2019-11-12

[FDA]ホメオパシーと表示されている医薬品 FDA職員と業界向けガイド案

Drug Products Labeled as Homeopathic

Guidance for FDA Staff and Industry    DRAFT GUIDANCE

https://www.fda.gov/media/131978/download

201910月から90日間意見募集

執行や規制対応は以下のような製品を優先する意向

・傷害の報告があり安全上の懸念がある

・安全上の懸念のある成分

・経口と局所以外の投与経路

・重大な疾患の予防や治療効果を宣伝

・乳幼児や妊婦、高齢者など脆弱な人達を対象

・相当な質の問題がある

 

[FDA]蒸気吸入製品の使用に関連した肺疾患について

一般向け情報、FDAの対応、勧告

Lung Illnesses Associated with Use of Vaping Products

Information for the Public, FDA Actions, and Recommendations

https://www.fda.gov/news-events/public-health-focus/lung-illnesses-associated-use-vaping-products

<蒸気吸入製品による肺疾患に関する専用サイト> 

Content current as of: 11/08/2019

概要

 各州の患者は似ており、蒸気吸入製品の使用に関連している。患者の多くが、入院前に、呼吸が困難になる、息切れ、及び/又は胸痛などの症状が徐々に開始したと報告している。何人かは、嘔吐や下痢などの消化器症状、発熱や倦怠感など、軽度から中程度の症状を報告している。また患者らは、テトラヒドロカンナビノール(THC)を含む蒸気吸入製品を最近使用したことを医療従事者に伝えている。

FDAの対応

FDACDCは、蒸気吸入製品の使用に関連した重度呼吸器疾患の痛ましい事例について調査している。共同して、電子タバコを含む蒸気吸入製品の分析を行っている。FDAは電子リキッドに含まれる広範な化学物質(ニコチン、THC、その他のカンナビノイドなど)を分析し、CDCは電子タバコやその他の蒸気吸入製品のエアロゾル放出試験を行う。FDACDCの分析のために各州から製品サンプルを提供できるシステムを作っている。

FDA予備的ラボ分析

 2019118日、FDAは消費者、病院、州機関から集められた1,000以上のサンプルを25州から受け取っており、そのうち約850は、患者との関連がある製品である。FDAは患者全員に関係する特定の製品や成分を見つけてはいないが、検査したほとんどのサンプルにTHCが含まれている。

患者と関連のある595サンプルの検査結果

419サンプルにTHCが含まれている。そのうち50%の製品は希釈剤(diluent)としてvitamin E acetate(和訳:トコフェロール酢酸エステル、ビタミンE酢酸エステル)を含み、少数のサンプルで確認されたそれらの濃度は23%88%であった。THC含有製品の22%は、中鎖トリグリセリドのような他の希釈剤を含んでいた。

2019118日時点で、約300サンプルがCDC報告の患者54名との直接的な関連性があった。その患者の80%THC製品との関連があり、それらTHC製品の74%が希釈剤としてvitamin E acetate28%が脂肪酸エステル(例:トリグリセリド)、6%がポリエチレングリコールを使用していた。

患者との関連があるサンプルに含まれる化合物を特定することは重要ではあるが、それはパズルの1ピースであり、必ずしも原因に対する疑問の答えとはならないだろう。患者による使用パターン、製品、報告された物質は多様であることから、今回の疾病には複合的な要因が関与している可能性がある。

消費者向け情報

医療従事者向け情報

FDAの関連サイトへのリンク一覧

CDCの関連サイトへのリンク一覧

 

[FDA]FDAは食品中PFASの分析法と最近の調査からの最終結果を公表

FDA Makes Available Testing Method for PFAS in Foods and Final Results from Recent Surveys

October 31, 2019

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-makes-available-testing-method-pfas-foods-and-final-results-recent-surveys

 FDAは、様々な食品グループ中の16種のパー及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)について科学的に妥当性確認された分析法を利用可能にしている。FDAPFASへの総合的な食事暴露量を推定するために国家的な取り組みを継続しており、この分析法が、環境汚染により影響を受ける可能性のある特定地域産の食品や飼料の安全性を評価する上で、今後のFDAと各州との協力において重要な一歩となる。

 本日FDAは、6月に発表した3件の調査で分析した限定的な食品サンプルから得られた最終結果についても公表する。これらは、分析される食品グループごとに検出限界(MDL: method detection limit)が設定され、妥当性確認された方法を利用している。この3件の調査には、FDAのトータルダイエット調査(TDS)の通常サンプリングの他に、PFAS環境汚染の影響を受けた特定地域産の農産品調査(Produce Survey)と乳製品調査(Dairy Survey)も含まれた。

 最終結果によると、初期の調査結果に比べて陽性検体の数に減少が見られた。これらの減少は、新たに設定したMDLの適用に起因しており、MDLPFASが反復測定をしても確実に測定できる値である。初期の分析において、特定の食品中に、あるPFASが非常に低濃度で存在すると報告したが、分析法の妥当性確認を行い、最終結果としては、それらの濃度はMDL未満であり、もはや検出可能な濃度とは報告されるものではない。

トータルダイエット調査:最終結果は、TDSの一環として2017年に集めた食品の大半において分析対象の特定のPFASは検出されなかったという初期の調査結果を確認し、それを強固なものにする。TDSは、平均的な消費者が食べ、環境汚染とは関係のない広範な食品の代表的なものをサンプルとして用いている。当初、あるPFAS19サンプル中14において検出されたと報告した(多くは極めて低濃度だが)。本日公表した結果では、PFASが検出可能濃度だったのは91サンプルのうちたったの2つのみであった。さらに、最終結果には、チョコレートケーキとチョコレートミルクの各々一つサンプルが含まれている。追加調査で、チョコレートは擬陽性を示すことを突き止めることができた。当初、チョコレートケーキでは1種類のPFASについて高濃度の結果がでていたが、いずれのチョコレート含有サンプルも検出可能なPFASは存在しないと決定している。同様の擬陽性結果を防ぐために、分析法には、正確に測れるように追加の工程を含めている。

農産品調査:環境のPFAS汚染の影響を受けた特定地域から得られた農産品20サンプルの調査では、少なくとも1種類のPFASが検出可能な濃度の農産品サンプルの数が19から16に下がった。その16サンプルのPFAS物質の濃度は非常に低く、ヒトの健康に懸念はないと確認した。

乳製品調査:地下水がPFASに汚染された2つの農場から得られた乳製品の調査では、以前に健康上の懸念があると断定された乳について、少なくとも1種類のPFASが依然として高濃度であるという結果が最終結果でも示されており、結論は変更されていない。健康上の懸念があるとされた全ての乳サンプルは廃棄し、出荷はされなかった。

FDAは現在、食品中のPFAS汚染実態の基礎的な知見を増やすために追加のTDSサンプルを測定しており、その結果を年末に公表しようと考えている。新たな情報が入手可能になったら、FDAのウェブサイト上で引き続き公表するだろう。

*測定法:Determination of 16 Per and Polyfluoroalkyl Substances (PFAS) in Food using Liquid Chromatography-Tandem Mass Spectrometry (LC-MS/MS) (Version 2019).

https://www.fda.gov/media/131510/download

*最終結果:Per and Polyfluoroalkyl Substances (PFAS)

https://www.fda.gov/food/chemicals/and-polyfluoroalkyl-substances-pfas

 

 

[BfR]ヴェイピング(蒸気吸入):BfRは自分で「e-リキッド」を混合しないよう助言

"Vaping": The BfR advises against self-mixing e-liquids

17.10.2019

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2019/39/_vaping___the_bfr_advises_against_self_mixing_e_liquids-242872.html

 「ヴェイパーズ(Vapers;蒸気吸入者)」は、電子タバコ用のe-リキッドを混合しないように。特に、消費者が十分な知識と経験を有しない場合に向けて助言する。例えば、DIYミックスはミネラルと植物オイルによるリスクがある。リキッドには油脂が含まれてはならず、もし油脂を吸入すると深刻な呼吸器障害を起こす可能性がある。製造元や組成が不明な電子タバコとe-リキッドは避けるべきである。これが、米国で多発している重篤な肺障害を受けてのBfRの指摘である。

 現時点の理解では、ドイツの電子タバコ使用者は増加したリスクに直面しておらず、欧州とドイツの規則を遵守した製品を利用している。しかしながら、ヴェイパーズ達は、特に製品を変更した後は、息切れや胸痛のような症状に注意を向けるべきである。

 電子タバコは、吸入ができるように液体(通常はニコチンを含む)を蒸気が出るまで加熱する。現在の知見によると、電子タバコは従来タバコよりも有害性が低い。しかしながら、成分や不純物が十分に研究されていない場合や、新しいリキッド及び蒸気吸入製品については、健康リスクが上昇するだろう。さらに、Subohmモデル(タンク型)は肺に直接的に多量の蒸気を送る。その影響については、まだ完全には研究されていない。ニコチンフリーのリキッドも問題がある。それらの製品はタバコ規制の対象ではないため、ニコチン含有製品の規制を守る必要がない。例えば、健康へのリスクがある成分の製品への使用禁止や、報告要件などの規則である。DIY e-リキッドは、しばしば毒性情報センターへの問い合わせ理由である。

 (以下、米国の事例の簡単な説明)

 

[ANSES]Lubrizol工場での産業火災:ANSESの意見

The industrial fire at the Lubrizol plant: the ANSES Opinions

https://www.anses.fr/en/content/industrial-fire-lubrizol-plant-anses-opinions

926日のフランス、ローレンのLubrizol工場での火災による大量の煙はフランスのいくつかの県に影響を与えた。放出された可能性のある危険な物質の影響を評価するために当局は素早く測定とサンプリングを依頼した。

この状況からANSESは地面への堆積に関して起こりうる食品リスクを評価するよう求められている。第一段階には、農業と食品生産に関して初期監視とサンプリング措置が適切に実施されることの確保が含まれていた。実施された緊急戦略を補完するために、様々な暴露ルートを通して健康影響を起こすおそれのある主な物質を特定する目的でANSESINERISへの要請もされた。この労働災害中に環境に放出されている恐れのある物質や、これらの物質に暴露される地域のリストを作成する、企業リスクの参照機関であるINERISの作業にANSESは貢献し補完した。

Lubrizol工場での産業火災に関連する食品リスクの評価についてのANSESの意見

ANSESは食品リスクに関して、農業や食品生産で検査された最初の物質(ダイオキシンとフラン、PCBsPAHs、微量金属元素)は妥当であると結論した。他の微量金属元素、フタル酸エステル類、消火の際に消防士が使用した難燃剤まで物質のリストを拡大することを提案している。ANSESは家畜の飼料に検査、測定されるべき物質のリストも作成した。さらにANSESは、家畜、特に戸外で牧草を食べたり地面をつついたりする動物の長期管理のために土壌のサンプルをとることや、相当量の沈着のあった地域をより正確に特定するよう助言した。

より一般的には、その後のデータの活用と解釈を促進するために、求められる情報の完全性と、サンプルの収集や文書化に使用される手段の両方の観点から、ANSESは監視やサンプリング計画を最適化し、この事故後の経過時間を考慮して調整されていることを確実にするよう助言を行った。

*ニュース参照:Lubrizol工場での産業火災に関連する食品リスク評価についての最初のANSESの意見

Initial ANSES opinion on the assessment of food risks associated with the industrial fire at the Lubrizol plant

News of 10/10/2019

https://www.anses.fr/en/content/initial-anses-opinion-assessment-food-risks-associated-industrial-fire-lubrizol-plant

ANSESの意見:フランスのセーヌ-マリティム県のLubrizol工場火災の事故後リスク評価の作成におけるANSESの意見(フランス語)

le 4 octobre 2019

ANSES OPINION in preparation for post-accident risk assessments of the Lubrizol plant fire in the Seine-Maritime département of France (in French)

https://www.anses.fr/fr/system/files/ERCA2019SA0171.pdf

 

-Lubrizol工場での火災後に検査した乳サンプルのANSESの専門家評価

Lubrizol工場での火災後に、牛乳、卵、ハチミツなどの動物製品や植物製品は、すすが観測された多くの地方自治体(セーヌ-マリティム県、オワーズ県、ノール県、ソンム県、エーヌ県)で押収された。噴煙がもたらす沈着により起こりうる食品リスクの専門家評価の一部として、ANSES1011日に集乳の禁止を解除する可能性と条件の科学的根拠を出すよう緊急要請を受けた。

ANSESは、火災後311日の間、つまり2019929日~107日に採集した全部で130の牛乳サンプル (主に乳牛の、一部ヤギの、牛乳、生乳、全乳、タンク混合牛乳) の結果を吟味した。緊急に定義され、第一段階のサンプリング検査対象として優先された汚染物質は、ダイオキシンとフラン、PCBsPAHs、微量金属(鉛、カドミウム、水銀)だった。これらの汚染物質は環境中に見つかる可能性があり、消費者の健康を保護する最大規制値は食品にすでに設定されている。ANSESは測定された汚染物質濃度を解析するために、特に国家レベルでの監視と管理計画で得た汚染濃度と比較を行った。

*ニュース参照:Lubrizol工場での火災後に検査された乳サンプルのANSESの専門家評価

ANSES's expert appraisal of tested milk samples following the fire at the Lubrizol plant

News of 14/10/2019

https://www.anses.fr/en/content/ansess-expert-appraisal-tested-milk-samples-following-fire-lubrizol-plant

ANSESの緊急収集専門評価グループの専門家が試験したサンプルに関する要約は次の通り。

最大規制値を超過している事例は示されず(鉛の単独の変則的な値を除く)、中央値は最大値の20%未満である

専門家が最も妥当だと考えた統計上の指数(75及び90パーセンタイル)は、国家監視や管理計画の結果と大きく変わらない

空間クラスタリング後に経時的に上昇傾向を示すことはない

労働災害あるいは主な慢性汚染に関連する以前の変則的な汚染状況の際に測定されたのより低い値が示された

だがANSESは、火災によって沈着した粒子による乳の汚染リスクにはまだ不確実性があると指摘し、環境の汚染沈着や汚染の可能性のあるホットスポットをよりよく確認するためのさらなる作業を助言した。ANSESの見解では、乳の販売制限の解除には次の点が強化された監視システムが必要である。

動物の収容と給餌の方法を考慮すること

暴露されている可能性のある牧草の土壌、飲料水、または地産飼料などを介したあらゆる乳汚染の早期発見を可能にすること

最後に、消費が許可されていない乳の廃棄について、専門家はその実施方法に関して、有効な規定(EC規則 No 1069/2009及びその実施テキスト)を参照する点でビジランスの必要を繰り返し述べた。

ANSESの意見:Lubrizol工場の事故後に分析された牛乳サンプルの健康リスク評価を除いた専門家評価(フランス語)

le 14 octobre 2019

ANSES OPINION: expert assessment, excluding health risk evaluation, of milk samples analysed following the Lubrizol plant accident (in French)

https://www.anses.fr/fr/system/files/ERCA2019SA0176.pdf

 

-Lubrizol工場での火災後の飲料水のモニタリングに関するANSESの専門家評価

2019926日にノルマンディ地域保健局(ARS)は飲料水の水質強化モニタリングを導入した。噴煙の下や汚染源の近くにある地上の飲料水貯水池、続いてこの噴煙の下や近くにある飲料水生成に使用される地下水抽出ポイントが優先された。表面汚染に対する脆弱性に基づいてこれらが選択された。この最初の分析には雨水で発見されやすい広範な化合物も含まれている。

この火災による煤煙の沈着に影響を受けた地域には、2019928日の食品販売制限についての県令により懸念された112の自治体の66か所の地下水抽出ポイントが確認された。これらの地下水抽出ポイントは、大雨の際の急速な地表水の浸透リスクに対する脆弱性により分類された。

926日からノルマンディ ARSが行ったサンプリング戦略の評価に基づき、ANSESが招集した緊急集団専門家評価グループの専門家は、得た結果により時間と共に調整できる包括的監視計画を提案した。

*ニュース参照:Lubrizol工場での火災後の飲料水のモニタリングに関するANSESの専門家評価

ANSES's expert appraisal on the monitoring of drinking water following the fire at the Lubrizol plant

News of 17/10/2019

https://www.anses.fr/en/content/ansess-expert-appraisal-monitoring-drinking-water-following-fire-lubrizol-plant

専門家は、この監視計画を2019年末まで実施するよう提案した。この包括的な分析やモニタリング計画はその後、時間の経過と共に調整及び適応される可能性がある。特に、これにより他の環境区画で特定される可能性のある他の物質を考慮できるようになる。もし、この計画が飲料水の定期的な水質モニタリングに含まれていない化合物を検出したなら、処理システム、特に塩素処理工程の後にどうなるのかを調査する必要があるだろう。

ANSESの修正意見:Lubrizol工場での火災後の飲料水の適切なモニタリング計画の設定についての健康リスク評価を除く専門家評価(フランス語)

Amended ANSES OPINION - Expert assessment, excluding health risk assessment, on the establishment of an appropriate monitoring programme for water intended for human consumption following the fire at the Lubrizol plant (in French)

le 21 octobre 2019

https://www.anses.fr/fr/system/files/EAUX2019SA0171-2.pdf

 

-Lubrizol工場での火災後の食品リスクに関するANSESの意見

火災後の数日間、煙の吸入と肺の粘膜への煙の粒子の直接沈着により、特に牧草地の草あるいは不十分または部分的にしか覆われておらず汚染物質が堆積したサイレージなどの汚染された餌の摂取により、動物たちは火災によるすすにさらされている可能性がある。

植物製品に関しては、すすの沈着によって汚染されたものは消費に適さないと判断され、粉砕された。それにもかかわらず、見えない粒子に汚染されている可能性のある製品もある。火災後に採取したサンプルは、牛乳、卵、ハチミツ、養殖魚などの動物製品、葉物野菜(サラダ、エンダイブ)、根菜類(ジャガイモ、テンサイ、塊茎類)、果物を含む植物製品、そしてサイレージトウモロコシ、干し草、牧草地の草など家畜の飼料に関連している。検査された汚染物質は、ダイオキシンとフラン、PCBs、多環芳香族炭化水素(PAHs)、微量金属元素(カドミウム、鉛、水銀)だった。

*ニュース参照:Lubrizol工場での火災後の食品リスクに関するANSESの意見

ANSES's opinion on the food risks following the fire at the Lubrizol plant

News of 18/10/2019

https://www.anses.fr/en/content/ansess-opinion-food-risks-following-fire-lubrizol-plant

ANSESの緊急収集専門評価グループは、20191015日に、入手可能な502の検査結果を分析した。それらの結果は、最大規制値を超えた鉛濃度と、35サンプルのうち4つの野菜サンプル (洗っていない葉菜2つと根菜2) 以外は最大規制量を超過しなかったと結論した。卵、トウモロコシ、サイレージ、牧草/干し草/アルファルファ及び穀物トウモロコシなどいくつかの製品には、監視や管理計画のものより明らかに高い、ダイオキシン、フラン、DL-PCBsの濃度が見られた。牧草/干し草/アルファルファ飼料に測定された鉛濃度は、監視や管理計画の値も超えていた。だが、これらの値はまだ最大規制値未満である。

ANSESの意見:フランスのセーヌ-マルティーヌ県のLubrizol工場火災に関する事故後リスク評価についてのANSESの意見(フランス語)

ANSES OPINION on the post-accident risk assessment in connection with the Lubrizol plant fire in the Seine-Maritime département of France (in French)

le 18 octobre 2019

https://www.anses.fr/fr/system/files/ERCA2019SA0165-3.pdf

 

[ANSES]ビスフェノールAをビスフェノールBに代えるのは避けるように

Avoid replacing bisphenol A by bisphenol B

16/10/2019

https://www.anses.fr/en/content/avoid-replacing-bisphenol-bisphenol-b

ビスフェノールBはビスフェノールAと似た内分泌の特性がある。これは雑誌Environmental Health Perspectivesに本日発表されたANSESの専門家の結論である。この記事はフランスの内分泌かく乱物質国家戦略(SNPE 1)の一部として20189月に実施したビスフェノールBBPB)の内分泌かく乱の特性の評価結果を報告している。

専門家は、ビスフェノールABPA)とBPBの間の構造的な類似性に基づいた新しい分析方法、欧州の規制レベルで現在適用されているものよりさらに包括的になるようデザインされたアプローチを開発した。専門家は齧歯類や魚などの様々な脊椎動物種の臨床検査で観察されたヒトや野生生物に起こりうるBPBの影響を検討した。

得られたデータは、エストロゲンシグナル伝達経路に干渉し、テストステロン産生を減らし、ステロイド産生を変え、ラットとゼブラフィッシュの精子形成を修正し、魚の繁殖を損なうBPBの能力を説明している。このエストロゲン活性やテストステロン産生の阻害はBPAの内分泌活性と一致している。

そのためこの作業は、BPBが、ヒトの内分泌かく乱物質として欧州レベルで同定されている最初の化学物質であるBPAと似た内分泌の特性を持っていると結論した。

BPBは、特定の食品と接触するコーティングやポリマーに使用される間接添加物として米国FDAに登録されており、現在は米国など数か国で、BPAやビスフェノールSBPS)のいくつかの用途で代替品として利用されている。欧州において化学物質としての製造や利用はされていないが(欧州REACh規則のもとで登録されていない)、欧州人の生体サンプル(Cunha Fernandes 2010 Cobellis 2009)や、中国の環境媒体(Yan 2017Liu 2017)に検出されている。REACh規則の下で内分泌かく乱物質として同定されると、企業にとっては、BPABPSの代替品としての開発や製造の妨げとなるだろう。その同定により、BPB0.1%以上含む製品の輸入者は、BPBの存在を表示で示すことが要求されることになる。

Evidence for Bisphenol B Endocrine Properties: Scientific and Regulatory Perspectives

EHP Vol. 127, No. 10/ Review

Published:16 October 2019

https://ehp.niehs.nih.gov/doi/10.1289/EHP5200

 

[ANSES]野生キノコの摂取による中毒増加:注意!

An increase in poisonings due to wild mushroom consumption: be vigilant!

News of 23/10/2019

https://www.anses.fr/en/content/increase-poisonings-due-wild-mushroom-consumption-be-vigilant-2

 フランス中毒管理モニタリングセンター(CAP-TVs)に報告された野生キノコの摂取による多数の中毒事例の増加に応じて、ANSES及び保健総局(DGS: Directorate General for Health)は野生キノコ狩りをする人達に向けて警告し、守るべきことについて注意喚起した。

ここ2週間は涼しく湿度の高い状況は野生キノコの成長に好ましく、そのために中毒事例の数が激増している。7月から10月初旬までの中毒管理センターへの報告は1週間に490件であったが、この2週間に493件に増加している。中毒症状は重篤で(重度の消化器障害、移植が必要になる肝臓障害)、死亡することさえある。中毒に至る原因は多様で、食用キノコと毒キノコの誤認、食用キノコでも不適切な状態や未調理での喫食などである。キノコ狩りに慣れている人も、そうでない人も用心することが重要である。調理前に自分のキノコの写真を撮るのは貴重な行動である。中毒事例では、写真は中毒管理センターの薬剤師や医師が適切な治療を決定するのに役立つ。

毎年のように定期的に観察されるこれらの事例に応えて、ANSESDGSは主な助言を繰り返している。

 

[FSSAI]メディアコーナー

チェンナイ:FSSAIがジャンクフード禁止を提案し、学校は阻止しているという

Chennai: As FSSAI proposes junk food ban, schools say curbs in place

TNN | Nov 8, 2019

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Junk_TOI_08_11_2019.pdf

子どもたちのジャンクフード禁止推進の最中、多くの学校はチップスやピザやバーガーや一部の焼いた製品を禁止した。しかし学校の近所で売っているものについてはあまり対策はない。公聴はこの動きを歓迎するが、放課後に子供たちが食べるものまではコントロールできない。一方保護者は一部の学校では給食にパスタのような炭水化物の多い食品を売り続けていると苦情を言っている。

また別の学校の校長は、タバコと酒がどこにでも売っている状況でジャンクフード禁止は成果がないだろうという。もしもピザやバーガーが健康に悪いなら学校周辺での販売を禁止するのではなく販売許可を取り消すべきだ。学校には食堂がないので教師が繰り返し助言しても学生は持ってくる

Government Girls Higher Secondary Schoolの校長は「ジャンクフードの中には重大な健康被害をおこすものがある。だから我々は生徒に、チップスやヌードルのような包装された食品は食べるなと言っている」という。

(いろいろごちゃ混ぜになっているようだ。栄養不良の問題が相当残っているのにピザもパスタも麺も、パッケージされたもの全てダメって意味がわからないし酒タバコ並?一方限界まで水で薄めた牛乳は安全に問題がないとか言うし。FAOWHOが途上国向け対策と先進国の問題をごっちゃにするから)

 

[Codex]近東地域で食品の安全を確保するのは高度な仕事

Ensuring food safety a sophisticated task for Near East region

11/11/2019

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1250681/

 

キーノートスピーチがヘルスカナダのMark Feeleyによる「食品中化学物質-見えない課題Chemicals in food - the invisible challenge

で、プレゼン資料が掲載されている

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/sh-proxy/en/?lnk=1&url=https%253A%252F%252Fworkspace.fao.org%252Fsites%252Fcodex%252FMeetings%252FCX-734-10%252FCRDs%252FCRD02.pdf

 

非意図的に食品に存在する化合物のほうがより大きな健康リスク

Chemicals unintentionally present in food represent a greater health risk

そのなかでもアフラトキシン、ヒ素(無機)をとりあげ、コメのヒ素基準をコーデックスの重要な活動として紹介。

 

[FTC]FTCはオンラインインフルエンサーのための広告開示ガイダンスを発表

FTC Releases Advertising Disclosures Guidance for Online Influencers

November 5, 2019

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/11/ftc-releases-advertising-disclosures-guidance-online-influencers

“Disclosures 101 for Social Media Influencers,”

https://www.ftc.gov/system/files/documents/plain-language/1001a-influencer-guide-508_1.pdf

無料や値引きでサービスを受けた場合も関係を開示する必要がある

 

論文

-16才の電子タバコに関連する命に関わる肺の炎症

Life-threatening lung inflammation linked to vaping in 16-year-old

11-Nov-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-11/b-ltl110719.php

Archives of Disease in Childhoodに掲載された症例報告。電子タバコに含まれる化学物質が免疫応答を誘発した可能性がある

 

英国

SMCが専門家のコメントを出している

expert reaction to case study linking lung inflammation to vaping in a 16-year-old

November 11, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-case-study-linking-lung-inflammation-to-vaping-in-a-16-year-old/

(今後電子タバコ使用者の肺が注目されるのだろう)

 

-良い健康状態での加齢:不平等は拡大

Aging in good health: The inequalities are widening

11-Nov-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-11/udg-aig111119.php

nternational Journal of Public Healthに発表された1100万人を25粘追跡したスイスの研究。スイスの寿命は全体としては延びているが、義務教育しか受けていない人は健康状態が悪いまま長く生きている。教育レベルが高いことが健康寿命の伸びと関連。スイスの医療は病気の治療については十分なので予防で差があると考察。

 

その他

-ビタミンE酢酸エステルが電子タバコの犠牲者の肺からみつかった-専門家の反応

SMC NZ

Vitamin E acetate found in lungs of vaping victims – Expert Reaction

Published: 12 November 2019

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2019/11/12/vitamin-e-acetate-found-in-lungs-of-vaping-victims-expert-reaction/

患者の肺組織29全てからこの化合物を検出して、CDCが米国での電子タバコによる病気や死亡の原因物質候補としてビタミンE酢酸エステル(トコフェロール酢酸エステル)に焦点を絞った

これまでCDCは電子タバコ関連肺傷害患者のほとんどはビタミンE酢酸エステルを含む大麻やタバコリキッドを買っていたことを突き止めていた。

2019115日時点で、患者は2051人で死亡は39人。これまでのところ米国に限定されているようだ。

SMCはこの検査結果について専門家に尋ねた

オークランド大学集団の健康学部公衆衛生教授Chris Bullen教授

米国当局の対応は遅く-米国の「急性電子タバコ疾患」の問題は闇市場由来の電子タバコのTHCカートリッジに含まれる汚染物に関連することは1か月前から広く知られていた。

ビタミンE酢酸エステルは原因物質かもしれないし他の毒が存在することの指標かもしれない。

米国では典型的な点発生源集団中毒で全ての電子タバコに一般的な問題ではないと説明されている。私の知る限りJUULのようなポッドベースの製品や主要ブランドの製品では患者は出ていない。そしてニュージーランドでもそのような症例は記録されていない

オークランド大学生命工学研究所Kelly Burrowes博士

電子タバコには相当なリスクがあり無害だとはみなせないことを示唆する根拠が増えている。吸入したエアロゾルは異なる多くの化合物を含み肺の奥深くのガス交換表面まで侵入する。肺は人体の中でも最大の臓器で、ガス交換のための表面積はキングサイズのベッド20個近くに相当し呼吸により絶え間なく外部環境に晒されている。大気汚染やタバコの煙、電子タバコのエアロゾルなどを吸入すると細胞がこれらに暴露され炎症応答がおこる。急性肺傷害はガス交換表面を傷つける急性炎症である。

電子タバコあるいはベーピング関連肺傷害electronic-cigarette or vaping associated lung injury’ (EVALI)は、各種の肺炎を含む急性肺傷害のパターンを示す。最も良くある症状は息切れで、乾いた咳を伴うことがあり呼吸困難に至る場合がある。New England Medical Journalの最近の病理評価ではこの疾患はひとつまたはそれ以上の吸入された有害物質による化学肺炎の形態を示すことが示唆されている。これまでこの症例ではたくさんの異なる種類の肺傷害が観察されていてこれまでのところ標準的な症例定義はない。

ビタミンE酢酸エステルがEVALIの犯人候補になっている。ビタミンE酢酸エステルはビタミンEの合成型で、しばしばサプリメントの抗酸化剤やスキンケア製品に油脂の酸敗を防ぐ目的で使われている。電子タバコの場合には、特にTHCを含むポッドでは、濃厚剤として加えられていると考えられている。しかし吸入されている蒸気には多数の化合物があるためこの呼吸器疾患アウトブレイクについてはさらに知る必要がある。

電子タバコの健康への有害影響を調べる際の問題は、市販されている商品が膨大で多様であるということである。400以上のブランド、15500以上のフレーバーがあり、数は常に増えている。この一様ではないことにより他の肺症状が発見されずにいる可能性がある。

電子タバコが普通のタバコより害が少ないかどうかについて議論を続ける場合ではない、それは単純に、今すぐ必要な規制を遅らせるだけである。世界中で若者が電子タバコを使用し始めている、そして多くの科学研究で使用者に細胞毒性、炎症、遺伝毒性、呼吸機能への影響が示されている

禁煙ニュージーランド会長で腫瘍医学者George Laking博士

電子タバココミュニティの多くは二ヶ月前にビタミンE酢酸エステルであることを知っていた。CDCは追いつくのに2ヶ月かかり、その間間違った情報や想定が出回った。特に既に確立されたニコチン吸入装置を使っている人がそれを捨てるように言われた。ニュージーランドに関しては、電子タバコの供給元を人々が信頼できるようにする必要がある。ニュージーランドで(禁煙目的で)ニコチン電子タバコを使っている人は心配する必要はない

カンタベリー大学非常勤教授Murray Laugesen MBChB

私はニュージーランドの電子タバコの含有物や毒性について2015年にNew Zealand Medical Journalに発表している。我々が委託したカナダの研究に基づき、ニュージーランドで販売されている電子タバコは最も害の多いアルデヒドの測定からMarlboro電子タバコの0.5%の毒性だった。ニュージーランドの製品にビタミンE酢酸エステルは登録されていない。しかし将来入らないように規制は必要だろう

オタゴ大学Wellington喘息研究グループ長Julian Crane教授

これまで調べた米国の死亡者の全ての肺の液体にビタミンE酢酸エステルが検出された。このオイルが問題の始まりである可能性が示唆される。違法なものや自家製のものを使っていないニュージーランドの電子タバコ使用者は、ニコチン電子タバコにこのオイルは使われていないことを保証する。これは大麻のオイルを希釈するのに使われている。

 

-Natureアート評

CRISPR:映画

CRISPR: the movie

Amy Maxmen

https://www.nature.com/articles/d41586-019-03479-3

新しい遺伝子編集ドキュメンタリーは生物学の最もホットなツールを、間違いに至る時まで示す

Human Natureというドキュメンタリーは鎌状赤血球貧血の若い男性へのCRISPRを使った臨床試験から始まる。これはNetflix1018日から始まった、この技術の未知の将来を探る「不自然な選択Unnatural Selection」シリーズの一部である。Human Natureは恐怖を与えるアプローチをとるのではなく、科学者が一般の人に見て欲しいと思うだろう映画である。このプロジェクトは科学ドキュメンタリー団体とCRISPRの共同発見者であるJennifer Doudnaらの会合から始まったもので科学者が映画製造会社をガイドしている。米国以外の科学者の関与はない。

 

-2018 JREF

2018 JREF Award

James Randi Educational Foundation (JREF)

11/7/2019

https://web.randi.org/home/2018-jref-award

女性の健康について責任ある情報を提供し、インチキの健康やウェルネス宣伝をしている人達に対抗する声をあげたことについてDr. Jen Gunterに。この賞によりDr. Jen Gunterがこの重要な仕事を続けることを期待する。

 

Gunter博士の著書についての評価はこんな感じ

「膣バイブル」は女性の生理学を案内し健康と政治に取り組む

'Vagina Bible' Tackles Health And Politics In A Guide To Female Physiology

August 27, 2019

https://www.npr.org/sections/health-shots/2019/08/27/754728446/vagina-bible-tackles-health-and-politics-in-a-guide-to-female-physiology

カリフォルニアの産婦人科医であるGunter博士は女性が自分自身の身体について事実を把握するのを助ける戦いを続けている。女性の生殖に関する選択に政治的な攻撃が行われ、インターネットのウェルネス教祖がインチキな対処法を喧伝する時代にあって、女性が自分の健康について根拠に基づいた情報を得るのは困難である。

 

BlogではしばしばGwyneth Paltrowとそれを宣伝するメディアのやり方を批判している

https://drjengunter.com/blog/

 

-アメリカのホメオパシー:異端医療の栄枯盛衰

Homeopathy in America: The Ups and Downs of A Medical Heresy

by Stephen Barrett MD (Author), Martin Kaufman PhD (Author), Edzard Ernst MD PhD (Foreword)

https://www.amazon.com/Homeopathy-America-Downs-Medical-Heresy-ebook/dp/B07ZYB86VZ

 

-オタワのオルタナティブスクールの生徒は医学的理由によらないワクチン除外率が高い

Students at Ottawa alternative schools have higher rate of non-medical exemptions from vaccines

Jacquie Miller Updated: November 11, 2019

https://ottawacitizen.com/news/local-news/students-at-ottawa-alternative-schools-have-higher-rate-of-non-medical-exemptions-from-vaccines

オタワ平均で1.73%のところTrille des Bois(シュタイナー)は11.26%tiny Lady Evelyn Alternative10.74%