[EU]査察報告
マルタ―水産物
Malta―Fishery products
11/07/2019
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4152
2019年3月5~15日にマルタで実施した、管轄機関による公的管理がEU法の条件にかなっているか、水産物関連の食品法がどの程度効果的に正しく実施されているかを評価するための査察。特に一次生産に関しては、2018年以前には実施されておらず、管理チェックリストを含む文書化された手順はごく最近導入された。管轄機関が登録船舶や水揚げに関するデータを利用できず、一時生産の管理は妨げられている。管轄機関はEU法で承認を必要とする船(冷凍庫、漁業母船、冷凍船)のリストの、修正された及び最新の情報を提供する立場にない。水産養殖や水揚げ地点の監視は同様に制限されているか存在していない。ヒスタミン、寄生虫、官能特性(鮮度)に必要な検査が実施されていないため、水産物の公的管理自体も重要な欠点を示している。
[EFSA]意見等
-香料グループ評価70改訂 1 (FGE.70Rev1)に関する科学的意見:JECFAが(第61回、第68回、第69回会合で)評価した、脂肪族直鎖α, β‐不飽和ジエナール類とトリエナール類、及び関連するアルコール類、酸類、エステル類の検討
Scientific Opinion on Flavouring Group Evaluation 70, Revision 1 (FGE.70Rev1): consideration of aliphatic, linear, α,β‐unsaturated, di‐ and trienals and related alcohols, acids and esters evaluated by JECFA (61st‐68th‐69th meeting)
EFSA Journal 2019;17(7):5749 17 July 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5749
EFSAの食品添加物及び香料に関するパネルは、EC委員会規則No 1565/2000の手順を使用して香料グループ評価70 (FGE.70)に属する29香料物質を評価するよう要請された。7物質[FL‐no: 08.085, 09.194, 09.260, 09.300, 09.371, 09.639 and 09.840]はFGE.70ですでに検討されている。FGE.200Rev1及び FGE.203Rev2で遺伝毒性を明らかにした残りの22物質[FL‐no: 02.049, 05.058, 05.111, 05.120, 05.172, 09.947, 02.139, 02.153, 02.162, 02.188, 05.057, 05.064, 05.071, 05.084, 05.101, 05.108, 05.125, 05.127, 05.140, 05.141, 05.173 and 09.573]がこの改訂で検討されている。これらの物質は、構造活性相関、現行の使用による摂取量、毒性学的懸念の閾値(TTC)、代謝と毒性に関する入手可能なデータの情報をまとめる段階的アプローチを通して評価された。この29物質のどれ一つも、「調査に基づく一日摂取量の最大化」(MSDI)法に基づいて推定された食事摂取量で安全上の懸念を生じないとパネルは結論した。 [FL‐no: 09.371 and 09.840]以外は、香料物質の安全性評価のほか商業材料としての仕様が検討され、適切だと分かった。この2物質には、立体異性体混合物の成分に関するデータが必要とされた。 [FL no: 09.260]には同定と二次成分の含有量に関するデータが必要とされた。7香料物質[FL‐no: 08.085, 09.194, 09.260, 09.300, 09.371, 09.639 and 09.840]の通常及び最大使用量が提出された。TTCsと「改訂された理論上の追加最大一日摂取量」 (mTAMDIs)の比較に基づき、6香料物質[FL‐no: 05.057, 05.058, 05.111, 05.120, 05.172 and 09.947]にはさらなる情報が必要である。これには使用と使用量に関するより信頼できるデータや、必要ならば、追加毒性データが含まれる。
-香料グループ評価204 改訂1 (FGE.204Rev1)に関する科学的意見:FGE.19の化学サブグループ1.2.1の、17の単価不飽和脂肪族α,β-不飽和ケトン及び前駆体を代表する化合物の遺伝毒性データの検討
Scientific Opinion on Flavouring Group Evaluation 204 Revision 1 (FGE.204Rev1): consideration of genotoxicity data on representatives for 17 monounsaturated, aliphatic, α,β‐unsaturated ketones and precursors from chemical subgroup 1.2.1 of FGE.19
EFSA Journal 2019;17(7):5750 17 July 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5750
欧州食品安全機関の食品添加物と香料に関するパネル(FAF パネル)は、香料グループ評価204 (FGE.204)のFGE.19のサブグループからの香料物質の遺伝毒性の可能性を評価するよう要請された。このFGEの現在の改訂(FGE.204Rev1)では、FAFパネルは、以前の食品と接触する物質・酵素・香料・加工助剤に関するパネル(CEF パネル)からの要請を受けて企業が提出した新たなデータを評価した。この要請は、代表的物質7‐メチル‐3‐オクテノン‐2 [FL‐no: 07.177]のin vitro小核試験での染色体異常誘発性陽性結果と、骨髄暴露でのin vivo小核試験の陰性結果、ただし証明されていない、を受けている。その後、この企業は肝臓でのin vivoコメットアッセイの結果を提出し、それは曖昧なequivocalと考えられた。この研究では7‐メチル‐3‐オクテノン‐2 [FL‐no: 07.177]は肝臓と十二指腸で一次的DNA損傷を誘発しないこと繰り返し確認した。入手可能なデータに基づき、香料物質の手続きを通して評価できた[FL‐no: 07.177]とその15の構造的関連物質の遺伝毒性の懸念は除外できた。
-ピリプロキシフェンの農薬リスク評価ピアレビュー
Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance pyriproxyfen
17 July 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5732
情報不足と懸念が確認された。
-フルオピコリドの既存MRLsレビュー
Review of the existing maximum residue levels for fluopicolide according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005
EFSA Journal 2019;17(7):5748 16 July 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5748
さらなる検討が必要。
[NHS]健康的なライフスタイルは遺伝的リスク要因があっても認知症のリスクを減らす
Healthy lifestyle reduces dementia risk even in those with genetic risk factors
Monday 15 July 2019
「悪性の認知症遺伝子は健康的な生活を通して克服されることがある、と研究は発見する」とDaily Telegraphは報道する。
たとえ高い遺伝的リスクがあったとしても、定期的な運動、禁煙、適度な飲酒及び健康的な食生活により認知症になるリスクは低下することが分かった、と新聞は報道する。
このニュースは英国における60歳以上の成人約20万人から8年間かけて採集されたデータの分析に基づく。有志の参加者が、研究の開始時に自分のライフスタイルに関するアンケートを完成させ、研究者は、最も一般的な認知症であるアルツハイマーのリスク増加と関連がある遺伝的変異をもつかどうか調べるためDNAを調べた。
認知症になる遺伝的リスクが高い参加者のうち、健康的でないライフスタイルでは1,000人中約18人に対して、健康的なライフスタイルでは1,000人中約11人が追跡調査中に認知症になったことを研究者は発見した。
研究にいくつかの限界がある。例えば、認知症のいくつかの事例は、患者の病院の入院記録や死亡証明書に頼らず、研究者が直接参加者を評価しなかったので、誤診の可能性が高い。
しかし、全体として、知見はよいニュースである。我々は遺伝子を変えることはできないが、それに関係なく、ライフスタイルを変えることが誰にとっても認知症のリスクを減らすことに役立つ可能性があると研究は示唆する。
「健康的なライフスタイルの選択方法が認知症のリスクを減らすのに役立つかもしれない」については以下。(https://www.nhs.uk/conditions/dementia/dementia-prevention/)
[TGA] 殺菌剤,滅菌剤、衛生用製品
Disinfectants, sterilants and sanitary products
https://www.tga.gov.au/disinfectants-sterilants-and-sanitary-products
以下更新
オーストラリアにおける免除される殺菌剤の規則に関するガイダンス
Guidance on the regulation of exempt disinfectants in Australia
17 July 2019
https://www.tga.gov.au/publication/guidance-regulation-exempt-disinfectants-australia
殺菌剤表示ガイド‐特異的な表示及び非特異的な表示
Disinfectant Claim Guide - specific claims and non-specific claims
17 July 2019
https://www.tga.gov.au/publication/disinfectant-claim-guide-specific-claims-and-non-specific-claims
オーストラリアにおける記載の殺菌剤の規則に関するガイダンス
Guidance on the regulation of listed disinfectants in Australia
17 July 2019
https://www.tga.gov.au/publication/guidance-regulation-listed-disinfectants-australia
[ヘルスカナダ] カナダ政府はオピオイド危機及び新興の医薬品の脅威に対処するため新しい対策に投資する
Government of Canada invests in new measures to address the opioid crisis and emerging drug threats
July 17, 2019
オピオイド危機及びメタンフェタミンのような新興脅威に対応するため追加の対策が必要である。
[FSAI] 未認可物質のTHCのため、EUPHORIA CBD Full Spectrum Oil製品の回収措置
Recall of EUPHORIA CBD Full Spectrum Oil products due to the presence of THC, an unauthorised substance
https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/THC_CBD_Oil_Drops.html
未認可の物質、THC(テトラヒドロカンナビノール)のため、EUPHORIA CBD Full Spectrum Oil製品の回収措置
(オイルは経口・吸入・経皮のどれでも使われるらしい)
[CFIA]CFIAクロニクル-2019年夏
The CFIA Chronicle – Summer 2019
2019-07-12
CFIAクロニクルがChronicle 360へまもなくリニューアル、ビールとウォッカの基準改定、輸入業者への新しい規則の紹介、アフリカ豚コレラの脅威について、薪は地元で買ったものを地元で燃やし、害虫を他の地域に運ばないこと、など
[FDA]警告文書
-TSUKIJI MOTOHIKO CO., LTD.
May 07, 2019
水産食品HACCP、食品CGMP規則違反、不純品、衛生管理の問題。
((株)つきじもと彦。
東京都江東区の食品加工施設で2019年2月21-22日にFDAの査察が行われた。その結果シーフードHACCP規制の重大な違反がみられたため査察で観察されたことを報告し、それに対して2019年3月7日と4月1日に回答を得た。しかしその内容を評価した結果不適切だった。
各種冷凍真空パック昆布巻きの、表示されていないアレルゲンとボツリヌス毒素産生についてハザードアナリシスとHACCP計画がない、など
(こういうのhttps://www.tsukijiichiba.com/user/product/15714)
-Chukar Cherry Company Inc.
Jun 27, 2019
食品CGMP規則違反、ハザードアナリシス及び食品予防管理規則の問題。
ミルクを使っていないと表示してあるウルトラダークチョコレートでミルクアレルギーがでたという消費者からの苦情とその後のFDAの調査で乳蛋白が確認されたために査察を行った。その結果重大なCGMP違反がみつかった。表示されていない乳をハザードとして同定できず、原材料のチョコレートにミルクを使っている製品と同じ設備で製造していると記載されていたにもかかわらず無視した、など
-Ceba-Tek, Inc.
Jul 09, 2019
アロエベラダイエタリーサプリメントのCGMP違反、不純品、不正表示の問題。
[ProMED]殺鼠剤中毒-ノルウェー:アカギツネ
Rodenticide poisoning - Norway: red fox
2019-07-17
http://www.promedmail.org/post/6571910
Date: Fri 12 Jul 2019 Source: Science Nordic [edited]
ノルウェーは2014年に個人が殺鼠剤を使うことを禁止した。しかし最近の研究によると調べたアカギツネの54%から殺鼠剤が検出されている。キツネは殺鼠剤を直接、あるいは間接的に食べた可能性がある。狩りのシーズンに撃たれた健康なキツネ163匹の糞便を集めて調べた。キツネはノルウェー食品安全局が定期的にエキノコッカスを調べるためにハンターに依頼して撃っている。
[ProMED]有毒藻類-カナダ:(ニューブランズウィック)犬
Toxic algae - Canada: (NB) dog
2019-07-17
http://www.promedmail.org/post/6571827
Date: Sun 14 Jul 2019 Source: CTV News [edited]
有毒藻類で悪名高いニューブランズウィックの川で泳いだ犬が死亡し、動物の福祉の専門家がオーナーに警告している。昨年同じ川で少なくとも3頭の犬が死んでいる。
[Codex]コーデックスは分析とサンプリング方法を道案内する
Codex leading the way in methods of analysis and sampling
17/07/2019
http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1202156/
コーデックス分析・
サンプリング法部会(CCMAS)は重要テキストを更新し、コーデックス基準で使われている方法に簡単にアクセスできるようワンストップショップを作る
分析とサンプリング方法一般基準CX234の新しい全体構造が2019年7月のコーデックス総会で採択された。
(以下あとで)
[WHO]コンゴ共和国のエボラアウトブレイクはPHEICと宣言
Ebola outbreak in the Democratic Republic of the Congo declared a Public Health Emergency of International Concern
17 July 2019
ゴマで初めて患者が確認されたため、2018年8月1日にアウトブレイクが宣言されてから4回目の緊急委員会の会合でPHEIC宣言。
[USDA]請願取り下げ
Petition Submitted by Applegate Farms (Nov 3, 2011)
肉のキュアリングに野菜や果物由来の硝酸・亜硝酸を認めるよう求める請願
これららは現状肉のキュアリングに使える物質として認可されていないため、これらを使ってキュアリングした場合、硝酸や亜硝酸を含むにもかかわらず製品名に「uncured」を入れなければならないため消費者が硝酸や亜硝酸を含まないと誤解する可能性があるので改訂を求める
FSIS Response Acknowledgng Receipt of Petition (Dec 23, 2011)
(この会社が野菜粉末を使ってuncuredハムとかソーセージを宣伝しているのでどうしてこういう請願に至って何故今取り下げたのかわからない。いずれにせよちゃんと認可された食品添加物の硝酸塩を使ったほうが規格のない野菜粉末や抽出物使うより安全で質も高いことを消費者は知らないといけない。もちろん誤解を招くようなことをする業者が悪いのだが元はと言えば消費者運動が食品添加物としての硝酸を排除するよう要求してきたからだし。)
論文
-7月4日の花火の後の大気の質調査
Monitoring air quality after Fourth of July fireworks
17-Jul-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/acs-maq071719.php
ACS Earth and Space Chemistryに発表された Albany で2017年6月27日から7月7日までの大気中汚染物質を質量分析で調べた研究。花火の後は微粒子濃度が8倍以上、カリウム濃度が350倍になった。
-湿疹患者の皮膚のひび割れがアレルギー性疾患を促進する
Cracks in the skin of eczema patients promote allergic diseases
17-Jul-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/m-cit071719.php
皮膚を保護して保湿することが食物アレルギーや喘息、花粉症を予防するのに役立つかもしれない。Science Translational Medicine。動画付きのプレスリリース
食品粒子が消化管ではなく皮膚から浸入するとアレルギーの原因になりやすい。湿疹の赤ちゃんへの対処法として専門家は"soak and seal"を薦める。これは暖かいお風呂で皮膚を濡らしたらその水分を保湿軟膏でトラップするという方法。(拭かない)
(食品は皮膚に使わないように)
-肥満は病気か?
Should obesity be recognised as a disease?
17-Jul-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/b-sob071519.php
BMJで専門家が議論
Should obesity be recognised as a disease?
BMJ 2019; 366
https://www.bmj.com/content/366/bmj.l4258
イエス-John P H Wilding and Vicki Mooney
ノー-Richard Pile
-Natureニュース
新しいEUチーフは大胆な気候公約をする
New EU chief makes bold climate pledges
Update 17 July 2019 Quirin Schiermeier
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02204-4
Ursula von der Leyenの炭素排出削減目標強化にはEU加盟国の支持が必要だろう
女性初の次期欧州委員会委員長のもとドイツ防衛大臣Ursula von der Leyenは最優先課題を気候変動におく。