2019-07-09

[EU]査察

フランス-すぐに喫食可能な食品の生産に関する公的管理評価

France―Assess the official controls on the production of ready-to-eat food

27/06/2019

http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4143

201891021日にフランスで実施した、すぐに喫食可能な食品に適用できるEU食品衛生条件を遵守する協定を評価するための査察。動物由来のすぐに喫食可能な食品の生産施設の公的管理は大部分が包括的な手順に従って適切に組織、実行されている。管理は違法の確認には効果的だが、フォローアップや法執行には効果的ではない。特定分野の管理対象が違法の検出を妨げる場合もあり、広範な教育や支援の必要性への対処にも課題がある。管轄機関、食品企業経営者、消費者に向けた、コンプライアンスを促進し、食品由来アウトブレイクを減らすための手段は整った。

 

[EFSA]意見等

-食品及び飼料として使用する遺伝子組換えトウモロコシMON 87427 × MON 89034 × MIR162 × NK603とそのサブコンビネーションの評価

Assessment of genetically modified maize MON 87427 × MON 89034 × MIR162 × NK603 and subcombinations, for food and feed uses, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSAGMONL2016131)

EFSA Journal 2019;17(7):5734 8 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5734

トウモロコシMON 87427 × MON 89034 × MIR162 × NK603(4イベントスタックトウモロコシ)4つのシングルイベントMON 87427MON 89034MIR162NK603の従来の交配で生産された。GMOパネルは以前にこの4つのシングルイベントを評価し、そのサブコンビネーションの4つは安全上の懸念を確認しなかった。元の結論の安全性を変更するような、シングルトウモロコシイベントやその4つのサブコンビネーションに関する新たなデータは確認されていない。分子キャラクタリゼーション、比較分析(農学、表現型、組成特性)及び毒性学、アレルゲン性、栄養評価の結果から、シングルトウモロコシイベントやこの4イベントスタックトウモロコシに新たに表現されたタンパク質の組み合わせは、食品と飼料の安全性や栄養学的懸念を生じないことが示された。この申請で述べられているように、この4イベントスタックトウモロコシは、非GM比較品や検査した非GM参照種と同様に安全で、栄養学的に等しいとGMOパネルは結論した。この4イベントスタックトウモロコシの生育能力のある種子が環境に偶然放出されても、環境の安全上の懸念は生じない。GMOパネルは以前評価しなかったこの6つのトウモロコシサブコンビネーションのシングルイベント間の相互作用の可能性を評価し、このシングルイベント、以前評価したサブコンビネーション、この4イベントスタックトウモロコシと同様に安全で栄養学的に等しいことが予想されると結論した。市販後環境モニタリング計画や報告間隔はこの4イベントスタックトウモロコシの用途に従った。食品/ 飼料の市販後モニタリングは必要とは考えなかった。GMOパネルは、この4イベントスタックトウモロコシは、ヒトや動物の健康と環境に影響する可能性に関して、非GM比較品や検査した非GM参照種と同様に安全だと結論した。

 

-生態毒性学において一般的に繰り返される問題に関する農薬ピアレビュー会議の結果

Outcome of the Pesticides Peer Review Meeting on general recurring issues in ecotoxicology

EFSA Supporting publication 2019:EN-1673  8 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1673

鳥類、哺乳類、水生生物、非対象節足動物、土壌生物のリスク評価に関する一般的な問題と特定問題を確認し話し合った。この議題に関する結論と助言が出された。

 

[ANSES]食用植物と有毒植物:採集時の混乱を避ける

Edible and toxic plants: avoid confusion when picking

01/07/2019

https://www.anses.fr/en/content/edible-and-toxic-plants-avoid-confusion-when-picking

死亡事例2件を含む数件の重症中毒の報告を受けて、ANSESと中毒管理センターネットワークは紛らわしい有毒植物と食用植物のリスクに注目している。ANSESは一層警戒するよう呼び掛けており、中毒リスクを避けるよう忠告している。

有毒植物には食用植物と似ているものがあるため、その2つは野生だけでなく庭や野菜畑でも混同されることがある。ANSESは食用の植物採集に危険がないわけではないと指摘している。食用植物と有毒植物の取り違えによる死亡事例を受けて、ANSESはよく似た植物に関するすべての中毒事例をレビューし、予防対策を進めるために中毒管理センターと協力している。

食用植物と有毒植物の取り違えに関する最近の重症中毒事例

20196月に、63歳の男性が庭で栽培し採集した根パセリと混同して、ドクゼリ(またはセリ)を食べた後に亡くなった。中毒管理センターは2012年から2019年の間に、ドクゼリを食用植物と混同した他の15件の事例を記録している。

2018年には、男性が散歩中にトリカブトの葉を採って食べた後になくなった。彼は、普段は葉をサラダで食べる縞模様のセリ(Molopospermum peloponnesiacum)とこの非常に有毒な植物を混同した。

去年の5月、中毒管理センターがイヌサフラン(Colchicum autumnale)とラムソン (Allium ursinum)あるいは多年生ネギ(Allium polyanthum)を混同した20件の中毒事例を報告した後に、フランス東部地域保健局が警告を発した。

植物の混同事例は毎年250件以上

2012年以降、ANSESは中毒管理センターからの報告を集めるトキシコビジランス計画を通して年間250件以上の植物の取り違え事例を記録してきた。2012年から2018年の間に、全体では1,872事例の植物の取り違えが記載された。6歳以下の子供を含む全年齢層が関わっていた。

取り違え事例はあらゆる種類の植物に関係している。季節によって、花、球根、種子、果実、根、葉などが含まれる可能性がある。ANSESは最も頻繁に混同される、および/または最も重症な中毒事例を引き起こす植物のリストを作成した。そのリストには、球根植物をタマネギ・ニンニク・エシャロットに、トチノキをクリ、コロシントウリあるいは非食用カボチャを食用カボチャ、cuckoo pint(テンナンショウ科の植物)をスイバあるいはホウレンソウ、に間違われる事例が含まれている。

最も一般的な症状は消化器疾患胃痛、吐き気、嘔吐、下痢である。コロシントウリなどの植物の事例では重症になることがある。心疾患や神経疾患、命取りになる可能性もあり、より重症な症状を起こす植物もある。これは、例えば、クリスマスローズ(シロバイケイソウ)をゲンチアナに、ベラドンナをブドウ、ジギタリスをコンフリーと間違えた時に起こりうる。

有毒植物を避けるための助言

取り違えによる植物の中毒リスクを制限するために、ANSESと中毒管理センターは多くの助言を発表している。

・正体に疑問がある場合、採集した植物を食べてはいけない。

・変わった、または不快な味がしたら、すぐにその植物を食べるのをやめること。

・腕一杯に植物を採集してはいけない。有毒種と食用種を混ぜてしまう恐れがあるので異なる種類の植物を一緒に集めないようにすること。

・中毒の場合には確認しやすくするために採集した植物の写真を撮ること。

 

[PHE]ベビーフード業界はより良い製品と明確な表示が必要

Baby food industry needs better products and clearer labelling

27 June 2019

https://www.gov.uk/government/news/baby-food-industry-needs-better-products-and-clearer-labelling

PHEは市販の36か月までの子ども用の食品と飲料のエビデンスレビューを発表した

その結果国の乳児向けの食事助言と市販品の提示方法に明確な不一致があった:

・一部の食品は健康的スナックと宣伝されているが砂糖含量が最も多い部類に

・甘いおやつが勧められている

・公的助言で勧めているより早く固形食を導入するよう宣伝したり誤解を招く表示がある

・一部の製品の名称は成分のバランスを反映していない

・必ずしも明確な与え方を示していない

おやつが市場全体の1/3以上を占め、砂糖含量が最も多いものが加工乾燥果物おやつで、それは子どものおやつとして販売されるべきではない

(赤ちゃんが自分の手で食べる(フィンガーフード)ことを推奨しているためドライフルーツ(砂糖漬け)が流行しているっぽい)

 

[ProMED]原因不明の死亡 ドミニカ共和国(第5報)旅行者、リゾート

Undiagnosed deaths - Dominican Republic (05) travelers, resorts

2019-07-08

http://www.promedmail.org/post/6557797

Date: 26 Jun 2019 Source: VOX [edited]

ドミニカでの旅行者の死亡が旅行者の間で懸念を引き起こしている。これまでの10人のアメリカ人の死亡に関連があるのかはわかっていない。さらに一ダース以上の旅行者がドミニカ共和国に休暇ででかけて重症になったという。ドミニカ旅行大臣はこれらの死亡は自然死だという。しかし地元及び米連邦当局は調査を行っている

(以下略、疑い物質のなかにメタノールも出てきたがまだよくわからない)

 

[ASA]健康:有名人と医療専門家

Health: Celebrities and health professionals

| Advice online  | 03 Jul 2019

https://www.asa.org.uk/advice-online/health-celebrities-and-health-professionals.html

注:この助言は非放送広告についてのCAP幹部からのものである。法的助言ではない。

医療及び医療的クレームはMHRAVMDあるいはEMAが認可した医療用品だけにできる。処方薬は一般向けに宣伝できない。さらに医療の専門家やセレブは医薬品の保証目的で広告に使ってはならない。

配役には注意すること。

医療の専門家や有名人による保証は過度な訴求を与えるものとみなされる

 

[IARC]IARCMutographsプロジェクト年次会合を主催

IARC hosts annual meeting of Mutographs project  

8 July 2019

https://www.iarc.fr/news-events/iarc-hosts-annual-meeting-of-mutographs-project/

2019711-12日、IARCの遺伝学部門がMutographsプロジェクト年次会合を主催する。

Mutographsプロジェクトは5大陸にわたる異なるがんの原因を遺伝子変異研究から理解することを目指す。がんの遺伝子変異指紋とがんの原因を結びつけ、異なる地域のがんの違いを理解する試みである

 

[Codex]コーデックス基準とガイドラインは人々の健康的な食生活と安全な食品を確保するために重要

Codex standards and guidelines critical in ensuring people have healthy diets and safe food

08/07/2019

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1201057/

201978-12日の第42回コーデックス総会において各国代表を歓迎してTedros Adhanom Ghebreyesus WHO事務局長が「56年にわたって、コーデックス委員会は消費者の健康を守り食品取引における公正を確保するために必須の役割を果たしてきた」と述べた。

(以下略)

 

論文

-大麻合法化は十代の使用にどう関連するか?

How is marijuana legalization associated with teen use?

8-Jul-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/jn-him070519.php

JAMA Pediatricsに発表された研究によると医療用大麻の法律は影響がないが娯楽用大麻の合法化は大麻使用低下と関連するようだ。これは薬物のディーラーが資格のある販売店になることで十代にとっては入手が困難になったためかもしれない。

 

-栄養サプリメントと食事は必ずしも保護的ではない、ウエストバージニア大学の研究が示唆

Nutritional supplements and diets not always protective, WVU research suggests

8-Jul-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/wvu-nsa070819.php

Annals of Internal Medicineに発表された277RCTを解析したアンブレラレビュー。16の栄養サプリメントについては利益があるように見えるのは葉酸とオメガ3の二つだけで、食事法については利益があるのは減塩だけだった。

 

-遺伝子検査は心理社会学的リスクとなるか?

Does genetic testing pose psychosocial risks?

8-Jul-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/thc-dgt070819.php

Hastingsセンターが出版した特別報告書は幾分かの害を明らかにしたが、「どんな場合にもあてはまる」答えを得るにはあまりにも変数が多すぎる

20182月にコロンビア大学で「遺伝情報の心理社会学的影響を探る」と題した会議が開催されその成果物としての報告書。三部からなり、第一部では現在の患者への遺伝情報伝達の影響を巡る研究の議論の歴史的社会的文脈を検討する。第二部では心理社会的に大きな害があることを疑う研究を紹介、第三部では害を支持する研究を紹介する。平均すると、それを望んだ人が単一遺伝子についての情報を与えられることによる大きな負の心理社会的影響はないが、単に情報目的で検査した人には幾分かの負の影響があり同様に全ての人にとっても幾分かの負の影響はあると予想されるだろう。まだ膨大な量の学ぶべきことがある。

 

SMC UK

栄養サプリメントと食事介入と心疾患と死亡を調べた論文への専門家の反応

expert reaction to paper looking at nutritional supplements and dietary interventions, and heart disease and death

July 8, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-paper-looking-at-nutritional-supplements-and-dietary-interventions-and-heart-disease-and-death/

Annals of Internal Medicineに発表された研究が栄養サプリメントや食事介入で心血管系疾患や死亡から保護するものはわずかしかなく、一部は害があると報告する

英国心臓財団上級栄養士Victoria Taylor

これはRCTのレビューで、RCTのみで地中海食のような食事介入の全体像を描くのは難しい。医薬品の試験と違って食事介入は実施するのが困難で介入のやり方や定義も異なる。また何千人もの人を何年にも渡って注意深くコントロールされた食生活をさせる研究は不可能だろう。英国の食事ガイドラインは、病気予防のための最良の方法を提供するために全ての根拠の独立したレビューに基づいている。

オックスフォード大学食事と集団の健康教授Susan Jebb教授

このレビューは栄養サプリメントについては利点が見つからないというこれまでの研究の大勢を再確認した。しかし食事介入については根拠の全体を反映していない。

(長い反論略。食事ガイドラインを捨てるべきではない)

NHS栄養士Catherine Collins RD FBDA

(長いので一部のみ)

著者らが同定した最も驚くべき食事の影響は減塩が心血管系疾患と総死亡の両方を減らすことだろう。もとになっら情報源の2014年のAdlerらのコクランレビューで減塩が心血管系疾患と総死亡の両方に有意な影響がなかったにも関わらず。著者らはその矛盾の理由をリスク計算に用いた統計手法の違いだと説明しているが、このプロセスは食事に関する研究を明確にするというより混乱させるだろう。

人間は長生きするのである一定期間のRCTから長期介入の影響を決めるのは妥当ではないだろう。専門家として、私は食事研究のアンブレラレビューはペンキ塗り用の刷毛を使って名画を描こうとしているようなものだと思う-力強い刷毛捌きは印象的かもしれないニュアンスや細部は失われる。

 

HPV予防接種、予防できるがんのモデル予想、9月に男の子にも予防接種導入、についての専門家の反応

expert reaction to HPV vaccine, modelling of cancer prevention, and introduction in September of vaccine programme for boys

July 9, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-hpv-vaccine-modelling-of-cancer-prevention-and-introduction-in-september-of-vaccine-programme-for-boys/

PHEが少年にもHPVワクチンを提供する計画を発表した。これはHPVワクチン計画で2058年までに10万以上のがん予防につながるだろうという推定による。

以下7件の専門家の意見、全て歓迎、若干の疑問は費用対効果の推定値