[IARC]IARCモノグラフ第123巻:一部のニトロベンゼンと他の工業用化合物
IARC Monographs Volume 123: Some Nitrobenzenes and Other Industrial Chemicals
24 February 2020
オンライン公表のお知らせ
[COT]COT会合:3月10-11日の議題
COT Meeting: Tuesday 10th - 11th March
Last updated: 6 February 2020
・1月28日の会合の議事録
・ターメリックとクルクミンの安全性
・マイクロプラスチック暴露によるリスクの可能性
・6ヶ月から5才の子どものアーモンドドリンク摂取のリスクの可能性
・電子ニコチン(および非ニコチン)配送システムの毒性学的リスク
・EFSAのPFASについての意見案
・EFSAのグリコアルカロイドについての意見案
・生涯より短い期間の暴露についてのCOCガイダンス声明
等
議事録のみペーパーが掲載されている
(子ども向けのオート麦飲料のカビ毒汚染についての議論のところで、牛乳代用としての栄養の問題のほかに、オーガニックと非オーガニックオート麦でのカビ毒の汚染レベルの違いも疑問だとされ、スコットランド政府が分析している、という記述がある。organic and inorganic oatsと書いてある。Inorganicって普通は使わないと思うのだが(conventional))
[FDA]コロナウイルス更新:FDAは外国製品の品質確保のために対応
Coronavirus Update: FDA steps to ensure quality of foreign products
February 24, 2020
医薬品のサプライチェーンへの影響とその緩和策および詐欺的治療効果を宣伝している製品への対策等
輸入製品に関連してCOVID-19が伝染するという根拠はない
[FSSAI]メディアコーナー
コロナウイルスアウトブレイク:非菜食主義者は注目!FSSAIは肉と魚の店の衛生格付けを始める
Coronavirus outbreak: Non vegetarians take note! FSSAI to start hygiene ratings of meat and fish shops
February 18, 2020
https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Meat_Financial_19_02_2020.pdf
過去6ヶ月、FSSAIは魚と肉市場の衛生を確保する努力をしてきた。コロナウイルスのアウトブレイクは肉市場の衛生基準についての世界的懸念を惹起した
FSSAIのCEOはインドの肉や魚の市場の衛生は「良くない」ことを懸念しているが、今後数年で状況を改善できるという。
[Codex]残留農薬/チリでのトレーニングはこの地域の専門性を強化する
Pesticide residues / Training in Chile strengthening expertise in the region
21/02/2020
http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1263161/
論文
-伝統的なバイオマスストーブは肺の炎症を引き起こす
Traditional biomass stoves shown to cause lung inflammation
21-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/ats-tbs021820.php
ネパールで屋内で調理に使われているバイオマスを燃やすストーブの肺への影響を調べた。
Annals of the American Thoracic Society.
-米国のアルコール誘発性死亡
Alcohol-induced deaths in US
21-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/jn-adi021920.php
JAMA Network Open
-418,000人の欧州人の研究が異なる食品が異なるタイプの脳卒中と関連することを発見
Study of 418,000 Europeans finds different foods linked to different types of stroke
23-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/esoc-so4022020.php
European Heart Journal。EPIC研究のデータを使って虚血性脳卒中と出血性脳卒中に関連する食品を報告。野菜果物食物繊維は虚血性脳卒中リスク低下と関連、卵は出血性脳卒中リスク増加と関連。卵については毎日20追加で食べることと出血性脳卒中リスクが25%高いことと関連(10年間で3000人あたり約2人余分になることに相当)。EPIC全体で卵の摂取量は少なく平均で1日20g以下(週に2個くらい?)
-研究者が肥満の新しい疾患分類システムを提案
Researchers propose new disease classification system for obesity
24-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/tos-rpn022120.php
肥満学会の主要誌Obesityにオンライン発表
肥満をベースにした慢性疾患Adiposity-Based Chronic Disease (ABCD)という概念に基づく分類。病態生理学、BMI、合併症、合併症の重さの4つのドメインからなり、疾患のステージ分類を取り入れている。
-いいものを取り過ぎると肝臓にも負担が大きい
Too much of a good thing may lead to too much of a liver as well
24-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/uoc--tmo022420.php
コントロールされていないあるいは過剰だと、有害酸化物から守るタンパク質は肝臓の肥大を悪化させるようでたくさんの代謝疾患に関連するかもしれない
Journal of Hepatologyに発表された抗酸化防御タンパク質NRF2 を継続して発現するマウスモデルでの研究。
-「グランドチャレンジ」レビューがマイクロプラスチックの世界への影響を強調
'Grand Challenge' review stresses global impact of microplastics
24-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/viom-cr022420.php
米国地球物理学連合(AGU)の100周年に委託された「マイクロプラスチックについての世界的展望」論文がJournal of Geophysical Research: Oceansに発表された
(全然マイクロではない、プラスチック一般の話が書いてある。アラスカの沿岸に打ち上げられたブイ?などが含まれる写真のキャプションに「一部は2011年の日本の津波由来」と書いてある。それってどうしようもないしごく一部なのでは)
-Lancet
COVID-19:情報によるパニックと戦う
COVID-19: fighting panic with information
The Lancet EDITORIAL| VOLUME 395, ISSUE 10224, P537, FEBRUARY 22, 2020
旅行禁止が感染症の拡大を効果的に止めるという根拠はほとんど無いがそれによりサプライチェーンを妨害し烙印と不信につながりIHRの基本原則に違反する可能性がある。これまでの国際対応はパンデミックを避けることに集中してきた。WHO事務局長は「我々はエピデミックと戦っているだけではない、我々はインフォデミックとも戦っている」と述べた。ソーシャルメディアと従来メディアで不正確な情報や陰謀論が繰り返されいつまでも残ることで公衆衛生は常に損害を受ける
オフライン:事実は十分ではない
Offline: Facts are not enough
Richard Horton
The Lancet COMMENT| VOLUME 395, ISSUE 10224, P546, FEBRUARY 22, 2020
我々はグローバルヘルスのために悪戦苦闘している。一方に知性的理想主義者がいて世界疾病負担を聖なる経典とし全ての人が医療を受けられるエデンの園を求めている。一方にはイノセントな皮肉屋(innocent cynics)がいて最悪の場合を予測し理想主義者を軽蔑しグローバルヘルスの大部分の現状への満足をさげすむ。innocent cynicsは人々が完全に生活を変えなければならないと信じている。彼らは道徳の宣教師でより世界の自然に調和した生活を望む。活動家としては理知的理想主義者は病気や障害を管理し打ち負かすべきものとみなし、一方innocent cynicsは健康の意味を変えることが任務だとみている。innocent cynicsは病院から健康という考え方を排除し自然の中に、社会の中に再配置したい。この苦闘の勝者がどちらなのかはわからない。しかし間違いなく、この苦闘が人類の生存の進路を定義するだろう
以下現在のCOVID-19と気候変動対応を例に健康とその意味について
ヘンドラから武漢まで:新興人獣共通伝染病ウイルスへの対応で何を学んだか
From Hendra to Wuhan: what has been learned in responding to emerging zoonotic viruses
Lin-Fa Wang et al.,
The Lancet COMMENT| VOLUME 395, ISSUE 10224, PE33-E34, FEBRUARY 22, 2020
東アフリカのバッタの群れは「壊滅的」になり得る
Locust swarms in east Africa could be “a catastrophe”
Sharmila Devi
The Lancet WORLD REPORT| VOLUME 395, ISSUE 10224, P547, FEBRUARY 22, 2020
-インドの数百の鳥の種が減少している
Natureニュース
Hundreds of bird species in India are declining
24 FEBRUARY 2020 Shreya Dasgupta
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00498-3
画期的報告書が水鳥と猛禽類が最もリスクが高いものの中にあることを発見
2月17日発表されたインドの鳥の状況State of India’s Birds 報告書。住処の破壊、狩り、ペット貿易などによる
その他
SMC UK
食品と脳卒中リスクを調べた研究への専門家の反応
expert reaction to study looking at foods and stroke risk
FEBRUARY 24, 2020
https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-foods-and-stroke-risk/
いろいろな食品の摂取とタイプの異なる脳卒中の関連を調べた新しい研究が発表された
Barts Health NHSトラストCVD予防サービス臨床指導者で心臓相談医、准教授Riyaz Patel博士
この大規模研究は40万人以上の詳細な食事情報を集め約13年フォローしたもので、結果は概ね既存の食事助言やガイドラインに従う。新しいのはどの食品でどのタイプの脳卒中がより影響されやすいかである。いつものように、関連は因果関係ではない。
また対象集団は英国人を代表するものでは無く、主に白人欧州女性からなる。この分野の研究は多くの矛盾する研究があり、一つの研究を単独でとりあげて食品の選択の指標にするべきでは無い。
Sheffield大学心血管系科学教授Paul Evans教授
この研究の強みは欧州9カ国からの大規模コホートであることであるが、関連があっても食事が原因では無い可能性もある。従ってさらなる研究が必要である。
脳卒中協会研究部長Richard Francis博士
多くの人を長期間調べることでこの研究は我々が食事と脳卒中について知っていることに知見を加える。健康でバランスのとれた食事が脳卒中リスクを下げることは既にわかっている。
この研究では人々に過去に食べたものを思い出してもらったもので実際に食べたものを調べたのでは無い。脳卒中のリスクはいろいろなことに影響を受けるので卵などを食事から排除しても脳卒中になることを止められないだろう。卵のような特定の食品がリスクと関連すると考えるのは、摂取測定がたった一度だけであることを考慮すると過剰解釈(オーバースペキュレーション)であろう。