2019-07-25

[NHS]「定期的に魚を食べること」は大腸がんのリスクを減らす

'Eating fish regularly' linked to lower risk of bowel cancer

Wednesday 24 July 2019

https://www.nhs.uk/news/cancer/eating-fish-regularly-linked-lower-risk-bowel-cancer/

「定期的に魚を食べること」は大腸がんのリスクを削減する」とSunは報道する。

この新聞は、研究者が英国を含めたヨーロッパの約50万人の食事を調べた新たな研究について報道する。研究開始時、最も多く魚を食べる人は、魚をほとんど食べないあるいは全く食べない人と比べると、平均15年後に大腸がんと診断される可能性が12%低いことがわかった。同様の関連は特に脂肪分の多い魚の摂取に見られ、「脂肪の少ない」魚との関連は確かなものではなかった。

生きているうちに大腸がんになる個人のリスクは比較的小さい(英国では毎年約4万2千人が大腸がんと診断される)ので、このリスクの12%減少はあなたが感じた見出しのように素晴らしいことではないということを指摘することは重要である。

科学者は、魚は例えばニシンやサバのような脂肪の多い魚にみられる魚の油分の抗炎症性のために、大腸がんのリスクが低下する可能性があると考える。

また、このような観察研究から、魚を多く食べることが直接、大腸がんの少しのリスク低下を引き起こしたのかどうかわからない。 全体的な健康的なライフスタイルを送るといった他の要因もまた、リスクに影響した可能性がある。

しかし、研究結果は現在の推奨にあるように、週に12回魚を食べることは健康的でバランスの取れた食事の一環であると示唆する。

 

[FDA] FDAは繰り返される深刻な食品安全違反を受けて、テキサス拠点のシーフード生産者の施設登録を取り消す

FDA suspends facility registration of Texas-based seafood producer after significant, repeated food safety violations

July 22, 2019

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-suspends-facility-registration-texas-based-seafood-producer-after-significant-repeated-food

FDATopway Enterprises Inc.及びKazy’s Gourmetの食品施設登録の取り消しを発表し、食品の販売流通を差し止めた。

 

[FDA]FDAははじめて若者の電子タバコ防止のためのテレビ広告を開始し、公的教育キャンペーンの一年の記念として、新たな教育リソースを計画する

FDA launches its first youth e-cigarette prevention TV ads, plans new educational resources as agency approaches one-year anniversary of public education campaign

July 22, 2019

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-launches-its-first-youth-e-cigarette-prevention-tv-ads-plans-new-educational-resources-agency

FDAは電子タバコ使用の危険性に関し、子供を教育する初めての電子タバコ予防止レビ広告の開始を発表する。FDAは「The Real Cost」若者の電子タバコ防止キャンペーンの一環として全米の生徒にポスターや教材を提供する予定である。

 

[FDA]リコール。Herbal Doctor Remedies FDA認可のない販売及び適正な製造基準の懸念のためすべての医薬品の全国的な自主回収を発表する

Herbal Doctor Remedies Issues Voluntary Nationwide Recall of All Drug Products Due to Marketing Without FDA Approval and Concerns with Manufacturing Practices

July 24, 2019

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/herbal-doctor-remedies-issues-voluntary-nationwide-recall-all-drug-products-due-marketing-without

Herbal Doctor Remedies は消費期限内のすべての医薬品を自主回収。これらの製品はFDAの認可がなくCGMPの規制外で製造された。

(副作用のない中国ハーブレメディと宣伝している)

 

[BfR]科学的リスク評価は消費者の健康保護の世界的協力が必要

Scientific risk assessments require global collaboration on consumer health protection

18.07.2019

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2019/26/scientific_risk_assessments_require_global_collaboration_on_consumer_health_protection-241529.html

BfR日本を訪問。食品分析センター、農林水産省、食品安全委員会、日本先天異常学会

食品安全委員会での写真あり

 

[FSANZ]食品基準改定

Amendment No. 186 – 25 July 2019               

http://www.foodstandards.gov.au/code/changes/gazette/Pages/AmendmentNo186.aspx

L-カルニチン、加工助剤としてのGM Aspergillus niger由来グルコアミラーゼ、MRL

 

論文

-研究が米国の減塩は米国食品産業に利益があることを強調

Study highlights the benefits of a US salt reduction strategy to US food industry

24-Jul-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/uol-sht072419.php

The Milbank Quarterlyに発表された研究は、FDAの提案している自主的減塩方針が食品企業に与える健康と経済上の影響を強調する。2017-2036年の20年間で、減塩による食品企業労働者の利益は製品の組成変更のコストを上回る。

 

-アメリカの包装された食品供給は超加工されている

America's packaged food supply is ultra-processed

24-Jul-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/nu-apf072419.php

アメリカ人はカロリーと飽和脂肪と砂糖と塩の多い製品に過剰に暴露されている

・アメリカ人のカロリー摂取量の約80%は店舗で購入した食品や飲料である

・肥満と心血管系疾患には食糧供給が中心的役割を果たす

・他の西洋諸国に比べて米国は砂糖と塩が多い

・製造業者はもっと健康的な選択肢を提供できるしするべき

米国で販売されている食品をNOVA分類システムで分類すると71%が超加工だった。カロリーと飽和脂肪と砂糖と塩が多いものの多くはパンやベーカリー製品だった。

Nutrientsに発表

(生産してなければ100%買うし食べる物が無ければ太らないだろうし(その代わり飢えるけど)パンはカロリー欲しくて買うので何言ってるんだろう、と思うのだがこれが現在の栄養研究の流行)

 

-リンゴ一個には約1億の細菌-頑張って洗い流して

An apple carries about 100 million bacteria -- good luck washing them off

24-Jul-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/f-aac072219.php

ほとんどの細菌はリンゴの中にいる-しかしその系統はオーガニックかどうかで異なる

Frontiers in Microbiologyに発表されたオーストリアの市民参加型研究。市販の慣行栽培“Arlet”リンゴ(収穫後直ちに管理された温度とCO2濃度で保管し洗ってポリエチレン包装されている)と有機果樹園から収穫したリンゴを比較し、組織ごとに分けて細菌DNAを抽出した。オーガニックのほうが細菌の種類が多かった(ので良いと主張。よくわからない)

 

-医薬品の有効成分が環境中に留まりうる

Active pharmaceutical ingredients can persist in the environment

24-Jul-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/asoa-api072219.php

Journal of Environmental Qualityに発表された家庭のの井戸水の調査。アセトアミノフェンやカフェインが検出されている

 

その他

-偽情報の拡散:ボット、荒し、そして私達みんな

Natureワールドビュー

Disinformation’s spread: bots, trolls and all of us

24 July 2019 Kate Starbird

https://www.nature.com/articles/d41586-019-02235-x

偽情報についての誤解が我々をオンラインで操作されやすくしている、とKate Starbirdはいう

(一部のみ)

おそらく最も良くある誤解は偽情報は単純な虚偽の情報だというものだろう。もしそうなら「本当」と「嘘」というラベルをはるだけでいい。しかし偽情報はしばしば事実と嘘を混ぜ合わせている-正確な事実を間違った文脈にのせる、本当の写真に意図的に違う説明をつける。重要なのは特定の投稿やツイートを事実かどうか判定することではなく、それが全体としての偽情報キャンペーンのどの部分に相当するのかを理解するこことである。

もう一つの誤解は偽情報が主に虚偽のコンテンツを作るよう雇われた荒しや自動アカウント(ボット)によるというものである。しかし効果的な偽情報広報活動には多様な参加者がいる;その中には自分の役割を自覚していないだろうたくさんの人達がいる、彼らがコミュニーティーを分断し科学や主流ジャーナリズムや西洋の政府を疑うメッセージを増幅し尾ひれをつける。

こうしたやりかかたは昔からある。最も明確に記述されたのはLawrence Martin-Bittmanによる1985年のThe KGB and Soviet Disinformationである。歴史的にはジャーナリストを操作するのは第一の戦略だった。現在はソーシャルメディアが新しいインフルエンサーに声を与え対象を拡大している。オンラインコミュニティーのれっきとしたメンバーが偽情報を広める活動に積極的に関与している。意図的行動者からの一方的なメッセージは比較的簡単に同定でき処理できる。それと知らずに動いている群衆の役割を認識することが長く残る課題である

そして最も混乱させる誤解は偽情報拡散活動の目的がそのメッセージと同じであるというものである。戦略レベルでは、偽情報拡散活動は特定の目的を持っている-FBIが大量襲撃事件を仕組んだという陰謀論を広めたりアフリカ系アメリカ人に投票しないよう勧めたり。しかし、しばしばその特定のメッセージが問題なのではない。偽情報が氾濫することは疑いを大きくし民主主義社会にとって必要な共通基盤を揺るがし民主的プロセスを損なう。

おそらく最も危険な誤解は、偽情報が未熟な人や教育レベルの低い人達だけを標的にしている、他人事だというものである。偽情報はしばしばクリティカルシンキングのレトリックやテクニックを使って虚無的懐疑主義を培う

(嘘を報道する新聞だってそれを正義だと信じてたりするから)

 

-科学が砲火を浴びる:エボラの研究者らは紛争地域で医薬品とワクチンを試験するために戦う

Natureニュース

Science under fire: Ebola researchers fight to test drugs and vaccines in a war zone

24 July 2019 Amy Maxmen

https://www.nature.com/articles/d41586-019-02258-4

コンゴ共和国での暴力が臨床試験を邪魔し科学者に人々への予防接種方法変更を強いる

エボラの治療法を開発する競争は2014年と2016年の大規模アウトブレイク以降加速した。科学者は現在のコンゴでのアウトブレイクで実験的医薬品の試験に500人以上参加者を集め約17万人に予防接種をし270以上のエボラゲノムを集めて配列を解析した。

WHO717日にPHEICを宣言しこれまで2600人近くが感染し1700人以上が死亡したという。

紛争地域で働くことは研究者に普通でない対応を迫る。殺人や誘拐や放火が常態になっているところで質の高い臨床試験をする方法を学んでいる。エボラの研究者が何度も攻撃されている。よくある噂のひとつが、エボラ対策をしている人達が治療センターや予防接種センターで人々に恐ろしい毒を注入しているというものだ。

(いろいろ略)

 

-妊娠ラットへのカフェインとラットの子どもの肝臓の発達と病気を調べた研究への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to study looking at caffeine in pregnant rats and liver development and disease in rat offspring

July 24, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-caffeine-in-pregnant-rats-and-liver-development-and-disease-in-rat-offspring/

Journal of Endocrinologyに発表されたラットの研究が妊娠中の多すぎるカフェインのが赤ちゃんの肝臓の発達に影響して大人になったときに肝疾患になりやすくすると報告

Edinburgh大学分子医学教授Jonathan Seckl教授

これは妊娠中に大量のカフェインを摂取する女性の赤ちゃんが体重が低く早産リスクが高くや妊娠損失すらおこる傾向があるという先の研究に基づく。こうした影響は大きくはないあるいははっきりしていないものの、根拠を総合的に判断して妊娠女性にカフェインを大量に摂ることは避けるよう示唆するのが賢明だと考えられた。この新しい研究では、妊娠ラットにカフェインを与えて子どもへの影響を観察している。研究は注意深く行われ結果は興味深い。しかし与えられたカフェインの量は平均的英国女性の場合毎日4-16杯の中カップのストロングコーヒーに相当する。そして持続する影響がみられたのは最高用量でのみである。この結果をもとに妊娠中にカフェインを避けるように女性に助言するのは大げさすぎるだろう。既に妊娠女性には助言がなされている:バランスのとれた食事、タバコは吸わない、飲酒、薬物は避ける、そしてカフェイン入り飲料は制限するように。

Teesside大学公衆衛生栄養准教授Amelia Lake博士

現在英国の健康助言は妊娠中のカフェインは制限することで、この研究はそれを変えない

Edinburgh大学母と胎児医学上級臨床講師Sarah Stock博士

これは興味深い動物研究だがヒトへの妥当性は明確ではない。与えたカフェイン量は現行の助言より相当多い

Glasgow大学講師内分泌学会会員Michelle Bellingham博士

ラットでの結果はそのままヒトにあてはまらないかもしれないことに注意すべき。NHSは妊娠中のカフェイン摂取についてガイドラインと情報を提供している。

 

-正常体重の閉経後女性の中心性肥満と死亡率

SMC UK

expert reaction to central obesity and mortality risk in postmenopausal women of normal weight

July 24, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-central-obesity-and-mortality-risk-in-postmenopausal-women-of-normal-weight/

JAMAに発表された研究が、正常体重だが中心性肥満のヒトはBMIで肥満で中心性肥満のヒトと同様の過剰死亡リスクがあると報告する

Exeter大学医学健康学部肥満と糖尿病の上級講師Katarina Kos博士

この研究は高齢女性を最大25年観察して中心性肥満の女性が体重に関わらず健康リスクが高いことを発見した。これらの知見は全く新しいものではなく2型糖尿病リスクは中心性肥満で上がることがわかっている。私の脂肪組織研究から、皮下脂肪は健康リスクではないと思っている。中心性肥満に寄与する脂肪は異所性脂肪と呼ばれる。著者らは重要なメッセージを伝える、それはどんな体型でも健康的なライフスタイルを維持するようにということで、驚くことではないが中心性脂肪の少ない女性はより活動的であることがわかった。

Oxford大学糖尿病内分泌代謝センター長Fredrik Karpe教授

この報告は大規模で長期間のフォローアップで信頼できる多数のデータをもとにしている。肥満と死因の関連を調べているが、通常のBMIによる肥満は死亡率に関連するが、より強い関連は上体の肥満でみられた。これは全く新しい知見ではないが明確にされたことが重要である。私の批判点は全ての肥満レベルに88cmという固定のウエスト周囲を使っていることである。割合を固定した方がいいだろう。

王立統計学会統計大使Joy Leahy博士

これは大規模で質の高い研究でウエストが88cm以上だと正常体重の女性でも脂肪リスクの増加に関連することを示す。注意すべきは正常体重でウエストが大きい女性は比較的少数であることである。しかしウエストを測るのは比較的簡単なので臨床ガイドラインで追加するのは説得力がある。男性や閉経前の女性にもあてはまるかどうかを調べるのは興味深いだろう。

 

-健康的な食品への熱狂がこのあまり知られていない摂食障害に寄与している?

Is the healthy food craze contributing to this little-known eating disorder?

By Jenna Birch The Washington Post

https://www.thespec.com/living-story/9517576-is-the-healthy-food-craze-contributing-to-this-little-known-eating-disorder-/

減量に固執する神経性無食欲に似ている

公式に認められてはいないがオルトレキシア(正しい食事病)は多くの専門家が認識している

オンラインを冒険する人は今日の健康文化の権化から逃れることはできない。インターネットはあらゆる新しい食事法やフィットネスの流行を増幅する-パレオ、ケト、デトックス、ソウルサイクル(暗闇で自転車)、赤外線スパ、セロリジュースなどなど。ソーシャルメディアにはセレブやインフルエンサーが彼らがどうやって完璧な(フィルターをかけてフォトショップで加工して)ボディーを手に入れたかをシェアする情報で溢れている。

最新の流行は地元産のオーガニックホールフードで、それは「クリーンな食生活」というハローを纏ってインスタグラムで「いいね!」を集めている。だから栄養士の間にはオルトレキシアの懸念がますます増えているのは驚きではない。全国摂食障害協会の会長Claire Myskoは「私はこの分野の臨床家が、症例が増えているというのをたくさん聞いている」という。オルトレキシアは1998年に生まれてまだDSM-5には含まれていないが、「健康とウェルネスとクリーンな食べ方への強迫観念をもつ摂食障害」である。それは体重への過剰な関心をもつ神経性無食欲に似ている。

オルトレキシアは脂肪や炭水化物や加工食品が悪魔のように言われる現代に特有の病状のように見える。そしてインスタグラムを使う頻度が多いと症状が増える傾向がある。注目すべきはオルトレキシアには他の摂食障害のような烙印はなく、一見わからず健康そうに見えることである。Duke大学の精神医学行動科学准教授Rhonda Merwinは、「我々は間違った情報が氾濫する時代に生きていて、根拠のあるものを区別するのは困難でたとえ辺境の変わった考えですら一見主流派のように見えてしまう」という。ソーシャルメディアの情報が多すぎて極端にクリーンなあるいは排除的食生活をしている人を見つけるのは難しい

フードチェーンにおける汚染物質を避ける最善の方法はたくさんの種類の食品を食べることなのに、患者がやっているのは逆である

(いろいろ略、長い記事。いくら言っても気にしない人と、少しのことに気にしすぎる人の両方に適切な情報を届けるって相当難題。)