[EFSA]意見
-ピジフルメトフェンの農薬リスク評価ピアレビュー
Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance pydiflumetofen
EFSA Journal 2019;17(10):5821 11 October 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5821
情報不足と懸念が確認された。
-ペンフルフェンの既存MRLsのレビュー
Review of the existing maximum residue levels for penflufen according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005
EFSA Journal 2019;17(10):5840 11 October 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5840
さらなる検討が必要。
[EU]RASFF Week41-2019
警報通知(Alert Notifications)
インド産ベイリーフの多環芳香族炭化水素(96.8 µg/kg)、イタリア産有機丸粒玄米の無機ヒ素(0.34 mg/kg)、トルコ産フランス経由ベジタブルギーのグリシジルエステル類(2983 µg/kg)、ドイツ産CBDオイルの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (18.6 mg/kg)及び未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、スペイン産チルド解凍燻製キハダマグロのヒスタミン(399 mg/kg)、
注意喚起情報(information for attention)
モーリシャス産飼料用魚肉のカドミウム(3.2 mg/kg)、米国産食品サプリメントの未承認物質ヨヒンビン、米国産食品サプリメントの未承認物質メラトニン及び5-ヒドロキシトリプトファン (5-HTP)、ウクライナ産カボチャの種子のベンゾ(a)ピレン(6.9 µg/kg)、2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、ポーランド産チルド燻製あばら肉のベンゾ(a)ピレン(2.5 µg/kg)及び多環芳香族炭化水素(PAH4の合計: 20.9 µg/kg)、スペイン産グリーンアップルの未承認物質イプロジオン(2.7 mg/kg)、チリ産冷凍イガイのカドミウム(1.3 mg/kg)、中国産バーベキューグリルからの亜鉛の溶出(660 mg/kg)、アルバニア産ペッパーのクロルピリホス(0.098 mg/kg)、アルバニア産ズッキーニのクロルピリホス(0.24 mg/kg)、ウクライナ産ピスタチオ穀粒および乾燥フルーツミックスの亜硫酸塩非表示(244 mg/kg)、
フォローアップ用情報(information for follow-up)
産出国不明リトアニア経由食品サプリメントのカドミウム(1.5 mg/kg)、ウクライナ産チョコレートカレンダーのニッケル(1.06 mg/kg)、英国産食品サプリメントの未承認新規食品成分アグマチン硫酸、
通関拒否通知(Border Rejections)
インド産ソフトドリンクの着色料サンセットイエローFCF(E110)高含有(53 mg/kg)、オーストラリア産アーモンド穀粒のアフラトキシン(B1 = 17.7; Tot. = 18.5 µg/kg)、パキスタン産糖衣フェンネルシードの着色料エリスロシン(E127)の未承認使用(5 mg/kg)、米国産鳥餌用ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 160 µg/kg)、バスマティ米のチアメトキサム(B1 = 160 µg/kg)及び未承認物質トリシクラゾール(0.17 mg/kg)、スリランカ産チリパウダーのアフラトキシン(B1 = 11.67; Tot. = 12.47 µg/kg)及びオクラトキシンA (63.1 µg/kg)、トルコ産グリルと受け皿からのニッケルの溶出(0.3 mg/kg)、トルコ産煎った殻付きピスタチオのアフラトキシン(B1 = 13.8; Tot. = 14.8 µg/kg)、ベトナム産冷凍メカジキのカドミウム(0.4 mg/kg)及び水銀(5.4 mg/kg)、米国産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 12.7; Tot. = 15.2 µg/kg)、
[EU]査察報告
-ルーマニア―消費者向け食品情報及び食品に関する栄養と健康強調表示
Romania―Food information to consumers and nutrition and health claims made on foods
10/10/2019
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4188
2018年11月3~15日にルーマニアで実施した、消費者向け食品情報及び食品に関する栄養と健康強調表示に関する適切な管理を評価するための査察。ルーマニアには消費者向け食品情報及び食品に関する栄養と健康強調表示をカバーする適切な公的管理システムがある。全ての食品をカバーしているわけではないが、概して、調理済み食品の小売りレベルや生産者での公的管理は、EU条件への準拠を効果的に検証できる。だが、小売りレベルでは、調理されていない食品のアレルゲン情報に非常に多くの違反がある。一般的に、手順と指示には職員を支えるのに必要な情報が含まれていない。生鮮牛乳や乳製品の原産国の必須表示の国家法律には効力があるが、EU規則に反して採択されたため、委員会は国に採択される前に国内措置案を評価する可能性がなかった。
-スペイン―すぐに喫食可能な食品の生産
Spain―Production of ready-to-eat food
10/10/2019
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4187
2019年3月11~22日にスペインで実施した、すぐに喫食可能な食品に適用できるEU食品衛生条件への遵守を確認し評価するための査察。この公的管理システムは一般的にかなりよく設定されている。リスク基準や資源の配分の重みが異なり、自治州間の管理頻度の違いや、生産者や慣習に関する管理が限られることにつながる。衛生違反の確認は一般的に効果的だが、違反の修正では手段は十分効果的ではない。管理の対象や検査官の限度、特定の適用可能な規則の正しくない理解が法令違反の検出に影響を与えている。適切な監視制御がなく、管理職員の知識で管理が不十分または効果的でない場合やギャップがある場合は検出されない。管轄機関、食品企業管理者、消費者に向けたコンプライアンスの促進、食品由来アウトブレイクを削減するための手段は適切である。
-管理団体―ドミニカ共和で活動する認定管理団体が適用したオーガニック生産基準と管理手段
Control Body―Organic production standards and control measures applied by a recognised Control Body operating in Dominican Republic
10/10/2019
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4184
2019年5月8日~16日までドミニカ共和国の認定管理団体が適用したオーガニック生産基準や管理手段の申請を評価するための査察。一般的に検査はよく準備され、実行されている。サンプリング戦略は必ずしもオーガニック生産で認可されていない物質の使用の検出に焦点を当てているわけではなく、サンプルが常に発表された検査中に取られているため、この管理システムの効果は弱められている。フォローアップ手順の措置の遅延と柔軟性が効果を弱めている。管理者が作成した推定収穫量が管理団体の検証なく受け入れられている。輸出貨物の内部トレーサビリティは、いつも完全に確認されているわけではない。だが、ドミニカ共和国の不適合製品の認証のリスクは低く、2016年以来、輸出品にEU加盟国から不正行為の通知はない。
[EU]EUの抗菌剤耐性対策
EU Action on Antimicrobial Resistance
https://ec.europa.eu/health/amr/antimicrobial-resistance_en
AMR-ワンヘルスネットワークが2019年10月15日ブリュッセルで会合
Fighting antimicrobial resistance: the AMR One-Health Network meets in Brussels on 15 October 2019
年に2回の定期会合
[EU]直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)の嫌気性生分解に関するワーキンググループの議事概要
Scientific Committee on Health, Environmental and Emerging Risks SCHEER
Working Group on Anaerobic Biodegradation of Linear Alkylbenzene Sulphonates-(LAS)
Luxembourg, 10 October 2019
https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/scheer/docs/scheer_miwg_136.pdf
2020年3月に意見発表することを目標にする
[NTP]専門家委員会の予定
Upcoming Expert Panels
https://ntp.niehs.nih.gov/events/panels/index.cfm#20191212
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(HMB)とパーフルオロオクタン酸 (PFOA)の毒性およびがん原性試験に関するNTPテクニカルレポート案のピアレビュー
Peer Review of the Draft NTP Technical Reports on the Toxicology and Carcinogenesis Studies of 2-Hydroxy-4-methoxybenzophenone (HMB) and Perfluorooctanoic Acid (PFOA)
2019年12月12日
案については10月15日から公開、意見募集の締め切りは11月20日
ウェブキャストを見るのに事前登録必要
[USDA]YOUBITE, LLCはポークソーセージとターキーソーセージを誤表示のため回収
YOUBITE, LLC Recalls Pork Sausage and Turkey Sausage Products due to Mislabeling
2019/10/11
ケーシングが天然羊又は豚で、それが表示されていない
クラスIIリコール
(アレルギーリスクは低いと判断しているが冷蔵・冷凍庫にあるものは捨てるようにと助言。このへんがもったいないと思う)
[FAO]SDGを達成するには食品ロスと廃棄を減らすのが重要
A major step forward in reducing food loss and waste is critical to achieve the SDGs
14 October 2019
http://www.fao.org/news/story/en/item/1238015/icode/
本日発表された新しいFAOの報告書はどのくらいの食品が失われているか、どこで、何故、についての知見を提供する
-デジタルレポート もう食品を無駄にしない
No more wasted food
http://www.fao.org/state-of-food-agriculture/en/
フードロスFood lossと食品廃棄Food waste:違いは?
フードロスはサプライチェーンでおこるが小売りレベルは含まない
食品廃棄は小売りと摂取のレベルでおこる
食品を動物飼料に変更するのは経済的には損失かもしれないがフードロスや廃棄とはみなされない。食品のうち食べられない部分もロスや廃棄とはみなされない
(見せ方にとても凝っている)
[ProMED]レクチン中毒-スウェーデン
Lectin poisoning – Sweden
2019-10-14
http://www.promedmail.org/post/6726805
Date: 10 Oct 2019 Source: Food Safety News [edited]
スウェーデン食品庁は、学校で大規模食中毒がおこったため、人々に対し、乾燥豆類は正しく水に漬けて調理するように警告した
2019年9月初めにSkellefteaのBaldergymnasiet学校でランチタイムに食堂で病気が発生した。メディアの報道では約280人が発症し、検体は英国のラボに送られた。Skelleftea地方の食品検査官Sandra Wallstromによると、スウェーデンでレクチンが原因で食中毒を起こしたのは初めてだと思う、と述べた。
(9月初めに集団中毒があって英国から答えが返ってくるまでわからなかったらしい。)
[Codex]Dr Yayoi Tsujiyama:食品安全、食品取引と交渉における公正さを扱う全ての関係者のための学びの源
Dr Yayoi Tsujiyama: a source of learning for all those who deal with food safety, fair practices in food trade and negotiation
13/10/2019
http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1238158/
CCASIAの会合の後、codex事務局はDr Yayoi Tsujiyamaが10月初めに農林水産省を退職したことを知った。Codexへの貢献を感謝する。
[COT]2019年10月22日の会議の議題
COT Meeting: 22 October 2019
https://cot.food.gov.uk/cot-meetings/cotmeets/cotmeets
・乳幼児用食品中汚染物質のリスクの可能性についてのレビュー-マイコトキシン-アフラトキシン追加情報
・ヒトマイクロバイオームと薬物の毒性学的相互作用-スコーピングペーパー
https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/tox201957microbiota.pdf
(マイクロバイオーム研究の現状のまとめ、になっている。61ページで文献の多くがここ数年以内に出されたもの)
・電子タバコの毒性学的リスク
香料として使われるメントン、暴露データ一覧、文献情報更新
・強度推定方法開発についてのディスカッションペーパーへのイントロ
・幼児用食のα-, β-および γ-ヘキサクロロシクロヘキサンのリスク
・マイクロプラスチック暴露によるリスクについてのスコーピングペーパー
https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/tox201962microplastics.pdf
80ページ。現状の良いまとめ。定義が決まっていない、ベースラインがわからない、比較できない
・残留動物用医薬品のリスク評価
・乳幼児用食品中シクロピアゾン酸のリスク
・6か月から5才の子どもの豆乳摂取についてのディスカッションペーパー
https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/tox201965discussionpaperonsoyadrink_0.pdf
PHEとFSAに、乳幼児の食事に牛乳の代わりに植物ミルクを使うことに関する質問が増えている。2013年に意見を出しているがその後の更新も含めてレビュー
・SAC更新
論文
-研究者らが第二次世界大戦後に失われた即効性のドイツの殺虫剤を再発見
Researchers rediscover fast-acting German insecticide lost in the aftermath of WWII
11-Oct-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/nyu-rrf101119.php
Journal of the American Chemical Societyに発表されたフッ素化DDT( DFDT)の研究。
DFDTはWWIIの間にドイツの化学者が殺虫剤として作りDDTと並行して使われた。しかし戦後DFDTはDDTより毒性が低く即効性だというドイツの主張を連合国軍は却下した。殺虫剤としてのDDTの発見が1984年のノーベル賞受賞でPaul MüllerはDFDTが将来殺虫剤として使われるだろうと述べている。しかしながらDFDTは長い間忘れられていた
-子どもの鉛暴露リスクの重要な兆しは表土であることを研究が発見
Study finds topsoil is key harbinger of lead exposure risks for children
14-Oct-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/tu-sft100919.php
PNASに発表されたニューオーリンズでの研究
-我々の子供たちの人種による母乳格差
Breastfeeding disparities among us children by race/ethnicity
14-Oct-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/jn-bda101019.php
JAMA Pediatrics。2009年から2015年の間に母乳率は全体としては上がったが人種により異なる。米国168000人の乳児の観察データ。格差は黒人と白人で最も大きい
(母乳かどうかの数%の差は格差というほどではないのでは)
-低リスク甲状腺がん患者にとっては、術後サーベイランスは少ない方がいい
For low-risk thyroid cancer patients, less may be more for post-surgery surveillance
14-Oct-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/mm-u-flt101119.php
「マキシマイザー」と呼ばれる医療リソースを最大限使用する患者サブ集団がより良い結果になるという明確な根拠はない
Journal of Clinical Oncology
(甲状腺がんってほんと不思議な病気。見つけない方がいいがん、というのは「常識を疑え」と突きつけられる試金石)
-電子タバコ:アプローチを見直す時期?
The Lancetエディトリアル
E-cigarettes: time to realign our approach?
Vol.394 | Number 10206 | Oct 12, 2019
電子タバコの製造業者や一部の公衆衛生提唱者は電子タバコを禁煙補助のためのツールやより安全な代用品として支持してきた。しかしどちらも根拠は弱い。
電子タバコの安全性への懸念が高まる中、いくつかの国は規制を強化している
その他
-アサイーボウル?Froot Loopsでも同じように食べられる
Acai Bowl? You Might as Well Just Eat Froot Loops
By Angela Dowden — October 11, 2019
https://www.acsh.org/news/2019/10/11/acai-bowl-you-might-well-just-eat-froot-loops-14336
「スーパーフード」と宣伝されるアサイーボウルとFroot Loops(市販のシリアル)にスキムミルクをかけたもの三食分(カロリーがほぼ同じ)の栄養成分を比較した記事。
朝食シリアルなのでビタミン強化されていて栄養成分で圧倒的にFroot Loopsが多い
(この記事の面白いところはコメント欄。普段つかないコメントがアサイー信奉者からの罵詈雑言で埋まっている。天然の砂糖は身体に良くて加工食品の砂糖は身体に悪いとかいう謎理論が展開されている。)
-Science書評 ゴールデンライスの予防的物語
The precautionary tale of golden rice
Andrew J. Wight(豪の科学ジャーナリスト)
Science 11 Oct 2019:Vol. 366, Issue 6462, pp. 192
Ed Regis著「ゴールデンライス:GMOスーパーフードの危うくされた誕生Golden Rice: The Imperiled Birth of a GMO Superfood」の書評
GMOという単語は、地上にトマト地下にジャガイモを実らせる植物やオレンジとレモンの縞々の果物を実らせる木のような狂った作物というイメージを惹起する。しかしその二つは実験室で作られたものではなく、何千年もの間園芸家が使ってきた技術である単純な接ぎ木の産物である。この本でサイエンスライターEd Regisはなぜある種の食用植物は「GM」とみなされて厳しく規制され、一方別のものは強力なヒトの介入があるにも関わらず「自然」だとみなされるのか、を探った。
タイトルはビタミンA欠乏対策としてベータカロテンを発現するよう遺伝子操作された黄色いコメを指す。この本は実験室で成功したものが人々の手に渡って利益を与えるのがどれだけ困難であるかを注意深く思慮深く記述している。Regisはこの本をゴールデンライスを開発した科学者に捧げると明示しているが、同時にこのコメの旅路のいくつかの間違いには科学者の責任もあることを明確にしている。
科学者の立場からは、ゴールデンライスの技術は成功事例である。では何故速やかに広まらなかったのか?グリーンピースや反GMO活動家の声の大きな批判はあったものの、もう一つの犯人は予防原則である、とRegisは指摘する。
原子力エネルギーではチェルノブイリ、医薬品ではサリドマイドのような事例はあるがGMOについてはそのような惨事はない。悲劇が起きる前に予防的に対応するのが良いという主張はあるがRegisは読者にビタミンA欠乏による死亡や障害を予防することを未知のリスクを理由に規制が阻害していることを考えるよう促す。
何百万ドルものお金と何年もの努力の結果、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは最近ゴールデンライスを認可した。そして最終目標であるフィリピンとバングラデシュでの2019年末までの認可を待っている。
(未知のリスクで予防原則を主張するのは単純に自分たちは困ってないからだろう)
-何故日本は2020オリンピックを前にエボラを輸入したか
Natureニュース
Why Japan imported Ebola ahead of the 2020 Olympics
14 October 2019 Mark Zastrow
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03103-4
日本は来年の東京オリンピックに向けて何万人もの国際的旅行客を迎える準備をしているが、その中には望ましくない生物学的訪問者への準備も含まれる。
先月日本はエボラと他に4つの危険なウイルスをアウトブレイクへの準備として輸入した。マールブルグウイルス、ラッサウイルス、そして南米出血熱とクリミアコンゴ出血熱をおこすウイルスも含まれる。これは国内唯一の国立感染症研究所のBSL-4に初めての病原体到着である。この施設は1981年に作られたがこれまで何十年も住民の反対のためBSL-3として運用されてきた。2015年にBSL-4としての運営に合意されたが今回のウイルス輸入決定は7月である。危険な病原体を研究する日本の能力は他の先進国に遅れていた-米国と欧州両方とも操業中のBSL-4ラボや建設中のものは12以上あり中国では少なくとも5つのBSL-4ラボからなるネットワークを構築中である
(以下略)
-加工食品が我々を太らせる?
Are Processed Foods Making Us Fat?
by Wellness Letter October 10, 2019
https://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/are-processed-foods-making-us-fat
高度に加工された食品摂取増加が肥満や糖尿病、高血圧その他の増加に貢献しているのではないかと長い間疑われてきた。専門家は脂肪やカロリー、ナトリウムの多さを非難してきたが一部の人達は他にもあるという理論を提唱していてそれは証明が困難だった-今までは。(以下Cell MetabolismとJAMA Internal Medicine論文の紹介、略)
TIP:自分で「加工」しよう
食品企業は健康的な超加工食品を開発しようとしているがまだ実績はあまりなく消費者がしばしば好まない。代わりに、まるごとの食品を買って自分で「加工」しよう-それは可能な限り最初からやるホームクッキングと呼ばれる。
(全然「代わり」になってない-ゼロから手作り、などという余裕のある人は健康でお金持ちな場合が多いだろう
-肉に賛成する研究への私の不満
Here's My Beef with the Pro-Meat Study
Joe Schwarcz PhD | 10 Oct 2019
https://mcgill.ca/oss/article/health/heres-my-beef-pro-meat-study
(The Montreal Gazetteに最初に発表されたもの)
何を食べ何を食べないのかについての問題はあまりにも複雑で簡単な解決法はない
肉についての議論が直火で焼けている。少し煮ようか。肉は焼くより煮た方が発がん物質は少ないので。そしてステーキ6オンスを食べることと12オンス食べることは同じではないことを忘れずに。週に7回ステーキを食べることと4回食べることは同じではないしステーキの付け合わせがフレンチフライの場合とサラダの場合も同じではない。肉を野菜で置き換えることとパスタに変えることは同じではない。牧草を餌にした牛の肉と穀物を食べた牛の肉は同じではない。若いスポーツ選手の肉食と高齢で心臓病や糖尿病がある人の肉食は同じではない。そして少量の肉に含まれるタンパク質を摂るためには豆をたくさん食べなければならない。
もう何年にもわたって肉を食べることのリスクとベネフィットの比を評価しようとする研究が数多く行われてきた。ほとんどが質問票に基づいた観察研究である。しかし人々の記憶はあてにならないし量を測定するのは難しく実際に食べたものより食べるべきと考えているものを報告する可能性がある。個々の研究にはあらがあっても、全てをまとめると肉の摂取量はほどほどであるほうが健康に利益があるだろうという方向を根拠は指している。少なくとも最近のAnnals of Internal Medicineに発表された論文が、肉を減らす根拠があまりにも薄弱なので別に摂取量を変えなくても、という結論を出すまでは。予想通りこの助言は新たな厄介ごとをもたらした。
根拠が弱い、は根拠がないと同じではない。実際著者らは小さな利益を確認している。さらに環境影響を考えると今までどおりでいいという助言は適切ではないだろう、特に毎日肉を食べる人にとっては。
カナダフードガイドの助言が良いだろう。
(いろいろ略)
-どうして科学者は意見を変え続けるのか?
Why Oh Why Do Scientists Keep Changing Their Minds?
Jonathan Jarry, Msc | 11 Oct 2019
ニュースの見出しからはあなたは科学者はなにひとつ知らず見解を変え続けていると思うかもしれない、しかしこの厄介な認識の背景にはいくつか理由がある
メディアで「新しい研究」が報道されるとしばしばソーシャルメディアで科学者が全く合意できないというコメントがみられる。ある週は肉を食べるのは減らすべき;次の週は別に問題ない。なぜ科学者はころころ意見を変え続けるのか?もし彼らがなにひとつ合意できないなら、彼らを信用すべきではないのではないか。
幸い科学者への信頼はまだ全体としては高い(科学者と一般人の間に大きな違いがあるトピックはあるにもかかわらず)。しかし科学者が意見を変えているように見える理由はある。
コウモリの羽を食べることががんを抑制するだろうというDr. Orlokの仮想事例を使って説明してみる。
1.世界は質の低い研究だらけ
Orlok博士はたった10人でたった1年の観察で論文を書く
2.全ての変数をコントロールできるわけではない
Orlok博士の観察がもっと長期間だったとして、喫煙を考慮してもアスベストは忘れているかもしれない
3.科学者には厳格さを誤魔化す自由がある
Orlok博士は都合のいい結果が出るまで研究を繰り返しベストなものを発表
4.探索的研究が確実な知恵として売られる
Orlok博士はがんを調べていたのだがたまたま糖尿病に差があったのでそっちを確定した根拠のように言うかもしれない
5.お金を見せる
Orlok博士の研究はコウモリの羽の会社がお金を出している
6.科学者の中には不正行為をする人もいる
Orlok博士は何が何でもいい結果を出したかったがいまいちだったので画像をいじった
7.妥当な知見が誇大広告マシンにより歪められる
Orlok博士の研究では僅かな差が見られたのでそれを強調したら大学のプレスリリースが誇大に宣伝した
8.科学的論争が操作されることがある
Orlok博士はコウモリの羽については最も厳格なデータを持っているが、それに対して科学者ではないナチュロパス「ドクター」が異論を言う
9.しかし科学には真に合意されていないことがある
世界は複雑で科学が困難-特に食の健康影響については上述の全てがあてはまる
-医師らが乳がんと関連するためチーズに警告表示を求める、しかし根拠は混合している
Doctors want a warning label on cheese because of a link to breast cancer, but the evidence is mixed
Gabby Landsverk
https://www.insider.com/does-cheese-cause-breast-cancer-fda-warning-labels-2019-10
ある医師らの団体がFDAに、チーズにホルモンが含まれるので乳がんリスクを増やす可能性があるという警告表示を求める請願を行った。牛乳から作ったチーズには生殖関連ホルモンが含まれる可能性があり、それらはがんリスクと関連するという。しかし他の研究ではチーズは健康上の利益と関連することが報告されている。栄養士はほどほどに食べれば安全だという。
(いつものPhysicians Committee for Responsible Medicine。10月の乳がん啓発月間にあわせて
Doctors Petition FDA to Require Breast Cancer Warning Label on Cheese
Oct 3, 2019
-肥満:公共輸送機関で軽食禁止、トップドクターが言う
Obesity: Ban snacking on public transport, top doctor says
10 October 2019
https://www.bbc.com/news/health-49975720
イングランドの退陣予定の医務主任デイムSally Daviesが最終報告書で、子どもの肥満対策として公共交通機関では食べることを禁止し不健康な食品には課税し広告や持ち帰りには厳しい規則を呼びかける。
彼女は子供たちは不健康な選択肢の洪水に溺れているので助けが必要だという。大胆な手段をとらなければ肥満率は減らないだろう、と加えた。
(学校帰りに電車やバスで何か食べるのってよくあるのだが。)
-未殺菌ミルクを飲むことの利益はよくわからないが、危険性は現実のもの
The benefits of drinking raw milk are unclear—but the dangers are real
James Blaxland & Vitti AllenderOctober 13, 2019
https://qz.com/1724438/the-benefits-of-raw-milk-are-unclear-but-the-dangers-are-real/
オンラインで効果を宣伝している人達によると未殺菌の生のミルクはお腹を治し免疫系を強化しアレルギーを予防し健康的な皮膚にしボディビルにも役にたつ。よくある考えは殺菌がビタミンや善玉細菌を殺すので生の方が良いというものだ。最近の報道によるとそのような認識により生のミルクの需要が増え一部の農家が喜んでそれに応えている。
しかし科学的根拠は?殺菌がミルクの栄養に僅かな影響がある可能性があるというデータは幾分かはある。しかし生のミルクは致死的な可能性のある感染症リスクがある
(略)
生のミルクが危険なために販売はしばしば厳しく規制されている
(英国の記事)