2019-07-05

[RIVM]レポート

-食品中ミネラルオイル;発生と発生源のレビュー

Mineral Oils in food; a review of occurrence and sources

04-07-2019

https://www.rivm.nl/publicaties/mineral-oils-in-food-review-of-occurrence-and-sources

現在知られている量にもとづき、オランダで健康への有害影響は予想されない

 

-土壌中の広範な鉛汚染についての知識の概要

An overview of knowledge concerning diffuse lead contamination in the soil

04-07-2019

https://www.rivm.nl/publicaties/kennisoverzicht-vraagstukken-diffuus-lood-in-bodem

本文オランダ語

最近発表された研究は土壌中の鉛はたとえ暴露量が少なくとも小さい子どもの健康リスク(IQの低さ)となりうることが確認された。さらに鉛へのより高濃度暴露は成人の健康問題にもつながる可能性がある。例としては腎不全や心血管系疾患がある。このため土壌中に鉛がある場所では暴露を減らす対策が重要である。

土壌の除染や掘削ができない地域では、人々に暴露量を減らす助言を提供する、例えば家の掃除をまめにする、乾燥した布ではなく濡れたモップを使うなど。効果的方法についての研究も必要である

 

-2018年の大企業での有害物質の関与する事故の解析

Analysis of incidents involving hazardous substances at large companies 2018

04-07-2019

https://www.rivm.nl/publicaties/analyse-van-incidenten-met-gevaarlijke-stoffen-bij-grote-bedrijven-2018

14件の事故があり12件は有害物質が放出され3件は火事になった。合計9人が傷害、8人は完全回復が見込めるが1人は火傷による後遺症が残った。

 

-15年間の事故の解析:2004-2015年の有害物質の関与する事故の原因、帰結、その他の特徴

Fifteen years of incident analysis : Causes, consequences, and other characteristics of incidents with hazardous substances during the 2004-2018 period

04-07-2019

https://www.rivm.nl/publicaties/vijftien-jaar-incidentanalyse-oorzaken-gevolgen-en-andere-kenmerken-van-incidenten-met

326件の事故を解析した。215人が傷害をうけそのうち5人が死亡。事故の数は有意に変化していない。60%は通常の作業中、20%がメンテナンス中の事故。

 

-オランダの2018年の食品関連病原体の疾病負担

Disease burden of food-related pathogens in the Netherlands, 2018

04-07-2019

https://www.rivm.nl/publicaties/disease-burden-of-food-related-pathogens-in-netherlands-2018

DALYs (Disability Adjusted Life Years)と cost-of-illness (COI)で評価

 

[COT]COTの2019年7月2日の会合

COT Meeting: 2 July 2019

https://cot.food.gov.uk/cot-meetings/cotmeets/2019/cot-meeting-2-july-2019

ペーパーがアップされている

・TOX 2019 - 32

カンナビジオール製品の有害影響の可能性についてのスコーピングペーパー

CBDについてかなり詳細な情報がまとめられている

・TOX 2019 -35

リスク評価における疫学と毒性学的根拠の統合に関するスコーピングペーパー

現状がよくまとまっている、今後ワーキンググループを作ってさらに検討?

・TOX 2019 - 36

アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK、スクラロース、ステビオール配糖体、ソルビトール、キシリトール

(アスパルテームだけramazziniに目の敵にされている様子が改めて浮き彫りになる。)

 

[PMRA]農薬製品情報データベース

Pesticide Product Information Database

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/consumer-product-safety/pesticides-pest-management/public/protecting-your-health-environment/public-registry.html#ppid

新バージョン公開。旧バージョンは2019年12月まで使える

 

[EU]ニュースレター

Health-EU Newsletter

04 July 2019

https://ec.europa.eu/health/eunewsletter/238/newsletter_en

・消費者安全に関する科学委員会は現在欧州委員会で進行中の内分泌撹乱物質に関する作業に必須の役割を果たしている

化粧品中の内分泌撹乱物質について。スクリーニングでは現在規制されていない候補物質としてベンゾフェノン-3、麹酸、4-メチルベンジリデンカンファー、プロピルパラベン、トリクロサン、レゾルシノールを同定している。さらに他の物質の候補を募り28物質を2群に分けた。そのうちグループAに分類されたものが優先順位の高い物質である。これらについて最初のデータ募集が現在行われている

(ゲニステインとダイゼインが含まれる。化粧品のホルモン活性禁止は面白い。豚胎盤エキスを喜んでいる人が多いのに)

 

Science

-ニュース一覧

Science  05 Jul 2019:Vol. 365, Issue 6448, pp. 10-11

ペイン(痛み)学会が活動停止

オピオイド裁判による財政圧力で米国痛み学会American Pain Society (APS)が活動停止。42年間、年次会合や基礎研究費の支援、The Journal of Painの発行などを行ってきたが近年オピオイド関連裁判の被告になり、製薬会社の手先として鎮痛剤の過剰処方に寄与したと非難されている

 

-遺伝子バイオハッキングの規制

Regulating genetic biohacking

Patricia J. Zettler et al.,

Science  05 Jul 2019:Vol. 365, Issue 6448, pp. 34-36

最近比較的簡単にゲノム編集技術が使えるようになったことから遺伝的「バイオハッキング」への関心が高まっている。科学の専門家や伝統的研究機関での遺伝子改変に関する規制は厳しいがバイオハッキングにはあまり注目されていない。実験室以外で遺伝子実験をする人達の動機は多様で複雑である。一部は「科学をする権利」があると信じ、他の人達は自分の身体の自律性に高い価値を見出し自己実現の表現とする。他に医療目的で高価な医薬品の代用のために使う。さらに既存の規制がダメで必要以上に遅く煩わしいと考えて反政府の感情に動かされる。多様な動機を反映してバイオハッキング実験も様々である。

これらによる公衆衛生上のリスクには既存の制度で対応できるものがあり、自主規制も望ましい

 

-海藻、あらゆるところに海藻

Seaweed, seaweed everywhere

James Gower, Stephanie King

Science  05 Jul 2019:Vol. 365, Issue 6448, pp. 27

ホンダワラ属の海藻がカリブ海と大西洋赤道北部にわたってひろがっている。

(「船の墓場」サルガッソー海。現代の船なら航行できるとのこと)

巨大大西洋ホンダワラベルト

The great Atlantic Sargassum belt

Mengqiu Wang et al.,

Science  05 Jul 2019:Vol. 365, Issue 6448, pp. 83-87