[FSANZ] 2018年食品リコール統計公表
Food recall statistics released for 2018
13/03/2019
http://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Food-recall-statistics-released-for-2018.aspx
オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)は2018年のオーストラリアのアレルゲン表示関連リコールの原因に関する最新の情報も含めた、食品リコールに関するデータを公表した。
FSANZ Chief Executive Officer Mark Boothは、2018年は2017年の69件を上回る100件のリコールがあり、これらのうち46%は表示されないアレルゲン物質によるもので、その次が微生物汚染であった(20%)と述べた。
「これらの結果は、オーストラリアの食品事業者はFood Standards Code(食品基準コード)の強制的なアレルゲン表示要件を周知する必要があることを示す」とMr Boothは述べた。
「FSANZは表示要件の技術や知識、供給者検証、包装ミス及び偶発的な交差汚染を含めた、アレルゲン関連リコールの4大原因を特定した。
「正確なアレルゲン表示はアレルギーのある人にとって生死にかかわる。そのため食品事業者が表示要件を満たすことは極めて重要である」
Mr Boothは、FRANZは執行機関と一緒に、食品事業者が表示要件とその重要性を理解することを保証するために食品事業者とコミュニケーションを続けると述べた。
-2016-2018年食品リコールアレルゲン統計
Food recall allergen statistics 2016-2018
(March 2019)
http://www.foodstandards.gov.au/industry/foodrecalls/recallstats/Pages/allergen-stats.aspx
2016年半ば以降、すべての食品リコールに求められるリコール事後報告書に新しい1つの質問が含められた。問題の原因を食品事業者に問うというものである。FSANZはアレルゲン関連リコールをレビューし、表示されないアレルゲンの4つの問題を特定した。
表示要件の技術や知識の欠如、例えば:
・パスタが成分として表示され、小麦が表示されていなかった
・製造業者が成分の変更をした-しかし、表示に新成分を反映しなかった
・成分が原語から英語に完全に翻訳されていなかった
供給者検証問題、例えば:
・生の食材がアレルゲンを含んでいたがこの情報が製造業者に伝えられなかった
包装ミス、例えば:
・製品が間違ったパッケージに包装された
・グルテンフリー表示になるはずが、パッケージの前面に乳不使用の表示をした-成分リストは正しいものであった
生の食材のあるいは最終生産工程における偶発的な交差汚染
これらの問題は消費者の苦情、流通業者あるいは販売業者の苦情、民間と政府の検査や自家試験を介して特定された。食品事業者による是正措置は、職員に対する教育及びトレーニング、工程や手順の修正及び製品表示の修正が含まれた。以下に、より詳細が記されている。
[EFSA]意見
クロコウジカビ(LFS株)由来食品酵素トリアシルグリセロールリパーゼの安全性評価
Safety evaluation of the food enzyme triacylglycerol lipase from Aspergillus niger (strain LFS)
EFSA Journal 2019;17(3):5630 12 March 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5630
食品酵素トリアシルグリセロールリパーゼ(triacylglycerol acylhydrolase, EC 3.1.1.3)はDSM Food Specialties B.V.社により遺伝子組換えクロコウジカビLFS株で生産される。この遺伝子組換えに安全上の懸念は生じない。この食品酵素に生産生物の生きた細胞や組換えDNAはない。この食品酵素トリアシルグリセロールリパーゼは焼成工程での使用を意図している。最大使用量に基づき、この食品酵素への食事暴露―総有機固形物量(TOS)は最大0.020 mg TOS/kg 体重 (bw) /日と推定された。毒性学的試験はクロコウジカビ(ASP株)由来アスパラギナーゼで実施された。同じ受容株由来で、インサートの位置が比較でき、不完全なインサートは存在せず、生産方法が基本的に同じなので、パネルはこの酵素を毒性学的試験に使用するのに適した代替品だと考えた。遺伝毒性試験に安全上の懸念は生じなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは推定される食事暴露と比較して、無毒性量を最大用量1,038 及び 1,194 TOS/kg bw /日 (オスとメスにそれぞれ)とし、十分高い暴露マージン(MoE)となった(少なくとも51,900)。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似性を調べたが、一致は見つからなかった。パネルは、意図した使用状況でアレルギー感作や誘発リスクは除外できないが、そのような可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、この酵素は意図した使用状況で安全上の懸念は生じないと結論した。
-クロコウジカビ(ZGL株)由来食品酵素グルコースオキシダーゼの安全性評価
Safety evaluation of the food enzyme glucose oxidase from Aspergillus niger (strain ZGL)
EFSA Journal 2019;17(3):5629 12 March 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5629
食品酵素グルコースオキシダーゼ(β‐d‐glucose:oxygen 1‐oxidoreductase; EC 1.1.3.4)はDSM Food Specialties B.V.社により遺伝子組換えクロコウジカビZGL株で生産される。この遺伝子組換えに安全上の懸念は生じない。この食品酵素に生産生物の生きた細胞や組換えDNAはない。このグルコースオキシダーゼは焼成工程への使用を意図している。最大使用量に基づき、この食品酵素への食事暴露―総有機固形物(TOS)は最大0.004 mg TOS/kg 体重 (bw)/日と推定された。毒性学的試験はクロコウジカビ(ASP株)由来アスパラギナーゼで実施された。同じ受容株由来で、インサートの位置が比較でき、不完全なインサートは存在せず、生産方法が基本的に同じなので、パネルはこの酵素を毒性学的試験に使用するのに適した代替品だと考えた。遺伝毒性試験に安全上の懸念は生じなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは推定される食事暴露と比較して、無毒性量を最大用量1,038 及び1,194 mg TOS/kg bw /日 (オスとメスにそれぞれ)とし、十分高い暴露マージン(MoE)となった(少なくとも 260,000)。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似性を調べ、1件の一致が見つかった。パネルは、意図した使用状況でアレルギー感作誘発リスクは除外できないが、そのような可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、この酵素は意図した使用状況で安全上の懸念は生じないと結論した。
[IARC]IARC学術出版物No. 165:腫瘍部位の一致と発がんメカニズム
IARC Scientific Publication No. 165: Tumour Site Concordance and Mechanisms of Carcinogenesis
14 March 2019
IARCモノグラフでグループ1に分類された100以上のものについて、実験動物で観察された腫瘍とヒトのがんの部位の比較やメカニズムについて集めたもの。
[WHO]WHOは政府にモータースポーツを含めてタバコの広告や宣伝、スポンサーを禁止するよう強く求める
WHO urges governments to enforce bans on tobacco advertising, promotion and sponsorship, including in motor sport
14 March 2019
Formula 1 と MotoGPを名指し
[WHO]何故我々は赤ちゃんを亡くすことについて話す必要があるのか
Why we need to talk about losing a baby
https://www.who.int/maternal-health/why-we-need-to-talk-about-losing-a-baby
流産や死産などで赤ちゃんを亡くすことは世界中でいまだにタブー視されていて烙印をおされたり恥だとされたりする。また多くの女性が適切で敬意をもったケアをされていない。ここに世界中の体験談をシェアする
[USDA]全国栄養月間にMyPlateでシンプルに始めよう
Start Simple with MyPlate during National Nutrition Month
Mar 13, 2019
https://www.usda.gov/media/blog/2019/03/13/start-simple-myplate-during-national-nutrition-month
MyPlateに新しいリソースを加えた
https://www.choosemyplate.gov/start-simple-myplate
論文
-クローン兵士のように同じ形なので、新しいクモにスターウォーズのストームトルーパーにちなんだ名前がつけられた
As uniform as cloned soldiers, new spiders were named after the Stormtroopers in Star Wars
14-Mar-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-03/pp-aua030719.php
新しい属名Stormtropis。Stormtropis muiscaなど11種が属する。ZooKeysに発表
(Storm trooperのもともとの意味である突撃隊員と思われるのでは)
-ソフトドリンク企業は若者を惹きつけるのにタバコ企業の戦略を真似している
Soft drink companies copy tobacco playbook to lure young users
14-Mar-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-03/uoc--sdc031319.php
BMJに発表されたカリフォルニア大学の研究
R.J. Reynolds とPhilip Morrisが過去に行った甘い飲料のマーケティングについての報告
(だから食品企業はタバコ企業の悪を受け継いでいるので閉め出すべき、というストーリーにつながる)
-新しい食事ガイドはカナダ人のお金の節約になるだろうが従う人は少ないだろう、研究が発見
New food guide will save Canadians money but few are following it, study finds
14-Mar-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-03/uog-nfg031319.php
Guelph大学の新しい研究によると、新しいカナダフードガイドは4人家族で年に475ドルの節約になるだろうがガイドに従うのは1/3未満だろう。
肉や乳製品が少なくなった分が費用がかからない理由。しかしそれは長続きせず、野菜由来のタンパク質の入手にお金がかかるようになるだろう
-ボストン大学:中央アメリカの腎疾患流行は職業による暑さへの暴露と関連
BU: Central American kidney disease epidemic linked to occupational heat exposure
14-Mar-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-03/buso-bca031419.php
エルサルバドルとニカラグアの農業労働者での慢性腎疾患は、煉瓦職人の12%にもみつかる。
20年にわたり両国では慢性時疾患(CKD)、別名中央アメリカ腎症Mesoamerican Nephropathy (MeN)による死亡率の増加がみられている。この病気はサトウキビやその他の農業労働者に多く、糖尿病のようなよく知られている腎疾患リスク要因とは関係がないようだ。今回ボストン大学公衆衛生学部の研究者らがこのCDKの流行が暑さへの暴露と関連する根拠を付け加えた。American Journal of Kidney Diseasesに発表された研究ではニカラグアの煉瓦職人の12.1%にCDKがあり、特に煉瓦を焼くオーブンで作業しているヒトに多かった
(農業労働者に注目が集まって農薬のせいだと主張する一派もある。主流は暑さ説だが)
その他
-あなたの食品中の硝酸についての真実
BBC
The truth about the nitrates in your food
By Angela Smith-Welch 13 March 2019
http://www.bbc.com/future/story/20190311-what-are-nitrates-in-food-side-effects
BBC Futureという真実と事実と科学を追究するシリーズの最新作
硝酸摂取量のほとんどは野菜由来、とか、硝酸を亜硝酸に変えるのは口内細菌で抗菌性マウスウォッシュを使うと劇的に減る、とかNOの話まで含む力作
-Science 15 March 2019 Vol 363, Issue 6432
特集は小児がん
書評
「健康的」赤ちゃんのマーケティング
Marketing “healthy” babies
Science 15 Mar 2019:Vol. 363, Issue 6432, pp. 1158
George Estreich著Fables and Futures: Biotechnology, Disability, and the Stories We Tell OurselvesのGeorge J. Annasによる書評
著者は詩人でライターで二人目の子どもがダウン症