2019-07-08

[EFSA]意見

-食品及び飼料に利用する遺伝子組換えダイズMON 87708 × MON 89788 × A5547‐127の評価

Assessment of genetically modified soybean MON 87708 × MON 89788 × A5547‐127, for food and feed uses, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA‐GMO‐NL‐2016‐135)

5 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5733

ダイズMON 87708 × MON 89788 × A5547‐127(3イベントスタックダイズ)は3つのシングルイベントMON 87708、MON 89788 、A5547‐127の従来の交配で生産された。GMOパネルは以前にこの3つのシングルイベントを評価し、安全上の懸念を確認しなかった。元の結論やその安全性の改訂につながるような、シングルイベントに関する新たなデータは確認されていない。分子キャラクタリゼーション、比較分析(農学、表現型、組成特性)及び毒性学、アレルゲン性、栄養評価の結果から、シングルダイズイベントとこの3イベントスタックダイズに新たに表現されたタンパク質の組み合わせは食品と飼料の安全性や栄養学的懸念を生じないことが示された。この申請で述べられているように、この3イベントスタックダイズは、従来比較品や検査した非GM参照種と同様に安全で、栄養学的に等しいとGMOパネルは結論した。この3イベントスタックダイズ由来食品/飼料の栄養学的影響は、従来比較種や非GM参照種由来食品/飼料と同じだと予想される。この3イベントスタックダイズの生育能力のある種子が環境に偶然放出されても、環境の安全上の懸念は生じない。市販後環境モニタリング計画や報告間隔はこの3イベントスタックダイズの用途に従った。食品及び飼料の市販後モニタリングは必要とは考えなかった。GMOパネルはこの3イベントスタックダイズは、ヒトや動物の健康と環境に影響する可能性に関して、従来同等品や検査した非GM参照種と同様に安全だと結論した。

 

-食品添加物としての塩酸(E 507)、塩化カリウム(E 508)、塩化カルシウム(E 509)、塩化マグネシウム(E 511)の再評価

Re‐evaluation of hydrochloric acid (E 507), potassium chloride (E 508), calcium chloride (E 509) and magnesium chloride (E 511) as food additives

EFSA Journal 2019;17(7):5751  5 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5751

 

食品添加物と食品に添加される香料に関するパネル(FAF)は、食品添加物としての塩化物(E 507–509、E 511)の安全性を再評価する科学的意見を提出した。塩化物はEC規則No 1333/2008の付属書類II 及び IIIに従ってEUで認可されている食品添加物である。非ブランドロイヤルシナリオでは、食品添加物としての塩化物(E 507–509, E 511)への平均暴露量は、老人の2 mg/kg 体重 (bw) /日から幼児の42 mg/kg bw/日に及ぶ。暴露の95パーセンタイルは老人の5 mg/kg bw/日から幼児の71 mg/kg bw/日に及ぶ。塩化物は必須栄養素で、吸収後、臓器や組織に分布すされる。パネルは、塩化物は急性経口毒性が低く、遺伝毒性や発がん性に関する懸念はないと考えた。ラットの発達毒性試験で800 mg/kg bw /日で塩化マグネシウム六水和物を投与した後に、影響は報告されていない。いくつかの動物実験は血圧上昇における塩化物の役割を示唆したが、入手できる毒性学的データベースに基づき、パネルは安全上の懸念を生じない塩化物の摂取量を確認するにはヒトのデータがより適切だと考えた。パネルは、この評価の参照値としてヒトの用量40 mg塩化物/ kg bw /日を同定した。全ての年齢集団の平均暴露量はこの参照値以下で、安全上の懸念がないことを示している。いくつかのグループ(幼児、子供、青年)では、95パーセンタイル暴露推定量はわずかにこの参照値より上だった。パネルは、塩酸及び塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム(E 507、E 508、E 509、E 511)由来塩化物への暴露は報告された使用と使用量で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

[EFSA]ミツバチと農薬に関するガイダンス:作業計画を発表

Guidance on bees and pesticides: work plan published

5 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/190705

EFSAはEUにおける農薬とミツバチのリスク評価に関するガイダンスの見直しをどのように計画しているか概要を説明した。概要が示すように、加盟国の関係者と農薬専門家がこの過程を通して定期的に話し合う予定である。

初会合は今月末開始され、その際、関係者と加盟国の代表者が現在のガイダンス文書に関する意見を求めることになっている。

このガイダンスを改訂するために設定されたEFSAの様々な関係者コミュニティの代表からなる政策委員会が、関係者からのフィードバックを提出する予定である。加盟国はEFSAの既存の農薬運営ネットワークを通して話し合う。

2013年に発表された既存のガイダンスに関する見解の収集は、欧州委員会から受けた指令で強調されているようにEFSAのレビューにおける重要な第一歩である。フィードバックが集められ分析されると、EFSAの科学的作業グループはレビューを開始する。

この文書が起草されると、多くのパブリックコメント募集やワークショップが開催される。

・植物保護製品とミツバチのリスク評価に関するガイダンスの改訂の概要

Outline of the revision of the guidance on the risk assessment of plant protection products and bees

https://www.efsa.europa.eu/sites/default/files/event/Bee_Guidance_review_July2019.pdf

 

[EU]RASFF Week27-2019

警報通知(Alert Notifications)

中国産メラミン製カップからのメラミンの溶出(3.5 mg/kg)、中国産竹製ボウルからのホルムアルデヒド(295 mg/kg)及びメラミン(5.7 mg/kg)の溶出、ウガンダ産ドイツ経由チアシードのアフラトキシン(B1 = 3.3; Tot. = 7.4 µg/kg)、イタリア産原料スペイン産冷凍ヨシキリザメの水銀(1.5 mg/kg)、ポーランド産オイルドロップの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (18 mg/kg)、セルビア産ヒマワリ種子のアフラトキシン(B1 = 21; Tot. = 23 µg/kg)、英国産食品サプリメントの未承認物質ヨヒンビン及び1,3-ジメチルアミルアミン (DMAA)、イタリア産ポップコーン用有機トウモロコシのアフラトキシン(B1 = 15.8; Tot. = 16.6 µg/kg)、スペイン産CBD ハチミツの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (344 mg/kg)、オランダ産食品サプリメントの亜鉛高含有(8.770 g/100g)、イタリア産ダークチョコレートでコーティングした砂糖漬けオレンジピールの亜硫酸塩非表示(20.3 mg/kg)、ドイツ産未承認新規食品クソニンジン(Artemisia annua)、

注意喚起情報(information for attention)

米国産食品サプリメントの未承認物質ヨヒンビン及び1,3-ジメチルアミルアミン(DMAA)、イタリア産パーボイルド米の未承認物質トリシクラゾール(0.025 mg/kg)、イタリア産原料ベトナム産冷凍真空パックコツブイイダコの亜硫酸塩非表示(91 mg/kg)、産出国不明CBDオイルの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、ブルキナファソ産乾燥タイガーナッツのアフラトキシン(B1 = 186; Tot. = 326 µg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

ドイツ産未承認新規食品クソニンジン(Artemisia annua)、スウェーデン産原料米国産食品サプリメントの未承認新規食品成分methylliberine、産出国不明オランダ経由食品サプリメントの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、ドイツ産ヘンプオイルの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD) (6.23 %)、ポーランド産ラトビア経由缶入り鱈のキモのダイオキシン(26.7 pg WHO TEQ/g)、

通関拒否通知(Border Rejections)

スーダン産飼料用ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 41; Tot. = 47 µg/kg;B1 = 120; Tot. = 140 µg/kg;B1 = 140; Tot. = 160 µg/kg)、中国産バーベキューグリルからのニッケルの溶出(0.7 mg/kg)、インド産ドライチリのアフラトキシン(B1 = 15.6; Tot. = 15.9 µg/kg)、中国産香港で発送したナイロン製おたまからの一級芳香族アミンの溶出(0.04 mg/kg)、インド産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 15; Tot. = 17 µg/kg)、アルゼンチン産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 23; Tot. = 28 µg/kg;Tot. = 9.1 µg/kg;Tot. = 13 µg/kg;Tot. = 8.9 µg/kg;B1 = 17; Tot. = 25 µg/kg)、トルコ産レーズンのオクラトキシンA (26 µg/kg)、トルコ産生鮮ペッパーのクロルピリホス(0.092 mg/kg)及びホルメタネート(0.043 mg/kg)、エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン(B1 = 6.0 µg/kg)、トルコ産煎ったピスタチオのアフラトキシン(B1 = 16.2 µg/kg)、トルコ産ペッパーのクロルピリホス(0.208 mg/kg;0.127 mg/kg)、トルコ産ピスタチオナッツのアフラトキシン(B1 = 90.6; Tot. = 181.3 / B1 = 19.4; Tot. = 27.8 µg/kg)、

 

[EU]査察

-キプロス―農産物及び食品のPDO、PGI、TSG及び蒸留酒のGI

Cyprus―PDO, PGI and TSG for agricultural products and foodstuffs and GI of spirit drinks

19/06/2019

http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4140

2019年1月16~24日にキプロスで実施した、農作物と食品の原産地名称保護(PDO)、地理的表示保護(TSG)、伝統的特産品保護(TSG)および蒸留酒の地理的表示(GI)のためのEU品質構想に関するEU規則の実践についての公的管理システムや、トレーサビリティと表示に関する査察。概して、デザインされた管轄機関や十分教育を受けた職員を伴った、よく体系化された公的管理システムが整っている。常に通知されるわけではないが、生産者、加工業者、市販レベルでの公的管理は定期的に行われている。

 

-ブルガリア―動物由来食品、特に牛乳と乳製品

Bulgaria―Food of animal origin, in particular milk and milk products

18/06/2019

http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4142

2018年10月8~19日にブルガリアで実施した牛乳と乳製品の安全性に関する公的管理システムを評価するための査察。2015年の査察報告書の助言を扱うのに適した作業行動計画がデザインされ、牛乳加工施設の公的管理が改善された。国の管理データシステムに高性能の「ミルクモジュール」が導入され、前回の査察以降、牛乳検査の見落としで大幅に改善が示された。しかし、以前の査察ですでに注意されていたのだが、この「ミルクモジュール」で現在入手できるデータ検査から、関連するかなりのサンプルで指摘された脂肪量や氷点の追加の分析結果がまだ改ざん(希釈)されていることが立証された。

 

[BfR]抗生物質は限界?細菌はとっておいた薬にも耐性

Antibiotics at the limit? Bacteria defending themselves against reserve drugs

04.06.2019

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2019/19/antibiotics_at_the_limit__bacteria_defending_themselves_against_reserve_drugs-241309.html

抗生物質は細菌感染症に効果があるが、その戦いはますます困難になってきている。病院、植物保護製品、畜産農家で抗生物質を使用した結果、細菌は自分自身を守り始め、予備薬に対してすらますます耐性ができている。「他の細菌と同様に、抗菌剤耐性細菌は食品から移行することもある。グローバルな商品のやり取りの連携を通して、消費者保護はますます困難になっている。国際的なパートナーと共に、私達はこの分野で垣根を越えた研究や評価を強化していくつもりである。」とドイツ連邦リスク評価研究所所長Andreas Hensel教授は説明した。抗菌剤耐性細菌との闘いは科学雑誌BfR2GOの最新号のメインテーマである。

 

[BfR]植物保護製品:食品の残留物がより明確に

Plant protection products: More clarity about residues in food

20.06.2019

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2019/23/plant_protection_products__more_clarity_about_residues_in_food-241280.html

食品に含まれる植物保護製品の残留物はどの程度だろうか?ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、植物保護製品の持続可能な利用のための国家行動計画(NAP)の範囲内で設定された新たな方針値(ステータスインジケーター)を使って、消費者のためにより明確にしたいと考えている。この指標は食品からの植物保護製品残留物の総摂取量に関する情報を提供する。植物保護製品の有効成分に対して、低、中、高摂取量の3分類が必須になる。「消費者の安全性はリスクの識別に役立つインジケーターで強化される。それにより人々を保護する対策が取りやすくなり、政策にも役立つ。」とBfR長官Andreas Hensel教授は述べた。

(残留農薬モニタリング報告書に、現在MRL超過数や率が記載されているが今後ARfD超過数も記載されるように勧める。さらに食品全体からの農薬有効成分の摂取量を評価しそれを毒性学的規制値と比較した指標を導入する)

 

[NHS] 入院患者の5人中1人はアルコール関連の問題がある

1 in 5 hospital patients have alcohol-related problems

Thursday 4 July 2019

https://www.nhs.uk/news/lifestyle-and-exercise/1-5-hospital-patients-have-alcohol-related-problems/

様々なメディアが英国のアルコール問題の懸念に関する報道をしており、BBCとSunは入院患者の5人に1人が飲酒量の多い人だと報道する。

これは英国の病院の170万人の患者のうちアルコール関連の疾患の比率を調べた124の研究結果を集めたレビューによるものである。

疾患には、アルコール依存症、中毒、アルコール関連の精神あるいは行動問題及び肝臓や胃腸の疾患を含む。

全体として、アルコールにより引き起こされるこれらの問題は5人中1人の入院患者に影響がある。さらに10人中1人はアルコール依存と診断された。

しかし、個々の研究ごとに結果は多様で、全体として研究者はこれをとても質の低いエビデンスであると考えた。

有病率は、一般的な病棟よりも若い人及び救急外来あるいは精神保健背景の環境において高い傾向がある。

また、現在英国で5人に1人がアルコール乱用の問題があるという意味でもない。

入院患者での比率は、常に一般的な人よりも高い傾向にある。

それでもこの研究は病院の医療関係者が有害なアルコール摂取のリスクにある患者に気付き、彼らが必要な支援を確実に得られるようにする必要性を強調するだろう。

研究著者はまた入院患者のアルコール治療チームが有益であるかもしれないと示唆した。

 

[HK] 法令違反

-箱詰めタラが栄養表示規則に違反している

Boxed cod not in compliance with nutrition label rules

Friday, July 5, 2019

Boxed cod not in compliance with nutrition label rules

食品安全センターが検査したところ、英国産のタラにおいて、糖分が0.7g/100gという申告のところ、2.7g/100g検出であった。

 

-包装ココナッツキャンディが栄養表示規則に違反している

Prepackaged coconut candy in breach of food labelling regulations

Thursday, July 4, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190704_7524.html

食品安全センターが検査したところ、マレーシア産のココナッツキャンディにおいて、安息香酸が申告はなく、117ppm検出であった。

 

[TGA]未使用のオピオイド製品を返品すること

Return your unused opioids - resource kit

3 July 2019

https://www.tga.gov.au/publication/return-your-unused-opioids-resource-kit

TGAはオーストラリア市民に未使用のオピオイド製品を近くの薬局に返品するよう促している。

 

[TGA]健康製品の広告:広告上の安全性表示に関する規則

Advertising health products: Rules about safety claims in advertising

3 July 2019

https://www.tga.gov.au/advertising-health-products-rules-about-safety-claims-advertising

医療品広告規則(No.2)2018により、広告における医療品(医薬品及び医療機器を含む)が安全である、使用上健康被害は引き起こさない、あるいは副作用はないという表示が禁止される。

 

[ANSES]内分泌撹乱物質:現在の研究と将来展望についての科学会議

Endocrine disruptors: Scientific Conferences on current research work and future prospects

News of 04/07/2019

https://www.anses.fr/en/content/endocrine-disruptors-scientific-conferences-current-research-work-and-future-prospects-0

7月8日にフランス国立研究機関(ANR)が内分泌撹乱物質についての研究特集サイエンス・デーをオーガナイズする

 

[IARC]IARCモノグラフは夜間シフト労働の発がん性を評価

IARC Monographs evaluation of the carcinogenicity of night shift work

5 July 2019

https://www.iarc.fr/news-events/iarc-monographs-evaluation-of-the-carcinogenicity-of-night-shift-work/

The Lancet Oncologyに評価の結果の要約が発表された。

概日周期かく乱を伴うシフト労働については2007年にモノグラフで評価されている。今回の更新では暴露状況をより良く説明しヒトでのがん研究の根拠を反映するために「夜間シフト労働」という名称を選んだ。新しく質の高い疫学研究が多数入手できたために再評価した。

Q & A

結論はおそらくヒト発がん性 (Group 2A).

ヒトでの根拠は限定的、シフト労働と乳、前立腺、直腸、結腸のがんと正の関連が観察されている。動物実験では十分な根拠がある。他の実験でメカニズムに関する強い根拠がある(免疫抑制、慢性炎症、細胞増殖)。

夜間シフト労働はひろく行われていて概ね労働者の20%.割合が多いのは製造業、医療、小売り、サービス、輸送部門。

 

(もしも米国の弁護士が市民の健康のためを考えて裁判をおこしているのなら、グリホサートよりはるかに該当者が多いので、これを根拠に莫大な数のがん訴訟がおこるはずだが)

 

[Codex]執行委員会は戦略計画を完成し科学の役割についての重要な議論に直面

Executive Committee completes strategic plan and faces key discussions on the role of science

05/07/2019

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1200924/

2019年7月8-12日のコーデックス総会を前に、CCEXECからの助言にはコーデックス2020-2025戦略計画の最終案と基準を設定するにあたっての科学の役割の議論への道筋を含む。

CCEXECは過去12か月2020-2025の計画をたてることを中心課題にしてきた

またコーデックスでもっともチャレンジングな問題についても議論していて、「科学の役割についての基本原則に関する声明」についての議論をどう開始するのがベストなのかについて検討している。これはコーデックス委員会の議長が、コーデックス基準を支持する科学については合意があるがそれ以外の部分で見解が異なる場合にどう会議をすすめるのかについて、である。議論の中心は牛ソマトトロピンとラクトパミンのような成長促進物質について投票があった1991年以降の7回の機会である。コーデックスでの投票はしばしば対立とみなされる

 

論文

-自殺の新しい方法:インターネットでCerbera odollam(ミフクラギ)種子を入手して繰り返す強心配糖体中毒

Novel methods of self-poisoning: repeated cardenolide poisoning after accessing Cerbera odollam seeds via the internet

Henry Fok et al., Clinical Toxicology  Volume 56, 2018 - Issue 4

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/15563650.2017.1369543

インターネットで有毒であることを知って入手して自殺に使った事例の報告。英国

 

-お菓子業界従業員に生じた滑石肺を伴う肺腺がんの症例

A case of lung adenocarcinoma complicated by pulmonary talcosis occurring in a patient employed in the confectionery industry.

Kobayashi K  et al., Pathol Int. 2019 Apr;69(4):229-234

岐阜大。20年異常製菓企業に勤めた73才日本人男性の症例。滑石の正体はタルクと考えられた

 

-多形性紅斑の原因として疑われるナチュラル成分からなるダイエタリーサプリメント:症例報告とリンパ球トランスフォーメーション試験偽陽性確信の同定

Dietary supplement product composed of natural ingredients as a suspected cause of erythema multiforme: A case report and identification for the confident false positivity of lymphocyte transformation test.

Utsunomiya N, et al., J Dermatol. 2019 Mar;46(3):234-239. doi: 10.1111/1346-8138.14739

ユーグレナ含有製品による多形性紅斑が疑われた事例の報告。さらにLLTアッセイではミドリムシ、アンゼリカ、大麦若葉、クロレラは非特異的リンパ球増殖活性のため陽性率が高く診断の補助には使えない。

 

-アラスカクルーズの普通でない合併症:既存の枠に囚われずに考える

Unusual complication of an Alaskan cruise: thinking outside the box

Deepti Bhandare and Rupam Ruchi

https://casereports.bmj.com/content/12/2/e227727.long

高血圧と糖尿病の既往症の69才の男性が、14日間のアラスカのクルーズから戻ってきて精神状態に異常があった。脳卒中を調べたがネガティブで身体は正常、しかし感覚異常と記憶喪失があった。彼はアラスカでたくさんの魚を食べたことを認め、血中水銀濃度が高かった。保存的管理で数日で症状が完全に無くなった。診断は有機水銀中毒。

(むしろバイオトキシンではないかと思うのだが・・・)

 

-適量飲酒の変化と人生の質:2つの集団ベースのコホートからの根拠

Change in moderate alcohol consumption and quality of life: evidence from 2 population-based cohorts

Xiaoxin I. Yao et al., CMAJ July 08, 2019 191 (27) E753-E760

http://www.cmaj.ca/content/191/27/E753

香港FAMILYコホートの10386人の精神衛生が、飲酒を止めた女性のほうが生涯飲まない場合より良かった。この関連は米国人コホートNESARCでも確認された。試験開始時には最も精神衛生が良かったのは飲まない人で、適量飲酒が健康によいという説は否定された

 

-G20大阪:グローバルヘルスコミュニティが認識されるのはいつ?

G20 Osaka: when will global health commitments be realised?

Lancet

Editorial|Volume 394, ISSUE 10192, P1, July 06, 2019

G20サミットでは貿易を巡る緊張、気候変動、リベラリズムの価値すら話題になったが健康に関する議論は主流メディアの見出しにならず、実際あまり進歩していない。

 

その他

-ミネラルウォーターのヒ素の件

発端はConsumer ReportsでCenter for Environmental Health(カリフォルニアのNGO)も続いたらしい

新しい検査でWhole Foods、Dr Pepperのボトル入り水のヒ素濃度が高いことを発見

New Testing Finds High Levels of Arsenic in Bottled Water Owned by Whole Foods, Dr Pepper

June 18, 2019

https://www.ceh.org/news-events/press-releases/content/new-testing-finds-high-levels-arsenic-bottled-water-owned-whole-foods-dr-pepper/

Prop 65による健康警告レベル以上のヒ素を含むという法的通知を送付した

CEHの発見は最近のコンシューマーレポートの報告を確認したものでPenafielはヒ素濃度が高いことがもう何年もわかっていた。

(濃度記載無し)

 

Consumer Reports

一部のボトル入り水ブランドに安全でない量のヒ素、Consumer Reportsがいう

Arsenic in Some Bottled Water Brands at Unsafe Levels, Consumer Reports Says

By Ryan Felton

Last updated: June 28, 2019  originally published on April 18, 2019

https://www.consumerreports.org/water-quality/arsenic-in-some-bottled-water-brands-at-unsafe-levels

現在の連邦規制値は10 ppb(WHO水道水基準と同じ)だがCRは3 ppbを要望

CRは130のブランド中11ブランドで検出可能な濃度のヒ素を検出、そのうち6ブランドで3ppb以上を検出

Peñafielは17 ppbという値を報告 

Whole FoodsのStarkeyは9.48~ 9.86 ppb 、10.1 ppb

なおヒ素が検出された水のブランドにはCrystal Geyser (3.8 ppb )、Volvic (4 ppb)が含まれる

(安全性でも費用でも環境負荷でも日本なら水道水がベスト。)

 

-オーストリアの立法者が除草剤グリホサートを禁止する投票

Austrian lawmakers vote to ban weed killer glyphosate

July 3, 2019 CNN

https://edition.cnn.com/2019/07/03/health/austria-glyphosate-ban-weed-killer-bayer-intl/index.html

オーストリアの立法者がグリホサートの使用を全て禁止することに投票した。この法案を提出したオーストリア社会民主党党首のPamela Rendi-Wagnerが「この植物毒素の発がん影響についての科学的根拠は増えている」という。「発がん性が疑われる植物の毒は単純にもう使うべきではない」とCNNの取材にメールで述べている。さらに「欧州の全ての国がオーストリアに従うことを希望する」と付け加えた。この法案は来週再び上院で投票にかけられるが通過すると予想される。もし成立すれば2020年1月に発効するだろう。「2020年からグリホサートを禁止するとオーストリアはEU最初の国になる」とRendi-Wagnerは言う。しかし禁止はEU法に違反するだろう、なぜならグリホサートはEUでは2022年12月まで使用できるので。

(オーストリアはもともとオーガニック農家が欧州で一番多い・・といっても2割未満らしいが。生産量より販売量が多いのでどこからか買ってるわけだが。値段は2倍以上のものもある。http://www.fao.org/3/y1669e/y1669e05.htm

 

-男性がカフェイン中毒で死亡し彼の家族は悲しみの緊急警告

Man’s freak death from caffeine toxicity sparks urgent warning from his devastated family

Shannon Molloy

https://www.news.com.au/lifestyle/health/health-problems/mans-freak-death-from-caffeine-toxicity-sparks-urgent-warning-from-his-devastated-family/news-story/9d96f2d0f7c1e13d7d0cdaa1f46795bd

ニューサウスウェールズの21才の男性が浴室で倒れて死亡した。先週の検視の結果プロテインシェーキに大量に入れたカフェインによる中毒とされた。粉末のカフェインはフィットネス界隈で流行していてプロテインシェーキや健康ドリンクに加えられている。粉末の入手先は不明だが、誰かにわけてもらった可能性が高い。彼が死亡した夜の最後のフェイスブックの投稿はプロテインシェーキが苦いということに言及していた