[EU]査察報告
-ベラルーシ―生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質
Belarus 2019-6654―Residues and contaminants in live animals and animal products
09/01/2020
https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4224
2019年5月13~24日にベラルーシで実施した、EU輸出用生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質の公的管理の効果を評価するための査察。この残留物モニタリング計画はほぼEC指令の原則に従っている。にもかかわらず、いくつかの物質がEU最大残留基準と一致していない。サンプリングと検査の実施は時宜にかなっているが、サンプリング戦略のいくつかの側面がこの計画の効果を弱めている。研究所に関しては、結果の信頼性を提供しているが、今日まで手段が設定されていないため、作業はまだ行われていない。動物用医薬品に関しては、一般の動物用医薬品の認可、販売、使用を統治する法的枠組みや公的管理システムが保証を支えている。雌牛の治療のための17-βエストラジオールとその派生品の使用は除外される。
-ロシア連邦―最終報告書-査察の助言に対処するためにロシア機関が取った対策実行のフォローアップ
Russian Federation 2019-6849―Final report -follow-up the implementation of the actions taken by the authorities of Russia to address the recommendations of audit DG(SANTE)/2018-6461
08/01/2020
https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4223
2019年3月18~29日にロシア連邦で実施した、2018年の査察報告書の助言への対処行動の確認及び、修正行動の効果を評価するための査察結果。一部実施された助言もあるが、これまでの対策は効果がなく、十分ではない。適切な施設のリストアップが保証されていない。EU条件に従う原材料 (加工された成分を含む) だけがEU輸出用に承認された乳製品の製造に使用されていることの確認ができていない。現在の検査システムでは、公的管理職員の知見が不足し、トレーサビリティについての文書化された公的管理がなく、食品企業管理者の法令順守はほとんど保証されていない。結核やブルセラ症がないことを証明するための生きた動物の検査は適切に対処されている。
-フランス―動物の飼料における昆虫の利用
France 2019-6647―Use of insects in animal feed
11/12/2019
https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4216
2019年6月17~21日にフランスで実施した、関連企業管理者が、動物用飼料としての昆虫とその派生製品の生産、市販、取引を、動物由来成分(ABP)及び飼料に適用できるEU規則に従って実行していることを確認するための一連の査察の一部である。昆虫の飼育、処理、加工を行う管理者の登録と承認に関するシステムはリスクに基づいており、いくつかの欠点を除いて効果的に検証されている。ABP管理者の記載方法は、外部利用者には管理者が承認されているかどうかを確認できない。
-スイス―生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質
Switzerland 2019-6658―Residues and contaminants in live animals and animal products
28/11/2019
https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4215
2019年9月18~27日にスイスで実施した、生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質の公的管理の効果や、動物用医薬品の認可、販売、使用を評価するための査察。概して、残留物モニタリング計画は、必要最小限のほぼ90%が達成されている牛乳(EUに取引されている主な商品)以外は、対象となる商品のほとんどで50%以上の必要なサンプルの最小数に達していないと結論した。サンプルの高レベルのクラスタリング(同じ生産者の複数のサンプリング)や、この4年間の違法結果事例の調査が、提供する保証を弱めている。サンプル数が少ないにもかかわらず計画は完全に実行され、ギャップに関わらず検査の範囲は広範囲に及んだが、研究所のネットワークに支えられて保証の影響を軽減している。スイスで認可されている食品生産動物のための薬理活性物質のリストは、認可されている動物種、適用可能な最大残留基準、薬効分類、はEUのそれを反映している。
[EU]SCCS
-化粧品に使われる二酸化チタン(TiO2)への科学的意見要請
Request for a scientific Opinion on Titanium dioxide (TiO2) (CAS/EC numbers 13463-67- 7/236-675-5, 1317-70-0/215-280-1, 1317-80-2/215-282-2) used in cosmetic products
吸入暴露でヒト発がん性が疑われるため安全な量が再検討されている
日焼け止め製品への25%までの使用は安全か、安全でないなら安全な最大濃度はどのくらいか?
-化粧品のナノ物質の安全性への科学的助言要請
Request for a scientific advice on the safety of nanomaterials in cosmetics
5 February 2020
ナノ物質の安全上の懸念についての専門家の意見を求めている
[EU]RASFF Week06-2020
警報通知(Alert Notifications)
米国産食品サプリメントの未承認物質1,3-ジメチルアミルアミン(DMAA)・2-アミノ-6-メチルヘプタン(DMHA)・禁止物質ヨヒンビン及び未承認新規食品成分インド蛇木(Rauwolfia canescens)、英国産全形オグボノのアフラトキシン(B1 = 15; Tot. = 32 µg/kg)、米国産食品サプリメントの未承認物質1,3-ジメチルアミルアミン(DMAA)及び禁止物質ヨヒンビン、スペイン産リンゴピュレのパツリン(81 µg/kg)、トルコ産オレガノのピロリジジンアルカロイド(16962 µg/kg)、トルコ産乾燥イチジクのオクラトキシンA(37.66 µg/kg)、中国産ベルギー経由トウモロコシ及び竹製と表示されている子供用食器からのホルムアルデヒド(19.2 mg/kg)及びメラミン(4.71; 6.64 mg/kg)の溶出、トルコ産細かくしたオレガノのピロリジジンアルカロイド(8836 µg/kg)、イタリア産チルドポークのスルファジメトキシン(233.6 µg/kg)、
注意喚起情報(information for attention)
米国産ハーブジャムの未承認照射、米国産英国経由マシュマロ入り子供用シリアルのジブチルヒドロキシトルエン(E321) (24.6 mg/kg)未承認及び着色料クルクミン(E100)・着色料サンセットイエローFCF(E110) (605.7 mg/kg)・着色料アルラレッドAC(E129)・着色料ブリリアントブルーFCF(E133)の未承認使用、2,4-ジニトロフェノール(DNP) のオンライン販売、トルコ産ケイパーの亜硫酸塩(17 mg/l)非表示、
フォローアップ用情報(information for follow-up)
米国産英国経由マシュマロの着色料サンセットイエローFCF(E110)高含有(521.5 mg/kg)、リトアニア産バスマティ米のミネラルオイル(MOAH: 1.5 mg/kg)、英国産紙ストローの3-モノクロール-1,2-プロパンジオール (3-MCPD) (24.6 µg/l)、
通関拒否通知(Border Rejections)
米国産アーモンドのアフラトキシン(Tot. = 113.3 / Tot. = 215.2 µg/kg)、中国産オレンジダイズクレープの着色料アナトー/ビキシン/ノルビキシン(E160b)高含有(90 mg/kg)、ベトナム産チリのクロルピリホス(0.047 mg/kg)・未承認物質ヘキサコナゾール(0.11 mg/kg)及びクロルフルアズロン(0.23 mg/kg)、エジプト産有機ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 5.1 µg/kg)、トルコ産ペッパーのピリダベン(0.049 mg/kg)及びアセタミプリド( 0.709 mg/kg)、アルゼンチン産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 25; Tot. = 32 µg/kg)、中国産未承認遺伝子組換え(Cry lAb/Ac - T-NOS 及び P-35S)米、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 12.5; Tot. = 30 µg/kg)、米国産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 17; Tot. = 19 µg/kg)、米国産殻を取ったピーナッツのアフラトキシン(B1 = 11.2; Tot. = 12.9 µg/kg)、トルコ産ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 19; Tot. = 21 µg/kg)、中国産栗のおやつの未承認新規食品シナグリ(Castanea mollissima )、アルゼンチン産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 5 µg/kg)、インド産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 11; Tot. = 13 µg/kg)、トルコ産ペッパーのホルメタネート(0.246 mg/kg)、ドミニカ共和国産ナスの未承認物質カルボフラン(0.008 mg/kg)、トルコ産ザクロのプロクロラズ(0.466 mg/kg)、トルコ産ペッパーのラムダシハロトリン(0.236 mg/kg;0.244 mg/kg)、
[EFSA]意見等
-「食品製造に使用する酵素製剤の評価」についてのJECFAのガイダンス案の分析
Analysis of JECFA's draft guideline on “Evaluation of enzyme preparations used in the manufacture of foods”
6 February 2020
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1795
EFSAは、食品製造に使用する酵素製剤の評価に関するガイダンスを更新するためにJECFAの提案にレビューとコメントを出すよう欧州委員会に要請された。JECFAの提案と、関連するEFSAのガイダンス文書の比較が行われた。食品酵素の安全性評価に対してJECFAと EFSAが取ったアプローチに類似点が見つかった。だが、JECFAが行った変更提案は、重要な違いになった。EFSAの見解では、JECFAによるガイドラインの変更に関する提案は、EFSAとJECFAが取ったアプローチの違いを深める可能性が高い。
-食品サプリメントの新規食品として使用するアスタキサンチンの安全性
Safety of astaxanthin for its use as a novel food in food supplements
EFSA Journal 2020;18(2):5993 5 February 2020
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5993
欧州委員会の要請を受けて、栄養・新規食品及び食品アレルゲンに関するパネル(NDA)は、全ての食品源に由来するアスタキサンチンの全体の累積摂取量を考慮して、最大量8 mg/日で食品サプリメントに新規食品として使用する際のアスタキサンチンの安全性に関する意見を出すよう求められた。2014年にNDAパネルは、EC規則No 258/1997で提出された申請において、微細藻類Haematococcus pluvialisから導出された由来新たなアスタキサンチンを多く含む成分の安全性を評価した。その意見でNDAパネルは、アスタキサンチンの許容一日摂取量(ADI)は2014年にEFSAのFEEDAPパネルが設定した 0.034 mg/kg体重 (bw)とみなした。2019年にFEEDAPパネルは、アスタキサンチンジメチルジコハク酸の認可更新及び甲殻類とサケ科以外の魚へのこの添加物の新たな利用に関する意見を承認した。FEEDAPパネルはその評価で、2014年に設定されたADI 0.034 mg/kg bwに置き換えて新たなADI 0.2 mgアスタキサンチン/kg bwを導出した。食品サプリメント由来の8 mgと合わせてバックグラウンドの食事(魚及び甲殻類)からの更新したアスタキサンチンの暴露評価を考慮することで、NDAパネルは、(i)アスタキサンチンのこのような複合暴露は成人に安全である、(ii)14~18歳の年長の青年はこのADIに達する、(iii)このADIは10~14歳の子供で28%、生後4~6か月の乳児で最大524%超えている、と結論した。
[EFSA]新しい調査が食品摂取データベースを強化
EFSA NEWS
New surveys boost food consumption database
7 February 2020
https://www.efsa.europa.eu/en/news/new-surveys-boost-food-consumption-database
EFSAはEUメニュー計画で収集した新しい一群のデータで食品摂取データベースを拡大している。
この新たな発表には、オーストリア、ベルギー、キプロス、ギリシャ、オランダ、スロベニアの6か国で実施された9つの追加食事調査が含まれている。この調査はEUメニューに含まれるすべての年齢集団―乳児、幼児、子供、青年、成人、高齢者、特別なグループの新しい情報を提供する。この統計は初めて性別で分類されている。
このEUメニュー計画の目的は、生後3か月から74歳までの全ての年齢集団を含み、加盟国から高品質の統一されたデータを集めることである。データ収集方法の統一は情報を比較しやすくし、食事情報を信頼するEFSAが行うリスク評価の品質を改善する。
このEUメニュー計画のマネージャーであるSofia Ioannidou氏は述べた、「この発表はデータベースにおける統一された情報の割合を明らかに高める。この追加は、乳児、幼児、青年、成人、特別なグループを含むこの調査の半分以上がEUメニュー方法論を用いて行われたことを意味している。この計画は加盟国のEFSAのパートナーの関与のおかげで大きな進歩を続けている。」
食品摂取量データベースは、リスク評価工程における重要な第一歩で、食品の潜在的なハザードに関するリスクの評価において重要な役割を果たしている。
2011年からEFSAは、EUのメニューの傘下で21か国に対する資金提供やデータ収集に関するガイダンスを提供している。これまでに11か国で17の調査が完了している。追加の調査が今後数年間EFSAのデータベースに加えられるだろう。
・EFSAの包括的欧州食品摂取データベース
EFSA’s Comprehensive European Food Consumption Database
Last update: 4 February 2020
https://www.efsa.europa.eu/en/food-consumption/comprehensive-database
・EFSA JournalのEUメニューデータ収集に関する特集号
Special issue on EU Menu data collections in the EFSA Journal
First published: 25 March 2019Last updated: 16 December 2019
https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/toc/10.1002/(ISSN)1831-4732.scientificreports
[TGA]新型コロナウィルスの治療や予防を謳った製品に対する警告
Warning about products claiming to treat or prevent the novel coronavirus
7 February 2020
新型コロナウィルスに関連して広告されている製品がたくさんあるが、ウイルスの拡散防止(マスクや消毒剤)あるいはウイルスに対する免疫向上(サプリメント)のような表示は医薬品表示とみなされる。
[HK] 法令違反
タロイモのサンプル中の重金属汚染が基準値を超える
Metallic Contamination exceeds legal limit in Taro sample
Friday February 7, 2020
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20200207_7822.html
食品安全センターが検査したところ、タロイモにおいて、重金属の鉛が最大残留基準値0.1ppmのところ、0.16ppm検出であった。
[NSW] リコール: Austral Herbs Organic Peppermint
Recall: Austral Herbs Organic Peppermint
6 Feb 2020
https://www.foodauthority.nsw.gov.au/news/recalls/austral-herbs-organic-peppermint
Austral Herbs Pty Ltd社は、病気になる可能性のある化学農薬残留のため回収措置。製品写真あり。
(何がどのくらい汚染なのかの記載は無い)
[FSA]ビタミン、ミネラル及びその他の添加物質規則(北アイルランド)2007に関する規則の導入提案
Proposal to introduce regulations relating to The Addition of Vitamins, Minerals and Other Substances Regulations (Northern Ireland) 2007
7 February 2020
ビタミン、ミネラル及びその他の添加物質規則(北アイルランド)2007の修正に関する意見募集
[CFIA]カナダ食品検査庁は個人使用目的でのカナダへの食品持ち込みに関する意見を募集する
Canadian Food Inspection Agency launches consultation on bringing food into Canada for personal use
February 6, 2020
CFIAは個人でカナダに持ち込めるできる食品の量に関する変更を考えている。
[ODS] ファクトシート更新
-ホウ素 専門家向け
Boron
Fact Sheet for Health Professionals
February 5, 2020
https://ods.od.nih.gov/factsheets/Boron-HealthProfessional/
新規追加。
[FDA]リコール
Corinthian Foodsは誤表示のため5 Lb Bags of Uncooked Sweet Potato Crusted Alaska Nuggets 1 Oz.の回収を行う
Corinthian Foods Recall 5 Lb Bags of Uncooked Sweet Potato Crusted Alaska Nuggets 1 Oz. Due to Mislabeling
February 08, 2020
Corinthian FoodsはUncooked Sweet Potato Crusted Alaska Pollack Nuggets(魚ナゲット) 1 oz.が魚でなくチキンナゲットが混入しており、ラベルの誤表示により回収措置。製品写真あり。
[FDA]公示
-RMFLEX は表示されない医薬品成分を含む
Public Notification: RMFLEX contains hidden drug ingredient
2-5-2020
FDAは関節痛用に販売されているRMFLEXの購入、使用をしないよう消費者に助言する。製品にジクロフェナクを含む。製品写真あり。
-OrgaZEN Gold 5800は表示されない医薬品成分を含む
Public Notification: OrgaZEN Gold 5800 contains hidden drug ingredient
2-5-2020
FDAは精力剤として販売されているOrgaZEN Gold 580の購入、使用をしないよう消費者に助言する。製品にシルデナフィルを含む。製品写真あり。
-Alpha-Maleは表示されない医薬品成分を含む
Public Notification: Alpha-Male contains hidden drug ingredients
2-5-2020
FDAは精力剤として販売されているAlpha-Maleの購入、使用をしないよう消費者に助言する。製品にタダラフィル、シルデナフィルを含む。製品写真あり。
-XXX Platinum WOODIE は表示されない医薬品成分を含む
Public Notification: XXX Platinum WOODIE contains hidden drug ingredients
2-5-2020
FDAは精力剤として販売されているXXX Platinum WOODIEの購入、使用をしないよう消費者に助言する。製品にタダラフィル、シルデナフィルを含む。製品写真あり。
[USDA]豆調理プロジェクトに市民科学者が必要
ARS
Citizen Scientists Needed for Beans and Pulses-Cooking Project
ByJan Suszkiw February 6, 2020
調理に時間のかからない乾燥豆の間髪に協力呼びかけ
[Codex]WHO決議案はコーデックス基準が食品安全に大いに貢献できることを示す
WHO / Draft resolution shows Codex standards can make a powerful contribution to food safety
http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1260736/
WHO理事会が食品安全決議案を承認し、2020年5月の世界保健総会で検討される
Strengthening efforts on food safety
http://apps.who.int/gb/ebwha/pdf_files/EB146/B146_CONF9-en.pdf
[FAO]世界豆の日
World Pulses Day
http://www.fao.org/world-pulses-day/en/
2月10日
-FAOは飢餓と闘い全ての人のための健康的な食生活を達成するのに豆の役割を強調
FAO highlights role of pulses in fighting hunger and achieving healthy diets for all
7 February 2020
http://www.fao.org/news/story/en/item/1260464/icode/
[FTC]FTCはアンチエイジング「Cure-All万能」販売業者に根拠のない健康強調表示を止めさせる対応
FTC Takes Action to Stop Anti-Aging “Cure-All” Marketers From Making Baseless Health Claims
February 5, 2020
ReJuvenation(若返り)錠剤の販売業者がFTCと和解、66万ドルを支払う
-消費者向けblog
FTCはアンチエイジング錠剤の販売業者と和解
FTC reaches settlement with anti-aging pill seller
February 5, 2020 by Colleen Tressler
https://www.consumer.ftc.gov/blog/2020/02/ftc-reaches-settlement-anti-aging-pill-seller
Quantum Wellness Botanical Institute社はReJuvenationはヒト成長ホルモンの産生を促進することで加齢を逆転させ、人体のダメージを修復し病気を治すと宣伝していた
論文
-24時間食事思い出しと体液検査によるマルチセンター欧州妥当性評価研究におけるカビ毒暴露評価
Mycotoxin exposure assessments in a multi-center European validation study by 24-hour dietary recall and biological fluid sampling.
De Ruyck K et al.,
Environ Int. 2020 Feb 5;137:105539.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32035364
600人の男女の血清と24時間尿と24時間食事思い出し(HDR)データを集めた欧州食事摂取妥当性評価(EFCOVAL)プロジェクト。血清と尿検体には有意な関連があったがHDRと血清や尿は一部しか関連がない
-新しい通勤の懸念:車の座席の発がん物質
New commuter concern: Cancerous chemical in car seats
7-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/uoc--ncc020620.php
Environment Internationalに発表された、カリフォルニアのProp-65リストに含まれる化合物(難燃剤)が車の座席に含まれるという報告
(自動車の座席に要求される難燃性が家具より高いだけ)
-食べられる大麻製品のTHC濃度を理解している消費者はほとんどいない
Few consumers understand THC levels in cannabis edibles
7-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/uow-fcu020720.php
Journal of Drug and Alcohol Dependenceに発表されたカナダの研究
-cape fear川のシマスズキの高濃度PFASは免疫と肝機能に影響
High levels of PFAS affect immune, liver functions in cape fear river striped bass
7-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/ncsu-hlo020720.php
58の2-7才の野生のバスの血清の23種類のPFASをLC-MSで測定した。地下水で育てられた養殖バスより濃度が高かった。また魚の肝機能や免疫機能のバイオマーカーとPFOS等の濃度の高さに関連があった。Environment International
(高いと主張しつつ濃度が全く書いてない。個々の化合物で0.1-1 ng/mlの桁)
-ゴールデンライスが消費者に届く明確な道筋はない
No clear path for golden rice to reach consumers
7-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/wuis-ncp020720.php
l Technology in Society
-人道の最大のリスク:気候、生物多様性、食品、水危機の連鎖的影響:科学者
Humanity's greatest risk: Cascading impacts of climate, biodiversity, food, water crises: scientists
6-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/tca-hgr020520.php
Future Earth による52カ国の222人の科学者のリスク認識アンケート調査報告書
全文は2月12日以下から
https://futureearth.org/initiatives/other-initiatives/grp/
(気候変動がもっともありそうなリスクとして上がっているのは当然として、大量破壊兵器が「最も可能性が低い」にランクされているあたり時代を感じる。そして現実におこって苦しんでいる人もいるいるデフレが「あまりおこりそうになくて影響もあまり重大ではない」と評価されている。全体的に環境がとても重大で経済は軽いと見られているようだ、金持ちっぽい)
-人が増え野生魚が減ることでオメガ3供給にギャップが生じる
More people and fewer wild fish lead to an omega-3 supply gap
7-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/nuos-mpa020720.php
EPAとDHAの生産と消費を調査し、世界人口の70%が十分量を得られないと結論。Nature Food
(養殖魚の餌を魚では無くEPAやDHAを含むGM植物油にすればいいんじゃないのかな、あなた方(EU)がやらせないようにしているけど)
-オフライン:2019-nCoV—“必死の嘆願”
Offline: 2019-nCoV—“A desperate plea”
Richard Horton
THE LANCET COMMENT| VOLUME 395, ISSUE 10222, P400, FEBRUARY 08, 2020
2019-nCoVアウトブレイクに関して驚くほど見過ごされていることがある。中国で隔離されている人達の生活は?ここに2月2日に受け取った一人からの「中国の一般市民からの必死の嘆願」と題された電子メールの一部を紹介する。私は明確にするため少ししか編集を加えていない。
以下マスク着用義務なのに売り切れている、貧しい人には特に入手できない、人々は日常生活のための物資が不足しウイルスのせいではなく隔離のせいで苦しんでいる、西洋諸国の人々がこのような扱いを受けたら社会的騒動になるだろうが中国の人々の声は抑制されている、といった趣旨
-センザンコウが中国のコロナウイルスを人々に広めたのか?
Natureニュース
Did pangolins spread the China coronavirus to people?
07 FEBRUARY 2020 David Cyranoski
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00364-2
このうろこだらけの動物から単離されたウイルスの遺伝子配列が流行中のものと99%同一-しかしその論文はまだ公式に発表されていない
中国広州の研究者が伝統中国薬に使われている蟻を食べる哺乳類であるセンザンコウが今回のコロナウイルスの動物起源であることを示唆した。科学者はありそうなことではあるとしながらもまだ完全に発表されていないので注意する。先月には北京の科学者が蛇由来だと主張したがこの理論は概ね否定された。今回の論文はまもなく発表されるだろう
-世界的ゲノムプロジェクトがかつて無いスケールでのがんの複雑さを明らかにする
Global genomics project unravels cancer’s complexity at unprecedented scale
05 FEBRUARY 2020 Marcin Cieslik & Arul M. Chinnaiyan
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00213-2
膨大な国際的努力での38組織2600以上の腫瘍の多面的研究により、がんの遺伝子の基礎のについて大量の知見が生み出された
汎がん全ゲノム解析Pan-Cancer Analysis of Whole Genomes (PCAWG) コンソーシアムの成果の6論文がNatureに発表された
(大変興味深い。全体の概要では、がんゲノムは平均すると4-5のドライバー突然変異を含むが5%程度はドライバーらしきものがないのでまだほかに同定されていないものがある可能性がある。腫瘍発生には染色体破砕(クロモスリプシス)がしばしば初期イベントとしておこる。生殖細胞系統変異は体細胞突然変異のパターンに影響する、など)
その他
-米国でデータサイエンスガイド発表
Sense about Science
Data Science Guide to launch in USA
Published 6 February 2020.
https://senseaboutscience.org/activities/data-science-guide-to-launch-in-usa/
Data Science: A guide for society
https://senseaboutscience.org/wp-content/uploads/2019/06/SaS-DataScienceGuide-V8-SinglePages.pdf
尋ねるべき3つの質問
・それはどこから?
・どういう想定をした?
・それは重みに耐えられる?
(ビッグデータやAIが~したという主張にはこの三つを尋ねる)
-ニュースを一目で
News at a glance
Science 07 Feb 2020:Vol. 367, Issue 6478, pp. 606-608
・中国のウイルス対策が遅いと批判される
(初期対応が)
・バッタがアフリカの角を制圧、飢饉の危機
・コロンビアの科学のトップ非難される
・南アフリカ政府の野生生物の交配計画に批判
(遺伝的多様性が失われると)
など
-抗菌剤耐性を調査するのに下水を使う
Using sewage for surveillance of antimicrobial resistance
Frank M. Aarestrup, Mark E. J. Woolhouse
Science 07 Feb 2020:Vol. 367, Issue 6478, pp. 630-632
次世代シークエンシング技術を用いて下水のメタゲノム解析を利用することの可能性と課題
-アフリカ豚熱の迅速な解決法はない
No hasty solutions for African swine fever
Dolores Gavier-Widén et al.,
Science 07 Feb 2020:Vol. 367, Issue 6478, pp. 622-624
野生のイノシシが増えていること、ワクチンがまだできていないことなど
-生態学的回復能力の限界を発見する
Discovering the limits of ecological resilience
Jon Bridle, Alexandra van Rensburg
Science 07 Feb 2020:Vol. 367, Issue 6478, pp. 626-627
今週号のScienceでSoroyeらがマルハナバチの種の広範な減少は平均気温の変化よりも極端な気候の頻度のほうがより良く説明できることを示した
-ラウンドアップ-がん裁判の和解がはっきりしない中、活動家はグリホサートの界面活性剤がヒト健康を脅かすという陰謀論をよみがえらせる
With Roundup-cancer settlement looming, activists revive conspiracy claim that glyphosate surfactants threaten human health
Cameron English | February 6, 2020
世界で最も危険なヒト健康への脅威は何?コロナウイルス?サイバー空間を旅するとグリホサートらしい。Wallace & Graham法律事務所によるとグリホサートは皮膚刺激、吐き気、肝障害、糖尿病、腎臓病、パーキンソン病、呼吸器障害、Lou Gehrig病、男性不妊、そしてがんなどを起こすらしい。
この殺人グリホサートの物語に新しいひねりが加わった。1月30日にEPAがグリホサートに発がん性は無いと再確認したにも関わらず、反農薬活動家が新しい研究を捕まえてラウンドアップの界面活性剤が発がん性だと主張する。界面活性剤は石けん様の作用がある、植物に有効成分を広げるためのもので洗剤や有機農業用の農薬にも使われている
この研究の宣伝をしているのはUS Right to Know のCarey Gillamで、英国の新聞Guardianに1月23日に記事を書いている。
問題の研究はNIEHSの科学者が行った細胞培養実験で、Gillamの言及しているのがどれかはわからないが(彼女はリンクしていないので)、おそらくNTPの一連の予備的実験のことだろう。まだ学術論文として発表されていないので情報は不十分である。
培養細胞での実験は有用なデータを作るが食品に残留するラウンドアップに関してはあまりあてはまらない。細胞と界面活性剤の接触は皮膚や消化管を介した接触とは違うからである。細胞膜は石けんで壊れるので細胞は死ぬ。
(裁判がらみのとても長い記事。これはついていくのがしんどい)
SMC UK
飽和脂肪を下げるように改変された乳製品(特別な餌を与えた乳牛由来)とコレステロール濃度と心臓の健康を調べた研究への専門家の反応
expert reaction to study looking at dairy modified to be lower in saturated fat (from cows fed a special diet), and cholesterol levels and heart health
FEBRUARY 5, 2020
American Journal of Clinical Nutritionに発表された研究が、飽和脂肪が少なくなるように変えた乳製品がコレステロールレベルと心臓の健康に利益があると報告
Aston大学医学部登録栄養士で上級教育フェローDuane Mellor博士
これは興味深い概念実証試験で、餌を変えると乳製品の組成が変わることを示した。そしてそれを人々に食べさせるとある種のマーカーに影響がある。しかしコレステロール濃度に統計学的有意な差があっても臨床的には重要ではないだろう。興味深い研究だが主張の根拠になる十分なデータは無い
Sheffield大学心血管系科学教授Paul Evans教授
この研究者らは牛にひまわり油を与えてミルクの組成を変えることで心血管系疾患リスクを下げる興味深い戦略を提案した。しかし参加者は短期間に平均以上の乳製品を摂取しているので正常な摂取量で長期間の研究が必要である。改変した乳製品は将来役に立つかもしれないが、我々は健康的な食生活で心血管系リスクを下げることができる。
栄養と消化管の健康の独立コンサルタントElizabeth Lund博士
この研究は低脂肪食についてのものではなく、脂肪の組成の変化についてのものであることに注意。25-70才の54人の男女に12週間普通の乳製品か特別な乳製品のどちらかを食べてもらってどちらを食べたかは参加者も研究者も知らない(二重盲験無作為化クロスオーバー)強力なデザインである。その結果LDLコレステロール濃度に有意差があった。食事の総脂肪量はエネルギーの38%で英国人平均の33%より少し高いため、コレステロールが増加したのかもしれない。
Southampton大学栄養生化学教授Graham Burdge教授
この研究は栄養摂取量を変えるのに食品の組成を変えることの実行可能性について示した。残念ながら影響は小さく一般人に意味のある健康状態の変化を与えるとは考えられない。長い研究の最初の一歩ではある
Oxford大学心血管系医学教授Paul Leeson教授
このRESET研究は興味深い小規模研究である。参加者は毎日大量の乳製品を食べる必要があって、その結果みんなは実験終了できなかった。しかし牛の餌が我々の健康に影響するかもしれないことは示唆した。
英国心臓財団上級栄養士Victoria Taylor
この試験は54人だけで、より多くの、多様なヒトでの確認が必要であろう。バター無しでの実験の方が効果が大きかったかもしれない
Bristol大学医学部統計モデルにおける上級研究員Hugo Pedder氏
この研究は小規模の概念実証研究だが期待できる結果を示した。この種の研究の最初のものとしてはよくできている。しかし現実世界に当てはめるには重要な限界がある
Barts Health NHSトラスト心血管系予防臨床指導者で心臓相談医で准教授Riyaz Patel博士
乳製品の心臓の健康への影響は多くの矛盾する研究がある極めて複雑な分野である。この研究は小規模で一般化は簡単ではないがたくさんの普通の脂肪の乳製品を食べることは悪玉コレステロールを上げることを示した。そして新しいタイプだとほんの少し血管の健康には良さそうだ。