[EU]査察報告
-ドイツ―輸入管理システム(生きた動物、動物及び非動物由来食品)
Germany―Import control system (live animals, food of animal and non-animal origin)
01/04/2019
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4112
2018年10月16~24日までドイツで実施した、生きた動物商品や動物及び非動物由来製品の輸入に関する公的管理の実行や、3つの国境検査所(BIPs)の施設と設備を評価するための査察。管轄機関には内外との十分な協調と協力、効果的な計画や一貫性のある管理を行う適切な公的管理の枠組みがある。新しいハンブルグ空港のBIP施設はヒト用パック済み製品(HC(2))、ヒト用でないパック済み製品-冷凍及び温度条件なし(NHC-NT(2) およびNHC-T(FR)(2))、動物(O)の分類でEC委員会指令の法的条件に従っている。欠点はあるものの、他の2つのBIPs施設と設備は輸入商品と動物の公的管理の実施に適していた。
-中国―生きた動物及び動物製品の残留物と汚染物質
China―Residues and contaminants in live animals and animal products
22/03/2019
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4109
2018年7月2~13日に中国で実施した、EUが既に認可した家禽、水産物、ウサギ、ハチミツ、卵の残留物モニタリング計画の保証の遵守と信頼性や、EUへの輸出品が残留物制限に従っていることを確認する国家手段の実行と効果を評価するための査察。EUが認めた残留物モニタリング計画は適時計画通りに実行され、違法結果やRASFFのalertsのフォローアップは十分立証され、適時実行され、一般に効果的である。主な欠点は3つあり、食品生産動物で使用認可された多くの薬理学的有効成分が現在検査範囲に含まれていないこと、残留物モニタリング計画で取られたサンプル数が実際には計算上の間違いのため必要数より少ないこと、サンプリングが一年あるいは生産期間を通して均一にとられていないことである。
[EFSA]意見等
-農薬のピアレビューの文書及び評価報告書の提出についての行政指導
Administrative guidance on submission of dossiers and assessment reports for the peer‐review of pesticide active substances
8 April 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1612
農薬有効成分の認可文書を提出する申請者や、有効成分の評価報告書を作成する加盟国に、農薬有効成分の認可申請、認可改訂、既存の認可更新を支える文書の作成と提出の行政上の条件を説明している。
-食品及び飼料として使用する遺伝子組換えトウモロコシBt11 × MIR162 × MIR604 × 1507 × 5307 × GA21及びそのサブコンビネーションの評価
Assessment of genetically modified maize Bt11 × MIR162 × MIR604 × 1507 × 5307 × GA21 and subcombinations, for food and feed uses, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA‐GMO‐DE‐2011‐103)
5 April 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5635
このた6イベントスタックトウモロコシは、ヒトと動物の健康と環境の潜在的な影響に関して、非GM比較対照品種や調べた非GM参照品種と同様に安全で栄養的に同等である。この6イベントスタックトウモロコシの生きた穀粒が偶然放出されても、環境安全上の懸念は生じない。
-新規食品としてのベタインの安全性
Safety of betaine as a novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283
EFSA Journal 2019;17(4):5658 5 April 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5658
2017年にEFSAの栄養・新規食品及び食品アレルゲンに関するパネル(NDA)は、新規食品(Nとしてのベタインは、バックグラウンドの食事からの摂取に加えて、最大摂取量6 mg/kg体重/日で使用されても安全であると結論した。EFSAのNDAパネルは欧州委員会からの現在の要請に従って、申請者が提案した改正用途とベタイン使用量の評価を行って、ベタインについての科学的意見を出するよう求められた。そのためEFSAは、EFSA包括的欧州食品摂取量データベースに由来する個々のデータや、一般人に新たに提案されたこの新規食品の用途に基づいて摂取量評価を行った。一般人へのベタインの平均および多量推定摂取量の結果範囲は以前に設定した安全な摂取量を越えない。この新規食品ベタインは新しく提案された使用条件で安全だとパネルは結論した。
-中小企業の専用サポート
Dedicated support for small and medium-sized enterprises
2 April 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/190402
EFSAは中小企業(SMEs)の申請者専用の新しいサポートを開始した。SMEsは現在、規制製品の申請の作成・提出・モニタリングの際、EFSAからの支援を利用できるようになっている。
「文書案の提出前行政チェック」パイロットプロジェクトの結果、SMEsへの専用支援は、簡単で、利用しやすく、柔軟性があり、申請工程の初期段階で利用できるべきであることが論証された。EFSAはそのため、このプロジェクトで確認された特定ニーズに合わせたチェック検査活動を開始することにした。
EFSAは新しいサポート形式を一連のサポート活動に入れるかどうか決める際には、得られた経験を用いることにしている。
関心のある中小企業は、申請欄からこのサポートの詳細や利用方法を知ることができる。
[USDA]USDAのFSISはワシントンポストを重大な公衆衛生問題について虚偽の報道をしたことで非難する
USDA’s FSIS Condemns The Washington Post for False Reporting on a Critical Public Health Issue
April 8, 2019
ワシントンポストが民主主義は闇の中で死ぬという。もしそうなら、ワシントンポストによるUSDAのFSISについての報道は日食である。
FSISはアメリカの食糧供給を守るという崇高な任務をもつ9000人の公務員からなる。米国の全ての肉、家禽、卵製品はFSISの査察官によって毎日それぞれ確認されている。
重要な責任と任務があるため、FSISの従業員は全て就任の宣誓をしている。ワシントンポストに同じような基準があるといいのだが。
2018年2月、20年にわたるブタ市場施設の評価を経て、FSISはアメリカの人々に規則を提案した-通知をして意見を募集するという規則を作る際の完全で透明なプロセスの開始である。その提案された規則には、豚市場施設向けに新豚屠殺査察システムNew Swine Slaughter Inspection System (NSIS)という任意のオプトイン査察システムが含まれ、全ての豚施設の検査義務と分離した。この提案とこれを支持する研究は20年にわたる。査察近代化のためのFSISの作業は直近の4代の大統領政権に渡っている。
2019年4月3日に、ワシントンポストは「豚肉業界はもうすぐ肉の監視により大きな力をもつようになる」というタイトルの記事を発表し、特定の団体の主張をそのまま報道しFSISはインタビューの要請に応えなかったと主張した。ワシントンポストは、FSISが連邦機関であるためにメディアにより規則の作成を誘導したりできないことをよく知っているにもかかわらず世論の法廷でFSISを裁こうとした。
FSISはワシントンポストの酷い報道に愕然としている。ワシントンポストは事実と科学的根拠を欠き、食品の安全性を確保することとは何の関係もない特定の団体の個人的関心を推進するオウム返しを続けることにした。
FSISはワシントンポストに何時間も何時間も提案されている規則について明確にする説明をしたが、ポストはその情報を無視して、既にできあがっている意見と見出しを使った。
恥を知れ、ワシントンポスト。この記事は最低でも4ピノキオだ。
以下記事の内容に対する反論略
(注:ピノキオはワシントンポストがやっているファクトチェックの嘘つきの尺度らしい、4ピノキオが数値としては最悪らしい。ワシントンポストはトランプ政権を憎むあまり全てがトランプにより悪くなるという「物語」にしてしまっているようだ。それにしてもUSDAかなり怒っているShame on you, Washington Post、だって。)
[IARC]欧州がん予防ウェブサイト発表
Launch of Cancer Prevention Europe website
8 April 2019
https://www.iarc.fr/news-events/launch-of-cancer-prevention-europe-website/
Cancer Prevention Europe website
https://cancerpreventioneurope.iarc.fr/
[IARC]モノグラフ会合
Upcoming Meetings
https://monographs.iarc.fr/iarc-monographs-meetings/
2020年3月の議題 アヘン
(そんなもの発がん性なんて二の次なのでは?)
[BfR]全国授乳委員会はMax Rubner研究所に移る
National Breastfeeding Committee switches to the Max Rubner-Institut
29.03.2019
2019年4月1日に、BfR傘下だった全国授乳委員会は、Max Rubner研究所に統合される。MRIに2019年2月に子ども栄養研究所がオープンしたため
[FAO]今後2年間のFAOの優先課題は全ての形の栄養不良と戦うことと農業革新
Combatting all forms of malnutrition and promoting innovation in agriculture top FAO priorities over next two years
8 April 2019
http://www.fao.org/news/story/en/item/1189434/icode/
FAO長官José Graziano da SilvaがFAOの理事会開催挨拶で述べた。「我々はもはや飢餓だけに対応していられない。持続可能開発目標では全ての形の栄養不良の根絶を呼びかけている。そして世界中で肥満と過体重が増え続けている」
(FAOは飢餓対策優先でいいのに・・)
論文
-過ぎたるは及ばざるがごとし?ビタミンDの高用量は腎不全につながる可能性がある
Too much of a good thing? High doses of vitamin D can lead to kidney failure
8-Apr-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/cmaj-tmo040219.php
CAMAJに報告された54才男性の症例。ナチュロパスから高用量ビタミンDを処方されて(合計8000-12 000 IU)血中カルシウム濃度が高くなりその結果として腎障害になった
-サプリメントではなく、食品からの栄養が死亡やがんリスクの低さと関連する
Nutrients from food, not supplements, linked to lower risks of death, cancer
8-Apr-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/tuhs-nff040319.php
研究はさらに過剰なカルシウムサプリメント摂取とがんによる死亡リスクの増加の関連も同定した。Annals of Internal Medicine.米国のNHANESのデータを使った研究。
-国際チームがデュラム小麦のゲノムを解析
International team decodes the durum wheat genome
8-Apr-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/uos-itd040419.php
Nature Genetics
デュラム小麦のゲノムはヒトの4倍大きく、倍数体で二つのゲノムを含む。チームは初めて質の高いSvevo品種の完全ゲノムを組み立てた。7ヶ国60人以上の科学者が参加した。
(小麦の遺伝子のなりたちを見たら、遺伝子組換えで変わる部分なんてほんの僅かだなと思うけど)
-ヨーロッパの川の禁止された農薬
Banned pesticides in Europe's rivers
8-Apr-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/uoe-bpi040819.php
Exeter大学グリーンピース研究室による、欧州10ヶ国29の水系から高分解能LC/MS (LC-HRMS)により100以上の農薬を検出した、という報告がScience of the Total Environmentに発表された。
(検査対象が275農薬と101動物用医薬品、検出はμg/ Lレベル。これで「欧州全体が汚染されている、複合影響はわからない、だから農薬は全て使うべきでない」といういつものグリーンピースの主張。ヒト用医薬品や天然の有害物質など、農薬以外は計らないのがコツ)
その他
全豪州協調活動で完全菜食主義抗議者たちがメルボルン市内をブロック
Vegan Protesters Block Downtown Melbourne In Coordinated Action Across Australia
April 8, 2019
月曜日の朝、完全菜食主義抗議者達がメルボルンの中央ビジネス地区を二時間半停止させた。クイーンズランドでは活動家達は屠殺場に押し入って3頭の羊を解放するよう交渉した。これらは完全菜食主義を推進しオーストラリアの畜産業に注目させるための協調行動の一環である
警察はメルボルンで39人を逮捕し、中には15才1人17才2人が含まれる。
オーストラリアは一人あたりの肉の消費量が米国に次いで世界で二番目である。
Scott Morrison豪首相は抗議者を非難し当局に対して「法の執行力の全てを使って、これらの緑色の犯罪者達を取り締まれ」という
(水族館も標的。アニマルライツ活動家が動物実験や毛皮から戦線拡大中?)