうことがある。それが、企業が販売している偽りの治療であったとしても。偽りの治療から自分自身を守る最善の方法は、謳い文句があまりにも有望すぎないか、またアルツハイマー病の治療について信頼できる情報源から聞いたことと矛盾していないかなどを問うことである。未承認製品の販売企業は、次のような誇大表示をする。アルツハイマー病に限らず、パーキンソンやリュウマチ、血糖管理などについての製品もある。

  • たったの一週間であなたは認知症による精神的な衰えやアルツハイマー病でさえも回復できる
  • 臨床的にアルツハイマーや認知症のような脳疾患を助けることが示されている
  • サプリメントがアルツハイマー病を治すのに使われている
  • アルツハイマー病のリスクを半分に減らせる
  • アルツハイマーの進行を防ぐのに役立つだろう偽りのアルツハイマー治療から自分や他の人達を守る他のやり方もある。
  • 自分自身の守り方
  • 「科学的な飛躍的進歩」という強調表示の製品も疑うこと。そのような製品の販売企業は、最も脆弱で奇跡の治療を探している人々を利用しようとしている。
  • ダイエタリーサプリメントと表示されている製品も含めて店頭販売製品の購入や使用の前に、いつでも医師やヘルスケア専門家にチェックして貰おう。 FDAは、アルツハイマー病の治療用として販売された未承認の安全でないと考えられる製品を避けるよう消費者に警告する。それらの製品の写真を以下のサイトで確認することができる。 
  •  アルツハイマー病については膨大な科学的研究が実施されているが、現時点では、進行をとめたり回復させるような治療は何も見つかっていない。 

https://www.flickr.com/photos/fdaphotos/albums/72157706539397114