2019-08-06

[EU]EUROPHYT年次報告

EUROPHYT Annual Report

https://ec.europa.eu/food/plant/plant_health_biosecurity/europhyt/annual_reports_en

植物検疫の統計。

 

2018年インフォグラフィクス

https://ec.europa.eu/food/sites/food/files/plant/docs/ph_biosec_europhyt_annual-report_2018_infograph.pdf

有害微生物では野菜果物が圧倒的に多い。ミバエ。

 

[EFSA]評価等

-遺伝子組換え大腸菌( BLASC)由来食品酵素マルトース生成アミラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme maltogenic amylase from genetically modified Escherichia coli (strain BLASC)

EFSA Journal 2019;17(5):5769  29 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5769

この食品酵素はAdvanced Enzyme Technologies Ltd.社が遺伝子組換え大腸菌BLASC株を用いて生産したマルトース生成アミラーゼ(グルカン 1,4αマルトヒドロラーゼ; EC 3.2.1.133)である。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品酵素に生産生物の生きた細胞や組換えDNAは含まれない。このマルトースアミラーゼは焼成と醸造工程及びグルコースシロップ生産用澱粉加工での使用を意図している。全有機固形物(TOS)の残留量はグルコースシロップの生産中に適用される浄化段階で除去されるため、食事暴露はこの食品工程では産出されなかった。焼成と醸造工程では、食品工程用に推奨される最大使用量とEFSAの包括的欧州食品データベースの個別のデータに基づき、この食品酵素への食事暴露-TOSは最大0.107 mg TOS/kg体重(bw)/日と推定された。遺伝毒性検査は安全上の懸念を生じなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは無毒性量を調べた最大用量838 mg TOS/kg bw/日とした。推定される食事暴露と比較すると、十分高い暴露マージン (少なくとも 7,800)になった。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似性が調査され、コウジカビが作り出した呼吸アレルゲンで1件のマッチが見つかった。パネルは、意図した使用条件で食事暴露によるアレルギー感作リスクや誘発反応や除外できないが、そのような反応が起こる可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、パネルはこの食品酵素は意図した使用条件で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-鳥類と哺乳類の現在の農薬リスク評価がコウモリをカバーするかについての科学的声明

Scientific statement on the coverage of bats by the current pesticide risk assessment for birds and mammals

EFSA Journal 2019;17(5):5758 29 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5758

コウモリは頻繁に農地でえさを探し回り、農薬に暴露する可能性のある哺乳類の重要なグループである。この声明は現在の、農薬に暴露されている鳥類や地上に住む哺乳類用に実施されているリスク評価がコウモリも保護するかどうか検討している。3つの主な問題が取り扱われた。最初に、コウモリは最も繊細な鳥類や哺乳類よりも毒性学的に概ね繊細かどうか。二番目に、農薬へのコウモリの経口暴露は、地上に住む哺乳類や鳥類よりも多いか少ないか。三番目に、コウモリに関して他の重要な暴露経路があるかどうか。毒物学的感受性の大きな変化やコウモリと鳥や哺乳類の検査の感受性の間に農薬に対する種の関連性がないことが分かった。さらに、コウモリには、農薬暴露に悪影響を受ける可能性があり、現在野生の哺乳類のリスク評価に選ばれているエンドポイントの対象外となるエコーロケーション(超音波による周囲状況の探知)や冬眠など珍しい特徴がある。現在の暴露評価方法論は、コウモリ特有のパラメーターを用いてコウモリに適応した。経口暴露には、最も標準的なリスク評価シナリオで、現在のアプローチは食品中の残留農薬に対するコウモリの暴露を対象としていなかったと結論した。スプレー散布中の餌を探し回るコウモリのための潜在的な皮膚暴露の計算は、これがおそらく大変重要な暴露経路であることを示唆している。皮膚経路の暴露を吸入や経口暴露と結び付けるべきである。まとめた証拠に基づいて、パネルは、コウモリは現在のリスク評価アプローチでは十分にカバーされておらず、コウモリの特別なリスク評価計画を策定する必要があると結論した。一般的に、農薬に暴露したコウモリのリスクを評価するにはデータ不足である。毒性学的影響を評価するためのコウモリの臨床試験の代替品の確認を含む研究のための助言がなされた。

 

-使用後のPETを食品と接触する物質へリサイクルするために使用されるStarlinger iV+テクノロジーに基づく Texplastプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Texplast, based on Starlinger iV+technology, used to recycle post-consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2019;17(5):5773 26 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5773

このプロセスから得られるリサイクルPETを室温で長期保存される全ての種類の食品と接触する物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。この PETで作られた品物は電子レンジとオーブンで使用することを意図していないため、この評価の対象外である。

 

-使用後のPETを食品と接触する物質へリサイクルするために使用されるStarlinger iV+テクノロジーに基づく Poly Recyclingプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Poly Recycling, based on Starlinger iV+ technology, used to recycle postconsumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2019;17(5):5772 26 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5772

このプロセスから得られるリサイクルPETを室温で長期保存される全ての種類の食品と接触する物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。この PETで作られたトレーは電子レンジとオーブンで使用することを意図していないため、この評価の対象外である。

 

-使用後のPETを食品と接触する物質へリサイクルするために使用されるErema Basicテクノロジーに基づく Quinn Packagingプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Quinn Packaging, based on Erema Basic technology, used to recycle postconsumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2019;17(5):5771 26 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5771

このプロセスから得られたリサイクルPETは、リサイクルしたシートで製造され水の包装に使用しない最終熱形成トレーや容器がリサイクルした使用後のPET100%含んでも、安全上の懸念とはならない。このリサイクルPETで作られたトレーは電子レンジやオーブンでの使用を意図していないため、そのような使用はこの評価の対象外である。

 

-使用後のPETを食品と接触する物質へリサイクルするために使用されるBanderaテクノロジーに基づく AMBプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process AMB, based on Bandera technology, used to recycle postconsumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2019;17(5):5770  26 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5770

このプロセスから得られたリサイクルPETを室温で長期保存される全ての種類の食品と接触する物質の製造に100%使用しても安全上の懸念とはならない。このリサイクルPETで作られた品物は電子レンジとオーブンでの使用を意図しておらず、そのような使用はこの評価の対象外である。

 

-全ての動物種用飼料添加物としてのリジンとグルタミン酸の亜鉛キレートの安全性と有効性

Safety and efficacy of zinc chelates of lysine and glutamic acid as feed additive for all animal species

EFSA Journal 2019;17(7):5782  25 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5782

 

-全ての動物種用飼料添加物としてのリジンとグルタミン酸の鉄キレートの安全性と有効性

Safety and efficacy of iron chelates of lysine and glutamic acid as feed additive for all animal species

EFSA Journal 2019;17(7):5792  25 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5792

 

-全ての動物種用Corynebacterium glutamicum KCCM 80172株を用いて生産されたlヒスチジン塩酸塩水和物の安全性と有効性

Safety and efficacy of lhistidine monohydrochloride monohydrate produced using Corynebacterium glutamicum KCCM 80172 for all animal species

EFSA Journal 2019;17(7):5783  25 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5783

 

-七面鳥肥育用、交配用に育てている七面鳥用、授乳子豚用飼料添加物としてのAviPlus®の安全性と有効性

Safety and efficacy of AviPlus® as a feed additive for turkeys for fattening, turkeys reared for breeding and suckling piglets

EFSA Journal 2019;17(7):5795  25 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5795

 

-全ての動物種用Corynebacterium glutamicum KCCM 80179株を用いて生産されたlヒスチジン塩酸塩水和物の安全性と有効性

Safety and efficacy of lhistidine monohydrochloride monohydrate produced using Corynebacterium glutamicum KCCM 80179 for all animal species

EFSA Journal 2019;17(7):5784 25 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5784

 

-全ての動物種用官能的添加物として使用する際のグリークオレガノ由来エッセンシャルオイルの安全性

Safety of an essential oil from Origanum vulgare subsp. hirtum (Link) letsw. var. Vulkan when used as a sensory additive in feed for all animal species

EFSA Journal 2019;17(7):5794  25 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5794

 

-Trichoderma reesei (DPNzs51)由来食品酵素α,αトレハラーゼ グルコヒドロラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme α,αtrehalase glucohydrolase from Trichoderma reesei (strain DPNzs51)

EFSA Journal 2019;17(5):5768 25 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5768

この食品酵素トレハラーゼ(α,αトレハラーゼ グルコヒドロラーゼ、 EC 3.2.1.28)Danisco US Inc.社が遺伝子組換えTrichoderma reesei DPNzs51で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品酵素に生産生物の生きた細胞や組換えDNAは含まれない。このトレハラーゼは蒸留アルコール生産での使用を意図している。全有機固形物の残留量は蒸留で除去される(> 99%)ため、毒性データは必要ないと考えられ、食事暴露は算出されなかった。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似性が調査され、マッチはなかった。パネルは、意図した使用条件で食事暴露上のアレルギー感作リスクや誘発反応は除外できないと考えた。提出されたデータに基づき、パネルはこの食品酵素は意図した使用条件で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-各種作物のオキサチアピプロリンの既存MRLs改訂及び輸入トレランス設定

Modification of the existing maximum residue levels and setting of import tolerances for oxathiapiprolin in various commodities

EFSA Journal 2019;17(7):5759 25 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5759

提出されたデータは、残留物データが提出されていないか不十分なのだが、芽キャベツと豆類(鞘なし)を除く検討中の全ての作物のMRL提案を導出するのに十分だと分かった。検証された定量限界(LOQ) 0.01mg/kgで作物のオキサチアピプロリンの残留物を管理する適切な実施分析手段が得られた。リスク評価結果に基づき、EFSAは既存の用途を考慮して、オキサチアピプロリンの残留物の長期摂取は消費者の健康リスクになりそうもないと結論した。

 

-オリザリンのMRLレビュー後の確証データの評価

Evaluation of confirmatory data following the Article 12 MRL review for oryzalin

EFSA Journal 2019;17(8):5756 5 August 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5756

確認されたデータのギャップを扱うために、キウイフルーツの残留状況に関する結論を出すのに適切なリンゴの残留試験が提出され、さらに、アスパラガスとバナナの新たな残留試験も提出された。アスパラガスの一次作物代謝を扱うために提出された情報は、アスパラガスに予期される残留物の性質を明らかにするには不十分だと考えられた。アスパラガスのデータのギャップが十分に扱われなかったため、リスク管理者は既存のMRLの削除を検討する可能性がある。キウイフルーツとバナナに以前導出されたMRLsは改訂する必要はない。

 

-ダイズとポピーシードのベンタゾンの既存MRLs改訂

Modification of the existing maximum residue levels for bentazone in soyabeans and poppy seeds

EFSA Journal 2019;17(7):5798 2 August 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5798

検討中の植物本体の代謝とベンタゾンの残留物を管理できる適切な分析手段が得られた。代謝物質6ヒドロキシベンタゾンの毒性学的特性を扱うピアレビューの枠組みでEFSAが要求した研究は、部分的にしか提出されなかった。この代謝物質の一般的な毒性を調べる研究の代わりに、申請者は元のベンタゾンと8ヒドロキシベンタゾンに得られた情報からリードアクロス法を正当化する議論を提出した。EFSAは提出されたリードアクロス法の根拠に同意しなかった。そのため、EMSEFSAにデータのギャップにもかかわらずこの評価を続けるよう求めた。EFSAは参考的-短期及び長期食事リスク評価を行った。しかしながらこのリスク評価はさらに、6ヒドロキシベンタゾンの毒性学的特性に関連するデータのギャップから生じる標準的でない不確実性がある-

 

-イチゴと他のベリーのフロニカミドの既存MRLsの改訂

Modification of the existing maximum residue levels for flonicamid in strawberries and other berries

EFSA Journal 2019;17(7):5745  2 August 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5745

残留定義に含まれる各分析物に検証された定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgで検討中の植物本体のフロニカミドの残留物を管理できる適切な分析手段が得られた。リスク評価結果に基づき、EFSAは報告された農業規範によるフロニカミドの使用から生じる残留物の短期及び長期摂取は消費者の健康リスクになりそうもないと結論した。

 

-新規食品としての豚鞭虫(Trichuris suis)の生きた有胚卵の安全性

Safety of viable embryonated eggs of the whipworm Trichuris suis as a novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2019;17(6):5777 1 August 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5777

申請者は、豚鞭虫の生きた有胚卵が250個入った15mlボトルの形で食品サプリメントとしてこの新規食品(NF)を使用することを提案している。対象集団は一般人。このNFに栄養上の意味の関連性はない。入手可能なデータからはほとんどの幼生はヒトの消化管で孵化した後未熟なままで数週間生きることを示唆している。ヒトに感染可能で成熟して生殖可能である。ヒトでの研究はさらにT. suis投与は消化管有害事象頻度を増やすことが示されている。パネルは安全上の懸念が生じないことが予想される安全な用量を設定できなかった。この新規食品の安全性は設定されない。

(アレルギー疾患予防目的のサプリとして売りたいらしい)

 

-ヒラタケのメピコートの暫定MRLの改訂

Modification of the temporary MRL for mepiquat in oyster mushrooms

EFSA Journal 2019;17(7):5744  31 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5744

全部で74のヒラタケのサンプルを基にして、3つの異なるMRL提案が出された。ヒラタケのメピコートクロリドの存在を取り扱うのにどの暫定MRLが最もふさわしいかを決めるために、許容される不適合率を考慮するリスク管理者の決定が必要である。このMRL提案を導出するための基礎となる収穫したヒラタケの監視データで観察された量でメピコートクロリドの残留物への暴露は、消費者の健康リスクになりそうもない。

 

-GMO食品に対するヒトの食事暴露

Human dietary exposure to GMO food

EFSA Journal 2019;17(6):5802  31 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5802

EFSAEC規則1829/2003EU規則503/2013に基づき提出された遺伝子組換え生物(GMOs)のリスク評価を行った。食事暴露は遺伝子組換え(GM)食品のリスク評価の重要な要素である。食事暴露推定量には異なる全年齢層や特別な集団グループに渡る平均及び多量摂取者が含まれる必要があり、より多い暴露が予想される特別な消費者グループを確認し考慮すべきである。このEFSAの声明は、GM食品に新たに発現したタンパク質のヒト食事暴露を推定するには入手可能な情報を用いた決定論的モデルを使用すべきというガイダンスを提供している。GMO申請の評価に関連した作物を含む、から成る、から作られる食品の摂取の要約統計量は、報告された加工食品の摂取を生の一次産品に変換するための様々な係数と共に、EFSAのウェブサイトで得られる。通常は生の一次産品で測定される新たに発現したタンパク質の濃度データの使い方 (分析される原料、成長段階、使用される記述統計など)についてもガイダンスで提供される。この評価の強みと弱点を知らせる食事暴露推定量に関連した様々な不確実性の概要が提供された。この文書は、申請書類の一部として提出された評価をEFSAが適切に評価できるようにするために、申請者が提出しなければならないヒトの食事暴露の情報も説明している。

 

-香料グループ評価5改訂3(FGE.05Rev3)に関する科学的意見:化学物質グループ12315に由来する、分岐鎖および直鎖不飽和アルデヒド、ジエナール、不飽和および飽和カルボン酸、飽和および不飽和脂肪族アルコールと関連エステル、フェニル酢酸と関連エステル

Scientific Opinion on Flavouring Group Evaluation 5, Revision 3 (FGE.05Rev3): Branched and straightchain unsaturated aldehydes, dienals, unsaturated and saturated carboxylic acids and related esters with saturated and unsaturated aliphatic alcohols and a phenylacetic acid related ester from chemical groups 1, 2, 3, 5 and 15

EFSA Journal 2019;17(7):5761 31 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5761

食品添加物と香料に関するEFSAのパネル(FAF)は、香料グループ評価05 (FGE.05)に属する54の香料物質を評価するよう求められた。この改訂3ではFGE.200Rev1 で遺伝毒性が明らかにされた17の追加物質が含まれている。これらの物質は、構造と活性の関係に関する情報、現使用からの摂取量、毒性学的懸念の閾値(TTC)、代謝と毒性に関して得られたデータをまとめた段階的アプローチを通して評価された。パネルはこの54物質はどれも「Maximised Surveyderived Daily Intake(MSDI)アプローチに基づいて推定された食事摂取量で安全上の懸念は生じないと結論した。香料物質の安全性評価の他に商品の仕様書も検討され、立体異性混合物の組成に関する定量的な数値がない10物質以外は適切だと分かり、1物質は完全な仕様書を提出する必要がある。8物質には通常使用量と最大使用量は得られなかった。改変型理論的添加最大一日摂取量(mTAMDI)暴露推定量が構造クラスI IIの懸念値以上だったため、7香料物質以外の使用量が提出された全46香料物質に、より信頼できる摂取量データが必要とされた。これには、より信頼できる摂取量データや、その後必要であれば追加の毒性学的データが含まれる。

 

-51回コーデックス残留農薬部会(CCPR)会合におけるEUの見解を準備するための科学的支援

Scientific support for preparing an EU position in the 51st Session of the Codex Committee on Pesticide Residues (CCPR)

EFSA Journal 2019;17(7):5797 31 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5797

2018年にJMPRは、消費者リスク評価に用いる毒性学的参照値を設定する15の有効成分と最大残留基準(MRLs)を設定する27の有効成分を評価した。EFSAはコーデックスの提案したMRLと毒性学的参照値に関するコメントを作成した。さらに、EFSAは以前のCCPR会合で特定の懸念が挙げられた農薬について、JMPRのフォローアップ評価に関するコメントを提出した。この報告書はCCPR会合のEUの見解を出すための基礎としての役割を果たす必要がある。

 

-レタスとサラダ植物のキザロホップの既存MRLs改訂

Modification of the existing maximum residue levels for quizalofop in lettuces and salad plants

EFSA Journal 2019;17(7):5747  30 July 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5747

検討中の植物本体の、キザロホップと表されるプロパキザホップの残留物を管理する適切な分析手段が得られた。リスク評価結果に基づき、EFSAは、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、プロパキザホップの既存の使用や、レタスや他のサラダ植物へのプロパキザホップの意図した使用から食品に生じる残留物の長期及び短期摂取は消費者の健康リスクになりそうもないと結論した。

 

[IARC]栄養とがん予防研究を触媒する現在のチャンス-学際的展望

Current opportunities to catalyze research in nutrition and cancer prevention – an interdisciplinary perspective

5 August 2019

https://www.iarc.fr/news-events/current-opportunities-to-catalyze-research-in-nutrition-and-cancer-prevention-an-interdisciplinary-perspective/

Cancer Research UKLudwig Cancer Researchがオーガナイズしたワークショップの報告。BMC Medicine reviews

https://bmcmedicine.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12916-019-1383-9

 

論文

-トップ精神医学雑誌に発表された臨床試験の要旨の半分以上に「スピン(情報操作)」がみつかった

'Spin' found in over half of clinical trial abstracts published in top psychiatry journals

5-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/b-fi080119.php

スピン-根拠がないのに特定の治療法の臨床的意義を誇張すること-がトップ精神医学雑誌に発表された臨床試験の要旨の半分以上にみつかった、BMJ Evidence Based Medicine

 

-ボストン大学の研究者らが製品のリコールを予想するのにアマゾンのレビューとAIを使う

BU researchers use amazon reviews and AI to predict product recalls

5-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/buso-bru080519.php

BERTと名付けられたAiがアマゾンのカスタマーレビューからリコール食品を74%の正確さで同定した。それからリコールされてはいないが安全でない可能性のある数千の食品をみつけた。Journal of the American Medical Informatics Association (JAMIA) Openに発表。

米国の保健当局は食中毒の監視に既にTwitter, Yelp, Googleのデータを使っている。

(アマゾンの食品のレビューに「腐ってた」とかそんなにあるんだろうか)

 

-大麻でがんがなおるという嘘ニュース

False News of a Cannabis Cancer Cure

Siyu Shi et al., Cureus 11(1): e3918

https://www.cureus.com/articles/16818-false-news-of-a-cannabis-cancer-cure

医療コミュニティーにおいてオンラインでのがんを大麻で治すという間違った情報への懸念が増加している。このオンライン情報の性質とソーシャルメディアでの拡散の様子を調べた。

Google Trendsの相対検索量(RSV)ツールを用いて解析すると、大麻でがんを治すという情報の検索量は標準療法の10倍の速度で増加し(RSV 0.10/month versus 0.01/month, p<0.001)、医療用あるいは娯楽用の大麻が合法化された州ではさらに多い。ソーシャルメディアのがん代替療法コンテンツのうち大麻は23.5%と最大のカテゴリーを占める。嘘を正すあるいは正しい情報は虚偽情報に比べて影響が小さい(ツイッターでのリツイートは平均5.6527、フェイスブックでの関与は98452050)。

(フェイスブックの嘘情報天国ぶりは突出)

 

その他

-ILSIニュースレター

ILSI Newsletter | August 2019

Volume 37, Number 4

https://ilsi.org/ilsi-newsletter-august-2019/

ILSIインド報告書:食品加工で農業に付加価値-科学、技術、利益

インドは大量の穀物や野菜果物を生産しているが適切な加工能力がないために廃棄されているものが多い。さらに栄養不良と肥満の両方が問題になっている。その解決を探るセミナーを426日に開催し、報告

ポストハーベストロスを減らすには強力なインフラ整備が必要

他遺伝子組換え、ゲノム編集、パーソナライズド栄養等

 

-食品照射:賢い考え?

Food Irradiation: A Bright Idea?

by Wellness Letter  August 01, 2019

https://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/food-irradiation-bright-idea

米国では生産者や販売者や政府の努力にもかかわらず、毎年4800万人が食中毒になり128000人が入院し3000人が死亡している。どうしたらより安全にできる?一つの方法は照射である。あなたはそんな答えは聞きたくないかもしれない。食品照射にはいまだに反対がありいくつかの団体が反対活動をしている。しかし支持者はもっと多い。USDAFDAEPACDCWHO、米国公衆衛生協会など。食品照射は約60ヶ国で認められていてNASAは宇宙飛行士に照射食品を与えている、宇宙船で食中毒になるのは恐ろしいことなので。

照射についての事実と神話を区別しよう。

・食品照射とは?

・照射した食品は安全でなくなるの?味は違う?栄養は減る?

・米国ではどの食品に照射が認められている?

豚肉、牛肉、鶏肉、生鮮野菜果物、ほうれんそう、レタス、殻付き卵、魚介類、スプラウトの種、スパイス、調味料。

・照射食品は表示される?

・照射食品は洗わなくてもいい?肉の温度計を使わなくていい?

どちらもノー

・照射施設は危険?空気や水が汚染される?

周辺環境を汚染することはない

・欠点は?

照射食品への懸念の一部は感情的あるいは哲学的なものである。照射irradiationに「放射線radiation」が含まれるので食品が放射化するわけではないのに恐怖を覚える人がいる

・買わないことは可能?

イエス

基本:食品照射は食中毒防止と食品の保存期限を延長できる。ただし万能ではない

Berkeley、オーガニック好きなくせに照射はいいんだ)

 

-ケール大好き農薬大嫌い?オーガニックを買おう

Love Kale, Hate Pesticides? Buy Organic

by Wellness Letter  August 05, 2019

https://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/love-kale-hate-pesticides-buy-organic

EWGの主張を全肯定)

 

-ダイエタリーサプリメント:我々はもっとよくできる

Dietary Supplements: We Can Do Better

by Wellness Letter  July 31, 2019

https://www.berkeleywellness.com/supplements/other-supplements/article/dietary-supplements-we-can-do-better

ダイエタリーサプリメントに関する長い解説

・ダイエタリーサプリメントとは何か?

・医薬品とはどう違うか

・サプリメントの強調表示を読み解く

・リスクは?

サプリメントのラベルやウェブサイトには決して書かれていないが以下のリスクがある

死亡を含む重大な副作用

多くの製品は肝毒性

一部のサプリメントは医薬品と同じ成分なので有害影響がある

サプリメントで治そうとすることは真に効果のある治療を受ける機会を逃す

医薬品と相互作用し医薬品の効果を変える

GMPsのいろは

GMPsは安全性を保証するものではない、効果にも関係ない、今でも多くの製品がGMP適合でない

・もっと改善できる

サプリメントにもっと強い規制が必要なのは明白である

・サプリメント使用者向けチェックリスト

インターネット広告の体験談やセレブの保証に注意

特にアンチエイジングの宣伝には注意、これまで若さを保つ物質などみつかっていない

医師があなたに万能のサプリの真実を知って欲しくないなどという主張は疑え

どんなものでも使っていることは医師や医療関係者に話すこと、自己診断で病気の治療にハーブを使わないこと