[EFSA]意見
-アナトーEの安全性と、食品添加物として使用される際のアナトー着色成分ビキシン及びノルビキシン(E 160b)の暴露
Safety of annatto E and the exposure to the annatto colouring principles bixin and norbixin (E 160b) when used as a food additive
EFSA Journal 2019;17(3):5626 13 March 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5626
食品添加物及び香料に関する科学的パネル(FAF)は、新しく提案した使用と使用量を考慮して、アナトーEの安全性評価と、食品添加物として使用される際のアナトー着色成分ビキシン及びノルビキシン(E 160b)の暴露評価についての科学的意見を提出した。2016年にEFSAの食品添加物及び食品に添加される栄養源に関するパネル(ANS)は、食品添加物としてのアナトー抽出物の安全性に関する科学的意見を採択した。その意見でパネルは、許容一日摂取量(ADI) 6 mg ビキシン/kg 体重(bw)/日とADI 0.3 mgノルビキシン/kg bw/日を導出するのに毒性学的データベースは十分だと結論した。パネルはアナトーEの安全性を結論できなかった。アナトー(E 160b)、ビキシン及びノルビキシンベースのアナトー抽出物の食事暴露は、EC規則No 1333/2008付属書類Ⅱで設定された最大許容量(MPLs)、食品企業が提出した使用量、使用拡大申請による提案使用量を考慮して推定された。ビキシンの暴露概算は、使用拡大提案を含む全ての集団グループと全ての詳細暴露シナリオでADI以下だった。ノルビキシンでは、いくつかの集団グループの95パーセンタイルでの使用拡大で超過が観察された。新たに提案した使用と使用量を考慮した着色成分ビキシンとノルビキシンの暴露評価に関する2017年のEFSAの声明では、ビキシンの食事暴露はADIを越えなかった。ノルビキシンでは、食事暴露は幼児と子供の高摂取量(95パーセンタイル)でADIを超えた。現在の意見でパネルは、食品着色料アナトーEは遺伝毒性の懸念を生じないと結論した。それにより、2つの着色成分ビキシンとノルビキシンに2016年に設定されたADIは、アナトーEにも適用できる。ビキシンの暴露概算でADI6 mg/kg bw /日を超えるものはなかった。ノルビキシンのADIは1か国の詳細暴露評価シナリオで幼児の高摂取量(p95)で達した。パネルは不確実性や暴露の過大評価の可能性が非常に高いことを考慮して、暴露量は健康上の懸念を生じないと結論した。
-鶏肥育用Probion forte® (Bacillus subtilis KCCM 10941P及びBacillus coagulans KCCM 11093P)の安全性と有効性
Safety and efficacy of Probion forte® (Bacillus subtilis KCCM 10941P and Bacillus coagulans KCCM 11093P) for chickens for fattening
EFSA Journal 2019;17(3):5644 12 March 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5644
この2つの細菌種は安全性適格推定(QPS)アプローチに適していると考えられるが、得られたデータが不十分で、この添加物の安全性と有効性の結論を出せなかった。新しい細胞毒性試験、新しい感作試験、新しい3つの有効性試験が提出されたが、この株の潜在的な毒素産生性を除外できず、Probion Forte®の対象種と消費者の安全性と有効性を結論できなかった。
[EU]RASFF Week11-2019
警報通知(Alert Notifications)
フランス産ジャガイモのチアベンダゾール(0.77 mg/kg)及びフロニカミド(0.25 mg/kg)、フランス産冷凍緑豆にシロバナヨウシュチョウセンアサガオの存在、スロバキア産原料イラン産レーズンのオクラトキシンA (22.7 µg/kg)、シリア産クルディスタンピクルスの未承認着色料ローダミンB (>2000 µg/kg)、ドイツ産ピスタチオのオクラトキシンA (67 µg/kg)、ベトナム産冷凍メカジキステーキの水銀(1.68 mg/kg)、ガーナ産パーム油の未承認着色料スーダン4 (60 µg/kg)、
注意喚起情報(information for attention)
フランス産チルドメカジキフィレの水銀(1.2 mg/kg)、ベトナム産冷凍マカジキぶつ切りのカドミウム(0.08 mg/kg)及び水銀(1.78 mg/kg)、エジプト産酢漬けのカブの着色料エリスロシン(E127)非表示(3.5 mg/kg)、2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、米国産チルド真空パックメカジキフィレの水銀(0.74 mg/kg)、アルゼンチン産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 4.73 µg/kg)、スペイン産チルドメカジキの水銀(2.0 mg/kg)、
フォローアップ用情報(information for follow-up)
チェコ共和国産;スイス産;ドイツ産;産出国不明オイルドロップの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、インド産オランダ経由バスマティ米の包装からのミネラルオイルの溶出(18 mg/kg)、ポーランド産ライ麦粉のオクラトキシンA (7.25 µg/kg)、
通関拒否通知(Border Rejections)
インド産チリの未承認物質ペルメトリン(0.24 mg/kg)、ケニア産白豆の未承認物質メタミドホス(0.06 mg/kg)及びアセフェート(0.14 mg/kg)、米国産殻付きピスタチオのアフラトキシン(B1 = 12; Tot. = 13.7 µg/kg)、イスラエル産乾燥成型魚用飼料に反芻動物のDNAの存在、アゼルバイジャン産有機ヘーゼルナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 35.05; Tot. = 39.06 µg/kg)、インドネシア産ナツメグのアフラトキシン(B1 = 31.3; Tot. = 48.9 µg/kg)、エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン(B1 = 44.9; Tot. = 52.3 µg/kg;B1 = 52.9; Tot. = 59.4 µg/kg)、ジョージア産ヘーゼルナッツのアフラトキシン(B1 = 7.2 µg/kg)、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 39; Tot. = 78 µg/kg)、トルコ産乾燥アプリコットの亜硫酸塩高含有(2521 mg/kg)、米国産殻をとったアーモンドのアフラトキシン(B1 = 13.05; Tot. = 42,9 µg/kg)、
[FDA]農作物安全性のための農業用水要件履行のための新しいツールと科学の発展についてのFDA長官Scott Gottliebと副長官Frank Yiannasの声明
Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D., and Deputy Commissioner Frank Yiannas on advancing new tools and science for implementing agricultural water requirements for produce safety
March 15, 2019
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm633586.htm
先に提案されていた農業用水要件法令遵守日の延期を最終化するにあたり、最近のロメインレタスでのアウトブレイク事例で学んだことを組み入れて連邦基準の実行可能性を確保するために追加の時間をどう使うかについて最新情報を提供する
(プロなら安全な水以外使うなという話なのだが家庭菜園とか適当なたまり水使うよね)
[USDA]USDA APHISは収量が多く除草剤に耐性の遺伝子組換え大豆の規制解除申請のための植物害虫リスク評価案と環境評価案を発表
USDA APHIS Announces Availability of Draft Plant Pest Risk Assessment and Draft Environmental Assessment for Petition to Deregulate GE Soybean for Increased Yield and Herbicide Resistance
Last Modified: Mar 15, 2019
https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/news/sa_by_date/sa-2019/ge-soybean
30日間意見募集
(Verdeca LLC 社のIND-00410-5)
[USDA]APHISは害虫と病気のウェブページを発表
APHIS Launches Webpage for Pests and Diseases
Last Modified: Mar 14, 2019
https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/stakeholder-info/sa_by_date/2019/sa-03/pest-disease
Pests and Diseases
https://www.aphis.usda.gov/aphis/resources/pests-diseases/pests-and-diseases/pests-and-diseases
[USDA]リンゴ果樹園には多様なハチのコミュニティがベスト
ARS
Diverse Bee Communities Best for Apple Orchards
By Jan Suszkiw March 15, 2019
ミツバチだけがリンゴの花の授粉媒介者ではない、マルハナバチ、コハナバチ、mason bee(マメコバチ?)、その他たくさんの種類も、そして多い方がいい。Scienceに最近発表された研究。
論文
-卵好きにとって悪いニュース
Bad news for egg lovers
15-Mar-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-03/nu-bn031319.php
卵とコレステロールの多量摂取は心疾患と死亡リスクを高くする
JAMA。約3万人の成人の最大31年のデータを調べて、1日300mgのコレステロール摂取は心血管系疾患の17%と死亡で18%の高いリスクに関連する。米国人の食事で最もコレステロールが多いのは卵の黄身で、平均成人週に3-4個の卵、一日300mgのコレステロールを摂っている。この研究は米国食事ガイドラインの再評価の必要性を示唆する、と著者らは言う
Associations of Dietary Cholesterol or Egg Consumption With Incident Cardiovascular Disease and Mortality
2019/03/19
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2728487
-食事由来のコレステロールあるいは卵を食べることと心血管系疾患や死亡との関連とは何か?
What is association of dietary cholesterol or eating eggs with risk of cardiovascular disease, death?
15-Mar-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-03/jn-wia031419.php
JAMA
SMC UK
卵とコレステロールと心疾患を調べた研究への専門家の反応
expert reaction to study looking at eggs, cholesterol and heart disease
March 15, 2019
JAMAの研究への反応
英国心臓財団上級栄養士Victoria Taylor
心臓と循環器の疾患に関連した卵の役割についてはたくさんの議論がある。この研究は卵を多く食べるヒトはコレステロールが多いために心疾患リスクが高いことを示唆する。しかしこの種の研究は関連を示すのみで因果関係は示せず、この関連の背景についてはさらなる研究が必要である。健康的な食生活はバランスが全てである。もしあなたが何かをたくさん食べれば、他の健康上の利益がある可能性のある食品を食べる余地が無くなる。卵は栄養が豊富で、この研究では食べる量を問題にしているが調理法や何と一緒に食べているかも重要である。例えばポーチドエッグを全粒穀物トーストにのせたものは伝統的ベーコンソーセージ目玉焼きより健康的であろう
Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授
これは適切な統計手法を用いた注意深い研究である。結果は多数の人数に基づく。しかしそれでも卵とコレステロールと死亡率の関連への質問の答えに近づくことはできない。
この種の研究の基本的問題は何が原因で何がおこったのかを決められないということである。なぜなら、例えば卵を多く食べるヒトはあまり食べないヒトと比べて他にも食べるものに違いがあるだろう。そのような他の要因が原因かもしれない。研究者らはそのことを指摘していて、これまでの研究が一貫していないのはそのためかもしれないと言う。そこで統計学的に相当な努力をしている。しかしそれでも卵やコレステロールが死亡率の高さの原因だとは言えない。また彼らの発見した関連はそれほど強くないことも指摘するのが重要だろう(略)
他にもたくさんの注意すべき理由がある。卵の摂取とコレステロールの指標は研究により異なる方法で測定されていて、重要なのはおおくがたった一回である。長くて30年、平均17.5年もの間には人々の食事は変わるだろう。また米国では参考になるかもしれないが他国ではそうではないかもしれない。
この研究が悪いというのではない、むしろとても質が高い、少なくとも統計については。しかしこれはとても難しい分野であることを強調したい。多くの文脈の異なる研究を横断して系統的に調べることが前進する方向だろうが、それにはまだ至っていない。
King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授
血中コレステロール濃度に対して食事由来のコレステロールはあまり影響が大きくない。300mgのコレステロールを卵で食べてもらうとLDL濃度が0.15 mmol/L増加し(約4%増)、これはCVDリスクを3%増やすと予想される。典型的なCVDリスクがその後10年で10%の非喫煙者の55才男性だと、これが0.3%増えることになる。
この新しい報告は米国の地域ベースのコホート研究6つの合計29615人のデータをまとめた。米国人の人種の多様性を反映したところが強みである。弱点は食事調査が最初の一回だけであること、卵の摂取が不健康なライフスタイル(喫煙、肉の多さ、野菜果物の少なさ)と強く関連することである。習慣として強い関連のある要因の交絡を排除するのは不可能である(略)
この手の研究は関連を示すのみで因果関係は示せない。しかしながら教訓とすべきは、一緒に発表されたエディトリアルでも支持されているが、たくさんの肉と卵を含む典型的な米国風食生活は心血管系の健康状態の悪さと関連するということだろう。しかし私はこれが米国にのみあてはまると思う
その他
-The Lancetエディトリアル
WHO改革は混乱が続く
WHO reform continues to confuse
Editorial|Volume 393, ISSUE 10176, P1071, March 16, 2019
発表を巡ってスタッフや関係者とのコミュニケーションがとれていない様子を報告
富を増やすには健康への投資が重要
Investment in health is key to boosting wealth
Editorial|Volume 393, ISSUE 10176, P1072, March 16, 2019
G20健康開発パートナーシップが発表した「健康的な国、持続可能な経済」報告書発表に寄せて
Healthy nations, sustainable economies: How innovation can better ensure health for all
05 Mar 2019
日本の大学病院の無償労働医師
Unpaid doctors in Japanese university hospitals
Kenji Shibuya Nobuya Unno
Volume 393, ISSUE 10176, P1096-1097, March 16,2019
(渋谷先生が大学病院での若い医師の無償労働慣行をLancetに告発)
-カナダ医療微生物学と感染症学会意見表明
カナダの感染症専門家はライム病への長期抗生物質治療をしないよう注意を呼びかける
Canada’s infectious disease experts caution against prolonged courses of antibiotics for Lyme disease
March 17, 2019
https://www.ammi.ca/Update/183.ENG.pdf
(ライム病が増加している中、主流ではない医師に、疾患として認定されていない「慢性ライム病」と診断されて長期にわたって抗生物質投与を受けている場合があるので注意をよびかけている
参考http://natrom.hatenablog.com/entry/20130618/p1)
-何千人もの科学者が子どもたちの気候変動ストライキを支持
Natureニュース
Thousands of scientists are backing the kids striking for climate change
14 March 2019
https://www.nature.com/articles/d41586-019-00861-z
世界中の子どもたちが学校を出て政府に地球温暖化対策をもっと進めるよう強く求めた
写真はロンドン
-ホメオパシーサプリメント業者の見下げ果てた反ワクチンドル箱
Homeopathy Supplement Peddler's Despicable Anti-Vaccine Goldmine
By Josh Bloom — March 16, 2019
Liddell Laboratories社の販売している「ワクチンデトックスホメオパシー」(予防接種の有害影響をデトックスすると宣伝)などについて
-クライストチャーチのモスクの攻撃-専門家の反応
SMC NZ
Christchurch mosque attacks – Expert Reaction
Published: 15 March 2019
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2019/03/15/christchurch-mosque-attacks-expert-reaction/
略。ショッキングなニュースを見ることについての影響やメディアの報道のありかたなど。インチキ専門家による犯人の診断などではない)
-食品の流行:2019年は何がホット(かそうでない)か
Food Trends: What’s Hot (and Not) in 2019
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/slideshow/food-trends-whats-hot-and-not-2019
栄養士へのアンケートの結果
1.発酵食品
2.アボカド
3.種子
4.古代の穀物
5.エキゾチックフルーツ
6.ブルーベリー
7.ビート
8.ナッツ
9.ココナツ製品
10.乳製品でないミルク
11.選外:ケール、サーモン、お茶、抹茶
-デンマーク全粒穀物パートナーシップ
Danish Whole Grain Partnership
https://www.fuldkorn.dk/english/
デンマークでは全粒穀物の主な摂取源はライ麦とオート麦であるが推奨量の30%しか食べていない。そこでより多くの全粒穀物を食べるよ介入する。
(EUがこれを欧州全域に拡大するための研究を募集中