2019-07-31

[ANSES]子供、高齢者及び妊娠中及び授乳中の女性の栄養:ANSESは子供の過剰な砂糖摂取に警告し、高齢者への身体活動の有益性を強調する

Nutrition of children, the elderly and pregnant and breastfeeding womenANSES warns about excess sugar intake in children and underlines the benefits of physical activity for the elderly

News of 25/06/2019

https://www.anses.fr/en/content/nutrition-children-elderly-and-pregnant-and-breastfeeding-women-anses-warns-about-excess

本日、ANSES0歳から3歳の子供、4歳から17歳の子供及び青年、妊娠中及び授乳中の女性、閉経後の女性及び高齢者の栄養に関する専門家の見解を公表する。フランス全国健康栄養プログラム(PNNS)の一環として、特定の慢性疾患の予防する高品質の栄養をとるための一般向けの主な食品の栄養所要量を示した2017年の新ガイドラインを補完し、科学的根拠を有し、グループのそれぞれの明確な特性及び栄養所要量、同時に疫学データ及び栄養摂取状況のデータを考慮した食事のガイドラインを提案する。

幼児の補完食:重要な段階

新生児及び幼児は、へその緒からの栄養供給、ミルクのみの経口摂食、多様な食品の導入、固形食品の導入(多様化の第一段階)、最後に家庭食品(多様化の第二段階)のように移行段階がある。

ANSESは、0から3歳までの子供の新たな食品の受け入れと多様化の習慣を目指す:

4か月から6か月に食事の多様化を開始すること;

新たな食品の受け入れに適する5から18か月は可能な限り様々な食品を取り入れること;

最初に拒否した食品でも与え続けること;

食事の時間を優先すること。

ANSESは幼い子供対象の製品に、適切な砂糖の量の基準を設定する重要性を強調する。

4歳から17歳の子供:砂糖の摂り過ぎに関する警告

ANSESは子供の砂糖の摂取過多に警告し、早急なリスク削減策を要請する。特に砂糖入り甘い飲料及びおやつのパン、ビスケット、ケーキの2つを優先に焦点をあて、これらの食品を砂糖無添加の乳製品あるいは他のカルシウム豊富な食品、新鮮な(加工品でない)果物やナッツのような食品に置き換え、「添加糖類」を削減し、「ホームメード」による砂糖摂取量の意識、管理を強調する。

妊娠中及び授乳中の女性:母親と子供の健康にとって有益である食品

ANSESは妊娠中及び授乳中の母親及び子供に特に健康上有益な食品の乳製品、果物及び野菜、さらに魚からの不可欠な鉄、ヨウ素、ビタミンB9(葉酸)、また授乳中の女性に必要なビタミンA及びCの摂取を推奨する。ANSESは妊娠可能年齢の女性は、受胎期から胎児及び母親が十分な栄養状態であるよう妊娠を待たず、バランスのとれた食事を推奨する。

身体活動が年齢に関する疾患から身を守る

ANSESは高齢者のバランスよい栄養摂取と非伝染性疾病、特にサルコペニア、骨粗しょう症及び認知機能の低下のような加齢による病態生理学的作用の予防になる身体活動の有益性を強調する。これは身体活動を増やせない人には、果物、野菜、魚、軟体動物、甲殻類及び全粒穀類を除いた特定の食品をわずかに減らすことを勧めている。

 

プレスキット部分から一部追加

https://www.anses.fr/en/system/files/PRES2019DPA02EN.pdf

・牛乳アレルギーの子どもには「低アレルゲン性」乳児用ミルクは不適切

・豆乳ベースのミルクは6か月まで与えない

1才までは乳児用ミルクやフォローアップミルクを植物ベースのミルクで代用しない

アレルギー予防のために4-6か月の離乳食導入、アレルゲンとなる卵やピーナッツを遅らせることなく導入する

(これはWHOの母乳ガイドラインとは明確に異なる)

幼児に対してチョコレートを制限する、理由は砂糖もあるがニッケル(TDSの結果から)

砂糖摂取量をコントロールするために自分で作れ、という

魚の水銀については別途注意

他、これらの集団は未殺菌、調理不十分な肉や卵、魚は避けること、乳児はハチミツを避けること(寿司、刺身は名指しで妊婦と高齢者が避けるべき食品リストに掲載)

 

[BfR]科学評議会がBfRの信頼できる研究を認証する

Science Council certifies BfR's reliable research

26.07.2019

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2019/27/science_council_certifies_bfrs_reliable_research-241575.html

BfRについての報告書が発表された

(リンク先報告書ドイツ語)

 

[FSA] Tescoは発酵のためTesco Finest Fruit Presse 4製品を回収措置

Tesco recalls 4 flavours of Tesco Finest Fruit Presse because of fermentation

22 July 2019

https://www.food.gov.uk/news-alerts/alert/fsa-prin-34-2019

Tescoは発酵が起こっているボトルがあったため、Tesco Finest Fruit Presse 4製品を回収措置

 

[FDA]警告文書

-Perfect Choice Trading, Inc. and Nutricos Ceuticals, Inc.

Jun 11, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/perfect-choice-trading-inc-and-nutricos-ceuticals-inc-569322-06112019

未承認の医薬品、ダイエタリーサプリメントのCGMP違反、不純品、不正表示の問題。

 

-Port Clyde Fresh Catch, Inc. 

Jul 15, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/port-clyde-fresh-catch-inc-581353-07152019

水産食品HACCP、食品CGMP規則違反、不純品、衛生管理の問題。

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 88–19              

30 July 2019

http://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular8819.aspx

新規申請と提案:加工助剤としてのTrichoderma reesei由来グルコースオキシダーゼ

 

論文

-放射性物質の謎の放出が解明された

Mysterious release of radioactive material uncovered

29-Jul-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/vuot-mro072519.php

20179月に欧州全域を弱い放射性の雲が移動した。世界中1300以上の測定結果から、これがロシアのMajak核再処理工場での事故が原因であることがわかった。これによる欧州集団への健康リスクはない。PNAS

ルテニウム-106が最大176ミリベクレル/m3大気検出された。これは福島事故由来で欧州で検出された総放射能の最大100倍高い。データから放出されたルテニウムは250-400テラベクレルと導出される。ロシアの再処理工場は1957年にも事故で放射性物質を放出している

 

-肥満の人は食品からより大きな満足を得る

Individuals with obesity get more satisfaction from their food

30-Jul-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/e-iwo072619.php

Journal of the Academy of Nutrition and Dieteticsの新しい研究は、食品から得る満足のレベルが正常体重、過体重、肥満の成人で異なることを示す

18-75才の男女290人に、管理された好きなだけ食べられる環境下でチョコレートを一度に一つ提供し、チョコレートを評価してもらった。食べたのは2-51個だった。評価は最初の一口が一番高く食べれば食べるほど格付けは下がるが、正常体重と過体重の人は同程度の認識だったのに肥満の人は最初から他の群より高くその後もずっと他の群より高い。

(図あり)

 

-肥満と糖尿病のためのケトン食-熱狂が根拠を追い抜く

The ketogenic diet for obesity and diabetes—enthusiasm outpaces evidence.

Joshi S et al., JAMA Internal Medicine, July 15, 2019

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2737919

最近注目されているケトン食は、現時点での根拠を飛び越えて熱狂的に支持されている

 

-公共領域における健康に関する間違った情報と物語のメッセージの力

Health misinformation and the power of narrative messaging in the public sphere.

Caulfield T. et al.,

Canadian Journal of Bioethics 2:52-60, 2019

https://www.erudit.org/en/journals/bioethics/2019-v2-n2-bioethics04449/1060911ar.pdf

生命医学研究の表現には無数の社会的、経済的、学問的プレッシャーが負の影響を与える。健康や科学に関する情報の解釈、共有、議論の持っていき方における物語(ナラティブ)の役割がますます悪質になっていくことに関与しているいくつかの力についてレビューした。次に、異なる社会的文脈とコミュニケーション環境で物語の側面がどのように使われているのかを探り、ネガティブな傾向に対抗するのに役立つ可能性のあるクリエイティブな反応を提示する。コミュニケーションの伝統的な方法は多くの側面で失敗していて、物語の創造的利用を含めてやりかたを変える必要がある

問題点として挙げているのは

・オンラインコミュニティ(ソーシャルメディア)

・暗黙の誇大広告と「科学の搾取Scienceploitation」(科学の発見を画期的治療法につながるかも、といったふうに誇大に伝えることと量子力学や肝細胞の用語を装う疑似科学)

・公共領域での患者(何かで病気になったとか治ったとか)

これらに対応するためには以下のツールを活用

法的・政策的ツール

・既存の「広告は正しく」法の執行を改善

・医療の専門家が誤情報を拡散することについては規制方針を変える

・物語の使用に関するルールを決めて専門メディアを関与させる

・訴訟

社会的ツール

NPOによる啓発(悪質な宣伝業者を訴える)

・個人による啓発(苦情申し立て、ソーシャルメディアでの活動)

・新聞やソーシャルメディアでの誤情報修正活動に専門家参加

・間違った情報対策とプラットフォームの改革をソーシャルメディア企業に促す

・論説や意見を言う

・物語やアートや動画を利用したクリエイティブなコミュニケーション戦略をつくる

・効果的なコミュニケーション戦略についてのさらなる研究を支援・採択

 

その他

-14億人を食べさせるために、中国はゲノム編集作物に大きく賭ける

Scienceニュース

To feed its 1.4 billion, China bets big on genome editing of crops

By Jon CohenJul. 29, 2019

https://www.sciencemag.org/news/2019/07/feed-its-14-billion-china-bets-big-genome-editing-crops

中国におけるCRISPRシリーズの第一弾

中国科学アカデミーの植物科学者Gao Caixiaが驚くべき速度で各種改良作物を開発中

20138月にCRISPERで植物を初めて改変してから、既に3ダースもの論文を書いている。しかし彼女のチームだけが突出しているわけではない。彼女のチームは作物のCRISPR編集グループ20のうちの一つである。中国の指導者は戦略的にゲノム編集に投資している

Syngentaの買収の件も含む長い記事)

 

-躊躇に抵抗して予防接種する時

Nature Medicineエディトリアル

Time to vaccinate against hesitancy

volume 25, page1023(2019)

最近の世界中でのはしかのアウトブレイクは、予防接種計画を成功させ続けるためにワクチン躊躇に取組み対抗することの緊急性を強調する