2020-02-14

[EU]査察報告

-管理団体―オーガニック生産基準と認証管理団体が適用する管理手段

Control Body 2019-6706―Organic production standards and control measures applied by a recognised Control Body

20/01/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4226

2019年9月3~13日に実施した、中国の管理団体が適用したオーガニック生産基準と管理手段の申請を評価するための査察。中国の査察は管理団体本部での机上調査で補完された。管理団体は概して欧州委員会が認定した生産規則と管理手段を適用している。分析結果でオーガニック生産に認可されていない物質の存在を確認すると、管理団体はその事例を調査しフォローアップしているが、この管理システムにいくつか弱点が確認された。だが、これらの弱点は全体的な効果を明らかに害することはない。

 

-ジョージア―動物由来製品(ABP)及びその派生製品

Georgia 2019-7035―Animal by-products (ABP) and derived products

16/01/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4225

2019年10月29~31にジョージアで実施した、ヒト摂取用ではない動物由来製品及び派生製品、特にEU輸出用ペットフードの公的管理システムを評価するための査察。ジョージアにはペットフード加工品の製造を統治する包括的な法的枠組みや管理システムがある。公的管理はペットフードの製造と販売(国立食品機関)とペットフードの製造の原料輸入(収益サービス)の2つの管轄機関に分かれている。後者の管理は目的にかなっているが、前者の管理は十分強化されていない。

 

[EFSA]意見等

-全ての動物種用リグノスルホン酸塩の安全性

Safety of lignosulphonate for all animal species

12 February 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6000

 

-化学物質モニタリング報告ガイダンス:2020年データ収集

Chemical monitoring reporting guidance: 2020 data collection

11 February 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1796

この文書は2019年と他の年に分析されたサンプルの報告に使用する。農薬と動物用医薬品の残留物、汚染物質、添加物(食品のみ)を監視するために実施される、管理活動中に取った食品及び飼料サンプルの分析結果をEUに提出するための標準サンプル表示(SSD2)データモデルの使い方に関するガイダンスを提供している。この文書は、標準サンプル表示(SSD2)とデータ変換についてのガイダンス(GDE2)に関する一般的なEFSAのガイダンスを差し替えることはないが、いくつかの側面を補完及び更新する。特定の技術的及び立法要件、データ品質検証の明確化、そして国とEUレベルで化学物質モニタリング(ChemMon)データを送信、検証、分析するための適切なシステムのメカニズムとタイミングに関するガイダンスを提供するためのものである。

 

全ての動物種用香料添加物としてのEscherichia coli KCCM 80180株 及び Escherichia coli KCCM 80181株を用いて発酵して生産したL-システイン塩酸塩一水和物の安全性と有効性

-Safety and efficacy of l‐cysteine hydrochloride monohydrate produced by fermentation using Escherichia coli KCCM 80180 and Escherichia coli KCCM 80181 as a flavouring additive for all animal species

10 February 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6003

 

[EFSA]新しい調査が未加入国の食品安全性の認識を明らかにする

New survey sheds light on food safety perceptions in pre-accession countries

13 February 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/news/new-survey-sheds-light-food-safety-perceptions-pre-accession-countries

EFSAの食品安全性についてのユーロバロメーターは、去年EU加盟国から集められたものに加えて、EU未加入国7か国のうち5か国―アルバニア、モンテネグロ、北マチェドニア、セルビア、トルコから新たに入手できた結果を合わせて、消費者動向に関する貴重な洞察を生み出し続けている。

「初めて、この追加した証拠を作成できたことを大変うれしく思う。」とEFSAのコミュニケーション・契約及び協力部門の代表者であるBarbara Gallani氏は述べた。

「未加入国との協力を長年はぐくんでおり、この調査の完了はもう一つの画期的な出来事である。追加5か国からの食品安全性の認識についての洞察を得ることは大きな価値がある。」

未加入国の国家機関のコミュニケーション専門家がEFSAのコミュニケーション専門家ネットワークにオブザーバーとして参加する。ネットワークのメンバーは、他の活動の中でもリスクコミュニケーション戦略の情報を提供するために食品及び飼料の安全性について国民の認識に関する情報と知見を共有する。

2019年7月にEFSAは、食品安全性の興味、認識度、リスク認識、様々な情報源の信頼などの問題を調べる、全てのEU加盟国(英国を含む)のユーロバロメーター研究を依頼した。

この同じ研究が、欧州委員会のコミュニケーション総局と協力して未加入国7か国のうちの5か国で再現された。

・国ごとのファクトシート(英語及び地域言語)

7 June 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/corporate/pub/eurobarometer19

 

[MPI]農業で使用される阻害物質に対する意見募集

Public consultation opens for regulation of inhibitors used in agriculture

13 Feb 2020

https://www.mpi.govt.nz/news-and-resources/media-releases/public-consultation-opens-for-regulation-of-inhibitors-used-in-agriculture/

一次産業省(MPI)は阻害物質(インヒビター)と言われる化合物質の管理方法を変更するための選択肢に関して意見を募集している。

阻害物質は、温室効果ガスの生産を抑制したり、何らかの方法で栄養素の浸出を減らすための、直接または間接的に動物や場所に利用される化合物である。MPIの食品・技能および科学の責任者のFiona Duncan氏は、一般的に、飼料添加物、肥料のコーティング、ワクチンとして利用されると述べている。

「硝酸塩浸出や気候変動への影響を減らすこれらのツールの利用に、業界内でますます関心が高まっている。私達はこの技術にはわくわくするような可能性があると考えている。だが、食品の安全性、植物と動物の健康、貿易に関する潜在的なリスクを最小化できるように、阻害物質の利用がよく管理されていることを確実にする必要がある。私達には高水準の食品安全の定評があり、これらの提案はその状態を保つようデザインされている」とDuncan氏は述べている。

MPIは農業に利用される阻害物質を管理するために、3つの選択肢について国民の意見を募集している。

意見1:現状維持―阻害物質の規制方法に変更なし

意見2:阻害物質の業界管理を強化

意見3:阻害物質の規制を1997年の農薬及び動物用医薬品法に含むよう変更

MPIは、阻害物質を適切に管理する他の検討すべき選択肢があるかどうか、変更が業界に与える影響、阻害物質の定義方法についても聞きたい。正しい製品であることを確認するための規制監視を強化するなら、定義が重要である。

意見募集は本日(2月13日)から2020年3月27日まで。

阻害物質に興味のある方に意見提出を勧めます。

詳細を確認して意見を出してください

https://www.mpi.govt.nz/news-and-resources/consultations/the-regulation-of-inhibitors-used-in-agriculture/

(国際貿易での問題とはDicyandiamide (DCD)の件)

 

[FDA]FDAは意図的異物混入規則のガイダンス案第三弾を発表

FDA Releases Third Installment of the Draft Guidance for the Intentional Adulteration Rule

February 13, 2020

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-releases-third-installment-draft-guidance-intentional-adulteration-rule

 

[NTP]ニュースレター

UPDATE Newsletter February 2020

https://ntp.niehs.nih.gov/update/index.html

 

[BfR]動物福祉条項とGLP:ドイツ連邦("Länder")が動物実験ラボの違反の可能性を調査

Animal welfare provisions and good laboratory practice: German federal states

("Länder") investigate possible breaches by an animal experiment laboratory

https://www.bfr.bund.de/cm/349/animal-welfare-provisions-and-good-laboratory-practice-german-federal-states-investigate-possible-breaches-by-an-animal-experiment-laboratory.pdf

Harburg地区行政当局によると “LPT Laboratory of Pharmacology and Toxicology GmbH & Co. KG” の実験施設運営許可が取り消された。動物福祉条項違反の疑いがあり、調査されている。さらにメディアによると試験結果を操作したGLP違反の疑いがある

疑いは当局が調査中である

LPTの行った試験のうちのいくつかはグリホサートの再承認申請に使われている

BfRは現時点ではLPTの試験を理由にグリホサートの評価全体に疑問を持つ理由はないと考えている。しかしながらBfRは事態を監視し続ける。

 

(アニマルライツ活動家の潜伏撮影による告発から、らしい

Unlawful dog and monkey suffering uncovered at European laboratory

https://www.crueltyfreeinternational.org/unlawful-dog-and-monkey-suffering-uncovered-european-laboratory

'Barbaric' tests on monkeys lead to calls for closure of German lab

https://www.theguardian.com/environment/2019/oct/15/barbaric-tests-on-monkeys-lead-to-calls-for-closure-of-german-lab

活動家を従業員として採用させて隠しカメラで数ヶ月にわたって撮影)

 

論文

-アメリカ人の70%は食品の環境影響についてめったに話し合わない

70% of Americans rarely discuss the environmental impact of their food

13-FEB-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/ysof-7po021220.php

しかし植物ベースの食品を食べる消費者は増えている

Yale気候変動コミュニケーションプログラムとアースデーネットワークの調査。

自称ビーガンあるいはベジタリアンなのは4%だが、20%は週に2-5回植物ベースの乳代用品や選んでいる。情報があれば植物由来食品をもっと食べたい人が多い

 

-水俣水銀中毒の新しい原因かもしれない化合物同定

New potential cause of Minamata mercury poisoning identified

13-FEB-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/uos-npc021320.php

サスカチュワン大学の研究者らがEnvironmental Science & Technologyに発表した60年前の水俣の猫の組織を調べた研究。アルファ水銀アセトアルデヒド(alpha-mercuri-acetaldehyde)が原因ではないかと主張

 

-Science

ニュースを一目で

News at a glance

Science  14 Feb 2020: Vol. 367, Issue 6479, pp. 720-721

・新型コロナウイルスの死亡がSARSを超える

・科学者ががん研究所(Ludwig Institute for Cancer Research (LICR))を訴える

NPOである研究所の閉鎖計画に対して現在のレベルの支援が続けられる権利があると6人の研究者が訴える

・バッタの生物コントロールを求めて

・企業が殺虫剤を止める

Corteva Agriscienceがクロルピリホスの製造中止を発表。需要減が見込まれるため。この決定で他の殺虫剤への耐性を獲得しているダイズのアブラムシやアルファルファのゾウムシなどのような害虫がいるところでの農業は困難になるだろう

・雑誌が「高圧的」編集者を辞めさせる

Gordonライフサイエンス研究所のKuo-Chen Chouが査読の時に自分の論文を引用するように、時には著者として名前を入れるように要求していた

 

実験室は新しいコロナウイルス診断キットを作るのに奮起

Labs scramble to produce new coronavirus diagnostics

Jon Cohen, Kai Kupferschmidt

Science  14 Feb 2020:Vol. 367, Issue 6479, pp. 727

 

健康を保護する人

The health carer

Kai Kupferschmidt

Science  14 Feb 2020:Vol. 367, Issue 6479, pp. 730-733

WHO事務局長Tedros Adhanom Ghebreyesusは新しいウイルスの脅威とそれによる扱いにくい外交問題に直面

(リソースは乏しいのに全方面から批判されると。)

 

書評

人々を誤解させる技術

The art of misleading the public

Sheril Kirshenbaum

Science  14 Feb 2020:Vol. 367, Issue 6479, pp. 747

David Michaels著「疑いの勝利:ダークマネーとだましの科学The Triumph of Doubt: Dark Money and the Science of Deception」の書評

この本は肥満、脳しんとう、オピオイド、気候変動のような問題について如何に簡単に科学が操作されてきたかを探る。David MichaelsはGeorge Washington大学の環境職業健康教授で疫学者でオバマ大統領の時代にOSHAの長として7年を過ごした。写真はNFLの選手で紹介されているのは選手の脳障害をリーグが否定しようとした事例。

 

その他

-健康のコツ サプリメントを摂る?このリスクを避けよう

WELLNESS TIP Take Supplements? Avoid This Risk

by HEALTH AFTER 50  Published February 14, 2020

https://www.berkeleywellness.com/supplements/other-supplements/article/take-supplements-avoid-risk

FDAの最近の有害事象報告解析によると、大きなサイズのサプリメントは高齢者の窒息リスクになる。

FDAの研究者らが2006年から2015年の間のダイエタリーサプリメントに関連する約20800の報告されている有害事象データを検討した。19%は飲み込むことが困難である事象で多くが65才以上だった。サプリメントを飲み込むことの問題のうち86%は窒息で、そのうち14%は気道閉塞などの重症であった。これはAnnals of Internal Medicineの2019年11月号に発表されている。

大きい傾向のあるマルチビタミンやカルシウムサプリメントが原因となる可能性が高い。FDAは医薬品の最大径を22mmに規定しているがサプリメントにはサイズの規定はない。

窒息リスクを避けるために予防対策がとれる

・錠剤を飲む前に深呼吸

・錠剤を飲む前に水を少し飲んで口の中を潤す

・水でカプセルを飲む場合、飲み込む前に顎を少し胸のほうに傾ける。頭を前に傾けたまま飲み込む。粘度のある液体も役に立つかもしれない

・炭酸飲料で飲まない

・アップルソースやプリンと一緒に飲む

(アメリカ薬でも大きすぎると思うんだけど)

 

-何故消費者の信頼は最早十分ではないのか

Charlebois: Why consumer trust is no longer enough

February 6, 2020  By Dr. Sylvain Charlebois

https://www.canadiancattlemen.ca/commentcolumns/charlebois-why-consumer-trust-is-no-longer-enough/

ソーシャルメディアの増加に伴い、一般人が農業に懸念を表明することが増えた。毎日のように農家はいろいろな理由で批判されている。そしてそれは悪化するばかりだ。世論調査ではカナダ人は農家を信頼している。しかし最早農家にとって信頼性では十分ではない。人々はそれ以上を求めている。

組織化された資金豊富な団体がソーシャルメディアで農業を非難し勝利している。環境保護主義者や動物活動家が多くのカナダ人の心をつかんでいる。一部の人達は農地に不法侵入して肉は殺人だと主張する。過去12ヶ月で20件の不法侵入があった。このような行為は動物にリスクとなる。

我々の田舎と都市の分断が信頼の問題を大きくした。消費者と農業が離れてしまって農業を理解している消費者は少ない

信頼は両方向で、カナダの消費者はカナダの農家の声を聞き、農家も消費者の声を聞く必要がある。結局のところ我々のフードチェーン全体の新しいCEOは消費者なのだから。

(消費者代表と農家代表を自称するあるいはメディアが選ぶ人達がどっちも偏っていて全体を反映していないためにみんなが不幸になっているのでは)