[USDA]小さな敵との科学の大きな戦い
Science’s Big Battle against Small Enemies
Posted by Scott Elliott, National Institute of Food and Agriculture in Research and Science
Apr 09, 2019
https://www.usda.gov/media/blog/2019/04/09/sciences-big-battle-against-small-enemies
4月1日にSonny Perdue農務長官が「侵略的植物病害虫啓発月間」を宣言した。そこでUSDAの食糧農業研究所が農業における害虫管理のために行っている研究の一部を紹介する
写真:シタベニハゴロモLycorma delicatula
[BfR]甘味料スクラロースを含む食品を加熱すると有害な化合物ができるかもしれない
Harmful compounds might be formed when foods containing the sweetener Sucralose
are heated
9 April 2019
(あとで。塩素を含むので塩素の供給源となってダイオキシン等の有害物質ができるかもしれないと主張している人たちがいる。それ言ったら塩がダメになるのだけれど…)
論文
-化学物質のがんリスクを評価する新しい方法は迅速で正確で高価ない
New method for evaluating cancer risk of chemicals is quick, precise, inexpensive
9-Apr-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/buso-nmf040919.php
ボストン大学医学部と公衆衛生学部の研究者らによるトキシコゲノミクスデータベースについてEnvironmental Health Perspectivesに発表。
The Carcinogenome Project
-JUUL電子タバコ製品は細胞傷害と関連する
JUUL electronic cigarette products linked to cellular damage
9-Apr-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-04/uoc--jec040919.php
他の電子タバコ製品よりJUULのニコチン濃度が高く、細胞傷害性試験で有害と判定される濃度。Chemical Research in Toxicology。
-WHOが中国伝統医学(TCM)を承認する。間違った考え
The World Health Organization Gives the Nod to Traditional Chinese Medicine. Bad Idea
By THE EDITORS | Scientific American April 2019 Issue
今やWHOが証明されていないTCMを推進する
第11版ICDに初めてTCMを含めたことについてのScientific American編集部からの厳しい批判。中国、そしてMargaret Chanもと事務局長による強力なプッシュで、ヒトの健康だけではなく野生生物や生態系にも悪影響を与えることになる。
-がんサバイバーを研究せよ
Natureエディトリアル
Study cancer survivors
09 April 2019
https://www.nature.com/articles/d41586-019-01095-9
がん治療後長く生存する人たちが増えている。研究者らは長期影響を同定し緩和する方法を探るべきだ
SMC UK
米国における栄養摂取とダイエタリーサプリメントの使用と死亡率についての専門家の反応
expert reaction to nutrient intake, dietary supplement use and mortality in the US
April 9, 2019
Annals of Internal Medicineに発表された研究が、米国成人ではダイエタリーサプリメントの使用は死亡率の利益とは関連がないことを示した
Berry Ottaway & Associates社長Sam Jennings
(Q & A形式)
プレスリリースは科学を反映しているか?
根拠のレベルを考えるとプレスリリースは誇大。
研究の質は高いか?結論はしっかりしたデータによって支持されるか?
データは膨大だがたくさんの仮定があり生データの解析中に調整が行われている。従って結果の解釈には注意が必要である
既存の根拠と矛盾しないか?
これまでの研究と一致する
何故サプリメントは食品由来の栄養と同じようなメリットがないのか?このメカニズムは?注意すべき交絡要因があるのか?
これは著者らによる探索的研究の結論にすぎない、生物学的利用度が他の信頼できる研究で示されているわけではない
どうして1日1000mg以上のカルシウムをサプリメントから摂るとがんリスクが増加するのか?1000mgというのは多いのか?
これは新しいニュースではない。安全性のためにEU業界ではカルシウムサプリメントについては最大1日1000mgが推奨されている。1gというのはかなり大きな錠剤になりそんなに多くの人が摂っているとは思えない。栄養参照値は800mgである。
サプリメントを摂るのを止めるべき?
この論文を根拠に止める必要はない。
注意すべき限界は?
この論文の結論の多くは仮定に基づき、著者らも認めている
現実世界での意味は?
現実世界の状況では、この論文は特定の栄養素を過剰に摂ることのリスクについて強調している、それはもう長い間わかっていることである
Birmingham大学分子内分泌学教授Martin Hewison教授
プレスリリースは単純化しすぎ
(以下多数の指摘略)
内分泌学相談医でCoventry大学健康生命科学客員教授Zaki Hassan-Smith博士
これは大規模観察研究だが、ビタミンDとカルシウムの知見に関しては注意が必要でNHS/UKのガイドラインに従うことを薦める
University College Londonヒト健康能力研究所長Hugh Montgomery教授
この論文のデータはこの分野で拡大中の文献を支持する。ますます強くなっているメッセージは、ビタミンサプリメントの健康上の利益は、たとえあったとしてもごく僅かで、害はあるだろうということである。一方でビタミンを多く含む食生活は健康的であることが明確である。一部のビタミンは不足している人や医学的理由がある人に利益があるかもしれないが一般的には健康な人にとっては食事の改善を目指した方がよい。サプリメントは良い食事の代わりにはならない。
King’s College London (KCL)栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授
微量栄養素が不足していないだろう米国人で、サプリメントを使用している人はしばしば「健康なのに心配性」の人たちである。ビタミンDサプリメントが有害であるという示唆は混乱を招くかのうせいがある。英国では冬のビタミンD不足は良くある
Sheffield大学栄養生化学名誉教授Hilary Powers教授
サプリメントの使用が死亡率の良い結果と関連しないという知見はこれまでの大規模コホート研究と同様である。カルシウムとビタミンDの結果については解釈に注意が必要である
英国栄養財団事務局長Judy Buttriss教授
このサプリメントが死亡率を下げないという知見は英国栄養財団の最近の報告書とも一致する。一方で適切な栄養は利益がある。食事に関する研究は、特定の栄養素についてではなく食生活のパターンの影響を調べることが増えている、そして健康にとって大切なのは別々の栄養素ではなく全体としての食生活であることは明白である。ただし一部の状況ではサプリメントを薦めることがある-英国の冬のビタミンDのように。
その他
-コメント:農家はグリホサートの事実について明確に言う
Commentary: Farmers speak out on the facts about glyphosate
By BEN SCHOLZ National Association of Wheat Growers Apr 8, 2019
全国小麦栽培者組合長がグリホサートによってどれだけ農業がメリットを受けているか、安全に使用してきたことを説明。特に土を耕さないことによる環境負荷の軽減は大きい
(だからこそオーガニック業界はグリホサートを潰したい)
-北アイルランドで少年にHPVワクチンが提供される
HPV vaccine to be offered to boys in Northern Ireland
8 April 2019
https://www.bbc.com/news/uk-northern-ireland-47847305
がん対策として12-13才の少年に学校で予防接種。さらにより良い大腸がん検診も。
-トロント市はサバイバーから意見を聞いて反ワクチン情報と戦う
City to counter anti-vaccine information after hearing from this survivor
Apr 08, 2019
ポリオのサバイバーであるSafia Ibrahimがトロントの保健理事会会合でポリオの後遺症について話をした
トロントはワクチンの安全性についての虚偽の情報に対抗する戦略を作るだろう