2020-01-27

[IARC]世界がん報告:研究のハイライトと心躍ること

World Cancer Report: research highlights and what’s exciting

23 January 2020

https://www.iarc.fr/news-events/world-cancer-report-research-highlights-and-whats-exciting/

ハイライト

https://www.iarc.fr/world-cancer-report-highlights/

・余剰な体の脂肪は直腸結腸を含む各種臓器のがんリスクを増やすが、そのリスクは減量で減らせるだろう

・大気と水の発がん汚染物質は技術的規制的手法で介入できる

・HPV予防接種で子宮頸がんは排除できるかも

・散発性の(特に発がん要因への暴露が認識されていない)がんによる死亡は検診や早期発見で予防できるかもしれない

・多くの国で社会経済的格差が根拠のある予防対策の影響を制限している

・高所得国ですら社会経済的格差が根拠のある予防対策の影響を制限している

・特定のがんへの個人の感受性は分子技術によって理解が進んでいる

・日光への有害な暴露対策がとられている

・喫煙が世界中のがんの主要原因のまま

WORLD CANCER REPORT

https://www.iarc.fr/cards_page/world-cancer-report/

 

[ASA]ASA裁定

ASA Ruling on Bounce Back Drinks Ltd

22 January 2020

https://www.asa.org.uk/rulings/bounce-back-drinks-ltd-cas-573719-p6x2g2.html

英国初の飲酒後の復活ドリンク-Bounce Back(元気を取り戻す)ドリンクという商品の宣伝について、ASAの保証やMHRAの認可、EFSAの承認があるかのような宣伝は広告基準違反、さらに二日酔いの症状を予防・治療できるかのような宣伝は基準違反。「飲酒後の復活ドリンク」は消費者にとっては二日酔いの予防や治療に役立つと理解される。「コリンは正常な肝機能の維持に寄与する」は認可されている健康強調表示であるが、「アミノ酸とビタミンの特別な配合で肝機能をサポート」という宣伝文句と一緒に提示されると認可された内容とは異なる誇大宣伝になる

 

[EU]健康プロモーション、疾患予防、非伝染性疾患管理に関する運営グループの第三回公式会合速報

FLASH REPORT

THIRD FORMAL MEETING -STEERING GROUP ON HEALTH PROMOTION, DISEASE PREVENTION AND MANAGEMENT OF NON-COMMUNICABLE DISEASES

23 JANUARY 2020, BRUSSELS

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/non_communicable_diseases/docs/ev_20200123_flash_en.pdf

2020年1月23日の会合の報告

がん対策、メンタルヘルス、予防接種等が話題

 

[NASEM]ヘルシープープル2030の主要健康指標は気候変動、住居分離、市民参加の健康影響を追跡すべき

Healthy People 2030’s Leading Health Indicators Should Track Health Effects of Climate Change, Residential Segregation, Civic Engagement

Jan. 22, 2020

http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=25682&_ga=2.71871697.35644710.1580110574-1905132771.1574043427

新しい報告書では34の主要健康指標(LHIs)を推奨

ハイライト

主要健康指標2030:健康と公平と福祉を進歩させる

Leading Health Indicators 2030: Advancing Health, Equity, and Well-Being

https://www.nap.edu/resource/25682/leading-health-indicators-2030-highlights.pdf

 

[FSSAI]メディアコーナー

-FSSAIは硫酸アンモニウムをミルク検査計画の元での混入異物から除外する

FSSAI removes ammonium sulphate from milk adulterants under Testing Scheme

22-01-2020

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Milk_FNB_23_01_2020.pdf

科学的意見を注意深くレビューし、硫酸アンモニウムは天然にミルクに含まれる可能性があるため、混入異物リストから外した。いくつかの国ではある種の食品に添加物として認められていることも注記した。

 

-食品検体から合成着色料が見つかった:SFLが報告

Artificial colour found in food samples: SFL Report

Thursday, 23 January 2020

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Colour_Pioneer_23_01_2020.pdf

(有害な合成色素が検出された、とあるだけで何から何がどのくらい見つかったのか書いてない)

 

[Codex]貿易がどのようにして各国の食料安全保障達成に役立てるか?

How can trade help countries achieve food security?

22/01/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1258556/

GFFA続報

 

[FTC]新しいFTCのデータは、FTCは2019年に約170万の詐欺報告を受けとり、FTCの訴訟で消費者に2億3200万ドルを返金したことを示す

New FTC Data Shows that the FTC Received Nearly 1.7 Million Fraud Reports, and FTC Lawsuits Returned $232 Million to Consumers in 2019

January 23, 2020

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2020/01/new-ftc-data-shows-ftc-received-nearly-17-million-fraud-reports

2019年詐欺報告のトップはなりすまし詐欺

(オレオレ詐欺とか公的機関の人間ですとか電話してくるやつ)

 

論文

-地中海、断食、原始人ダイエットでの減量と健康改善

Weight loss and health improvements with Mediterranean, fasting & paleo diets

23-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/uoo-wla012320.php

過体重の成人に1年間三種類のどれかのダイエット法を実行するようお願いしたところ、遵守率に差はあるが全て減量と健康上の利益が観察された。重要なのは続けられるかどうか。American Journal of Clinical Nutrition

 

-患者は害のないがんの侵襲的治療で苦しむ

Patients suffer invasive treatments for harmless cancers

26-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/bua-psi012120.php

Medical Journal of Australia

オーストラリア人は検出せず治療しなければ害が無いだろうがんと診断され、不必要な手術や化学療法を受けることがますます増えている。2012年には男性のがんの24%が過剰診断であることが示唆される。

検診のしなさすぎとしすぎのバランスをとることは簡単ではないが、それは重要なステップである。

 

-新しい調査はゲノム編集作物への専門家と一般人の態度を明らかにする

New survey results reveal the experts and public's attitude towards gene-edited crops

22-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/rooi-nsr012220.php

情報システム研究機構、日本、からのプレスリリース

Palgrave Communicationsに掲載された遺伝子組換え,ゲノム編集作物のリスク認知に関するネットアンケート調査。

(長々と欠如モデルがダメだとか何度も書いているのだけれど、提供されたイラスト情報が思いっきり中途半端でダメなので全て台無し。こんな説明には植物の研究者は怒ったほうがいい。専門家も対象にしたとあるんだけどこれをおかしいと思わない専門家は専門家ではないだろうhttps://www.nature.com/articles/s41599-019-0328-4

 

-農薬の環境リスク評価を変える提案

A proposal to change environmental risk assessment for pesticides

23-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/aaft-apt012120.php

Scienceの政策フォーラムのコーナーでChristopher Toppingらが現行の環境リスク評価(ERA)が時代遅れだと主張。例えば通常ERAは気候変動の影響や大規模な単一の耕作の影響を考慮していない

(それは農薬ではなくて「農業」の環境影響なのでは・・)

 

-「化学物質汚染から人々を守るために、別のアプローチが必要」

'To safeguard people from chemical pollution, another approach is warranted'

23-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/uu-sp012120.php

オランダオクスポソームコンソーシアムを主導するユトレヒト大学Hoogleraar Roel Vermeulenらによる主張。Science

 

-低/無カロリー甘味料は公衆衛生戦略に有用な貢献ができる

Low/no calorie sweeteners can make a useful contribution to public health strategies

23-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/isa-lcs012320.php

Nutrition Research Reviewsに発表された、2018年11月の国際甘味料協会が協賛した低/無カロリー甘味料についてのコンセンサスワークショップの内容。オープンアクセス

Expert consensus on low-calorie sweeteners: facts, research gaps and suggested actions

https://www.cambridge.org/core/journals/nutrition-research-reviews/article/expert-consensus-on-lowcalorie-sweeteners-facts-research-gaps-and-suggested-actions/B4CB46811648108CF7F2777692EEEA53

 

-冷凍食品安全性を進歩させる:Georgia大学が環境モニタリング計画を評価する

Advancing frozen food safety: UGA evaluates environmental monitoring programs

24-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/affi-aff012420.php

冷凍食品財団の出資した新しい研究が冷凍食品業界が採用している現在の環境モニタリング計画を評価する

Journal of Food Protectionに発表されたListeria monocytogenes (Lm)予防管理計画

 

-医師と市民の反抗

Doctors and civil disobedience

The Lancet EDITORIAL| VOLUME 395, ISSUE 10220, P248, JANUARY 25, 2020

今週号のLancetにExtinction Rebellionによる抗議活動で逮捕された医師Robin Stottのエッセイを掲載。政府の方針や法律を変えるために法に違反する行動を支持

(Lancetは医学雑誌なのだが気候変動対策が正義だと信じている様子。LancetはExtinction Rebellionを過激だと思わないんだ)

 

ScienceとNatureから

-武漢のシーフード市場は世界に拡散している新規ウルスの発生源では無いかもしれない

Wuhan seafood market may not be source of novel virus spreading globally

By Jon CohenJan. 26, 2020 ,

https://www.sciencemag.org/news/2020/01/wuhan-seafood-market-may-not-be-source-novel-virus-spreading-globally

世界に広がっている新規ウルスについて世界中が中国の武漢のシーフード市場に注目しているが、The Lancetに金曜日に発表された最初の臨床症例の報告の記述はこの仮説に疑問を提示する。この論文は中国のいくつかの研究機関の大人数グループによるもので2019-新規コロナウイルス(2019-nCoV)と呼ばれるウイルスに感染していることが確認された41の入院症例の詳細を提供する。12月1日の最初の症例はシーフード市場と関連がない。41例中13例が市場と関連がない。「これは大きな数である」もしデータが正確なら最初の感染は11月中で、ウイルスが武漢の人々に静かに広がっていた可能性がある

(以下略)

 

-科学者が食品と飲料缶のBPAをどうやって置き換えようとしているか見て

Watch how scientists are attempting to replace the ubiquitous chemical BPA in food and drink cans

By Nguyen Nguyen, Joel GoldbergJan. 24, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/01/watch-how-scientists-are-attempting-replace-ubiquitous-chemical-bpa-food-and-drink-cans

動画

塗料とコーティングの会社Sherwin-Williamsが、実験室の研究ではBPAより安全だと信じるテトラメチルビスフェノールFを開発した。

 

-特集

明日の地球のための化学

Chemistry for Tomorrow's Earth

Science 24 JANUARY 2020 VOL 367, ISSUE 6476

・よりクリーンな,よりグリーンな化学物質未来

・できる

・環境中化学物質の過去に学び将来を考える

・我々の変化する環境中の複雑な化学物質混合物を追跡する

・エクスポソームと健康:化学が生物学と出会うとき

・将来のグリーンケミストリーをデザインする

 

-英国がEUの農業助成から離脱する

United Kingdom breaks from EU farm subsidies

Erik Stokstad

Science  24 Jan 2020:Vol. 367, Issue 6476, pp. 348-349

英国がEUから離脱する時、欧州の農業助成政策からも離脱する-そしてそれは多くの研究者にとって良いことである。先週英国政府は農業に年30億ポンド支出している内容の過激な変更を提案した。気候変動、生態系、公衆の利益になることに集中する。これまでは現在のEUのシステムによって単純に耕作することで補助金が得られていたが、それだけではだめで「公共のために良いこと」に対して支払われるようになる。

 

-武漢の科学者:封鎖されるというのはどういうことか

Wuhan scientists: What it’s like to be on lockdown

24 JANUARY 2020  David Cyranoski &Andrew Silver

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00191-5

新型ウイルスの拡大を封じ込めるために市の研究者が切り離された

Natureが武漢市内の研究者と話をした

 

-この科学者は封鎖された武漢でコロナウイルスの薬の動物実験をしたい

This scientist hopes to test coronavirus drugs on animals in locked-down Wuhan

24 JANUARY 2020  David Cyranoski

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00190-6

構造生物学者Rolf HilgenfeldはSARSのアウトブレイク以降コロナウイルスの治療法について研究している

(ドイツの科学者で今中国にいる)

 

-Nature動画

あなたが武漢コロナウイルスについて知っておく必要のあること

What you need to know about the Wuhan coronavirus

24 JANUARY 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00209-y

 

その他

 

-アマゾンは如何にして脳サプリメントの詐欺的マーケティングを促進して利益を得ているか

TINA

HOW AMAZON PROMOTES, PROFITS FROM DECEPTIVELY MARKETED BRAIN SUPPLEMENTS

https://www.truthinadvertising.org/how-amazon-promotes-profits-from-deceptively-marketed-brain-supplements/

インフォグラフィック:脳サプリメントとアマゾン

INFOGRAPHIC: BRAIN SUPPLEMENTS AND AMAZON

January 16th, 2020

https://www.truthinadvertising.org/infographic-brain-supplements-and-amazon/

アマゾンで脳サプリメントの詐欺的宣伝が多数行われていて、それで儲けているアマゾンにも責任がある

 

-視聴者の信じやすさと一体化したGoop Labの実験

The Goop Lab Experiments With Viewers’ Credulity

Jonathan Jarry M.Sc. | 24 Jan 2020

https://mcgill.ca/oss/article/health-reviews/goop-lab-experiments-viewers-credulity

Gwyneth PaltrowのNetflixのショーは期待できる最新科学と完全なインチキ、信頼構築活動と全くの狂気との混合物である。それは良いものと悪いものの境界を消し、全てをgoop(柔らかい泥、Paltrowのブランド名)にしてしまう

Gwyneth Paltrowは何年も妄想のデトックスを売ってきて疑似医学に味をしめたようだ。The goop labというタイトルのNetflix動画は明らかに現代版インチキだと片付けてしまうのは簡単だが、支持されるには理由がある

 

-新しいコロナウイルスは蛇から来たのか?専門家の反応

SMC NZ

Could new coronavirus have come from snakes? – Expert Reaction

Published: 24 January 2020

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2020/01/24/could-new-coronavirus-have-come-from-snakes-expert-reaction/

(略)