2019-03-22

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 75–19

21 March 2019      

http://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular7519.aspx

新規申請と提案

・新規食品としての菜種タンパク質

(キャノーラ油を絞った後のケーキの有効利用。EUで新規食品として承認済、米国でGRAS

認可とフォーラム通知

・フルーツ飲料へのステビア配糖体の添加

・加工助剤としてのTrichoderma reesei由来トリアシルグリセロールリパーゼとリゾホスホリパーゼ、Bacillus subtilis由来ラクターゼ

 

[NTP]ワークショップ:がんに集中する

Workshop: Converging on Cancer

April 29-30, 2019

https://ntp.niehs.nih.gov/events/webinars-workshops/2019/coc/index.html

がんリスク評価にメカニズムのデータを組み入れる枠組みを構築すること、環境下学物質の発がん性の強さを検出する効果的スクリーニングツールの開発、より安全な製品を作る、より効果的な複数標的治療法をデザインすることなどを目指す

 

[FDA]中部及び南部平原の洪水地域の食品生産者向けリソース

Resources for Food Producers in Flooded Areas in the Central and Southern Plains

March 20, 2019

https://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm634017.htm

関連情報へのリンク

・企業向けガイド:洪水に影響された食用作物のヒト摂取の安全性評価

https://www.fda.gov/Food/GuidanceRegulation/GuidanceDocumentsRegulatoryInformation/ucm287808.htm

・ハリケーン、洪水、停電に影響された食品の安全性

https://www.fda.gov/Food/RecallsOutbreaksEmergencies/Emergencies/ucm112723.htm

CVM更新情報:浸水地域の動物食品生産者向けリソース

https://www.fda.gov/AnimalVeterinary/NewsEvents/CVMUpdates/ucm634016.htm

 

[FDA]FDAの第三者計画で認可された認証団体

New Certification Bodies Accredited Under FDA’s Third-Party Program

March 20, 2019

https://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm633662.htm

 

[MHRA]クラス2医薬品リコール:ロサルタン

Class 2 Medicines recall: Accord Healthcare Limited - Losartan Potassium 50mg Film-coated Tablets, PL 20075/0022 and Losartan Potassium 100mg Film-coated Tablets, PL 20075/0023

https://www.gov.uk/drug-device-alerts/class-2-medicines-recall-accord-healthcare-limited-losartan-potassium-50mg-film-coated-tablets-pl-20075-0022-and-losartan-potassium-100mg-film-coated-tablets-pl-20075-0023

N-ニトロソジメチルアミン (NDMA) 又は N-ニトロソジエチルアミン(NDEA)汚染の可能性のあるバルサルタンとイルベサルタンのこれまでのリコールに加えて、ロサルタンにN-ニトロソ-N-メチルアミノ酪酸(NMBA)汚染があることを知った。

 

論文

-蝶の数が2/3減った

Butterfly numbers down by two-thirds

20-Mar-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-03/tuom-bnd032019.php

高密度農業は近傍の蝶を減らす。Insect Conserv Diversに発表されたミュンヘン近傍での研究

 

-ミツバチコロニーは作物を育てていないところで蜜を探すほうが成功する

Honey bee colonies more successful by foraging on non-crop fields

20-Mar-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-03/udoa-hbc031619.php

Scientific Reportsに発表された米国ARSの研究。

 

-医薬品とパーソナルケア用品が新しい水系汚染物質につながるかもしれない

Medicine and personal care products may lead to new pollutants in waterways

21-Mar-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-03/ru-map032019.php

Environmental Toxicology and Chemistry。下水処理施設の汚泥の細菌がナプロキセンとグアイフェネシン、オキシベンゾン、メチルパラベンをどう分解するのか調べた

 

-Facebookが煽る反ワクチン攻撃の解析:自閉症だけではない

Analyzing a Facebook-fueled anti-vaccination attack: 'It's not all about autism'

21-Mar-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-03/uop-aaf031519.php

ピッツバーグの小児科診療へのフェイスブックでの反対活動を解析したところ、反ワクチンの主張は一般の関心の高い異なる4つのテーマに集中していた。Vaccineに発表されたピッツバーグ大学メディア、技術、健康センターの研究。

2017年にKids Plus小児科がフェイスブックにがん予防のためにHPVワクチンを薦める動画を投稿した。その約1か月後、複数の反ワクチン団体がそれに気がついて約8日間に数千の反ワクチンコメントをした。そのコメントをした人たちを無作為抽出して解析した。Kids Plus小児科はピッツバーグの病院だが、コメントをした人たちは36の州と8つの国からでその多くが母親だった。56%Donald Trump支持で11%Bernie Sanders支持を表明していた。彼らが過去2年間に公に投稿したコメントを調べて、4つのサブグループに分けられることを発見した。

・「信頼」科学への不信を強調する

・「代替」ワクチンの代わりにホメオパシー推進

・「安全性」ワクチンのリスクが心配

・「陰謀」政府などが情報を隠していてウイルスなど存在しない

これらのサブグループの存在は、全面的一律の公衆衛生メッセージに注意を呼びかける

 

-NIHの研究はカルシウムが加齢性黄斑変性(AMD)リスクを増加させる根拠はないことを発見

NIH study finds no evidence that calcium increases risk of AMD

21-Mar-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-03/nei-nsf031919.php

JAMA Ophthalmologyに発表された国立眼研究所の研究者らによるAge-Related Eye Disease Study (AREDS)の解析

 

-一日に炭酸飲料一杯分のコーンシロップはマウスの結腸腫瘍を大きくする

The corn syrup in a soda a day can give mice bigger colon tumors

By Jocelyn KaiserMar. 21, 2019

http://www.sciencemag.org/news/2019/03/corn-syrup-soda-day-can-give-mice-bigger-colon-tumors

ヒトが齧歯類と同じ反応をするかどうかはわからないが、新しい研究は最近の若年成人での結腸がんの増加を説明するのに役立つかもしれない。

米国では甘い飲料の販売は、トウモロコシへの補助金で安価な高果糖コーンシロップが市場に溢れて普通の砂糖を押しのけた1980年代に急増し始めた。それからこれらをたくさん飲むことが肥満や、間接的にがんの増加の原因だと非難されるようになった。結腸がんは50才未満のヒトで増えていて、過体重と関連がある。しかし生化学者のLewis Cantleyはもっと直接的な関連があるのではないかと疑った。

APC遺伝子を欠くため結腸がんになりやすいマウスを調べていたMarcus Goncalvesらと協力して、マウスに25%高果糖コーンシロップを含む水をティースプーン1/10杯強制経口投与した。これは体重が増加するような量ではないが、ヒトが毎日炭酸飲料1杯飲む程度になる。2か月後、砂糖を飲んだマウスの腫瘍はただの水の場合と比べて数は変わらないがより大きくより浸潤性が高かった。同位体標識ブドウ糖と果糖を使って調べたところ、果糖は通常の小腸で吸収されて血液中に入る経路をスキップして直接大腸に行って腫瘍細胞に取り込まれていた。果糖は腫瘍細胞内でフルクトキナーゼ(KHK)により代謝され、そのことが細胞のエネルギーレベルを下げるので回復のためのブドウ糖代謝亢進の引き金を引く。またこの解糖系は腫瘍細胞の増殖に必要な脂肪も作る。APCに加えてKHKを欠失させたマウスではコーンシロップを与えてもAPC欠失対照マウスと同程度の大きさの腫瘍にしかならなかった。

研究チームはこの結果は甘い飲料が全がん病変の増殖の速度を速める可能性があることを示唆するという。この研究は良くできていて結果は説得力がある。しかしこの齧歯類での実験がどのくらいヒトにあてはまるのかについてはよくわからない

 

高果糖コーンシロップはマウスの結腸腫瘍を促進する

High-fructose corn syrup promotes colon tumor growth in mice

21-Mar-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-03/wcm-hcs032119.php

Scienceに発表。結腸腫瘍を発症するトランスジェニックマウスに毎日高果糖コーンシロップを投与

 

-研究が乳がん進行に与える再使用調理油の影響を調べる

Study in mice examines impact of reused cooking oil on breast cancer progression

21-Mar-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-03/uoia-sim032119.php

Cancer Prevention Researchに発表されたイリノイ大学の研究。新鮮な大豆油と何度も加熱して極性物質が15%に増加した大豆油を腫瘍を植えたマウスに与えた。

(プレスリリースに与えた餌の量やヒトの食事との定量的比較はないがヒトがんに関係するという主張をしている。酸化した油の害は昔から有名でこの手の研究がたくさんあって、それが硬化油(トランス脂肪)を使う理由の一つになったことへの反省はないようだ)

 

-科学者は統計的有意差に反乱

Natureニュース

Scientists rise up against statistical significance

20 March 2019

https://www.nature.com/articles/d41586-019-00857-9

Valentin Amrhein, Sander Greenland, Blake McShane800人以上の署名が誇大宣伝を止めるよう呼びかける

統計学的有意差がないことは帰無仮説の「証明」ではないし統計学的有意差が仮説の「証明」でもない。このような誤解が誇大宣伝をともなう学術論文を歪ませ、存在しない研究の矛盾指摘につながってきた。こうした間違いの犠牲にならない提案をする

P値が0.05などの閾値より大きいとか信頼区間がゼロを含むとかいうだけの理由で「差がない」「関連がない」とは決して結論してはならない。またある研究が有意で他の研究が相でなかったからといって矛盾すると結論してはならない。

統計的有意差は捨てるべきである。

(長い記事。関係者要精読。端的にはトクホの「効果」は科学ではない)