2020-06-03

[RIVM]飲用に使われる地下水の傾向解析(2000 - 2018)

Trend analysis for groundwater quality of drinking water extractions (2000 - 2018)

02-06-2020

https://www.rivm.nl/publicaties/trendanalyse-grondwaterkwaliteit-van-drinkwaterwinningen-2000-2018

水源ごとに水質が基準を満たしているかどうか、物質の濃度の傾向が見られるかを解析。156箇所中92箇所で未処理地下水に何らかの汚染物質が検出された。重要な物質は農薬、溶媒、その他工業化合物。本文オランダ語

 

[IARC]IARCモノグラフ124巻:夜間シフト労働

IARC Monographs Volume 124: Night Shift Work

2 June 2020

https://www.iarc.fr/news-events/iarc-monographs-volume-124-night-shift-work/

オンライン公開

 

[ASA]善のために技術を使う:年次報告書

Using Technology for Good: our Annual Report

ASA and CAP News 03 Jun 2020

https://www.asa.org.uk/news/using-technology-for-good-our-annual-report.html

ASAは24886件の広告に34717件の苦情を受け取った。そのうち14775はオンライン広告、5216がテレビ広告。

インフルエンサーの広告についての苦情が全てのオンライン広告への苦情の1/4以上を占める

 

[EU]農薬の持続可能な使用指令改定計画のロードマップに意見募集

Roadmap for the planned revision of Sustainable Use of Pesticides Directive

https://ec.europa.eu/info/law/better-regulation/have-your-say/initiatives/12413-Sustainable-use-of-pesticides-revision-of-the-EU-rules

2020年5月29日から2020年8月7日

 

[Codex]世界食品安全デーツイッターチャットに参加しよう

Join the #WorldFoodSafetyDay Twitter chat: new date June 9

02/06/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1276326/

日付変更 6月9日

 

[USDA]ニューヨークのペットのイヌにCOVID-19確認

APHIS

Confirmation of COVID-19 in Pet Dog in New York

Jun 2, 2020

https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/stakeholder-info/sa_by_date/sa-2020/sa-06/sars-cov-2-dog

動物の感染についてはレファレンスラボでの確認の上OIEに報告する

これまでの確認動物は以下

Confirmed cases of SARS-CoV-2 in Animals in the United States

https://www.aphis.usda.gov/aphis/ourfocus/animalhealth/sa_one_health/sars-cov-2-animals-us

 

[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新:FDAは公衆衛生を守るために対応;アルコールベースのハンドサニタイザーの供給を増やす

Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Takes Action to Protect Public Health; Increase Supply of Alcohol-Based Hand Sanitizer

June 01, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-fda-takes-action-protect-public-health-increase-supply-alcohol-based

4月の暫定ガイドライン更新では、燃料用エタノールの製造業界から提出されたデータに基づき一部の燃料用エタノールにはガソリンやベンゼンなどの有害化合物が含まれることを反映していた。FDAは業界と協力してある種の不純物の暫定耐容濃度を特定しリスクとベネフィットの適切なバランスをとった。

燃料用あるいは工業用エタノールをハンドサニタイザーに使う場合の不純物の暫定許容量は以下のガイドラインに

https://www.fda.gov/media/136289/download

 

その他

-数千人がコロナウイルス危機の長期健康影響を追跡する科学者に協力

Natureニュース

Thousands of people will help scientists to track the long-term health effects of the coronavirus crisis

02 JUNE 2020  Alison Abbott

https://www.nature.com/articles/d41586-020-01643-8

パンデミックの身体的、精神的、社会的帰結を追跡するために数年にわたり人々をフォローするコホート研究が立ち上がっている

ドイツRhinelandスタディ等

 

-最も小さいものたちのサバイバル:極端に早く生まれたことの長期影響

Natureニュース特集

Survival of the littlest: the long-term impacts of being born extremely early

Amber Dance  02 JUNE 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-01517-z

1992年に妊娠26週で920gで生まれたCamille Girard-Bockは今27才でモントリオール大学で生命医学を学び妊娠25-28週未満で生まれることの長期影響を研究している。彼女のような人達は今が歴史上最も多いので、初めて長期影響の調査ができる。

1975年は1000g以下の未熟児はほとんど生存できなかった。1970年代にオーストラリアで人工呼吸器が導入されたがそれは同時に肺傷害ももたらした。大きく変わったのは1990年代の界面活性剤(サーファクタント)治療である。それは奇跡だった。未熟児死亡リスクが60-73%減った。現在は22-24週で生まれた赤ちゃんも救っている

(長い記事、一部のみ。藤原哲郎)

 

-トップ雑誌に発表された謎の会社のコロナウイルス論文は白紙に戻るだろう

Scienceニュース

A mysterious company’s coronavirus papers in top medical journals may be unraveling

By Kelly Servick, Martin EnserinkJun. 2, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/06/mysterious-company-s-coronavirus-papers-top-medical-journals-may-be-unraveling

5月22日にThe Lancetに発表された研究は、あまり知られていないSurgisphereというデータ解析会社の作った病院の記録を使ってクロロキンやヒドロキシクロロキンを使ったコロナウイルス患者は不整脈を起こしやすく病院で死ぬ可能性が高いと結論していた。その後数日以内にヒドロキシクロロキンの大規模RCTが急停止した。しかしほぼ同様に速やかにLancetの結果とSurgisphereについての検討が行われ多くの赤信号が指摘された。患者の数やその人たちの詳細、投与された薬物の量などがありそうにないことなどを含む。

本日Lancetは「データに関して重大な科学的疑問がある」と懸念の表明を行った。その数時間前にはNEJMがSurgisphereのデータを使った別の研究への懸念を表明している。その論文はACE阻害剤を含む血圧の薬はCOVID-19患者の死亡リスクを上げないというものである。さらに3番目のSurgisphereのデータを使った研究も炎上している。4月の初期に投稿されたプレプリントでSurgisphereの創設者でCEOのSapan DesaiらがイベルメクチンがCOVID-19患者の死亡率を劇的に下げたと結論しているものである。この研究をもとにラテンアメリカで政府当局がイベルメクチンを注意付きで認可している。

(データへの疑問は、例えばオーストラリアの病院で死亡した患者の数がオーストラリア政府の公式死亡数より多い、アフリカ全土で患者が2人しか報告されていない時期に薬物を投与されたとする患者が3人いる、アフリカの患者の詳細電子記録が4402人あるのはありそうにない、など)

Sapan Desaiは科学や医学のバックグランドがなくSurgisphereの従業員はたった3人で、こんな小さな会社が世界中の言語やシステムの異なる何百もの病院のデータを使えるのは不思議である

(いろいろ略

この↓記事で言及されている「米Utah大学の研究」というのが問題のもの

北里大、新型コロナに対しイベルメクチンの医師主導治験を開始へ

2020.05.12

https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/05/11/06909/

 

-科学者がコロナウイルスの研究を巡って脅されているベネズエラの同僚を大急ぎで守る

Scientists rush to defend Venezuelan colleagues threatened over coronavirus study

By Rodrigo Pérez Ortega Jun. 2, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/06/scientists-rush-defend-venezuelan-colleagues-threatened-over-coronavirus-study

ベネズエラ物理数学自然科学アカデミー(ACFIMAN)を政府高官がコロナウイルスの流行は公式よりはるかに悪いという報告で「警鐘を鳴らした」ことで強制捜査あるいは逮捕すると示唆したため、国内外の科学や人権団体が援護している。

5月8日に発表された報告書でACFIMANの科学者が数理モデルを用いてベネズエラの現在および将来の流行の規模を推定した。3月30日時点でベネズエラの公式確認症例は135だったがその報告では最大883人まで感染していると結論した。さらに政府による抑制に成功したという宣言は間違っていて、追加対策をとらなければ6月から9月までの間に1000-4000症例が毎日出る可能性があるとした。この結論がDiosdado Cabello副大統領の気に召さず、5月13日のテレビ番組で科学者からの「国の治安当局への招待状」と述べた

それからCabelloの脅迫への非難が続いた。

ベネズエラは政治的経済的に深刻な危機の最中でコロナウイルスパンデミックを十分扱えない。医療は崩壊し食糧は不足し昨年は700万人に人道援助が必要だった

 

-COVID-19,フェイクサイエンス、陰謀論

COVID-19, fake science, and conspiracy theories

2-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/mali-cfs060220.php

AIDS Research and Human Retrovirusesに掲載されたコメント

Judy Mikovits博士によるCOVID-19陰謀論は2009年の彼女と共同研究者らが行った科学的不正行為に由来する

 

-神話とデマ

Myths and Misinformation

https://www.psychologicalscience.org/topics/myths-and-misinformation

The Association for Psychological Scienceによる心理学に関するデマのカウンターサイト

例えば我々は脳の10%しか使っていない、とか砂糖のとりすぎで子どもが多動になる、等について解説

 

-ノーベル病:知性が不合理からの保護に失敗するとき

The Nobel Disease: When Intelligence Fails To Protect Against Irrationality

Candice Basterfield, et al.,

From: Volume 44, No. 3 May / June 2020

https://skepticalinquirer.org/2020/05/the-nobel-disease-when-intelligence-fails-to-protect-against-irrationality/

科学分野のノーベル賞受賞者が科学的に疑問のある考えを支持する事例について

特に有名なのは以下

Linus Pauling (1901–1994):ビタミンCががんに効く

William Shockley (1910–1989):米国黒人の知能が低いのは遺伝的に決まっている

James Watson (1928–),:同上

Brian Josephson (1940–):テレパシー、水の記憶

Nikolaas Tinbergen (1907–1988) :自閉症母親原因説

Kary Mullis (1944–2019) :HIV否定、温暖化否定

Louis J. Ignarro (1941–),:ハーバライフの顧問としてサプリメント宣伝

Luc Montagnier (1932–):自閉症ワクチン原因説、等

他にもたくさんの事例がある

(ノーベル賞受賞だからといって他の分野のことまで聞く方も問題)

 

-COVID-19インチキの不完全なリスト

An incomplete list of COVID-19 quackery

Scott Gavura on May 28, 2020

https://sciencebasedmedicine.org/an-incomplete-list-of-covid-19-quackery/

ヒドロキシクロロキン

熊の胆やその他中国伝統薬(TCM)

漂白剤(飲む)

コロイド銀

カバノアナタケ茶

オレガノオイル

ホメオパシー

水槽の水(飲む)(魚の感染症治療用のクロロキン)

亜鉛

トニックウォーター

カイロプラクティック

エルダーベリー

ジュース絶食

メタノール

他に?

 

-Genova Diagnosticsが虚偽請求取締法違反で示談

Genova Diagnostics Settles False Claim Act Violations

Stephen Barrett, M.D. May 12, 2020

https://quackwatch.org/consumer-protection/genova-diagnostics-settles-false-claim-act-violations/

ノースカロライナの臨床検査会社Genova Diagnostics Incが、医学的に必要のない検査で医療保険に請求をしたことについて約4300万ドルの支払いに合意。

この会社はホルモンや食物アレルギーや栄養に関する各種の普通は使わない検査を宣伝販売していて、医学的必要性に関する根拠はないにも関わらず医師に検査をさせていた。

「リーキーガット」を診断する糞便検査、食品へのIgG抗体検査、栄養のバランスを診断するという血中有機化合物検査など。

(日本でも遅延型アレルギーとか言ってIgG抗体検査販売している会社があるので注意。保険がきかないのでわかると思うけど

〔学会見解〕血中食物抗原特異的IgG抗体検査に関する注意喚起

https://www.jsaweb.jp/modules/important/index.php?content_id=51

 

-コロナウイルス:子どもたち向けのフードバンクの荷物は「記録的多さ」だった

Coronavirus: Food bank parcels for children 'at record high'

https://www.bbc.com/news/uk-scotland-52894475

スコットランドのフードバンクはパンデミック中に子どもたちに送られた緊急食料は過去最大の増加だったという。

この国のネットワークの83%を運営しているTrussell Trustによると2019年に比べて2020年4月の配送は47%増加した。子ども向けは62%増加だった。

トラストは政府に追加支援を要請し政府は£350m追加すると言っている

 

-Nuseedはキャノーラ油から作ったオメガ3油をサーモン養殖場にうる

Nuseed in omega-3 oil production from canola to sell to salmon farmers

PETER HEMPHILL, The Weekly Times

May 29, 2020

https://www.weeklytimesnow.com.au/agribusiness/nuseed-in-omega3-oil-production-from-canola-to-sell-to-salmon-farmers/news-story/f0b6f088219b7195470ff7c7591ffb6d

Nuseedがアメリカでキャノーラから作った最初の市販できる量のオメガ3油を世界の水産養殖市場に売る準備ができた

(魚資源枯渇の心配がない、水銀やPCB等の汚染が少ない利点がある)