2019-09-20

[EFSA]意見等

-第三国由来伝統食品としてのアリストテリア チレンシス(マキベリー)のベリーの粉末あるいは濃縮ジュースの通知に関する技術報告書

Technical Report on the notification of powder or juice concentrate of berries of Aristotelia chilensis as a traditional food from a third country pursuant to Article 14 of Regulation (EU) 2015/2283

16 September 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1685

第三国由来伝統食品(TF)アリストテリア チレンシスのベリーの粉末や濃縮ジュースをEUで市販するために欧州委員会に提出されたSouth Am Freeze Dry S.A. (チリ)からの通知を受けて、EFSAEU内でのこのTFの市販に対して正当な理由のある安全上の異議があるかどうか欧州委員会から尋ねられた。TF通知の評価へのEFSAのアプローチは、TF認可の通知や、EFSAの科学委員会の関連する既存のガイダンス文書に記載された原則に関する関係者のためのEFSAのガイダンスに基づいている。このTFのアルカロイドの存在に関する量的情報がなく、EUでこのTF(すなわち粉末や濃縮ジュース)の予想される用途や使用量がヒトの健康の懸念の暴露量につながる恐れがあり、そのようなアルカロイドの存在を確認する必要があるという事実を考慮して、EFSAは伝統食品アリストテリア チレンシスのベリーの粉末あるいは濃縮ジュースのEU内の市販に対して安全上の異議を申し立てる。

(アントシアニンの含量や組成データが提供されているものの、文献からインドールアルカロイドが含まれることがわかっているのにその含量が報告されていないと指摘、マキベリーを食用にしていたとしても粉末や濃縮ジュースの食経験情報が提供されていない、など。血糖値を下げる健康食品として売りたかったらしい)

 

-ルバーブのシプロジニルの既存MRLの改訂

Modification of the existing maximum residue level for cyprodinil in rhubarbs

EFSA Journal 2019;17(9):5813 13 September 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5813

検証された定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgで植物本体のシプロジニルの残留物を管理する適切な実施分析手段が得られた。リスク評価結果に基づき、報告された農業規範によるシプロジニルの使用から生じる残留物の短期及び長期摂取は、消費者の健康リスクになりそうもない。

 

-ピリダリルの既存MRLsのレビュー

Review of the existing maximum residue levels for pyridalyl according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2019;17(9):5814  13 September 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5814

規制の枠組みが求める全ての情報が提示され、消費者へのリスクは確認されなかった。

 

-第三国由来伝統食品としてのモリンガ ステノペタラの葉粉末の通知に関する技術報告書

Technical Report on the notification of leaf powder of Moringa stenopetala as a traditional food from a third country pursuant to Article 14 of Regulation (EU) 2015/2283

13 September 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1672

第三国由来伝統食品(TF) モリンガ ステノペタラの葉の粉末を市販するために提出されたLaura Manzano Outeiral (スペイン)からの通知を受けて、EFSAEU内でのこのTFの市販に対して正当な理由のある安全上の異議があるかどうか欧州委員会から尋ねられた。TF通知の評価へのEFSAのアプローチは、TF認可の通知や、EFSAの科学委員会の関連する既存のガイダンス文書に記載された原則に関する関係者のためのEFSAのガイダンスに基づいている。暴露評価がなく、このTFに存在する可能性のある望まれない物質の品質や量に関する情報がないため、EFSAはこのTFEU市場に提案された用途や使用量でヒトの摂取にリスクを起こす恐れがあるかどうか結論できなかった。そのため、EFSATFとしてのモリンガ ステノペタラの葉の粉末のEU内の市販に対して安全上の異議を申し立てる。

(グルコシノレートとイソチオシアネートの評価が必要、フィチン酸やタンニン含量が不明、一般的消費習慣が不明、堕胎作用が報告されている、など)

 

[EU]RASFF Week37-2019

警報通知(Alert Notifications

ドイツ産イラクサ茶のピロリジジンアルカロイド(903 µg/kg)、イタリア産玄米のヒ素(0.38; 0.29; 0.31 mg/kg)、スペイン産冷凍皮なしヨシキリザメロインの水銀(2.1; 2.2 mg/kg)、オランダ産鳥用種子ミックスのシロバナヨウシュチョウセンアサガオの種子(1235 mg/kg)及びブタクサの種子(106 mg/kg)高含有、中国産フランス経由クロレラ粉の多環芳香族炭化水素(1110 µg/kg)、チェコ共和国産ハーブティーのピロリジジンアルカロイド(793 µg/kg)、オンライン取引のオランダ産食品サプリメントのヒ素(30.7 mg/kg)、タイ産オランダ経由センナハーブティーのセンナ高含有、ルーマニア産食品サプリメントの未承認物質ノルタダラフィル(107 mg/g)、中国産オランダ経由乾燥海藻のヨウ素高含有(1300 mg/kg)、チェコ共和国産粉末ブルーポピーシードのモルヒネ高含有(74.7 mg/kg)

注意喚起情報(information for attention

スペイン産解凍マグロロインのアスコルビン酸(E300)高含有(386 mg/kg)、クロアチア産ビスケットの亜硫酸塩非表示(50 mg/kg)、米国産食品サプリメントのアスパラギン酸マグネシウム未承認及びビタミンB6の高摂取量、英国産有機チリペッパーのアフラトキシン(B1 = 52.6; Tot. = 55.3 µg/kg)、インド産英国経由有機チリペッパーのアフラトキシン(B1 = 12 µg/kg)、英国産有機チリパウダーのオクラトキシンA(30.6 µg/kg)、中国産竹製カップからのメラミンの溶出(3.33 mg/kg)、英国産有機チリペッパーのアフラトキシン(B1 = 6; Tot. = 6.59 µg/kg)

フォローアップ用情報(information for follow-up

中国産竹製子供用ダイニングセットのメラミン(3.88 mg/kg)、ドイツ産飼料用カイコのダイオキシンの疑い(1.25 WHO PCDD/F-TEQ/kg)、中国産飼料用未承認遺伝子組換え(枯草菌)ビタミンB2、ドイツ産CBDオイルの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、産出国不明原料オランダ産CBD含有製品の未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)

通関拒否通知(Border Rejections

ベトナム産冷凍メカジキの水銀(1.8 mg/kg)、トルコ産レーズンのオクラトキシンA (30 µg/kg)、トルコ産有機レーズンのオクラトキシンA (23 µg/kg)、米国産野鳥用ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 0.049 mg/kg)、トルコ産ペッパーのホルメタネート(0.258 mg/kg0.096 mg/kg)、インド産ペッパーのジメトエート(0.047 mg/kg)・未承認物質スルホテップ(0.15 mg/kg)及びトリアゾホス(0.25 mg/kg)、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 10.9 µg/kg)及びオクラトキシンA (38 µg/kg)、中国産殻付きピーナッツのアフラトキシン(B1 = 4.2; Tot. = 5 µg/kg)、アゼルバイジャン産ジョージアから発送した煎って砕いたヘーゼルナッツのアフラトキシン(B1 = 7.4; Tot. = 10.9 µg/kg)、フィリピン産麺の着色料タートラジン(E102)の未承認使用、中国産調理器具セットのポリプロピレン製アクセサリーからの一級芳香族アミンの溶出(5.577, 5.356, 4.701 mg/kg)、アゼルバイジャン産ヘーゼルナッツ穀粒のアフラトキシン(Tot. = 17.9 µg/kg)、中国産紅茶の未承認物質マトリン(0.029 mg/kg)、エジプト産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 78; Tot. = 88 / B1 = 38; Tot. = 44 µg/kg)、米国産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 5.1 µg/kg)

 

[ProMED]食中毒 ブルキナファソ:致死、農薬疑い

Foodborne illness - Burkina Faso: fatal, pesticides susp.

2019-09-18

http://www.promedmail.org/post/6678123

[1]Date: Wed 11 Sep 2019 Source: BBC Afrique

ブルキナファソの2地域で農薬汚染食品を食べて10日で少なくとも18人が死亡した。保健大臣によると12人がまだ入院中である。

最初の事例は201991日にDidyrの町で報告された。家族15人が豆の葉と小さなキビの種、実際には残り物の種子、の料理を食べて病気になり治療したが13人が後に死亡した。92日は別の地域で家族14人が病気になり5人が死亡した。医師は集団食中毒と診断した。補足試験で農薬が原因とされた

[2]Date: Wed 11 Sep 2019 Source: RFI Afrique

血液や尿から異常な量の農薬が検出された

(物質不明)

 

[DHSC]運動ガイドライン:英国医務部長報告書

Physical activity guidelines: UK Chief Medical Officers' report

Published 7 September 2019  Last updated 19 September 2019

https://www.gov.uk/government/publications/physical-activity-guidelines-uk-chief-medical-officers-report

健康増進のために人々がすべき運動の量と種類についての報告書

 

-運動ガイドライン:インフォグラフィクス

Physical activity guidelines: infographics

https://www.gov.uk/government/publications/physical-activity-guidelines-infographics

対象者別に6種類

 

[ASA]「オーガニック」クレームについて我々の新鮮なアドバイスをどうぞ

Harvest our fresh advice on “Organic” claims

| CAP News  | 12 Sep 2019

https://www.asa.org.uk/news/organic-context-changes-everything.html

特に食品と化粧品の広告における「オーガニック」という用語についての助言

食品

スーパーに行くと「オーガニック」という言葉が自由奔放に使われているように見えるかもしれないが、食品業界における意味は極めて特定されている。「オーガニック」あるいは「オーガニック成分で作られた」という宣伝をしたい場合にはCouncil Regulation (EC) 834/2007に記された最小基準を満たし、認可された認証団体に登録され、定期的に監視を受けなければならない。そしてそれら全てについての文書による証拠を提供できなければならない。

食品の健康と栄養に関する強調表示に関するCAP基準により、オーガニック食品がオーガニックでない食品より一般的に健康的であるかのような言説や仄めかしは許容できない。同じ理由でオーガニックとオーガニックでない食品の栄養含量の比較に関するクレームも厳密に精査される。

同様に、特定のオーガニック食品のほうがオーガニックでない食品より単純にオーガニックであるというだけで味が良いという主張も文書化された「味覚試験」の根拠を要求される

化粧品

(略)

 

[IARC]エクスポソーム-エクスプローラー2.0:更新により食事バイオマーカー候補とがんと食事の関連を取り入れた

Exposome-Explorer 2.0: an update incorporating candidate dietary biomarkers and dietary associations with cancer risk

17 September 2019

https://www.iarc.fr/news-events/exposome-explorer-2-0-an-update-incorporating-candidate-dietary-biomarkers-and-dietary-associations-with-cancer-risk/

Exposome-Explorerデータベースの第二版が913日発表され現在アクセスできる

 

[IARC]IARCモノグラフ:がんハザード同定の現代的で透明な根拠の合成のための更新手法

The IARC Monographs: Updated procedures for modern and transparent evidence synthesis in cancer hazard identification

https://www.iarc.fr/news-events/the-iarc-monographs-updated-procedures-for-modern-and-transparent-evidence-synthesis-in-cancer-hazard-identification/

Journal of the National Cancer InstituteIARCの前文の2019年更新についての記事が掲載された

The IARC Monographs: Updated procedures for modern and transparent evidence synthesis in cancer hazard identification

https://academic.oup.com/jnci/advance-article/doi/10.1093/jnci/djz169/5566248

オープンアクセス

 

[FDA]FDAは食品防御計画ビルダーの更新版を発表

FDA launches Updated Food Defense Plan Builder

September 19, 2019

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-launches-updated-food-defense-plan-builder

企業がFDA食品安全近代化法のもとでの意図的異物混入要件を満たすための援助となる食品防御計画ビルダー(FDPB)更新版を発表

大規模事業者の意図的異物混入規則遵守日は2019726日で、20203月から査察を始める

 

[WHO]現在の女性と子どもの生存率はかつてないほど高い-国連報告

More women and children survive today than ever before – UN report

19 September 2019

https://www.who.int/news-room/detail/19-09-2019-more-women-and-children-survive-today-than-ever-before-un-report

進歩にも関わらず、妊娠女性や新生児は世界のどこかで11秒毎に死亡している

 

[FTC]Truly Organic(ほんとにオーガニック、会社の名前)?FTCはノーと言い、小売り業者は消費者を誤解させていると主張

Truly Organic? The FTC Says No, Alleges Retailer Misled Consumers about Its Products

September 19, 2019

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/09/truly-organic-ftc-says-no-alleges-retailer-misled-consumers-about

入浴と美容用製品の小売業者はFTCに和解金176万ドルを払う

マイアミビーチの会社Truly Organicとその創始者でCEOMaxx Harley Appelmanが、同社のバス及びビューティー製品が「100%オーガニック」やUSDAの「有機認証」でもないというFTCの申し立てについて和解金176万ドルを払う。

また同社は製品をビーガンと宣伝していたがハチミツや乳糖などを含んでいた。

FTCによると同社は卸業者から製品を購入して見た目を良くするものを加えるか、最終製品を購入して値段を高くして売っていた。

(標準的な製品にオーガニックとラベルを貼って適当にお洒落なパッケージにして高値をつけると売れるらしい。マーケティングとしては大成功なのだろう。グリーンウォッシングという名前がある。それにたとえ本当にオーガニックだったとしても、食べものを肌に使うのはやめたほうがいい)

 

-事業者向けブログ

詐欺的「有機認証」宣伝は消費者を唖然とさせる

Deceptive “certified organic” claims leave consumers verklempt

By: Lesley Fair | Sep 19, 2019

https://www.ftc.gov/news-events/blogs/business-blog/2019/09/deceptive-certified-organic-claims-leave-consumers-verklempt

 

[FSANZ]カフェイン粉末とカフェイン含量の多い製品

Safety of caffeine powders and high caffeine content products

September 2019    

http://www.foodstandards.gov.au/Pages/Review-of-caffeine.aspx

あとで

 

[Codex]地域調整会議の報告

北米と南西太平洋地域は主要食品安全問題を検討する

North America and South West Pacific region examining major food safety issues

13/09/2019

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1208116/

カバ(Piper methysticumで作った飲料)の基準案など

 

-Minister calls on South West Pacific region to face multiple challenges to food safety

16/09/2019

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1208288/

 

論文

-ニュージャージーの湿地の微生物がPFASをむしゃむしゃ食べる

Microbe from New Jersey wetlands chomps PFAS

18-Sep-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-09/acs-mfn091319.php

Environmental Science & Technologyに報告されたC-F 結合を切るPFAS分解細菌Acidimicrobiaceae sp. A6 (A6)

 

-次の農業革命はここに

The next agricultural revolution is here

19-Sep-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-09/cshl-tna091919.php

人口増加と気候変動が食糧安全保障を脅かす中、世界中の研究者がこの課題を乗り越えるために働いている。Cold Spring Harbor LaboratoryZach Lippman教授とイスラエルのWeizmann科学研究所の植物開発専門家Yuval Eshedが植物科学と農業の現在と未来についてのレビューをScienceに発表した

 

-The Lancet Planetary Health: 食事関連疾患の負担にも関わらず、医学教育は学生に患者への質の高い栄養ケア提供知識を身につけさせない

The Lancet Planetary Health: Despite growing burden of diet-related disease, medical education does not equip students to provide high quality nutritional care to patients

18-Sep-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-09/tl-pss091619.php

世界的に医師は栄養ケアの知識が十分でない

 

-赤ちゃんの腸内細菌は出産方法に影響される、ベビーバイオームプロジェクトが示す

Babies' gut bacteria affected by delivery method, Baby Biome project shows

18-Sep-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-09/wtsi-bgb091719.php

経膣出産は母親の腸内細菌を赤ちゃんの腸に促す

Natureに発表。

(膣の細菌ではなく腸内細菌、ということはつまり糞便に接触。でもどちらの赤ちゃんも健康なら問題ないのだが。フォローアップはこれから)

 

-研究は水道水の汚染物質から10万以上のがんが生じる可能性があると推定

Study estimates more than 100,000 cancer cases could stem from contaminants in tap water

19-Sep-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-09/ewg-sem091219.php

Heliyonに発表されたEWGの「研究」。全国の飲料水に検出される22の発がん汚染物質のがんリスクを累積した。最もリスクへの寄与率が高いのはヒ素。次いで殺菌副生成物、ウランやラドンなどの(天然)放射性物質。基準を守っていてもヒト健康に有害である。

(だから特別なフィルターなどを買え、というEWGのいつもの不安商法。発がん物質の線形閾値無しモデルはこういう誤用をされがち)

 

-肝疾患のある人にとって有毒藻類はより危険かもしれない

For people with pre-existing liver disease, toxic algae may be more dangerous

19-Sep-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-09/uot-fpw091819.php

トレド大学の研究者らは、肝疾患やIBDの人にはミクロシスチン暴露についての新しいガイドラインが必要かもしれないという根拠を付け加える

Toxinsに発表されたマウスでの研究

 

-新しい研究によると過体重のデンマーク人は過体重のイヌを飼っている可能性が高い

Overweight Danes are more likely to have overweight dogs according to new research

19-Sep-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-09/uoc-oda091919.php

Preventive Veterinary Medicineに発表されたコペンハーゲン大学の研究によるとイヌとその所有者の体重には関連がある。正常体重のオーナーはイヌのおやつを訓練の時に使うが過体重のオーナーはリラックスしている時にイヌと一緒に食べる傾向がある

 

-ヒトを酔っぱらいにする微生物がよくある肝臓の病気を説明するのに役立つかもしれない

Scienceニュース

Microbe that got man drunk could help explain common liver disease

By Jon CohenSep. 19, 2019 ,

炭水化物や砂糖の多い食事をした後にブラックアウトするほどの中毒になった中国の男性がきっかけで、研究者らがヒトの腸内にいる細菌系統が世界で最もよくある肝疾患の誘因である可能性を発見した。非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は世界中で10億人の患者がいてアメリカ人の3人に1人と推定されている。この病気の特徴は肝細胞に過剰の脂肪があることで、通常は症状がないが25%は脂肪蓄積が進行して肝硬変やがんの原因となる。科学者は中国人男性の奇妙な病気が食事からアルコールを作る細菌によることを発見した。この知見はNAFLDの重症になる人を予想したり進行を抑制する方法に役立つ可能性がある。Cell Metabolismに発表されたこの研究はNAFLD患者の少数に優勢なKlebsiella pneumoniae の新しい系統に焦点をあてる。

 

-低から中所得国の動物の抗菌剤耐性の世界的傾向

Global trends in antimicrobial resistance in animals in low- and middle-income countries

Thomas P. Van Boeckel et al.,

Science  20 Sep 2019:Vol. 365, Issue 6459, eaaw1944

 

その他

-ニュースを一目で

News at a glance

Science  20 Sep 2019:Vol. 365, Issue 6459, pp. 1226-1227

・アフリカ豚コレラが中国を飲み込む

先週中国が貿易戦争中の米国から関税無しで豚肉を輸入することを認めた決定は、ASFがどれだけこの国を傷つけているのかを示す。20188月以降、中国ではASFアウトブレイクが報告されていて公式には120万頭の豚が処分されたことになっているが多くの専門家は実数はもっと多いだろうと信じている。一部の産業アナリストはかつて4億頭以上だったこの国の豚の群れは今年年末までに半減し、豚肉が高騰し不足するだろうという。一方フィリピンでは99日に、7月後半に初めてのASFのアウトブレイクがあったと報告した

・北京の大気汚染改善

・ピーナッツアレルギーの治療薬が承認間近

FDAの助言委員会が先週Aimmune Therapeutics社のAR101(ピーナッツタンパク質を含カプセルむ)を7-2の投票で承認

 

-GM蚊の研究が反発を招く

GM mosquito study draws fire

Kelly Servick

Science  20 Sep 2019:Vol. 365, Issue 6459, pp. 1234

Oxitec10年間GM蚊がウイルスを運ぶ蚊を抑制できるかどうか試験を行ってきた。別の研究チームがOxitecGM蚊の一部が生き残って子孫を作り、地域の蚊にGM蚊のゲノム断片が遺伝しているという報告を先週Scientific Reportsに発表した。このハイブリッドがヒトにとって危険だったりOxitecの戦略が無効だという根拠はない。しかし論文の考察で遺伝的混合により蚊が例えば殺虫剤耐性を増したりするかもしれないと書いたことが反GMニュースの引き金を引きOxitecへの強烈なバックラッシュを引き起こした。OxitecScientific Reportsを発行しているNature Researchに対して一連の誤解を招く想像による記述に対処するよう求め、火曜日に雑誌はこの論文に編集注を加えた

 

-アフリカのプラスチック汚染をきれいにする

Cleaning up plastic pollution in Africa

Bilikiss Adebiyi-Abiola et al.,

Science  20 Sep 2019:Vol. 365, Issue 6459, pp. 1249-1251

アフリカではゴミ収集が適切ではなくリサイクル能力が限られるためプラスチックゴミ汚染が蔓延している。しかしこの大陸はまだ若く成長中で生活の質を改善し新技術を採用することは早い。このため環境問題解決のための新技術の試験には適している

 

-Nature

Covering Climate Now参加記事

(気候変動についてたくさんの記事を書こうという運動)

数字で見る気候変動の困難な真実

The hard truths of climate change — by the numbers

By Jeff Tollefson 18 September 2019

https://www.nature.com/immersive/d41586-019-02711-4/index.html

一連の問題の多い図が、各国の温室効果ガス排出制限が如何に進んでいないかを示す

 

-米国の水道水中汚染物質とがんリスクを調べた研究への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to study looking at contaminants in US tap water and cancer risk

September 19, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-contaminants-in-us-tap-water-and-cancer-risk/

Heliyonに発表された研究が米国で水道水の汚染により10万以上のがんが発生するという

Cranfield大学水研究所客員教授John Fawell教授

これは興味深いアプローチであるが数字を深刻に受け取るべきではない、なぜなら多くの想定があり、リスク値だけではなく最悪ケース想定を積み上げることは極めて誤解を招く。このモデルでは動物実験の結果から、最悪シナリオを想定し緩和対策を考慮せず、使った数値は信用限界95%上限である。95%下限だと数値はもっと小さくゼロに近いあるいはゼロ以下になる-つまり影響が全くないことを意味する。さらに発がん性とされた多数の物質が他の研究で閾値があることがわかっている、例えばクロロホルムである。あるいは用量反応が直線ではなく低用量ではリスクが無視できるものがある。またこの値はその汚染物質全てが入った水を一生飲むことを想定しているが全ての水に全ての汚染物質が入っているわけではない。全体として心配しすぎることはない

Portsmouth大学環境科学教授Jim Smith教授

この論文は飲料水のがんリスクをモデル化しようとしたが適切な文脈におくことと解析の不確実性を説明することの両方に失敗している。

科学者は知見を適切な文脈で注意深く見るべきで、そうでないと人々の過剰反応を引き起こし間違った政策決定につながり公衆衛生に害を与える可能性がある。

Queen Mary University of London病理学名誉教授Colin Berry

この研究の主な問題は累積活性があるという想定である。放射線やヒ素は発がん性があるがそれらが一緒にあるいは協働して作用するという根拠はない

 

-製品レビュー:ターメリックとクルクミンサプリメントとスパイスレビュー

コンシューマーラボ

Turmeric and Curcumin Supplements and Spices Review

9/15/19

https://www.consumerlab.com/reviews/turmeric-curcumin-supplements-spice-review/turmeric/

ブランドにより大きな違い-一部はクルクミンをほとんど含まない

(ただのスパイスは別にクルクミンの宣伝はしてないと思うのだが)

 

-The New York Times へのILSIの反応

ILSI

ILSI Response to The New York Times

18 September, 2019

https://ilsi.org/ilsi-response-to-the-new-york-times/

Andrew Jacobs氏が書いた「闇の企業集団が世界中の食品政策を形作っている」という記事への反論