[BfR]消費者保護とリスク評価:消費者製品中の感作性物質
Consumer protection and risk assessment: sensitising substances in consumer products
Allergo Journal Internationalに発表されたレビューの紹介
[RIVM]おむつと失禁用品の安全な再利用ガイド
A guide for the safe reuse of diaper and incontinence materials
09/17/2019
https://www.rivm.nl/en/news/guide-for-safe-reuse-of-diaper-and-incontinence-materials
RIVMはおむつと失禁用品の安全な再利用のための段階的計画を開発した。この計画はリサイクルと認可機関にリスク評価を行うためのツールを提供する。素材の加工により家庭ゴミを減らせる。さらにおむつや失禁用品から作った製品や素材は安全に使える。
おむつや失禁用品には人々が尿や便で排泄する病原体や医薬品残留物が含まれる。おむつの素材そのものはプラスチック、セルロース、水分を吸収する粒子などが含まれる。それらから作った製品や素材はヒトと環境にとって安全でなければならない
報告書本文はオランダ語
[IPCS]化学物質リスク評価に系統的レビュー法を使うための枠組み-著者会合
Framework for use of Systematic Review methods in chemical risk assessment – authors meeting
28-30 October 2019
https://www.who.int/ipcs/events/SRmeeting_US/en/
WHOのハイレベル枠組み文書を作成するための会議の告知
[CDC]CDCとATSDRは複数箇所でのPFAS研究を始めるために700万ドルを提供
CDC and ATSDR Award $7 Million to Begin Multi-Site PFAS Study
September 23, 2019
https://www.cdc.gov/media/releases/2019/p0923-cdc-atsdr-award-pfas-study.html
7コミュニティーの暴露研究にそれぞれ100万ドル
[IARC]IARCは世界がん研究デー2019を支持する
IARC supports World Cancer Research Day 2019
24 September 2019
https://www.iarc.fr/news-events/iarc-supports-world-cancer-research-day-2019/
2019年9月24日に、IARCはがん研究の重要性を啓発する世界がん研究デーを記念する
スペイン対がん協会が2016年9月24日を最初の世界がん研究デーとしてキャンペーンを行った。
[FDA]FDAは不純物が見つかったためサンドのラニチジンカプセルの自主回収を発表
FDA announces voluntary recall of Sandoz ranitidine capsules following detection of an impurity
September 24, 2019
NDMAが検出された14ロット
(医薬品だと微量の不純物でも回収されるけれど食品だと発がん物質だらけでも健康食品として販売されていたりするよ)
[FSSAI]FSSAIはプラスチック廃棄物のない食品部門を推進
FSSAI Pushes for Plastic Waste Free Food Sector
24th September 2019:
より安全で持続可能な食品包装に向けて
食品トップ企業22社が自主的にプラスチック廃棄物の削減を誓う
[HSE]食品中残留農薬:2019年四半期ごとの報告
Pesticide residues in food: quarterly monitoring results for 2019
6 September 2019
第一四半期報告
あとで
[FSANZ]発酵ソフトドリンクのアルコール含量と表示の調査
Survey of Alcohol Content and Labelling of Fermented Soft Drinks
August 2019
あとで
論文
-スタンフォードの研究者らがターメリックに鉛を発見
Stanford researchers find lead in turmeric
24-Sep-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-09/su-srf092319.php
バングラデシュの一部のスパイス加工業者はターメリックを明るい黄色に着色するためにクロム酸鉛を使っていて、バングラデシュ人の血中鉛濃度を上げている
Environmental Research
問題の多くは1980年代に大洪水でターメリックの色が悪くなったことに起因。明るい色のカレーが欲しいという要望に応えて工業用色素であるクロム酸鉛を使うようになった
Environmental Science & Technologyに発表された関連研究ではバングラデシュ人の血中鉛の由来を検討し、ターメリックの鉛が最もありそうな犯人であるとしている。
(食用色素使えばいいのに。食品に色素はいらない、というのは嘘。常に最高品質のものが手に入る人達は一般人の代表ではない)
その他
-CRISPRがバナナの恐ろしい真菌対策のたったひとつの希望かもしれない
Natureニュース
CRISPR might be the banana’s only hope against a deadly fungus
24 September 2019 Amy Maxmen
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02770-7
研究者らはバナナの防御力を上げ主要商用品種の絶滅を防ぐためにゲノム編集ツールを使っている
現在次世代バナナを作る競争が行われている。コロンビア政府が先月バナナを殺す真菌がアメリカに侵入したことを確認した。このため耐性果物を作る緊急性が増している。
科学者はキャベンディッシュを救うために様々な方法を使っている。オーストラリアのチームは遺伝子組換えで作ったバナナを野外試験中であるがCRISPRも使う。不稔性でクローン増殖をするキャベンディッシュを通常の交配でTR4耐性にするのは不可能である。従ってゲノムを操作するしか救う方法はない。この品種は世界のバナナ出荷の99%になる。
(以下長い記事略)
-発見はいつも政治的
Discovery is always political
24 September 2019 David Kaiser
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02848-2
Natureの150周年を記念した過去150年の研究システムがどう形成されてきたかに関するシリーズエッセイの最初に、David Kaiserが科学の政府による支援のルーツを探る
1600年代のガリレオの研究から書き起こす
-子どもの健康のパイオニア研究が如何にして親の一世代に影響を与えたか
How a pioneering study of child health has influenced a generation of parents
Wed 25 Sep 2019
Jean Golding教授は90年代の子どもたちを30年近く追跡している。最新の知見は出産前の鬱発病率が50%増えているということ。
ブリストル大学の小児疫学名誉教授Jean Golding教授は極めて影響力の大きいAvon 妊娠子ども縦断研究(Alspac)の創始者で現在80才を超えて最新の論文を出したところである。
この研究のデータから、赤ちゃんは仰向けに寝かせるようキャンペーンをしたり妊婦に魚を食べるよう助言するようになった。また当時よく行われていた赤ちゃんの皮膚にピーナッツオイルを使うことがアレルギー感作リスクをあげることも明らかにした。Goldingのお気に入りの知見の一つはあまりにもきれいな赤ちゃんは喘息になりやすいということである。研究開始時は理解を得るのが困難でクレージーで不可能だと言われた。しかし今や世界中でデータが使われ2000以上の論文を生んでいる。この春の論文では、現代の母親は彼女らの母親より教育レベルが高く喫煙率が低いがBMIとコレステロールが高いことを発見している。また帝王切開が多く赤ちゃんの体重は重く母乳を与える率が高い。最も顕著な違いは鬱が増えたことである。
Golding教授は子どもの時にポリオに感染し障害が残った。そのため実験やフィールドワークができないだろうと教師に言われ数学を専攻し観察者として多くの時間を過ごした。引退する気はなく100才まで続けるという。
-研究が十代が毎年ソフトドリンクから5kgの砂糖を摂取していることを示したため砂糖税の要請
Calls for sugar tax amid research showing teens consume 5kg every year from soft drinks
Tuesday, 24 September 2019
全国の9000人の学生の調査により十代の6人に1人が年に5kg以上の砂糖をソフトドリンクから摂っていることがわかった。オーストラリアがん評議会の第二回学生食事運動調査によると少年のほうが多く摂取していて22%が週に1L以上飲んでいる。
がん評議会は連邦政府にジャンクフードマーケティングの規制強化を要求している
(男子中高生はよく食べるしよく飲むからね・・)
-視点:オーガニック業界のCRISPRゲノム編集への反対がどのように農薬の使用を促しているか
GLP
Viewpoint: How organic industry opposition to CRISPR gene editing encourages pesticide use
Steven Cerier | September 24, 2019
写真:スペインの農家が硫酸銅を散布している様子
オーガニック食品の人気上昇は主に消費者が農薬を避けたいと希望することによる。英国のオーガニック団体Soil Associationが消費者にどうして慣行栽培の食品を買わないか尋ねたところ95%が農薬のためと回答した。有機生産でも農薬を使っているにも関わらず-そしてその一部はヒトや野生生物に極めて有害である-オーガニック食品ムーブメントは化学物質を使わない「ナチュラル」な農業と、慣行栽培では「有毒」物質が大量に使われているという神話を広めることで成り立っている。国際有機消費者団体(OCA)会長のRonnie Cumminsはこの虚偽の二分法を2014年のEcoWatchの記事で以下のようにまとめている:
「有機農業は有毒農薬・抗生物質・成長ホルモン・気候を不安定にする化学肥料を使うことを禁止している…消費者は栄養があって合成あるいはオーガニックでない成分をできるだけ含まない食品を買うことに腐心している。オーガニック食品は有毒化学物質や化学肥料やGMO種子を使って作った食品より栄養が濃い」
一般的に合成農薬は有機農業では使用が認められていないが、「天然」の害虫コントロール剤は認められているだけではなく必要とされている。なぜなら害虫はオーガニックだろうと慣行栽培だろうと躊躇うことなく食べるから。Cumminsは重要なことを言っていない、彼の主張は現実とは全く違う。
農業バイオテクノロジーは進化し続け、慣行農業は新しい技術を取り入れ続けて農薬の使用を劇的に減らしてきている。一方オーガニック業界はイデオロギーと経済的理由から進化を拒否し続けてきたため、結局のところ農薬の使用が続いている。
(以下長い記事。特に有機ブドウ農業で使われる銅の問題。難分解性どころか元素なので全く分解しないものを使い続けるので土地はやがて使えなくなる)