[HK]2019年の食品インシデントのレビュー
Food Incidents
Last revision date: 19 Feb 2020
https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_163_01.html
香港食物安全センター(CFS)は、香港以外で発生する食品インシデントを監視しレビューするために食品インシデント監視システム(FISS)を設定した。FISSを通して、CFSは国の食品当局のウェブサイトをスクリーニングして食品インシデントを積極的に確認する。CFSはインテリジェンスネットワークをさらに広げるために、国際連合食糧農業機関と世界保健機関が共同管理する国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)や、EUの「食品及び飼料に関する緊急警報システム(RASFF)」などの国際的な食品安全性情報ネットワークにも参加している。FISSは、CFSが我が国住民の食品安全性に影響する可能性のあるイベントに素早く対応できるよう設定されたプラットフォームである。
2019年の食品インシデント
2019年に、CFSはFISSによりアレルゲン非表示に関する約400件の食品インシデントを含む約2,040件の食品インシデントを確認した。CFSは確認された全ての食品インシデントを評価し、フォローアップ行動をとった。
国内に影響する可能性のある食品インシデントに応えて、CFSは、関連機関や業者への連絡、一般人や業者に情報提供するための国内警告の発表、必要に応じ、分析用の関連食品サンプルの収集など、様々な適切な行動をとった。影響を受けた製品が国内で入手出来たら、CFSは販売を停止し、製品のリコールを開始するよう業者に指示する場合がある。製品をリコールし、適切な食品安全助言を提供するために公示される可能性がある。
CFSは2019年に、133件の食品インシデントメッセージ、24件の取引警告、29件のプレスリリースを発表した。国内警告の発表事例として確認されたハザードには、微生物(リステリア菌、サルモネラ菌、大腸菌(E. coli)など)、化学物質(未承認の/過度の防腐剤の使用、アレルゲン非表示など)、物理(異物)、その他(標準以下の品質)が含まれる。国内警告が発表された微生物や化学物質のハザードに関連する食品インシデントは、それぞれ37%、36%を占めた。
(以下カリフォルニア産ロメインレタスへの対応事例で、これによる国内食中毒の報告はなかったことを報告)
結論
全体として、制定されている効果的な食品インシデントの監視および対応システムにより、CFSは食品安全性保護のためにタイムリーな方法で食品インシデントを検出・管理できるようになった。
[HK] 法令違反サンプル結果。チョコレートサンプルが栄養表示規則に違反
Chocolate not in compliance with nutrition label rules
Friday, Feb 21, 2020
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20200221_7841.html
日本産チョコレートからナトリウムが4mg/100g含有という申告のところ、8mg/100g検出された。
(森永カレ・ド・ショコラ カカオ70。災難。香港リスク)
[EU]RASFF Week08-2020
警報通知(Alert Notifications)
スペイン産オレンジのイマザリル(5.5 mg/kg)、香港産マフィン缶の3-モノクロール-1,2-プロパンジオール (3-MCPD) (48.9; 70 µg/l) 及び 1,3-ジクロロプロパノール (1,3-DCP) (2.1; 2 µg/l)、ハンガリー産オウム用飼料のブタクサの種子高含有(4025 mg/kg)、オランダ産野菜チップスのアクリルアミド高含有(1845.7 µg/kg)、スペイン産オランダ経由冷凍ヨシキリザメの水銀(1.17 mg/kg)、
注意喚起情報(information for attention)
英国産食品サプリメントの未承認新規食品(Xanthoparmelia scabros)・禁止成分ヨヒンベ樹皮抽出物及び未承認新規食品成分イカリソウ・フーディア・ジャショウシ・デンドロビウム ノビル・アグマチン硫酸・アカシア、チリ産「チリイガイ」の果肉(調理済、冷凍)のカドミウム(1.575 mg/kg)、インド産フジマメのジメトエート(0.06 mg/kg)及び未承認物質オメトエート(0.02 mg/kg)、中国産プラスチックボウルからのメラミンの溶出(3.82 mg/kg)、オランダ産チルドメカジキの重金属(3.2 mg/kg)、ブラジル産米の未承認物質トリシクラゾール(0.04 mg/kg)、インド産圧力鍋からのアルミニウムの溶出(68.2 mg/kg)、
フォローアップ用情報(information for follow-up)
フィリピン産英国経由醬油の3-モノクロール-1,2-プロパンジオール (3-MCPD) (193 µg/kg)、エジプト産オランダ経由緑豆のジメトエート(0.091 mg/kg)及び未承認物質オメトエート(0.034 mg/kg)、
通関拒否通知(Border Rejections)
タイ産ペッパーのプロピコナゾール(0.022 mg/kg)及び未承認物質アミトラズ(0.081 mg/kg)、イラン産ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 24; Tot. = >24 µg/kg)、トルコ産ザクロのクロルピリホス(0.096 mg/kg)、トルコ産ペッパーのホルメタネート(0.165 mg/kg)、モロッコ産グリーンオリーブパプリカ詰めの亜硫酸塩未承認及び非表示(167 mg/kg)、
[BfR] 食品サプリメントのビオチンは検査結果に影響する
Biotin in food supplements can influence laboratory test results
Communication No. 044/2019 from the BfR of 14 November 2019
https://www.bfr.bund.de/cm/349/biotin-in-food-supplements-can-influence-laboratory-test-results.pdf
ビオチンはビタミンB7やビタミンHとしても知られる水溶性のビタミンである。多くの食品に自然に含まれる。体内において、ビオチンはタンパク質、脂肪及び炭水化物代謝に関与する。ビオチン欠乏の予防や治療用の様々な医薬品に使われる他、ビオチンは数多くの食品サプリメントにも見られる。特に、そのビタミンは、皮膚、髪及び爪の維持や、ヒトの正常な代謝機能の維持や神経系に貢献すると理解されている。
免疫測定法と言われる特殊な臨床試験では、特定分子の量を検出するためにタンパク質のストレプトアビジンとビオチンの相互作用を使用する。例えば、人が心発作に襲われた場合、血中に多量にみられる心筋特異的タンパク質であるトロポニンの測定である。
特定のビオチン標識試薬、例えば、トロポニンに対する抗体にビオチンを結合させたものがトロポニンを検出するのに役立つ。ストレプトアビジンが特定の位置に固定された試験系で、ビオチン標識試薬は、ストレプトアビジンとビオチン部分の結合によって、「探し出す」ことができる。
ヒトがビオチン含有の医薬品や食品サプリメントを使用する場合、遊離の(結合していない)大量のビオチンが、試験されるサンプルにある可能性がある。この結合していないビオチンが、ストレプトアビジンのビオチン結合部位でビオチン標識試薬のビオチンと競争する。これは試験結果を歪曲することがある。特定の試験の状況では、テスト終了時、検出される物質が実際のものより少なくなり偽陰性の結果になる可能性がある。ほかの試験では、‐例えば、サンプル中に特定の物質が多くあると想定される場合、結合のない遊離ビオチンは偽陽性につながるかもしれない。これも誤った診断につながる。
臨床試験の誤った結果は、例えば心筋特異的トロポニンに関しては、心臓発作が起こったのか起こってないのかについて不正確な診断がされたりあるいは心臓発作の発見が遅れることを意味するだろう。
ビオチン標識試薬を使用するこのような臨床試験は、他の様々な分子を測定するために使用される。(例:心臓、がんあるいは炎症マーカー、ホルモン、HIVなど)影響の程度は数多くの様々な要因の相互作用に影響を受けるので、どの程度のビオチン量が上記に述べた歪曲効果になるかわからない。しかし、ビオチンが機能的な役割を果たさない臨床試験では影響がない。
この問題に基づいて、欧州医薬品庁(EMA)がリスク評価プロセスを開始した。EMAのファーマコビジランス・リスク評価委員会(PRAC)は、欧州内のビオチン含有医薬品に認可権をもつすべての担当者に対し、製品情報に注釈を加えるべきだと推奨した。これは義務事項になった。加えて、ドイツでのそのリスクを伝えるため、「Dear Doctor Letter」に2019年5月に記載された。この文書はドイツにおける医薬品の認可に責任のあるドイツ連邦研究所(ドイツ連邦医薬品医療機器研究所(BfArM))といくつかの製造会社によって作成された。研究所の職員だけでなく医師や薬剤師といった治療にあたる職業の職員向けに、状況が通知された。食品サプリメントも文書で述べられたが、 医薬品に焦点がおかれている。
ドイツでは食品サプリメント販売前に医薬品認可は必要ない。医薬品としての性質がないと想定されていることに基づき、使用目的に従い、食品サプリメントは医薬品法ではなく食品規則の対象である。しかし、初めて市場で販売される前にドイツ連邦消費者保護・食品安全庁(BVL)に登録しなければならない。しかし、これはビオチンを含む食品サプリメントの製造業者がDear Doctor Letterあるいは相当する情報文書を送付したり、あるいは製品情報を変更したりすることが求められるわけではない。
そのため、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は医療従事者だけでなく、ビオチンを含む食品サプリメントを使用する消費者は、どのような量でもビオチンを含む食品サプリメントは上記に述べた臨床試験に関する同様の有害作用がある可能性があることを考慮すべきであると助言する。
欧州食品安全機関(EFSA)は年齢によるビオチンの1日の適正摂取量を推奨している。EFSAは成人1日あたり40μgの摂取量を推奨している。ドイツ栄養協会(DGE)のビオチンの推奨適正摂取量は、15歳以上の青年及び成人は1日あたり30-60μgである。
ヒトの研究において、ビオチンはこれまで、推奨摂取参照量を超えて摂取しても健康への悪影響は示されていない。そのため、ドイツリスク評価研究所(BfR)は、現在の科学知識をもとに、健康への悪影響のリスクは低いと想定する。そのため、BfRはこれまで食品サプリメント製品中のビオチンの推奨最大値を助言していない。
BfRウェブサイトの食品サプリメントに関する詳細情報
食品サプリメントA-Z インデックス:
https://www.bfr.bund.de/en/a-z_index/food_supplements-129789.html
1 参照
(略)
[TGA]警告
Bling Bling Sister BBS Superman Capsules
26 February 2020
https://www.tga.gov.au/alert/bling-bling-sister-bbs-superman-capsules
製品は表示されない成分シブトラミン、オルリスタットを含む。製品写真あり。
[CFIA]オンラインで買い物?支払う前にCFIAで確認を。
Shopping online? Check with CFIA before checking out
2020-02-24
特定の食品、植物、植物製品、動物あるいは動物製品をカナダに持ち込むことはカナダ市民や経済にとって深刻なリスクを引き起こす可能性がある。
[ヘルスカナダ] リコール: Ecotrend U.T.Vibrance Product Recall (2020-02-11)
Ecotrend U.T.Vibrance Product Recall (2020-02-11)
February 11, 2020
https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2020/72391r-eng.php
製造施設がGMP要件を満たさないため、回収措置。
[SFA]飲料水条項の通知
PROVISION OF DRINKING WATER
24 February 2020
2018年2月、EPHAによる飲料水品質の修正が発表され、2019年4月から執行となっている。
[ODS] ファクトシート更新
https://ods.od.nih.gov/factsheets/list-all/
ビオチン、ビタミンB12、ビタミンB6、コリン、ビタミンK、マンガン
[FSAI] Kelly’s of Newport Hazlett は使用期限の誤りのため回収措置
Recall of a Batch of Kelly’s of Newport Hazlett Due to Incorrect Use By Date
Thursday, 20 February 2020
https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/kellys_hazlett_recall.html
Kelly’s of Newport Ltd.は、使用期限が内包装の23/03/2020が正しく、23/04/2020の外包装のラベル表示が誤っているとし、回収措置。製品写真あり。
[FDA]警告文書
- Market America Inc
February 12, 2020
CGMP規則違反、ダイエタリーサプリメントの不正表示、不良品、副作用報告の問題。
- Hindy Import Inc.
January 9, 2020
FSVP違反の問題。
- Banjaras Inc
September 25, 2019
FSVP違反の問題。
- Sassy Cow Creamery, LLC
December 04, 2019
食品CGMP規則違反、製造、包装または保管に関する衛生管理、不良品の問題。
[FDA] FDAは動物用食品及び医薬品に関連する時代遅れのコンプライアンス方針ガイドを撤回する
FDA Withdraws Outdated Compliance Policy Guides Related to Animal Food and Drugs
February 20, 2020
FDAの動物用医薬品センターは、本日、動物用食品及び医薬品関連の27項目のコンプライアンス政策ガイド(CPGs)を撤回した。政策が時代遅れあるいは新たなものに代わった。
[FDA] Hubbard FeedsはEasy Feed Products 及びOrganic Ground Flaxseed ORGを自主回収する
Hubbard Feeds Voluntarily Recalls Easy Feed Products and Organic Ground Flaxseed ORG
February 25, 2020
Hubbard Feedsは成分供給業者の未認可の除草剤(ハロキシホップ)の残留による回収のため自主回収。
[FDA] Med Manは表示されないシルデナフィルのためUp2 及び Bow & Arrowの全国的自主回収を拡大する
Med Man Expands Voluntary Nationwide Recall of Up2 and Bow & Arrow Due to Presence of Undeclared Sildenafil
February 24, 2020
Med Manは精力剤として販売されているUp2 及び Bow & Arrow を自主回収措置。製品にシルデナフィルを含む。製品写真あり。
[FDA]業界向けガイダンス:FDAの任意適格輸入業者プログラム
Guidance for Industry: FDA's Voluntary Qualified Importer Program
02/21/2020
ガイダンス資料は、ヒト用あるいは動物用食品の輸入業者のFDAの任意適格輸入業者プログラム(VQIP)の参加に関するFDAの政策を記す。
[FAO]FAOはBill & Melinda Gates財団からの東アフリカでのサバクトビバッタ急増対策として1000万ドルの寄付を歓迎
FAO welcomes $10 million donation from Bill & Melinda Gates Foundation to fight Desert Locust upsurge in East Africa
24 February
http://www.fao.org/news/story/en/item/1263404/icode/
写真はケニアの様子
[ProMED]COVID-19更新(第17報):中国、動物保有宿主、野生生物の取引と摂取禁止
COVID-19 update (17): China, animal reservoir, wildlife trade & consumption ban
2020-02-25
https://promedmail.org/promed-post/?id=7024245
[1]Date: Tue 25 Feb 2020 Source: The Jakarta Post, Reuters report [edited]
中国の規制当局が野生動物の取引と摂取を直ちに禁止するだろうと述べた
[2]Date: Mon 24 Feb 2020 Source: The Daily Mail, Agence France-Presse (AFP) report [abridged, edited]
中国はSRASの時も同様に暫定禁止としたが野生生物取引はまもなく元に戻った
(これは本当に実行してほしい。日本も含め、文化が変わる必要がある)
[FSANZ]食品基準通知
Notification Circular 115-20
https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notificationcircular115-20.aspx
改訂No.191
加工助剤としてのGM Aspergillus oryzae 由来エンドイヌリナーゼ、ステビオールグリコシドの酵素による生産、大麦のイマザピルのMRL、等
[FTC]FTCは認知機能改善宣伝に騙された消費者に返金
FTC Refunding Consumers Defrauded by Cognitive Improvement Claims
February 25, 2020
FTCは「認知機能改善」と詐欺的に宣伝されていたサプリメントを購入した消費者に総額551000ドルの27174件の返金小切手を郵送している。
存在しない臨床試験を引用して根拠のない有効性宣伝をしていた製品名Xcel, EVO, Geniux, および Ion-Z
論文
-新しい研究は乳がんの後体重が相当増えることを示す
New study shows significant increase in weight after breast cancer
25-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/nhri-nss022420.php
BMC Cancerに発表されたオーストラリアでの調査。乳がんと診断された後63.7%の女性が平均9kg体重が増加、17%は20kg以上増加。
-熱波暴露はカリフォルニアでの早産リスク増加と関連
Heatwave exposure linked to increased risk of preterm birth in California
25-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/uoc--hel022520.php
暑ければ暑いほど、そして熱波が長いほど、リスクは大きい
Environment International。生まれる前の週の極端な暑さが早産リスク増加と強く関連する
(健康研究に気温等の環境条件の記録が必要になるってことかなぁ)
-新しい研究は牛乳摂取と乳がんリスクが大きいことを関連付ける
New study associates intake of dairy milk with greater risk of breast cancer
25-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/llua-nsa022420.php
1日1カップでも乳がんを最大50%増やすかもしれない
International Journal of Epidemiologyに発表された Loma Linda健康大学の研究。北米女性53000人に食品頻度質問表と24時間思いだしで食品摂取を推定し約8年フォローしたところ新たに乳がんと診断されたのは1057人だった。ダイズ製品の摂取と乳がんに関連は無かったが乳製品由来のカロリーと牛乳は乳がんリスクの大きいことと関連があった。全脂肪乳と低脂肪あるいは無脂肪乳に差は無かった。チーズやヨーグルトとも関連は無い。この研究は再臨派信者健康研究-2の一部。
(特殊な集団の話のようだが牛乳有害論者が喜びそう)
その他
-インドの科学者が牛の糞と尿とミルクのベネフィットを調べる「ひどく腹立たしい」計画を非難
ScienceInsider
Indian scientists decry ‘infuriating’ scheme to study benefits of cow dung, urine, and milk
By Vaishnavi ChandrashekharFeb. 24, 2020
500人以上の科学者がインド政府に固有の牛の独自性と牛の糞と尿とミルクのがんを含む病気への治療効果を調べる研究提案を取り下げるよう求めている。オンライン文書で研究者らはこの提案は「非科学的」で、そうでなくても研究資金が足りないインドでの税金の間違った使い方である、と言っている。
ヒンズー教では牛は聖なるものとされ、一部の研究者にはこの研究提案はヒンズー国粋主義政党Bharatiya Janata Party (BJP)により率いられるインド政府による信仰に基づく疑似科学の推進のもうひとつの努力であるとみられている。この研究提案は「客観的科学的問い」ではなく「既存の信念を確認することを目的にしている」ように作られているとAniket Suleは言う。
この研究提案は2月14日に出されたもので複数政府機関によるより大きな研究費提供計画の一部である。他に牛由来製品を糖尿病やがんの治療に使うカウパシー“cowpathy”や牛製品を農薬に使う、牛由来シャンプーや洗剤、牛乳の栄養価などの研究がある。主目的は「インドの固有の牛の独自性を科学的に調べる」こと。
この発表がされた時期は政府による研究費の支払いが遅れていて若い研究者には毎月の固定給が定期的に払われていない状況だった。こんな時にこんな疑わしい計画を提案するのはさらに腹立たしい、と文書では述べている。
-グリホサートががんリスクを41%上げると主張する疑わしい研究を覚えている?主著者がその主張を繰り返し、EPAがそれに反論し、我々は見直してみた
Remember the questionable study claiming glyphosate boosts cancer risk 41%? Lead author reasserts her claim, EPA refutes it, and we take a second look
Geoffrey Kabat | February 25, 2020
2019年の初めに主要メディアがグリホサートががんリスクを41%上げると報道した。情報源はMutation Researchに発表された議論の多いメタ解析で、この論文は厳しく批判された。これらの批判への回答は無かったが、先週その論文の主著者でワシントン大学環境職業健康科学教授のLianne SheppardがForbesで回答を試みた。彼女のコラム「グリホサートの科学は微妙である。インターネットでの主張?そんなに」は奇妙な文書である。タイミングも遅いがこの1年の間に起こったことに何の言及も無い。彼女は2016年にEPAの科学助言員会でのグリホサートの評価に参加したときのことから話し始める。彼女はEPAの仕事が政治的でEPAの結論に合意できなかったので現在議論になっているメタ解析をすることになったという。彼女が不快になった主な原因は私Geoffrey Kabatなので、彼女の記事で無視されていることを簡単に紹介しよう。
(以下問題のメタ解析への批判、略)
しかし私がForbesにこの批判を投稿した次の日の2月19日、それは説明も無く取り下げられた。Sheppard博士はそれを私がForbesの編集基準に従わなかったからだと主張しているが、私はForbesに約80のコラムを書いていて何の問題も無かった。実際におこったのは反GMO活動家Carey Gillamが編集部で騒ぎ、編集部が意気地無くも取り下げたということである。
奇妙なのはForbesからの私のコラムの「取り下げ」についてSheppardとCarey Gillamが同じ言葉を使っていることである。そして私のコラムは別のところに公開されている。
Sheppardと共著者らは今はグリホサートに安全な量は無く低い量でも有害だと主張するようになっている
2020年1月にはEPAが2017年のグリホサート研究レビューを更新する覚え書きを発表している。そしてグリホサートと非ホジキンリンパ腫に関連は無いことを確認している。
(いろいろ略)
-教訓:マイアミの男性はコロナウイルスを持っていなかったが検査費数千ドルを支払う義務があるかも
A cautionary tale: A Miami man doesn't have the coronavirus but may now owe thousands of dollars for being tested
FEB 25, 2020,
・最近中国に行ったマイアミの男性がインフルエンザ様症状で帰宅
・コロナウイルスではないことを確認するため病院に行って検査を受けた
・彼はインフルエンザだった。しかし医療費数千ドル。
・保険の専門家はこれを教訓として語る
医療費が3,270ドルでそのうち自己負担が1400ドル
(何の費用なのかわからないけどこういう国では軽い風邪で病院行ったりしない)
-コロナウイルス-科学と見出しが出会うとき
SMC
coronavirus – where science meets the headlines
FEBRUARY 18, 2020 By Fiona Fox
https://www.sciencemediacentre.org/coronavirus-where-science-meets-the-headlines/
COVID-19に関するますます悲惨な、警鐘的ニュースの見出しが増える中、私は友人や家族からきっと恐れ戦いているだろうといったメッセージをいくつか受け取っている。Fionaスタイルの、メディアのデマへの怒りに燃えているだろうと。でも私はぞっとしてはいない。実際のところこれまでのメディア報道は概ね責任あるもので、この複雑な事象を正しく伝えようとしている科学者やジャーナリストを賞賛している。SMCは多くのトップ科学者と密接に連絡を取っている。彼らはみな心配している-ハルマゲドンではなく、公衆衛生への影響を。特に医療体制が十分ではないアジアやアフリカ諸国を。
もちろん一部のメディア報道はセンセーショナルで、英国では誰も死んでいないのに「キラーウイルス」と書いたものもあった。しかしそれより多くのちゃんとした報道が英国ではなされている。例えば「濃厚接触」とは何か、何故英国ではマスクが推奨されていないのか、症状の無いヒトから伝染する可能性は、中国当局の疾患定義の変更、患者が陽性になる前に何度か陰性となることなど。これらの複雑でまだ完全にはわかっていないことを恐ろしく忙しい科学者が恐ろしく忙しいジャーナリストにちゃんと報道するように説明している。
最も恐ろしげな見出しを作る傾向があるのは数理モデルを使う疫学者たちである。モデルは最悪の場合どうなるのかを当局や政府に情報提供する役割があり、かつては主に科学者や政府が共有していてメディアが注目することはあまりなかった。しかしいまはそうではなく例えば世界人口の60%が感染しその1%が死ぬので英国で何十万人が死亡するといった数字が尊敬されている学術団体などから報告されるのが誰にでも見ることができる。解決法は?古い時代のようにモデルは大臣やWHOにしか共有しないほうがいい?あるいは科学者に最悪シナリオは隠すようお願いする?
私は一般の人々がモデルに基づく最悪シナリオの数字と現実との違いを理解できることを信頼しなければならないと考える。
また毎年英国で数千人がインフルエンザで死亡しているのにメディアは報道しないと指摘する人もいる。それは全く正しいが新しいことではない。私の35年前のジャーナリズムの学位のお気に入りの課題は「ニュースバリュー」だった。昔からある病気で何千人死んでもニュースバリューは無いが外来のアジアのウイルスが誰かひとりでも殺したとなればニュースである。私は日本の地震と津波で2万人以上が亡くなった時に地震の専門家にはたった一つの質問すらされず原子力発電所事故による放射線で何人死ぬと予想されるかという質問ばかりだった記者会見を思い出す。
(いろいろ略。クライシスコミュニケーションで最悪シナリオをわざわざプレスリリースするのは褒められたことではない、と読むけど)
-製品レビュー メラトニンサプリメントレビュー
コンシューマーラボ
Melatonin Supplements Review
2/21/20
https://www.consumerlab.com/reviews/melatonin-supplements/melatonin/
1製品は表示されている量の2倍の量のメラトニンが含まれていた
-肥満、サプリメント、オーガニック食品について混乱している?栄養に関する神話を否定するためのハンドブック
Confused About Obesity, Supplements And Organic Food? Here's A Handbook For Busting Nutrition Myths
By Cameron English — February 25, 2020
インターネットは栄養学的ナンセンスに溢れている。新しい本はどうやって作り話を見分けるのかを教える
栄養科学者David Lightseyが栄養科学についての神話The Myths About Nutrition Science (TMNS)を作った。
LightseyはQuackWatchの食品と栄養科学のアドバイザーで、ナンセンスと根拠のある情報を区別することを31年間やってきた。彼の200ページほどの本は読者に常に重要な栄養問題の基本的理解で力を与えるだろう。Lightseyは「この分野にはあまりにも多くのデマがある泥沼である」という
(以下紹介略)
The Myths About Nutrition Science
1st Edition
By David Lightsey
目次紹介
1.消費者/アスリートの栄養情報源:誰が信頼できる?
2.「ヘルスニュース」:何故メディアは信用できないのか
3.化学物質恐怖症とオオカミ少年
4.でっちあげられたオーガニック食品市場
5.肥満:誰のせい?非難合戦
6.アスリートのプロテインの必要性:7つの誤解
7.サプリメントがほとんどの人に利益が無い3つの理由
8.抗酸化サプリメント:もう一つの万能薬、あるいはより良い健康とパフォーマンスの偽りの偶像?
9.サプリメント:あなたは自分の健康を賭けたロシアンルーレットをしている?
10.抗炎症、デトックス、ケトジェニックダイエット
11.遺伝子組換え食品:「フランケンフード」あるいはとても有用な技術?
12.いろいろな神話とデマ