[FDA]FDAは「妊娠中又は妊娠するかもしれない女性、授乳中の母親、小さい子どものための魚を食べることについての助言」改訂版を発表
FDA Issues Revised “Advice about Eating Fish for Women Who Are or Might Become Pregnant, Breastfeeding Mothers, and Young Children”
July 2, 2019
2017年1月にFDAと米国環境保護庁(EPA)が合同で発表した魚食に関する助言を改訂した。助言の内容(食べることが勧められる魚貝類の種類や量)に変更はないが、2015-2020アメリカ人のための食事ガイドラインの勧告を反映し、魚に含まれる栄養素が果たす胎児や小さい子供の成長や発達への重要な役割と魚食による健康への利益についての説明を追加した。
2015-2020アメリカ人のための食事ガイドラインは2才以上の国民に向けた助言であり、成人には2,000カロリーの食事につき1週間に少なくとも8オンスの水産物を食べることを(小さい子供はより少なく)、妊婦及び授乳婦には水銀濃度が低い魚を1週間に2、3食(8~12オンス)食べることを勧めている。しかし、実際にはそれよりも魚食量が少なく、妊婦の20%以上が前の月に魚を全く食べておらず、食べていても1週間に2オンスに満たないことがデータで示されている。
*Advice about Eating Fish
https://www.fda.gov/food/consumers/advice-about-eating-fish
(改訂による追加内容を抜粋)
-妊娠中及び授乳中に魚を食べることは健康への利益がある-
魚や他のタンパク質が豊富な食品は子供の成長や発達を助ける栄養素を含む。健康的な食事パターンの一部として、魚食は心臓の健康に利益をもたらし、肥満リスクを下げる。
<魚の栄養価>
2015-2020アメリカ人のための食事ガイドラインの勧告
2,000カロリーの食事につき1週間に少なくとも8オンスの水産物を食べること(小さい子供はより少なく)
妊婦及び授乳婦は水銀濃度が低い魚を選んで1週間に8~12オンス食べること
魚は健康的な食事パターンの一部となり次の栄養素を提供する
タンパク質
健康的なオメガ3脂肪(DHA、EPA)
その他の食品よりも豊富なビタミンB12とビタミンD
乳児、小さい子供、妊婦、妊娠可能な女性にとって重要な鉄
セレン、亜鉛、ヨウ素などのその他のミネラル
[FDA]FDAの新しい歴史展示で過去から未来を考える
Forward Into the Past With FDA’s New History Exhibit
By Ned Sharpless, M.D., Acting Commissioner
「毒小隊」からAIDS運動まで、FDAの新しい歴史展示はFDAの過去に命を与え将来の仕事にヒントを与える
新しい展示のタイトルは“私達の物語Our Story”で、FDAの長い歴史におけるたくさんの注目すべき成果を含む
歴史を理解することは将来を考えるのに役立つ
過去の英雄は我々の現在の責任を強化する
FDAの歴史は患者と消費者の健康である
[FDA]緊急時の前とあいだと後に、あなたのペットを守る計画と準備をして守る
Plan, Prepare and Protect Your Pet Before, During and After an Emergency
06/28/2019
少なくとも1週間分の餌と水、予防接種記録のコピー、いなくなったときに探すために写真などを準備
馬や魚などは難題
[FDA]FDAは塩化カリウムの別名に関するガイダンスの意見募集期間を延長
FDA Extends Comment Period on Guidance Regarding Alternative Name of Potassium Chloride
July 9, 2019
2019年9月17日まで60日間延長
[NIH]Dr. Linda Birnbaum退職についての声明
Statement on the retirement of Dr. Linda Birnbaum
July 9, 2019
NIEHS 所長初の女性で10年半努めた。2019年10月3日に退職予定
次の所長が決まるまでRichard P. Woychik副所長が所長代理
[FSANZ]オーストラリアトータルダイエットスタディは食品供給の安全性を示す
Australian Total Diet Study demonstrates safety of the food supply
30/06/2019
FSANZ最高責任者(CEO)であるMark Booth氏は、本日発表された第25回オーストラリアトータルダイエットスタディ(ATDS)の結果により、オーストラリアの食品供給の安全性が再び示されたと述べている。Booth氏は、88の食品が、226の農薬・動物用医薬品(化学物質)及び4つの金属(ヒ素、カドミウム、鉛および水銀)について試験され、「農薬および動物用医薬品の濃度は一般的に非常に低く、大部分のサンプルには検出可能な残留物はなかった」と述べた。
-報告書:25th Australian Total Diet Study
https://www.foodstandards.gov.au/publications/Pages/25th-Australian-Total-Diet-Study.aspx
2013年5月と2014年2月にオーストラリア全土から88食品がサンプリングされ、226の農薬・動物用医薬品(化学物質)と4つの金属が測定された。
農薬・動物用医薬品
1つを除くすべての化学物質において、食事による推定暴露量は関連する許容一日摂取量(ADI)を下回っており、公衆衛生上及び安全上の懸念はないことを示している。しかしながら、食用ブドウにおけるいくつかの検出結果から、有機リン系殺虫剤プロチオホスへの推定食事暴露は、2~5歳と6~12歳の平均的な消費者でADIを超えた。2歳以上の人口サブグループの消費者ではすべて暴露の90パーセンタイルでADIを超えた。FSANZは、これらの結果をオーストラリアの農薬・動物用医薬品の使用を規制するAPVMAに通知した。その後APVMAは業界との協議し、業界は自主的にプロチオホスの使用方法をオーストラリア消費者のリスクが許容範囲内になるよう変更した(具体的にはブドウへの使用認可を取り下げた)
金属汚染物質
多くの金属汚染は環境中に自然に発生するため、食事暴露はまず避けられない。Food Standards Codeは、公衆衛生と安全を守るため、暴露量が合理的に達成可能な限り低く(ALARA)保たれるよう、食事暴露の主な原因となる特定品目においてこれらの汚染物質を制限している。金属汚染物質に関する結果は、国の規制基準と高い精度で一致しており、概ね以前のATDS調査および国際的に決定された濃度と比較して低いか同等であった。
ヒ素
ヒ素及び無機ヒ素への推定食事暴露は、国際的に報告されたレベルと一致するか、それより低かった。無機ヒ素の食事暴露に主に寄与しているのは、コメ及びコメ製品、魚及び頭足類や鮨を含む水産食品、乳児用穀類製品である。無機ヒ素への食事暴露量は健康への有害影響に関連するレベル以下であると決定された。分析上の限界及び毒性データにおける不確実性から、FSANZは食事暴露および消費者への潜在的なリスクを完全に理解するためには、さらなるデータが必要であると考えている。
カドミウム
カドミウムへの推定食事暴露量は、国際的な推定値と一致しており、多くの場合それより低かった。暴露量を暫定耐容月間摂取量(PTMI)と比較したところ、オーストラリアの消費者にとって公衆衛生上及び安全上の懸念はないと判断された。生後9ヶ月の乳児で暴露の90パーセンタイルでわずかな超過が見られたが、この一時的な超過は非常に保守的な評価方法によるものであり、またカドミウムの健康への影響は長年にわたる高レベルの長期暴露のみ関連することから、問題とは考えていない。
鉛
オーストラリアの消費者の鉛への推定食事暴露量は、国際的な推定値と一致、あるいは低かった。 MOEアプローチを用いてヒト集団への影響を分析した結果、ほとんどのオーストラリアの消費者にとって、鉛への食事暴露は、健康への有害影響を引き起こす危険性がごくわずかであることがわかっているレベルよりも低かった。このことから、オーストラリア消費者のリスクは受け入れられる程度に低いと考えている。
水銀
無機水銀への推定食事暴露量を暫定耐容週間摂取量(PTWI)と比較したところ、オーストラリアの消費者にとって公衆衛生上および安全上の懸念はないと判断された。生後9ヶ月の乳児における暴露の90パーセンタイルで超過が見られたが、この一時的な超過は、非常に保守的な評価方法であることと、健康影響は長年にわたる高レベルの長期暴露によるという性質から、問題とは考えていない。また無機水銀への推定食事暴露量は国際的科学文献に報告されたレベルとも一致していた。
魚の摂取によるメチル水銀への推定食事暴露量はほとんどの年齢層でPTWIを下回ったが、2~5歳の平均および90パーセンタイルの高摂取グループでPTWIを超えた。最も暴露への感受性が高い出産年齢の女性ではPTWIを下回っていた。幼児期におけるPTWIの一時的な超過の意義は明らかではないが、小児における魚の摂取によるメチル水銀暴露リスクは、脳と目の発達に不可欠はオメガ3脂肪酸による健康への利益と相殺される。全体として、妊婦を含む大多数のオーストラリア消費者にとって、食事によるメチル水銀暴露は許容範囲内である。2~5歳の小児におけるPTWIの一時的な超過は、魚の摂取による既知の健康上の利益に照らして考慮されるべきである。
FSANZは引き続き、農薬・動物用医薬品と金属汚染物質に関する国際的な評価および規制活動をモニターし、それに貢献していく。この作業は、FSANZが現在行っている魚中の水銀のレビュー作業及びヒ素、カドミウム、鉛に関する将来の規制を考える上で役立つだろう。これらの物質は多くの食品において低濃度で検出されるが、魚介類などの特定の品目が食事暴露に大きく寄与することが分かっている。これらの物質への食事暴露を減らすために、消費者はバランスの取れた食事をとるなどの良い食事習慣に従うことを奨励する。
[FAO]今後10年、農業生産増加は食糧価格を低く維持し続けるだろうが多くの不確実性がある
Agricultural output growth to keep food prices low over the coming decade, but many uncertainties are ahead
8 July 2019,
http://www.fao.org/news/story/en/item/1200877/icode/
OECD-FAO 農業展望Agriculture Outlook年次報告書発表
論文
-依存や痛みの治療に使われているハーブサプリメントは安全でないことが研究者によって発見された
Herbal supplement used to treat addiction and pain found unsafe by researchers
9-Jul-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/bu-hsu070819.php
Pharmacotherapyに発表されたクラトム使用による中毒情報を解析した報告
2312のクラトム暴露報告があり935件はクラトムのみで主な症状は興奮、頻脈、眠気、嘔吐、錯乱。重大影響としては発作、離脱症状、幻覚、呼吸抑制、昏睡、心停止あるいは呼吸停止である
-自己破壊する蚊や不妊ネズミ:ジーンドライブの約束
Self-destructing mosquitoes and sterilized rodents: the promise of gene drives
09 July 2019 Megan Scudellari
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02087-5
全動物集団のゲノムを変えることは病気に打ち克ち害虫をコントロールするのに役立つ可能性があるが、研究者はこの新しい技術を解放することの帰結を心配する
ジーンドライブは作動するのだろうか?
他に何に使えるだろうか?
ジーンドライブはコントロール可能か?
どうやって試験できるか?
いつジーンドライブを使うかを誰が決めるのか?
(イラストがエッシャー風の蚊)
-老齢ではない、より高齢なだけ:がんケアにおける年齢を考える
Not old, just older: considering age in cancer care
The Lancet Oncology
Editorial|Volume 20, ISSUE 7, P887, July 01, 2019
2019年には世界の65才以上の人数が初めて5才以下の人数を超える。そのためがんの負担も増える。しかし高齢患者はがんの医療において過小であり差別すらされている。65才以上で合併症がある人はがんの臨床試験から除外されることがある。我々の解析では大腸がんの試験ではこの年齢層は29%、乳がん試験では15%である。他の研究によると企業が出資した研究とそうでない研究では参加者の年齢に大きな差がある-よりポジティブな結果になりやすいバイアスとも言える。患者の選別が厳しいと、その研究対象集団は実際の患者を代表するのかどうか疑わしくなる。典型的な試験は健康ボランティア効果の影響がある-試験に参加する人々は一般人より健康で併存する病気が少ない。そのような患者は教育レベルが高く社会経済状態も高い可能性がある。それにさらに年齢のカットオフを加えることで研究対象集団は現実の集団と違うものになる
(以下略)
その他
-Natureニュース
地球温暖化対策を強制するため気候活動家は訴訟に
Climate activists turn to lawsuits to force action on global warming
09 July 2019
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02121-6
市民や団体が世界中で1990年以降1300以上の訴訟を提訴
3/4以上は米国で
-米国の平均寿命が3年連続低下
Average life expectancy in the US has been declining for 3 consecutive years
July 9, 2019
2017年に米国で生まれた赤ちゃんは78.6才まで生きるだろう、前年は78.7才だった
CDCは三つの要因を挙げた
・薬物過剰使用の増加
・肝疾患の増加
・自殺率の増加
(肝疾患の増加にサプリメントが「貢献」しているよねぇ)
-Facebook と YouTubeは偽のがん治療動画に対策する
Facebook and YouTube to tackle fake cancer-treatment videos
こうしたインチキ動画はインターネット中に溢れ、それを投稿した人達がかなり儲かる。今や対抗措置がとられる
そのコンテンツは世界で最も脆弱な人々-真にがんと戦っている人達-を食い物にする。
ソーシャルメディア中の動画や議論のスレッドで病気は医者の助言を無視してジュースや生の食品を食べれば治ると主張する。重曹や漂白剤で自閉症が治るという投稿もある。この手の「代替法」がFacebook と YouTubeに溢れている。それらは多くの読者を集め中には年に数百万ドルも稼ぐ人もいる
(以下有名な例を挙げている。対策するとは言っているがどうやるのかはわからない)
-大麻:CBDについての間違った情報は命に関わる
Cannabis: Misinformation about CBD can be life-threatening
July 10, 2019
http://theconversation.com/cannabis-misinformation-about-cbd-can-be-life-threatening-118676
健康に関するニュースには誇大広告が蔓延していて、特に大麻についてはそうである。最近のニュースの見出しは「CBDがヘロイン依存を治療できる」である。この見出しと実際の研究の知見の正確な解釈は異なる
-2017年のアルバータでの653人のオピオイドの死亡のうち77%が男性
Men made up 77% of the 653 opioid deaths in Alberta in 2017: report
Updated: July 9, 2019
https://globalnews.ca/news/5475694/alberta-opioid-deaths-report-housing/
2018年は789人死亡
死者の84%は家族や友人が少なくとも1人薬物使用に気がついていた