2020-03-03

[EFSA]意見等

-全ての動物種用の、飲料水への使用拡大と新たに香料添加物として使用する栄養添加物、Escherichia coli FERM ABP‐10641株で生産したl‐イソロイシンの認可更新申請の評価

Assessment of the application for renewal of authorisation of l‐isoleucine produced by Escherichia coli FERM ABP‐10641 as a nutritional additive, its extension of use in water for drinking and a new use as flavouring additive for all animal species

EFSA Journal 2020;18(2):6022  28 February 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6022

 

-食品添加物としての水素化 ポリ‐1‐デセン (E 907)の再評価

Re‐evaluation of name of hydrogenated poly‐1‐decene (E 907) as food additive

EFSA Journal 2020;18(2):6034  28 February 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6034

食品添加物及び食品に添加する香料に関するパネル(FAF)は、食品添加物として使用する際の水素化 ポリ‐1‐デセン (E 907)の安全性を再評価する科学的意見を提出した。水素化 ポリ‐1‐デセン (E 907)は、EC規則No 1333/2008付属文書Ⅱに従ってEUで食品添加物として認可されている。水素化 ポリ‐1‐デセンは急性毒性が低く、遺伝毒性の懸念は生じない。毒性、発がん性、生殖毒性、発達毒性試験は入手できなかった。そのため、パネルはラットの亜慢性試験で確認された無毒性量(NOAEL)による許容一日摂取量(ADI)の導出に基づいて、ADI 20 mg/kg bw /日を設定した。食品添加物として使用される水素化 ポリ‐1‐デセン (E 907)への食事暴露は、規制の最大量の暴露評価シナリオに基づいて計算された。食品添加物として使用される水素化 ポリ‐1‐デセン (E 907)への平均暴露は、乳児の暴露無しから幼児の2.35 mg/kg bw /日までの範囲だった。水素化 ポリ‐1‐デセン (E 907)への多量暴露は、乳児と成人の0 mg/kg bw/日から幼児の6.69 mg/kg bw/日までの範囲だった。暴露推定量は、規制の最大量の暴露評価シナリオで、全年齢集団のADI 20 mg/kg bw /日を超えなかった。パネルは、最大許容量で使用しても、水素化 ポリ‐1‐デセン (E 907)への暴露は安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-全ての動物種用Pantoea ananatis NITE BP‐02525株を用いて生産したl‐シスチンの安全性と有効性

Safety and efficacy of l‐cystine produced using Pantoea ananatis strain NITE BP‐02525 for all animal species

EFSA Journal 2020;18(2):6020 28 February 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6020

 

[COT]3月10-11日の会合

COT Meeting: Tuesday 10th - 11th March

https://cot.food.gov.uk/cot-meetings/cotmeets/cotmeets/tuesday-10th-and-workshop-on-wednesday-11th-march/tuesday-10th-and-workshop-on-wednesday-11th-march

ペーパーがアップされている

・ターメリックとクルクミン二次案

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/tox202013seconddraftstatementturmeric.pdf

一部のサプリメントの摂取はADIの数倍の摂取量になる。天然のクルクミンは経口による生物学的利用度は低いが、サプリメントでは合成クルクミンやピペリンなどの他の化合物と結合させて吸収を高めたものがあり毒性が異なる。鉛の汚染、他の有毒植物粉末の混入、医薬品の混入などが報告されている。サプリメント摂取と関連する急性胆汁鬱滞性肝炎アウトブレイクが報告されている。FSAはターメリックサプリメントは新規食品であり販売前の安全性評価が必要であると考える

(ウコン)

・マイクロプラスチック暴露によるリスクの可能性:一次案

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/tox202015microplasticsfirstdraftstatementcover.pdf

スコーピングペーパーが現状をかなり詳細に記述している

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/tox201962microplastics.pdf

吸入暴露も含む。

(マイクロプラスチックが重金属や有害化合物のキャリアになるという説はその量を考えるとありそうにないのだけれど、煽る人は粒子の数値の大きさで大きな影響がありそうだと錯覚させようとする)

タイヤの摩耗でできるものがマイクロプラスチックかどうかについての検討もしている

 

6ヶ月から5才の子どものアーモンド飲料摂取によるリスクの可能性についてのディスカッションペーパー

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/tox202017almonddrinksseconddraft.pdf

シアン化合物やアフラトキシンが含まれる

 

[ヘルスカナダ]保健大臣からのメッセージ-栄養月間(2020年3月)

Message from the Minister of Health – Nutrition Month (March 2020)

2020-03-02

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2020/02/message-from-the-minister-of-health--nutrition-month-march-2020.html

3月は栄養月間で、健康的な食生活の健康と福祉における重要性を祝福する時期である。今年のテーマは「食品以上More than Food」であり、心して食べることやより頻繁に調理をするなど健康的な食習慣に焦点をあてる。これは2019年1月公表のカナダフードガイドと歩調を合わせたもので、フードガイドではより頻繁に料理をする、他の人と一緒に食べる、文化や伝統を健康的食生活のなかに取り入れることを勧めている。

 

 

[NIH]ニュースから:コロナウイルスと「代替」治療法

NCCIH

In the News: Coronavirus and “Alternative” Treatments

February 13, 2020

https://nccih.nih.gov/health/in-the-news-in-the-news-coronavirus-and-alternative-treatments?nav=govd

メディアが一部の人々がウイルス感染予防やCOVID-19治療のための「代替」レメディを探していると報道している。一部はハーブやお茶などをレメディとして宣伝している。こうした代替レメディのどれにもこのウイルスによる病気の予防や治療ができるという根拠はない。それどころか一部のものは安全では無い可能性がある

 

論文

-カンナビノイドと薬物の相互作用:知っておくべき5つのこと

Drug interactions with cannabinoids: 5 things to know

2-MAR-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-03/cmaj-diw022620.php

CMAJ

  1. 抗真菌薬ケトコナゾールはカンナビノイド濃度を約2倍にする。同様の作用がマクロライド抗生物質などでみられるかもしれない

2. カンナビノイドは他の医薬品の濃度に影響し、薬物の副作用リスクを増やす可能性がある

3. マリファナ定期喫煙は一部の医薬品のクリアランスを増やす

4. マリファナはある種の医薬品と相加作用がある

5. さらなる研究が必要なものの、血液凝固抑制剤ワルファリンや喘息や発作コントロールに使われる医薬品と深刻な相互作用がある可能性がある

 

-乳製品のジレンマ:低脂肪は子どもには必ずしも良くない

The dairy dilemma: Low-fat is not necessarily better for kids

2-MAR-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-03/ecu-tdd022620.php

Advances in Nutritionに発表された研究によると子どもの全脂肪乳製品摂取と肥満や心疾患リスクの増加に明確な関連は示されていない。世界の研究のレビュー。

 

-世界は大気汚染の「パンデミック」に直面

The world faces an air pollution 'pandemic'

2-MAR-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-03/esoc-twf022720.php

研究者は人々の寿命が大気汚染源により平均約3年短くなると言う

Cardiovascular Research。避けられる大気汚染の発生源として化石燃料をあげている

 

-子どもの栄養不良地図

Mapping childhood malnutrition

2-MAR-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-03/nruh-mcm030220.php

Nature

 

-WHO紀要

Bulletin of the World Health Organization

Volume 98, Number 3, March 2020, 149-228

https://www.who.int/bulletin/volumes/98/3/en/

展望:WHOの有害飲酒削減世界戦略の今後は?

David H Jernigan  & Pamela J Trangenstein

約10年前に世界保健総会で有害飲酒削減世界戦略が採択されその7年後にWHOの非伝染性疾患予防とコントロールのための世界行動計画に重要なリスク要因の一つとしてアルコールが含められたが、加盟国の健康へのリスク要因としての飲酒への対策はほとんど進んでいない。飲酒の有害性についての根拠は増えているが効果的対策をとるための障害が多く報告されている

 

その他

-新しい栄養表示を見よう

Meet Your New Nutrition Label

by WELLNESS LETTER March 02, 2020

https://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/nutrition/article/meet-your-new-nutrition-label

もし日頃栄養表示を見ているなら最近の大きな変化に気がついただろう。FDAの求めている栄養表示が最新の栄養研究によりこれまでで最大の改訂を行った。もともと2018年には実施されるはずだったが遅れて今新しい表示の製品が店頭に並び始めた。全体的な見た目は同じだがいくつか重要な変更がある。

サービングサイズ-より現実的に

たとえばアイスクリームはこれまで一食は半カップだったが2/3カップになった。炭酸飲料は8オンスが12オンスに

カロリー-より大きく太字で表示、脂肪由来のカロリーはなくなった

添加された糖がついに加わった

 

-Beyond Meatが「超加工」植物ベースの肉攻撃に反撃:「我々は成分と工程に誇りをもっている」

Beyond Meat goes on the offensive in wake of attacks on ‘ultra-processed’ plant-based meat: ‘We’re proud of our ingredients and process’

By Elaine Watson 28-Feb-2020

https://www.foodnavigator-usa.com/Article/2020/02/28/Beyond-Meat-to-go-on-the-offensive-in-wake-of-attacks-on-ultra-processed-plant-based-meat-We-re-proud-of-our-ingredients-and-process

最近の消費者の自由センター(Center for Consumer Freedom)からの企業がお金を出した広告での植物ベースのバーガーを恐ろしげな発音できない成分を隠した「超加工」製品との批判に対して、Beyond MeatのCEO Ethan Brownは反撃キャンペーンを予定。

 

(これかな

Ad: Does Synthetic Meat Need a Warning Label?

https://www.consumerfreedom.com/2020/02/ad-does-synthetic-meat-need-a-warning-label/

加熱調理したらアクリルアミドができた、とか下剤に使われているメチルセルロース、とか不凍液成分プロピレングリコール、とか)

 

-サウスダコタの詐欺事例がオーガニック穀物に厳しいスポットライトを浴びせる

A fraud case in South Dakota throws harsh spotlight on organic grain

By Adam Belz Star Tribune FEBRUARY 29, 2020

http://www.startribune.com/a-fraud-case-in-south-dakota-throws-harsh-spotlight-on-organic-grain-again/568290732/

この事例は1年も経たないうちに中西部で連邦検察が注目した二番目の大規模オーガニック詐欺

オーガニックサプライチェーンにとって最新の打撃はサウスダコタでの7100万ドルの詐欺事件である。連邦検察は2月に慣行栽培の穀物と種子をオーガニックとして5年以上販売していたビジネスマンKent Duane Andersonを告訴した。Andersonは電信詐欺とマネーロンダリングについて無罪を主張している。

この事例は中西部で1年以内に告訴された二番目に大きいオーガニック詐欺で、現在進行中のオーガニック輸入品詐欺疑念の最中におこった。ミネアポリスのオーガニック供給企業Pipeline Foods の副社長Erin Heitkampは、この事件には苛立つが残念ながら驚きは無い、という。彼女の会社はしばしば懸念を報告してきた。もっと他にもあるだろう。

Andersonはオーガニックで無い穀物をCargillと Archer Daniels Midlandから買って倉庫に運び、オーガニックとラベルして顧客に売った。2012年から2017年の間にニセオーガニックの販売で約2500万ドルを儲けた。Andersonの会社の一つGreen Leaf Resourcesのウェブサイトでは「ナチュラルでオーガニック認証を受けた亜麻やキャノーラの種子、ミール、オイル」と宣伝している。Andersonがどこからオーガニック認証を受けたのかは明らかでは無く、世界オーガニック連盟はコメントを提供しない

 

-大気汚染と寿命を調べた研究への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to study looking at air pollution and life expectancy

MARCH 3, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-air-pollution-and-life-expectancy-as-published-in-cardiovascular-research/

Cardiovascular Researchに発表された研究が世界中で大気汚染により平均3年寿命が短くなると報告

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

この研究は統計学的にはしっかりしている。主な新しい点は比較的新しい統計モデルGEMM (Global Exposure Mortality Model)を使っているところ。このようなモデルの背景にあるデータは一般的に観察研究由来で、過剰死の実際の原因が大気汚染かどうかについては常に幾分かの疑問がある。喫煙や暴力などとの比較はものごとの文脈を知るのに有用である。私は大気汚染が喫煙より多くの人を殺していると確信できるとは思わない、不確実性があまりにも大きいからだ。しかし大気汚染による死亡や寿命損失が喫煙に匹敵するだろうというのはフェアな要約であろう。しかしその比較はあなたが大気汚染の多い大通りを歩くのと喫煙するのが同じくらい悪いという意味ではない。喫煙者と非喫煙者の寿命は少なくとも10年は違い、2.2年という数字は世界平均であり非喫煙者も含まれる。喫煙の害は非喫煙者には関係ない。大気汚染に晒される人の数は喫煙者より多い

Oxford大学グローバルヘルスGeorge研究所上級疫学者Samuel Cai博士

プレスリリースは概ね正確でこの研究の質は高く結論は正しそうだ。これまでの研究より死亡率が高くなったのはより多くのデータを含めたこと、例えば高血圧や糖尿病も考慮されている、とより進歩したモデルを使ったこと。

どんなモデル研究でもそうだが、不確実性はある。特に粒子状大気汚染物質の健康影響についてはそれらの毒性を考慮することが非常に重要である。

この研究は大気汚染が世界の健康にとって主要なリスク要因であることを再び示した。

英国生態学水文学センター大気化学と影響のための科学分野長Stefan Reis教授

この研究は大気汚染の有害影響についてのさらなる根拠を加える

 

-トリインフルエンザは生きた動物を扱う市場を介して広まる-専門家の反応

SMC NZ

Bird flu spreads via live markets – Expert Reaction

Published: 03 March 2020

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2020/03/03/bird-flu-spreads-via-live-markets-expert-reaction/

H5N1、H7N9、H5N6ウイルスの拡散についての研究

(コメント略。生きた動物の取り扱いに厳しい目が向けられるだろう)