2019-05-23

[EFSA]意見等

-クレトジムの既存MRLsのレビュー

Review of the existing maximum residue levels for clethodim according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2019;17(5):5706 22 May 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5706

クレトジム代謝物質3クロロアリルアルコール、3クロロアリルアルコールグルコシドのアグリコン(M14A/M15A)の遺伝毒性の懸念について結論できず、この代謝物質の毒性学的参照値は導出できなかった。この代謝物質の毒性学的特性の結論が出るまで、信頼できる食事リスク評価を行う必須条件であるリスク評価のための残留物定義を決定できない。

 

-ベンタゾンの条項12 MRLレビュー後の確証データの評価

Evaluation of confirmatory data following the Article 12 MRL review for bentazone

EFSA Journal 2019;17(5):5704  22 May 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5704

要請された確証データを支える提出データに基づき、ジャガイモとリーキ、豚の脂肪と腎臓、牛・馬・ヤギ・羊の脂肪・肝臓・ミルクでベンタゾンの既存のEU MRLsを改訂する必要がある。ピアレビューで導出された新しい毒性学的参照値を用いてMRLレビューで実施した消費者リスク評価が改訂された。消費者の摂取の懸念は確認されなかった。

 

-香料グループ評価210改訂3(FGE.210Rev3)に関する科学的意見:FGE.19 の化学サブグループ 2.4 α,β不飽和脂環式ケトン及び前駆体の遺伝毒性の検討

Scientific Opinion on Flavouring Group Evaluation 210 Revision 3 (FGE.210Rev3): Consideration of genotoxic potential for α,βunsaturated alicyclic ketones and precursors from chemical subgroup 2.4 of FGE.19

EFSA Journal 2019;17(5):5676 22 May 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5676

FGE.210Rev1では8物質の、FGE.210 Rev2では1物質の遺伝毒性の懸念が除外された。この改訂3では1物質を検討したが、この物質と、構造的に関連する4物質との遺伝毒性の懸念は除外できなかった。

 

-肥育用鳥、産卵鶏、肥育用七面鳥、肥育用アヒル、離乳子豚、肥育用豚および繁殖用雌豚用のPHYZYME®XP 5000 G/L (6フィターゼ)の認可更新申請の評価

Assessment of the application for renewal of authorisation of PHYZYME®XP 5000 G/L (6phytase) for chickens for fattening, laying hens, turkeys for fattening, ducks for fattening, weaned piglets, pigs for fattening and sows for reproduction

EFSA Journal 2019;17(5):5701  16 May 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5701

 

-食品と接触する物質に使用する、亜リン酸、トリフェニルエステル、αヒドロωヒドロキシポリ[オキシ(メチル1,2エタンジイル)]とのポリマー、C10–16 アルキルエステル類の安全性評価

Safety assessment of the substance phosphorous acid, triphenyl ester, polymer with alphahydroomegahydroxypoly[oxy(methyl1,2ethanediyl)], C10–16 alkyl esters, for use in food contact materials

EFSA Journal 2019;17(5):5679  16 May 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5679

「亜リン酸、トリフェニルエステル、αヒドロωヒドロキシポリ[オキシ(メチル1,2エタンジイル)]とのポリマー、C10–16 アルキルエステル類」は、耐衝撃性ポリスチレン材料及び製品に最大0.2% w/wで使用しても、消費者の安全上の懸念を生じず、その溶出は0.05 mg/kg食品を越えることはない。

 

-離乳子豚、肥育用豚、マイナー豚種(離乳および肥育用)、肥育用鶏、産卵鶏、肥育用および産卵用マイナー鳥種用の飼料添加物としてのBactocell® (Pediococcus acidilactici CNCM I4622)の認可更新および全ての育成用豚と全ての鳥種への使用拡大の申請評価

Assessment of the application for renewal of authorisation of Bactocell® (Pediococcus acidilactici CNCM I4622) as a feed additive for weaned piglets, pigs for fattening, minor porcine species (weaned and for fattening), chickens for fattening, laying hens and minor avian species for fattening and for laying and its extension of use to all growing pigs and all avian species

EFSA Journal 2019;17(5):5690 15 May 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5690

 

[FDA] FDAは食品表示上のPotassium Chloride(塩化カリウム)に代わる名称の使用に関するガイダンス案を発表する

FDA Issues Draft Guidance Regarding Use of an Alternative Name for Potassium Chloride in Food Labeling

May 17, 2019

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-issues-draft-guidance-regarding-use-alternative-name-potassium-chloride-food-labeling

FDAは食品ラベル上の成分表示における一般的な名称の「potassium chloride(塩化カリウム)」に代わるものとして、「potassium chloride salt(塩化カリウム塩)」の名称に関して、執行の自由裁量を行使する意図について、食品製造業者に助言するガイダンス案を発表している。

このガイダンス案は、米国の栄養改善を通して慢性疾患の負担を減らすためのFDA栄養革命戦略に合致している。戦略の目標は消費者に情報と支援によって力を与え、健康的な食品選択肢の開発と促進の業界革新を促すことである。ガイダンス案はまた、公衆衛生の利益のために、食品中のナトリウム濃度を減らすよう製造業者に働きかけるためのFDAの活動とも一致している。

場合によっては、塩化カリウムは食品加工及び製造において塩化ナトリウムの一部代用として使用することができる。「塩化カリウム」に「塩」という用語を加えることで、このナトリウム代用物を使用することを製造業者に促し、消費者の食品中の塩化カリウムは塩化ナトリウムにとって代わることができるという理解に役立つかもしれない。これは、米国市民が消費の少ないカリウム摂取を増加させ、過剰消費であるナトリウム摂取の削減に役立つだろう。

 

[FDA]FDAは消費者へのアウトリーチのためのメニュー表示ソーシャルメディアキットを利用できるようにした

FDA Makes Available Menu Labeling Social Media Toolkit for Consumer Outreach

May 22, 2019

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-makes-available-menu-labeling-social-media-toolkit-consumer-outreach

Menu Labeling Social Media Toolkit for Consumer Outreach

https://www.fda.gov/food/nutrition-education-resources-materials/menu-labeling-social-media-toolkit-consumer-outreach

画像は右クリックしてコピペして使える、とのこと

 

[FDA]警告文書 Velvet Ice Cream Company

May 6, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/velvet-ice-cream-company-575444-05062019

乳製品CGMP規則、危害分析及びリスクに基づく予防コントロールに関する問題。

 

[FDA]リコールHills Pet Nutritionは超過濃度のビタミンDのためセレクト缶入りドッグフードの自主回収の拡大を追加する

Hill’s Pet Nutrition Additionally Expands Voluntary Recall of Select Canned Dog Food for Elevated Vitamin D

May 22, 2019

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/hills-pet-nutrition-additionally-expands-voluntary-recall-select-canned-dog-food-elevated-vitamin-d

Hills Pet Nutritionは高濃度のビタミンDの可能性のためセレクト缶入りドッグフードを自主回収。製品写真あり。特定の日付/品種コードのリコール漏れ。

 

[TGA]リコールHair Tonic and Hairpro capsules‐肝臓障害の恐れ

Recall - risk of liver injury

21 May 2019

https://www.tga.gov.au/alert/hair-tonic-and-hairpro-capsules

TGAの安全性検査によりGlobal Therapeuticsは、肝臓障害の恐れのためFusion Hair Tonic 及び Oriental Botanicals Hairpro capsulesすべての製品を回収措置と消費者及び専門家に助言している。製品にハーブのツルドクダミを含む。

 

-更新:Fallopia multiflora (he shou wu)‐製品回収

Update - products recalled

21 May 2019

https://www.tga.gov.au/alert/fallopia-multiflora-he-shou-wu

 

[ODS]

Copper

Fact Sheet for Health Professionals 

Updated: May 22, 2019

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Copper-HealthProfessional/

19歳以上の耐容上限摂取量の修正

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Copper-HealthProfessional/#change

 

[FSAI] 輸出入

Import Export

22/5/2019

https://www.fsai.ie/faq/import_export.html

アイルランドへの輸入食品、輸入食品サプリメント、食品の個人輸入、商業輸入及び食品輸出に関するFAQ

 

[FAO]食糧と農業のための世界の生物多様性の現状

The State of World’s Biodiversity for Food and Agriculture

http://www.fao.org/state-of-biodiversity-for-food-agriculture/en/

ウェブサイトが凝った作りになっている報告書。

 

[WHO]世界保健総会

World Health Assembly 72 Update

https://www.who.int/news-room/detail/22-05-2019-world-health-assembly-72-update

 

論文

-新しい研究は米国での貧しい食事に関連する予防可能ながんの負担を推定

New study estimates preventable cancer burden linked to poor diet in the US

22-May-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/tuhs-nse051619.php

JNCI Cancer Spectrumに発表されたモデル研究。貧しい食事に関連する要因は2015年に報告されたがんの5.2%に寄与する。アルコールが4-6%で余分な体重は7-8%、運動不足は2-3%

貧しい食事の影響が最も大きいのは直腸結腸がんで38.3%、次いで口、咽頭、喉頭。食事要因として最も大きいのは全粒穀物摂取の少なさで次が乳製品の少なさ、加工肉の摂取の多さ、野菜果物摂取の少なさ、赤肉摂取の多さ、砂糖入り飲料の摂りすぎ、と続く。食事関連がんのうち16%は肥満が介在する。影響の多い集団は45-64才の男性アメリカ人。

 

-オゾンを枯渇させる化合物の悪辣な排出源が中国に同定された

Natureニュース

Rogue emissions of ozone-depleting chemical pinned to China

22 May 2019

https://www.nature.com/articles/d41586-019-01647-z

中国の北東部の工場群がCFC-11ガスの急増源である可能性が高い

Natureに発表

 

-スイスでは精子の質が悪い

Poor semen quality in Switzerland

22-May-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/udg-psq052019.php

ジュネーブ大学の研究者らが初めて18-22才の男性の全国精子の質評価を行った。数と運動能と形態の3つの指標で評価したところWHOの参照値よりはるかに低かった。スイス国内での地域による差はないが母親の妊娠中の喫煙とは関連があった

(初めて、なら悪化かどうかはわからないはずなのだが悪化しているという議論)

 

-21世紀の最初の10年でイングランドの脳卒中の死亡は半分になった

Stroke deaths in England halved in the first decade of the 21st century

22-May-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/b-sdi052119.php

BMJ。主に医療の向上で。

 

-ワクチン躊躇の人を現実の痛みに晒すことでよりワクチン賛成になる

Exposing vaccine hesitant to real-life pain of diseases makes them more pro-vaccine

22-May-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/byu-evh052119.php

ユタ州Provo 574人の大学生、そのうち83人がワクチン躊躇、に自己免疫疾患あるいはワクチンで予防できる病気に罹ったことのある教会信徒へのインタビューをしてもらった。ワクチンで予防できる病気に罹った信徒にインタビューした学生の約70%がワクチン躊躇からワクチン賛成に変わった。Vaccinesに発表。

 

-花の農薬に暴露された子どもたちに高血圧がみつかった

Hypertension found in children exposed to flower pesticides

22-May-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/uoc--hfi052219.php

Environmental Researchに発表されたカリフォルニア大学サンジエゴ医学校の研究者らによるエクアドルの花卉栽培地域での研究。4-9才の少年少女313人の母の日の薔薇の出荷前後での農薬暴露と血圧を比較した。母の日の収穫直後と100日後で比べると収穫直後の農薬暴露と血圧が高かった。

(子どもも手伝ってる&コミュニティ全体で忙しくテンション高かったのだろうとは思わないのかな。農繁期は学校休み、という時代は日本でも遠くなった。「オーガニックだから見た目が悪くて虫もいる花」は需要ないと思う)

 

その他

-現代の生活は私を毒している?それを見つけるための検査を受けた

Is modern life poisoning me? I took the tests to find out

Emily Holden Wed 22 May 2019

https://www.theguardian.com/us-news/2019/may/22/is-modern-life-poisoning-me-i-took-the-tests-to-find-out 私はどれだけ有害なのかというシンプルな質問の答えを探し、81の化合物を検査するという尿検査やシリコンのリストバンドを着けて5日間過ごすという検査に参加したガーディアンワシントン支局の環境レポーターの長い報告。一部抜粋

たくさんの専門家がアメリカ人が日常的に有害化学物質に暴露されていることへの懸念を表明しているが、個人としてはどのくらい心配すべきなのだろう?私は?

私は比較的注意している消費者で、石けんやローションはWhole Foodで買うがヘアサロンで何を使っているかはあまり吟味していない。自炊の時はオーガニックのものを食べるがしばしば外食もする。難燃剤を含まないという特別なマットレスを買いプラスチックはできるだけ買わないようにしている。だからエキスポソーム研究に喜んで参加した。リストバンド検査の結果12物質が検出されていてそれをgoogleで調べたら恐ろしげなことが書いてあった。でも参照すべき枠組みがなかった。その物質の多くはボディケア用品に使われているものだった。やがて自宅でペディキュアを塗るのを止めた。別の検査では少なくとも36の化合物が体内から検出された。タバコを吸わないのにコチニンが検出されたのは喫煙者の親戚のところに行ったからだろう。そして多環芳香族炭化水素濃度が高かったので料理をするときに窓を開けて大きな換気扇を買うことにした、それまで換気のための装置はなかった。

Philippe Grandjeanが「基本的に全ての化学物質への暴露を最小限にすべきだ」と言っていたり、プラスチックは避けるのにネイルや化粧はするし火を使うのに換気もしないのかとかいろいろ面白い)

 

-赤ワインの分子と血圧についての研究への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to study on a molecule in red wine and blood pressure

May 23, 2019

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-on-a-molecule-in-red-wine-and-blood-pressure/

Circulationに発表された研究が、赤ワインに含まれる分子で血圧が下がることを示した

Queen Mary University of London実験的医薬品名誉教授Roger Corder博士

私は何年も赤ワインの何らかの影響がレスベラトロールのせいだという主張に反対してきた。実際のところほとんどの赤ワインのレスベラトロール濃度は検出限界以下である。私は2003年にNatureに実験で使われているレスベラトロールの量と赤ワインのレスベラトロールの量の違いについてコメントしたことがある。しかし都市伝説は消えない。ここで用いられた用量、マウスに320 mg/kgは人間に換算すると15-20gのレスベラトロールに相当する。この量はワインだと3000リットル以上という馬鹿げたものだ。この論文によると、記述されている影響は使用されているレスベラトロールの非常に高い濃度のせいで、医薬品の開発に使えるような生物学的影響ではないだろう。この種の「標的外」のタンパク質の生化学的修飾は健康にはネガティブな影響を与える可能性の方が高い。血圧への影響は極めて小さい。したがって私が驚くのはこれがCirculationの査読を通過したということだ

Surrey大学臨床心理学講師でアルコール研究者Bob Patton博士

この研究者らは実験室で非常に高用量を使ってレスベラトロールがマウスの血圧を有意に下げることを示した。この影響はヒトでは確認されていないことを著者らは指摘している。レスベラトロールはしばしば赤ワインと関連して語られるがブドウだけではなく多くの果物やナッツに少量含まれる。この研究の量をとるにはワインを1000本飲む必要があって、もちろん不可能である。過剰飲酒は血圧を上げ心臓発作や脳卒中につながる。だからお酒は減らした方がいい。一日の終わりに赤ワインをグラス一杯飲んでリラックスすのは一つの方法だが、それで高血圧対策にはならないだろう。減量して運動してストレスレベルを下げるのが良い。

 

-お金のかかるがん訴訟が世界で最もよく使われている除草剤の代用品探索を誘発する

Scienceニュース

Costly cancer lawsuits may spur search to replace world's most common weed killer

Erik StokstadMay. 22, 2019

https://www.sciencemag.org/news/2019/05/costly-cancer-lawsuits-may-spur-search-replace-worlds-most-common-weed-killer

「全くの恐怖とショック」ワイオミング大学の雑草研究者Andrew Knissが、最近のグリホサートの裁判での負けへの農家の反応をそう説明する。農業研究者も心配している。土壌を保護し雑草をコントロールするのに必須の化合物を失うことを恐れている。科学者と農家はこれらの判決と一般の認識によりこの道具を失うかもしれないと神経を尖らせている。

先週カリフォルニアの裁判所がラウンドアップを使って非ホジキンリンパ腫になったと主張する二人に20億ドルを与えた。20188月以降バイエルにとって三回目の裁判での負けで、モンサントを1年前に買収してから市場価値が約半分になっている。国の健康担当機関でグリホサートにがんリスクがあるとしたところはない。しかし一部の科学者は大衆の不信と除草剤への耐性の増加により新しい雑草コントロール法を進める機が熟したという。

世界で販売されている全ての除草剤の約25%を占めるグリホサートに並ぶのは困難だろう。グリホサートはアミノ酸を作るのに必須の植物に普遍的な酵素を標的にすることで広範な雑草を殺す。耐性組換え作物とセットで、農家は作物を育てつつ土をひっくり返すことなく雑草をコントロールできるようになり、使う燃料を減らし土壌を保護した。カバー作物を使って土壌を守る環境に有用な農業もまたグリホサートが必須だった。

IARCの件略)

もしもグリホサートが市場から撤退したら、農家は他の除草剤を使うだろうが全てに欠点がある。例えば米国のトウモロコシ農家はアトラジンを使うだろうがそれは地下水を汚染しEUでは禁止されている。グルホシネート耐性作物もあるがグリホサートより費用がかかり効きも悪い。ジカンバは風に乗って他の作物を傷めるだろう。

世界中でグリホサート耐性が進化しているために企業は複数の除草剤に耐性のある作物を作ってきた。しかしいつかは新しい化合物が必要になる。皮肉なことに、グリホサート自身が新しい除草剤の開発を抑制してきた。もう30年以上新しい除草剤は販売されていない、安価なグリホサートに競合できないからだ。しかし今や多くの企業が除草剤開発研究を推進している。10年以内に新しい作用機序の商品がはんばいされるだろうとStephen Dukeはいう。

化学物質を使わない方法も増えるだろう。オーストラリアでは除草剤耐性雑草との長い戦いの後、農家は大変だが有効な方法を見つけた:収穫の時にどんな雑草の種も壊すよう籾殻を粉々にする、あるいは燃やす。物理的除草は長く行われていたが斜面のブドウ畑やドリップ灌漑チューブのあるところでは使えない。最近技術者が機会にカメラを搭載して雑草をより正確に同定するのに役立つようにした。値段の高い作物用には自動ロボットが利用できるようになるだろう。雑草に直接少量の除草剤を噴霧したりレーザーや刃で雑草を殺したりする。いろいろな技術が進歩するだろう。しかしKarla Gageはそれらに生態学的副作用があり(グリホサートを使った)カバー作物がいいという。

雑草と農家の進化競争においては、全てのツールを調整する必要性は終わることがない。植物はどんなものにも耐性を進化させる。我々が何をしようと、自然の働きには直面するだろう。いつだって自然が勝つ。