2019-06-06

[FSSAI]世界食品安全デー

WORLD FOOD SAFETY DAY

https://fssai.gov.in/cms/world-food-safety-day.php

FSSAIは初めての世界食品安全デーを祝う

 

[WHO]欧州では毎年2300万人が安全でない食品で病気になり、それは氷山の一角にすぎない

WHO欧州地域事務所

23 million people falling ill from unsafe food each year in Europe is just the tip of the iceberg

Copenhagen, 5 June 2019

http://www.euro.who.int/en/media-centre/sections/press-releases/2019/23-million-people-falling-ill-from-unsafe-food-each-year-in-europe-is-just-the-tip-of-the-iceberg

最初の世界食品安全デーによせて

 

論文

-背景にある科学を理解したらあなたは遺伝子組換え食品を食べる?

Would you eat genetically modified food if you understood the science behind it?

4-Jun-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-06/uor-wye060419.php

Journal of Environmental Psychologyに発表された知見によると簡単な答えは「イエス」

彼らの知見は科学への態度の欠如モデルを直接的に支持する-それは広い意味で一般の人々の科学技術への懐疑は主に理解や適切な情報の欠如による、というもの。このチームのオンラインモジュールは、既にある信念や確信を脅かす対立的アプローチを避け、GM懐疑を乗り越えるための比較的シンプルなガイドを示唆する:メッセージではなく実際の科学に集中すること。

(一部の社会学者は「適切な情報提供」を阻害するために欠如モデルはダメだという主張をする印象)

 

-消費者は食品表示の詳細をスプーンで食べさせて欲しい(過保護にしてほしい)

Consumers want food labelling details spoon-fed

4-Jun-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-06/uod-cwf060419.php

Journal of Agricultural and Resource Economicsに発表された消費者が追加情報を得るのにどのくらい労力を使うかについての研究。休暇に行くため次のフェリーを待っている人達を対象に、三倍体の牡蠣について買うかどうか尋ねた。三倍体の牡蠣は染色体が1セット多く大きく育つもので、その情報を追加情報なし、印刷媒体で提供、クリックできるリンク、スキャン装置有り/無しのQRコードのどれかで提供した。リンクをクリックして情報にアクセスしたのは20%QRコードだけだとわずか1%だった。ただしスキャン装置を提供すると50%に増えた。消費者は便利でなければ情報にアクセスしないだろう

 

-「オーガニック」食品を検証する

Verifying 'organic' foods

5-Jun-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-06/acs-vf060519.php

オーガニック食品はますます人気になっているがオーガニックと表示されている食品全てが残留農薬がないわけではない。Journal of Agricultural and Food Chemistryに新しい戦略が報告された。農薬の代謝物を超高感度で分析する方法。

(農薬「だけ」そこまで調べるのに他の有害物質は気にしないんだな)

 

-温暖化を2度以内に留めるにはフードシステム全体での排出量削減が必要だろう

Limiting warming to 2 degrees C will require emission cuts across entire food system

4-Jun-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-06/icft-lwt060419.php

100億人を食べさせて地球が暑くなりすぎないようにするには農業の大幅な変化だけではなくフードシステム全体の変換が必要であろう

Sustainabilityに発表された報告。

 

-子どもの服の食品イメージは食行動に影響するか?

Do images of food on kids' clothes influence eating behavior?

4-Jun-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-06/mm-u-dio060419.php

ミシガン大学医学部の研究が服にジャンク食品の絵柄は非常に良くあり、特に女の子向けに多いことを発見

Eating Behaviorsに発表された解析によると4つの子ども用品販売店の20181か月の3870の衣料品のうち11分の1は食品の絵がありそのうち2/3は不健康な食品だった。男女差は明確で女の子向けは焼き菓子やデザート、男の向けはピザやホットドックやフライ。「子ども用品の食品の絵柄は社会が子供たちの食品との情動的関係をどう作り肥満を促進するメッセージを強化するのかについての知見を提供するかもしれない」

(服の模様にまで「不健康」とか言うんだ。)

 

-UTAの研究者らがマイクロ波で刺激したナノ粒子を使ってがんと戦う

UTA researcher uses nanoparticles stimulated by microwaves to combat cancer

4-Jun-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-06/uota-uru060419.php

Nanomedicine: Nanotechnology, Biology and Medicineに発表されたWei Chen物理学教授らの論文によると、二酸化チタンナノ粒子をマイクロ波で刺激したものを使って正常細胞を傷つけることなくがん細胞の死の引き金を引くアイディアを発展させた。この方法はマイクロ波誘発ラジカル療法と呼ばれ、このチームはマイクロダイナミック療法と呼ぶ。

(電子レンジと二酸化チタンという妄想がはかどる)

 

-ウエストバージニア大学の研究:よくある家庭用化学物質に暴露されている糖尿病患者は心疾患が少ない

WVU study: Diabetics exposed to common household chemicals have lower heart disease rates

4-Jun-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-06/wvu-wsd060419.php

糖尿病の成人ではパーフルオロアルキル化合物により多く暴露されていることと冠動脈疾患の率が少ないことに関連する。C8健康プロジェクトの一環として集めたデータを調べた。

PFASは糖尿病患者の心疾患の新しい治療薬開発につながるかもしれない。

Journal of Diabetes and Its Complications

(皮肉なのか本気なのか判断しかねる。)

 

-ダイエタリーサプリメントは子どもと若年成人の重大な健康イベントに関連する

Dietary supplements linked with severe health events in children, young adults

5-Jun-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-06/htcs-dsl060319.php

・ビタミンに比べて、減量、筋肉増強、エネルギー用として販売されているダイエタリーサプリメントは子どもと若年成人の重大な医学的イベントのリスクが約三倍

・この種のダイエタリーサプリメントへのアクセスと摂取を減らすための努力、規制の能動的執行、購入場所での明確な警告の提供が必要である

Journal of Adolescent Healthに発表されたFDAの有害事象報告システムのデータ解析。20041月から20154月までの、0-25才が死亡や障害、入院などの重大なイベントになったリスクを調べた。この年代の単一サプリメント関連有害事象報告は977で、そのうち約40%が重大なアウトカム。

(有害事象報告がこれだけあっても因果関係の特定は困難なので措置にはなかなか至らない。そして報告すらされないのが日本)

 

-補完代替医療プラクティショナーのセリアック病検査やグルテンフリーダイエットの宣伝

Promotion of Testing for Celiac Disease and the Gluten-Free Diet Among Complementary and Alternative Medicine Practitioners

Boyer, Graham et al.,

May 2019 - Volume 114 - Issue 5 - p 786–791

American Journal of Gastroenterology

https://journals.lww.com/ajg/Abstract/2019/05000/Promotion_of_Testing_for_Celiac_Disease_and_the.20.aspx

500のクリニックのうち178がセリアック病やグルテン過敏症あるいはグルテンフリー食事療法に関する宣伝をしていた。多くの主張が虚偽又は立証されていないものであり、公衆を守るためにはCAMの宣伝への規制強化が必要である

 

その他

-SMC UK

ヒトのマイクロプラスチック摂取への専門家の反応

expert reaction to human consumption of microplastics

June 5, 2019

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-human-consumption-of-microplastics/

Environmental Science & Technologyに発表された研究が約15%のアメリカ人のカロリー摂取中、年間に、年齢と性別によって39000から52000のマイクロプラスチック摂取と示す

国立海洋学センターマイクロプラスチック研究チームリーダーRichard Lampitt教授

プレスリリースは概ねバランスがとれていて論文の結論を反映していると思う。そして論文はデータを注意深く評価していて結果はしっかりしている。

私の主な批判点はマイクロプラスチックという用語の定義がないことである。特に量を測定する場合には下限をどのくらいにするか(1, 10 or 100 micron)で大きく異なり、上限(1mm or 5mm).についてはそれほど影響がない。粒子の大きさへの言及がわずかで、この論文での暴露推定は最小限である可能性が高い。1-10ミクロンの粒子は一部の人はマイクロプラスチックとみなし他の人はナノ粒子だと思いこの研究では視野に入っていない。

East Anglia大学生態学教授Alastair Grant教授

著者らは食品や空気中で測定されたマイクロプラスチックの濃度から摂取量を計算した。それによると成人男性は1142個を口から、さらに170個を吸入している。この摂取量が健康に危険かどうかについては根拠は示されていない。

吸入データは空気中の粒子濃度と一日の呼吸から計算しているが人体が呼吸する空気から粒子を除去する能力については考慮されていない。空気中粒子濃度の情報源の二つのうち一つでは観察された繊維は吸入するには大きすぎるので、実際に肺に届く数はもっと少ないだろう

King’s College London研究員Stephanie Wright博士

近年食品や空気中のマイクロプラスチック汚染に関心が寄せられている。この研究は既存の根拠をまとめて既にわかっていることを再確認した。

含まれている一部の研究の解釈には注意が必要で、特に目視だけで調べている場合には。粒子の暴露については大きさが重要なパラメーターであり、その情報がなければ解釈は困難である。さらなる研究が必要である。

 

-コーシャー(ユダヤの戒律に従った)の塩と普通の塩の違いは?

What's the difference between kosher salt and regular salt?

Joe Schwarcz PhD | 17 May 2019

https://mcgill.ca/oss/article/health-nutrition-you-asked/whats-difference-between-regular-salt-and-kosher-salt

それは正確には「コーシャーにするための塩」と呼ぶべきである、なぜなら血液は避けるべきという聖書を参照して、肉から血液を抜くために使われるものなので。違いは不定形のフレークであるというだけである。栄養的にはヨウ素を添加していない。ヨウ素添加は1920年代に甲状腺腫予防のために始まったが現在の北米ではそれほど重要でないかもしれない。コーシャー塩は結晶が大きいのでスプーン一杯だと普通の塩より少なくなるだろう。

 

-WHOの中国伝統医学についての決定は裏目に出る可能性がある

Natureエディトリアル

The World Health Organization’s decision about traditional Chinese medicine could backfire

05 June 2019

https://www.nature.com/articles/d41586-019-01726-1

伝統療法が世界診断概要に含まれた。それにはリスクがある

アフリカではロバがホットでここ数年値段が高騰し盗みが多発している。ニジェール、タンザニア、ボツワナではロバを保護するために輸出禁止手段をとった。そして先月ナイジェリア政府はロバを殺すこと、輸出することを違法にした。この高騰はロバの皮を茹でて作ったゼラチンejiao(阿膠あきょう)の市場拡大による。中国伝統医学(TCM)でこれが止血、咳止め、抗がんに効く薬の成分とされるからだ。ここ数十年で中国の富裕層が増加したため需要が急増し、国内のロバが減アフリカに目を向けた。他の動物はさらに脅かされている。中国のTCM需要はトラ、サイ、タツノオトシゴ、センザンコウを絶滅の危機に追いやっている。こうした動物に由来する製剤が実際に有効だという根拠はほとんどない。TCMは立証されていない経絡と気の理論に基づく。ほとんどの西洋の教育を受けた医師や医学研究者はTCMを懐疑的に見ている:ほとんど根拠はなく一部は害がある。

中国政府のTCMへの態度は矛盾するもので、一方で根拠に基づいた医学への信念を広報しTCMの標準化や近代化に多額の資金を投資している。一方でTCMは巨大なビジネスとして政府の支援を受けている。その混合した信号がWHOICD-11に反映された。ICD-11は初めてTCMの章を設けた-先のWHO事務局長Margaret Chanが推進したおかげで。

世界中のTCMプラクティショナーがこれを歓迎し中国の新聞もTCMの国際化に大きな一歩と呼んだ。一方WHOには批判が寄せられている。

適切な試験が行われていない、害のある可能性のある医薬品とWHOが協力することは許容できない。

WHOが政治に負けている部分は結構ある。根拠は神農本草経に書いてあるというだけだったり・・現代の知識で読むと間違っていること多数なのに)

 

-中国は根拠のない細胞療法を売る計画を止めるよう強く求められる

China urged to abandon plan to sell unproven cell therapies

04 June 2019  David Cyranoski

https://www.nature.com/articles/d41586-019-01725-2

国際幹細胞団体がこの国の法案は患者をリスクに晒すという

中国の一部の病院で医薬品規制機関の承認無しに患者の細胞から作った細胞療法を売ることを認める法案をISSCRがキャンセルするよう求めた

(金儲け)

 

-慢性疲労の科学者がふるまいについての苦情で解雇、スタンフォードが言う

Scienceニュース

Chronic fatigue scientist fired after conduct complaints, Stanford says

By Meredith WadmanJun. 4, 2019

https://www.sciencemag.org/news/2019/06/chronic-fatigue-scientist-fired-after-conduct-complaints-stanford-says

スタンフォード大学医学部がトキソプラズマ症と慢性疲労症候群の研究で有名なJose Montoya530日解雇した。彼の行為に関する苦情を受けて外部及び内部のメンバーで調査を行った結果複数の大学の方針への違反が見つかったとし、これ以上は関係者のプライバシーを尊重してコメントしないという。