2019-12-06

[SFA]海産物中の重金属

(シンガポール食品局)

Heavy Metals in Seafood

Tuesday, November 5, 2019

https://www.sfa.gov.sg/food-information/risk-at-a-glance/heavy-metals-in-seafood

前置き

水銀、鉛、ヒ素、カドミウムなどの重金属は、天然に環境中に存在する。同様に、私達の食品、特に海産物には重金属が存在することになる。長期間このような重金属を摂取すると健康問題になる恐れがあり、消費者には重金属への暴露を最小化するために多様なバランスの取れた食事をとることを勧める。

この記事では海産物中の重金属に関する情報を提供する。

重金属はどのようにしてフードチェーンに入るのか?

重金属は天然に地殻や産業汚染物質に天然に含まれている。重金属やそれに関連する化学物質には、水に溶けやすいものや微粒子の形で存在するものもある。従って、水、土壌、海底に少量が存在する。

私達が食べる動物や植物が、水、土壌、海底と接触すると、その後、重金属は私達の食品に入る。甲殻類や捕食魚は体内により多量の重金属を含む可能性がある。甲殻類は主に海底で育ち海底に沈む重金属を蓄積する可能性があり、捕食魚は他の海産物を摂取するのと同じ速さで重金属を排出できないためである。

重金属は私達の健康にどのように影響する?

多量のヒ素とカドミウムの長期摂取は、皮膚病変、神経障害、皮膚がん、血管の病気などの健康問題となる恐れがある。ヒ素は主に、有機ヒ素と無機ヒ素の2つの形態で存在する。海産物のヒ素は主に有機ヒ素で、毒性のない形態である。

鉛と水銀は、特に乳児と子どもに有毒である。鉛と水銀を多量摂取すると、特に子供、乳児、 (妊娠中の母親の摂取を通して暴露した) 発育中の胎児では、神経系の発達に影響することがある。

これらの健康への影響は憂慮すべきに聞こえるかもしれないが、重金属を含む海産物の摂取による重度の中毒は、深刻な環境汚染事例で起こる可能性を除くとまれである。さらに魚は依然として発育中の胎児に重要な、タンパク質、オメガ-3脂肪酸、鉄、ビタミンD、ビタミンB12などの重要な栄養源であり、妊娠中の女性には捕食魚以外の魚を食べ続けることを勧める。

海産物中の重金属への暴露を減らすために何ができるのか?

食品の安全性に対する共同責任アプローチを通して、海産物中重金属への消費者暴露を減らすことができる。

重金属は天然に生じる汚染物質なので、食品から取り除くことはできない。そのため、食品中の重金属の限度は、「合理的に達成可能な範囲でできる限り低くする」という国際的に認められた原則に基づいて、食品供給や取引への過度の混乱なく消費者を保護するために設定された。SFAは現地生産及び輸入された海産物の重金属の検査をしている。

今日まで、私達の検査は、シンガポールで販売されている海産物に検出された重金属濃度が許容範囲内であることを示している。

企業は原産国機関が定期的に監視している海域で海産物を調達することで役割を果たせる。

消費者はこれらのヒントに従うと重金属の暴露を減らすことができる:

・カドミウムやヒ素をより多量蓄積するため、甲殻類などの海産物の過剰摂取を避けること。

・より多量の水銀を蓄積するため、メカジキ、サメ、大型のサバ(地元では「バタン」として知られている)、アマダイ、メバチマグロなどの捕食魚の摂取を制限すること。だが、栄養ニーズの主な供給源なので、消費者(妊婦を含む)には他の魚を食べ続けるよう助言する。

・認可を受けた仕入先から海産物を購入すること。消費者に届く前に適切に調達、保管、検査されている海産物を保証するからである。

甲殻類は重金属への食事暴露の主な供給源である。

(写真)

 

[SFA]上海ガニのダイオキシン

Dioxins in Hairy Crabs

October 31, 2019

https://www.sfa.gov.sg/food-information/risk-at-a-glance/dioxins-in-hairy-crabs

前置き

チュウゴクモクズガニや大闸蟹としても知られている上海ガニは、その甘いカニ肉とクリーミーな卵で珍重されており、アジアの旬のごちそうである。上海ガニは通常、甲殻類が十分成長し、淡水生息地から海に向かって移動する、10月や11月が旬である。多くの食通のハイライト、貴重な甲殻類は、海外のサンプルにダイオキシンやポリ塩化ビフェニル(PCBs)が高濃度検出された2~3年前に注目を浴びた。

私達が次の上海ガニのごちそうをたらふく食べるための調理をする際に、上海ガニの肉が安全だと保証するための情報やヒントを覚えておくことが重要である。

ダイオキシンと PCBsとは何で、それらは上海ガニとどう結びつくのか?

ダイオキシンは主に製紙用パルプの溶解や漂白、及び農薬の製造などの産業工程から形成される副産物である。森林火災や火山噴火などの自然なプロセスで形成されることもある。PCBsは電気設備の絶縁流体やプラスチックの可塑剤として使用される化学物質である。これらはどこにでもあり、長期間環境に残りやすいため、結果としてダイオキシンやPCBsのバックグラウンド濃度に暴露することになる。これらの暴露量は少なく、通常は健康に有害影響を起こすことはない。

これらの化学物質は上海ガニのような自然のスカベンジャーがこれらの化学物質を取り込む際にフードチェーンに入る。ダイオキシンとPCBsは化学的に安定した脂溶性であるため、その卵(生殖器官)など上海ガニの脂肪組織に沈殿し蓄積されやすい。同様に、ヒトがダイオキシンやPCBsを含む食品を摂取すると、その化学物質も私達の体脂肪に蓄積され、長期間私達の体内にとどまることがある。

高濃度のダイオキシンとPCBsに暴露すると、短期暴露は皮膚の損傷の原因となる恐れがあり、一方長期暴露は免疫系、神経系の発達、内分泌系、生殖機能の障害につながる。

上海ガニを食べるのは安全?

私たちはすべて、上海ガニに由来するダイオキシンとPCBsへの暴露の削減に関与している。

輸入業者は輸入した上海ガニにSFAの許可証を得なければならない。輸入した積送品のトレーサビリティを保証するためにSFAの輸入許可証を申請する必要もある。

SFAは輸入した上海ガニにダイオキシンとPCBsの調査と検査をしている。輸入した上海ガニに検出された場合、私達の検査はダイオキシンとPCBsの量が消費者にすぐに健康リスクを引き起こさないことを示してきた。

それにもかかわらず、消費者はダイオキシンとPCBsへの多量暴露を避けるために上海ガニを食べるのはほどほどにした方が良い。特に、脂肪をより多く含み、それによりダイオキシンとPCBsをより多く含むため、消化器や生殖器の摂取を減らすこと。ダイオキシン暴露は摂取したカニのダイオキシン量により、カニによって様々である。

安心して上海ガニを楽しむための食品安全性のヒントに従ってください:

・適度に上海毛ガニを食べること。過剰摂取を避けること。

・SFAが認可した仕入先から上海毛ガニを買うこと。カニを購入する前に販売者にSFAの許可証と輸入許可証の確認を要求できる。オンラインで上海ガニを購入する際には慎重な姿勢をとる必要がある。

・冷蔵保存される必要のある生きた上海毛ガニを購入すること、無傷で甲羅に光沢のある悪臭のない上海ガニを選ぶこと。

・甲羅、脚、ハサミにある泥をゴシゴシ洗い落とすためにブラシと水を使って上海ガニをきれいにすること。ハサミの毛についた汚物を除去するには特に注意が必要である。

・上海ガニを完全に調理すること。上海ガニが重ならないように配置すること。必要なら数回に分けて調理すること。塩、酢、ワインが毛ガニの細菌を殺すことは証明されていない。

・購入後できるだけ早く上海ガニを調理し消費すること。すぐに食べない場合は、清潔な容器に調理済の上海ガニを保存し、冷蔵庫に入れておくこと。交差汚染を避けるために調理済と生の食品を分けること。

 

[NTP]ニュースレター

UPDATE Newsletter December 2019

https://ntp.niehs.nih.gov/update/index.html

・NIEHSとNTPの次期所長募集

・科学者のソーシャルメディアQ&Aのテーマは植物ダイエタリーサプリメントで、多くの質問があった

Q&Aの一部

・市販のナチュラル製品で重大な懸念があるのは?

ビンポセチンとラベンダーオイル(ビンポセチンは合成医薬品)

・ハーブサプリメントの生物学的利用度は?

ほとんどわからない。

・乳児に特にいいものはある?

多くの補完統合医療が子ども向けに使われているが一般的に子どもでは調べられていないので使う前に医師に相談する

・ノースカロライナの科学者と政策決定者はPFASに挑戦する

10月23-24日にDurhamでPFASサミットが開催された

 

[NTP]SDラットとB6C3F1/Nマウスに吸入投与した1020長い多層カーボンナノチューブ(L-MWNT-1020)の毒性試験についてのNTPテクニカルレポート

NTP Technical Report on the Toxicity Studies of 1020 Long Multiwalled Carbon Nanotubes (L-MWNT-1020) Administered by Inhalation to Sprague Dawley (Hsd:Sprague Dawley® SD®) Rats and B6C3F1/N Mice (TOX-94)

https://ntp.niehs.nih.gov/publications/reports/tox/000s/tox094/index.html

長さ2,600 nm、幅平均15.3 nmの0, 0.1, 0.3, 1, 3, 10 mg/m3で週5日30日の全身吸入暴露試験。リカバリーは126日まで見ている。体重はじめ臨床症状はない。所見は喉頭蓋扁平上皮化生、肺慢性炎症、肺胞上皮過形成、気道リンパ節過形成、嗅上皮硝子滴蓄積等

NOAELは 0.3 mg/m3と考えられる

 

[NTP]2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンとパーフルオロオクタン酸の毒性及びがん原性試験についてのN TPテクニカルレポート案のピアレビュー

Peer Review of the Draft NTP Technical Reports on the Toxicology and Carcinogenesis Studies of 2-Hydroxy-4-methoxybenzophenone and Perfluorooctanoic Acid

https://ntp.niehs.nih.gov/events/panels/index.cfm

2019年12月12日、パブコメ結果等資料が掲載されている

(PFOAに関しては主な目的は周産期と離乳期を暴露期間に含めることでがん原性試験の結果が変わるかどうかを見ること。結果としてはほぼ影響がないようだ)

 

[FAO]FAOはFall Armyworm対策を拡大する

FAO scales up fight against Fall Armyworm

4 December 2019

http://www.fao.org/news/story/en/item/1253916/icode/

新しい世界的対応はこの侵入性害虫の速い拡大を抑制するのに役立つだろう

FAOはFall Armywormコントロール世界対策3年計画を発表

 

[CDC]2019年に620万人の中高生がたばこ製品を使用した

6.2 Million middle and high school students used tobacco products in 2019

THURSDAY, DECEMBER 5, 2019

https://www.cdc.gov/media/releases/2019/1205-nyts-2019.html

電子タバコが最も多く使用されている

MMWRに報告

 

[IARC]新しい研究が子宮頸がん根絶方針の影響を測定する基礎を提供する

New study provides baseline to measure impact of cervical cancer elimination objectives

5 December 2019

https://www.iarc.fr/news-events/new-study-provides-baseline-to-measure-impact-of-cervical-cancer-elimination-objectives/

IARCの研究者らによる新しい研究が、The Lancet Global Healthに発表された。世界の子宮頸がんの発生率と死亡率の包括的評価を提供する。この研究はWHO世界子宮頸がん根絶イニシアチブの将来の影響を測定するベースラインとなる。

 

[FTC]FTCは販売業者に虚偽の関節治療宣伝をやめさせる

FTC Stops Marketers from Making False Arthritis Treatment Claims

December 5, 2019

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/12/ftc-stops-marketers-making-false-arthritis-treatment-claims

FTCはSynoviaというダイエタリーサプリメントを、関節痛を減らす、高価な注射薬の代わりになる、等の宣伝をして販売していたA.S. Research, LLC (ASR)とそのオーナーと、821000ドルの支払いと詐欺的宣伝をやめることで合意した。この会社は科学的結果については嘘をつき、偽の医者と偽の体験記を使って宣伝していた。

 

-消費者向けブログ

関節痛サプリメント:誇大宣伝を信じないで

Supplements for joint pain: don’t believe the hype

December 5, 2019 by Jim Kreidler

https://www.consumer.ftc.gov/blog/2019/12/supplements-joint-pain-dont-believe-hype

関節が痛くなった時、簡単で安価な治療法に抵抗するのは難しい。しかし誇大広告を信じないで。そして広告に掲載されている人々が本物だとは思わないこと。

医薬品と違ってサプリメントはFDAによって安全性や有効性が評価されていない。そして痛みを緩和したり軟骨を再生したりすると宣伝されているサプリメントは効果があると証明されていないだろう。Synoviaの会社は軟骨再生が「臨床的に証明されている」等と宣伝していたが根拠はなかった。虚偽の宣伝にあなたのお金や健康を騙されないで。

(成分としてグルコサミンを含む、アマゾンの星3.8なのでここでもなんかやってるだろう)

 

[EU]ファクトシート 健康環境新興リスクに関する科学委員会はどうやって人々と環境を守るのに役立っているのか?

How does the Scientific Committee Health, Environmental and Emerging Risks help protect people and the environment?

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/docs/citizens_scheer_en.pdf

一部抜粋

・新興問題emerging issueと新興リスクemerging riskはどう違う?

新興問題は最近同定された、リスク評価のために入手できるデータが極めて限られたもの。健康リスクとなるかどうかを決めるには適切なリスク評価が必要である。

新興リスクは新しく同定されたハザードの暴露によりおこる可能性のある影響、あるいは既知のハザードへの暴露/感受性が新たに生じるあるいは増えたもの

・特定の新興問題の意味を認識しないとどうなるか?

特定の新興問題あるいはリスクのヒト健康や環境への影響を認識しないと深刻な問題につながることがある。対応が遅すぎたり、リスク低減や管理にほとんど効果のない間違った対応をする可能性がある。さらに人々は科学的リスク評価への信頼を失い、科学そのものを疑うようにすらなるだろう。

(食生活が変わるとか寿命が延びるとかはリスクを変える。だから馴染みがあるから「もうわかっている」ことなんてない。全頭検査などは「リスク低減にほとんど効果のない間違った対応」だけど日本の場合最初から科学で決めたことではない)

 

論文

-研究はヒトのBPA濃度は大きく過少推定されていることを発見

Study finds BPA levels in humans dramatically underestimated

5-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/wsu-sfb120319.php

The Lancet Diabetes & Endocrinologyに発表された研究がFDAを含む規制機関による測定は欠陥があり、最大44倍も過少推定だという最初の根拠を提供する。

これまでの研究ではBPA代謝物を測定するのに酵素を使ってBPAに戻してから測定していた。この研究では酵素を使わず直接代謝物を測定した。Fredrick vom Saalらがこの二つの方法を合成尿に添加したBPAとヒト検体で比較したところ直接法のほうが高い値だった。

(vom Saalというところと雑誌が分析の専門誌ではないところにひっかかりがあるので判断保留)

 

-家庭内暴力のサバイバーは長期疾患のリスクが2倍

Domestic abuse survivors twice at risk of long-term illnesses

5-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/uob-das120419.php

Journal of Interpersonal Violenceに発表された研究が、家庭内暴力を経験した女性は、そうでない女性に比べて線維筋痛症と慢性疲労症候群(CFS)になる可能性が約2倍であることを示した

 

-The Lancet Global Health:慢性疾患を減らすWHO推奨政策の半分は実行されていない

The Lancet Global Health: Half of WHO-recommended policies to reduce chronic diseases are not put into practice

5-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/tl-pss_2120519.php

2017年にWHOが助言した18の方針のうち、各国で実行されているのは平均すると半分以下。最も多く実施しているのはイランとコスタリカで米国は中所得国より大きく遅れていて最低なのはハイチと南スーダン。

 

-中国が急速にクリーンエネルギーを採用する中、伝統的ストーブの使用が続く

As China rapidly adopts clean energy, use of traditional stoves persists

5-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/mu-acr120519.php

貧しい地域でより持続可能なエネルギーに移行するためには人々の動機をより明確に理解する必要がある

古い習慣をやめるのは難しい。中国での木や石炭を燃やす伝統的ストーブをクリーンエネルギーに替える研究からはそのことが示唆された。Nature Sustainability

新しいものを採用する人の特徴は、若いこと、教育レベルが高いこと、自覚している健康状態が悪いこと。

 

-Natureダイジェスト

カバーストーリー

日本の再生医療がもたらすもの

https://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/v16/n12/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%86%8D%E7%94%9F%E5%8C%BB%E7%99%82%E6%94%BF%E7%AD%96%E3%81%8C%E3%82%82%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%99%E3%82%82%E3%81%AE/101256

Natureの日本批判記事の日本語訳

 

その他

-サモアは恐ろしいはしかのアウトブレイクとの戦いの中、扇動により反ワクチン活動家を起訴

Samoa charges anti-vaxxer with incitement as country battles deadly measles outbreak

https://www.abc.net.au/news/2019-12-06/anti-vaxxer-charged-samoa-amid-nationwide-immunisation-drive/11772714

政府発表では匿名だったが地元メディアは医学教育を受けていない地元のビジネスマンEdwin Tamaseseと同定している。彼はビタミンAあるいはDがはしか予防接種の代わりになると示唆していた

 

-「我々は後退している」:世界中ではしか症例が増加

'We're backsliding': Surge in measles cases reported globally

CBC News · Posted: Dec 05, 2019

https://www.cbc.ca/news/health/measles-who-cdc-1.5385508

家族、両親がはしかワクチンについての「間違った情報に本当に弱い」

WHOが2018年は世界で14万人以上がはしかで死亡したと言う。患者と死亡者の両方が急増した。言い方を変えると、我々は後退している。はしかは安全で有効なワクチンで予防できる。振り子が反ワクチン運動、疑似科学、間違った情報の方向に振れ続けている

 

-Andriukaitisは世論による規制はEUの食品安全を害する可能性があると警告

Andriukaitis warns regulation by public opinion could harm EU food safety

29 Nov 2019  By Sara Lewis

https://iegpolicy.agribusinessintelligence.informa.com/PL222345/Andriukaitis-warns-regulation-by-public-opinion-could-harm-EU-food-safety

退任するEU健康食品安全コミッショナーVytenis AndriukaitisはIEG Policyの独占インタビューでGMOの安全性を擁護する

「一部の人は科学を現実として受け入れない。GMについてはEFSAがあり、科学に基づいたアプローチのみが食品安全システムに役立つ。我々の食品安全が根拠に基づくべきか世論に基づくべきか?もし世論に従うのなら、我々の食品安全システムは終わりだろう、世論をもとにしっかりした食品安全システムを築くことはできない。」

Andriukaitisは世論は変わることを指摘する。Andriukaitisにとって答えは同じで、栄養プロファイルもリスク要因分析も、食品安全評価も、科学にのみ基づくべきである。ただもう一つの問題は科学への信頼である。

 

-メタボリック症候群の人の食事時間制限と減量についての専門家の反応

SMC UK

expert reaction to study looking at time-restricted eating and weight loss in people with metabolic syndrome

DECEMBER 5, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-time-restricted-eating-and-weight-loss-in-people-with-metabolic-syndrome/

Cell Metabolismに発表された研究が、糖尿病やその他の健康問題発症リスクの高い人に、食べる時間の制限が役に立つかもしれないと報告した

Aberdeen大学Rowett研究所Alexandra Johnstone教授

この論文は米国で行われた1日のうちの10時間だけ食べることについての研究である。このチームは以前マウスで同様の実験をして興味深い結果を報告している。この研究では19人の過体重の人で食事時間を調整することで健康指標を改善し体重を3%減らせることを示した。主な欠点は対照群がないことである。対象者はベースラインから8%カロリー摂取が減っているので、改善されたのはエネルギー摂取量が減ったせいなのか時間のせいなのかわからない

Sussex大学免疫学講師Jenna Macciochi博士

これは小規模な研究であるが実験動物での研究をヒトに翻訳する最初のステップとして重要である。一部の参加者が最大1年継続していることは励まされる、なぜならどんな種類のダイエットやライフスタイル介入でも続けることが最大の課題だから。この研究の特徴は食べられる時間を参加者自身に選ばせていることで、これまでの研究ではあらかじめ決まった時間だと参加者が守るのが難しかった。

Aston大学医学部登録栄養士で上級教育フェローDuane Mellor博士

これは興味深いが小規模の対照群のない無作為化されていない研究でたくさんの限界がある。この研究から時間制限がカロリー計算の代わりになるとはいえない。

Birmingham大学細胞代謝上級講師Gabriela da Silva Xavier博士

プレスリリースは科学を正確に反映しているか?

プレスリリースは論文に記載されているこの研究の限界について言及していない

この研究は質が高い?結論はデータに基づいている?

これはよい研究で研究者は公正に知見を扱っている

この仕事は既存の根拠にフィットする?交絡要因を考慮している?限界も承知している?

著者らはこの分野の研究に長く関心を持っていて現在の知見はその延長線上にある。限界や交絡も承知している、ただプレスリリースでカバーしていない

現実世界での意味は?

さらなる研究を提案している

Exeter大学糖尿病と肥満上級講師Katarina Kos博士

体重を気にする人にとってこの研究は一定の時間カロリーをとらないこと、三食を10-11時間以内にすることは安全であることを示した。