2019-12-27

ご挨拶

今年はこれが最後のニュースです。

新年は1月6日からの予定です。

本年もご愛顧頂きありがとうございました。

良いお年をお迎えください。

 

 

[ANSES] ANSESのINCA3研究の生データが利用可能

Raw data from ANSES's INCA 3 study now available

News of 18/12/2019

https://www.anses.fr/en/content/raw-data-ansess-inca-3-study-now-available

ANSESは、フランス国民の食品摂取及び食習慣に関する第三回目の調査結果であるINCA 3調査(2017年発表)をオープンデータとして、すべてのデータを公表している。「data.gouv.fr」の公式ウェブサイト上で閲覧できる。(https://www.data.gouv.fr/fr/datasets/donnees-de-consommations-et-habitudes-alimentaires-de-letude-inca-3/

これらデータはフランスに住む0歳から79歳の食品、飲料及び食品サプリメントの摂取及び栄養摂取に関する情報を提供する。データは食品調理や保管の習慣、運動及び運動不足さらに人体測定データも含む。

ANSESのINCA調査は、一定期間内の一瞬のフランス国民の食品消費習慣のスナップショットを提供する。これらのデータは、重金属、残留農薬及び毒素のような食品にみつかりやすい有害物質に対する暴露だけでなく、ビタミン、ミネラル及び必須脂肪酸のような栄養摂取の測定にも使用できる。食品成分や汚染に関するANSESのデータベースと同様に、これらのINCA調査は健康リスク評価のための重要なツールである。

INCA3調査は、2014年と2015年にかけて実施されたが、統一された欧州の手続きの一環として新たな特徴や改良を数多く取り入れた。特に、より洗練された食品記述システムだけでなく、3歳以下の子供、オーガニック食品やフランス国産農産物の摂取の研究を含み、様々なテーマ(包装材からの移行、生(なま)の食品の消費等)に関する栄養摂取やリスク評価の測定を精細化するのに役立つだろう。

透明性と情報共有を促進するために、ANSESは、食品分野の様々な研究機関や研究所の仕事に不可欠であるこれらすべてのデータを公表している。

INCA3調査の数字

‣ 6年にわたる取り組み

‣ 5,800人以上の調査

‣ 12,210日の食事摂取が集められ、256,300の食品が消費に相当する

‣ 食習慣やライフスタイルについて150の質問がされた

詳細

INCA3調査による食品摂取と習慣データ(フランス語)

https://www.data.gouv.fr/fr/datasets/donnees-de-consommations-et-habitudes-alimentaires-de-letude-inca-3/

 

[EFSA]意見等

-既存のMRLsのレビューを必要としない農薬有効成分

Pesticide active substances that do not require a review of the existing maximum residue levels under Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2019;17(12):5954  19 December 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5954

EC規則No 396/2005は欧州レベルで農薬の最大残留基準(MRLs)の設定やレビューを規定する規則を設定している。EC規則No 396/2005条項12(1)により、EFSAは指令91/414/EECの付属文書Ⅰの有効成分が含まれる、または含まれない日付から12か月以内にその有効成分の既存のMRLsのレビューに関する理由付き意見を提出しなければならない。その規則の条項12(2)は、EFSAが2009年9月1日までに、2008年9月2日以前の指令91/414/EEC付属文書Ⅰに含まれるすべての有効成分の既存のMRLsのレビューに関する理由付き意見を提出しなければならないと規定している。EC規則No 396/2005の条項12(1)あるいは12(2)でレビューされる必要のある有効成分の中で、指令91/414/EECまたはEC規則No 1107/2009で評価の最終化を待ち、EC規則No 396/2005の条項12に従ってEFSAの理由付き意見の提出を待っている、リスク管理者がすでに一時的にEC規則No 396/2005の付属文書IVに含んでいた7つの有効成分を含む、もはやMRLsのレビューは必要ないと考えられている11の有効成分を確認した。EFSAはこれらの物質のMRLsのレビューが用いられない理由を説明する声明を作成した。関連する質問はこの声明で取り扱うことが検討されている。

 

-EFSA プロジェクト OC/EFSA/GMO/2017/01「In vitroタンパク質消化性」(Allergestion)に関する報告書

Report on EFSA project OC/EFSA/GMO/2017/01 “In vitro protein digestibility” (Allergestion)

19 December 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1765

新しいタンパク質の評価の一番の目的は、アレルゲン性の可能性など、それらが摂取するのに安全かどうかを評価することである。一連の評価の一部として、in vitroのタンパク質の消化は有用な試験と考えられている。それゆえ、EFSAのGMOパネルが提案したガイダンスに従って、私達は初期段階と後期段階の胃のシミュレーションや、幼乳児の胃の部分のシミュレーションを使用しており、その後腸の段階に続く。これらの消化シナリオは明確なアレルギー誘発性のあるタンパク質である植物や動物由来の10のタンパク質のパネルで使用された。SDS‐PAGEと濃度測定の結果は、様々な消化シナリオで、重要な主に予想される差を示している。乳タンパク質は腸の段階で完全に消化されるが、BLGはペプシンに対して大部分耐性がある。一方で、卵タンパク質は後期段階状態を除いてかなりの持続性を示した。植物タンパク質では、KTI と ConAは全ての状態に対して大部分耐性があり、一方LIP とAPは乳児の条件に対してだけ耐性がある。同様に、Ara h 1は乳児の胃の状態に対してある程度の耐性を示した。ペプチドのLC‐MS分析は、消化シナリオ間で違いがみられた多くのクラスターを強調でき、これらは場合によっては、関連する既知のアレルゲン性エピトープと比較して一次時配列上に描くことができた。様々な消化シナリオで、9つのアミノ酸よりも大きいペプチドの持続性に有意な違いがみられ、腸の消化の初期段階の多くのペプチドに多くのタンパク質の既知のエピトープとに相当な重複があることを示せた。これらの違いを免疫学的反応(エピトープマッピング)に連携することはまだかなり難しいようだが、シナリオ間に明らかな違いがあり、リスク評価改善の可能性は高い。

 

-農業地域以外の除草剤として植物保護に使用拡大するための酢の承認のための基本物質申請に関する加盟国とEFSAの協議結果

Outcome of the consultation with Member States and EFSA on the basic substance application for approval of vinegar for the extension of use in plant protection as a herbicide for non‐agricultural areas

19 December 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1766

この報告書はEFSAが協議結果をまとめ、個別に受け取ったコメントに関するEFSAの科学的見解を提示している。

 

-ジャガイモ、トマト、キュウリの殺菌剤としての植物保護に利用されるタマネギ球根抽出物の承認のための基本物質申請に関する加盟国とEFSAとの協議結果

Outcome of the consultation with Member States and EFSA on the basic substance application for approval of Allium cepa bulb extract to be used in plant protection as a fungicide in potatoes, tomatoes and cucumbers

17 December 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1767

この報告書はEFSAが協議結果をまとめ、個別に受け取ったコメントに関するEFSAの科学的見解を提示している。

 

[EFSA]飼料添加物

-馬用Yea‐Sacc® (出芽酵母Saccharomyces cerevisiae)の認可更新のための申請の評価

Assessment of the application for renewal of authorisation of Yea‐Sacc® (Saccharomyces cerevisiae) for horses

EFSA Journal 2019;17(12):5918  19 December 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5918

 

-全ての動物種用技術的添加物として使用する際の乳酸及び乳酸カルシウムの安全性

Safety of lactic acid and calcium lactate when used as technological additives for all animal species

EFSA Journal 2019;17(12):5914 18 December 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5914

 

-サケ科、甲殻類及び他の魚用アスタキサンチンジメチルジコハク酸(Carophyll® Stay‐Pink 10%‐CWS)の安全性と有効性

Safety and efficacy of astaxanthin‐dimethyldisuccinate (Carophyll® Stay‐Pink 10%‐CWS) for salmonids, crustaceans and other fish

EFSA Journal 2019;17(12):5920  18 December 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5920

 

-家禽肥育用及び家禽産卵用の飼料添加物としてのβ‐アポ‐8'‐カロチン酸エチルエステルの安全性

Safety of ethyl ester of β‐apo‐8’‐carotenoic acid as a feed additive for poultry for fattening and poultry for laying

EFSA Journal 2019;17(12):5911 18 December 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5911

 

[EFSA]多年及び一年生作物用土壌の植物保護製品の予測環境濃度(PEC)を算出するためのソフトウェアツール:外部科学報告書(最終報告書)

Software tool for calculating the predicted environmental concentrations (PEC) of plant protection products (PPP) in soil for permanent and annual crops: External scientific report (Final report)

16 December 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1761

PERSAMはEFSAに委託された土壌中の植物保護製品(PPPs)の環境濃度予測のためのソフトウェアツールである。このPERSAMツールは2013年に最初に発表された。土壌中のPPPsの環境濃度予測のためのEFSAのガイダンス文書(2017年)を支援するため、このPERSAMソフトウェアツールは更新された。

具体的にこのソフトウェアで算出できること

・段階-1、予測環境濃度

・段階-2、95パーセンタイルのPECs

・段階3Aではシナリオ作成に必要とされる95パーセンタイルPECに相当するシナリオの特性を含むグリッドセルの選択や、ガイダンス文書に記載されている数値モデルで読み取れるいわゆる転送ファイルの生成

PERSAMは提出書類を目的とした報告書を生成する。これらの報告書を基にして当局はモデル結果を確認あるいは再現できる必要がある。この報告書はPERSAM 3.0.0.0の実施軌跡を記述している。

この出版物は以下のEFSA Journalの記事に関連している。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/j.efsa.2017.4982/full

この出版物は以下のEFSA の支持出版物の記事に関連している。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/sp.efsa.2019.EN-1756/full

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/sp.efsa.2019.EN-1762/full

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/sp.efsa.2019.EN-1763/full

 

-多年生作物及び一年生作物の土壌中の予測環境濃度のためのPERSAMソフトウエアモデルの改訂:ソフトウエア基本設計

Update of PERSAM software models for predicting environmental concentrations in soil in permanent crops and annual crops: Software architecture

16 December 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1762

多年生作物及び一年生作物の土壌中の予測環境濃度のためのPERSAMソフトウエアモデルの改訂:ユーザーマニュアルPERSAM 3.0.0

Update of PERSAM software models for predicting environmental concentrations in soil in permanent crops and annual crops: User manual PERSAM 3.0.0

16 December 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1756

 

-土壌中の植物保護製品(PPP)の予測環境濃度(PEC)を算出するためのソフトウェアツール:文書化されたレビュー

Software tool for calculating the predicted environmental concentrations (PEC) of plant protection products (PPP) in soil: Documented review

16 December 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1763

 

[HK]ニュースレター

Food Safety Focus

December 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/files/FSF161_2019_12_18.pdf

交差汚染、食品安全に関しての情報

食用油脂におけるベンゾピレン

シーフードにおけるカドミウム基準値超過

最新の社会情勢と食品安全

 

その他

-間欠断食:「食を絶って」生き、長く生きる?

Intermittent fasting: live 'fast,' live longer?

25-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/jhm-ifl121819.php

多くの人は新年に新しい健康対策を始める。ジムや小売店にはたくさんの新しいダイエット法が並ぶ。しかしこれらのダイエット法の宣伝に根拠はあるのか?New England Journal of Medicineの12月26日号に発表されたレビューは間欠断食に根拠はあると結論した。著者のJohns Hopkins大学医学部の神経科学者Mark Mattson博士は25年間間欠断食の健康影響を研究していて自身も約20年前から実践している。間欠断食は概ね二つに分類でき、一日の間に食べる時間を6-8時間に制限するものと、5:2間欠断食のように週のうち2日間は食べる量を減らすというものである。多くのアメリカ人が一日3食プラスおやつという食生活なので飢餓に対応した細胞の代謝スイッチが働かないが、間欠断食でスイッチを入れることで健康指標が改善するのではないかとMattson博士は言う。

(ホルミシスみたい。単に食べる量が減る、だけでも食べすぎのヒトには効果ありそうだけど)

 

-2019年にACSHが偽りを暴いたジャンクサイエンスと健康に関するインチキな主張トップ10

Top 10 Junk Science And Bogus Health Claims ACSH Debunked In 2019

By Alex Berezow — December 26, 2019

https://www.acsh.org/news/2019/12/26/top-10-junk-science-and-bogus-health-claims-acsh-debunked-2019-14475

10.砂糖入り飲料税であなたの財布だけが軽くなった

9.Scientific American脳死

8.赤肉は良い、それから悪くなってまた良くなった

7.Dark Waters(映画)はErin Brockovich(映画)の焼き直し

6.一部のセレブや政治家が予防接種をしないよう呼びかけ続ける

5.電子タバコ反対ヒステリー

4.オピオイドの処方制限は命を救わない

3.科学リテラシーに欠けることを利用してビジネスは儲け続ける

2.米国公衆衛生局長官が疑わしい研究を推進

1.モンサントを訴えた原告弁護団が強請で告発される