2019-04-22

[EU]査察

イタリア植物の健康の輸入管理

Italy―Import controls for plant health

16/04/2019

http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4116

2018101526日にイタリアで実施した、植物の健康に関する輸入管理システムを評価するための査察。イタリアには、概してEUの要件に従う植物の健康のための輸入管理の包括的なシステムが設定されている。最近進展を遂げシステムが強化されたが、ある重要な入国地点では十分な検査設備が不足している。

 

[EFSA]新規食品として拡大使用するチアシード(Salvia hispanica L.)の安全性

Safety of chia seeds (Salvia hispanica L.) as a novel food for extended uses pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2019;17(4):5657  17 April 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5657

欧州委員会から、NDAパネルは近年認可された使用が拡大して食事からの摂取量が増加しているチアシードの全体的な安全性について意見を求められた。この新規食品の安全性評価は、7つの申請で提供されたデータ、チアシードの以前の安全性評価、EFSAが行った拡大文献調査から読み取った情報に基づいている。製造副生成物の可能性を扱う申請がないため、現在の評価はそのような汚染物質の形成に関して安全性の懸念を生じない拡大用途提案に限られている。これには、チョコレート、フルーツスプレッド、フルーツデザート、ツインポットのココナツミルク入りミックスフルーツ、乳製品の下層のフルーツ調理品、乳製品と混ぜるフルーツ調理品、菓子(チューインガムを除く)、乳製品とその類似食品、氷菓、フルーツと野菜製品、フルーツおよび/または野菜および/または穀物とでできたノンアルコール飲料及びコンポート、に添加するホールや粉のチアシードの使用が含まれている。さらにこの評価では、加工や調理中に加熱処理が含まれることのない他の食品での使用量に関して特別な制限や注意事項のないチアシードの利用も関係する。アレルギー誘発性以外に、パネルは安全上の懸念を生じるあらゆるハザードを確認しなかった。チアシードの安全な最大摂取量を設定する根拠と必要性がないため、暴露評価は行われなかった。パネルは、チアシードは評価された使用条件で安全だと結論した。

 

[EFSA]パブリックコメント募集:乳児の補完食導入の適切な年齢

Public consultation: appropriate age for introduction of complementary feeding of infants

17 April 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/190417

EFSAは乳児の補完食導入の適切な年齢に関する科学的意見について、関係者や他の参加団体からの意見を求めている。栄養・新規食品及び食品アレルゲンに関するパネル(NDA)は、この意見のために約300の研究をレビューした。主な結論は:

・補完食を導入する適切な年齢は乳児の特性や発達次第で、未熟児ではなおさらである。ほとんどの乳児では、およそ生後3-4か月 6か月の間である。

・鉄欠損のリスクがある母乳のみで育てた乳児以外、ほとんどの乳児は、およそ生後6か月まで栄養的理由で補完食を必要としない。

・補完食を欧州の全乳児に導入するべき正確な年齢を決めるための十分なデータがない。

・アレルギー誘発性食品卵、穀物、魚、ピーナッツの早期導入は、子どものアレルギー発症リスクを増すという根拠はない。

・生後6か月より早くグルテン含有食品を導入しても、有益や有害影響どちらの証拠もない。

この意見では、発達、栄養、健康の視点から補完食の導入を検討した。乳児に最初に母乳を与えたあるいは粉ミルクを与えたかどうかに関係なくこの評価を適用できるため、完全母乳育児の最適期間の評価ではない。

コメントの提出期限は2019529日。

 

-パブリックコメント募集:乳児の食事に補完食を導入する適切な年齢

Public consultation: Appropriate age for introduction of complementary feeding into an infant’s diet

17 April 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/consultations/call/190417

 

-乳児の食事への補完食の適切な導入年齢を科学的に評価するために補完食の導入年齢に関する健康結果の系統的レビューの準備作業としての拡大文献調査

Extensive literature search as preparatory work for a systematic review on health outcomes related to the age of introduction of complementary food for the scientific assessment of the appropriate age of introduction of complementary feeding into an infant's diet

17 April 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1276

2016年に欧州委員会はEFSAに、乳児の補完食を導入する適齢に関する2009年の意見の更新を要請した。補完食の導入年齢に関する健康結果についてのデータを回収するために、EFSAはシステマティックレビューを実施することにした。この報告書では、Wageningen大学の助言と共に、Pallasが行った準備作業を提示している。健康結果に関する補完食の導入年齢を説明し調査する、適格およびグレーゾーンの研究文献文書の概要を提供している。これらを収集するために、EFSAのガイダンス文書に従って3つのデータベース(PubMedWeb of Sciencethe Cochrane Library)のピアレビューした文献に拡大文献調査が実施された。調査実行後、調べた参考文献は二段階の選択手順で選抜された。(1)タイトルと要約のスクリーニング、(2)第一段階で確認された適格な参考文献の全文評価。両段階で、参考文献の100%を、二人の独立した査読者が重複して評価した。選択された参考文献の相違は合意に基づいて解決、あるいは必要時には第三の査読者と議論された。ほかに、グレーゾーンの文献調査は適切な情報源 (NTISOpen GreyCAB Abstracts Open Access ThesesDissertations) で行われた。文献調査から、手作業で検索された36件を含む184の参考文献が適格とされた。グレー文献調査からさらに30の参考文献が生じた。全ての関連あるピアレビューされた研究が表に挙げられ、健康結果やデータ供給源の種類によって分類された。また、適確でないとされた研究の概要がデータソースや除外された理由と共に付録に示された。関連するグレーデータソースは別の表に挙げられた。この報告書と共に、全ての研究が妥当とされたライブラリと全て除外された参考文献から成るライブラリの、2つの巻末ライブラリが発表された。最後に、さらにシステマティック文献レビューを遂行する中で検討されるべき諸問題(バイアス評価のリスク、データ抽出、報告)がこの報告書で議論された。

 

[HK] 法令違反。イワシの缶詰のサンプルが栄養表示規則に違反している

Canned Sardines sample not in compliance with nutrition label rules

April 18, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190418_7422.html

食品安全センターが検査したところ、マレーシア産のイワシの缶詰のサンプルにおいて、糖質が0g/100gという申告のところ、1.1g/100g検出であった。

 

[defra]英国政府は違法な野生生物取引と戦う世界的対応を支持する

UK government supports global action to fight illegal wildlife trade

22 April 2019

https://www.gov.uk/government/news/uk-government-supports-global-action-to-fight-illegal-wildlife-trade

422日のアースデーに寄せて

 

[ASA]バイオレゾナンス療法

Bioresonance Therapy

Advice online | 16 Apr 2019

https://www.asa.org.uk/advice-online/bioresonance-therapy.html

助言

バイオレゾナンス装置でエネルギーの波長を測定して健康についての情報を得ると称する療法について。

医療機器は販売前にMHRAの承認が必要。医療が必要な状態の診断や治療についての全ての客観的宣伝にはしっかりした臨床上の根拠が必要であるが、バイオレゾナンス療法についての根拠をみたことがない。

(以下裁定事例など、略。日本にもいっぱいある)

 

[USDA]弱いミツバチコロニーは輸送時の寒さで失敗する

ARS

Weak Honey Bee Colonies May Fail From Cold Exposure During Shipping

By Kim Kaplan April 18, 2019

https://www.ars.usda.gov/news-events/news/research-news/2019/weak-honey-bee-colonies-may-fail-from-cold-exposure-during-shipping/

ARSの科学者による予備的研究で、ミツバチの長距離輸送時あるいは輸送後のコロニー消失の原因はコロニーの中の温度の低さであるかもしれない。特に小さいと温度が維持できない。

 

[WHO]WHOのエボラ対応者がButembo病院攻撃で殺された

WHO Ebola responder killed in attack on the Butembo hospital

19 April 2019 |Statement|Geneva 

https://www.who.int/news-room/detail/19-04-2019-who-ebola-responder-killed-in-attack-on-the-butembo-hospital

WHOがエボラの対応で配置していた疫学者Richard Valery Mouzoko Kiboung博士が本日Butembo病院攻撃で殺された。他に二人の負傷者がいるが安定している。我々は深く悲しみこの攻撃に怒りを覚える

 

論文

-気候ハルマゲドン

Climate Armageddon

Laurie Garrett

The Lancet, Perspectives|Book|Volume 393, ISSUE 10181, P1587-1588,

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(19)30850-5/fulltext

(オープンアクセス、ただし要登録)

David Wallace-Wellsの「居住不可能な地球:温暖化後の生命The Uninhabitable Earth: Life After Warming」の書評。極めて悲観的な展望を記述した本。

1982年のJonathan Schellらの熱核戦争の脅威を綴った「地球の運命」を思い出させる。その後Carl Saganらがその気候への影響を検討し「核の冬Nuclear Winter」を描き核戦争は人類にとって生存できないものであるという世界的運動につながった

 

-米国で小さなものを飲み込む子供たち数が急増

Natureニュース

US sees sharp rise in number of kids swallowing small objects

16 April 2019 Emiliano Rodríguez Mega

https://www.nature.com/articles/d41586-019-01202-w

6才未満の子どもが飲み込むことが最も多いものは相変わらずコイン

1995年から2015年の間に米国で小さなものを飲み込む子供の数が22000から43000に約2倍になった。Pediatricsに発表。コインが62%で最も多く、次いでおもちゃ、ジュエリー、電池と続く。電池はこの間60倍になっていてボタン電池に注意が必要。増加の原因は不明で、親がよく病院に連れてくるようになった、あるいは小さいものが周囲に増えた。

 

-Fructus Psoraleaeによる急性肝不全:症例報告と文献レビュー

Acute liver failure associated with Fructus Psoraleae: a case report and literature review.

Li A et al.,

BMC Complement Altern Med. 2019 Apr 11;19(1):84.

Fructus Psoraleae(補骨脂)はPsoralea corylifolia Linn.(オランダビユ)の種子である。53才の女性が白斑と診断され補骨脂が主成分のQubaibabuqi錠剤で治療された。治療7か月で急性胆汁鬱滞性肝炎と診断された。治療にも関わらず病状は急速に悪化し多臓器不全で5日後に死亡した。

 

その他

-NSWで野生のキノコ中毒で8人が病院に

Eight people taken to hospital in NSW with wild mushroom poisoning

Wed 3 Apr 2019

https://www.theguardian.com/australia-news/2019/apr/03/eight-hospitalised-in-nsw-with-wild-mushroom-poisoning-prompting-health-warning

当局は店舗で購入したキノコのみを食べるよう警告

オーストラリア

 

-「クリーンな食事」という用語の問題

The problem with the term ‘clean eating’

Julie Van Rosendaal

https://www.theglobeandmail.com/life/food-and-wine/article-the-problem-with-the-term-clean-eating/

私が10才の時、お友達の誕生日のパーティーでお友達のお母さんがケーキをカットするのを見ていた。切ったケーキを渡すとき、彼女は全員に向かって「Julieの分はない、なぜなら太りすぎだから」と言った。これが私の初めての人前での辱めの経験で、私はぎこちなく座って泣かないように我慢するのに必死で、それを混乱した哀れみで眺めながら友達は黙ってケーキを食べた。私は健康的で活動的でジャンクフードを全く食べない家族の中でたった一人だけ見た目が重かった。私は人生の全体において、社会的に許容可能なサイズのボディにすることに物理的情動的エネルギーを使ってきた。

私が初めてWeight Watchersを試してから、ダイエットの文化は進化し続けて今やカロリー計算は重要ではなくなって、表向きは健康で強くあることに向かっているものの、食べものにまつわる罪と恥は無くなっていない。人々が食べものを選べるようになってから、食品は良いものと悪いものに分類されてきた。生鮮野菜果物は正しくて、クッキーを食べるのは悪いこと。ではクリーンな食生活とは正確には何だろう?この明確でない用語はますますソーシャルメディアで流行している。

グローバルウェルネス研究所によると世界のウエルネス業界は4.2兆ドルに値する。そのうち北米が最大市場である。しかし減量業界に関してはほとんど成功しない。研究は一貫して減量に成功してそれを維持できているのはほんの僅かだと示し続けている。他の製品なら、こんなに失敗ばかりするなら暴落するはずが、減量業界はますます花盛りである。それは消費者が製品の欠陥ではなく自分自身を責めるからである。この業界は罪悪感の上に成り立っている

(いろいろ略。正義だと思っている人たちが最も残酷。)

 

-自称「教会」が漂白剤を飲むことでHIVや自閉症が根絶できる魔法の治療法を宣伝

Self-declared ‘church’ promotes ‘miracle cure’ which claims to eradicate HIV and autism by drinking bleach

Chiara Giordano |

https://www.independent.co.uk/news/world/americas/bleach-miracle-cure-chlorine-dioxide-genesis-church-banned-mms-a8879086.html

MMSあるいはミラクルミネラルサプリメントあるいは溶液は二酸化塩素を含みいくつかの国では禁止されている

土曜日にこの団体がワシントンでイベントを開催した