[EFSA]意見等
-家禽種の肥育、産卵のための育成用及び観賞用鳥類の飼料添加物としてのCapsozyme SB Plus (α‐ガラクトシダーゼ及びエンド‐1,4‐β‐キシラナーゼ)の安全性と有効性
Safety and efficacy of Capsozyme SB Plus (α‐galactosidase and endo‐1,4‐β‐xylanase) as a feed additive for poultry species for fattening or reared for laying and ornamental birds
EFSA Journal 2020;18(4):6086 28 April 2020
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6086
-国のリスク評価活動のためのウェブアプリケーション-
Web Application for National Risk Assessment Activities
27 April 2020
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1789
枠組み合意OC/EFSA/AMU/2015/02で発表された特定契約No 15で、EFSAは国のリスク評価活動を確認するための既存のウェブアプリケーションを更新するようOpen Analyticsに要請した。このウェブアプリケーションは次のモジュールがある。データ編集、データ閲覧、統計資料によるデータの可視化、管理者用ページ。このアプリケーションの背後のデータベースはEUリスク評価議題プロジェクトと提携のためのデータベースにリンクしている。
-EFSAの科学的評価のプロトコル作成のための枠組み案
Draft framework for protocol development for EFSA's scientific assessments
27 April 2020
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1843
EFSAは「レギュラトリーサイエンス」というもの、つまり管理の決定を支援する科学的評価と勧告を提供する。その基本的に求められるものは、タイムリーで要請者のニーズを満たす目的に合った科学的評価を行うことである。
2014‐2018年にEFSAは科学的評価プロセスの一連の原則(公平性、方法論の厳密性、透明性、積極的関与)を定め、それらの原則を満たすための4段階アプローチ(計画/実行/検証/報告)を作成した。このアプローチに従うと、科学的評価の方法は、評価プロセスの厳密さと透明性を高めるためにプロトコルで事前に計画されなければならない。以前に規制製品の評価について4段階アプローチを試している。EFSAの非申請型の全ての科学的評価にもこの4段階アプローチを徐々に実行することが決定された後、プロトコル作成のための助言を提示する必要があると判断された。この技術的報告書はその助言を提供するものである。一年間の試行後に、この枠組み案は評価され最終化される予定である。
-全ての動物種用Corynebacterium glutamicum DSM 32932株で発酵して生産したl‐リジン塩酸塩の安全性と有効性
Safety and efficacy of l‐lysine monohydrochloride produced by fermentation with Corynebacterium glutamicum DSM 32932 for all animal species
EFSA Journal 2020;18(4):6078 27 April 2020
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6078
[ANSES]ANSESはエッセンシャルオイルベースのスプレーとディフューザーに注意を呼びかける
ANSES calls for vigilance concerning essential-oil based sprays and diffusers
News of 28/04/2020
「ウイルス駆除」や空気を「浄化」する能力があるとされるエッセンシャルオイルベースのスプレーやディフューザーが次第に家庭に増えている。2017年に開始した室内空気の浄化技術に関する研究を継続し、ANSESは排出される物質の健康影響に関する科学的文献のレビューに加えて、これらのエッセンシャルオイルベース製品への暴露に関するトキシコビジランス研究を発表している。フランス中毒管理・監視センターに報告された中毒事例の分析から、通常の使用状態での様々な有害影響、主に目、喉、鼻の炎症や呼吸器系への影響が明らかになった。これらの製品は、室内の空気汚染の原因となりうる揮発性有機化合物も排出する。ANSESは、特に喘息や他の慢性呼吸器疾患患者の場合、これらの製品に排出される可能性のある刺激性物質のため、これらの製品を利用する際に取るべき予防策の情報をよりよく消費者に提供する必要性を公共機関に注意喚起している。
新しい室内空気浄化技術についてANSESが専門家評価を実施した後に、フランスの保健総局とリスク予防総局は、中毒管理センターに報告されたエッセンシャルオイルベースのスプレーとディフューザーによる中毒事例を分析するよう、またこれらの製品の健康影響に関する科学的文献や健康に悪影響を及ぼす可能性をレビューするよう、ANSESに求めた。
フランス中毒管理・監視センターに報告された数件の刺激事例
家庭でスプレーやディフューザーの使用後に中毒管理センターに観察された事例で、目や上気道(口、鼻、喉、咽頭、気管)への刺激や、咳や呼吸困難の症状が明らかになった。
これらの刺激は、吸入に適さず気道を刺激するフェノールやケトン含有量の多いエッセンシャルオイルによる、あるいはスプレーやディフューザーからこれらの製品が拡散されることによる可能性がある。これらの症状の多くは軽症で暴露が止まると速やかに解消される。
反応性が高く、刺激性のある揮発性有機化合物の排出
入手可能なデータによると、エッセンシャルオイルベースのスプレーやディフューザーは多くの浮遊する揮発性有機化合物(VOCs)を排出する。これらのVOCsには、天然由来であっても刺激性や感作性がある可能性がある。
更に、排出されたVOCsには、主に空気中に天然に存在するオゾンと反応することで酸化する可能性が高いものもある。そのため、これらのスプレーやディフューザーが室内の空気汚染のさらなる原因となることがある。そのVOCの排出は、家具、建築資材、洗浄剤、化粧品など他の原因から既に作られている浮遊するVOCsに加わる。
それにもかかわらず、これらの製品から排出される全種類の物質の完全なリストを作るには入手できる研究は不十分である。そのため、有機化合物の長期排出や、大気中の酸化の結果として生じる他の物質の二次形成の特性をより明確にするために、より多くの研究が必要である。
子供の届かないところに保管しておくこと、使用時に取るべき予防策に関する情報を提供すること、室内汚染源を制限すること、これがANSESの助言である。
製品を子供の届かないところに保管する
通常の使用状態での刺激や呼吸の症状の影響に加えて、子供用ではない製品に触れたり口に入れたりする可能性の高い幼児によく懸念される予想外の暴露に関連した多くの中毒事例がトキシコビジランス研究で示された。ANSESは、エッセンシャルオイルベース製品のスプレー、ディフューザー、ボトルを、洗剤や医薬品と同様に幼児の届かないところに保管するよう助言する。
リスクを制限するために取るべき予防策の情報をよりよく消費者に伝える
ANSESは、特に喘息や他の慢性呼吸器疾患患者の事例で、製品から排出される可能性のある刺激性物質のため、エッセンシャルオイルベースのスプレーやディフューザーを使用する際に取るべき予防策について、より多くの情報を提供する必要性を公共機関に注意喚起している。
医療従事者による事例報告を改善する
これらの製品に関連する呼吸器系への影響をよりよく特定するために、ANSESはスプレーやディフューザーの使用後に呼吸器症状が現れた人などの事例の収集やフォローアップの改善を助言している。その為、これらの事例や、ポータルに報告する健康有害事例について医者が中毒管理センターに報告することは重要である。
https://signalement.social-sante.gouv.fr/psig_ihm_utilisateurs/index.html#/accueil
室内の汚染源を制限し、密閉空間を換気する
一般的に言えば、質の悪い室内空気に関連するリスクを予防するために、まずは室内汚染源を制限すること、次に、密閉空間を換気し空気を入れ替えることが重要である。この助言はエッセンシャルオイルベースのスプレーやディフューザーの使用にも適用される。
潜在的な健康有害影響の特性をより明確にするために、より多くの情報を手に入れる
エッセンシャルオイルベースのスプレーやディフューザーの健康影響に関する科学的文献には入手できるデータが少ない。分析された出版物には一部結果が提出されているものの、それらは明確な結論を引き出すには十分ではない。この不確実性から、特に呼吸と皮膚の影響に関して警戒を呼び掛けている。
ANSESはそのため、単独あるいは組み合わせて使用するエッセンシャルオイルについて、短期及び長期の潜在的な健康への悪影響の特性をより明確にするために、新しい独自の研究に着手する必要性を強く主張している。
参考
#COVID-19とエッセンシャルオイル:エッセンシャルオイルはコロナウイルスに対する解決策ではない
COVID-19健康危機に関連して、ANSESとフランス中毒管理センターのネットワークはCOVID-19に関連したセンターへの相談を注意深く監視している。この目的は助言を発表するために明確なリスク状況を特定することである。中毒管理センターはエッセンシャルオイルの使用など多くのリスク状況の発生源を特定している。
様々な明確なリスク状況が特定されている。身体本来の防御力を高めコロナウイルスと戦うためにエッセンシャルオイルを経口摂取する自主服薬、また、リスク(喘息)のある人が「密閉空間を浄化する」ために、あるいは不適切な使用だが、サージカルマスクを消毒するために、エッセンシャルオイルをスプレーすることが例として挙げられる。
ANSESは、エッセンシャルオイルはコロナウイルスに対する解決策ではないと繰り返し述べている。これらのオイルを正しく使うこと(投与経路、用量、適用の場所など)が重要である。ANSESと中毒管理センターは呼吸器疾患患者(特に喘息)の、あるいは妊婦や授乳中の女性のエッセンシャルオイルの使用に対して助言する。エッセンシャルオイルを使用する前に、また、質問があるなら、薬剤師に助言を求めよう。
・COVID-19に関する最新ニュース:消毒や他のリスク状況に関連する中毒に注意
02/04/2020
[MHRA]英国医薬品規制機関の上級執行助言者はニセのあるいは未承認のコロナウイルス(COVID-19)治療薬を購入しないよう警告
Senior Enforcement Advisor at UK Medicines Regulator warns against purchasing fake or unlicensed coronavirus (COVID-19) medicines
7 May 2020
MHRAのLynda Scammellは人々に対してオンラインでCOVID-19の治療や予防を謳っている医薬品やその他の医療用製品について警告
それらには「ミラクル治療」「神聖なるクレンジングオイル」「抗ウイルス噴霧スプレー」、ハーブレメディ、ビタミン、未許可抗ウイルス薬などがある。
あなたはCOVID-19の治療や予防を宣伝している製品の話を聞いたことがあるかもしれない。現時点でCOVID-19を治療または予防する目的で許可された医薬品はない。そのような製品には注意して欲しい。そうした製品の安全性や品質を保証することはできずあなたの健康にリスクとなる。我々はウェブサイトで「魔法の治療法」「抗ウイルスミストスプレー」などが販売されているという報告を受け取っている。未承認医薬品の販売は違法である。オンラインでのCOVID-19の治療や予防製品に騙されないように。」
[IARC]WHO腫瘍分類第5版第三巻:軟組織と骨の腫瘍
Publication of the WHO Classification of Tumours, 5th Edition, Volume 3: Soft Tissue and Bone Tumours
8 May 2020
印刷物入手可能
[ProMED]麻痺性貝毒中毒 米国(ワシントン)
Paralytic shellfish poisoning - USA: (WA)
2020-05-08
https://promedmail.org/promed-post/?id=7311953
Date: Wed 6 May 2020 1:36 pm PDT Source: The Northern Light [edited]
5月6日にWhatcom郡保健部から以下の通知が出た:
Drayton港の貝の麻痺性貝毒の濃度が安全でないレベルに達した。人々を守るためワシントン州保健省はBirch Point northからカナダ国境までの全ての海岸での娯楽目的の貝の採取を禁止。
レストランや小売市場で販売されている貝類は販売前に検査されているので食べても安全である
[ProMED]ガス中毒-インド:(アンドラプラデシ):致死、スチレン疑い
Gas poisoning - India: (AD) fatal, styrene susp
2020-05-08
https://promedmail.org/promed-post/?id=7311942
Date: Thu 7 May 2020 Source: Al Jazeera [abridged, edited]
インド東海岸のVisakhapatnamの化学工場のガス漏れで少なくとも11人死亡、数百人が入院したと5月7日に当局が述べた。さらに近隣の村の1500人が避難している
インドのテレビチャンネルの映像は女性や子どもを含む人々が道に横たわって動かない様子を示している。Greater Visakhapatnam自治体のSrijana Gummalla長は工場から早朝スチレンが漏れたという。この工場ではポリスチレン製品を作っていて、2020年3月25日からのCOVID-19拡散封じ込めのためのロックダウンを緩和し始めたために再稼働していた。テレビでアンドラプラデシのJagan Mohan Reddy主任大臣は長期間保存されていたためにスチレンが漏れたと言った。
工場のオーナーである韓国のバッテリーメーカーLG Chemical 社はガス漏れはコントロールされていて現在ダメージの程度や死因、詳細を調査中という
(編集者注でスチレンが死因とは思えない旨指摘)
[FTC]FTCは人々を「無料お試し」で欺くオンラインサブスクリプションを止める
FTC Halts Online Subscription Scheme that Deceived People with “Free Trial” Offers
May 8, 2020
化粧品やサプリメントの販売業者が消費者から7450万ドルをだまし取った
「無料お試し」と称して実際にはサブスクリプションに参加させ同意なく課金を続けるやり方。
[CDC]定期小児ワクチン注文と投与へのCOVID-19パンデミックの影響-米国2020
Effects of the COVID-19 Pandemic on Routine Pediatric Vaccine Ordering and Administration — United States, 2020
MMWR May 8, 2020 Early Release / Vol. 69
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/pdfs/mm6919e2-H.pdf
2020年3月13日に米国大統領が緊急事態宣言をし、3月24日にCDCが定期予防接種の重要性を強調するガイダンスを投稿している。二つのデータから予防接種実施率を評価すると緊急事態宣言後、特に24ヶ月以上の子どもで低下している
[FDA]COVID-19パンデミック中の食品小売り再開のための優良事例
Best Practices for Re-Opening Retail Food Establishments During the COVID-19 Pandemic
05/08/2020
チェックリストとインフォグラフィクスあり
論文
-食事助言と経口栄養サプリメントは高齢の栄養不良成人の生存を増やさない:マルチセンターRCT
Dietary Advice and Oral Nutritional Supplements Do Not Increase Survival in Older Malnourished Adults: A Multicentre Randomised Controlled Trial
Lisa Söderström et al.,
Ups J Med Sci. 2020 May 2;1-10.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32362168
スウェーデンの研究
2010-2014年の間に入院時栄養不良あるいは栄養不良リスクのある65才の671人の患者を食事助言、サプリメントそれぞれ単独あるいは組み合わせ、あるいはルーチンのケアに無作為に割り当てて退院から6ヶ月介入を継続し8.2年間フォローした(中央値4.1年)生存に差はなかった。
-若い男性が最もロックダウン規則を破る可能性が高い、メンタルヘルス研究が示す
Young men most likely to break lockdown rules, mental health study shows
7 May 2020
19-24才の男性の半分以上が友人グループと会ったりして英国のロックダウン規則を破っている。この集団が他の若い人々よりはるかに法令遵守率が低い
この集団はCOVID-19に感染したり他人に拡散したりするリスクはなく、政府のガイドラインに従う価値はないと考える可能性が高い
19-21才の男性の5人に1人は規則を破ったことで警察に解散を命じられたり逮捕されたり罰金を科されたり自宅に連れて行かれたりしている。同年代の女性は10%である。
若い人々が社会的距離をとることにどれだけ従うかには不安や鬱の程度が有意に関係する。不安の大きい人ほど従い、鬱のレベルが高い人は規則を破る傾向がある
全年代で多くが頻繁に手を洗うなどの基本的衛生に従っていないと言い年齢が高いほど悪い。しかし今度からガイドラインに従うという
19-24才の男性は規則を破ることが「クール」で「自立している」と考え、他の集団は彼らが「自己中心的」で「未熟」だと考える傾向がある
(文化が違うっていうのはこういうことなのかなぁ・そんなに手を洗うのいやなのか)
その他
-消化に問題?グルテンのせいにしない
Digestive Problems? Don’t Blame the Gluten
by WELLNESS LETTER Published May 06, 2020
小麦やその他の穀粒に含まれるタンパク質であるグルテンが、グルテン関連疾患をもたない人の消化の問題の原因になるという根拠はない、最初のRCTによれば。
Gastroenterologyに発表されたこの研究は28人の健康な、セリアック病ではないが何らかの消化の問題を報告した人が参加した。グルテン含有と非含有食を2週間食べて、消化管症状に差はなかった
-コンシューマーラボ
Q:どうやったらコロナウイルスの検査を受けられる?自宅検査はできる?どれがベストの検査?無料の検査はある?
How can I get tested for the coronavirus? Can I get a home-test for COVID-19? Which are the best tests? Are any tests free?
5/9/2020.
https://www.consumerlab.com/answers/how-and-where-to-get-tested-for-covid-19/covid-19-tests/
回答:それは大きな質問で、多くの人が現在感染しているのか、あるいは既に感染したのか免疫反応で抗体ができたのか知りたがっている。コロナウイルスの検査には大きな混乱があり、FDAは一部の検査開発者が彼らの検査をFDAが認可したと虚偽の主張をしていること、そして多くの市販の検査は質が悪いことを報告している。だから事実を確認することが重要である。
個別の検査に入る前に、コロナウイルスの検査のタイプについて簡単な概要から始めよう。
COVID-19検査のタイプ
基本的には二種類ある。ウイルスの検査と抗体の検査である。
(略)
これらの検査を誰がチェックしている?
検査を早く入手可能にするために、通常の認可プロセスを経ずに、不完全であってもその時には役に立つ可能性があるものにFDAは特別な緊急時使用容認(EUA)を提供している。従って実際にはFDAが「認可したapproved」SARS-CoV-2ウイルス検査は存在しない。しかし「FDAが容認したallowed」検査のリストがある。FDAの容認は検査製造企業が提出したデータに基づくが、NIHを含む政府の検査室が現在試験を実施中でその結果は公開させるだろう。世界中には他に検査を行ったり認証したりしている団体がある。EUは検査を認証してそれらにCEマークをつけている。中国医薬品局も同様である。カリフォルニア、デンマーク、他の研究者らは抗体検査の試験をしている。
検査を受けられる場所
ウイルス検査
これまでFDAが使用を許可したウイルス検査は60以上あるが多くは病院などで使うものである。しかし自宅で検体を集めることも認め始めた
抗体検査
予備的報告によると多くの迅速検査は宣伝されているほど正確ではないことが示唆されている。
(各製品値段や処方有無などの説明略)
-Judy Mikovitsのファクトチェック、ソーシャルメディアで拡散されている陰謀論動画でAnthony Fauciを攻撃している議論の多いウイルス学者
Scienceニュース
Fact-checking Judy Mikovits, the controversial virologist attacking Anthony Fauci in a viral conspiracy video
By Martin Enserink, Jon CohenMay. 8, 2020
ここ数日、ソーシャルメディアで爆発的に拡散している動画で、Judy Mikovitsが新型コロナウイルスは多くの人の死因ではないと主張している。彼女はこのウイルスについて困惑するような主張をしていて-例えばそれはフェイスマスクで「活性化される」という。Mikovitsはホワイトハウスのコロナウイルス対策本部のNIAID所長Anthony FauciをこれまでのHIV/AIDSパンデミックによる何百万人もの死者に責任があると非難しする。またMikovitsがHIVを発見し治療法を革新し科学的立場のせいで罪なく投獄されたと主張する。
Scienceはこの動画のファクトチェックをした。何一つ事実ではない。この動画は今後公開される予定の映画Plandemicの抜粋で、その映画は「我々の世界の健康システムを欺く科学的政治的エリートを暴露する」ことを約束する。YouTubeやFacebookなどのプラットフォームは不正確であるとして動画を削除しているが何度も投稿され続けている。
ところでJudy Mikovitsって誰?
Mikovitsは1988年にNCIのラボテクニシャンとしてキャリアを始めている。1991年にGeorge Washington大学から生化学と分子生物学でPh.Dを得て科学者になった。2009年まで民間研究所Whittemore Peterson研究所(WPI)の研究部長だったが科学界では概ね無名だった。しかし2009年にScienceに発表された、異種指向性マウス白血病ウイルス関連ウイルス(XMRV)というものが慢性疲労症候群(CFS)の原因だとする論文の共著になった。すぐにこの主張は他の科学者から疑問を提示されその後2年でこの論文の主張は崩壊した。最終的にこの論文は取り下げられたが、彼女は取り下げの文書に署名することを拒否した。この経緯についてはScienceのニュース部門が詳細に報道している。その間MikovitsとWPIは激しく仲違いし2011年11月にWPIがMikovitsを訴えている。彼女はカリフォルニアで逮捕され数日拘禁された。
Mikovitsは2012年以降学術文献は書いていないが、XMRV仮説を宣伝し始め問題を解決した研究を攻撃した。そして自閉症の議論に問題の多い原因や治療法で参加するようになった。彼女の経歴から一部の人達が彼女を殉教者とみなした。そして新しい本と動画である。
ScienceはMikovitsにインタビューを申し込んだが新しい本とパワーポイントの添付された空メールが帰ってきた。
以下に動画の主張と事実を示す
(略。日本でも動画をアップしている人達がいるようだ。動画はチェックしにくいせいかひどいのが多い)
-反GMO運動資金追跡:資金提供者とNGOの膨大なネットワークが作物バイオテクノロジーへの疑いの種を撒く
Anti-GMO Advocacy Funding Tracker: Vast network of donors and NGOs seed doubt about crop biotechnology
GLP Team | May 5, 2020
GMOの議論においては誰がダビデで誰がゴリアテか?反バイテク活動家は長い間モンサントなどの農業化学企業が人々の疑いにも関わらずGMOを支持するプロパガンダをお金で主導してきたと主張し続けている。しかしGLPが一年にわたって反GMO資金提供追跡を行ったところそれは事実ではないようだ。10年にわたる環境NGOの税の記録を調査したところ反バイテク活動のほうが遙かに多くのお金を使っていることを示す
(以下非常に長い記事。
-Lancet
我々の将来のために再結合:ランセットワンヘルス委員会
Reconnecting for our future: The Lancet One Health Commission
John H Amuasi et al.,
The Lancet VOLUME 395, ISSUE 10235, P1469-1471, MAY 09, 2020
2019年5月に初会合をオスロで開催したランセットワンヘルス委員会は世界中の多数の専門分野の24委員からなる。多くがワンヘルスアプローチを必要とする複雑な現代のグローバルヘルスの課題に学問分野を超えた協力で独創的な考えと解決法を生み出すことを目的とする。この中核となる動物-環境-人の接点を認識することにおいて、三つの異なるしかし相互に関連する次元を抽出した(図)
第一次元は共有環境。
第二次元は安全な食品とフードシステム。
大三次元は共有する医薬品と介入。
(概念図を作りましたという紹介)
オフライン:COVID-19への独立した科学助言-ついに
Offline: Independent science advice for COVID-19—at last
Richard Horton
VOLUME 395, ISSUE 10235, P1472, MAY 09, 2020
先週の新しく作られた独立した緊急時科学助言委員会(SAGE)の第一回記者会見でDavid King卿は「政府の目的は感染を抑制することなのかあるいは感染を管理することなのか?」と問うた。英国には今や二つのSAGEsがある。公式SAGEは過去3ヶ月の間に評判が崩壊した。理由の一部は委員や議事録の透明性欠如による。国家の緊急事態にSAGEの秘密主義は単純に許容できない。人々には政府にどんな助言がなされたのかを知る権利がある-その助言は命を守るだけではなく同時に生活を破壊するものでもあるからだ。なのに公式SAGEはエリートの無頓着のままだった。それは極めて英国的である:例外論者の傲慢さである。公的な組織が人々の説明して欲しいという気持ちに応えることは滅多にない。
それと大きく異なる独立SAGEは開催前から会員を公表し性や人種や専門分野を多様にした。会議はYouTubeで放送され人々は全て見ることができる
(以下略。これでエリートが規則破りとか報道されているのだから国民が一致団結して指示に従う、とはならないだろう。コミュニケーションの学問にいくら優れていても無理。)