2020-04-10

[FDA]FDAはCOVID-19パンデミック中の食品小売り時の安全な食品の取り扱いと従業員の健康についての最良の方法を発行

FDA Issues Best Practices on Safe Food Handling and Employee Health in Retail Food Settings During COVID-19 Pandemic

April 9, 2020

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-issues-best-practices-safe-food-handling-and-employee-health-retail-food-settings-during-covid

Best Practices for Retail Food Stores, Restaurants, and Food Pick-Up/Delivery Services During the COVID-19 Pandemic

https://www.fda.gov/food/food-safety-during-emergencies/best-practices-retail-food-stores-restaurants-and-food-pick-updelivery-services-during-covid-19

まとめのインフォグラフィック

https://www.fda.gov/media/136812/download

 

[RIVM]食品と飼料のサプライチェーンに関係するマイコトキシンの概要:新しい文献スクリーニング法を用いた

An overview of mycotoxins relevant for the food and feed supply chain: using a novel literature screening method

09-04-2020

https://www.rivm.nl/publicaties/overview-of-mycotoxins-relevant-for-food-and-feed-supply

マイコトキシンには多くの種類がありこれまで数十のタイプについて公衆衛生上のリスクとなるかどうかが評価されてきた。しかし我々はまだその多くが生じる食品を知らない。そこでRIVMはヒト食品や動物の飼料に存在する可能性のあるマイコトキシンの概要を記した。この情報を集めるのに新しい方法を開発しそれをデータベースに入れた。これを使って一目で特定の食品でどのマイコトキシンを調べればいいのかがわかる。

本文英語

 

[RIVM]鉄道で危険なものを輸送するリスクの計算方法:欧州での大事故をもとに更新

Method for calculating the risks of transporting dangerous goods by rail : An update based on major accidents in Europe

08-04-2020

https://www.rivm.nl/publicaties/rekenmethode-risicos-doorgaand-vervoer-gevaarlijke-stoffen-over-spoor-actualisatie-op

化学工場で使う原料の中には引火性のものや有害なものがある。これらを鉄道で運ぶことは環境へのリスクを伴う。オランダの危険物の安全な輸送と環境安全のための方針は1990年代にRIVMが開発した環境リスク計算法を使っているが今回それを更新した。

この研究のためにRIVMは過去30年の欧州の主要事故データを集めて解析しオランダの事情にあてはめた。これらのデータを用いて大事故の起こる可能性やその影響を更新した

本文オランダ語

 

[FSA]ウェールズの肉業界で働く人達への公開文書

An open letter to those working in the meat industry in Wales

9 April 2020

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/an-open-letter-to-those-working-in-the-meat-industry-in-wales

感謝を伝える

 

[FSAI]乳児用ミルクの広告とマーケティングのより厳しい規則についてのガイダンス発表

Guidance Published on Stricter Rules for Advertising and Marketing Infant Formula

Thursday, 9 April 2020

https://www.fsai.ie/news_centre/infant_formula_guidance_09042020.html

FSAIとアイルランド乳業界特別栄養メンバー企業が乳児用ミルクについて医療専門職とのコミュニケーションに関する食品法令遵守についての新しいガイダンス文書を開発した。

2020年2月22日に発効した新しいEU法は0-12ヶ月までの乳児用のミルク製品の広告とマーケティングをさらに制限している。母乳を推進するために規則が厳しくなった。

栄養や健康強調表示を使わない、個々の栄養素の利点も認められない。ミルクの組成と母乳を関連付けてはいけない。広告に赤ちゃんの画像を使ってはならない、など

 

論文

-新しい研究はEPAの水銀解析に「深刻な欠陥がある」ことを発見

New study finds EPA mercury analysis is 'seriously flawed'

9-APR-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-04/rftf-nsf040720.php

研究者らは提案されたEPAの後退は欠陥のあるコストベネフィット解析に基づいていると主張。Scienceに発表

石炭火力発電所からの水銀排出規制に関して、水銀の健康への悪影響に関する最新の知見を考慮していない、など

 

-人々に念のためにマスクをするよう勧める時、と専門家が言う

Time to encourage people to wear face masks as a precaution, say experts

9-APR-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-04/b-tte040920.php

根拠は限られているものの、社会や経済生活に与える影響は比較的小さく伝染に相当影響する可能性がある。The BMJ

(欧米が一般人のマスクについての見解をここ最近でかなり変えた)

 

Scienceニュース

-草に住む真菌の遺伝子が世界中の小麦を救えるかも

How a gene from a grass-living fungus could save wheat crops worldwide

By Erik Stokstad Apr. 9, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/04/how-gene-grass-living-fungus-could-save-wheat-crops-worldwide

小麦の赤カビ病は農家にとってダブルパンチである。小麦や大麦を萎ませ収穫を減らすだけではなく放出される毒素が世界中の食卓のパンの問題になっている。規制値を超えるとヒトや動物に害を与える可能性がある。感染した植物の穀粒は、たとえ一部の穀粒に感染がなくても捨てなければならない。

抗真菌剤は解決策にならない。一部はこの病原体が雨期に感染し薬剤が洗い流されてしまうから。しかし今回研究者らは野生の近縁種ウィートグラス(wheatgrass)から保護遺伝子を発見した。Fhb7という遺伝子は毒素を分解する酵素を含むことを研究チームが本日Scienceに発表した。この遺伝子はフザリウム耐性小麦の交配に非常に大きな影響を与える可能性がある

 

-拒食症再考:文化より生物学の方がより重要かもしれない、新しい研究が明らかにする

Rethinking anorexia: Biology may be more important than culture, new studies reveal

By Jennifer Couzin-Frankel Apr. 9, 2020 ,

https://www.sciencemag.org/news/2020/04/rethinking-anorexia-biology-may-be-more-important-culture-new-studies-reveal

 

-フランスの大統領は根拠のないコロナウルス治療法の誇大宣伝を悪化させている?

Is France’s president fueling the hype over an unproven coronavirus treatment?

By Yves SciamaApr. 9, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/04/france-s-president-fueling-hype-over-unproven-coronavirus-treatment

抗マラリア薬であるクロロキンとヒドロキシクロロキンのCOVID-19治療への使用に関する極めて政治問題化した議論がフランスで極限に達した。二つの小規模試験で利益が示されたと宣伝されている。フランスの医師らは必死の患者たちからヒドロキシクロロキンを処方するよう膨大な圧力をかけられていて、効果があるという根拠がほとんどないにもかかわらず広く入手できるようにするよう求める請願に既に46万人が署名している。この運動を主導しているのは物議を醸し政治家に広いコネをもつ微生物学者Didier Raoultである。彼の名声はEmmanuel Macronフランス大統領がRaoultに会うためにMarseilleまで出向いたことでさらに高まった。会合の後大統領はコメントしていないが、Macron大統領から求めた会合そのものがRaoultの新たな政治的影響力の兆候である。フランス医師連盟会長のJean-Paul Hamonは会合に批判的でこれを「ショービズ政治」と呼んでいる

フランスの世論調査機関IFOPの4月6日の調査によるとフランス人の59%がクロロキンが新型コロナウイルスに効くと信じていて極右と極左で薬への信頼が高く80%にもなる。

パリのSaint Antoine病院の感染症部長Karine Lacombeはフランスのテレビで彼女や彼女のチームはクロロキンの処方を断ったことで何度も「身体的脅威」を受けたという。またたくさんの偽造処方箋を見たとも言う。他の医師も同様の経験を報告している

(以下略。単なるトンデモさんではなく学者の中にも強力な支持者がいる有力者とのこと)

 

-殺菌は水の生態系を脅かす

Disinfection threatens aquatic ecosystems

Hong Zhang et al.,

Science  10 Apr 2020:Vol. 368, Issue 6487, pp. 146-147

COVID-19の拡散を封じ込めるため、中国は屋内・屋外に塩素系消毒薬を使った。武漢市だけで5000トン以上を撒いた。これらは下水処理系に入り水源を汚染する可能性がある。

世界中にCOVID-19が広がったため多くの消毒薬が使われ水の生態系に影響する可能性がある

 

その他

-ナッツのカロリー低下

Lower Calorie Counts on Nuts

by WELLNESS LETTER 

https://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/lower-calorie-counts-nuts

ナッツ製品の栄養表示のカロリーがこれまでより減っているのを見て驚かないで。過去数年にわたるUSDAの研究がくるみ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオのカロリーが形態や加工によりこれまでより5-25%少ないことを明らかにした。理由はナッツの脂肪、炭水化物、タンパク質の一部が消化されないまま腸を通り過ぎるからである。100年以上前に開発されたAtwaterシステムにより計算するカロリー数は一部の食品で過剰推定である。

新しい計算を反映したカロリー表示を最初に取り入れたのはKINDで、ナッツバーのカロリーが以前より10-30少なくなった。例えばダークチョコレートナッツ&シーソルトバーは200から180カロリーに下がった。他の企業も続くだろう。しかしカロリー数が少なくなったからといって余分に食べる言い訳にしないこと:全てのナッツがカロリーの多い食品であることに変わりはなく、ほどほどに食べるべきである。

 

-安全な日焼けというものはない

No Such Thing as Safe Tanning

by WELLNESS LETTER  Published April 10, 2020

https://www.berkeleywellness.com/self-care/over-counter-products/article/no-such-thing-safe-tanning

タンニングベッドがジムにあるというだけであなたにとって良いと信じないように。日焼けに安全な方法など無い。

JAMA Network Openに掲載された研究で米国の3つの大きなジムチェーンでのタンニングベッド提供状況を調べた。調べた1727のうち78%が提供していた。紫外線の照射は、それが日光由来だろうと紫外線を出す電灯由来だろうと皮膚の加齢を促進し皮膚がんリスクを増やし、ダメージは累積する。

 

-バイオテクノロジーと非バイオテクノロジー作物の共存

Pocket K No. 51: Coexistence of Biotech and Non-biotech Crops

http://www.isaaa.org/resources/publications/pocketk/51/default.asp

USDAは共存を慣行栽培、オーガニック、分別生産流通(IP)、遺伝子組換え作物を隣接地域で栽培すること、と定義している。これが可能であるという研究を紹介

 

-ブリティッシュコロンビアの健康食品店がインチキCOVID-19治療宣伝をして批判の嵐

B.C. health food store under fire for bogus COVID-19 treatment claims

BY JOHN HUA  April 9, 2020

https://globalnews.ca/news/6803646/bc-health-food-store-covid-19-treatment-claims/

Port Coquitlamの自然食品店がCOVID-19の拡散を予防すると主張するサプリメントを宣伝して激しく批判されている

PoCo Naturalsは亜鉛やケルセチン、ビタミンC、Dなどをこの病気の予防になると窓に掲示していた

Global Newsがこの店のオーナーStephen Chung博士にどうしてこんな宣伝をしているのか尋ねた。Chung氏は「私は科学者で専門家だ」という。しかし彼は医者でも疫学者でもなさそうで栄養と生理学の学位を宣伝している

市長はこの店のことを「全てのレベルで間違っている」といい、公衆安全大臣も同様の厳しい言葉で批判する。

「人々はウイルスにかからないよう最良の方法を理解する必要がある。それは保健当局の指示に従うことである」

Global Newsのインタビュー後まもなく市の担当者が来て宣伝は除去された。しかし自然食品やサプリメントの販売者にはこのような間違ったことはしないように注意された

 

-Pete Evansがコロナウイルスとの戦いに役立つ15000ドルの装置を宣伝

Pete Evans is pushing a $15,000 device to help fight coronavirus

news.com.au APRIL 10, 2020

https://www.news.com.au/lifestyle/health/pete-evans-is-pushing-a-15000-device-to-help-fight-coronavirus/news-story/3aa451b8bc1f750a9056e5b1bd26365e

セレブシェフのPete EvansがBioCharger NGという「エネルギー活性化」装置を「武漢ウイルス」対策として宣伝して批判されている