2020-05-13

[Codex]COVID-19の間の食料安全保障を保護し食品貿易を促進する

Protecting food security and facilitating food trade during COVID-19

08/05/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1274005/

COVID-19パンデミックは、世界の食品サプライチェーンへの影響のために引き続き食料安全保障の脅威である。全ての国に課せられている、貿易促進を行いつつヒトや動植物の健康を適切に保護するためのシステムを整備するという責任が、現在の状況下では特に重要になっている。各国政府は協力して世界の農業や食品貿易を維持し機能させなければならない。コーデックスで策定したガイダンスは、ますます複雑になる国際貿易システムにおける透明性のあるルールに基づく貿易環境下での食品安全のための枠組みとなる。

食品の食品安全基準の確実な遵守を継続するだけでなく、パンデミックの原因となるウイルス伝播を減らすための措置も必須である。食品輸出入検査・認証制度部会(CCFICS)で策定された原則及びガイドラインのうち、現況に関連するものは以下の通り。

Guidelines for Food Import Control Systems (CXG 47-2003):食品の輸入管理システムの構築と運営のための枠組みを提供するガイドライン

Guidelines for the Design, Operation, Assessment and Accreditation of Food Import and Export Inspection and Certification Systems (CXG 26-1997):食品の輸出入の検査・認証システムで必要な信頼性を獲得し維持するためのガイドライン

Principles for Food Import and Export Inspection and Certification (CXG 20-1995):消費者保護及び貿易促進とともに最適な結果を確保するための検査・認証システムの原則

Principles and guidelines for the exchange of information between importing and exporting countries to support the trade in food (CXG 89-2016):輸出入国間で情報交換が必要となった場合に役立ち、簡略で調和のとれた情報交換を行うための原則

Guidelines for Design, Production, Issuance and Use of Generic Official Certificates (CXG 38-2001):政府の証明書についてのガイダンス

COVID-19パンデミックに関連して、ペーパーレス貿易の課題が徐々に重要になってきた。CCFICSでは電子認証に関する作業(CXG 38-2001の見直し)が行われており、この新しいガイダンスは、現代的でペーパーレスな貿易を推し進め、そのような貿易をより効果的かつ確実なものにする。COVID-19による制限の結果としてオンライン貿易の規模が拡大したことにより、e-コマースの規制に係わる問題も深刻になっている。これはCCFICSだけでなく、コーデックスコミュニティや各国の食品規制機関にとっても課題である。

(注:今年のCCFICS会合はキャンセルとなり、次回会合は2021年3月22~26日に開催予定)

 

[FSA]新興テクノロジーに対する消費者の考え方

Consumer Attitudes towards Emerging Technologies

17 April 2020

https://www.food.gov.uk/research/research-projects/consumer-attitudes-towards-emerging-technologies-0

 FSAが食品に関して消費者利益の保護を重視することを考慮すると、消費者の新興の及び最新の食品テクノロジー(遺伝子組換え食品、ナノテクノロジー、機能性食品、培養肉、新規食品等)に対する考え方を理解することは重要である。

背景

迅速エビデンス評価の対象となるテクノロジーは、遺伝子組換え(GM)食品、食品に適用されるナノテクノロジー、機能性食品、培養肉、(英国における)新規食品、例えば昆虫食・クローン動物由来食品・3Dプリント食品・食品に適用される合成生物学などである。

4つの公開対話イベントがウィグストン、スウォンジー、ベルファスト、ロンドンで開催された。この公開対話イベントでは、GM食品、食品のナノテクノロジー、クローン動物由来食品、培養肉、の4つのテクノロジーへの国民の意見をさらに調査した。

調査事項は次の通り:

消費者はこれらのテクノロジーをどのくらい受け入れるか、何がこの考え方を形成するのか

人口統計学やテクノロジーの種類により、どのように変化するか

時間がたつにつれて考え方はどのように変化しているか

重要な知見

調査したすべてのテクノロジーについて単一の決まった消費者の考え方が浮かび上がるわけではない。その理由は、一つには異なるテクノロジー固有の多様性であり、消費者の考え方に関する体系的な研究がないのも原因の一つである。

食品テクノロジーの一般的な認識は低く、クローン作成のように20年以上もメディアで取り上げられているケースでもそうである。

テクノロジーで発生する主な懸念は、「不自然さ」の感じ方、健康・動物の福祉・農業・環境に関する潜在的な影響である。これらのテクノロジーを促進する動機に信頼がないことも懸念につながった。

これらのテクノロジーに認識されている利点には、人口増加、農薬の使用削減、保存期間の延長、廃棄物削減、品質改善やより多くの収穫量がある。

食品テクノロジーへの考え方は適用の種類や背景によっても異なる。

肯定的と否定的な考え方両方を同時に持つように、考え方の両面性は一般的である。

価格が影響する。消費者は手ごろな価格で手に入れられるなら喜んでGM食品を買い、健康上の利益があっても、もっと高かったら、ナノテクノロジーを含む食品を進んで買うことはない。

 

[BfR]消費者の健康保護:人口の半分以上が国の当局を信頼

Consumer health protection: Over half of the population trusts state authorities

13/2020, 29.04.2020

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2020/13/consumer_health_protection__over_half_of_the_population_trusts_state_authorities-245107.html

 BfR消費者モニターである14才以上の約1,000人を対象にしたアンケート調査の第10回目の結果を報告する。この調査は6ヵ月毎に実施している。調査では消費者がどのような健康リスクを知り、何を心配しているのかを質問した。

 回答者の3/4はドイツの食品は安全だと考えており、54%は当局が自分たちの健康を保護していると考えている。この数値は2019年8月の調査結果よりも5%上昇した。2020年2月時点で、1.4%が新規コロナウイルスに健康リスクがあると自発的に回答した。新規コロナウイルスについては別途、特別シリーズでアンケート調査を実施している。

 気候と環境汚染、不健康な食事、喫煙が健康リスクのあるものとして再び上位となり、今回の調査で初めて、交通量、大量のプラスチック、政治又は経済が上位10内に入った。2019年8月の調査時と同じく食品中のマイクロプラスチックと抗菌剤耐性が最も心配であるとの回答が多かったが(60%以上)、食品包装中のアルミニウムについては昨年時よりも心配している人の割合が増加し、一酸化炭素は逆に減少した。他に減少が見られたのは、食品中のカビ毒、家庭での食品衛生などであった。

 

[BfR]電子タバコ:多くの人は健康リスクを認識

E-cigarettes: Majority of the population sees health risks

27.04.2020

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2020/09/e_cigarettes__majority_of_the_population_sees_health_risks-245032.html

 電子タバコに関する消費者モニターへの特別調査を実施した。対象者は14才以上の約1,000人。電子タバコは、使用中にカートリッジ中のニコチン含有の液体が蒸気になる。ニコチンだけでなく、その他の成分や不純物が健康リスクをもたらす可能性がある。

 回答者の1/4が喫煙者であったが、現時点では約6%が電子タバコを利用し、2/3は従来型のタバコを利用していた。大部分の回答者(84%)が電子タバコに健康リスクがあると認識し、電子タバコ利用者でも65%は健康リスクがあると考えている。リスクがあると思うのは、肺への影響とがんであった。電子タバコと従来型のタバコのどちらがより健康リスクが高いか質問すると、37%は同等に高いと回答し、残りの回答者は半々の割合で電子タバコか従来型の一方を回答した。だが、電子タバコの利用者のうち67%は従来型よりもリスクが低いとみなしていた。電子タバコについて肯定的な利用者たちは、香りが好ましい、禁煙しやすい、従来型よりも有害でないという意見で、全くタバコを吸わない人たちはこの意見に同調しない。ただし回答者の5人に1人は電子タバコはタバコを止めるのに良いだろうと考えているが、回答者全体の約半数は電子タバコは禁煙に適していないと考えている。

 2012年にBfRはすでに電子タバコリキッドのいくつかの成分について評価しており、その蒸気は健康を害する可能性があるという結論を得ている。回答者の3人のうち約2人は、電子タバコも含めたたばこの禁止に賛同している。BfRは電子タバコよりも従来型のタバコの方がリスクははるかに高いと指摘しているが、電子タバコはリスクフリーの代替品というわけではない。

 

[ANSES]ロックダウン中に食事から十分なビタミンDを摂るように

Ensuring sufficient vitamin D intake through diet during lockdown

News of 17/04/2020

https://www.anses.fr/en/content/ensuring-sufficient-vitamin-d-intake-through-diet-during-lockdown

ビタミンDは骨と筋肉組織の維持や免疫系を高めるという重要な役割を果たしている。現在COVID-19が流行する中で、私たちの免疫の防御力は特に強力に機能する必要がある。私たちは脂肪の多い魚、チーズ、卵黄などの食品からビタミンDを摂取している。ANSESは現在のロックダウン中だけでなく、一年中、特に高齢者、褐色人種や黒色人種、更年期の女性が十分な量を確保する重要性を繰り返し述べている。これらの集団では、長期間にわたり摂取が不十分だと、骨が弱く骨折のリスクが高くなり、免疫防御力の低下につながる。ANSESは既に食品棚にありそうな、あるいは次に買い物に行く時に買い物かごに追加できそうなビタミンDの豊富な食品リストを作成した。

ビタミンD欠乏症は骨折のリスクを高める

ビタミンDは私たちの身体が効果的に機能するために必要である。私たちは毎日のビタミンDの必要性を、日光に肌をさらす、ビタミンDの豊富な食品を食べる、の2通りの方法で担っている。ビタミンD摂取量が不十分だと、骨量が低下し、それにより骨折のリスクが高まる。ロックダウン中のように特に身体活動量が少ないと、これらのリスクは高い。

1週間に魚2切れ、そのうちの1切れは脂肪の多い魚を食べるとビタミンD摂取量に大きく貢献する

ビタミンDは多くの脂肪の多い食品に含まれている。ロックダウン中でなくても、体の需要を満たすために定期的にこれらの食品を食べることが重要である。

<ビタミンDが多いのはどの食品?>

ビタミンDは主に次のものに含まれている。

・脂っこい魚:ニシン、イワシ、サケ、サバ

・内臓(特に肝臓)

・卵黄

・ビタミンDを強化した乳製品

・バターとマーガリン

・チーズ

・肉

 ANSESはビタミン源を忘れずに一年中多様な食事を食べる重要性を繰り返し述べている。できる限り新鮮な魚を食べよう。これは食品棚を片付けるのにもよい機会である。イワシ、ニシン、サバなどの缶詰の魚はビタミンDが豊富である。

高齢者、褐色人種・黒色人種、更年期の女性は骨の健康不良と免疫力低下のリスクが高い

ビタミンD摂取量が不十分でリスクの高い人もいる。ロックダウンは骨密度を下げ、骨折のリスクを高めて骨の健康に影響を与える恐れがある。ANSESはリスクのある人々に食事を通して十分なビタミンDを摂取することの重要性を繰り返し述べている。すなわち、高齢者、日光を浴びてもビタミンDの合成効率が低い褐色人種や黒色人種、ホルモンの乱れが骨の脱灰を促進する更年期の女性は骨折のリスクが高い。

だが、ビタミンDを含むフードサプリメントの摂取は、血中のカルシウムを増大させる高カルシウム血症になるほどの過剰な摂取量になる可能性がある。これは組織を石灰化する可能性があり、その結果、心臓と腎臓に影響する。

ANSESは、ビタミンD摂取量が不十分になる可能性を埋め合わせるフードサプリメントは、食事療法か医学的助言に関してのみ服用する必要があり、特に多くの場合では、食事から、あるいは日光を浴びることで必要なすべてのビタミンDを得られると繰り返し述べた。これらの2つの方法で必要量を満たしていることを確認するだけでいい。

庭、テラス、バルコニー、窓から毎日15分間、肌に日光を当てよう。

ロックダウン中に家にいて、庭がなければ、日光を浴びることでビタミンDを合成するのはさらに難しい。健康な成人の必要量を満たすのに必要なビタミンDの一日摂取量が得られなくても、春には、15~20分間、毎日、手、前腕、顔を日光に当てよう。庭、テラス、バルコニーがないなら、有害影響(日焼け)への予防策を取りながら、開けた窓から肌を日光に当てよう。

*追加情報

・CIQUAL:フランス食品成分表

CIQUAL : french food composition table

https://ciqual.anses.fr/

・ビタミンDに関する記事

Our article Vitamin D

https://www.anses.fr/en/content/vitamin-d

・魚を食べよう:なぜ?どのくらい?魚を食べるためのANSESの推奨

Eat Fish: Why? How? The Agency’s recommendations for eating fish

https://www.anses.fr/en/content/eat-fish-why-how-0

 

[FDA]コロナウイルスパンデミック期間の良い栄養と更新栄養成分表示を使うコツ

Tips on Good Nutrition and Using the Updated Nutrition Facts Label During the Coronavirus Pandemic

04/29/2020

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/tips-good-nutrition-and-using-updated-nutrition-facts-label-during-coronavirus-pandemic

 COVID-19パンデミックは、食べることも含めて我々の日常の多くのことを変化させた。あなたも包装済み食品を保管したり、いつも以上に家で料理をしているだろう。それと合わせて、あなたと家族がより健康的な食事ができる方法を考えたいと思っていることだろう。栄養成分表示は、オンラインや店舗で購入する食品について、特に食品のサプライチェーンの混乱のためにいつもと違う食品を購入するような場合に、より多くのことを学ぶのに役立つ。バランス良く健康的な食事を計画するのに、ラベルに書かれた情報を利用できる。FDAは最近、栄養成分表示についていくつかの更新を行い、多くの製品に適用されているので紹介しておこう。

カロリーがより大きく、太字で表示されるようになった

いくつかの食品の1食分が実態をより反映させて更新された

添加糖、ビタミンD、カリウムが表示されるようになった

一日摂取量(DV: Daily values)が更新された。パーセント一日摂取量(%DV)は、その食品の1食分の栄養素が一日分に占める割合を示す

 食物繊維、ビタミンD、カルシウム、カリウムが多い食品や飲料を選び、飽和脂肪やナトリウム、添加糖が多いものは少なくすることが健康リスクを減らすことに役立つ。%DVはバランスを考えて食品を選ぶのに役立つものである。

ここに、いくつかの栄養素の秘訣を紹介する。カロリーは消費と摂取のバランスを考える。一般的な一日消費エネルギーは2000カロリーである。ナトリウムのDVは2,300 mg/日で、減らしたければ減塩や無塩という表示を探そう。添加糖のDVは50 g/日である。食物繊維のDVは28 g/日であり、表示に全粒の穀類を使用しているものを探そう、など。

 

[FSANZ]輸入食品に関するFSANZの助言

FSANZ advice on imported food

(April 2020)

https://www.foodstandards.gov.au/consumer/importedfoods/Pages/FSANZ-advice-on-imported-food.aspx

私たちは輸入食品が公衆衛生や安全性に中~高程度のリスクをもたらす可能性があるかどうかについて、農業・水・環境省に助言を提供している。農業・水・環境省は国境での食品の安全性を管理するのにこの助言を使用している。

農業・水・環境省は、オーストラリアの公衆衛生及び安全性の要件を満たすことを確認し、Australia New Zealand Food Standards Codeへの準拠を保証するために輸入食品を検査している。輸入食品検査計画についての情報や、輸入食品についてのよくある質問への答えはこの省庁のウェブサイトをご覧ください。

私たちは食品安全性リスクを決定するのに根拠に基づいたアプローチを取っている。私たちの輸入食品リスク評価文書は、どのようにオーストラリアへの輸入食品の食品安全リスクを評価したのかを説明している。完了した評価が以下に記載されている。

特定の国々からの肉、果物、卵、野菜、乳製品などの食品にはバイオセキュリティ制限も設定されている。

完了した輸入食品リスクステートメント(表とリンク)

 

[HSA]HSAは詐欺的COVID-19関連の宣伝をしていた1,700以上の健康製品をリストアップし1,600以上の個人や企業に警告

HSA Removed More than 1,700 Listings of Health Products Making Fraudulent COVID-19 Related Claims; Warnings Issued to Over 1,600 Individual Sellers and Companies

Published: 6 May 2020

https://www.hsa.gov.sg/announcements/press-release/healthproductsmakingfraudulentcovid19claims

 HSAは、COVID-19の予防、治療、診断用であるとウソで誤解をまねく宣伝の健康製品を取り締まるために、e-コマースや小売店の強化サーベイランスを実施した。

2020年2月以降、詐欺的な宣伝のために1,700製品を排除し、1,600以上の販売者や企業に警告文書を発送した。家庭用キット、ヘルスサプリメント、ハーブ、伝統医薬品、ハンドサニタイザーなどの製品が該当した。これらの製品を写真とともに提示する。

家庭用検査キットの違法販売

本日までに、HSAはCarousell、Lazada、Shopee、Ebay、Facebookなどでのe-コマース販売用のCOVID-19検査キットを40件以上確認し排除した。これらの検査キットの販売者は、「ほぼ2分で陽性を検知できる」「95%の精度で10分以内に結果がでる」「10分以内にCOVID-19を診断できる」といった詐欺的な宣伝をしていた。検査キットは10~290ドルで販売されていた。HSA査察で、どの販売者も在庫をかかえず、受注に応じて海外から輸入のみ行っていた。

HSAは家庭用のどのようなCOVID-19検査キットも承認していない。これらの検査キットは政府機関による検証はされておらず、設計も技術的にも不正確で誤診となる可能性がある。

現在、シンガポールにおけるCOVID-19検査は、正確な検査結果と診断を得るために臨床検査機関か病院の専門家のみが実施している。体調の悪い方は医師の助言を仰ぐように。消費者が未承認の検査キットを勝手に使用することは、偽陰性のために誤った認識や気づかないうちにCOVID-19の拡散リスクにつながり、また適切な治療を遅らせることにもなる。

ウソで誤解を招く宣伝の健康製品

 多くの販売者と企業が、COVID-19の予防や対抗できるものとして一連の製品を宣伝している。HSAは100以上のオンラインリストを確認して排除し、その販売者や企業に警告した。製品には、ヘルスサプリメント、伝統医薬品、ハーブレメディ、プロバイオティクスが含まれていた。オンライン販売されていた「朝鮮人参(red ginseng)」や「ハワイスピルリナ(Hawaiian spirulina)」などのヘルスサプリメントは「コロナウイルスに良い」と宣伝されており、TCMクリニックでは「コロナウイルスから守る」のに役立つとしてハーブフレグランスの袋が売られていた。他の製品の宣伝には、「免疫系を強化してCOVID-19を予防」「COVID-19の予防のためにVit Cを使おう」などがある。

これらの製品の大部分は一般的な健康に向けたもので、COVID-19の予防や治療ができるという科学的根拠はない。これらの詐欺的な宣伝は、現在のパンデミックの危険性を回避できるかもしれないという誤った印象を与える。

手/身体用のサニタイザー及び消毒スプレーの誤解を招く宣伝

手と身体用のサニタイザーについても誤解を招く宣伝がされている。HSAはそのような宣伝をした販売者と企業に650件以上の警告文書を発送している。それらの宣伝には「コロナウイルスを防ぐ」「コロナウイルスを含むウイルスを殺す」「ストップ コロナウイルス」などがある。消費者には、石鹸と水で定期的に手を洗うことが最善であると助言する。石鹸と水を利用できない場合はハンドサニタイザーを利用することもできるが、手がひどく汚れている場合には全て殺せるわけではない。

HSAの助言

「消費者は、HSAがCOVID-19の診断や治療用として承認した、家庭用検査キットやヘルスサプリメント、ハーブレメディ、消費者製品は存在しないことを知っておくこと。販売者の巧みな販売策略に落ちないように。これらの未承認レメディに無駄遣いすることなく、誤った認識で不必要なリスクを自分や周囲の人々に負わせないように。」とHSAの健康製品規制部門長のChan Cheng Leng准教授は述べた。

Mount Elizabeth病院の感染症専門家であり医薬品助言委員会のメンバーでもあるLeong Hoe Nam医師はこう付け加える。「多くのたちの悪い販売業者は民衆の恐怖心を食いものにして、未承認の検査や治療用製品を売り出し、サニタイザーを誇大宣伝する。これは誤解をまねくだけでなく、倫理的にも不当行為である。これらの策略に対して民衆は慎重になるべきだ。宣伝内容があり得ないものであればあるほど、その製品は偽物であろう。餌食にならず、被害者にもなってはいけない。事実を確認し安全でいよう。」

HSAは調査を継続する。疑わしい販売や宣伝に気づいたらHSAへ連絡して欲しい。

販売・供給業者への助言

HSAは販売者や業者に向けて、製品がCOVID-19のような疾病の予防や治療ができるとウソで誤解を招く宣伝をしないよう再度注意する。COVID-19に関連した宣伝をするには適切な科学的根拠の裏付けが必ず必要であり、HSAによる評価と登録も必須である。ウソの宣伝をした製品の販売者は起訴の対象となり、有罪の場合は最大12か月間の投獄か20,000ドルの罰金が科せられるだろう。

医薬品や健康製品をインターネット上で取り扱う場合には、先ずは規制要件や管理に精通するようにすること。そうすることが、不注意な違反を避けることにつながる。

 

[FSSAI]FSSAIはCOVID 19パンデミックの中食品事業を手助けする

FSSAI facilitates food businesses amid COVID 19 pandemic

May 12, 2020

https://fssai.gov.in/upload/press_release/2020/05/5ebaa67de1cdaPress_Release_COVID_12_05_2020.pdf

FSSAIはCOVID 19パンデミックに対応して食品業界を援助するいくつかの対策をとっている。食品安全衛生ガイドラインの発行やトレーニングの提供など。

またデマ対策も必要である。これまで何度か冷凍食品、冷たくして食べる食品/チルド製品などがCOVID-19を拡散すると称して輸送・保管・販売できないという報告があった。FSSAIは州や地域にそのような制限はFSSAIのガイダンスに従っていないと指示した

(冷たいものはダメってどこから来たんだろう?)

 

[WHO]WHO声明:喫煙とCOVID-19

WHO statement: Tobacco use and COVID-19

11 May 2020

https://www.who.int/news-room/detail/11-05-2020-who-statement-tobacco-use-and-covid-19

タバコは世界中で毎年800万人以上を殺している。そのうち700万人は直接喫煙によるもので約120万人は受動喫煙による。

喫煙は多くの呼吸器感染症のリスク要因で呼吸器疾患の重症度を増す。2020年4月29日にWHOの招集した公衆衛生専門家によるレビューで、喫煙者は非喫煙者に比べてCOVID-19が重症になりやすいことを発見した。

現時点でタバコまたはニコチンがCOVID-19の治療や予防と関連することを確認するには情報不足である

 

[DHSC]コロナウイルスとの戦いでヒトゲノム配列決定の新しい協力

New partnership to sequence human genomes in fight against coronavirus

Published 13 May 2020

https://www.gov.uk/government/news/new-partnership-to-sequence-human-genomes-in-fight-against-coronavirus

科学者がウイルス感受性に遺伝が影響するかどうかを理解するのに役立てるためコロナウイルスで重症になった数千人の患者の遺伝子配列を研究する

Genomics Englandがエジンバラ大学と協力して研究を主導する

 

[フィンランド食品局]食品局のウイルスラボがコロナウイルス検体の分析を始める

Food Authority’s Virology Unit laboratories begin to analyse coronavirus samples

May 11/2020

https://www.ruokavirasto.fi/en/laboratory-services/News/food-authoritys-virology-unit-laboratories-begin-to-analyse-coronavirus-samples/

食品局のウイルスラボがコロナウイルス分析を始める、約100検体/日程度

食品局は患者の検体採取をしたり検査された人に連絡したりすることはない、検体分析のみを行う。

食品局のウイルス部門は日常的にウイルス分析を行ってきた。今回医療を援助するためコロナウイルス分析の準備をした

 

[RIVM]アルコールの最低ユニット価格設定-有効性、履行の側面、オランダの価格政策のためのシナリオの初期研究

Minimum Unit Pricing for alcohol – Initial study of effectiveness, implementation aspects, and scenarios for price policies in the Netherlands

12-05-2020

https://www.rivm.nl/publicaties/minimum-unit-pricing-voor-alcohol-verkenning-van-effectiviteit-implementatieaspecten-en

 

論文

-出産前のアルコールとタバコへの暴露と新生児の脳の活動の関連

Association Between Prenatal Exposure to Alcohol and Tobacco and Neonatal Brain Activity

Results From the Safe Passage Study

Lauren C. Shuffrey et al., JAMA Netw Open. 2020;3(5):e204714.

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2765785

1739組の母子で出産前のアルコールとタバコ暴露と新生児の脳波記録の関連を調べた。

 

-Journal of Dental Researchの研究:フッ素添加は骨肉腫の増加と関連がない

Journal of Dental Research study: Fluoridation is not associated with increase in osteosarcoma

12-MAY-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/iaa-jod051220.php

米国の病院でのマッチさせた症例-対照研究で地域の水にフッ素を添加することと骨肉腫増加の関連はなかった

 

その他

-NGOがEFSAの新しい複数農薬研究を「目的にそぐわない」と異議申し立て

NGO challenges new EFSA studies on multiple pesticides as ‘unfit for purpose’

05-05-2020  By Natasha Foote | EURACTIV.com

https://www.euractiv.com/section/agriculture-food/news/ngo-challenges-new-efsa-studies-on-multiple-pesticides-as-unfit-for-purpose/

EFSAの甲状腺系への慢性影響と神経系への急性影響についての累積リスク評価について、農薬反対NGO団体Pesticide Action Network Europe (PAN)が批判。実際に混合物を投与した実験をしていないという。これに対してEFSAは個々の物質の膨大な組み合わせで必要になる動物の苦しみを考慮すると想定されないと回答。

 

-オンタリオではCOVID-19パンデミックの6週間で手術件数が72000件少なかった

72,000 FEWER SURGERIES PERFORMED IN ONTARIO OVER SIX WEEKS OF THE COVID-19 PANDEMIC

11.05.2020

https://www.qpbriefing.com/2020/05/11/72000-fewer-surgeries-performed-in-ontario-over-six-weeks-of-the-covid-19-pandemic/

オンタリオの中央医療機関が公表したデータによると、前の年に比べて6週間で72000件手術が少なく、がんなどの診断のためのCTやMRIも13万件以上少なかった

3月半ばにCOVID-19症例が増加するのに備えて病院に緊急でない手術等を減らすよう指示したため

(図表あり)

既に待ち時間が長い医療がさらに未処理を増やしている

(カナダは病院がほぼ公立で皆保険だけれどとにかくみてもらえないので有名。国の命令でCOVID-19には備えることができたかもしれないけれどそのため他の病気は犠牲に。日本は民間病院が多く緊急対応は遅いけれどおそらく他の医療にはここまで影響してないはず)

 

-コロナウイルス:慈善団体はがんサービス再開を懇願する

Coronavirus: Charities plead for restart to disrupted cancer services

By Lisa Summers  12 May 2020

https://www.bbc.com/news/uk-scotland-edinburgh-east-fife-52626409

がん慈善団体がスコットランド政府にCovid-19によって中断されたがんサービスを安全に再開する計画を急いで作るようよびかける

 

-死亡ドナーからの臓器移植はコロナウイルス危機で急落

Organ transplants from deceased donors plummet amid coronavirus crisis

May 12, 2020, By The Associated Press

https://www.nbcnews.com/health/health-news/organ-transplants-deceased-donors-plummet-amid-coronavirus-crisis-n1204831

米国では約半分に、フランスでは90%減少したとLancetに報告

生体臓器提供も減少している。UNOSによると米国の緊急事態宣言のあった3月第二週は151件、4月5日の週は16件

 

-Natureワールドビュー

パンデミック研究者たち-自分で最良の批判者を採用しよう

Pandemic researchers — recruit your own best critics

11 MAY 2020  Daniël Lakens

https://www.nature.com/articles/d41586-020-01392-8

拙速な科学から守るために、あなたの研究に圧力試験を構築せよ

自分の科学の間違いを探すのが理想的だがそういうことは滅多に行われない。批判に対してオープンであることは研究者が思うほど一般的ではない。公式メカニズムとしてピアレビューや出版プロセスがあるがプレプリントでは間違いが発見されるのはしばしば広がった後である。「意図して反対する人」を採用して欠点を探し質をあげる仕組みを採用すべきである

(実際には難しいこと等も)

 

-コロナウイルス:接触者追跡のためのレストランの顧客記録は良いアイディア

Coronavirus: Restaurant Customer Logs For Contact Tracing Are A Good Idea

By Alex Berezow, PhD — May 12, 2020

https://www.acsh.org/news/2020/05/12/coronavirus-restaurant-customer-logs-contact-tracing-are-good-idea-14782

ワシントン州のレストランが食事提供を再開するために、顧客の名前の記録と接触者追跡が必要になった場合に接触情報を要求させることになる。これはコロナウイルス対策のためだけではなく食中毒アウトブレイクにとっても良いアイディアである

(アメリカ、食中毒全然減らないという報告がCDCからでたばかり)

 

-ウイルスの専門家はメッセージを出せていない

Virus Experts Aren’t Getting the Message Out

RENÉE DIRESTA MAY 6, 2020

https://amp.theatlantic.com/amp/article/611218/

もし当局が人々のもっと知りたいという熱望を満足させることができなければ、他の人達がその空白をデマで埋めるだろう

2019年末のサモアでのはしかのアウトブレイクの事例

2018年に不適切な予防接種で二人の子どもが死亡したあと予防接種率が34%にまで落ち込んでいたところにアウトブレイクがおこった。サモア政府が緊急事態を宣言し情報提供を行ったがいつもの反ワクチン活動家が陰謀論をばらまき予防接種キャンペーンを妨害した。事情をよく知らない人にとって、MMRワクチンに反対しパパイヤの葉の抽出物とビタミンCで治せと主張するココナツ農家のEdwin Tamaseseは政府に立ち向かう民衆のヒーローに見えただろう。サモア政府が彼を逮捕してからはさらに「Edwinを解放せよ」キャンペーンが行われた。

サモアの保健当局はオンラインのデマにもっと上手にカウンターする必要があった。事実よりデマの方が多いことは疾患のアウトブレイク時には危険である。だからWHOやCDCは健康に関するデマに取り組み始めた。しかしCDCやWHOやその他保健当局は現在の情報の出回り方に適応できていない。報道専門家向けのプレスリリースやファクトシートはソーシャルプラットフォームのスタイルとスピードには向いていない。

我々は情報過多の中で生きている。毎秒作り出されるコンテンツの量は人間が注目できる限界を超えている。キュレーションアルゴリズムに支配されるインターネットスフィアでは情報の正確性や権威が拡散理由にはならない。しかし事態は変わり始めた。主要ソーシャルメディアプラットフォームがデマ対策を始めた

(以下COVID-19に関するアメリカの状況。大統領がアレなのでカオス。マスクについての変更もあった)

最終的にサモアのはしかアウトブレイクを緩和したのはフェイスブックのインフルエンサーではなく、人々に直接話をした公衆衛生担当者や専門家であった。