2020-05-22

[EFSA]意見等

-いくつかの食品の成分として、食品添加物加工澱粉の、およびグルコースシロップの製造に使用される大麦澱粉についてのLyckeby Starch ABからの表示免除準拠通知に関する科学的意見

Scientific Opinion related to a notification from Lyckeby Starch AB on barley starch to be used in the manufacturing of several foods as ingredient, of the food additive modified starch and of glucose syrups pursuant to Article 21(2) of Regulation (EU) No 1169/2011 – for permanent exemption from labelling

EFSA Journal 2020;18(5):6118  15 May 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6118

欧州委員会の要請を受けて、EFSAの栄養・新規食品及び食品アレルゲンに関するパネルは、EU規則No 1169/2011条項21(2)に従って、Lyckeby Starch AB社が届け出た、成分として数種類の食品の、食品添加物加工澱粉の、およびグルコースシロップの製造に使用される大麦澱粉についての意見を出すよう求められた。申請者は製造工程に関する情報と、大麦澱粉の総タンパク質、グルテン、アレルゲンタンパク質の含有量に関するデータを提供した。申請者はin vitro IgE‐結合試験も実施したが、パネルに決定的ではないとみなされた。穀物アレルギーのある人の大麦澱粉加水分解物を用いた二重盲検食物負荷試験(DBPCFC)以外の大麦澱粉あるいはそれに関する食品を用いたヒト介入試験は申請者から提出されなかった。パネルは、大麦ベースのグルコースシロップはすでにEU規則No 1169/2011の付属文書Ⅱの通りアレルゲン表示から免除されており、この申請が大麦澱粉から製造するすべての食品表示からの免除のためだということに注意した。予想される摂取量を考慮した全てのシナリオで、大麦澱粉から算出された総タンパク質摂取量は、成人(10 mg)と子供(2 mg)で小麦のMED/MOED (小麦タンパク質をmgで表現した)を上回った。パネルは、申請者が提案した使用条件で大麦澱粉の摂取による穀物アレルギーのある人の有害アレルギー反応の可能性について結論するには、入手可能なデータは不十分であると結論した。また、「グルテンフリー」食品のグルテンの値(20 mg/kg)を超えなければ、出発原料(原材料)として大麦澱粉から生産された食品の摂取、または成分としての大麦澱粉を含む食品は、穀物にアレルギーのないセリアック病の人に有害反応を引き起こしそうもないと結論した。

 

-遺伝子組換えナタネMS11の食品及び飼料としての使用、輸入、加工のための評価

Assessment of genetically modified oilseed rape MS11 for food and feed uses, import and processing, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA‐GMO‐BE‐2016‐138)

EFSA Journal 2020;18(5):6112  14 May 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6112

ナタネMS11は雄性不稔性とグルホシネート-アンモニウムを含む除草剤への耐性を与えるために開発されてきた。この申請や申請書EFSA‐GMO‐BE‐2016‐138の範囲に従って提出された情報に基づき、遺伝子組換え生物(GMO)のパネルは、この分子特性データやバイオインフォマティック分析は食品/飼料の安全性評価を必要とする問題を特定しないと結論した。ナタネMS11と従来の比較種とでは、検査された農学/表現型の特徴に確認された違いはどれもさらなる評価を必要としない。適切な組成データセットがないため、組成分析の結論は出せなかった。ナタネMS11に発現するBarnase, Barstar および PAT/barタンパク質に毒性学やアレルギー誘発性の懸念は確認されなかった。組成分析の不完全性のため、ナタネMS11の毒性学的、アレルギー誘発性および栄養評価は完成できなかった。生きたナタネMS11の種子が偶然環境中に放出された場合でも、ナタネMS11は環境の安全性の懸念を生じなかった。市販後環境モニタリング計画と報告間隔はこの申請の範囲に従っている。ナタネMS11は雑種種子の生産にだけ使用されるようデザインされているため、食品/飼料に使用する独立した製品として商品化される予定はない。従ってナタネMS11から収穫された種子は、偶然を除いて食品/飼料チェーンに入り込むことは予想されていない。これに関連してGMOパネルは、ナタネMS11はヒトと動物へのリスクをもたらすことはないが、環境暴露の規模は独立型の製品と比較して大幅に減少するだろうと注記した。

 

-新規食品としての3’-シアリルラクトース ナトリウム塩の安全性

Safety of 3’‐Sialyllactose (3’‐SL) sodium salt as a novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2020;18(5):6098  14 May 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6098

欧州委員会の要請を受けて、EFSAの栄養・新規食品及び食品アレルゲンに関するパネル(NDA)は、EU規則2015/2283に従って新規食品(NF)としての3’-シアリルラクトース ナトリウム塩(3’‐SL)に関する意見を出すよう求められた。このNFは主にヒトと同一のミルクオリゴ糖(HiMO) 3’‐SLでできているが、D-ラクトース、シアル酸、ごくわずかの他の関連するオリゴ糖も含んでおり、その結果、完全にキャラクタリゼーションされた炭水化物の混合物になっている。このNFはEscherichia coli K‐12 DH1の遺伝子組換え株で発酵により作られている。このNFの製造工程、組成、規格について提出された情報は安全上の懸念を生じない。申請者はこのNFを、乳児用及びフォローアップミルク、乳幼児用食品、特定医療用食品、食品サプリメントを含む様々な食品に添加することを目的としている。対象集団は一般人である。提案された最大使用量で、このNF由来3’‐SLに想定される一日摂取量は、体重ベースで母乳を与えられている乳児の天然に生じる3’‐SLの摂取量を超えそうもない。体重ベースの母乳を与えられている乳児の3’‐SLの摂取量は他の集団グループでも安全だと予想される。構造的に3’‐SLに関連する他の炭水化物類の化合物の摂取量も安全上の懸念はないと考えられている。NFを添加した他の食品(乳児や幼児用の母乳、牛乳、発酵乳ベース製品、乳糖を保持している厳選されたチーズ(例えばカードチーズ)も同様)が同じ日に摂取される場合、食品サプリメントが使用されることは意図されていない。パネルは、このNFは提案された対象集団に提案された使用条件で安全だと結論している。

 

-新規食品としての6′-シアリルラクトース ナトリウム塩の安全性

Safety of 6′‐Sialyllactose (6′‐SL) sodium salt as a novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2020;18(5):6097 14 May 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6097

欧州委員会の要請を受けて、EFSAの栄養・新規食品及び食品アレルゲンに関するパネル(NDA)は、EU規則2015/2283に従って新規食品(NF)としての6′-シアリルラクトース ナトリウム塩(6’‐SL)に関する意見を出すよう求められた。このNFは主にヒトと同一のミルクオリゴ糖(HiMO) 6’‐SLでできているが、D-ラクトース、シアル酸、ごくわずかの他の関連するオリゴ糖も含んでいる。このNFはEscherichia coli K‐12 DH1の遺伝子組換え株で発酵により作られる。このNFの製造工程、組成、規格に関して提出された情報は安全上の懸念を生じない。申請者はこのNFを、乳児用及びフォローアップミルク、乳幼児用食品、特定医療用食品、食品サプリメントを含む様々な食品に添加することを目的としている。対象集団は一般人である。提案された最大使用量で、このNF由来6’‐SLに想定される一日摂取量は、体重ベースで母乳を与えられている乳児の天然に生じる6’‐SLの摂取量を超えそうもない。体重ベースの母乳を与えられている乳児の6’‐SLの摂取量は他の集団グループでも安全だと予想される。構造的に6’‐SLに関連する他の炭水化物類の化合物の摂取量も安全上の懸念はないと考えられている。NFが添加された他の食品や母乳が同じ日に摂取される場合、食品サプリメントが使用されることは意図されていない。パネルは、このNFは提案された使用条件で安全だと結論している。

 

[WHO]世界禁煙デー

World No Tobacco Day

31 May 2020

https://www.who.int/news-room/campaigns/world-no-tobacco-day/world-no-tobacco-day-2020

#TobaccoExposed

若者を標的にしたタバコ業界の戦略を暴くキャンペーン

WHOは若い世代がタバコフリーになることを目指す戦いへの参加を呼びかける

 

[FSANZ]遺伝子組換えジャガイモ系統に意見募集

Call for comment on genetically modified potato lines

22/05/2020

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-comment-on-genetically-modified-potato-lines.aspx

-食品基準通知

Notification Circular 124-20

22 May 2020

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular12420.aspx

食品基準通知

Innate ジャガイモ系統 V11 & Z6由来食品について、7月9日までパブリックコメント募集

 

[FTC]FTCはCOVID-19の予防や治療に有効だと立証されていない宣伝を止めさせるためさらに50の警告文書を送っている

FTC Sends Letters Warning 50 More Marketers to Stop Making Unsupported Claims That Their Products and Therapies Can Effectively Prevent or Treat COVID-19

May 21, 2020

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2020/05/ftc-sends-letters-warning-50-more-marketers-stop-making

パンデミックが続く中対象となる製品の幅はさらに曖昧に

(企業名略、カテゴリーのみ)

サプリメントと中国ハーブ治療

ホメオパシー

ネブライザー(噴霧器)

オゾン療法、静注/ハイドロセラピー(水治療)

パルス電磁場療法、スカラー波

 

-事業者向けブログ

さらに50のFTC警告文書は疑わしいコロナウイルス宣伝に「もう十分」という

50 more FTC warning letters say “Enough!” to questionable coronavirus claims

By: Lesley Fair | May 21,

https://www.ftc.gov/news-events/blogs/business-blog/2020/05/50-more-ftc-warning-letters-say-enough-questionable

50社がどう宣伝して何を売っていたか記載

 

論文

-母乳からSARS-CoV-2検出

Detection of SARS-CoV-2 in human breastmilk

Rüdiger Groß et al.,

The Lancet

Published:May 21, 2020DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20)31181-8

授乳中の母親二人を対象に調べた。一人の母乳からは検出されている

 

-ある種の環境化学物質は腎臓の健康状態の悪さに関連

Certain environmental chemicals linked with poor kidney health

21-MAY-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/ason-cec051420.php

CJASNに発表される46748人のアメリカ成人の血液と尿の解析

・血中と尿中コチニン(タバコの成分)と血中2,5-ジメチルフランとカドミウム濃度の高さはタンパク尿と関連

・血中鉛とカドミウム濃度の高さはeGFRの低さと関連

 

-米国の医学への信頼は大きくなった、ただし主に民主党員で

Trust in medical scientists has grown in the US, but mainly among Democrats

21-MAY-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/prc-tim052020.php

PEW RESEARCH CENTERの4月 29日-5月 5日と4月20-26日の二つの世論調査

米国成人で社会的距離をとることがコロナウイルスの拡散抑制に大きく役立ったと信じる割合は59%であるが民主党支持者は69%だが共和党支持者は49%。特に差が大きいのは検査についてで、新しい患者の背景にあるのは検査がすくないせいだと考える民主党支持者は75%なのに対して共和党支持者は37%

 

-高用量ビタミンD補充はCOVID-19の予防や治療に現在利益はない

High doses of vitamin D supplementation has no current benefit in preventing or treating COVID-19

21-MAY-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/uos-hdo052120.php

BMJ, Nutrition, Prevention and Healthに発表された高用量ビタミンDサプリメントを使わないように警告するコンセンサスペーパー

4000IU/d以上の高用量のビタミンDがCOVID-19リスクを減らすあるいは治療に使えるという証明されていない報告があったため

 

-環境汚染物質は腸のマイクロバイオーム,健康を変える

Environmental contaminants alter gut microbiome, health

21-MAY-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/uoia-eca052120.php

Toxicological Sciencesに発表されたこれまで腸内微生物叢を変更すると報告された物質のレビュー

(何かを与えたら何かが変わったという報告だけはたくさんある。問題はそこから先が想像でしかないこと。このプレスリリースではBPAとある種の細菌の増加が関連するからそれがBPAによる肥満の理由かもしれないと言っているが「BPAが人間の体重を増やす」は仮説。仮定に仮定を重ねた言説が既成事実になっている分野って怖くない?)

 

-発がん物質が乳がん発生の引き金を引く多くの方法を研究が明らかにする

Study unveils many ways carcinogens trigger development of breast cancer

21-MAY-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/ssi-sum052120.php

乳がんの発生に関するこれまでで最も包括的なレビューの中で,科学者は環境化学物質が引き金を引く多くの道筋の詳細マップを作った。Archives of Toxicology

オープンアクセス

Adverse outcome pathways for ionizing radiation and breast cancer involve direct and indirect DNA damage, oxidative stress, inflammation, genomic instability, and interaction with hormonal regulation of the breast

https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00204-020-02752-z

有害アウトカム経路Adverse Outcome Pathway (AOP)について

 

Science

-「ばかげている」。77人のノーベル賞受賞者がNIHのコロナウイルス研究費キャンセルを非難し調査を要求

‘Preposterous.’ 77 Nobel laureates blast NIH decision to cancel coronavirus grant, demand investigation

By Science News StaffMay. 21, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/05/preposterous-77-nobel-laureates-blast-nih-decision-cancel-coronavirus-grant-demand

77人の米国のノーベル賞受賞科学者がNIH所長とHHS長官に、中国でのコウモリのコロナウイルス研究を支援する研究費の終了決定について「緊急に対応するよう」求めた。

4月24日に、野生生物の病気の専門家であるPeter Daszakが率いるNPOのEcoHealth AllianceにNIHから2014年から続いていて2019年に更新された研究費を終了すると通知があった。その前に米国の保守系政治家やメディアが根拠なくパンデミックの原因となったコロナウイルスは中国武漢の実験室由来で、そこでこの研究費を受け取った中国人ウイルス学者が働いていたと示唆していた。

手紙の中でノーベル賞受賞者らはこの決定について「深く懸念している」と述べている

 

-世界中の国がコロナウイルス封じ込めのために接触追跡アプリを公表している。それが奏功するかどうかどうやって知る?

Countries around the world are rolling out contact tracing apps to contain coronavirus. How will we know whether they work?

By Kelly ServickMay. 21, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/05/countries-around-world-are-rolling-out-contact-tracing-apps-contain-coronavirus-how

 

-展望:沈黙の毒への世界的解決法

Global solutions to a silent poison

Yan Zheng

Science  22 May 2020:Vol. 368, Issue 6493, pp. 818-819

1990年代から地下水のヒ素による重大な公衆衛生上の問題は認識されてきた。影響されている人の数は1億人以上と言われるが井戸水や飲料水のヒ素の測定が不完全で記録が信頼できないために不確実性が大きい。今週号の845ページでPodgorskiらは統計モデルを使って9400万人から2億2000万人が10 µg/liter以上のヒ素濃度の水を飲んでいるリスクがあると推定した。

WHOは2017年版の飲料水質ガイドラインで無機ヒ素については10 µg/literの暫定値を維持し,多くの国でこの値を採用している。EUは10 µg/literを基準にしているがデンマークは5 µg/literである。オランダ飲料水企業協会は2015年に自主的ガイドライン<1 µg/literに合意している。米国ではEPAが2001年に採択して2006年に発効した連邦規則で10 µg/literのMCLであるがニュージャージーは2006年から,ニューハンプシャーは2020年から5 µg/literである。中国では2007年から,院dのでは2012年から、それぞれ50µg/literを10 µg/literに引き下げている。しかしインドでは代わりの水がない場合には50µg/literでも認められ,バングラデシュや中国の小規模の田舎の水ではまだ50µg/literがMCLのままである。新しい健康の根拠では10 µg/literでも十分保護的ではないことが示唆されているなかでこのMCLの大きな違いは懸念材料である

(以下略)

 

-書評 多様性とディナープレート

Diversity and the dinner plate

Lenore Newman

Science  22 May 2020:Vol. 368, Issue 6493, pp. 836

Gina Rae La Cerva著「野生のご馳走:最後の自然のままの食品を求めてFeasting Wild: In Search of the Last Untamed Food」

世界の野生食品を詳細に紹介。鳥の巣を食べるための厳格な調理法やスウェーデンの森でのヘラジカの猟とその肉の難しい加工、乳酸発酵ラズベリーや苔の保存食など。さらに経済的現実や文化等。弱点は野生であることが失われた楽園であるという物語に執着していることだがそれは問題ではない

(珍しい食べ物旅行記といった感じの本?自然のままの、が焦点というわけではなさそう)

 

-ニュースを一目で

News at a glance

Science  22 May 2020:Vol. 368, Issue 6493, pp. 804-806

・TrumpのWHO引き上げに注視

公衆衛生研究者らが今週のDonald Trump大統領のWHOからの米国の脱退と資金提供を永久に引き上げるという脅しを批判している。大統領は中国がCOVID-19パンデミックを止めるため十分早く対応しなかったしWHOも対応が遅く中国への対応をしくじったと言ったがそれは正当ではなくWHOの役割やパンデミックの展開についての事実誤認を含むと科学者は言う。「中国と米国はまるで離婚した両親のように争っていて、WHOは間でどちらの側にもつかないようにしようとしている子どものようだ」とEdinburgh大学の世界公衆衛生教授Devi Sridharはいう。

・CDCの再開計画批判される

先週発表されたCOVID-19ロックダウンからの米国の再開をガイドするCDCの一連の助言は、骨抜きにされていると批判者は言う。そのガイドラインは初期の案をホワイトハウスがあまりにも指示的で事業にとって面倒だと却下されたために代わったもので、6つのフローチャートからなる。Anthony Fauciを含む公衆衛生専門家は早すぎるロックダウン緩和は悲惨な帰結になると警告し続けているが今週多くの州が小売店やレストランを再開している。学校は閉鎖されたまま。

・中国の停止は汚染による死亡を減らす

中国ではCOVID-19が数千人の命を奪ったが,ロックダウンによる大気汚染の低下は新型コロナウイルスにより失われた以上の命を救っただろうとある研究が推定する。The Lancet.

・抗体をもつスペイン人は少ししかない

スペインでの7万人の血液検体の調査から、COVID-19の原因ウイルスへの抗体はごく一部のひとしか持っていないことが示唆された。スペイン人全体の約5%、地域によって異なり,最も感染のひどかったマドリードでは11%程度

・子どもの死亡増加予想

COVID-19パンデミックによる通常の医療と食品供給への障害のため,世界中で5才以下の子ども追加で120万人と57000人の母親が今後6ヶ月で死亡する可能性があると予想

The Lancet Global Health

・EPAは汚染物質を規制しない

10年にわたる議論の最新の展開として、EPAは飲料水の過塩素酸塩を規制しないと決めたと報道されている。過塩素酸塩はロケット燃料などに使われていて天然にも存在し多くの水系から検出されている。環境保護主義者は長い間連峰規制を要求していて2011年にオバマ政権は規制プロセスを開始した。しかしトランプ政権はこの化合物は重大な脅威ではなく連邦の監視は必要ないと決定したとNew York Timesが報道している

 

Natureコメント

免疫パスポートが悪いアイディアである10の理由

Ten reasons why immunity passports are a bad idea

21 MAY 2020 Natalie Kofler & Françoise Baylis

https://www.nature.com/articles/d41586-020-01451-0

生物学に基づき移動を制限することは自由と公正と公衆衛生を脅かす

就職や居住やローンが血液検査の結果による世界を想像してみよう。もしあなたにある種の抗体がなかったら家に閉じ込められ社会から締め出される。

かつてそんなことがあった。19世紀のほとんどで、黄熱病に対する免疫の有無がニューオーリンズとルイジアナの人々を分けた。黄熱病に罹って生き残った人は「順応acclimated」,罹ったことのない人は「非順応unacclimated」とされ免疫によって結婚や労働や価値を決められた。免疫があると見なされた人達は政治や経済の力をもち白人優位を正当化した。

政府がCOVID-19パンデミックに対応しようとして「免疫パスポート」を導入したら似たような悲惨な未来になるだろう。SARS-CoV-2抗体検査で陽性の人に社会に出て働き旅行を認めるという考えは多くの欠陥がある、そしてそれは始めたときにはわかりにくい。

問題点として実行可能性についての大問題4つと倫理的問題6つを指摘する。

・COVID-19の免疫は謎

・血清学的検査は信頼性が低い

・検査の規模は実行不可能

・経済を復活させるにはあまりにも少人数

・モニタリングはプライバシーの侵害

・辺縁の人々がより厳しい監視に直面するだろう

・アクセスは公平ではない

・社会の階層化

・新しい形の差別

・公衆衛生への脅威(意図的に感染しようとする人がでてくるだろう)

 

その他

-他の国ではコロナウイルスから守るためにマスクをするよう言われているがオーストラリアはそうではない

People in other countries have been told to wear masks to protect from coronavirus. Australia isn't in the same boat

https://www.abc.net.au/news/2020-05-22/coronavirus-should-australians-wear-face-masks-for-protection/12265036

何故?

最大の違いはリスクレベルの差である、とSunshine Coast大学のMatt Masonはいう

アメリカと英国に比べてオーストラリアでは感染リスクは低い

 

-ハチ類:よくある神話と誤解

Bees: common myths and misunderstandings

May 20, 2020

https://campusbuzz.blog/2020/05/20/bees-and-the-five-myths-that-need-busting/

世界中に2万種以上もいて2mmの小さなPerdita minimaから38 mmにもなるMegachile plutoまでの多様なグループである。共通点は幼虫が花粉を食べること。そして成虫が花から花へと花粉や蜜を集めるときに受粉がおこる。

そしてミツバチは今いろいろな分野でかつてなく人気上昇中である。保全、ガーデニング、ファッション、マーケティング、公共/企業戦略。従って研究も増えている。しかし同時にたくさんの誤解や間違いもある。そこでしばしば使われるが事実ではない6つの主張について記す

1.食料の1/3はハチの受粉に依存している

良く引用される論文をよく読んでいないのだろう

2.アインシュタインが言ったとされる「もし地球上からミツバチがいなくなったら、人間は4年しか生きられないだろう」

根拠がない

3.ハチは減っていて我々の助けを必要としている

どのハチ?実のところよくわかっていない

4.ヨーロッパミツバチが最も減っている

人気なので増えていて今後も増えると予想される

5.ハチは刺すと死ぬ 

ミツバチだけ

6.ハチは巣の中でコロニーで生活する 

世界のハチの10%のみが社会性でコロニーで生活する

 

-現代農業は活発に脅かされている-我々はそれを救う必要がある

Modern agriculture is actively under threat – we need to save it

By Bill Wirtz | Consumer Choice Center  2020年5月13日

https://www.euractiv.com/section/agriculture-food/opinion/modern-agriculture-is-actively-under-threat-we-need-to-save-it/

カビ毒は消費者の健康に脅威となるが特定の植物保護方法への敵意がこの問題を大きくしている-防かび剤が標的にされている。公共農業政策には科学的手法と消費者の健康を考慮すべきだ。

グリーンピースが欧州で大活躍していて現在SDHI抗真菌剤が標的になっている。フランスではANSESがグリーンピースの主張を否定する報告書を公表しているが環境保護主義者団体が使用禁止を求めている。フランスで禁止に成功したら次の目標はEUレベルでの禁止だろう