2020-01-15

[ANSES]食品汚染:ANSESは効果を高めるためにより的を絞った管理を提案する

Food contamination: ANSES suggests better targeted controls for greater effectiveness

News of 19/12/2019

https://www.anses.fr/en/content/food-contamination-anses-suggests-better-targeted-controls-greater-effectiveness

ANSESは2010年から2014年の間にフランスで実施した食品中の化学汚染物質の調査と管理計画の評価を行った。リスク評価に基づき、この計画は概ね健康上の問題を扱っていると注記した。消費者の安全性をより確実にするために、公共機関がリスクに応じたデータ収集や調査管理に焦点を当てるのに役立つ、改善すべき分野も提案された。

フランスでは、食品は調査と管理計画によって継続的に監視されている。食品の安全性のための不可欠なツールがあり、欧州規則により統治されている。これらの規則を改訂することで、加盟国に選択の自由度や管理の組織化ができるだろう。

これに関連して、ANSESは二重の目的でこの計画の策定に関する提案をするよう求められた。消費者に高水準の安全性を維持しさらに強化することと、監視のリソースとコストを最適化することである。

食品中の化学汚染物質への暴露:調査と管理の分析

ANSESは食品中の化学汚染物質への暴露に関連した健康リスクに基づく調査と管理計画を評価するための方法論を確立した。関連する分野や食品チェーンの様々な段階で2010年から2014年まで測定された、化学物質と食品の組み合わせによる食品の汚染レベルの評価を実施した。サーベイランスと管理計画の結果、ANSESのトータルダイエットスタディ、国と欧州の健康警告など、入手可能な全ての公共データが考慮された。ANSESはまた消費者暴露量に関連する化学物質-食品の組み合わせの選択についての欧州の助言の適合性も分析した。

この評価に従って、ANSESは、この計画は検査した化学物質-食品の組み合わせのほぼ4分の3の規制及び健康問題に対処していることが分かった。残りの4分の1には、この計画の欠点と余剰性が特定された。

ANSESの助言

ANSESは、最適化できるパラメーターをリストアップし、他の既存の管理ツールとの相補性を考慮して、このサーベイランスと管理計画を改善するための提案を作成した。

食品の化学物質汚染監視計画(例えば、牛乳中の微量金属要素)は、検討された事例のほぼ4分の3 (74.3%)で、健康と規制問題に適切に対処できると考えられた。

ANSESは事例の16.8%の、主に、特定の魚介類の重金属、豆類とナッツのマイコトキシン、スナック、デザート、シリアル、シリアル製品のアクリルアミドへの強化を推奨する。

規制されていない物質に関しては、卵と卵製品のPCBsや PCDD/Fs-ダイオキシン、フラン、塩素化産物、あるいは果物と果物由来製品の硝酸塩などの、規制されていないが懸念の原因である物質/食品の組み合わせの26.1%に重点を置くために事例の66%で監視を縮小することも提案している。

ANSESは特定の化学物質-食品の組み合わせの規制も推奨している。肉製品のPCBsと PCDD/Fs、豆類及びナッツ中の植物毒素、肉と肉製品、魚介類、卵と卵製品、牛乳と乳製品の特定のパーフルオロ化合物が挙げられる。

 

[ANSES]ごみ処理労働者の健康リスクについてのより良い理解を得る

Gaining a better understanding of the health risks to waste management workers

News of 19/12/2019

https://www.anses.fr/en/content/gaining-better-understanding-health-risks-waste-management-workers

ごみ処理やリサイクル企業は循環経済政策の中心であり、常に成長している。この業界の専門家の労働衛生は大きな課題で、ANSESによる初の専門家評価で調査され、その結果が本日発表された。ANSESはこの業界の概要を提出し、労働者の健康に関する影響により、様々なごみ処理部門をグループ化する分析を行った。ごみ処理労働者への健康リスクに関するデータ不足を指摘したが、専門家評価では複数のリスク要因、主にごみの中の化学物質、細菌、カビや、騒音、機械的振動、組織的な制約に関連する暴露を強調した。労働条件、組織、この部門の職業に対する態度に関連するメンタルヘルスのリスクも考慮する必要がある。そのためANSESは、労働者への健康リスクに関する知識の習得、リスク予防の意識を高めること、ごみ労働者の医療監視の改善を目的とした助言を作成している。これらの専門職の健康への影響がエコデザイン活動に統合されることも推奨している。この業界の初めての事例として、ANSESは、複数の健康や社会経済学的課題と共に、日用品梱包household packaging部門のリスク評価の実施を提案している。

 

[EU]RASFF Week02-2020

警報通知(Alert Notifications)

英国産オグボノ粉末のアフラトキシン(B1 = 9.3; Tot. = 9.7 µg/kg)、トルコ産ひき割りヘーゼルナッツのアフラトキシン(Tot. = 11.64 µg/kg)、トルコ産植物性脂肪のグリシジルエステル類(2735 µg/kg)、ベトナム産オランダ経由冷凍パンガシウスフィレの未承認物質塩素酸塩(21 mg/kg)、ドイツ産フルーツバーのイチジクのオクラトキシンA (22.5 µg/kg)、スロバキア産ブルーポピーシードのモルヒネアルカロイド高含有(59.8 mg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、インド産冷凍イカのカドミウム(1.4 mg/kg)、モロッコ産生鮮ミントのクロルピリホス(0.10 mg/kg)、中国産梨のクロルピリホス(0.039 mg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

食品を入れるのにふさわしくない黒ラミネート段ボール(ポリプロピレン箔の欠落によるインク汚染)、ドイツ産英国経由オレンジシュガーパールの着色料サンセットイエローFCF(E110)高含有(276.3 mg/kg)及び誤表示(E110の代わりにE102の警告メッセージ)、アイルランド産冷凍ノルウェーロブスターの亜硫酸塩高含有(226 mg/kg)、フィリピン産英国経由ケーキデコレーションの着色料タートラジン(E102) (78.7 mg/kg)・着色料アゾルビン(E122) (216.3 mg/kg)及び着色料アルラレッドAC(E129) (651.9 mg/kg)の未承認使用、

通関拒否通知(Border Rejections)

中国産紅茶の未承認物質アントラキノン(0.049 mg/kg)、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 12.02; Tot. = 12.33 µg/kg;B1 = 8.4; Tot. = 11.5 / B1 = 7.3; Tot. = 12.9 / B1 = 44; Tot. = 127 µg/kg;(B1 = 10.8; Tot. = 11.6 / B1 = 23; Tot. = 26 µg/kg)、米国産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 7.54; Tot. = 8.89 µg/kg;B1 = 53; Tot. = 57.6 µg/kg)、イラン産ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 15.4; Tot. = 16.1 µg/kg)、米国産ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 47.9; Tot. = 53.2 µg/kg)、トルコ産原料米国産ピスタチオ穀粒のアフラトキシン(B1 = 17.1; Tot. = 21.9 µg/kg)、トルコ産煎って刻んだヘーゼルナッツ穀粒のアフラトキシン(Tot. = 17.2 µg/kg)、香港産中国で生産した茶の未承認物質トルフェンピラド(0.031 mg/kg)、中国産クコの実の未承認物質カルボフラン(0.0052 mg/kg)及びプロパルギット(0.015 mg/kg)、日本産緑茶のテブコナゾール(0.25 mg/kg)・ボスカリド(0.032 mg/kg)・フルベンジアミド(0.072 mg/kg)及び未承認物質トルフェンピラド(0.099 mg/kg)とジノテフラン(0.091 mg/kg)、アゼルバイジャン産殻付きヘーゼルナッツのアフラトキシン(B1 = 77; Tot. = 127 / B1 = 320; Tot. = 370 µg/kg)、

 

[EU]方法論に関するワーキンググループの2019年12月17日の会合の議事録

SCCS - Minutes of the Working Group meeting on Methodologies of 17 December 2019

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/consumer_safety/docs/sccs2016_miwg_077.pdf

・衣類のBPAについて

・化粧品中内分泌攪乱物質

・代替法

・TTCとリードアクロスについてのプレゼン

 

[EU]委員会は化粧品に使用されているナノ物質カタログの更新版を発表

Commission publishes updated catalogue of nanomaterials used in cosmetics

Published on: 15/11/2019

https://ec.europa.eu/growth/content/commission-publishes-updated-catalogue-nanomaterials-used-cosmetics_en

現在27

色素やUVフィルターののカーボンブラック、二酸化チタン、酸化亜鉛、その他のコロイド金銀銅白金、シリカなど

 

[EU]SCCS –ヘアダイIndigofera tinctoriaへの予備的意見にパブリックコメント募集

Preliminary Opinion open for comments on hair dye Indigofera tinctoria (C170) - Submission III

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/consumer_safety/docs/sccs_o_237.pdf

コメントは2020年3月13日まで

Indigofera tinctoriaは天然インジゴ染料

(不純物の同定や毒性、生産バッチごとの同一性の確認、追加の動物実験などやっていて、普通に素性の明確な合成色素使えばいいのに、と思う。化粧品の類いなのに動物実験要求するんだ?)

 

[NHS]持参ランチは学校提供の食事より健康的でないのか?

Are packed lunches less healthy than school dinners

Tuesday 14 January 2020

https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/are-packed-lunches-less-healthy-school-dinners/

「持参ランチは子供にとって学校提供の食事より質が悪い」とSky Newsは報道し、Mail Onlineは持参ランチが10年前より健康的でなくなっていると報道する。

2006年に、研究者は英国の小学校の8歳から9歳の子供約1,000人のランチボックスの中身を調査した。2016年に、子供約300人のサンプルにより再度この評価を行った。

研究者は研究の十年間に中身の変化がほとんどなく、白パンのハムサンドイッチとポテトチップスが変わらず、最も一般的ということを発見した。お菓子、チョコレート及び甘い飲料が約10から14%減少したポジティブな変化がいくつかあった。しかし、ランチボックスの野菜の量は依然として非常に少なかった。

この2回目の子供のサンプルが非常に小規模でどの程度、英国の一般の典型であるかを把握することが非常に難しい;特に2016年の研究の参加(研究に参加する同意をした学校に関して)は前回と比較すると非常に少なかった。

もうひとつの問題は、小学生の半数以上が持参ランチであるのに、学校提供の食事とは違って、スクールランチボックスに対する正式なガイダンスがないことである。

それでもやはり、この研究は政府や教育機関になぜ健康的な食事の選択がされないかの理由を理解し、大人や子供がより健康的なライフスタイルを達成できるよう全員を支援する必要性を強調する。

健康的なスクールランチボックスのレシピに関しては以下。(https://www.nhs.uk/change4life/recipes/healthier-lunchboxes

 

抗生物質耐性は堆肥を処理することで予防できるかもしれない

フィンランド食品局

Antibiotic resistance may be prevented by processing manure

December 19/2019

https://www.ruokavirasto.fi/en/organisations/scientific-research/news-about-scientific-research/antibiotic-resistance-may-be-prevented-by-processing-manure/

フィンランド食品局、フィンランド自然資源研究所 (Luke)及びフィンランド国立環境研究所 (SYKE)の共同研究で、抗生物質治療された乳牛からの残留抗菌剤と抗生物質耐性腸内細菌の牛舎への移行、堆肥貯蔵、バイオガスを監視した。

堆肥中に抗生物質多剤耐性の腸内細菌がいる可能性をフィンランド食品局微生物チーム担当ディレクターDVM、Anna-Liisa Myllyniemiは述べる。フィンランドでは抗生物質で治療した動物の堆肥がほぼ処理しないまま植物の栄養として撒かれ、残留抗生物質や耐性腸内細菌及び耐性遺伝子を拡散する可能性がある。野生生物や植物や人間がそれに暴露され、食品チェーンにも混入する可能性がある。研究では、抗生物質治療をされた牛の糞尿に高濃度の抗生物質が検出され、一方、乳牛のスラリー(slurry)堆肥中の抗菌剤濃度は非常に低かった、とフィンランド食品局化学チームの研究教授、Ph.D. Pertti Koivistoは述べる。

堆肥化処理はリスクを低減する可能性がある

堆肥化処理は医薬品化合物を低害化、または耐性腸内細菌の破壊の可能性がある。研究されたバイオガス処理は、堆肥中抗生物質の完全な除去ではなかったが、スラリー(slurry)の抗生物質濃度は、微生物バイオガス処理では問題ではなかった、とLukeシニア研究員Ph.D. Sari Luostarinenは述べる。堆肥化処理で耐性菌が増えることはなさそうで、生きた菌は減り割合は変わらない。バイオガス処理で堆肥、発酵残渣(digestate)が殺菌され、残留耐性腸内細菌を破壊するだろう。

堆肥化処理では、全体的な影響が評価されなければならない

適切な堆肥処理は、再生可能エネルギーを生み出し、堆肥利用の改良にもなるが、工程中の排出や最終物の処理も重要で、堆肥化処理開発は全体的影響も考慮しなければならない、とSYKEシニア研究員農林業マスターのJuha Grönroosは述べる。

循環経済を開拓する

堆肥を介した抗生物質耐性及び残留物の拡大リスク研究と同時に、抗生物質が高濃度残留する糞尿の加工や堆肥中の耐性腸内細菌と耐性遺伝子を減らす方法を探る必要性をフィンラインド食品局微生物チーム研究員農林業マスターMaria Aarnioは考える。

以下、牛農家の抗生物質耐性と残留物―環境と健康への影響に関する研究結果

https://www.ruokavirasto.fi/globalassets/tietoa-meista/julkaisut/julkaisusarjat/tutkimukset/2019_4-ruokaviraston_tutkimuksia.pdf

研究プロジェクト詳細の閲覧

https://www.ruokavirasto.fi/en/organisations/scientific-research/scientific-projects/current/food-safety-and-quality-research/antimicrobial-resistance-and-residues-on-cattle-farms--effects-on-the-environment-and-health-nami/

 

[HK] 法令違反

生牡蠣のサンプルに基準値超過のカドミウムが検出

Raw oyster sample detected with cadmium exceeding legal limit

Friday, January 10, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20200110_7776.html

生牡蠣のサンプルからカドミウム2.95ppmが検出された。

 

[TGA]医薬品大麻製品の入手

Access to medicinal cannabis products

13 January 2020

https://www.tga.gov.au/access-medicinal-cannabis-products-1

医療用大麻(cannabis)関連情報

 

[NSW] リコール:Lychee Rose Kombucha 330ml

Recall: Lychee Rose Kombucha 330ml

11-January-2020

http://www.foodauthority.nsw.gov.au/news/recallsandadvisories/product-recall-lychee-rose-kombucha

Raw Earth Organic 社は、アルコール含有量が基準の1.15% ABVを超えるためLychee Rose Kombucha 330mlを回収措置。製品写真あり。

 

[FSA] ウェールズ食品諮問委員会の公開会議

Open Meeting of Welsh Food Advisory Committee

13 January 2020

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/open-meeting-of-welsh-food-advisory-committee-3

FSAのウェールズ食品諮問委員会が開催される。

 

[FSA] 2020年1月FSA理事会ペーパーが発表される

FSA Board meeting papers published for January 2020

10 January 2020

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-board-meeting-papers-published-for-january-2020

2020年1 月21 日の理事会の議題とペーパー発表。

 

[FSAI] HPRAは表示されない医薬品成分のため、U-Dream Full Night及びU-Dream Liteに関連する警告をする

HPRA Alert in Relation to U-Dream Full Night and U-Dream Lite due to the Presence of an Undeclared Medicinal Substance

Monday, 13 January 2020

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/U-Dream_Full_Night_Lite.html

健康製品規制庁(HPRA)は、ゾピクロン類似の表示されない成分のため、U-Dream Full Night及びU-Dream Lite食品サプリメントに警告をした。製品写真あり。

 

[FDA]警告文書

Tugusto Foods, Inc.

December 17, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/tugusto-foods-inc-587608-12172019

食品CGMP規則違反、製造、包装または保管に関する衛生管理、不良品の問題。

 

[FDA]ミシガン拠点の食品製造業者は度重なる食品安全違反のため、生産を中止することに同意する

Michigan-based food manufacturer agrees to stop production after repeated food safety violations

January 13, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/michigan-based-food-manufacturer-agrees-stop-production-after-repeated-food-safety-violations

ミシガン拠点のHome Style Foods, Inc.は、本日、連邦規則やその他の要件を満たすまで食品販売を中止することに同意した。

 

[FDA] FDA、USDA及びEPAは農業バイオテクノロジー製品の情報の整備をするための共同政策を発表する

FDA, USDA and EPA announce joint platform to streamline information about agricultural biotechnology products

January 09, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-usda-and-epa-announce-joint-platform-streamline-information-about-agricultural-biotechnology

FDA、USDA及びEPAは本日、農業バイオテクノロジー規則のための一元化されたウェブサイトを開始した。(https://usbiotechnologyregulation.mrp.usda.gov/biotechnologygov/home/

 

[NTP]ニュースレター

NTP Update January 2020

https://ntp.niehs.nih.gov/update/index.html

・NTP専門家委員会がPFOAとがんの関連を評価

PFOAとオキシベンゾンのNTP試験のピアレビュー会議についての報告

PFOAの試験は特に周産期からの暴露と離乳後の暴露の違いを検討し、出産前後の暴露が発がん性に影響するかどうかについては明確ではないとのNTPの結論を支持

・日焼け止めに使われている化合物の発がん性の可能性を解析

2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン (2-H-4MB)(オキシベンゾン)のラットとマウスのでのNTP試験の結果は、発がん性の根拠は明確では無いとするNTPの結論を支持

・妊娠高血圧リスクは交通による大気汚染で増加

・NTPの科学者が5G技術を吟味する

5Gを前世代のワイヤレスネットワークと比較するのは困難である。ミリ波はあまり遠くまで飛ばず現在の2G、3G、4Gネットワークに使われているより低い周波数のRFRほど人体の深部に到達せず、皮膚で吸収される。物理的障害に侵入しないことからトランスミッターやアンテナは多くなるので人に近いところのアンテナは増え、曝露量は増える可能性はある。一方でアンテナが多いために出力は低い。このようなことがあるため実際にどのくらいヒト暴露が変わるのかわからない

・動物を使った抗体から撤退

培養細胞を使った抗体作成に移行する方向での議論。当面は抗体作成の際に動物に与える苦痛を排除対策に集中

・慢性疾患を減らすために慢性炎症に注目する必要

現在よく使われている炎症マーカーは急性期のもので慢性炎症の良い指標とはならない。混乱している状況を整理する必要がある

 

[BfR]野外での防護服

Protective clothing in the field

08.01.2020

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2020/01/protective_clothing_in_the_field-243758.html

国際緑の週間のフォーラムで農薬使用時の安全性について議論する

農薬は基本的には安全であるが、意図された使用目的で適切に使われた場合、である。つまり野外では、使用方法に指定されていれば、オーバーオールやマスク、手袋などのような防護具を着用する必要がある。

2020年1月21日ベルリンでの国際緑の週間イベントで「農薬を安全に使いながら健康に」のトピックを扱う

 

[ASA]あなたの減量用食品の宣伝を整えよう

Getting your weight loss food ads in shape

CAP News 09 Jan 2020

https://www.asa.org.uk/news/getting-your-weight-loss-food-ads-in-shape.html

再び新年になり、新年の決意-しばしば減量とシェイプアップ-をする時である。ダイエット用食品やサプリメントの広告の際に確認すべきことを記す。

健康強調表示に注意

「ヘルシー」「スーパーフード」「#EatFitBeFit(食べて痩せる)」などのような一般健康強調表示は広範で曖昧であるが、関連するEUに登録されているヘルスクレームリストが伴わなければならない。

減量や脂肪を燃やす、代謝を上げるといった宣伝は特定健康強調表示とみなされ、リストにあるものしか広告には使えないし使用条件を満たさなければならない。製品では無く成分に関する強調表示には、いくらかの柔軟性は認められているものの言い換えにより意味が変わらず消費者の理解を促すモノでなければならず誇張してはならない。

減量の速度や量についてのクレーム、例えば「40日で35ポンド以上減る」、は食品やサプリメントでは認められていない

栄養強調表示でも

栄養強調表示は「無脂肪」「高タンパク質」「低カロリー」などのようなもので、同様の意味をもつ「脂肪はたった1g」「ゼロカロリー」「砂糖無添加」などもそうである。リストにある栄養強調表示あるいはそれと同じ意味のクレームしか、そして製品が条件を満たしている場合しか広告には使えない。リストに無い、例えば「精製糖フリー」などのようなものは使えない。

「(栄養成分)削減」「ライト」のような比較栄養強調表示には追加の要件がある。使用条件を満たす他に、比較するのは同じカテゴリーの他の製品とのみ。

植物製品について確認

「保留中」リストにある植物製品については同じ意味で第3条に従っていれば許容されるかもしれない。そのクレームの根拠を提供する必要がありEFSAが発表するだろう意見を考慮する必要がある。

ASAは植物製品についての良い根拠をこれまで見たことが無い。Pharma Nord (UK)社のピクノジェノールの「抗酸化」宣伝はEFSAに提出したクレームの誇大宣伝でありAspire Drinks社の緑茶抽出物による体脂肪削減に役立つという宣伝は保留中のクレームを適切に反映していなかった。いずれも適切に立証されていなかった。

それ自体は認可されていない、栄養や健康の強調表示をするような商標やブランド名は、製品が使用条件に合致して関連する強調表示を伴うならまだ使うことはできる。関連するクレームが無い場合は使えない。2005年1月1日より前から存在するトレードマークやブランド名は2022年1月19日までは例外となる

 

[ASA]減量とデトックス:悪いものは排除して責任と根拠のバランスのとれた食事を確保

Weight-loss and detoxing: Cut out the bad stuff and ensure a balanced diet of responsibility and evidence

CAP News 09 Jan 2020

https://www.asa.org.uk/news/weight-loss-and-detoxing-cut-out-the-bad-stuff.html

根拠をもつ

有効性についてはしっかりした根拠がなければならない。製品名で根拠のない有効性を宣伝することや体験談だけでは根拠にならないことに注意。

現実的になれ

責任をもつ

肥満

使用前使用後画像

セルライト

デトックス

毒素が蓄積して有害影響が出る、それを製品が予防できるような示唆は避けるべき

魔法の服

不快、有害、責任

特に18才以下の人がBMIが18.5以下の有害な体重につながるような宣伝はしない

 

[FSSAI]メディアコーナー

FDAはNutraliteブランドの在庫Rs 33L(330万ルピー)相当を押収

FDA seizes Rs 33L worth Nutralite brand stocks  

11-01-2020

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_FDA_PuneMirror_13_01_2020.pdf

Nutraliteブランドのファットスプレッドの「ゼロコレステロール」「低脂肪」宣伝が基準を満たさない。飽和脂肪を100gあたり35g以上含む

 

[Codex]乳児後期と小さな子どものNRVs-Rをつくる

Developing NRVs-R for Older Infants and Young Children

09/01/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1257232/

6-36ヶ月のヒト向けの栄養参照値作成について

 

論文

-ライフスタイル要因とがんと心血管系疾患の複数罹患リスク:多国コホート研究

IARC

Lifestyle factors and risk of multimorbidity of cancer and cardiometabolic diseases: a multinational cohort study

14 January 2020

https://www.iarc.fr/news-events/lifestyle-factors-and-risk-of-multimorbidity-of-cancer-and-cardiometabolic-diseases-a-multinational-cohort-study/

EPIC研究者とIARCの栄養方法論と生物統計グループの研究者らの協力による新しい研究は、診断される前の健康的ライフスタイル習慣は、がんと診断された65才の個人がその後心血管系疾患と診断される絶対リスクを約半分にすることを発見した。lBMC Medicine。

欧州7カ国の29万人以上のコホートの情報を使い、がんと心血管系疾患の複数罹患は最初にどこかのがん、心血管系疾患、2型糖尿病のどれか二つ以上と定義した。健康的ライフスタイルはBMI、喫煙、飲酒、運動、地中海食の5項目で評価

 

-世界貿易センターレスキューおよび復旧労働者の白血病が増加

Elevated leukemia incidence is found in World Trade Center rescue and recovery workers

14-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/tmsh-eli010920.php

総がん発生率も増加、特に甲状腺と前立腺がん

JNCI Cancer Spectrum。2001年9月11日の攻撃の後、約5万人の労働者が救護や復旧にあたり、終了する2002年6月までの間に一連の化合物に暴露された可能性がある。この研究ではこれまで報告されていなかった白血病が初めて増加した。がんの増加には働いた期間の長さと暴露の強度は関連が無かったが、年齢、性、喫煙していたかどうかには関連があった

 

-学校の室内空気の質は生徒の症状からは信頼性高く評価できない

School indoor air quality cannot be reliably assessed based on pupils' symptoms

14-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/nifh-sia011420.php

Environmental Healthに発表されたフィンランドの研究。学校の建物の室内空気の質と生徒の症状(風邪、咳、頭痛、皮膚、目など)の関連はあまりにも弱い

 

-実りは無い:農産物を多く食べることは前立腺がんを治したり止めたりしない

Unfruitful: Eating more produce will not cure, stop prostate cancer

14-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/uoc--uem011420.php

より多くの野菜を追加した食生活で、微量栄養素の増加による追加の保護はない

国のガイドラインでは前立腺がんの男性は野菜の多い食生活をするよう勧められている。それによりがんの進行や死亡が減る可能性があると示唆されている。しかし前立腺がん患者に毎日7単位以上の野菜や果物を食べるよう割り当てた第3相RCTにおいて、微量栄養素の摂取量増加による追加の保護は見られなかった。

「このデータは、科学者と一般の人達の間で優勢な意見にも関わらず、野菜を多く食べることは前立腺がんの成り行きを変えないことを示す。我々の知る限り、野菜を多く食べてもがんを抑制したり治療したりしないだろう」とカリフォルニア大学サンディエゴ医学校およびMooresがんセンター泌尿器学教授でこの研究の主導者J. Kellogg Parsons医師は言う。「しかしながら、野菜や果物の多い食事と運動はがんを治さないとしても身体を強く健康的にして患者が前立腺がん治療に耐えるのに役立つだろう」

JAMAに発表されたMen's Eating and Living (MEAL)研究では478人の50-80才の初期前立腺腺がんと診断されてアクティブサーベイランス計画に参加している患者を、対照群と電話での行動介入群に無作為に割り当てた。電話でカロテノイドの多い野菜を多く食べるよう介入された群は統計学的に有意に野菜や果物の摂取量を増やし、血中カロテノイド濃度が高くなった。しかし前立腺がんのアウトカムに差は見られなかった。

(これはよくできた研究。普通に食べている場合それ以上増やしても大きなメリットは無いだろう)

 

-がん検診計画を改善する

Improving cancer screening programs

Mette Kalager, Michael Bretthauer

Science  10 Jan 2020: Vol. 367, Issue 6474, pp. 143-14

高所得国ではがんの発生率と死亡率を減らすためにがん検診が行われていて中から低所得国でも導入が検討されている。多くのがんで、検診の種類や間隔のベネフィットと害についてはわからない。RCTが望ましいが多くの場合不可能である。検診による過剰診断の害が明確になるにつれ、継続的に系統的に効果についての知見を得るlearning screening programが最適な選択肢になるだろう

learning screening program:患者は全国の検診計画で異なる検査・間隔・閾値の検診に無作為に振り分けられることに合意する。それにより過剰診断無しに死亡率を改善する最適な検診方法を同定する(図あり)

 

-Scienceニュース

中国の研究者らは武漢の肺炎アウトブレイクに関与したウイルスのドラフトゲノムを明らかにした

Chinese researchers reveal draft genome of virus implicated in Wuhan pneumonia outbreak

By Jon CohenJ an. 11, 2020

 

武漢で見つかった謎のウイルスはSARSではなくコウモリのウイルスに似ている、中国の科学者が言う

Mystery virus found in Wuhan resembles bat viruses but not SARS, Chinese scientist says

By Dennis Normile Jan. 10, 2020

 

インドネシアの保健大臣は議論の多い独自の脳卒中治療法を推進したことで非難される

Indonesian health minister under fire for pushing his own controversial stroke treatment

By Dyna Rochmyaningsih Jan. 10, 2020

 

Yada yada …科学者は新しいウイルスをSeinfeldのキャッチフレーズにちなんで名付けた

Yada yada … scientists name new virus after Seinfeld catch phrase

By Martin EnserinkJan. 11, 2020 ,

https://www.sciencemag.org/news/2020/01/yada-yada-scientists-name-new-virus-after-seinfeld-catchphrase

Seinfeldはオーストラリアのテレビシリーズ。

Microbiology Resource Announcementsに発表されたショートペーパーで著者Jana Batovskaがオーストラリアの蚊から抽出した新しいアルファウイルスに“Yada Yada”と命名した

「うんざりする、あるいは中身の無い話」という意味

(読みは「やだやだ」でいいんだろうか?)

 

-英国で販売されたソフトドリンク中砂糖の量は29%減った

Amount of sugar sold in soft drinks drops by 29% in the UK

12-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/uoo-aos010920.php

2015年から2018年の間の販売データと栄養成分を組み合わせた解析。削減された砂糖の量のうち73%はソフトドリンクの組成見直しによるもので27%は消費者の購入行動の変化によるもの。BMC Medicine

 

-時差ぼけにメラトニンはNHSで入手可能にすべきではない、専門家レビューが結論

Melatonin for jet lag shouldn't be available on NHS concludes expert review

13-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/b-mfj010920.php

Drug and Therapeutics Bulletinで、時差ぼけにメラトニンはNHSの医療保険で患者に処方すべきでは無いと結論した。時差ぼけは数日で解消する状態で、メラトニンの処方が症状緩和に大きな効果があるという根拠は乏しい。1998年のレビューではメラトニンは重症度や期間を減らす可能性があるとしていたがより強力な根拠がないことと品質と安全性を保証できるライセンスの問題から使用を勧めてはいなかった。今回ライセンスの問題は解決したがまだ疑問がたくさんある

 

-10年前より、学校のお弁当の砂糖は減ったがビタミン/ミネラルも減った

Less sugar in school packed lunches but lower levels of vitamins/minerals than decade ago

13-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/b-lsi010920.php

BMJ Openに発表されたイングランドの小学校での調査。2016年と2006年の8-9才の子どもたちの持参したランチの調査。

(お弁当と言ってもサンドイッチとパック入り飲み物とデザート、みたいな感じのもの)

 

-世界の食生活は収束している、利点も問題もある

Global diets are converging, with benefits and problems

13-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/uok-gda011020.php

KENT大学の統計学講師James Bentham博士らがImperial College Londonの公衆衛生学部Majid Ezzati教授らと協力して1960年代から2010年代の171カ国の食糧供給データを解析した。過去50年に最も大きく変化したのは韓国、中国、台湾で肉、卵、砂糖、野菜、シーフード、油糧作物が増えた。一方西洋諸国の多くは動物由来食品と砂糖が減った。世界中の多くの国で野菜ベースの食事が増えた。Nature Foodに発表。

https://www.nature.com/articles/s43016-019-0012-2

(Natureの新しい雑誌の最初の号

https://www.nature.com/natfood/

Nature Food volume 1, page1(2020)のエディトリアルは

サイロからシステムへ

From silos to systems

世界のフードシステムは2050年までに100億人を持続可能に食べさせるために大幅な改革が必要である。Nature Foodは多くの専門分野の科学者にその知識と経験をフードシステムの変化のための集合的対話に生かすよう呼びかける

(Mozaffarian博士に健康的食事を語らせて食事はカロリーでは無く質であり加工が肥満の原因と断定しているあたりにこの雑誌の方針が窺える。豊かな国の贅沢な問題。食品企業はタバコ企業と同じく規制されるべき悪だとみなし加工に使うので食品添加物を忌避する。生鮮野菜果物をいつでも十分食べられる社会にするにはどれだけのインフラと社会システムの整備が必要だろう?)

 

-飢餓の無い世界を想像しよう、それからシステム思考でそうなるようにしよう

Natureエディトリアル

Imagine a world without hunger, then make it happen with systems thinking

14 JANUARY 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00086-5

世界を食べさせるためにはフードシステムの全ての側面に取り組む必要がある

「飢餓が無い世界はどんなものだろうか?」1970年代にDartmouth 大学で学生にDonella Meadowsが尋ねた。それは答えるのが難しい。現実生活にないことを想像しそれを実現させる方法を学ぶのは希な技能である。Meadowsはそれを科学者の仕事にしようとし、結果としてシステム思考と呼ばれるアプローチが今やSDGのような世界的課題を達成するには必須とみなされるようになった。今週Nature Foodの最初の号の一連の論文で取り扱っている。システム思考では、フードシステムを変えるには美痛のことが起こる必要がある。最初に、研究者はそのシステムの全てのプレイヤーを同定する;二番目にそれらがどう相互関係しているのかを明らかにする;三番目にそれらの相互あるいはシステム外の要因との関係の質や影響を理解する。

栄養を例にしてみよう。最新の食料安全保障報告によるとFAOは世界の栄養不良のヒトの数は2015年以降増加しているという。栄養科学が大きく進歩しているにも関わらす。例えばUSDAのものや各種データベースでは食品中の150の生体化合物が追跡できる。しかし機械学習とAIを使ったAlbert László Barabásiらの報告によるとヒトの食事は少なくとも26000の化合物からなりそのほとんどがわかっていない。このことはシステム思考の最初の目標を達成するのにまだ足りないことを示す。

また変化のためのシステムアプローチではシステム中の全てのヒトが同等の地位と力を持つと想定しているがSharon Frielらはフードシステムは平等なものでは無く世界貿易が環境や栄養より優位である可能性を示した。

より多くの研究者や政策決定者や食品企業代表者が直接的責任を超えて学習しシステムアプローチを受け入れなければならない、とNature Foodの編集者は言う。

Meadowsはビジョンだけでは結果は出せないことを知っている、しかし我々は想像できない結果は生み出せないだろう、と結論している。

 

-鉛暴露のリスクは青少年の脳の容量減少に関連

Risk of lead exposure linked to decreased brain volume in adolescents      

13-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/chla-rol011320.php

Nature Medicinenに発表された、米国の21カ所の約12000人の孤度もったいが参加する青少年脳認知発達(ABCD)研究。鉛暴露リスクの増加と認知成績の減少と脳の皮質の容量と表面積の減少に関連が観察されたのは低所得家族でのみ。

 

SMC UK

-お茶を飲むことと健康と長寿の研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at tea drinking, and health and longevity

JANUARY 9, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-tea-drinking-and-health-and-longevity/

European Journal of Preventive Cardiologyに発表された研究が緑茶を定期的に飲むと健康増進と長寿になると報告

Sussex大学免疫学講師Jenna Macciochi博士

プレスリリースは知見を反映しているがこの研究は因果関係を見つけたものでは無いことに注意。この種の研究には交絡と限界があり、「お茶を飲む人が長生き」は「お茶をのむから長生き」ではない

フリーの登録栄養士で英国栄養士会広報Jodie Relf

お茶は健康に良いと長い間考えられているが現在十分な根拠は無い

Reading大学栄養と食品科学教授Gunter Kuhnle教授

お茶の健康効果には関心が高く多くの研究が良い影響を示唆しているがこれまで大規模対照化研究で示されたことは無い。この研究は観察研究であり関連しか示せない

Aston大学医学部登録栄養士でシニア教育フェローDuane Mellor博士

この研究は中国のお茶を飲み続ける人は脳卒中や心疾患で死亡するリスクが低いことを示唆する。この集団ではお茶を飲む女性は男性より相当低く、男性の方がこれらの病気になるリスクが高いことに注意。緑茶は安全で利益があるかもしれないが緑茶サプリメントの使用は多数の肝障害が報告されているので注意。

 

-線虫でのフタル酸と卵産生への専門家の反応

expert reaction to phthalates and egg production in nematodes

JANUARY 9, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-phthalates-and-egg-production-in-nematodes/

PLOS Geneticsに発表された研究がある種のフタル酸類は線虫の卵生産に悪影響があると報告

オーストラリアRMIT大学分析化学教授Oliver Jones博士

これはDEHPについての興味深い論文である。論文そのものは興味深いがプレスリリースは想定が過ぎると私は思う。最初にこの仕事は線虫Caenorhabditis elegansだけで行われヒトではない。この線虫はモデルとしては有用だが小さなヒトでは無い。二つ目にこの研究では線虫は継続して一生DEHPに暴露されている。このような暴露はヒトと同じでは無い。

どんな化合物であっても、問題は有害かどうかでは無く(どんなものでも量が多ければ有害)暴露されている量で有害かどうかである。DEHPについてまだ判定は下っていないと思う。

Edinburgh大学生殖健康MRCセンター、王立子ども病院小児内分泌相談医、生殖と生殖能力学会員Rod Mitchell博士

この虫での研究はDEHPのメカニズムを研究した。この虫での研究はしっかりしているがこれがヒトでおこるかどうかはわからない。ヒトにあてはめるには注意が必要である。この研究は胚から成虫まで継続してDEHP暴露し、DEHPへの透過性を高めるために遺伝子改変を行っている。これはヒトの暴露とは違う

Edinburgh大学生殖健康MRCセンター名誉教授で内分泌学会会員Richard Sharpe教授

Glasgow大学講師で内分泌学会会員Michelle Bellingham博士

(いずれも線虫の知見をヒトにそのまま当てはめられないことを指摘)

 

その他

-Nature書評

政府の非主流派経済学の危険性

The dangers of fringe economics in government

Ehsan Masood  13 JANUARY 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00055-y

3冊の本が検証されていない考えを政策の基本にすることの危険性を警告

When the President Calls: Conversations with Economic Policymakers Simon W. Bowmaker MIT Press (2019)

Arguing with Zombies: Economics, Politics, and the Fight for a better Future Paul Krugman W. W. Norton (2020)

Good Economics for Hard Times Abhijit V. Banerjee and Esther Duflo PublicAffairs (2019)

(日本のことかと思うよ)

 

-何故私はコリアンダー(パクチー)が大好きなのに夫は大嫌いなのだろう?(調理された場合を除いて)

Why do I love cilantro but my husband hates it? (Except when it's cooked!)

Joe Schwarcz PhD | 20 Mar 2017

https://mcgill.ca/oss/article/environment-food-health-history/love-it-or-hate-it

食べ物については誰にでも好き嫌いはある。チョコレートは概ね好まれほうれん草はそれほどでもない。しかしパクチーほど意見が分かれるものは無いだろう。

パクチーの種はコリアンダーとして知られ出エジプト記にすら言及されている。考古学者はツタンカーメン王の墓にも発見している。古代中国人はコリアンダーを食べると不死になると信じた。ヒポクラテスは医薬品として使い、現代ですら一部の人が健康に良いと宣伝する。

科学文献では健康上の利益の根拠を提示していないが風味(フレーバー)の好き嫌いの手がかりは提供している。ここでフレーバーと呼ぶのは食品中に含まれる分子が我々の味蕾と鼻腔を通過するときに引き起こす感覚のことである。匂いはその感覚の一部で、コリアンダーが嫌いな人は鼻をつまんで食べるとそれほど嫌がらない。コリアンダーからは味と香りに関係するアルデヒド属のものを含む40ほどの化合物が単離されている。一節によるとコリアンダーが嫌いな人は他の人が関知しない味を検出する味覚感受性の高い人(スーパーテイスター)であるという。スーパーテイスターはプロピルチオウラシルのような特定の苦味化合物に反応する人達のことだがコリアンダーにはそのようなものは存在しない。しかしコリアンダー嫌いには遺伝子が関連するようだ。一卵性双子はコリアンダーの好き嫌いがほぼ一致するが二卵性双子はそうではない。また民族文化的関連もありそうだ。トロント大学の調査では東アジア人が最も嫌いな人が多く21%、白色人種は17%、アフリカ系は14%、南アジアは7%、ヒスパニックが4%で中東は3%で、この率は概ねその地域の料理にコリアンダーを使う頻度と並行する。

またコリアンダー嫌いな人は生鮮ハーブは嫌いでも加熱調理したソースなどはそうでもないことが多い。好きな人は逆にフレッシュなものを好み料理の最後に入れる

(ちょっと前の記事だけど。日本人のパクチーへの嗜好はここ十年以内で変わったと思う)

 

-虚偽の減量宣伝にだまされないで

Don’t Be Scammed by False Weight-Loss Claims

January 13, 2020

https://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/diet-weight-loss/article/don%E2%80%99t-be-scammed-false-weight-loss-claims

FTCが有用な新しいウェブサイトで、減量錠剤などでよく使われている偽りの約束を同定している:

・錠剤を飲むだけで痩せる(そんな効果は無いだろう)

・好きなだけ食べて減量(だったらいいね)

・一ヶ月で25ポンドも減らせる(たとえ可能でもそれは勧めない)

・皮膚に塗ると減量できる(いいえ)

・永久に減量(そうはならない)

・誰にでも効果がある(そんなことはない)

また「無料お試し」(無料では無い)、使用前使用後の写真(通常画像操作)、誰かの保証(お金を払って)、「ドクター」(お金をもらった俳優)、スポンサー付きあるいはお金を払った広告あるいは本物に見せかけたインチキウェブサイトの「ニュース」などに注意。

FTC

https://www.consumer.ftc.gov/features/weight-loss

 

-塩の摂取量を減らす:政府の仕事?

Curbing Salt Intake: A Government Job?

by BERKELEY WELLNESS 

https://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/curbing-salt-intake-government-job

Journal of Epidemiology and Community Healthに発表された英国の研究は人々の塩の摂取量を減らすには企業の自主ガイドラインより政府の規制の方が効果的であると示唆する。

米国ではオバマ政権下でFDAが減塩目標案を発表したがそれは任意でいまだ発効していない。

(自由の国アメリカでも公衆衛生関係者は強権発動に親和性高い)

 

-ミズーリの魔法使いは農業史上最大規模の詐欺を陰で操り二重生活を送る

Missouri charmer led double life, masterminded one of the biggest frauds in farm history

BY MIKE HENDRICKS JANUARY 12, 2020

https://www.kansascity.com/news/local/crime/article239079858.html

最良の詐欺師のほとんどがそうであるように、Randy Constantはとても魅力的で好きにならずにはいられない人物である。旧友は「彼は素晴らしい人物だ」という。

Constantと何年も一緒に仕事をしてきたミズーリの農家John Heineckeは「彼のしたことを聞いて死ぬほどショックを受けた」という。

ConstantはChillicotheでは教会に通う家族思いの男で、学校の運営委員会の会長で、農業の起業家として知られる。昨年の夏の話が始まるまでは、ConstantはChillicotheの最良のものの一つだった。彼はオーガニック穀物の取引をし、ティラピアを育て養殖魚をWhole Foodsなどに売っていた。彼の評判はアメリカで注目すべき成功した10人の農家の一人として2017年7月のSuccessful Farming雑誌特別号に取り上げられた。雑誌が知らなかったのはConstantが既に当局から監視されていたことだ。同じ月の後半の湿気の多い火曜日の朝、USDAの監察官事務所の黒いSUVがやってきて記録を調べた。

記録によると2016年に彼はオーガニックと表示された全てのトウモロコシのうち7%、大豆は8%を売った。それを合法的にすることはできなかった。それだけのオーガニック作物を入手できなかった。

「オーガニック市場での彼の競合相手の誰かが、彼はオーガニックにしてはあまりにも安い値段であまりにも多くの穀物を売っていることを知らせてきた」連邦検察官Anthony MorfittがThe Starに語った。

そこから全てが始まった。オーガニック食品業界への政府の監視に欠陥があることがわかった。何年にもわたって監視システムはConstantの詐欺を検出できなかった。

詐欺の誘因はたくさんある。有機穀物は生産により費用がかかり値段が高い。それを食べさせた鶏や牛も高値で売れる。そしてその肉が良いという証明はできない。国の有機認証を得るにはいくつかの条件があるが何十年にもわたって政府のシステムは消費者への保証をできていない。有機農家が正直であることに大きく依存してきた。倫理のない賢い販売者は安価な慣行栽培の穀物をより高価な有機として売って膨大な利益を得ることができた。

(自殺しているRandy Constantの生涯と犯罪を追った長い記事)

 

-39人のバイオテクノロジー専門家が反GMO活動家Vandana ShivaのStanfordと UC Santa Cruzでの「反科学」講演に公開抗議文書

39 biotech experts’ open letter protests anti-GMO activist Vandana Shiva’s ‘anti-science’ talks at Stanford and UC Santa Cruz

January 14, 2020

https://geneticliteracyproject.org/2020/01/14/39-biotech-experts-open-letter-protests-anti-gmo-activist-vandana-shivas-anti-science-talks-at-stanford-and-uc-santa-cruz/

Vandana Shivaは世界で最も悪名高いGMO批判者で作物バイオテクノロジー反対十字軍の「ロックスター」と呼ばれた。彼女が1月後半にスタンフォード大学とカリフォルニア大学で持続可能な農業について講演する予定で、それに対して世界中の39人の科学者が共同で両大学への抗議文書を書いた。全文ここに掲載。

 

-インチキの骨:何故「骨スープ」は単なる高価なブイヨンでしかないのか

Phoney Boney: Why 'Bone Broth' Is Just Expensive Stock

By Angela Dowden — January 13, 2020

https://www.acsh.org/news/2020/01/13/phoney-boney-why-bone-broth-just-expensive-stock-14501

(Phoney Boneという漫画のキャラクターがいる)

骨スープ(ボーンブロス)がコラーゲンとミネラルの多い「スーパースープ」として宣伝されている。しかし実際は栄養豊富では無く、宣伝されているような皮膚や関節への効果も無い

(日本ではまだ流行ってるようではないが)