2019-08-02

[BfR]家庭菜園や市民農園で植物保護製品を安全に使

Using plant protection products in home and allotment gardens safely

24 July 2019

https://www.bfr.bund.de/cm/349/using-plant-protection-products-in-home-and-allotment-gardens-safely.pdf

趣味のガーデナーは皆、健康な植物を望みそれ以上に害虫を恐がる。害虫がはびこるのに他の何も対抗できないとき、必要であれば植物保護製品を使用できる。この方法は特別な事情の時にだけとるべきである。家庭菜園や市民農園で安全に植物保護製品を使用できる方法をまとめた。

一般に植物保護製品は専門商店でしか入手できない。そこでは、要求に応じて専門職員だけが販売できる。さらに、売り手は適切な使用や代替品について買い手に助言することが義務付けられている。「専門家以外の使用許可」という文を掲載した植物保護製品だけが家庭菜園や市民農園で使用できる。さらにそれらは、例えば、関連する植物や害虫用などの用途にあわせて承認されなければならない。舗装道路、中庭、車道は植物保護製品で処理してはならない。これらの場所での使用は、その場所が舗装されていない、舗装されている、あるいは塞がれているかどうかにかかわらず、罰金で処罰されることのある行政違反である。

以下の習慣の順守は健康保護にかかせない。

使用前

・使用説明書を読み、保護情報に従うこと

・植物保護製品を子供の手が届かないようにすること

・使用に必要な植物保護製品の量だけを散布に使用する容器(例えば、じょうろ、植物保護製品散布器)に準備すること

・植物保護製品は微風の時にだけ散布してよい。これは風が葉や小さな小枝を動かすくらいの時である

・気温は25以下とする

使用中

・長袖のシャツ、長ズボン、丈夫な靴を着用すること

・植物保護製品が手、皮膚、目と接触しないようにすること

・煙草を吸ったり、飲食したりしないこと

・スプレーミストを避けること。対象外の植物や処理しない場所に植物保護製品を吹き流さないように確認すること

・使用中やスプレーが乾くまでは処理した場所に入らないこと

・子供やペットを近づけないこと

・近隣の人にも要求に応じて情報提供するべきである

使用後

・大量の水と石鹸を使って完全に手と汚染された可能性のある体の部分を洗うこと

・汚染された洋服を着替えて洗うこと

・残ったスプレー液はそのまま、1:10の割合で水で薄めて処理した場所に散布すること

・スプレー器を何回もすすぎ、そのすすいだ水を処理した場所にそそぐこと。トイレ、排水溝、溝、用水路に流してはいけない。

・元の容器に残った植物保護製品は、涼しく乾燥した場所にあるカギのかかる食器棚の中に保管しておくこと

・植物保護製品は霜のつかない食品から遠いところに保管すること

・空き容器の廃棄やもう使用できない植物保護製品の処分は地元の収集所で

 

家庭菜園や市民農園用に許可されたツールの情報が欲しい人はオンラインデータバンクで関連意見を得られる

https://apps2.bvl.bund.de/psm/jsp/index.jsp

庭や市民農園の植物保護製品について知りたいこと

https://www.bvl.bund.de/DE/04_Pflanzenschutzmittel/02_Verbraucher/03_HausKleingarten/psm_HausKleingarten_node.html;jsessionid=0A2AE738F8FE80B6BF4C1748C48799F9.1_cid322

この話題に関するさらなる情報はBfRのウェブサイトで

植物保護製品に関する記事の概要ページ

https://www.bfr.bund.de/en/a-z_index/plant_protection_products-130188.html

植物保護製品の認可工程についてのQ&A

https://www.bfr.bund.de/en/questions_and_answers_on_the_authorisation_process_for_plant_protection_products-192764.html

食品中の植物保護製品の残留量に関するQ&A

https://www.bfr.bund.de/en/questions_and_answers_on_residues_of_plant_protection_products_in_food-60852.html

 

[PHE]飽和脂肪を減らすと血中コレステロールとCVDリスクが下がる

Reducing saturated fat lowers blood cholesterol and risk of CVD

1 August 2019

https://www.gov.uk/government/news/reducing-saturated-fat-lowers-blood-cholesterol-and-risk-of-cvd

SACNの報告書は現在の助言を変える必要はないと結論

 

SMC UK

-飽和脂肪の役割と健康についてのSACN最終報告書への専門家の反応

expert reaction to final SACN report on the role of saturated fats and health

August 1, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-final-sacn-report-on-the-role-of-saturated-fats-and-health/

栄養に関する科学助委員会(SACN)が、飽和脂肪の摂取量は食事由来エネルギーの10%未満にすべきという助言を発表した。

Reading大学人間栄養学名誉教授Christine Williams教授

SACNの助言は英国人成人は食事中の飽和脂肪を制限し続け、飽和脂肪は不飽和脂肪に置き換えるべきというもので根拠を厳密にレビューしたものである。この報告は最近の飽和脂肪に害はないという主張を否定し、英国の食事を改善するためのシンプルな方法を多数提示している。例えばバターの代わりにオイルを使う、肉を減らして野菜を多く、など。最近の研究では乳製品の飽和脂肪を不飽和脂肪に置き換えることで目標の飽和脂肪摂取量を達成しやすくなることが示されている。これはファンシーな名前の流行の食事法ではなく、実行可能な、疾患リスクを下げ、持続可能な環境に貢献する。

英国心臓財団上級栄養士Tracy Parker

この報告は既存の助言、飽和脂肪の摂取量は食事由来エネルギーの10%未満、を確認した。このレビューには幾分かの限界があり、乳製品のような特定の食品を調べたものではない。従って食生活は全体としてみることが重要である。

King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授

このガイドラインは米国のものと似ている。ある種の飽和脂肪はLDL濃度にあまり大きな影響はないことがわかっている。冠動脈心疾患リスク低下に関する根拠は昔の、大量の飽和脂肪を多価不飽和脂肪に置き換えた試験に基づいている。最近のデータでは飽和脂肪の摂取量とリスクには直接的関係が無いが多価不飽和脂肪の摂取量と割合の両方が心血管系疾患のリスクと関連しているように見える。心疾患を増やすのは飽和脂肪を多く摂ることと多価不飽和脂肪が少ないことの組み合わせである可能性が高いようだ。

飽和脂肪に関する食品表示は現在消費者にとって混乱するもので、オリーブオイルや菜種油、油分の多い魚やナッツは健康的なのに飽和脂肪が多いと表示されている。

英国栄養財団理事長Judith Buttriss教授

近年飽和細胞の健康影響については議論が多いが、本日発表されたSACNの報告書は既存の飽和脂肪をカロリーの10%未満に減らすようにという助言にはしっかりした根拠があることを強調する。健康にとって最も重要なのは、健康的ライフスタイルのなかでの食生活全体である。

Oxford大学食事と集団の健康教授Susan Jebb教授

この報告は既存の助言を更新し確認した。問題はどうやって人々にそうさせるか、である。

現在の飽和脂肪摂取量約13.5%10%にするのは乳製品と肉からの摂取量を減らさないと極めて難しい。乳製品はカルシウムなどの重要な栄養の摂取源でもあるので脂肪の少ない製品に代えるのが比較的容易だろう。ケーキ、ビスケット、ペストリー、デザートは減らすべき。

Glasgow大学代謝医学教授Naveed Sattar教授

飽和脂肪の議論は続いているので客観的情報の更新は重要である。健康リスクを下げるための助言は変わらない-飽和脂肪の多い食品を不飽和脂肪の多いあるいはより健康的な食品に置き換えるべき。

 

(イギリス、食事はあまり美味しくないと言われるけれどハイティーのお菓子はバターたっぷりで美味しいと評判。ミルクもクリーミーで美味しいらしい。アメリカみたいに低脂肪にして美味しくなくして砂糖で誤魔化すのは悪手だと思うが。)

 

-チョコレート摂取と鬱症状の研究への専門家の反応

expert reaction to study on chocolate consumption and symptoms of depression

August 1, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-on-chocolate-consumption-and-symptoms-of-depression/

Depression and Anxietyに発表された研究が、チョコレート、特にダーク、摂取と鬱症状の少なさに関連があるかもしれないと報告した

スコットランド精神医学会精神科相談医Jane Morris博士

医学が栄養の役割に気がつくのは大変喜ばしいが、二つ重要な注意点がある。一つ目は純粋なココアについてのものでチョコ味のお菓子ではない。二つ目は健康なヒトの鬱症状との関連である。これはチョコレートが鬱を治すという話ではない。

King’s College London精神医学心理学神経科学研究所 (IoPPN)精神薬理学と情動障害教授、精神科相談医Anthony Cleare教授

主な問題はこの研究がダークチョコレートが鬱を予防するのか鬱がダークチョコレート摂取に影響するのか区別できないことである。鬱は食欲に大きく影響する。

 

その他

-終わり無きがん?発見が新鮮な知見をもたらす

Cancer without end? Discovery yields fresh insights

1-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/asu-cwe080119.php

イヌ可移植性性器腫瘍(CTVT)は、8500年も前に生きていた一頭の動物にできたものが現在まで生き延びている。Carlo Maley Darryl ShibataがそのダイナミクスをScience82日号に記述している。この腫瘍はイヌの生存にほとんど影響しないので淘汰圧がかからない、腫瘍の性質を大きく変える変異を蓄積していくこともない

 

-野生の親から生まれた実験用マウスはヒトの治療法の研究を改善できるか?

Scienceニュース

Could lab mice born to wild parents improve the search for human cures?

By Eva FrederickAug. 1, 2019

https://www.sciencemag.org/news/2019/08/could-lab-mice-born-wild-parents-improve-search-human-cures

ここ数年、メリーランドの馬農家はユニークな害獣管理方法を手に入れた-地元の科学者がマウスを捕まえて取り除いてくれる。免疫学者のStephan Rosshartは「私はまるで巨大な猫のようだった」という。この狩りは免疫学の研究で問題になっていることを解決するための長い探索の一環である:実験用マウスは実験室で不自然なほぼ無菌の環境で育てられていてヒトの感染症や疾患を研究するにはあまりよいモデルではない。Rosshart2014年からマウスを集め始め、これらをそのまま使うのではなく(一部の科学者はそのまま使うことを主張しているが)代理親になってもらおうと考えている。薬物を使用していないオーガニック馬農場に行ってピーナッツバターを餌にした罠をかけて200匹以上のマウスを捕まえた。それを実験室に持ち帰って実験用マウスの胚を移植する。生まれた子どもは野生のマウスと類似の微生物を皮膚や腸に持っていることをScienceに発表した。この「野生化」マウスを使って、これまでの実験用マウスで期待できる結果が出たもののヒトで失敗した治療法を調べたところ、ヒト試験の結果に類似した結果を得た。

 

-Science02 August 2019 Vol 365, Issue 6452は中国のCRISPR特集号

植物や動物だけではなく、ゲノム編集ベビーで世界を騒がせたHe Jiankuiについても