[FSANZ]最終報告書-新しい交配技術を用いて作った食品のレビュー
Final Report - Review of food derived using new breeding techniques
FSANZは本日NBTsを用いた食品のレビューについて最終報告を発表した。FSANZのMark Booth長官は、この最終報告は、食品基準の遺伝子組換え食品の定義が現在の遺伝子工学の進歩に照らして目的にかなったものであるかについての関係者やコミュニティーとの詳細な意見交換を含む、FSANZによる相当な量の仕事の成果であると述べた。
このレビューは、NBT由来食品の安全性と規制についてコミュニティーの中に多様な意見があるものの、多くは現在の定義はもはや目的にかなっておらず明確性を欠くことについて合意した。これらの知見に基づき、FSANZは新年に食品基準の定義を改訂する提案をする。その提案は現在の規制を強化し、市販前の安全性評価が必要なのはどの食品かを明確にするだろう。食品基準改定案についてはFSANZは意見募集を行う。
この分野は関係者の意見や懸念が多様であり、従ってコミュニケーションと参加が意見募集プロセスにおいて大きな部分を占めるだろう。
最終報告書は以下から
Food derived using new breeding techniques – review
December 2019
https://www.foodstandards.gov.au/consumer/gmfood/Pages/Review-of-new-breeding-technologies-.aspx
最終報告書の助言は
1.FSANZは食品基準の定義をより明確で既存のおよび新興遺伝子技術に適応した現代的なものに改訂する提案を準備する
2.提案の一環としてFSANZは工程あるいは工程によらない定義について検討し、NBTがそのリスクに釣り合った規制を受けるよう確保する
3.提案の全てのプロセスでオープンコミュニケーションと関係者の活発な参加を確保しGMやNBT食品についての認識を高める
(現在の定義は「遺伝子技術を使って作った食品」。リスクに基づいた規制、だとこれまで何の規制もなかった従来技術を使った品種でも新たに規制対象になる可能性はある。それも含めて議論しないと理解は広がらない)
[CDC]CDCと州はEVALI入院症例数を更新
CDC, states update number of cases of hospitalized e-cigarette, or vaping, product use associated lung injury (EVALI)
FRIDAY, DECEMBER 6, 2019
https://www.cdc.gov/media/releases/2019/s1206-e-cigarette-vaping-product-hospitalized-update.html
電子たばこあるいはベーピング製品使用に関連する肺障害(EVALI)患者数は
2019年12月4日現在
2291人が入院、48人死亡
[FTC]FTCはUrthBoxスナックボックスの「無料」お試しに誤解させられた消費者に返金チェックを送っている
FTC Sending Refund Checks to Consumers Allegedly Misled by “Free” Trial Offers for UrthBox Snack Boxes
December 9, 2019
FTCは合計84000ドルの2221件の返金小切手を消費者に郵送している。UrthBoxスナックボックスの「無料」お試しを申し込んだはずが、月末までに脱退手続きをしないと6ヶ月間の自動申し込みになるものだった。
2016年10月から2017年の11月まで、UrthBoxは郵送料と手数料のみでの「無料」お試しを提供した。しかしこの間重要な条件、一定期間以内にキャンセル手続きをとらないと6ヶ月間自動課金すること、を適切に開示していなかった。さらにUrthBoxはBetter Business Bureauやその他第三者のウェブサイトに消費者からのポジティブな意見を誤解を招くような形で提示させた、実際にはポジティブな意見を書くことと引き換えにスナックボックスを提供していた。2019年4月に同様の行為を行わないことと返金についての行政命令が出された。
(UrthBoxは毎月グルテンフリーやビーガン、オーガニックやオースナチュラルを標榜した食品が届く仕組み)
[EU]化粧品中アルミニウムの安全性についての予備的意見に意見募集
SCCS - Preliminary Opinion open for comments on the safety of Aluminium in cosmetic products
制汗剤や練り歯磨き、口紅のアルミニウムについて
非スプレータイプの制汗剤については6.25%、スプレータイプの制汗剤は10.60%、練り歯磨きは2.65%、口紅は0.77%、は安全と結論している
2020年2月17日まで意見募集
(制汗剤の使用の方が食事由来より全身暴露にとって大きな寄与があるという報告から始まっている評価。食品添加物のアルミを気にしてもミョウバン水とか使ってたりする)
論文
-あなたは自分で嘘情報を作っている、研究が発見
You create your own false information, study finds
9-DEC-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/osu-ycy120619.php
人々は数字の事実を自分のバイアスにあうように間違って記憶する
Human Communication Researchに発表された新しい研究によると、議論の多い問題についての正確な統計を与えられた人は、その数値を信念に従うような数字として間違って記憶する。例えばメキシコから米国への移民の数は近年減少しているが、多くの人は増えていると信じていて、そういう人は事実を逆に記憶する
例えばメキシコからの移民は2007年は1280万人だったが2014年は1170万人だという説明を読み、後で数を思い出して書いてもらう。
事実と人々の見解が一致している場合には数字の関係は正しいが、そうでない場合数字が思い込みに従って変更される。例えば移民の数は最近のほうが増えるように逆転される。
さらに伝言ゲームで間違いが大きくなることを確認した。
-世界の食糧供給中の天然毒素が恵まれない地域の健康を脅かしている
Natural toxins in the global food supply threaten the health of underprivileged communities
9-DEC-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/sfra-nti112019.php
リスクアナリシス学会の年次会合におけるWHOの2015年疾病負担解析を更新するシンポジウムで発表。2015年に食品由来のヒ素、メチル水銀、鉛、カドミウムが世界で100万人の病気と56000の死亡をもたらし、900万DALYs以上の負担になっている
他地域ごとやアフラトキシン等の評価が発表されている
http://scienceserv.com/sra/2019AM/program/singlesession.php?sessid=M3-I
-腸内細菌を操作することについての思考の糧
Natureニュース&ビューズ
Food for thought about manipulating gut bacteria
04 DECEMBER 2019
Nathalie M. Delzenne & Laure B. Bindels
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03704-z
食物繊維がどう腸内細菌に栄養を与えるかを知ることは健康によい細菌を増やす方法を示唆するかもしれない。特定の種類の食物繊維を食べる細菌を見つけるために開発された方法がそのような努力を進歩させる可能性がある
(腸内細菌を餌のほうから何とかしようとする研究分野の紹介。
ヨーグルトは餌の食物繊維が含まれないのでそれだけでは定着は期待できない。食物繊維の種類の多様性が大事なので難消化性デキストリンばっかりの健康食品ではあまり意味はないだろう)
その他
-SMC NZ
アオテアロア(ニュージーランド)のプラスチック再考-専門家の反応
Rethinking plastics in Aotearoa – Expert Reaction
08 December 2019
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2019/12/08/rethinking-plastics-in-aotearoa-expert-reaction/
首相の主任科学アドバイザー(PMCSA)事務所からの新しい報告書のテーマはプラスチック負荷を減らす
264ページの報告書は以下の6つの助言を提示
・国のプラスチック行動計画を実施
・プラスチックデータ収集改善
・報告を政府の課題に取り入れる
・デザイン、使用、廃棄を一貫してできるように
・革新を促す
・プラスチックの環境と健康への影響を緩和する
SMCは6人の専門家に意見を求めた
オークランド大学先進材料とナノテクノロジーMacDiarmid研究所Duncan McGillivray准教授
Scion主任革新科学担当官Elspeth MacRae博士
Unitec環境ソリューション研究センター長Terri-Ann Berry准教授
ESR研究所上級科学者Olga Pantos博士
オークランド大学心理学教授Niki Harre
Scionバイオポリマーと化学化学リーダーで技術的革新のための科学全国科学チャレンジ3D/4Dプリンティングチーム共同リーダーFlorian Graichen博士
(意見略。ゴミは燃やさないのが世界的にデフォルトなので溢れる。)
ホワイト島噴火-専門家の反応
White Island eruption – Expert Reaction
Published: 09 December 2019
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2019/12/09/white-island-eruption-expert-reaction/
-SMC UK
頭部と頸部のがんの放射線治療の副作用への鍼についての研究への専門家の反応
expert reaction to study on acupuncture for side effects of radiation treatment in head and neck cancers
DECEMBER 6, 2019
JAMAに発表された研究が、頭部と頸部のがんの放射線治療の副作用への鍼について報告している
Exeter大学補完医学名誉教授Edzard Ernst教授
この二つのセンターでの研究は、口内乾燥症状の管理に、真の鍼は通常のケアより良いが偽鍼より有意に良くはないことを示した。最も興味深い特徴は、米国と中国で知見が驚くほど違うという事実である。これまでの研究から中国における鍼研究は信頼できないことで悪名高い。この試験は鍼は芝居がかったプラセボ以上のものではないことを確認する。
(Ernst教授、自分のサイトでもう少し詳しく書いている
Acupuncture for xerostomia – a new trial with some most revealing findings
09 December 2019
中国からは鍼についてネガティブな結果が報告されることはない。
偽鍼はツボではないところに本物の針、とツボに本物の針、とツボでないところに偽の針、とを組み合わせている。偽の針は皮膚に刺さらないように伸縮する針が皮膚につく器具にとりつけられているもの。
必ずしも中国人が嘘つきというわけではなくて、効くと信じている人が多いという部分もあると思う。朝鮮人参が韓国でのみ万能なのも)
-製品レビュー:ホウ素サプリメントレビュー(カルシウム、マグネシウム、ビタミンD & Kを含む)
コンシューマーラボ
Boron Supplements Review (Including Calcium, Magnesium, and Vitamins D & K)
12/6/19
https://www.consumerlab.com/reviews/boron-supplements-reviewed/boron/
ある製品は表示の2倍以上含む。一回提供料あたりのホウ素含量は製品によりばらばらで、ホウ素単独製品では2000-5000マイクログラム、ホウ素入り複合品では198.5-1000マイクログラム。
ホウ素は必須とは確認されていない。一部の研究で骨や関節炎に有効かもしれないと示唆されているが確立されていない。テストステロンブースターと宣伝されているがプラセボ対照試験では何の利益も確認されていない
-フランスの規制機関は一部のグリホサートベースの製品を禁止
French regulator says to ban some glyphosate-based products
Dec 9
ANSESが月曜日にグリホサートを含む36製品を禁止し他の4つのグリホサート製品の申請を拒否した。健康リスクに関するデータが不十分だという。これらの製品は2020年末意向は認可されない。これらは2018年にフランスで販売されたグリホサート製品の3/4を占める。
-意見:グリホサートを阻止することは災害のレシピ
Opinion: Blocking glyphosate is a recipe for disaster
12/06/19 12:41 PM By Alfredo Gutierrez
https://www.agri-pulse.com/articles/12921-opinion-blocking-glyphosate-is-a-recipe-for-disaster
安全な農薬の出荷阻止というメキシコ政府の先週の発表には驚いた。私はメキシコ中部で記憶にある限りずっと農場でグリホサートを使ってきた。メキシコ政府が「予防原則」を引用して農業に打撃を与えようとしている。より毒性の高い高価な除草剤を使うか、ほぼ不可能な人力による除草か、伝統的にメキシコで行われている火をつけるしかない。