2020-06-04

[FDA]食品安全とコロナウイルス疾患2019(COVID-19)

Food Safety and the Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)

06/03/2020

https://www.fda.gov/food/food-safety-during-emergencies/food-safety-and-coronavirus-disease-2019-covid-19

食品関係の情報をまとめた

新着はWhat's Newから。CDCやUSDAからの発表も含まれている

 

[FDA]世界食品安全デー

World Food Safety Day

05/29/2020

May 29, 2020

https://www.fda.gov/food/consumers/world-food-safety-day

6月7日は世界食品安全デーである。国連は汚染食品と汚染水の結果に世界の関心を集めるため宣言した。食品由来の疾患の回避、世界食品安全デーへの参加、食品安全におけるFDAの役割について。

 

[FDA]警告文書

- Alternativa ※企業名修正

May 26, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/alternativa-607147-05262020

コロナウィルス疾患2019(COVID-19)に関連する未承認かつ不正製品。グレープフルーツシード、初乳、タラ肝油製品を含む。

 

- Natural Solutions Foundation

May 19, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/natural-solutions-foundation-605748-05192020

コロナウィルス疾患2019(COVID-19)に関連する未承認かつ不正製品。サプリメント製品を含む。

 

- LifeHealth Science

May 15, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/lifehealth-science-599467-05152020

未承認の医薬品、不正表示。ダイエタリーサプリメントのCGMP違反、不純品、不正表示。

 

- Quality Dairy Company

May 13, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/quality-dairy-company-604285-05132020

CGMP食品製造、包装または保管に関する衛生管理、不良品の問題。

 

- The Dragontree Apothecary LLC

April 28, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/dragontree-apothecary-llc-592743-04282020

未承認かつ不正製品。CBD製品を含む。

 

[FDA]リコール

CHS Nutritionはルメンシン(モネンシン)健康リスクの可能性ため医療用飼料Champion Meat Goat Pellets R20を回収措置

CHS Nutrition Recalls Champion Meat Goat Pellets R20, Medicated Feed, Because of Possible Rumensin (monensin) Health Risk

May 29, 2020

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/chs-nutrition-recalls-champion-meat-goat-pellets-r20-medicated-feed-because-possible-rumensin

CHS Nutritionはルメンシン(モネンシン)濃度の上昇のため医療用飼料Champion Meat Goat Pellets R20の510袋を回収措置。

 

[HK]シンガポール政府より‐シンガポール基準を超える臭素酸塩のため、シンガポールのYen Investments Pte Ltdの「Changソーダ水」の回収

The Singapore Food Agency (SFA) – A notice regarding a recall of a “Chang Soda Water” in Singapore by Yen Investments Pte Ltd due to presence of bromate which is not complying with the Singapore standard.

3 June 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20200603_1.pdf

 

[HK]食品安全センターはパツリン汚染のボトル入り果汁飲料を飲まないよう市民に注意を呼び掛ける

CFS urges public not to consume bottled fruit juice drink contaminated with patulin

Friday, May 29, 2020,

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20200529_7973.html

Tuesday, June 2, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20200602_7976.html

オーストラリア産ボトル入り果汁飲料が、基準値超えのパツリン汚染を検出した。サンプルのパツリン濃度はそれぞれ110ppb、120ppbであった。

 

[CFIA] 貝捕獲禁止

Gaspé とLower St. Lawrenceの貝捕獲閉鎖地域

Closed Area for Shellfish Harvesting in the Gaspé and Lower St. Lawrence

June 1, 2020

https://www.canada.ca/en/fisheries-oceans/news/2020/06/closed-areas-for-shellfish-harvesting-in-the-gaspe-and-lower-st-lawrence.html

 

北部海岸の貝捕獲閉鎖地域

Closed Area for Shellfish Harvesting on the North Shore

June 1, 2020

https://www.canada.ca/en/fisheries-oceans/news/2020/06/closed-areas-for-shellfish-harvesting-on-the-north-shore.html

 

Magdalen Islandsの貝捕獲閉鎖地域

Closed Area for Shellfish Harvesting  in the Magdalen Islands

June 1, 2020

https://www.canada.ca/en/fisheries-oceans/news/2020/06/closed-area-for-dhellfish-harvesting-in-the-magdalen-islands.html

 

[FSAI] 未承認の施設内での加工のため、JLM Foods and JLM Family Butchersの肉製品及び肉調理品の回収措置

Recall of JLM Foods and JLM Family Butchers Meat, Meat Products and Meat Preparations Due to Processing in an Unapproved Establishment

Friday, 29 May 2020

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/JLM_recall.html

未承認の施設内での加工のため、JLM Foods and JLM Family Butchersのすべての肉製品及び肉調理品の回収措置。製品写真あり。表示情報の追跡及び正確性の違反あり。

 

[BfR]食品中フランについてのQ & A

Questions and answers on furan in food 

28 May 2020

https://www.bfr.bund.de/en/questions_and_answers_on_furan_in_food-128365.html

あとで

 

[BfR]もうタバコにメントールは入ってない

No more menthol in cigarettes and smoking tobacco

29.05.2020

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2020/19/no_more_menthol_in_cigarettes_and_smoking_tobacco-246948.html

2020年5月20日からEUではメントール入りタバコ製品は販売されない

 

[FAO]EUとFAOは農業をより革新的で環境に優しいものにすることへの関与を更新

EU and FAO renew commitment to make agriculture more innovative and environmentally friendly

03/06/2020

http://www.fao.org/director-general/news/news-article/en/c/1279057/

 

論文

-コレステロール濃度は西洋諸国では低下している-がアジアでは増加

Cholesterol levels dropping in Western nations -- but rising in Asia

3-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/icl-cld060120.php

Nature。1980年から2018年の間に39才での200カ国のコレステロール濃度を測定した1億260万人のデータを使った研究。1980年に非HDLコレステロール濃度が高かった国はベルギー、フィンランド、グリーンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、スイス、マルタだったがトケラウ諸島、マレーシア、フィリピン、タイに変わった。低下の一部はスタチンによる

 

-「母乳がベスト」推進は実態と違う

'Breast is best' push out of touch

3-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/uoq-ib060220.php

Queensland大学の研究者らが、世界的に6ヶ月までは母乳を推奨されているがたった34%しか母乳のみで育てていない理由を発見した。母乳を止める主な理由は足りないあるいは授乳が困難だから。主著者のKatrina Moss博士は「母親は母乳を与えなければならないという強いプレッシャーを感じているが全ての人にとって母乳がベスト、ではない」という。

母乳に関するメッセージは母乳かミルクかの二つに極端に分かれているが、実際にはそんなに単純ではなく、我々は6つのパターンをみつけた。多くの母親が母乳のみで育てていないのにはもっともな理由があり、それを反映させてサポートすべきである。

Journal of Human Lactation

(「完母」でなければいけないというのがおかしいだろう、少しでもミルクを与えたら母親失格みたいな過激波が問題を面倒にしている)

 

-研究の再現性を改善し動物の使用を減らすために動物研究を設計する

Designing animal studies to improve research reproducibility and reduce animal use

3-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/uob-das060320.php

Nature Reviews Neuroscienceに発表された昨年行われたワークショップからの提言

動物実験の生物学的多様性を拡大し一つの実験と一匹の動物から得られる知見を最大化する。

 

-研究:COVID-19ロックダウンは子どもの肥満を悪化させた

Study: COVID-19 lockdowns worsen childhood obesity

3-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/uab-scl060320.php

Obesityに発表された、イタリアのVeronaで3月と4月に閉じ込められていた41人の過体重の子どもを調べた研究。1年前に比べて、子どもたちは1日に食べる食事が一回増え、30分余計に眠り、電話やテレビやコンピューターのスクリーンの前にいる時間が5時間増え赤肉と砂糖入り飲料とジャンクフードの摂取量が劇的に増えた。一方運動へ減り野菜の摂取量は変わらなかった。

進行中だった長期試験の参加者のデータ。

(予想通りだろうけど)

 

-専門家がアメリカ人の飽和脂肪摂取ガイドラインについて議論する

Experts debate saturated fat consumption guidelines for Americans

3-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/asfn-eds052720.php

米国栄養学会のバーチャル年会でのセッション。

現在アメリカの食事ガイドラインでは飽和脂肪の摂取量は一日の総カロリーの10%未満を推奨しているが多くのアメリカ人はそれを超えている。議論の中心は心疾患と飽和脂肪を関連させる根拠と、可能な限り飽和脂肪摂取を減らすようにという公衆衛生ガイドラインの帰結について、である。

単一の食品成分より食事パターンのほうが重要であることとLDL増加が心疾患リスクを増やし不飽和脂肪の代わりに飽和脂肪を摂取するとLDLが増えることについては合意されている。意見が異なるのは飽和脂肪を可能な限り減らすように助言することが本当に心疾患を減らすのか、である

 

その他

-Surgisphere:政府とWHOは小さな米国企業の疑わしいデータに基づいてCovid-19方針を変えた

Surgisphere: governments and WHO changed Covid-19 policy based on suspect data from tiny US company

Melissa Davey in Melbourne and Stephanie Kirchgaessner in Washington and Sarah Boseley in London

Wed 3 Jun 2020

https://www.theguardian.com/world/2020/jun/03/covid-19-surgisphere-who-world-health-organization-hydroxychloroquine

Surgisphere、従業員はSF作家とアダルトコンテンツモデルのようだ、がLancetとNEJMのヒドロキシクロロキン研究の背景にあるデータベースを提供した

Guardianの調査では公開されている材料からはSurgisphereの従業員の何人かには科学的バックグランドは全くあるいはほとんどない。サイエンスエディターとして掲載されている従業員はサイエンスフィクションの著者でファンタジーアーティストのようだ。マーケティング担当幹部とされているもうひとりはアダルトモデルでイベントホストである。この会社のLinkedInのフォローワーは100人未満で、従業員は先週6人だった水曜日に3人になった。Twitterのフォローワーは170人以下で2017年10月から2020年3月の間に投稿は一つもない

(CEOの)DesaiはSurgisphereデータベースとは関係のない3件の医療ミス裁判に名前がある。

Desaiは2008年にウエアラブル次世代人類強化装置の開発クラウドファンディングを開始しているが成果物はない

(病院に問い合わせたりしてしっかり調査している長い記事)

 

-ソーシャルメディア企業はCovid-19フェイクニュースに対応していない

Social media firms fail to act on Covid-19 fake news

https://www.bbc.com/news/technology-52903680

デジタルヘイト対策センターの報告によると、Covid-19デマを拡散する投稿数百がオンラインに残ったまま

偽りの治療法、反ワクチンプロパガンダ、5G陰謀論など649の投稿をFacebookと Twitterに報告したが、90%が何の警告もなくオンラインの残ったままだった。

会社側は対策していると言う

(BBCはソーシャルメディアのフェイクニュースの影響をずっと追いかけている)

 

-科学が本来のスタイルに戻った?

Is science back in style?

May 28, 2020  Cam Dahl(カナダ穀物協会会長)

https://www.realagriculture.com/2020/05/is-science-back-in-style/

COVID-19パンデミックの予期せぬ影響があった。一つは医務主任Chief Medical Health Officersが有名になったこと。カナダの全ての地方に医務主任がいるが数ヶ月前までは一部の人しか知らなかった。今やどこにでも出てくる。これは科学や知識と経験のある当局が本来のスタイルに戻ったことを意味するか?そうあって欲しいがこの科学への信頼回復がCOVID-19より長くは続かないかもしれない懸念すべき兆候がある。

最初に良いニュース。

パンデミックによりカナダ人の科学者や医師への信頼が10%以上増加した。しかしだからといって詐欺師がいなくなったわけではない。栄養助言については科学的根拠のあるものに回帰しているという逸話はある。例えばグルテンを敵視する流行が勢いを失いつつある。カナダの小麦需要は急増しパンが好きになったようだ。カナダの食料供給の強靱さも科学と農業のおかげだ。これがパンデミックが終わっても続くといいのだが。

今こそ政府と業界は食品供給チェーンの安全保障と回復力を強調すべきである。この時期を科学の価値を理解する機会につかう必要がある。

 

-インドは安全上の懸念にも関わらず議論のあるコロナウイルス薬の使用を拡大

Natureニュース

India expands use of controversial drug for coronavirus despite safety concerns

03 JUNE 2020  Priyanka Pulla

https://www.nature.com/articles/d41586-020-01619-8

医薬品機関は自身の研究でヒドロキシクロロキンが感染予防できることを示したという、しかし多国の規制機関は有害事象について調査中

インド政府は前線に立つ労働者に感染予防目的でヒドロキシクロロキンを使用するよう勧めている。これは時期尚早で危険であると研究者は言う。

安全性と保護作用に明確な根拠がないにも関わらず、インド保健省特別委員会は5月22日に警官や訪問調査をする人を含むフロントライン労働者に感染予防のためにヒドロキシクロロキンを使用するよう助言した。この助言は3月の同様の助言でCOVID-19患者をケアしている医療従事者にヒドロキシクロロキンを使用べきとしていたものを拡大したものである。特別委員会はこの決定は政府機関が行った3つの新しい観察研究に基づくという。その3つのうち出版されているのは1つのみでそれは症例対照研究である。しかし一部の科学者はこの研究からあまり多くは言えないという。

安全性についてはインド医学研究評議会(ICMR)は1.7%が低血糖、1.9%が心血管系への影響を経験し、比較的安全だと言うが、他の研究者は有効性の根拠がない中で2%の副作用は多いという

 

-The Lancetエディトリアル

Paolo Macchiariniは科学的不正行為で無罪

Paolo Macchiarini is not guilty of scientific misconduct

VOLUME 386, ISSUE 9997, P932, SEPTEMBER 05, 2015

先週、ストックホルムのカロリンスカ研究所教授Paolo Macchiariniの研究不正行為の主張に最終的に結論が出された。大学は「科学的不正行為の疑いを支持するものはない」と結論した。これは驚くべき回転で、5月にUppsala大学のBengt Gerdin名誉教授らによる調査が「科学的不正があった」と結論しNatureが「外科医は不正を行った」という見だして報道した。しかしその結論は時期尚早だった。この事例からいくつかの教訓がある。一つは不正があったという主張の調査方法で、個人による不正の主張が広く拡散されてダメージを与えた。もう一つはカロリンスカの報告書が結論しているように、「かつて統一されていて効果的だった研究環境が徐々に崩壊していった」。Macchiariniのチームや共同研究者との関係の悪化により研究所に内部抗争が生まれていた。しかし研究環境の監視は誰の責任なのだろうか?大学当局は研究環境悪化の原因を緊急に調査すべきだったが誰も事件がおこるまで対応しなかった。